説明

酸化物粉末の湿式化学的共沈のための反応管および熱水処理

酸化物粉末の湿式化学的共沈のための反応器は、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔とを有する円筒構造を含む。中心軸は内腔を通過して通って延在する。第1の末端部は閉鎖される。反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第1の入口ポートも含み、それによって円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第1の反応物溶液を注入することができる。反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第2の入口ポートをさらに含み、それによって円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第2の反応物溶液を注入することができる。第1および第2の入口ポートは、円筒構造の互いに反対側に配置され、中心軸に対して同軸である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、酸化物粉末の湿式化学的共沈のための装置、そのような装置の使用方法、熱水粉末沈殿後処理、ならびにそのような方法および処理によって得られた酸化物粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
代替エネルギー源への関心が、特に、自動車に使用するためのガソリンの代替品の場合、で、代替エネルギー源への関心が高まるに伴い、電力源への依存がますます高まっている。熱、光、および機械的な動きを電気から発生させる方法は大きく改善されているが、電気を蓄積する方法は後れをとっている。特に、電池技術は費用がかかり非効率的であることが分かっている。したがって、電気の蓄積方法に対する関心が高く、研究は電気の容量性蓄積方法に向けられている。
【0003】
従来の容量性蓄積装置は、低いエネルギー密度、低い蓄積容量、および漏れによる高いエネルギー損失が問題となっている。このような性質は、一般に、従来の容量性蓄積装置の誘電体層の性質と関連している。従来の誘電体材料に関連する低い比誘電率のために、従来の容量性蓄積ユニットの蓄積容量が低くなる。さらに、このような誘電体材料は、高い漏れ速度および低い破壊電圧の問題が生じることがあり、それによって容量性蓄積ユニットの効率がさらに低下する。
【0004】
さらに、一部の容量性蓄積ユニットの形成に使用される従来の誘電体材料は高価である。アルミニウム電解コンデンサ中の材料は、高価であり、故障率が高く、嵩高い。
【0005】
Maxwell Technologyによって製造されている二重層コンデンサ技術などの高性能コンデンサ技術も、低いエネルギー蓄積密度および高コストなどの大きな問題を有する。Maxwell Technologyの技術の低いエネルギー蓄積密度は、二重層コンデンサの低い使用電圧制限のために生じる。コンデンサのエネルギー蓄積は、使用電圧の二乗に正比例し、この技術の上限が2.5Vの範囲内であるため、これによってエネルギー密度が制限される。二重層技術の高コストは、電極材料と、コンデンサが同じ方向に直列配置で配置される場合にコンデンサが使用電圧を超えないようにするために必要なエレクトロニクスとによって生じる。二重層コンデンサの使用電圧が超過すると、誘電体層が破壊される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結果として、改善された誘電体材料または誘電体粒子が望ましい。
【0007】
添付の図面を参照することによって、本開示をより十分に理解でき、本開示の多数の特徴および利点が当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】誘電体粒子を形成するための代表的なシステムの図である。
【図2】代表的な反応器の図である。
【図3】代表的な反応器の図である。
【図4】代表的な3ポート反応器の例である。
【図5】代表的なX線回折の図である。
【図6】代表的な粒度分布の図である。
【図7】代表的な粒度分布の図である。
【0009】
異なる図面中で同じ参照記号が使用される場合は、類似または同一の項目を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面の説明
特定の一実施形態において、誘電体粒子を形成するためのシステムは、反応器と、熱水処理装置とを含む。一例においては、反応器は、開放端と閉鎖端とを有する円筒構造、および反応器の閉鎖端の近くに配置された少なくとも2つの注入ポートを含む。少なくとも2つの注入ポートは、円筒管の中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に位置し、互いに反対側に配置され、反応物溶液はほぼちょうど反対側の注入ポートに向けられる。特に、反応器は、運転条件において少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度を有する。さらに、本発明のシステムは、反応物貯蔵容器またはポンプを含むことができる。熱水処理装置は、少なくとも150℃の温度および少なくとも100psiの圧力において反応生成物を熱水処理するように構成される。
【0011】
さらなる一実施形態において、誘電体粒子を形成する方法は、反応器の第1のポート中に第1の組の反応物を注入するステップと、反応器の第2のポート中に第2の組の反応物を注入するステップとを含む。反応器は、閉鎖端と開放端とを有する円筒構造または反応管を含む。第1および第2のポートは、反応管の閉鎖端の近くに配置され、同軸上に位置し、互いに反対方向に注入を行う。特に、少なくとも1.5×107cm/s3の乱流率が得られるように、反応物が注入される。反応器の滞留時間は少なくとも50ミリ秒である。反応器中の反応後、得られた生成物は、少なくとも150℃の温度および少なくとも100psiの圧力において熱水処理される。反応物は、少なくとも1種類の金属硝酸塩と、少なくとも1種類の金属キレートと、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムの少なくとも1つとを含む。
【0012】
さらなる一実施形態において、誘電体粒子は、比誘電率が少なくとも15,000であり、平均粒度が少なくとも0.7μmであり、半値比(half height ratio)が0.5以下である。半値比は、ピーク高さの半分における粒度分布の幅の平均粒度に対する比である。さらに、誘電体粒子は平均粒度が2μm以下であってよい。特に、誘電体粒子は組成変更されたチタン酸バリウムを含むことができる。
【0013】
図1中に示される代表的な一実施形態においては、誘電体粒子を形成するためのシステム100は、反応器108および熱水処理チャンバー110を含む。さらに、システム100は、反応物貯蔵容器102、104、または106を含むことができる。さらに、システム100は、ポンプ112、114、または116を含むことができる。図示されるように、ポンプ112、114、および116は、反応物溶液を貯蔵容器102、104、または106から反応器108中に圧送することができる。反応器108から得られる生成物は熱水処理装置110に向かう。続いて、熱水処理装置110の生成物は乾燥機118に向かい、続いて分解および焼成装置120に向かう。
【0014】
反応物貯蔵容器102、104、または106は、1種類以上の反応物、たとえば反応物溶液の形態の反応物を含む。特に、反応物は、金属硝酸塩、金属キレート、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウム、あるいはそれらのあらゆる任意の組み合わせを含むことができる。金属硝酸塩または金属キレートは、IUPAC規則に基づいた周期表の1〜14族、ランタノイド系列、またはアクチノイド系列の金属または半金属を含む金属イオンまたはオキソ金属イオンを含むことができる。たとえば、金属イオンは、バリウム、カルシウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせを含む群から選択することができる。特に、金属イオンは、バリウムと、チタンと、カルシウム、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせの少なくとも1つとを含む。代表的な金属硝酸塩としては、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。代表的な金属キレートとしては、金属イオンまたはオキソ金属イオンおよびキレート剤が挙げられる。一例においては、キレート剤は、弱塩基で中和したカルボン酸を含む。たとえば、キレート剤は、中和したα−ヒドロキシカルボン酸を含むことができる。代表的なα−ヒドロキシカルボン酸としては、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせが挙げられる。特定の一例においては、α−ヒドロキシカルボン酸としてクエン酸が挙げられる。キレート剤は、水酸化アンモニウム(NH4OH)などの弱塩基で中和することができる。キレート溶液は界面活性剤も含むことができる。
