説明

酸素流量情報取得装置、酸素流量情報取得方法及び酸素濃縮装置

【課題】計算量が膨大でなく、且つ、各テーブルデータに基づき流量値を精度良く取得することができる酸素流量情報取得装置等を提供すること。
【解決手段】3個の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、基準電圧情報及び基準流量情報として記憶する基準流量電圧情報記憶部を有し、流量センサの出力電圧情報に最も近い基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とし、目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報と、電圧が高い電圧情報を選択し、目標基準電圧情報、低い電圧情報、高い電圧情報に対応する基準流量情報を選択し、目標基準電圧情報と目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、接線傾き情報、出力電圧情報、目標基準電圧情報及び目標基準流量情報に基づき、流量線さの出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっている流量情報取得装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、流量センサの電圧値から酸素の流量情報を取得するための酸素流量情報取得装置、酸素流量情報取得方法及び酸素濃縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば酸素濃縮装置等は、その生成する酸素の流量を計測するために流量センサを備えている(例えば、特許文献1)。
すなわち、流量センサは、酸素濃縮装置の酸素排出側の管等に配置され、管等の内部を流れる酸素を検知すると、その流量に応じて電圧が発生する構成となっている。
このような流量センサの電圧値に対応する流量値に関しては、別個に設けられた換算テーブルデータがあり、この換算テーブルデータを参照して流量値を取得するようになっている。
このような換算テーブルデータの情報は、通常、流量センサの製造メーカ等から提供される。
しかし、この換算テーブルデータは、流量センサが装着される対象機器等を特定せずに定めるため、実際に特定の機器、例えば、酸素濃縮装置に装着した場合、誤差等が大きく較正等をする必要がある。
【0003】
そこで、従来は、基準器等を用いて、酸素濃縮装置の種類毎に、特定の流量値及び電圧値のデータを取得し、上記の換算テーブルデータを較正していた。
この較正された換算テーブルデータは、酸素を流さない状態の0L/minを最初のテーブルデータ値とし、最高値の10%増しである例えば、5.5L/minを最終のテーブルデータ値とする複数のポイントデータとなる。
このような複数のポイントデータを換算デーブルデータとして、酸素濃縮装置に搭載するが、実際に流量センサから出力される電圧値は、これらテーブルデータと一致しないため、これらテーブルデータから流量を算出する必要があった。
しかし、これらテーブルデータをグラフにすると、その傾きは非線形となり、計算が複雑となり、精度の良い流量値を算出するまでに時間がかかるという結果となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−111016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、この傾きを求めるために、以下のような方法を採用していた。
その例の一つは、「スプライン補間」方法である。これは、自然3次スプライン関数とすると、流量センサのセンサ電圧Xが、Xi−1≦X≦Xの条件下で、流量値Yは、以下の式で示される。
Y=C1i+C2i・(X−Xi−1)+C3i・(X−Xi−1+C4i・(X−Xi−1
この場合、補間曲線が滑らかで誤差が少ないという利点があるがCを求めるためにポイント数n個に相当するn元連立方程式(n次数の逆行列)を求める必要があり、計算数が膨大であるという問題があった。
【0006】
一方、かかる膨大な計算をしない方法として、「線形補間」方法がある。これは、上述の各テーブルデータを結ぶ直線を求めるものである。
この方法は、計算量が少なく簡易であるが、上述の各テーブルデータの前後で傾きが大きく変わることがあり、滑らかなデータとならないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、計算量が膨大でなく、且つ、各テーブルデータに基づき流量値を精度良く取得することができる酸素流量情報取得装置、酸素流量情報取得方法及び酸素濃縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明にあっては、少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として記憶する基準流量電圧情報記憶部と、流量センサ装置が出力した出力電圧情報を記憶する出力電圧情報記憶部と、を有し、前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とし、前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とし、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とし、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっていること特徴とする流量情報取得装置により達成される。
