説明

酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有する触媒を用いての、アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造方法

アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物、特にフタル酸無水物を製造するための方法に関する。本発明による方法によれば、芳香族炭化水素および分子酸素を含有する気体流を、少なくとも第1の触媒床および第2の触媒床に高い温度で通過させ、その際、第2の触媒は、気体流の流れの方向に対して第1の触媒の下流に位置するように配置され、かつ第1の触媒よりも高い活性を有するものである。第1の触媒の触媒活性材料は、少なくとも酸化バナジウム、酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有し、その際、バナジウム(Vとして換算)とアンチモン(Sbとして換算)との比は、第1の触媒中で3.5:1〜5:1である。好ましくは、平均粒径0.5〜5μmを有する平均粒径を有する粒子状三酸化アンチモンを、第1の触媒中でアンチモン源として使用する。本発明による方法は、好ましい酸化生成物を、長期間に亘って優れた収率で得ることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族炭化水素および分子酸素を含むガスを含有する気体流を、高い温度で、触媒床上に導入することによる、アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造方法に関する。
【0002】
多くのアルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物は、芳香族炭化水素、たとえばベンゼン、o−、m−またはp−キシレン、ナフタレン、トルエンまたはズロール(1,2,4,5−テトラ−メチルベンゼン)を、固定床反応器中で、好ましくは管束反応器中で接触気相酸化することによって、工業的に製造することができる。その際、それぞれの出発材料として、たとえばベンズアルデヒド、安息香酸、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸またはピロメリット酸無水物が挙げられる。さらに、酸化バナジウムおよび二酸化チタンをベースとする著量の触媒を使用される。
【0003】
気相酸化は極めて発熱性である。これは、局所的な温度の最大値、いわゆるホットスポットを形成し、そこで、主に触媒床の残余において生じる温度よりも高い温度である。これらのホットスポットは、副次的反応、たとえば出発材料の全焼の原因になるか、あるいは、反応生成物から除去されないか、あるいは、極めて高コストでのみ除去可能な望ましくない副生成物の形成を招く。したがって触媒は、一定のホットスポット温度を上廻る温度において可逆的に影響を受けうる。
【0004】
これらのホットスポットを低くするために、通常は種々の活性を有する触媒を、触媒床中に配置し、その際、活性の少ない触媒をガス挿入口に、より高い活性を有する触媒をガス搬出口に配置する。
【0005】
EP−A1063222では、3個またはそれ以上の触媒床上で気相酸化することによってフタル酸無水物を製造する方法を開示している。触媒は、二酸化チタンに加えて副次的成分アンモニウムメタバナデート121.86gおよび三酸化アンチモン37.89gないしはアンモニウムメタバナデート96.48gおよび三酸化アンチン37.50gを含有するスラリーから製造される。触媒活性は、セリウムおよびリンの含量を変更することによって調整する。
【0006】
US−4356112では、フタル酸水素化物を製造するために、触媒としてアンチモンを一緒に使用することによって、触媒の熱安定性および選択性を改善させることが記載されている。フタル酸無水物の収率は、二層配置の場合に、第1の層では、V:TiO:Nb:P:CsO:Sb=3:97:0.5:0.2:0.4:2.5の組成を有する触媒を用いて、かつ、第2の層では、V:TiO:Nb:P:CsO:Sb=3:97:0.5:0.2:0.4:1.0の組成を有する触媒を用いて達成される。
【0007】
DE19839001では、炭化水素、酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有する、気相酸化のための被覆触媒が記載されており、その際、担体上に、2個またはそれ以上の層の触媒活性材料を塗布し、その際、最外層はわずかな量のアンチモニウム含量を示す。
【0008】
EP−A0522871では、気相酸化によるフタル酸無水物を製造するための触媒が記載されており、この製造の際に、5価のアンチモン化合物をアンチモン源として使用する。開示された触媒は、V:Sb−比2:2.0であるか、あるいは、V:Sb−比2:2.5を示す。
【0009】
第1層中の触媒が老化することで、触媒活性が減少し、それに伴い反応の全反応率が減少する。したがって、多量の未反応の炭化水素または部分酸化された中間産物が、後続の触媒層中に導かれる。この反応については、高い活性を有するがわずかな選択率を示す後続の触媒層への移行が増加する。結果として、増加した滞留時間により目的生成物収量が減少する。
【0010】
本発明の課題は、長期間に亘って、高い収率で望ましい酸化生成物を得ることを可能にする方法を提供することである。
【0011】
本発明の課題は、芳香族炭化水素および分子酸素を含有するガスを含む気体流を、高い温度で、第1の触媒床および気体流の流れの方向の下流に存在する、第1の触媒よりも高い活性を有する第2の触媒床に導くことによる、アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造方法によって達成され、その際、第1触媒の触媒活性材料は、少なくとも酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有し、かつVとして算定されたバナジウムと、Sbとして算定されたアンチモンとの比は、第1の触媒中では3.5:1〜5:1、好ましくは3.8:1〜4.5:1である。
【0012】
第1の触媒において、前記に示したよりも小さいバナジウムとアンチモンとの比は、触媒の迅速な老化および後続の触媒床中への反応の移行を招く。前記に示したよりも高い比は、特に高い炭化水素負荷を有する気体流の場合に、全収率の減少を招く。
【0013】