【0015】
さらに、反応物は、アルキル基がメチル基、エチル基、またはプロピル基、あるいはそれらのあらゆる任意の組み合わせを含む、水酸化テトラアルキルアンモニウム、シュウ酸テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。特に、反応物は、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの組み合わせを含むことができる。
【0016】
図1中に示されるように、ポンプ112、114、または116を使用して、反応物が反応器108中に圧送される。反応物を反応器中に移動させる別の方法の1つでは、貯蔵容器102、104、または106を加圧するステップを含む。特に、反応物は、同軸で正反対の方向にある反応器上の複数のポートから圧送され、それによって複数の反応物ストリームが互いに直接衝突する。
【0017】
反応器108は、運転条件において少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度が得られるように構成される。一例においては、運転条件には、少なくとも500cm/s、たとえば少なくとも1000cm/s、少なくとも1500cm/s、またはさらには少なくとも2000cm/sの反応管速度が含まれる。特定の一例においては、反応管速度は20,000cm/s以下、たとえば15,000cm/s以下、またはさらには10,000cm/s以下である。たとえば、反応器108は、閉鎖端と開放端とを有する反応管を含むことができる。注入ポートは、閉鎖端の近くに配置することができる。さらに、複数のポートは互いに同軸で正反対の方向にある。混合後、反応物は、反応器108中を閉鎖端から開放端に向かって少なくとも50ミリ秒の時間流れ、熱水処理チャンバー110に向かう。
【0018】
熱水処理チャンバー中で、反応器110の生成物ストリームが、少なくとも150℃の温度および少なくとも100psiの圧力において、少なくとも4時間の時間処理される。たとえば、関連する圧力も上昇するのであれば、温度は少なくとも175℃、たとえば少なくとも190℃であってよい。さらに、圧力は、少なくとも225psi、たとえば少なくとも245psi、またはさらには少なくとも250psi以上であってよい。熱水処理は、少なくとも4時間、たとえば少なくとも5時間、またはさらには少なくとも6時間の時間行われる。一例においては、熱水処理は、150℃〜200℃の範囲内の温度および225psi〜260psiの範囲内の圧力において、4時間〜8時間の範囲内の時間行われる。希望するなら、より高い温度および圧力の組み合わせを使用することができる。
【0019】
熱水処理後、得られた粒子材料は、乾燥機118中で乾燥させることができる。たとえば、誘電体粒子材料は、噴霧乾燥機、パン型乾燥機(pand dryer)、フラッシュ乾燥機、低温乾燥機(cryogenic dryer)、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせの中で乾燥させることができる。特定の一例においては、誘電体粒子材料はフラッシュ乾燥機中で乾燥される。乾燥前に、粒子材料を洗浄し、部分的に分離することができる。たとえば、粒子材料は脱イオン水を使用して洗浄することができ、遠心分離機を使用して濃縮することができる。洗浄および濃縮は1回以上繰り返すことができる。
【0020】
乾燥させた後、粒子材料は、分解および焼成を行うことができる。たとえば、粒子材料は、25℃〜1100℃以上の範囲内の温度に加熱することができる。特に、有機副生成物の分解および所望の粒子材料の形成を促進するために、酸素化および撹拌環境中で材料を加熱することができる。
【0021】
前述したように、反応器は、少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度において反応が行われるように構成される。特定の一実施形態においては、このような高い乱流率は、同軸で互いに反対方向に注入が行われる管型反応器を使用することで実現される。たとえば、図2中に示される反応器200は、円筒構造または管型反応器202と、注入ポート208および212とを含む。管型反応器202は、閉鎖端204および開放端206と、閉鎖端204から開放端206まで延在する内腔222とを含む。特に、閉鎖端204は、溶接されたキャップまたはねじ込みキャップから形成されていてよい。注入ポート208および212は、閉鎖端204の近くに配置される。注入ポート208および212のそれぞれは、コネクター210または214を含むことができ、そのコネクターに反応物溶液を運ぶ流体管(図示せず)が取り付けられる。あるいは、コネクター210または214は、絞り弁などの弁を含むことができる。たとえば、絞り弁は、Parker Instrumentationより入手可能なニードル弁または絞り弁であってよい。
【0022】
注入ポート208および212は、閉鎖端204の近くに配置される。さらに、ポート208および212は、管型反応器202の軸218に沿ってほぼ同じ軸方向位置に配置される。さらなる一例においては、ポート208および212は、軸218に対して垂直の同じ横断面220内に配置される。
【0023】
さらに、図3中に示される断面で見ると、ポート208および212は、互いに正反対に配置される。面220内で、ポート208および212によって、互いにちょうど反対側に向かってほぼ線316の中にストリームが向けられる。特に、面220内のポート208に対して、ポート212によって流体は、ほぼ180°反対の方向に向けられ、たとえば180°から10°以内、または180°から5°以内、またはより小さな角度のずれで流体が向けられる。別の実施形態においては、反応物は3つ以上のポートを介して注入することができる。たとえば、反応物は、3つまたは4つのポート中に注入することができる。このような例においては、少なくとも2つのポートを、同軸に配置して、ほぼ正反対の方向に流体を向けることができる。あるいは、複数のポートを同じ面内に配置することができ、均等に分布した方向に流体を向けることができる。たとえば、図4中に示されるような3ポート構成においては、各ポート404は、反応管402に沿ってほぼ同じ軸方向(たとえば同じ面内)に位置して、隣接するポートとは120°異なる方向406に流体を向けることができる。4ポート構成においては、方向が90°異なっていてよい。
【0024】
一例においては、各ポートのCv(US測定系に準拠)は0.5以下、たとえば0.1以下である。特定の一例においては、第2のストリームのCvを第1のストリームのCvで割ることによる比として定義されるCv比は、1.0〜0.1の範囲内、たとえば0.8〜0.15の範囲内、またはさらには0.5〜0.15の範囲内である。さらに、ポート208または212にわたって使用される場合の圧力低下は、少なくとも20psi、たとえば少なくとも40psi、少なくとも60psi、少なくとも80psi、さらには少なくとも100psiであってよい。一例においては、圧力低下は500psi以下である。
【0025】
反応器202の管状部分は、望ましい乱流と、反応に望ましい滞留時間との両方が得られるように構成することができる。たとえば、10〜15リットル/分程度の全流量の場合、管型反応器202の内径は、0.2〜2cmの範囲内、たとえば0.3cm〜1.5cmの範囲内、またはさらには0.3cm〜1.05cmの範囲内であってよい。特に、直径は0.3cmを超え、1cm未満であってよい。管型反応器202の長さは少なくとも20cmであってよく、500cm以下であってよい。一例においては、長さは、少なくとも40cm、たとえば少なくとも70cm、またはさらには少なくとも100cmである。特に、反応器の長さは、100cm〜200cmの範囲内、たとえば125cm〜200cmの範囲内、または150cm〜200cmの範囲内であってよい。直径および長さは流量によって左右されうるが、直径の長さに対する比は0.1以下、たとえば0.08以下、0.05以下、またはさらには0.01以下であってよい。特に、この比は0.005以下であってよい。
【0026】
一実施形態においては、反応器200は、混合装置に固有の無次元定数(k)(本発明の反応器の場合で約1.0)と、ミキサー中の複合流体ストリームの速度の3乗との積を、ミキサーの内径の2乗で割った値として定義される乱流強度が高くなるように構成される。たとえば、乱流強度は、少なくとも1.5×107cm/s3、たとえば少なくとも108cm/s3、少なくとも109cm/s3、少なくとも1010cm/s3、またはさらには少なくとも5×1010cm/s3であってよい。一般に、乱流強度は1020cm/s3以下である。さらに、管型反応器は、平均レイノルズ数(Reynold’s number)が少なくとも20,000となりうる。たとえば、レイノルズ数(Reynold’s number)は、少なくとも40,000、たとえば少なくとも60,000、少なくとも70,000、またはさらには少なくとも75,000となりうる。一例においては、レイノルズ数は200,000以下である。