【0009】
前記構成によれば、目標基準電圧情報、低基準電圧情報、高基準電圧情報、目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報に基づいて、目標基準電圧情報と目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、接線傾き情報、出力電圧情報、目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっている。
このように、前記構成では、少なくとも3点のデータに基づく、最小二乗法で接線傾き情報を取得しているので、従来の「線形補間」方法による場合に比べ、遙かに滑らかな情報なり、その情報の精度が向上する。
一方、従来の「スプライン補間」方法に比べ遙かに計算量が少ないので、計算速度が速く、コストを低下できることになる。
【0010】
好ましくは、前記低基準電圧情報が、前記目標基準電圧情報より電圧が低い直前の前記基準電圧情報であり、前記高基準電圧情報が、電圧が高い直後の前記基準電圧情報であることを特徴とする流量情報取得装置である。
【0011】
前記構成によれば、低基準電圧情報が、目標基準電圧情報より電圧が低い直前の基準電圧情報であり、高基準電圧情報が、電圧が高い直後の基準電圧情報である。
【0012】
好ましくは、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に基づき、電圧情報における関数変量情報を求め、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、傾き成分含有関数変量情報を求め、前記関数変量情報及び前記傾き成分含有関数変量情報に基づき、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を求めることを特徴とする流量情報取得装置である。
【0013】
好ましくは、前記関数変量情報は、以下のa式で求められ、前記傾き成分含有関数変量情報は、以下のb式で求められ、前記出力電圧対応流量情報は、以下のc式で求められることを特徴とする流量情報取得装置である。
(a式)Δ(前記関数変量情報)=3×{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}−{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}
(b式)Δβ(前記傾き成分含有関数変量情報)=3×{(前記低基準電圧情報)×(前記低基準流量情報)+(前記目標基準電圧情報)×(前記目標基準流量情報)+(前記高基準電圧情報)×(前記高基準流量情報)}−{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}×{(前記低基準流量情報)+(前記目標基準流量情報)+(前記高基準流量情報)}
(c式)Y(前記出力電圧対応流量情報)=Δβ(前記傾き成分含有関数変量情報)/Δ(前記関数変量情報)
【0014】
前記課題は、本発明によれば、少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として記憶する基準流量電圧情報記憶部と、流量センサ装置から取得した出力電圧情報を記憶する出力電圧情報記憶部と、を有し、前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とし、前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とし、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とし、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっていること特徴とする流量情報取得装置を備える酸素濃縮装置により達成される。
【0015】
前記課題は、本発明によれば、少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として基準流量電圧情報記憶部に記憶する工程と、出力電圧情報記憶部が、流量センサ装置から取得した出力電圧情報を記憶する工程と、を有し、前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とする工程と、前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とする工程と、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とする工程と、前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求める工程と、前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する工程を有すること特徴とする流量情報取得方法により達成される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、計算量が膨大でなく、且つ、各テーブルデータに基づき流量値を精度良く取得することができる酸素流量情報取得装置、酸素流量情報取得方法及び酸素濃縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態にかかる酸素濃縮装置の外観を示す前面から見た斜視図である。