好ましくは、さらに第2の触媒の触媒活性成分として、少なくとも酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有し、かつ特にVとして算定されたバナジウムと、Sbとして算定されたアンチモンとの比は、第2の触媒において、第1触媒中の相当する比よりも少ないかまたは同等である。
【0014】
好ましくは、方法は、気体流をさらに第2の触媒に対して下流に位置する第3のおよび場合によっては第4の触媒の層上に導く。一般に、第3および第4の触媒の触媒活性材料は、酸化バナジウムおよび二酸化チタンを含有する。
【0015】
触媒活性は、気体流の流れの方向に向かって段階的に増加する。酸化バナジウムおよび二酸化チタンに基づく気相酸化触媒の活性を制御するための方法は、当業者に公知である。
【0016】
したがって、触媒活性材料中に酸化化合物を含有していてもよく、この場合、これは、促進剤として触媒の活性化および選択率に作用し、たとえば、触媒活性を減少または増加させるものである。
【0017】
活性を減少させる促進剤としては、たとえばアルカリ金属酸化物、特に酸化セシウム、酸化リチウム、酸化カリウムおよび酸化ルビジウム、酸化タリウム(I)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化錫、酸化銀、酸化銅、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、ヒ素酸化物、酸化アンチモン、酸化セリウムが挙げられる。一般に、これらの群からセシウムが促進剤として使用される。これらの元素の源として、酸化物または水酸化物または熱的に酸化物に遷移可能な塩、たとえばカルボン酸塩、特に酢酸塩、マロン酸塩またはシュウ酸塩、炭酸塩、炭化水素塩または硝酸塩が挙げられる。
【0018】
活性を増加させる添加剤としては、特に酸化リン化合物、特に五酸化リンが適している。リン源としては、特にリン酸、亜リン酸、リン酸水素酸、リン酸アンモニウムまたはリン酸エステルおよび特にリン酸二水素アンモニウムが挙げられる。
【0019】
活性を制御するための他の可能性としては、触媒の全質量中の活性材料の量を変化させることであり、その際、高い活性材料の量は高い活性を導き、かつ低い活性材料の量は低い活性を導く。
【0020】
通常は、二酸化チタンをアナタース形で使用する。これらのBET表面積は一般に5〜50m/g、好ましくは8〜28m/gを有する。好ましくは、使用される二酸化チタンは、少なくとも1種の触媒層中で、種々のBET表面積を有する二酸化チタンの混合物から構成される。二酸化チタン形によるこれらの混合物は、たとえば、好ましくは5〜15m/g、特に5〜10/gの低いBET表面積を有する二酸化チタンと、好ましくは10〜70m/g、特に15〜50m/gの高いBET表面積を有する二酸化チタンとを含む。特に、使用された二酸化チタンは、前記2個の二酸化チタンの形から構成される。低い表面積のTiOを含むこのような混合物は、BET表面積が、触媒の寿命に亘って変化しないという利点を有する。したがって、触媒の高い活性、たとえば触媒の長い寿命が保証される。
【0021】
バナジウム源としては、特に五酸化バナジウムまたはアンモニウムメタバナデートが適している。
【0022】
アンチモン源としては、種々の酸化アンチモン、特に三酸化アンチモンが挙げられる。一般に、0.1〜10μmの平均粒径を有する(最大粒度分布)三酸化アンチモンを使用する。特に好ましくは、第1の触媒中の酸化アンチモン源として、平均粒径0.5〜5μm、特に1〜4μmを有する粒子状三酸化アンチモンを使用する。前記粒径の三酸化アンチモンの使用は、第1の触媒の活性および選択率の顕著な改善を導くものである。
【0023】
本発明による方法において使用された触媒は、一般には、被覆触媒であり、この場合、触媒活性材料は、不活性担体上に外皮状に塗布される。この触媒活性材料の層厚は、一般には0.02〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.1mmである。一般には触媒は外皮状に塗布された活性材料層を、本質的に均一な化学的組成で有する。
【0024】
不活性担体としては、実際には技術水準のすべての担持材料であり、この場合、これらは、芳香族炭化水素をアルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物に酸化するための被覆触媒を製造するために、有利に使用されるものである。たとえば石英(SiO)、ポーセレン、酸化マグネシウム、二酸化錫、炭化ケイ素、ルチル、アルミナ(Al)、珪酸アルミニウム、ステアタイト(珪酸マグネシウム)、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸セリウムまたはこれらの担持材料の混合物を使用することができる。担持材料は一般には無孔である。有利な担持材料としては特にステアタイトおよび炭化ケイ素である。担持材料の形状は、発明による触媒前駆体および被覆触媒に関しては、一般には重要ではない。たとえば触媒担体は、球、環、ペレット、ループ、チューブ、押出物または顆粒の形で使用することができる。これら触媒担体の寸法は、芳香族炭化水素の気相部分酸化のための被覆触媒を製造するために使用される通常の寸法に相当する。好ましくは、3〜6mmの直径を有する球であるか、あるいは5〜9mmの外径を有し、かつ4〜7mmの長さの環のステアタイトを使用する。
【0025】
被覆触媒のそれぞれの層の塗布は、公知方法によって実施することができ、たとえば、コーティングドラム中で、溶液または懸濁液を噴霧することによってか、あるいは、流動床中で溶液または懸濁液を用いて被覆することによって実施する。これに関して、触媒活性材料は、有機結合剤、好ましくはコポリマーを、有利には水性分散液の形で、ビニルアセテート/ビニルラウレート、ビニルアセテート/アクリレート、スチレン/アクリレート、ビニルアセテート/マレエート、ビニルアセテート/エチレンならびにヒドロキシエチルセルロースを添加してもよく、その際、有利には結合剤を、活性材料成分の溶液の固体含量に対して3〜20質量%の量で使用する。触媒活性材料は、有機結合剤を使用することなく担体上に塗布される場合には、被覆温度は有利には150℃を上廻る。前記結合剤を添加する場合には、使用可能な被覆温度は、それぞれ使用された結合剤に応じて50〜450℃の間である。塗布された結合剤は、触媒の装填および反応器の運転開始後の短時間に焼失する。さらに結合剤の添加は、活性材料が担体上で良好に保持され、それによって、触媒の運搬および装填の負担が軽減されることから有利である。