【0027】
反応器は、滞留時間が少なくとも50ミリ秒、たとえば少なくとも70ミリ秒、またはさらには少なくとも80ミリ秒となるように構成することができる。一例においては、反応器は、滞留時間が1秒以下となるように構成される。
【0028】
特定の一実施形態においては、誘電体粒子の形成方法は、反応物溶液を管型反応器中に注入するステップを含む。反応物溶液の1つは、硝酸塩またはキレートの形態の金属イオンを含むことができる。特に、金属硝酸塩としては硝酸バリウムを挙げることができる。さらに、金属硝酸塩としては硝酸カルシウムを挙げることができる。さらに、反応物溶液は、チタンと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせの少なくとも1つとを含む金属イオンまたはオキソ金属イオンを含む金属キレートを含むことができる。一例においては、金属キレートは、水酸化アンモニウムによって安定化されたクエン酸などのα−ヒドロキシカルボン酸を含む安定化された金属キレートである。
【0029】
第2の反応物溶液は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、シュウ酸テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。特定の一例においては、第2の反応性溶液は、水酸化テトラアルキルアンモニウムとシュウ酸テトラアルキルアンモニウムとの混合物を含む。水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、またはプロピル基、あるいはそれらのあらゆる任意の組み合わせであってよい。
【0030】
望ましい乱流率とその他の反応条件との両方が得られるように、反応物溶液が管型反応器中に注入される。特に、乱流率は少なくとも1.5×107cm/s3である。反応物のpHは、8〜12の範囲内、たとえば10〜12の範囲内であってよい。反応器の温度は、75℃〜120℃の範囲内、たとえば80℃〜110℃の範囲内、90℃〜105℃の範囲内、またはさらには90℃〜100℃の範囲内であってよい。ストリームの圧力は、用途に依存して90psi〜120psi以上の範囲内であってよい。反応器中の滞留時間は少なくとも50ミリ秒であってよい。
【0031】
管型反応器中で、硝酸バリウム、チタンキレート、ならびのその他の硝酸塩およびキレートの成分は共沈して、均一な粒子状物質を形成する。この均一な粒子状物質中の各粒子はほぼ同じ組成を有し、組成の異なる粒子の混合物とは対照的である。
【0032】
反応器中の反応後、得られた溶液は、たとえば圧力容器中で熱水処理することができる。この処理の温度は少なくとも150℃であってよく、圧力は少なくとも200psiであってよい。たとえば、温度は、少なくとも180℃、たとえば少なくとも200℃であってよい。さらに、圧力は、少なくとも225psi、たとえば少なくとも245psi、少なくとも250psi、またはさらには少なくとも300psi以上であってよい。熱水処理は、少なくとも4時間、たとえば少なくとも5時間、またはさらには少なくとも6時間の時間行われる。一例においては、熱水処理は、150℃〜200℃の範囲内の温度、および225psi〜260psiの範囲内の圧力において、4時間〜8時間の範囲内の時間行われる。特定の一例においては、熱水処理容器の上部は、還流を促進するために冷却することができる。
【0033】
熱水処理後、得られた誘電体粒子は、洗浄し、噴霧乾燥、パン型乾燥、フラッシュ乾燥、またはその他の乾燥手順などによって乾燥させることができる。特に、粒子は、洗浄し、遠心分離などによって濃縮し、フラッシュ乾燥させることができる。乾燥させた粒子は、たとえば空気などの酸素化雰囲気中で分解および焼成などの熱処理を行うことができ、粒子を撹拌することができる。
【0034】
特に、本発明の方法は、原材料の望ましい変換率を示す。一般に、金属イオン成分または反応物は高価である。上記方法によって、原材料、特に反応物の金属イオン成分に関して望ましい高いパーセント変換率が得られる。たとえば、上記方法では、少なくとも98%、たとえば少なくとも99%、またはさらには少なくとも99.5%のパーセント収率を得ることができる。このような望ましい変換によって、下流プロセスの廃棄物および汚染が減少する。
【0035】
この方法の結果として、望ましい誘電体粒子が得られる。特に、誘電体粒子は、望ましい粒度および粒度分布を有する。たとえば、平均粒度は、少なくとも0.6ミクロン、たとえば少なくとも0.7ミクロンである。一例においては、平均粒度は、0.6〜2ミクロンの範囲内、たとえば0.7〜1.5ミクロンの範囲内、0.9〜1.5ミクロンの範囲内、0.9〜1.4ミクロンの範囲内、または1.2〜1.5ミクロンの範囲内である。あるいは、平均粒度は、0.6〜1ミクロンの範囲内、たとえば0.6〜0.9ミクロンの範囲内、またはさらには0.7〜0.9ミクロンの範囲内であってよい。いずれの場合も、粒度分布は0.5以下の半値比を示す。半値比は、その最大高さの半分における粒度分布の幅と平均粒度との比として定義される。たとえば、半値比は、0.45以下、たとえば0.4以下、0.3以下、またはさらには0.2以下であってよい。
【0036】
特定の一例においては、誘電体粒子は、組成変更されたチタン酸バリウム粒子である。チタン酸バリウムに加えて、組成変更されたチタン酸バリウム粒子は、カルシウムと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、クロム、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせの少なくとも1つとを含む。本発明の誘電体粒子は、立方晶ペロブスカイト結晶構造などのペロブスカイト材料であり、少なくとも15,000、たとえば少なくとも30,000の比誘電率を有する。
【0037】
本発明の処理のさらに別の特徴が図5中に示されており、これは、実施例1に記載の方法によって形成されたCMBT粉末のX線回折の図であり、このデータは実質的に均一な立方晶ペロブスカイト結晶構造を示している。高いピーク、ピークの狭さは、実質的に均一な結晶構造を示しており、定量的データは粉末が実質的に均一であることを示している。前述の製造方法の実施形態によって、図5のX線回折データが示すように、実質的に均一な結晶構造を有するCMBT粉末が得られる。また、本発明のCMBT粉末はBaCO3を実質的に含有せず、分解および焼成プロセス中に粉末から生じる活性化化学物質がほぼなくなり、少なくとも数ppt以下のレベルとなることが示されている。さらに、上記分析によって、CMBT粉末が高い比誘電率を有することが示されている。高い比誘電率を有するCMBT粉末は、高エネルギー蓄積ユニットを提供することができる高エネルギー蓄積コンデンサの形成に有用である。
【0038】
さらに、本発明の誘電体粒子は、望ましい比誘電率を示し、たとえば少なくとも15,000、少なくとも17,500、少なくとも18,000、またはさらには少なくとも20,000を示すし。一例においては、比誘電率は少なくとも30,000、たとえば少なくとも35,000であってよい。
【0039】
特定の一実施形態においては、誘電体粒子は、組成変更されたチタン酸バリウム粉末である。バリウムは、カルシウム、ネオジム、ランタン、またはそれらの組み合わせで少なくとも部分的に置換されており、チタンは、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、またはそれらのあらゆる任意の組み合わせの少なくとも1つで少なくとも部分的に置換されている。組成変更されたチタン酸バリウム粉末は、0.6〜1.5マイクロメートルの範囲内の平均特定サイズ(particular size)、および0.5以下の半値幅比を有する。
【実施例】
【0040】
パイプまたは管などの円筒形チャンバーを通過する流量QL(L/分)は、ストリームの速度V(cm/s)、および円筒形チャンバーの内径、D(cm)によって以下のように表すことができる:
L=0.04714VD2、または
V=21.22066(QL/D2
【0041】
15℃における純水に対する流体の比重を考慮すると、オリフィスを通過する液体の流れは、US液体ガロン単位またはISOメートル法単位では以下のように表すことができる。
【0042】
US液体ガロン系
L=CV(ΔP/SG)0.5(式中、QLは、ガロン(US液体ガロン)/分の単位での液体流量であり、CVは、流量係数であり、これは、1psigの圧力低下において1分間で、特定のオリフィス面積を通過する、または、特定の弁を通過する、15℃における純水のガロン数であり、ΔPは、psigの単位でのオリフィスまたは弁における圧力低下であり、SGは15℃における純水に対する液体の比重である)。
【0043】
ISOメートル法
L=KV(ΔP/SG)0.5(式中、QLは、リットル/分の単位での液体流量であり、KVは、流量係数であり、これは、1ゲージバールの圧力低下において1分間で、特定のオリフィス面積を通過する、または、特定の弁を通過する、15℃の純水のリットル数であり、ΔPは、ゲージバールの単位でのオリフィスまたは弁における圧力低下であり、SGは15℃における純水に対する液体の比重である)。