【図2】図1の酸素濃縮装置の外観の背面図である。
【図3】酸素濃縮装置のシステム構成例を示す概略ブロック図である。
【図4】図3の流量情報取得部の主な構成を示す概略ブロック図である。
【図5】図4の各種データ記憶部の内容を示す概略ブロック図である。
【図6】本実施の形態の流量情報取得部の主な動作等を示す概略フローチャートである
【図7】本実施の形態の流量情報取得部の主な動作等を示す他の概略フローチャートである
【図8】流量値と電圧値のテーブルデータ例を示すグラフである。
【図9】流量値と電圧値のテーブルデータと実際の酸素流量センサの出力電圧値との関係等を示すグラフである。
【図10】従来の「線形補間」「スプライン補間」と本実施の形態とを比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態にかかる酸素濃縮装置1の外観を示す前面から見た斜視図である。図2は、図1の酸素濃縮装置1の外観の背面図である。
図1と図2に示す酸素濃縮装置1は、好ましくは、好ましくは携帯型(可搬型や移動型ともいう)の酸素濃縮装置1である。
酸素濃縮装置1は、例えば、酸素生成原理として、圧縮空気による圧縮空気力変動吸着法(PSA:正圧変動吸着法)を用いている。
圧縮空気のみによる正圧変動吸着法は、圧縮空気のみを吸着筒体内に送って窒素を吸着させる。正圧変動吸着法は、圧縮空気と減圧空気による正負圧変動吸着法(VPSA)に比べて、コンプレッサの小型化と軽量化が図れるメリットがある。
【0020】
図1及び図2に示す酸素濃縮装置1は、例えば、一例として90%以上に濃縮された酸素の供給流量が最大5Lクラス(5L/分)の酸素濃縮装置(高さ62.5cm,幅35cm,奥行き29.5cm,重量23kg)であり、酸素流量の設定単位は、例えば、0.25/0.50/0.75/1.00/1.25/1.50/1.75/2.00/2.50/3.00/3.50/4.00/4.50/5.00(L/min)まで設定されている。
酸素濃縮装置1は、ほぼ直方体の主筐体2と、流量を表示するための表示部128と、加湿器Gと、カニューラ掛け2Kと、4隅のキャスタ2Tを有している。
【0021】
主筐体2は、フロントパネル2Fと、左右のサイドパネル2Sと、リアパネル2Rと、上面部2Dと、底部2Bを有している。
図1に示すように、上面部2Dには、表示部128と、酸素出口部100と、電源スイッチ101と、酸素流量設定ボタン102が配置されている。
フロントパネル2Fの上部には、幅方向のほぼ中央に加湿器Gの配置部2Gが開口して設けられている。キャスタ2Tは、底部2Bの四隅部分に配置され、酸素濃縮装置1は、これらのキャスタ2を用いて移動可能になっている。
【0022】
酸素濃縮装置1は、図2に示すように、リアパネル2Rは、その上部の中央位置に主筐体2内に外気を取り入れるための空気取り入れ口5が形成され、その下部の右側に主筐体2内の温まった空気を外部に排出するための排気口6が形成されている。
空気取り入れ口5の内面側には、空気取り入れ口フィルタ7が着脱可能に装着されている。
また、左右のサイドパネル2Bは、取っ手8を有し、底部2Bは巻き取り式の電源コード9を有している。
【0023】
図3は、酸素濃縮装置1のシステム構成例を示す概略ブロック図である。
図3に示す二重線は、原料空気、酸素、窒素ガスの流路となる配管を示している。また、細い実線は電源供給又は電気信号の配線を示している。図3に示す酸素濃縮装置1の主筐体2は破線で示している。
【0024】
図3に示すように、原料空気はコンプレッサ10が作動すると、空気取り入れ口フィルタ7を介して、内部の配管37と吸気フィルタ兼消音バッファ38と配管40、41を通じて、コンプレッサ10側に導入される構成となっている。
【0025】
このように原料空気は、コンプレッサ10に導入されて圧縮空気になるが、原料空気を圧縮する際に熱が発生する。このため、コンプレッサ10、特にスリーブ11,12は、冷却用の第1ファン34と第2ファン36からの送風により冷却する。そして、コンプレッサ10から配管15を通じて送られる圧縮空気は、ラジエータ13により冷却される。
【0026】
第1吸着筒体31と第2吸着筒体32は、並べて配置された吸着部材の一例であり、縦方向に並列に配置されている。これら第1吸着筒体31と第2吸着筒体32には、それぞれ三方向切換弁14B,14Cが接続されている。
3方向切換弁14B、14Cは、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32にそれぞれ対応して接続されている。コンプレッサ10から発生する圧縮空気は、配管15と3方向切換弁14B、14Cを介して、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32に対して交互に供給される。
【0027】
触媒吸着剤であるゼオライトは、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内にそれぞれ貯蔵されている。ゼオライトを使用することで、他の吸着剤を使う場合に比べて酸素を生成するために必要となる原料空気の使用量を削減できるようになる。この結果、圧縮空気を発生するためのコンプレッサ10をより小型化が図れ、コンプレッサ10の低騒音化を図ることができる。
【0028】