【0026】
3個の触媒層を用いての本発明の好ましい実施態様において、触媒は以下の組成を有する(その際、第1の層は、気体流の流れの方向に対して最も上流に配置された層である):
第1の層に関しては:
全触媒に対して7〜10質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
6〜11質量%の五酸化バナジウム
1.2〜3質量%の三酸化アンチモン
0.1〜1質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウムを含有し、かつ残余として100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積5〜30m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0027】
第2の層に関しては:
全触媒に対して7〜12質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
5〜13質量%の五酸化バナジウム
0〜3質量%の三酸化アンチモン
0〜0.4質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウム
0〜0.4質量%の五酸化リン(Pとして換算する)
を含有し、かつ残余として100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積10〜40m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0028】
第3の層に関しては:
全触媒に対して8〜12質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
5〜30質量%の五酸化バナジウム、
0〜3質量%の三酸化アンチモン、
0〜0.3質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウム、
0.05〜0.4質量%の五酸化リン(Pとして換算する)
を含有し、かつ残余として100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積15〜50m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0029】
第1、第2および第3の層により占められる容量比は、好ましくは120〜200:50〜100:50〜100である。
【0030】
4個の触媒層を有する本発明による方法の好ましい実施態様において、触媒は以下の組成を有する(その際、第1の層は、気体流の流れの方向に対して最も上流に配置された層である):
第1の層に関して:
全触媒に対して7〜10質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
6〜11質量%の五酸化バナジウム、
1.2〜3質量%の三酸化アンチモン、
0.1〜1質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウムを含有し、かつ残余して100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積5〜30m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0031】
第2の層に関して:
全触媒に対して7〜10質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
4〜15質量%の五酸化バナジウム、
0〜3質量%の三酸化アンチモン、
0.1〜1質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウム
0〜0.4質量%の五酸化リン(Pとして換算する)を含有し、かつ残余して100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積10〜35m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0032】
第3の層に関して:
全触媒に対して7〜10質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
5〜13質量%の五酸化バナジウム、
0〜3質量%の三酸化アンチモン、
0〜0.4質量%のアルカリ(アルカリ金属として換算する)、特に酸化セシウム、
0〜0.4質量%の五酸化リン(Pとして換算する)を含有し、かつ残余として100質量%までの二酸化チタンを、好ましくはBET表面積15〜40m/gを有するアナタース型で、含有する。
【0033】
第4の層に関して:
全触媒に対して8〜12質量%の活性材料を有し、その際、これらの活性材料は:
10〜30質量%の五酸化バナジウム、
0〜3質量%の三酸化アンチモン、
0.05〜0.4質量%の五酸化リン(Pとして換算する)を含有し、かつ残余して100質量%までの二酸化チタンを、好ましくは、BET表面積15〜50m/gを有するアナタース形で、含有する。
【0034】
第1、第2、第3および第4の層により占められる容量比は、好ましくは80〜160:20〜60:30〜100:40〜90である。
【0035】
好ましい場合には、フタル酸無水物の製造に関して、さらに後続の後反応器を備えていてもよく、この場合、これらは、たとえばDE−A19807018またはDE−A2005969Aに記載されている。その際、触媒としては、最後の層の触媒と比較して、好ましくはより高い活性を有する触媒を使用することが好ましい。
【0036】
本発明による方法は、一般に、芳香族C〜C10−炭化水素、たとえばベンゼン、キシレン、トルエン、ナフタレンまたズロール(1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)を気相酸化することによって、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物、たとえばマレイン酸無水物、フタル酸無水物、安息香酸および/またはピロメリット酸二無水物を製造するのに適している。特にこの方法は、o−キシレンおよび/またはナフタレンからフタル酸無水物を製造する方法に適している。