【0044】
変換係数
1KV=14.4163CV
US液体ガロン系を使用すると、流量QLは、QL=CV×KL×KSGと表すこともでき、式中、QLおよびCVは、US液体ガロン系の場合に前述した定義の通りであり、KL=(ΔP)0.5、すなわちオリフィスまたは弁におけるpsigの単位での圧力単位の平方根であり、KSG=1/(SG)0.5、すなわち液体の比重の平方根の逆数である。
【0045】
実施例1
図2および図3と関連して説明したような2ストリーム構成を作製する。ストリーム2の流量はストリーム1の流量の4分の1であり;ストリーム1の液体の比重は1.20であり、ストリーム2の液体の比重は1.016であり;ストリーム1、ストリーム2、およびこれらの複合トリームの速度はすべて等しい。
【0046】
ストリーム1
直径0.125インチ(3.175mm)のオリフィスのCV1:0.300
第1の液体の比重SG:1.20
SG=1/(1.20)0.5=0.91287
オリフィスにおける圧力低下ΔP:100psig
L=(100psig)0.5=10
【0047】
これより、QL1=(0.300)(0.91287)(10)=2.73861ガロン/分(10.36678L/分)となる。
【0048】
ストリーム2
L2=0.25QL1=0.68465ガロン/分(2.59169L/分)
第2の液体の比重SG:1.016
SG=1/(1.016)0.5=0.99209
オリフィスにおける圧力低下ΔP:100psig
L=(100psig)0.5=10
【0049】
これよりCV2=QL2/(KL×KSG)=0.069となり、
V2/CV1=オリフィス面積2/オリフィス面積1=(オリフィス直径2/オリフィス直径1)2であるので、0.069/0.300=(オリフィス直径2/0.125インチ)2となり、オリフィス直径2=0.060インチとなる。
【0050】
反応管中の複合ストリーム流量は、注入される2つのストリームの流量の合計に等しく:
L=QL1+QL2=1.25、QL1=3.42327ガロン/分(12.95847L/分)である。ストリーム速度V=QL/Aであり、式中、Aは管内の断面積である。この実施例においては、複合ストリーム速度は、注入される2つのストリームの速度と同じであり、したがって、内径の反応管の面積は、注入されるストリームの2つのオリフィスの面積の合計に等しく:ART=A1+A2=0.0151平方インチ2であり、これより得られる管の内径は0.139インチである。したがって、ストリーム速度V=QL1/A1=QL2/A2=(QL1+QL2)/(A1+A2)=130,938.2249cm/分=2182.3037cm/sである。
【0051】
乱流強度Ti=kV3/D2=8.3794×1010cm/s3である。、滞留時間が80msの場合、この管の長さは174.584cm(5フィート8.734インチ)である必要がある。場合により、反応管は垂直に向けることができるし、あるいは、容器中で沈殿した粉末/液体スラリーを回収するために、反応管がわずかに下方向に傾斜していてもよい。
【0052】
レイノルズ数を求めることによって、流れを、層流、遷移流、または乱流に分類することができる。レイノルズ数は無次元のRe=(V×SG×D)/μであり、式中、Vはmm/sの単位でのストリーム速度であり、SGは比重であり、Dはmmの単位での管の内径であり、μはmPa・s(1mPa・s=1cp)の単位での粘度である。この実施例の場合、SG=1.20、μ=1.20mPa・s、ならびに前述のVおよびDをそれぞれmm/sおよびmmの単位で表したものを使用すると、Re=76,856.7623となり、これは乱流である。
【0053】
第1のストリームは、硝酸バリウムと、DuPont(商標)よりTyzor(登録商標)の商品名で入手可能な有機チタン化合物と、微量の他の金属硝酸塩ならびに金属またはオキソ金属クエン酸塩とを含む。第2のストリームは、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの混合物を含む。両方のストリームで、溶液のpHは10〜12の間に維持され、温度は約95℃である。
【0054】
反応器中で形成された粒子材料は、定格圧力300psiの圧力タンクを使用して150℃において熱水処理される。タンク上部は、水蒸気を凝縮させるために冷却され、それによって、処理期間中に溶液の体積が一定に維持される。粒子を含む液体ストリームがタンクに送達されると、プロセスパラメーターが6時間の間、250psiおよび150℃に設定される。10〜12の範囲内のpHを維持するために水酸化テトラメチルアンモニウムが加えられる。
【0055】
熱水処理後、粒子を洗浄し、遠心分離機中で濃縮し、フラッシュ乾燥し、25℃〜1050℃以上の範囲内の温度で分解および焼成を行う。図6は、粒子分布を示している。図示されるように、平均粒度は約0.92μmであり、半値幅比は0.3未満である。
【0056】
実施例2
ストリーム1および2は実施例1におけるものと同じであるが、実施例2においては、反応管の内径が1.000cm(0.3937インチ)である。複合流量は依然として同じで12.95847L/分(3.42327ガロン/分)であるが、複合ストリーム速度Vは(0.352182cm/1.000cm)2(2182.3037cm/s)=270.6755cm/sまで低下している。乱流強度は1.98311×107cm/s3である。滞留時間が80msの場合、管の長さは21.654cm(8.525インチ)である。レイノルズ数(Re)は27,067.55となり、この場合も乱流である。
【0057】
第1のストリームは、硝酸バリウムと、DuPont(商標)よりTyzor(登録商標)の商品名で入手可能な有機チタン化合物と、カルシウム、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、ハフニウム、またはクロムから選択される金属を含む微量の他の金属硝酸塩ならびに金属またはオキソ金属クエン酸塩とを含む。第2のストリームは、水酸化テトラメチルアンモニウムとシュウ酸テトラメチルアンモニウムとの混合物を含む。両方のストリームで、溶液のpHは10〜12の間に維持され、温度は約95℃である。
【0058】
反応器中で形成された粒子材料は、定格圧力300psiの圧力タンクを使用して150℃において熱水処理される。タンク上部は、水蒸気を凝縮させるために冷却され、それによって、処理期間中に溶液の体積が一定に維持される。粒子を含む液体ストリームがタンクに送達されると、プロセスパラメーターが6時間の間、250psiおよび150℃に設定される。pHは10〜12の範囲内に維持される。
【0059】
パーセント収率を求めるために、水性出発前駆体の組成を検証する。共沈プロセスの完了後、固体を除去し、残留する液体を分析する。組成変更されたチタン酸バリウム(CMBT)粉末に入った各成分のパーセント値を求める。水溶液の分析は、Perkin Elmer Optima 2100DV ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光器)上で行う。High Purity Standards,Incの標準物質に基づいて各分析に対する較正曲線を作成する。0.0500ppm〜10.0ppmの範囲の較正には少なくとも8つの標準溶液が使用される。濃度範囲全体にわたってすべての成分で、得られる較正曲線の相関係数は0.999を超える。線形相関に影響する間違った点が存在しないことを保証するために、各較正曲線は手作業で検査される。分析および希釈は3回繰り返して行う。7つの成分の初期濃度は、表1にまとめられており、30〜約40,000ppmの範囲である。CMBT粉末を濾過した後の液体の分析は、成分の濃度が10ppm未満であると、CMBT粉末中の各成分の収率がほぼ100%となることを示している。
【0060】
【表1】

【0061】
熱水処理後、粒子を洗浄し、遠心分離機中で濃縮し、フラッシュ乾燥させ、25℃〜1050℃以上の範囲内の温度で分解および焼成を行う。図7は代表的な粒子分布の図である。図示されるように、平均粒度は約1.38μmであり、半値幅比は0.44未満である。比誘電率は、−20℃〜65℃の温度範囲にわたって18,000〜50,000の範囲内である。
【0062】
表2は、反応管の内径と、ストリーム速度、乱流強度、およびレイノルズ数との関係、ならびに特定の全流量および滞留時間における反応管の長さを示している。
【0063】
【表2】

【0064】
反応管の設計例
設計例1
