説明

重合体粒子の回収方法

【課題】
乳化重合された重合体粒子が分散している溶液から重合体粒子を回収する際に、高回収率、高生産性を実現ぜきる重合体粒子の回収方法を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る重合体粒子の回収方法は、乳化重合して生成した重合体粒子が分散している溶液に、凝固剤を添加すると同時又はその後に、気泡を導入して凝集粒径が7〜20mmの範囲の重合体粒子凝集体を生成した後、固液分離することを特徴とし、好ましくは、凝固剤を添加した後、前記溶液を攪拌することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳化重合された高分子ポリマー粒子、たとえば合成ゴムポリマー粒子などの重合体粒子の回収方法に関し、詳しくは、乳化重合された重合体粒子が分散している溶液から重合体粒子を高回収率で回収できる重合体粒子の回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高分子化合物の重合法として、分散剤(界面活性剤)水溶液中でポリマーを乳化重合によって合成する方法が知られている。かかる乳化重合方法においては、乳化重合後の反応液はポリマー粒子(重合体粒子)がミセルを形成して水中に分散しているため、生成ポリマー粒子を回収するには、金属イオンなどの荷電性水溶液と接触させ、界面活性剤の働きを弱めて、ポリマー粒子同士を凝集(凝固)させた後、ろ過して分離する必要がある。
【0003】
しかし、この凝集粒子の大きさが小さいと、ろ過の際に、ろ材の目詰まりの原因となって、その後のろ過分離が困難になり、分離操作に支障をきたす問題があり、その結果、ポリマー粒子の回収率の低下を招き、生産性が劣る問題がある。
【0004】
このため、重合後の凝固工程における、重合体ラテックスの造粒管理が重要になる。
【0005】
特許文献1には、重合体ラテックスが入った凝固槽下部から空気を導入することで凝固槽上部に重合体を浮上させ、重合体粒子を反応液の上層に集めて造粒する方法が記載されている。
【0006】
また特許文献2では、懸濁液中に高温蒸気を吹き込み、懸濁した重合体の微粒子を加熱溶融して相互に合体させることにより、粒径を増大させる、熱可塑性重合体の懸濁液から重合体粒子を造粒する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US3,464,964
【特許文献2】特公平01−018083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、気泡が重合体粒子に付着して浮上させて反応液の上層に集まっただけなので、気泡が粒子同士を凝集させているわけではない。粒子同士が凝集したら、凝集体の自重により浮上が困難になり、重合体粒子の回収が低下するからである。そのことを裏付けるように、実施例によれば得られる凝集粒径は0.5〜1mm程度である。このような小さい粒径であると、その後にろ過する際に、ろ材の目詰まりの原因となり、その結果、ろ過分離が困難になり、分離操作に支障をきたし、重合体粒子の高回収率を実現できず、生産性が劣る問題がある。また、特許文献1は、重合体粒子を浮上させる手法なので、凝固剤溶液を添加して凝集することは行っていないことは当然である。凝集すれば粒子は自重により浮上できないからである。
【0009】
特許文献2では、生成する粒子径(実施例)は、メッシュ換算すると0.2〜5mm程度であり、粒子径が小さいため、上記と同様に、ろ過の際の目詰まりの問題が解消されず、重合体粒子の高回収率、高生産性が実現できない問題がある。
【0010】
懸濁液中に高温蒸気を吹き込み、懸濁した重合体の微粒子を加熱溶融して相互に合体させる手法なので、適用可能な重合体の軟化点以上の高温蒸気を用いる必要があるため、例えば軟化点の高いフッ素系ポリマーには適用が困難であり、生成ポリマーを限定する問題がある。
【0011】
本発明の課題は、乳化重合された重合体粒子が分散している溶液から重合体粒子を回収する際に、高回収率、高生産性を実現ぜきる重合体粒子の回収方法を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0014】
(請求項1)
乳化重合して生成した重合体粒子が分散している溶液に、凝固剤を添加すると同時又はその後に、気泡を導入して凝集粒径が7〜20mmの範囲の重合体粒子凝集体を生成した後、固液分離することを特徴とする重合体粒子の回収方法。