【0037】
これらの目的のために、触媒を、たとえば塩溶融物を用いて、反応温度から逸脱した温度に調節された反応容器中に装填し、かつこのようにして調製された触媒層を介して反応ガスを、一般には300〜450℃、好ましくは320〜420℃および特に好ましくは340〜400℃の温度および一般には0.1〜2.5バール、好ましくは0.3〜1.5バールの圧力下で、一般には750〜5000h−1の空時収量で通過させる。
【0038】
触媒に導かれる反応ガスは、一般には、分子酸素を含有するガスを混合することによっておこなわれ、この場合、このガスは酸素の他に、少量の反応調整剤および/または希釈剤、たとえば蒸気、二酸化炭素および/または窒素を含有していてもよく、この場合、これらは、芳香族炭化水素の酸化を生じさせるものであり、その際、分子酸素を含有するガスは、一般には1〜100モル%、好ましくは2〜50モル%および特に好ましくは10〜30モル%の酸素、0〜30モル%、好ましくは0〜10モル%の水蒸気ならびに0〜50モル%、好ましくは0〜1モル%の二酸化炭素、残余として窒素を含有することができる。反応ガスを製造するために、分子酸素を含有するガスは、一般にはガス1Nm当たり30g〜150g、好ましくは60〜120gの酸化すべき芳香族炭化水素と混合する。
【0039】
2個またはそれ以上の帯域において、好ましくは2個の帯域において、触媒床が種々の反応温度に温度調節すべき反応容器中に存在することも可能であり、この場合、これは、たとえば別個の塩浴を備えた反応器を使用することで達成されてもよい。二者択一的に、気相酸化は、さらに温度帯域を分けることなく、1個の反応温度で実施することができる。
【0040】
本発明は、添付の図および以下の実施例によってさらに説明される。実施例において気体流の流れの方向は、最も流れの上流に配置された触媒層を上層とし、最も下流に配置された触媒層を下層として示した。したがって、これらの層間に1個または2個の中間層が存在していてもよい。三酸化アンチモンの粒径の測定は、Fitsch Particle Sizer “Analysette 22”を用いて、0.3〜300μmの測定範囲で、62チャネルの解像度で実施した。測定時間は2スキャンであった。評価はFrauenhofer-Mothodeで実施した。
【0041】
図1は、例1および例2の触媒に関して時間に対する安定度のプロットを示す図であって、この場合、安定度とは、全体の熱量に対して、第1の層の後続の触媒層から生じた熱量を示す。
【0042】
実施例
製造例1(本発明による例):
上層:
アナタース(BET表面積9m/g)29.8g、アナタース(BET表面積20m/g)69.6g、V7.1g、Sb(最大粒度分布2.36μm)1.8g,CsCO0.46gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。その後に、これらの懸濁液に、ビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、外径×長さ×内径、AD×L×ID)1200g上に噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0043】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、6.8質量%のV、1.7質量%のSb、0.33質量%のCs(V:Sb比=4)有していた。
中間相:
アナタース26.6g(BET表面性9m/g)、アナタース79.9g(BET表面積20m/g)、V7.55g、Sb1.89g、CsCO0.14gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.7%であった。
【0044】
これらの方法で塗布された活性触媒材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V6.4質量%、Sb1.7質量%、Cs0.09質量%を有していた。
下層:
アナタース17.4g(BET表面積9m/g)、アナタース69.6g(BET表面積27m/g)、V21.7g、NHPO1.5gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートからなる水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液の塗布を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7x7x4mm、ADxLxID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料の質量は、最終的な触媒の全質量の9.0%であった。
【0045】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V20.0質量%、P 0.37質量%を有していた。
例2(比較例):
上層:
アナタース29.8g(BET表面積9m/g)、アナタース69.6g(BET表面積20m/g)、V7.1g、Sb2.3g(最大粒径分布2.36μm)、CsCO0.46gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液は、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液の塗布を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上で、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0046】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V6.8質量%、Sb2.2質量%、Cs0.33質量%(V:Sb=3)を有していた。
中間相:
アナタース26.6g(BET表面積9m/g)、アナタース79.9g(BET表面積20m/g)、V7.55g、Sb1.89g、CsCO0.14gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上で、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.7%であった。