外径0.375インチおよび肉厚0.065インチの容易に入手可能なType 316ステンレス鋼管材料から、反応管を製造する。管材料の一方の末端部は、管材料上のキャップをTIG溶接することによって閉鎖する。この閉鎖端の近くで、一方が直径0.125インチで他方が直径0.060インチの互いに反対側に位置する2つの孔をドリルで開ける。各オリフィスにおいて、オリフィスの中心と併せて、90°の角度で長さ1インチ、外径0.250インチのType 316ステンレス鋼管材料を、外径0.375インチの管材料上にTIG溶接する。1インチの長さのそれぞれに、外径0.250インチの管サイズのParker UltraSeal Socket−Weld Face−Seal Connector Fitting(Part No.4−4 QHW)をTIG溶接する。Type 316ステンレス鋼管材料、ポリプロピレンプラスチック管材料、あるいはその他のプラスチックおよびエラストマーの管材料を、粉末沈殿物および液体が回収されさらに処理される容器に接続するために、外径0.375インチの管材料の開放端には、外径0.375インチの管サイズのParker UltraSeal Socket−Weld Face−Seal Connector Fitting(Part No.6−6 QHWまたはPart No.8−6 QHW)を取り付けることができる。実施例1および2に記載のものと同じ全流量の場合、0.245インチ(0.6223cm)の反応管内径で、ストリーム速度V=698.9553cm/s;乱流強度T=8.818×108cm/s3;およびレイノルズ数(Re)43,496となる。滞留時間80msでは、反応管の長さが55.916cm(22.014インチ)となる。滞留時間100msでは、70cm(27.6インチ)の長さとなる。
【0065】
設計例2
別の設計例は、オリフィス流量係数の範囲を調節可能にする絞り弁の使用を含んでいる。流量係数CV対絞り弁(またはニードル弁)の開放量を示すグラフから、所望のCVを設定することができる。Parker Instrumentationの絞り弁、またはその他の類似の絞り弁の製品ラインでは、全開弁流量係数CVは、N Seriesにおいては0.039、0.042、0.055、0.057、0.207、および0.299が得られ、HR Seriesにおいては0.0004、0.0070、0.0140、0.0200、0.0210、0.0300、0.0320、0.0470、0.0490、0.1180、および0.1550が得られ、この後者のシリーズは、遮断性を特徴とする絞り弁の中では独特のものである。調節ステムを有するニードル弁は、より高い全開弁流量係数が必要な用途に使用することができる。Parker Instrumentationのニードル弁の製品ラインでは、全開弁流量係数CVは、NP6 Seriesでは0.60および0.67が得られ、V Seriesでは0.12、0.28、0.37、0.43、0.55、0.97、および1.05が得られる。
【0066】
外径0.250インチおよび肉厚0.035インチのステンレス鋼管材料は、0.43までの流量係数CVに対応することができ;外径0.375インチおよび肉厚0.065インチでは、0.55のCVを使用することができ;外径0.500インチおよび肉厚0.083インチでは、0.97および1.05のCVを使用することができる。設計例1の外径0.375インチおよび肉厚0.065インチのType 316ステンレス鋼管材料中にオリフィスとして互いに反対側の位置に2つの孔をドリルで開ける代わりに、1つずつの、長さ1インチの外径0.250インチおよび肉厚0.028インチまたは0.035インチのType 316ステンレス鋼管材料の上に、TIG溶接用に、直径0.250インチの2つの孔がドリルで開けられる。これらの長さ1インチの管のそれぞれに、外径0.250インチの管サイズのParker UltraSeal Socket−Weld Face−Seal Connector Fitting(Part No.4−4 QHW)がTIG溶接され、これによって、この接続管材料の流量係数を超えない全開弁流量係数を有する前述の絞り弁およびニードル弁のいずれに対しても、高い信頼性で耐久性があり容易に取り付け/取り外しが行われる接続部が得られる。
【0067】
第1の態様においては、誘電体粒子の形成方法は、第1および第2のプロセスストリームを少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度で接触させるステップを含む。第1のプロセススチーム(process steam)は、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む。第2のプロセスストリームは、金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートを含み、金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートは水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して粒子材料を形成する。この方法は、粒子材料を熱水処理するステップをさらに含む。
【0068】
第1の態様の一例においては、乱流強度は、少なくとも108cm/s3、たとえば少なくとも109cm/s3、少なくとも1010cm/s3、またはさらには少なくとも5.0×1010cm/s3である。
【0069】
第1の態様のさらなる一例においては、金属イオン硝酸塩は硝酸バリウムを含む。さらなる一例においては、第2のプロセスストリームが硝酸カルシウムをさらに含む。別の一例においては、金属キレートがチタンのキレートを含む。一例においては、第2のプロセスストリームは、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属イオンまたはオキソ金属イオンを含む金属イオンキレートをさらに含む。特に、金属キレートは、中和したα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤を含む。α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤は、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択することができる。特に、α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤はクエン酸を含む。
【0070】
別の一例においては、第1のプロセスストリームは、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む。
【0071】
さらなる一例においては、この方法は、粒子材料を乾燥させるステップをさらに含む。別の一例においては、この方法は、乾燥させた粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する誘電体粒子を形成するステップをさらに含む。
【0072】
第2の態様においては、誘電体粒子の形成方法は、第1および第2のプロセスストリームを少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度で接触させるステップを含む。第1のプロセススチーム(process steam)は、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む。第2のプロセスストリームは、金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートを含む。金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートは、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して粒子材料を形成する。この方法は、粒子材料を熱水処理するステップと、熱水処理した粒子材料を乾燥させるステップと、乾燥させた粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する誘電体粒子材料を形成するステップとをさらに含む。
【0073】
第2の態様の一例においては、乱流強度は少なくとも108cm/s3である。金属イオン硝酸塩は硝酸バリウムを含む。別の一例においては、第2のプロセスストリームは硝酸カルシウムを含む。さらなる一例においては、金属キレートは、チタンのキレートを含む。さらなる一例においては、第2のプロセスストリームは、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属またはオキソ金属イオンを含む金属イオンキレートをさらに含む。別の一例においては、金属キレートは、中和したα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤を含む。一例においては、α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤は、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される。さらなる一例においては、α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤がクエン酸を含む。
【0074】
第2の態様の別の一例においては、第1のプロセスストリームが、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む。
【0075】