図3に示すように、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32の出口側には、逆止弁と絞り弁と開閉弁とからなる均等圧弁107が接続されている。均等圧弁107の下流側には、合流する配管60が接続されており、この配管60にはバッファ61が接続されている。このバッファ61は、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32において分離生成された90%程度以上の濃度の酸素を貯蔵するための酸素貯蔵容器である。
【0029】
図3に示すように、バッファ61の下流側には、圧力調整器62が接続されており、圧力調整器62はバッファ61の出口側の酸素の圧力を一定に自動調整するレギュレータである。
圧力調整器62の下流側には、フィルタ63を介してジルコニア式あるいは超音波式の酸素濃度センサ64が接続されており、酸素濃度センサ64は、ジルコニア式の場合には酸素濃度の検出を間欠的に(10〜30分毎に)または連続的に行うようになっている。
【0030】
図3に示すように、酸素濃度センサ64と加湿器Gの間には、流量制御部(流量コントローラ)202が設けられている。流量制御部202は、比例開度弁65を備えている。この比例開度弁65は、中央制御部200の指令により流量制御部202からの信号により、酸素流量設定ボタン102の設定ボタン操作に連動して開閉する。流量制御部202には、加湿器Gが接続されている。また、この加湿器Gと酸素出口部100の間には、酸素流量センサ66が接続されている。酸素流量センサ66を加湿器Gと酸素出口部100の間に配置することで、加湿器Gの漏れを踏まえ酸素出口部100からの酸素流量が正確に測定でき、加湿器Gの外れが検出できるという効果がある。
【0031】
また、酸素流量センサ66には、酸素流量情報取得装置である例えば、流量情報取得部300が配置されている。
酸素流量センサ66は、例えば、電磁式のMEMS流量センサ等となっており、配管内の酸素の流量を電圧値で出力する構成となっている。
そのため、本実施の形態では、この電圧値で示されたデータを流量値に換算するための流量情報取得装置300が、設けられている。
【0032】
酸素出口部100には、鼻カニューラ70のカプラソケット71が着脱可能に接続される。カプラソケット71は、チューブ72を介して鼻カニューラ70に接続されている。患者は、鼻カニューラ70を経て、例えば最大流量5L/分の流量で、約90%程度以上に濃縮された酸素の吸入が可能である。
【0033】
次に、図3を参照して電源系統を説明する。
図3に示すAC(商用交流)電源のコネクタ203は、電源制御回路39に電気的に接続され、電源制御回路39は商用交流電源の交流電圧を所定の直流電圧に整流する。内蔵電池204は、主筐体2に内蔵されている。内蔵電池204は、繰り返し充電可能な2次電池であり、内蔵電池204は電源制御回路39からの電力供給を受けて充電できる。
【0034】
これにより、図1の中央制御部200が電源制御回路39を制御することで、電源制御回路39は、例えばACアダプタからの電力供給を受けて作動する第1電力供給状態と、内蔵電池204からの電力供給を受けて作動する第2電力供給状態の内の1つの供給状態に自動切換して使用できる。
【0035】
図3の中央制御部200は、モータドライバ210とファンモータドライバ211に電気的に接続されている。中央制御部200は生成する酸素量に応じた最適な動作モードに切り替えるプログラムが記憶されている。モータドライバ210とファンモータドライバ211は、中央制御部200の指令により、多くの酸素生成をする場合は自動的にコンプレッサ10と第1ファン34と第2ファン36を高速駆動し、少ない酸素生成時の場合にはコンプレッサ10と第1ファン34と第2ファン36を低速に回転駆動する制御を行う。
【0036】
この中央制御部200には、所定動作プログラムを記憶したROM(読み出し専用メモ)が内蔵されるとともに、中央制御部200には、外部記憶装置と揮発メモリと一時記憶装置とリアルタイムクロックからなる回路が電気的に接続されている。中央制御部200は、通信コネクタ205を介して外部の通信回線等と接続することでアクセスが可能となる。
図3に示す3方向切換弁14B、14Cと均等圧弁107とをオンオフ制御することで、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内の不要ガスを脱離させるように制御する制御回路(図示せず)と、圧力調整器62と、流量制御部202と、酸素濃度センサ64が、中央制御部200に電気的に接続されている。
流量制御部202は、比例開度弁65を制御し、酸素流量センサ(第1の酸素流量センサ)67と加湿器Gで加湿された後の酸素流量を測定する酸素流量センサ(第2の酸素流量センサ)66の酸素流量値は、中央制御部200に送られる。図8に示す中央制御部200には、酸素流量設定ボタン102と、表示部128と、電源スイッチ101と、表示スイッチ128Sが電気的に接続されている。
【0037】
酸素流量設定ボタン102は、例えば90%程度以上に濃縮された酸素を毎分当たり0.25L(リットル)から最大で5Lまで0.25L段階で操作するごとに、酸素流量を設定できる。表示部128は、例えば、7セグメント表示の液晶ディスプレイなどの表示装置が利用されている。表示部128には、例えば酸素流量、酸素ランプ、警報アイコン(チューブ折れ、加湿器外れ、酸素濃度低下、電源供給停止、バッテリ残量、バッテリ運転中、充電ランプ)、積算時間等の表示項目を表示することができる。