【0047】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V6.4質量%、Sb1.7質量%、Cs0.09質量%を有していた。
下層
アナタース17.4g(BET表面積9m/g)、アナタース69.6g(BET表面積27m/g)、V21.7g、NHPO 1.5gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の9.0%であった。
【0048】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V20.0質量%、P 0.37質量%を有していた。
製造例3(本発明による例):
上層:
アナタース29.3g(BET表面積9m/g)、アナタース69.8g(BET表面積20m/g)、V7.8g、Sb1.9g(最大粒度分布2.36μm)、CsCO 0.49gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0049】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb1.8質量%、Cs0.36質量%を有していた(V:Sb=4)。
中間相1:
アナタース24.6g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V7.8g、Sb2.6g、CsCO0.35gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートからなる水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0050】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V 7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.26質量%を有していた。
中間相2:
アナタース24.8g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V 7.8g、Sb2.6g、CsCO0.13gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液を、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gに添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0051】
これらの方法で塗布された触媒は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.10質量%を有していた。
下層:
アナタース17.2g(BET表面積9m/g)、アナタース69.1g(BET表面積27m/g)、V21.9g、NHPO1.5gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0052】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V20.0質量%、P 0.38質量%を有していた。
製造例4(比較例):
上層:
アナタース29.3g(BET表面積9m/g)、アナタース69.8g(BET表面積20m/g)、V7.8g、Sb2.6g(最大粒度分布2.36μm)、CsCO0.49gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアン成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧によって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0053】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.36質量%(V:Sb=3)を有していた。
中間相1:
アナタース24.6g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V7.8g、Sb2.6g、CsCO0.35gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0054】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.26質量%を有していた。
中間相2:
アナタース24.8g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V7.8g、Sb2.6g、CsCO0.13gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上で、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0055】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.10質量%を有していた。
下層:
アナタース17.2g(BET表面積9m/g)、アナタース69.1g(BET表面積27m/g)、V21.9g、NHPO1.5gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0056】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V20.0質量%、P 0.38質量%を有していた。
製造例5:
上層:
アナタース29.3g(BET表面積9m/g)、アナタース69.8g(BET表面積20m/g)、V7.8g、Sb1.9g(最大粒度分布7.42μm)、CsCO 0.49gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0057】
これらの方法で塗布された触媒は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb1.8質量%、Cs0.36質量%を有していた(V:Sb=3)。
中間相1:
アナタース24.6g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V 7.8g、Sb 2.6g、CsCO 0.35gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0058】