第3の態様においては、誘電体粒子の形成方法は、第1および第2のプロセスストリームを少なくとも108cm/s3の乱流強度で接触させるステップを含む。第1のプロセススチーム(process steam)は、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む。第2のプロセスストリームは、硝酸バリウムと、硝酸カルシウムと、チタンキレートと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属またはオキソ金属イオンを含む少なくとも1種類の金属イオンキレートとを含む。金属キレートのキレートは、2−ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群より選択されるα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤である。硝酸バリウム、硝酸カルシウム、チタンキレート、および少なくとも1種類の金属キレートは、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して、均一な粒子材料を形成する。この方法は、均一な粒子材料を熱水処理するステップと、熱水処理した均一な粒子材料を乾燥させるステップと、乾燥させた均一な粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する誘電体粒子材料を形成するステップとを含む。
【0076】
第4の態様においては、酸化物粉末の湿式化学的共沈のための反応器は、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔とを有する円筒構造を含む。中心軸は、内腔を通過して通って延在する。第1の末端部は閉鎖される。この反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第1の入口ポートをさらに含み、これによって円筒構造へのアクセスが提供され内に到達して、第1の反応物溶液を注入することができる。この反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第2の入口ポートも含み、これによって円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第2の反応物溶液を注入することができ、第1および第2の入口ポートは、円筒構造の互いに反対側に配置され、中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置される。
【0077】
第4の態様の一例においては、反応器の乱流強度は、プロセス条件下で少なくとも1.5×107cm/s3、たとえばプロセス条件下で少なくとも108cm/s3、プロセス条件下で少なくとも少なくとも109cm/s3、またはさらにはプロセス条件下で少なくとも1010cm/s3である。
【0078】
第4の態様のさらなる一例においては、円筒構造は、内径および長さにおいて、内径の長さに対する比が0.08以下、たとえば0.05以下、または0.01以下となる。一例においては、第1の入口ポートのCvは0.5以下である。
【0079】
さらなる一例においては、円筒構造内を流れる流体のレイノルズ数(Reynold’s number)は、プロセス条件において少なくとも20,000であり、たとえば少なくとも40,000、またはさらには少なくとも60,000である。第1の入口ポートにおける圧力低下は、プロセス条件において少なくとも20psi、たとえば少なくとも60psiとなりうる。
【0080】
第5の態様においては、誘電体粒子を調製するためのシステムは、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む第1のプロセスストリームと、少なくとも1種類の金属硝酸塩および少なくとも1種類の金属キレートを含む第2のプロセスストリームと、反応器と、反応器の第2の末端部に接続された熱水処理装置とを含む。反応器は、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔とを有する円筒構造を含む。中心軸は内腔を通過して通って延在する。第1の末端部は閉鎖される。この反応器は、第1のプロセスストリームに接続され、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第1の入口ポートをさらに含む。第1の入口によって、円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第1のプロセスストリームを注入することができる。この反応器は、第2のプロセスストリームに接続され、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第2の入口ポートも含む。第2の入口ポートによって、円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第2のプロセスストリームを注入するすることができる。第1および第2の入口ポートは、円筒構造の互いに反対側に配置され、中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置される。
【0081】
第6の態様において、酸化物粉末の調製方法は、第1の反応物溶液を反応器の第1の入口ポートに注入するステップを含む。この反応器は、第1および第2の末端部を有する円筒構造と、管の長さに沿って延在する内腔とを含む。中心軸は内腔を通過して通って延在する。第1の末端部は閉鎖される。反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第1の入口ポートをさらに含み、それによって円筒構造内へアクセスできる内に到達できる。反応器は、円筒構造の第1の末端部の近くに配置された第2の入口ポートをさらに含み、それによって円筒構造内へアクセスできる内に到達できる。第1および第2の入口ポートは、円筒構造の互いに反対側に配置され、中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置される。この方法は、第1の反応物溶液のを注入するステップと同時に、第2の反応物溶液を反応器の第2の入口ポート中に注入してプロセス溶液を形成するステップをさらに含む。このプロセス溶液のは、乱流強度はが少なくとも1.5×107cm/s3であり、プロセス溶液が反応して粒子材料を形成する。この方法は、粒子材料を回収するステップも含む。第6の態様の一例においては、この方法は、粒子材料を熱水処理するステップをさらに含む。
【0082】
第7の態様においては、粒子材料は、チタン酸バリウムペロブスカイト材料を含む組成変更されたチタン酸バリウム粒子を含む。バリウムは、10重量%未満のカルシウムで置換されている。チタンは、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される2重量%未満の少なくとも1種類の金属イオンで置換されている。組成変更されたチタン酸バリウム粒子は、0.6ミクロン〜2.0ミクロンの範囲内の平均粒度を有し、0.5以下の半値幅比を有する。
【0083】
第7の態様の一例においては、半値幅比は、0.45以下、たとえば0.4以下、またはさらには0.3以下である。平均粒度は、0.7ミクロン〜1.5ミクロンの範囲内、たとえば0.9ミクロン〜1.5ミクロンの範囲内、またはさらには0.6ミクロン〜0.9ミクロンの範囲内である。
【0084】
第7の態様のさらなる一例においては、粒子材料の比誘電率は、少なくとも15,000、たとえば少なくとも17,500、またはさらには少なくとも18,000である。
【0085】
一般的説明または実施例において前述したすべての行為が必要とは限らず、特定の行為の一部は不要となる場合があり、記載の行為に加えて1つ以上のさらなる行為を行うこともできることに留意されたい。さらに、行為が記載される順序は、かならずしもそれらが行われる順序ではない。
【0086】
以上の明細書において、特定の実施形態を参照しながら本発明の概念を説明してきた。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を行えることが理解されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味よりむしろ説明的であると見なされるべきであり、このようなすべての修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0087】
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「有する」、「有すること」、またはそれらの他のあらゆる変形は、非排他的な包含を扱うことを意図している。たとえば、ある一連の特徴を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの特徴にのみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されず固有のものでもない他の要素を含むことができる。さらに、反対の意味で明記されない限り、「または」は、包含的なまたはを意味するのであって、排他的なまたはを意味するのではない。たとえば、条件AまたはBが満たされるのは、Aが真であり(または存在し)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