【0038】
図3に示すコンプレッサ10は、すでに説明したように圧縮空気のみを発生させることで正圧変動吸着法(PSA)により、圧縮空気を第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内に送り、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内の吸着剤により圧縮空気中の窒素を吸着させる。コンプレッサ10の駆動用モータ53は、同期モータであっても、その他に例えば単相交流誘導モータであっても良いし、単相4極交流同期モータであっても良いし、特に種類は限定されない。
【0039】
図4は、図3の流量情報取得部300の主な構成を示す概略ブロック図である。図4に示す流量情報取得部300は、流量情報取得制御部301を有し、これにより各種情報やプログラムが制御される構成となっている。
具体的には、コンピュータ等により、情報を制御等する構成となっている。このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、これらは、例えばバス等を介して配置されている。
このバスは、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。CPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。RAMは、プログラム処理中のメモリの内容を対比したり、プログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0040】
図5は、図4の各種データ記憶部400の内容を示す概略ブロック図であり、図6及び図7は、本実施の形態の流量情報取得部300の主な動作等を示す概略フローチャートである。
以下、図6及び図7のフローチャートに沿って流量情報取得部300の動作等を説明すると共に、図4及び図5の構成等を合わせて説明する。
【0041】
先ず、図6のST1で、図3に示す酸素流量センサ66が酸素の流れを検知して、電圧値を出力したか否かが判断される。
すなわち、酸素濃縮装置1が動作して、酸素の供給が開始されたか否かを判断する。
ST1で、酸素流量センサ66から電圧値が出力されると、ST2へ進む。
ST2では、酸素流量センサ66から出力された出力電圧値(X)を出力電圧値記憶部401に記憶する。
具体的には、図4の出力電圧値入力部(プログラム)302が動作し、酸素流量センサ66から出力された出力電圧値(X)を、図5の出力電圧値記憶部401に記憶する。
したがって、出力電圧値記憶部401が、出力電圧情報記憶部の一例である。
【0042】
次いで、ST3に進む。ST3では、図5の流量・電圧テーブル値記憶部402を参照し、酸素流量センサ66の出力電圧値(X)と電圧値が近い目標電圧テーブル値(X)を特定し、図5の目標電圧テーブル値記憶部403に記憶する。
【0043】
ここで、流量・電圧テーブル値記憶部403について説明する。
酸素流量センサ66は、図3の配管内の酸素の流れを検知して、流量に応じた電圧値を出力するものであるため、酸素流量センサ66の製造会社は、電圧値に対応する流量値のデータを提供している。
しかし、この製造会社から提供されたデータは、流量センサの一般的な使用におけるデータであるため、本実施の形態のような酸素濃縮装置1の酸素流量を検知するためには、そのデータでは不十分である場合が多い。
そこで、酸素濃縮装置1に酸素流量センサ66として、流量センサを搭載する場合には、酸素濃縮装置1の種類、例えば、5L/min等毎に、データを較正することになる。
【0044】
具体的には、図示しない基準器を使用し、特定の流量値、例えば0.0/0.5/1.0/1.5/2.0/2.5/3.0/3.5/4.0/4.5/5.0/5.5[L/min]における酸素流量センサ66の出力電圧値を特定する。
これら流量値と電圧値の関係は、流量値[L/min]をY軸、電圧値[V]をX軸とすれば、例えば、図8に示すような関係となる。図8は、流量値と電圧値のテーブルデータ例を示すグラフである。
すなわち、基準となる例えば、0.0[L/min]、1.0[L/min]、1.5[L/min]、2.0[L/min]、2.5[L/min]について、基準器でその流量値を計測すると、図8のようなポイントデータとなる。
【0045】
そこで、このポイントデータを記憶したのが、図5の流量・電圧テーブル値記憶部402である。すなわち、流量・電圧テーブル値記憶部402には、0.0[L/min]、1.0[L/min]、1.5[L/min]、2.0[L/min]、2.5[L/min]等の流量値に対応する電圧値が関連付けて登録されている。
したがって、流量・電圧テーブル値記憶部402は、基準流量電圧情報記憶部の一例となっている。
【0046】
ところで、ST3では、具体的には、図4の目標電圧テーブル値特定部(プログラム)303が動作し、図5の流量・電圧テーブル値記憶部402を参照し、図5の出力電圧値記憶部401内に記憶された出力電圧値(X)と最も近い電圧値を特定し、目標電圧テーブル値(X)として、図5の目標電圧テーブル値(X)記憶部403に記憶する。
この工程を図示すると、図9に示すようになる。すなわち、流量・電圧テーブル値記憶部402において、酸素流量センサ66の出力電圧値(X)と最も近い電圧値を目標電圧テーブル値(X)とすることになる。
図9は、流量値と電圧値のテーブルデータと実際の酸素流量センサの出力電圧値との関係等を示すグラフである。