これらの方法で塗布された触媒は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V 7.1質量%、Sb 2.4質量%、Cs 0.26質量%を有していた。
中間相2:
アナタース24.8g(BET表面積9m/g)、アナタース74.5g(BET表面積27m/g)、V7.8g、Sb2.6g、CsCO0.13gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)50gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0059】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V7.1質量%、Sb2.4質量%、Cs0.10質量%を有していた。
下層:
アナタース17.2g(BET表面積9m/g)、アナタース69.1g(BET表面積27m/g)、V21.9g、NHPO1.5gを、脱イオン水550ml中に懸濁し、かつ15時間に亘って撹拌した。これらの懸濁液に、その後にビニルアセテートおよびビニルラウレートから成る水性分散液(50質量%)55gを添加した。引き続いて、懸濁液を、環状のステアタイト成形体(珪酸マグネシウム)(7×7×4mm、AD×L×ID)1200g上に、噴霧することによって塗布した。塗布された活性材料層の質量は、最終的な触媒の全質量の8.0%であった。
【0060】
これらの方法で塗布された触媒活性材料は、400℃で4時間に亘ってか焼した後に、V20.0質量%、P 0.38質量%を有していた。
触媒試験:
試験を、3.85mの長さおよび25mmの内径を有する、塩浴冷却された反応器中で実施し、その際、例1〜5の触媒中の下層触媒で充填することから出発した。温度プロフィールを記録するために、全反応器の長さに亘って可動性の熱的要素を用いて調整した。この要素は、ケース中で2mmの外径で保持された。管によって、ほぼ4.0Nm/hの空気を、80または100g/Nm/hのo−キシレンと一緒に(少なくとも98.5%純度)毎時で上流から下流に導いた。その際、以下の表中に示された結果が得られた(PSA収率は、100質量部の純粋なo−キシレンに対して得られたフタル酸無水物の質量部である)。
安定度の測定
安定度S(Stab)は、全熱量に対して、第1の層に後続された触媒床中で生じた熱量を示す。これは以下の式によって定義される:
S(Stab)=A(2+3+...)/A(1+2+3+....)
[式中、A(1+2+3....)は、すべての触媒床の温度−床高さ曲線下での総和面積を示し、かつA(2+3....)は、第1の層に後続する触媒層の相当する面積を示す]。温度−床高さ曲線は、熱電対の位置に対して熱電対を用いて測定された温度プロットによって簡単に得ることができる。
【0061】
図1は、例1および例2の触媒に関して、時間に対するS(Stab)のプロットの比較を示す。本発明による例1では、当該期間に亘って第2および第3の触媒床で、より少ない熱熱量が包含されることが見いだされた。
【0062】
【表1】

【0063】
例1および2および例3および4と比較して、本発明によるV:Sb比を有する触媒を、第1の触媒床中で使用した場合に、より高い収率が得られることが示された。例3と例5との比較によって、第1の触媒を製造するために使用された三酸化アンチモンの粒径の影響が示された。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】時間に対するS(Stab)のプロットについて、例1と例2との触媒に関する比較を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族炭化水素および分子酸素を含有するガスを含む気体流を、高い温度で、第1の触媒床および気体流の流れの方向において第1の触媒の下流に配置された、第1の触媒よりも高い活性を有する第2の触媒床上に導くことによる、アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造方法において、第1の触媒の触媒活性材料が少なくとも酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有し、かつVとして換算されたバナジウムとSbとして換算されたアンチモンとの比が、第1の触媒中で3.5:1〜5:1であることを特徴とする、アルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造方法。
【請求項2】
第1の触媒中のバナジウムとアンチモンとの比が3.8:1〜4.5:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の触媒中の酸化アンチモン源として、0.5〜5μmの平均粒径を有する粒子状三酸化アンチモンを使用する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
気体流を、さらに第2の触媒に下流に配置された第3の触媒床および場合によっては第4の触媒床上に導く、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第2の触媒の触媒活性材料が、少なくとも酸化バナジウム、二酸化チタンおよび酸化アンチモンを含有し、かつ第2の触媒中でのバナジウムとアンチモンとの比が、第1の触媒中の相当する比よりも小さいかまたは同等である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
芳香族炭化水素として、o−キシレンおよび/またはナフタレンを使用し、かつフタル酸無水物を製造する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ガス1Nm当たり、気体の芳香族炭化水素30g〜150gを含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−534628(P2007−534628A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529895(P2006−529895)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005510
【国際公開番号】WO2004/103943
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】