【0088】
また、本明細書に記載の要素および成分を説明するために「a」または「an」も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかに他の意味となる場合を除けば、単数形は複数形をも含んでいる。
【0089】
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、なんらかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要、必要、または本質的な特徴であるとして解釈すべきではない。
【0090】
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることは、本明細書を読めば、当業者には理解できよう。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、あらゆる副次的な組み合わせで提供したりすることができる。さらに、ある範囲において記載される値への言及は、その範囲内にある個々のすべての値を含んでいる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体粒子の形成方法であって:
第1および第2のプロセスストリームを少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度で接触させるステップであって、前記第1のプロセススチーム(process steam)が、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含み、前記第2のプロセスストリームが、金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートを含み、前記金属イオン硝酸塩および前記金属イオンキレートが、前記水酸化テトラアルキルアンモニウムまたは前記シュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して粒子材料を形成するステップと;
前記粒子材料を熱水処理するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記乱流強度が少なくとも108cm/s3である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乱流強度が少なくとも109cm/s3である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乱流強度が少なくとも1010cm/s3である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記乱流強度が少なくとも5.0×1010cm/s3である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属イオン硝酸塩が硝酸バリウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
硝酸カルシウムをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記金属キレートがチタンのキレートを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属イオンまたはオキソ金属イオンを含む金属イオンキレートをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属キレートが、中和したα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤が、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤がクエン酸を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のプロセスストリームが、前記水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび前記シュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子材料を乾燥させるステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記乾燥させた粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する前記誘電体粒子を形成するステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
誘電体粒子の形成方法であって:
第1および第2のプロセスストリームを少なくとも1.5×107cm/s3の乱流強度で接触させるステップであって、前記第1のプロセススチーム(process steam)が、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含み、前記第2のプロセスストリームが、金属イオン硝酸塩および金属イオンキレートを含み、前記金属イオン硝酸塩および前記金属イオンキレートが、前記水酸化テトラアルキルアンモニウムまたは前記シュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して粒子材料を形成するステップと;
前記粒子材料を熱水処理するステップと;
前記熱水処理した粒子材料を乾燥させるステップと;
前記乾燥させた粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する前記誘電体粒子材料を形成系背宇するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記乱流強度が少なくとも108cm/s3である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記金属イオン硝酸塩が硝酸バリウムを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
硝酸カルシウムをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記金属キレートがチタンのキレートを含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属イオンまたはオキソ金属イオンを含む金属イオンキレートをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記金属キレートが、中和したα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤を含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤が、2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記α−ヒドロキシカルボン酸キレート剤がクエン酸を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のプロセスストリームが、前記水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび前記シュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
誘電体粒子の形成方法であって:
第1および第2のプロセスストリームを少なくとも×108cm/s3の乱流強度で接触させるステップであって、前記第1のプロセススチーム(process steam)が、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含み、前記第2のプロセスストリームが、硝酸バリウムと、硝酸カルシウムと、チタンキレートと、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群から選択される金属イオンまたはオキソ金属イオンを含む少なくとも1種類の金属イオンキレートとを含み、前記金属キレートのキレートが、2−ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、および2−ヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択されるα−ヒドロキシカルボン酸キレート剤であり、前記硝酸バリウム、硝酸カルシウム、チタンキレート、および前記少なくとも1種類の金属キレートが、前記水酸化テトラアルキルアンモニウムおよび前記シュウ酸テトラアルキルアンモニウムの存在下で共沈して、均一粒子材料を形成するステップと;