したがって、目標電圧テーブル値(X)が目標基準電圧情報の一例となっている。
【0047】
次いで、ST4へ進む。ST4では、特定された目標電圧テーブル値(X)の前の電圧テーブル値(Xi−1)と、後の電圧テーブル値(Xi+1)を特定し、図5の前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部404に記憶する。
具体的には、図4の前後電圧テーブル値特定部(プログラム)304が動作し、図5の流量・電圧テーブル値記憶部402のうち、図5の目標電圧テーブル値記憶部403に記憶されている目標電圧テーブル値(X)より電圧が直近で低い電圧テーブル値を直前電圧テーブル値(Xi−1)として特定すると共に、この目標電圧テーブル値(X)より電圧が直近で高い電圧テーブル値を直後電圧テーブル値(Xi+1)として特定する。
【0048】
そして、これら直前電圧テーブル値(Xi−1)及び直後電圧テーブル値(Xi+1)を図5の前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部404に記憶する。
【0049】
この関係を図9で説明すると、以下のようになる。すなわち、図9の目標電圧テーブル値(X)より電圧が低い直前電圧テーブル値(Xi−1)がグラフで(Xi−1)で示す電圧テーブル値である。
一方、目標電圧テーブル値(X)より電圧が高い直後電圧テーブル値(Xi+1)が,グラフで(Xi+1)で示す電圧テーブル値である。
【0050】
したがって、直前電圧テーブル値(Xi−1)が、低基準電圧情報の一例であり、直後電圧テーブル値(Xi+1)が、高基準電圧情報の一例である。
【0051】
次いで、ST5へ進む。ST5では、図4の関数変量データ算出部(プログラム)305が動作し、図5の目標電圧テーブル値(X)記憶部403の目標電圧テーブル値(X)と、前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部404の直前電圧テーブル値(Xi−1)及び直後電圧テーブル値(Xi+1)を参照し、以下の式1に代入して計算を行う。
【0052】
式1:Δ(関数変量データ)=3×{(Xi−1+(X+(Xi+1}−{(Xi−1)+(X)+(Xi+1)}
すなわち、(Xi−1)に直前電圧テーブル値、(X)に目標電圧テーブル値、(Xi+1)に直後電圧テーブル値をそれぞれ代入して、計算することで、Δである関数変量データが求められる。
このように求められた関数変量データ(Δ)は、図5の関数変量データ記憶部405に記憶される。
なお、この式1の展開する前の式は、以下の通りである。
Δ=NΣ(X・(ΣX(但し、N=3)
【0053】
次いで、ST6へ進む。ST6では、図4の流量テーブル値特定部(プログラム)306が動作して、図5の流量・電圧テーブル値記憶部402を参照し、図5の目標電圧テーブル値(X)記憶部の目標電圧テーブル値(X)に対応する目標流量テーブル値(Y)を特定すると共に、前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部404の直前電圧テーブル値(Xi−1)及び直後電圧テーブル値(Xi+1)に対応する直前流量テーブル値(Yi−1)及び直後流量テーブル値(Yi+1)を特定する。
【0054】
すなわち、図9の例で説明すれば、目標電圧テーブル値(X)のポイントにおける流量値のデータを目標流量テーブル値(Y)とし、直前電圧テーブル値(Xi−1)のポイントにおける流量値のデータを直前流量テーブル値(Yi−1)とし、直後電圧テーブル値(Xi+1)のポイントにおける流量値のデータを直後流量テーブル値(Yi+1)とすることになる。
【0055】
そして、特定した目標流量テーブル値(Y)、直前流量テーブル値(Yi−1)及び直後流量テーブル値(Yi+1)を図5の目標及び前後流量テーブル値(Y、Yi−1、Yi+1)記憶部406に記憶する。
【0056】
したがって、目標流量テーブル値(Y)は、目標基準流量情報の一例であり、直前流量テーブル値(Yi−1)は、低基準流量情報の一例であり、直後流量テーブル値(Yi+1)は、高基準流量情報の一例である。
【0057】
次いで、ST7へ進む。ST7では、図4の傾き成分含有関数変量データ算出部(プログラム)307が動作し、図5の目標電圧テーブル値(X)記憶部403、前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部404及び目標及び前後流量テーブル値(Y、Yi−1、Yi+1)記憶部406を参照し、目標電圧テーブル値(X)、直前電圧テーブル値(Xi−1)、直後電圧テーブル値(Xi+1)、目標電圧流量テーブル値(Y)、直前流量テーブル値(Yi−1)及び直後流量テーブル値(Yi+1)を抽出し、以下の式2に代入して計算を行う。
【0058】
式2:Δβ(傾き成分含有関数変量データ)=3×{(Xi−1)×(Yi−1)+(X)×(Y)+(Xi+1)×(Yi+1)}−{(Xi−1)+(X)+(Xi+1)}×{(Yi−1)+(Y)+(Yi+1)}
すなわち、(Xi−1)に直前電圧テーブル値、(X)に目標電圧テーブル値、(Xi+1)に直後電圧テーブル値、(Yi−1)に直前流量テーブル値、(Yi)に目標流量テーブル値、(Yi+1)に直後流量テーブル値をそれぞれ代入して、計算することで、Δβ(傾き成分含有関数変量データ)が求められる。
このように求められた傾き成分含有関数変量データ(Δβ)は、図5の傾き成分含有関数変量データ記憶部407に記憶される。