【0015】
(請求項2)
凝固剤を添加した後、前記溶液を攪拌することを特徴とする請求項1記載の重合体粒子の回収方法。
【0016】
(請求項3)
重合体粒子の回収率が、97%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体粒子の回収方法。
【0017】
(請求項4)
前記重合体粒子が、合成ゴム粒子であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重合体粒子の回収方法。
【0018】
(請求項5)
合成ゴム粒子が、フッ素系ポリマー粒子であることを特徴とする請求項4記載の重合体粒子の回収方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、乳化重合された重合体粒子が分散している溶液から重合体粒子を回収する際に、高回収率、高生産性を実現できる重合体粒子の回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の回収方法に採用される槽外気泡生成手法の一例を示す図
【図2】同上の槽外気泡生成手法に好ましく採用される気泡導入方法の一例を示す図
【図3】本発明の回収方法に採用される槽外気泡生成手法の他の例を示す図
【図4】本発明の回収方法に採用される槽内気泡生成手法の一例を示す図
【図5】同上の槽内気泡生成手法に採用することができる気泡発生方法の一例を示す図
【図6】本発明の回収方法に採用される槽内気泡生成手法の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
本発明は、乳化重合法により生成された重合体粒子(ポリマー粒子)を回収する方法であり、具体的には、乳化重合により生成された重合体粒子が分散している溶液中に、凝固剤を添加すると同時又はその後に、気泡を導入して、重合体粒子を回収する方法である。
【0023】
本発明において、凝固剤の添加により、ある程度の大きさの重合体粒子凝集体が得られるが、それだけではその後にろ過して分離する際に、ろ過の目詰まりなどの障害を解消するには十分でないので、気泡を導入することで、重合体粒子凝集体のさらなる凝集を促進して、凝集粒径が7〜20mmの範囲の重合体粒子凝集体を得る。凝集粒径は重合体粒子凝集体の最大長さと最小長さを顕微鏡法によって計測し、その平均値を算出した値である。
【0024】
このように、更なる大きい粒径であれば、その後のろ過の際に目詰まりなどの障害がなくなる。このような作用を呈する理由について、本発明者は次のような知見を有する。
【0025】
乳化重合が終了した凝固溶液中(重合体ラテックス中)では、分散剤(界面活性剤)の作用によって、疎水基が高分子側に、親水基は溶媒側に配向するようにして界面活性剤が、高分子(重合体)粒子を取り囲むようにしてミセルを形成し、溶媒中に分散している。ここに、気泡を導入すると、重合体粒子と溶媒の界面でミセルを形成していた界面活性剤又は溶液中に単独で存在している界面活性剤が、溶媒に対して疎水性物質である気泡と溶媒との間に生じる気液界面に、界面活性剤の疎水基は気泡側に、親水基は溶媒側にそれぞれ配向して集合する。これにより、重合体粒子と溶媒の界面から界面活性剤が除去され、重合体粒子同士の疎水性相互作用を発現させることができる。この結果、凝固剤溶液中に分散していた重合体粒子同士は、疎水性相互作用により凝集する。
【0026】
また、凝固溶液中に、電解質である凝固剤を添加すると、凝固剤は水中でイオン化し、溶液中で平衡状態を保っていた界面活性剤の親水基のイオン化を妨げるため、溶媒側を向いて重合体粒子に吸着している界面活性剤の親水基を疎水基にする作用が起こり、界面活性剤の働きを弱める。つまり、親水基を有していた重合体粒子の表面が、疎水基によって覆われ、重合体粒子が溶媒に対して疎水性を有するようになる。前述の疎水性相互作用により重合体粒子が凝集しやすい状態が形成される。
【0027】
このような状態ないし環境下で、気泡を導入すれば、重合体粒子の接触回数や衝突回数が増加し、凝集が促進される。
【0028】
本発明により生成されるポリマーの凝集粒径は上述のように7〜20mmの範囲であり、好ましくは8〜14mmの範囲である。凝集粒径が7mm未満では、粒径が小さすぎてろ材の目詰まりの原因となり、ろ過分離が困難になるため、生産性が劣り、さらには回収率も低下する。また、凝集粒径が20mmより大きいと、重合体(高分子)スラリー移送配管を閉塞する恐れがあり、また水洗工程においても、乳化剤や凝固剤が残留しやすくなり、重合体の諸物性低下を引き起こす問題がある。