前記均一粒子材料を熱水処理するステップと;
前記熱水処理した均一粒子材料を乾燥させるステップと;
前記乾燥させた均一粒子材料を熱処理して、立方晶ペロブスカイト構造を有する前記誘電体粒子材料を形成するステップとを含む、方法。
【請求項27】
酸化物粉末の湿式化学的共沈のための反応器であって、:
円筒構造であって、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔と、前記内腔を通過して通って延在する中心軸とを有し、前記第1の末端部が閉鎖されている円筒構造と;
前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記円筒構造へのアクセスを提供し内に到達して、第1の反応物溶液を注入できるようにするための、第1の入口ポートと;
前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記円筒構造内に到達してへのアクセスを提供し、第2の反応物溶液を注入できるようにするための、第2の入口ポートとを含み、前記第1および第2の入口ポートが、前記円筒構造の互いに反対側に配置され、前記中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置される、反応器。
【請求項28】
プロセス条件下で前記反応器の乱流強度が少なくとも1.5×107cm/s3である、請求項27に記載の反応器。
【請求項29】
プロセス条件下で前記乱流強度が少なくとも108cm/s3である、請求項28に記載の反応器。
【請求項30】
プロセス条件下で前記乱流強度が少なくとも109cm/s3である、請求項29に記載の反応器。
【請求項31】
プロセス条件下で前記乱流強度が少なくとも1010cm/s3である、請求項30に記載の反応器。
【請求項32】
前記円筒構造が、内径および長さにおいて、前記内径対前記長さの比が0.08以下である、請求項27〜31のいずれ1項に記載の反応器。
【請求項33】
前記比が0.05以下である、請求項32に記載の反応器。
【請求項34】
前記比が0.01以下である、請求項33に記載の反応器。
【請求項35】
前記第1の入口ポートのCvが0.5以下である、請求項27〜31のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項36】
前記円筒構造内を流れる流体のレイノルズ数(Reynold’s number)が、プロセス条件において少なくとも20,000である、請求項27〜31のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項37】
前記レイノルズ数(Reynold’s number)が少なくとも40,000である、請求項36に記載の反応器。
【請求項38】
前記レイノルズ数(Reynold’s number)が少なくとも60,000である、請求項37に記載の反応器。
【請求項39】
プロセス条件において、前記第1の入口ポートにおける圧力低下が少なくとも20psiである、請求項27〜31のいずれか1項に記載の反応器。
【請求項40】
前記圧力低下が少なくとも60psiである、請求項39に記載の反応器。
【請求項41】
誘電体粒子を調製するためのシステムであって:
水酸化テトラアルキルアンモニウムまたはシュウ酸テトラアルキルアンモニウムを含む第1のプロセスストリームと;
少なくとも1種類の金属硝酸塩および少なくとも1種類の金属キレートを含む第2のプロセスストリームと;
反応器であって:
円筒構造であって、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔と、前記内腔を通過して通って延在する中心軸とを有し、前記第1の末端部が閉鎖されている円筒構造と;
第1のプロセスストリームに接続され、前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置された第1の入口ポートであって、前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記第1の入口によって、前記円筒構造へのアクセスが提供され、内に到達して第1のプロセスストリームを注入できるようになる、第1の入口ポートと;
第2のプロセスストリームに接続され、前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置された第2の入口ポートであって、前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記第2の入口によって、前記円筒構造へのアクセスが提供され内に到達して、第2のプロセスストリームを注入できるようになる、第2の入口ポートとを含み、前記第1および第2の入口ポートが、前記円筒構造の互いに反対側に配置され、前記中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置される、反応器と;
前記反応器の前記第2の末端部に接続される熱水処理装置とを含む、システム。
【請求項42】
酸化物粉末の調製方法であって:
第1の反応物溶液を反応器の第1の入口ポートに注入するステップであって、前記反応器が:
円筒構造であって、第1および第2の末端部と、管の長さに沿って延在する内腔と、前記内腔を通過して通って延在する中心軸とを有し、前記第1の末端部が閉鎖されている円筒構造と;
前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記円筒構造へのアクセスを提供するの内部に到達できるようにするための前記第1の入口ポートと;
前記円筒構造の前記第1の末端部の近くに配置され、前記円筒構造へのアクセスをの内部に到達提供するできるようにするための前記第2の入口ポートとを含み、前記第1および第2の入口ポートが、前記円筒構造の互いに反対側に配置され、前記中心軸に対してほぼ同じ軸方向位置に配置されるステップと;
前記第1の反応物溶液のを注入するステップと同時に、第2の反応物溶液を前記反応器の前記第2の入口ポートに注入して、プロセス溶液を形成するステップであって、前記プロセス溶液の乱流強度がの乱流強度が少なくとも1.5×107cm/s3であり、前記プロセス溶液が反応することによって粒子材料を形成するステップと;
前記粒子材料を回収するステップとを含む、方法。
【請求項43】
前記粒子材料を熱水処理するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
チタン酸バリウムペロブスカイト材料を含む組成変更されたチタン酸バリウム粒子を含む粒子材料であって、前記バリウムが、10重量%未満のカルシウムで置換されており、前記チタンが、ジルコニウム、イットリウム、マンガン、ネオジム、スズ、亜鉛、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ハフニウム、クロム、およびそれらのあらゆる任意の組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種類の金属イオン2重量%未満で置換されており、前記組成変更されたチタン酸バリウム粒子が、0.6ミクロン〜2.0ミクロンの範囲内の平均粒度を有し、0.5以下の半値幅比を有する、粒子材料。
【請求項45】
前記半値幅比が0.45以下である、請求項44に記載の粒子材料。
【請求項46】
前記半値幅比が0.4以下である、請求項45に記載の粒子材料。
【請求項47】
前記半値幅比が0.3以下である、請求項46に記載の粒子材料。
【請求項48】
前記平均粒度が0.7ミクロン〜1.5ミクロンの範囲内である、請求項47に記載の粒子材料。
【請求項49】
前記平均粒度が0.9ミクロン〜1.5ミクロンの範囲内である、請求項48に記載の粒子材料。
【請求項50】
前記平均粒度が0.6ミクロン〜0.9ミクロンの範囲内である、請求項44〜49のいずれか1項に記載の粒子材料。
【請求項51】
前記粒子材料の比誘電率が少なくとも15,000である、請求項44〜49のいずれか1項に記載の粒子材料。
【請求項52】
前記比誘電率が少なくとも17,500である、請求項51に記載の粒子材料。
【請求項53】
前記比誘電率が少なくとも18,000である、請求項52に記載の粒子材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−519142(P2012−519142A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552214(P2011−552214)
【出願日】平成22年2月28日(2010.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/025710
【国際公開番号】WO2010/099517
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508267956)イーストー,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】