なお、この式2の展開する前の式は、以下の通りである。
Δβ=NΣ(X・Y)・(ΣX)・(ΣY)(但し、N=3)
【0059】
次いでST8へ進む。ST8では、図4の接線傾きデータ算出部(プログラム)308が動作し、図5の関数変量データ記憶部405及び傾き成分含有関数変量データ記憶部407を参照し、関数変量データ(Δ)及び傾き成分含有関数変量データ(Δβ)を抽出し以下の式3に代入して計算を行う。
【0060】
式3:β(接線傾きデータ)=(Δβ)/Δ)
すなわち、(Δβ)に傾き成分含有関数変量データ、Δに関数変量データを代入し、計算することで、β(接線傾きデータ)が求められる。
【0061】
このように、ST8では、図9の例におけるポイントXにおける接線の傾き情報を最小二乗法を用いて算出することができる。
【0062】
次いで、ST9へ進む。ST9では、図4の流量値算出部(プログラム)309が動作し、図5の接線傾きデータ記憶部408、出力電圧値(X)記憶部401、目標電圧テーブル値(X)記憶部403及び目標及び前後流量テーブル値(Y、Yi−1、Yi+1)記憶部406を参照し、接線傾きデータ(β)、出力電圧値(X)、目標電圧テーブル値(X)及び目標流量テーブル値(Y)を抽出し、以下の式4に代入して計算を行う。
【0063】
式4:Y(出力電圧値対応流量値)=β×(X−X)+Yi
すなわち、βに接線傾きデータ、Xに出力電圧値、Xに目標電圧テーブル値、Yに目標流量テーブル値を代入し、計算することで、酸素流量センサ66からの出力電圧値に対応する流量値(Y)が求められることになる。
この出力電圧値に対応する流量値(Y)が、出力電圧対応流量情報の一例となっている。
そして、求められた流量値(Y)は、図5の流量値記憶部409に記憶される。
【0064】
このようにして求められる酸素流量センサ66からの出力電圧値に対応する流量値(Y)は、図9の例では、X、Xi−1、Xi+1の3点に基づく最小二乗法により算出したXの接線の傾きデータに基づいて定めているので、従来の「線形補間」より滑らかな傾きとなり、流量値(Y)の精度が向上する。
また、本願は従来の「スプライン補間」の方法より、遙かに少ない計算量で済むため、計算速度が速く、コストを低下させることができる。
【0065】
図10は、従来の「線形補間」「スプライン補間」と本実施の形態とを比較したグラフである。図10に示すように、本願の実施の形態の方法では、従来の「スプライン補間」の方法に近い結果を得ることができた。
【0066】
なお、流量値記憶部409に記憶された流量値(Y)は、図3の中央制御部200に配管内の酸素の精度の高い流量情報として提供されるので、酸素濃縮装置1は、酸素の流量を高精度に制御することができる。
また、この流量値(Y)は、CPU中央制御部200を介して、表示部128に表示されることになる。
【0067】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。本実施の形態では、目標電圧テーブル値(X)と最も近い直前電圧テーブル値(Xi−1)及び直後電圧テーブル値(Xi+1)の3点を用いて、最小二乗法にて、目標電圧テーブル値(X)における接線の傾きを算出したが、本発明はこれに限らず4点以上の値を用いて、目標電圧テーブル値(X)の接線の傾きを求めてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1・・・酸素濃縮装置、2・・・主筐体、10・・・コンプレッサ、11、12・・・スリーブ、13・・・ラジエータ、14B、14C・・・三方向切換弁、31・・・第1吸着筒体、32・・・第2吸着筒体、34・・・冷却用の第1ファン、36・・・冷却用の第2ファン、15、37、40、41、60・・・配管、38・・・吸気フィルタ兼消音バッファ、39・・・電源制御回路、53・・・駆動用モータ、61・・・バッファ、62・・・圧力調整器、63・・・フィルタ、64・・・酸素濃度センサ、65・・・比例開度弁、66・・・酸素流量センサ、70・・・鼻カニューラ、71・・・カプラソケット、72・・・チューブ、100・・・酸素出口部、101・・・電源スイッチ、102・・・酸素流量設定ボタン、107・・・均等圧弁、128・・・表示部、128S・・・表示スイッチ、200・・・CPU中央制御部、202・・・流量制御部、203・・・コネクタ、204・・・電池、205・・・通信アダプタ、210・・・モータドライバ、211・・・ファンモータドライバ、300・・・流量情報取得部、301・・・流量情報取得制御部、302・・・出力電圧値入力部(プログラム)、303・・・目標電圧テーブル値特定部(プログラム)、304・・・前後電圧テーブル値特定部(プログラム)、305・・・関数変量データ算出部(プログラム)、306・・・流量テーブル値特定部(プログラム)、307・・・傾き成分含有関数変量データ算出部(プログラム)、308・・・接線傾きデータ算出部(プログラム)、309・・・流量値算出部(プログラム)、400・・・各種データ記憶部、401・・・出力電圧値記憶部、402・・・流量・電圧テーブル値記憶部、403・・・目標電圧テーブル値記憶部、404・・・前後電圧テーブル値(Xi−1、Xi+1)記憶部、405・・・関数変量データ記憶部、406・・・目標及び前後流量テーブル値(Y、Yi−1、Yi+1)記憶部、407・・・傾き成分含有関数変量データ記憶部、408・・・接線傾きデータ記憶部、409・・・流量値記憶部、G・・・加湿器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として記憶する基準流量電圧情報記憶部と、