【0029】
凝固剤の添加のみ、又は気泡の導入のみでは、本発明のような凝集粒径が7〜20mmの範囲の重合体粒子凝集体が得られず、また、凝固不十分なラテックスや微粒子を所望の凝集粒子径に造粒することができないため、その後の分離操作(ろ過)において、目詰まりをおこす恐れがあり、本発明のような生産性や回収率を得ることができない。
【0030】
本発明では、気泡の導入に加えて、重合体粒子の接触回数や衝突回数が増加するために機械的な攪拌を併用することも好ましい。機械攪拌としては、攪拌羽根を回転させて攪拌する方式が好ましく、より好ましくは、急速攪拌や緩速攪拌による機械攪拌を行い、回転数を変化させることも好ましい。急速攪拌によって粒子同士の接触回数を増加させ、重合体粒子凝集体の粒径を増大させるために緩速攪拌をおこなうことも好ましい。急速攪拌の回転数は100〜400rpmが好ましく、緩速攪拌は10〜50rpmの範囲が好ましい。急速攪拌は長時間行うと凝集体を破壊するので、数秒から数分程度が好ましい。
【0031】
さらに本発明においては、気泡を導入しながら凝集を行うことで、ポーラスなクラム(凝集した重合体)を製造できる。これにより、凝固(凝集)の際にクラム内に取り込まれる凝固剤やラテックス中に含まれる乳化剤等が、次工程である水洗工程で除去されやすくなり、さらに、乾燥工程においても、乾燥時間の短縮や乾燥温度の低下が可能となり、高い生産性を得ることができる。
【0032】
本発明において、気泡に捕集された界面活性剤は、水面に移動する。このため本発明ではオーバーフロー型の凝固槽にすれば、水面に集まった界面活性剤を除去することで、凝固槽から界面活性剤を除去することもできる。
【0033】
本発明において、凝固剤を添加すると同時又はその後に、導入される気泡は、(1)凝固槽の外部で気泡入り流体を製造してそれを導入してもよいし(槽外気泡生成手法)、(2)凝固槽内に空気や不活性ガスなどの気体を直接導入し、槽内で気泡を形成してもよい(槽内気泡生成手法)。
【0034】
また、上記槽外気泡発生手法及び槽内気泡発生手法の両方を用いて気泡を導入してもよい。
【0035】
気泡の粒径は、格別限定されないが、好ましくは凝固槽内で、10〜1000μmの範囲であり、より好ましくは50〜500μmである。
【0036】
槽外気泡生成手法は、凝固槽1の外部に気泡生成手段を設ける態様であり、たとえば図1に示すように、ポンプ10により圧力液体を送液管11により送液する途中に気液混合装置12を配置する。そして、コンプレッサー13などの圧力気体供給装置から送られる圧力気体を、気体供給管14を介して気液混合装置12の手前の送液管11に供給できるように接続する。
【0037】
このように構成すると、気液混合装置12において、気液混合が起こり、液体の中に気体が混入する。気液混合装置12で気体は微細な気泡となり、液体中に混入した状態が形成される。
【0038】
気液混合装置12としては、液体や気体の進行方向を複数の流路に変化させ、液体と気体の接触が良好で、気体が気泡状に液体に混入されるものであれば特に限定されないが、たとえば複数の羽根を組み合わせたラインミキサーやスタティックミキサーと称される静的混合装置、あるいは金属アスピレーターなどが好ましく用いられる。
【0039】
なお、図1において、15は凝固槽1内の反応液を攪拌する攪拌機であり、16は攪拌用のモータである。攪拌機用のモータ16は、攪拌速度を変化させて急速攪拌や緩速攪拌を行うことができるように回転数を変化可能に構成することが好ましい。
【0040】
生成した気液混合液を凝固槽1に供給するには、図2に示すように、凝固槽1外周の接線方向から供給するようにすることも好ましい。このようにすると、攪拌機を設けなくても、凝固槽1内に液流(矢符)が形成でき、気泡導入による凝集を促進できるからである。
【0041】
図1の態様では、気液混合装置の先端が凝固槽1の外部に設けられているが、液体中に気泡が混入すればよいので、先端は凝固槽1の内部に突出させてもよい。
【0042】
上記の態様において、液体は凝固槽1の反応液などを使用できる。反応液を供給する場合には、凝固槽1に反応液を仕込む時に、気液混合を行うことが好ましい。凝集が進んだのちに、凝固槽1の反応液を圧力液体として利用すると、折角凝集した重合体粒子集合体を破壊するおそれがあるからである。凝固槽1内の重合体粒子集合体を分離した後であれば、その分離液を圧力液体として利用できる。また気体は、水蒸気、空気や不活性ガス(窒素ガスなど)を用いることができる。