流量センサ装置が出力した出力電圧情報を記憶する出力電圧情報記憶部と、を有し、
前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とし、
前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とし、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とし、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、
前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっていること特徴とする流量情報取得装置。
【請求項2】
前記低基準電圧情報が、前記目標基準電圧情報より電圧が低い直前の前記基準電圧情報であり、前記高基準電圧情報が、電圧が高い直後の前記基準電圧情報であることを特徴とする請求項1に記載の流量情報取得装置。
【請求項3】
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に基づき、電圧情報における関数変量情報を求め、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、傾き成分含有関数変量情報を求め、
前記関数変量情報及び前記傾き成分含有関数変量情報に基づき、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流量情報取得装置。
【請求項4】
前記関数変量情報は、以下のa式で求められ、前記傾き成分含有関数変量情報は、以下のb式で求められ、前記出力電圧対応流量情報は、以下のc式で求められることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流量情報取得装置。
(a式)Δ(前記関数変量情報)=3×{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}−{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}
(b式)Δβ(前記傾き成分含有関数変量情報)=3×{(前記低基準電圧情報)×(前記低基準流量情報)+(前記目標基準電圧情報)×(前記目標基準流量情報)+(前記高基準電圧情報)×(前記高基準流量情報)}−{(前記低基準電圧情報)+(前記目標基準電圧情報)+(前記高基準電圧情報)}×{(前記低基準流量情報)+(前記目標基準流量情報)+(前記高基準流量情報)}
(c式)Y(前記出力電圧対応流量情報)=Δβ(前記傾き成分含有関数変量情報)/Δ(前記関数変量情報)
【請求項5】
少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として記憶する基準流量電圧情報記憶部と、
流量センサ装置から取得した出力電圧情報を記憶する出力電圧情報記憶部と、を有し、
前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とし、
前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とし、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とし、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求め、
前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する構成となっていること特徴とする流量情報取得装置を備える酸素濃縮装置。
【請求項6】
少なくとも3個以上の特定の流量情報に対応する流量センサ電圧情報を、当該対応する流量情報と関連付けて、それぞれ基準電圧情報及び基準流量情報として基準流量電圧情報記憶部に記憶する工程と、
出力電圧情報記憶部が、流量センサ装置から取得した出力電圧情報を記憶する工程と、を有し、
前記出力電圧情報に最も近い前記基準電圧情報を選択して目標基準電圧情報とする工程と、
前記目標基準電圧情報より電圧が低い電圧情報である前記基準電圧情報と、電圧が高い電圧情報である前記基準電圧情報を、それぞれ低基準電圧情報及び高基準電圧情報とする工程と、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報及び前記高基準電圧情報に対応する前記基準流量情報を、それぞれ目標基準流量情報、低基準流量情報及び高基準流量情報とする工程と、
前記目標基準電圧情報、前記低基準電圧情報、前記高基準電圧情報、前記目標基準流量情報、前記低基準流量情報及び前記高基準流量情報に基づいて、前記目標基準電圧情報と前記目標基準流量情報の直交座標系における交点の接線傾き情報を、最小二乗法を用いて求める工程と、
前記接線傾き情報、前記出力電圧情報、前記目標基準電圧情報及び前記目標基準流量情報に基づき、前記出力電圧情報に対応する出力電圧対応流量情報を算出する工程を有すること特徴とする流量情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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