【0043】
なお、水蒸気(スチーム)は、槽内の溶液温度を上昇させるために導入される。
【0044】
槽外気泡生成手法の他の例としては、エジェクタやエアリフトポンプを用いることができる。図3に示す例はエジェクタ17を用いた態様を示している。圧力液体が液体管170を介して直線的に圧送されると、エジェクタ内部171が負圧になるので、その負圧によって外部の空気を、空気管172を介して吸引し、液体と空気を混合し、微細な気泡を液体に混入できる。この場合、エジェクタ17の設置位置を凝固槽1の液面より下方にした場合には、凝固槽1の液体が流出するおそれがあるので、空気管172の空気取入れ口を凝固槽1の液面より高くすることもできる。なお、エジェクタ17と凝固槽1の連結部に図示しない開閉バルブを設けた場合には空気管172の空気取入れ口を凝固槽1の液面より高くする必要はない。
【0045】
エアリフトポンプの場合には、エジェクタにおける圧力液体の供給を、圧力空気に代え、さらに、空気管172を液体管172に代える。つまり液体と気体の供給を逆にする態様である。圧力空気が管170を介して直線的に圧送されると、エジェクタ内部171が負圧になるので、その負圧によって外部の液体を、液体管172を介して吸引し、液体と空気を混合し、微細な気泡を液体に混入できる。
【0046】
次に、槽内気泡生成手法について説明する。図4には凝固槽1内に散気管18を設置し、その散気管18から気泡を凝固槽1内の反応液に供給する態様が示されている。
【0047】
散気管18には、細孔180が複数形成されており、コンプレッサー181から空気が供給されたり、あるいはスチーム(水蒸気)が供給されると、その細孔180から気泡が排出される。散気管18には、複数の散気ノズル182を設けることもできる(図5)。
【0048】
槽内気泡生成手法の他の手法としては、図6に示すように、凝固槽1の下方に、複数の細孔が形成されて透孔板19を設置し、透孔板19の下部に気体室20を形成し、その気体室20にコンプレッサー181から、たとえば空気を送り、透孔板19の細孔から気泡を放出する。
【0049】
また、例えば中興化成工業株式会社製のバブリングシート等を用いて気泡を発生させることもできる。
【0050】
本発明において、圧力気体又は圧力液体の導入圧力は、気泡を生成する際の圧力損失や凝固槽内での流速などを考慮して決定されるが、たとえば0.05MPa〜1MPaの範囲であればよい。
【0051】
本発明において、凝固槽には凝固剤溶液が添加され、かかる凝固剤溶液としては、硫酸アルミニウムカリウム[KAl(SO]、トリエチレンテトラミン、NaOH、KOH、NaCl、MgCl、CaCl、HCl、HSO、NaSO等の0.5〜20重量%水溶液、MeOH、EtOH、イソプロパノール等のアルコール類が挙げられ、好ましくは、KAl(SO、NaCl、MgCl又はCaClである。
【0052】
凝固剤溶液の添加量は、水に対して、0.5〜15重量%の範囲であり、好ましくは、1〜10重量%の範囲である。
【0053】
凝固剤を入れても、気泡を導入しなければ、重合体の凝集力が小さく、所望の粒子径を得ることができない。
【0054】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、凝固溶液には、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム等を添加することもできる。
【0055】
なお、凝固溶液は、凝固溶液の種類や重合体の種類により本発明の効果を損なわない範囲で温度条件を変更することができるが、凝固溶液中の粒子を溶融ないし溶解させるような温度までには昇温させない。
【0056】
本発明は、乳化重合により生成される高分子化合物粒子、好ましくは合成ゴム粒子を回収する際に適用できる。すなわち、本発明の重合体粒子としては、乳化重合によって得られるもの全般であり、具体例としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。本発明において、フッ素系ポリマーであることが好ましい。
【0057】
本発明によると、生成ポリマーの回収率が97%以上である高回収率を得ることができる。回収率は、[(回収ポリマー重量)/{(ラテックス重量)×(ラテックス中の固形分濃度)}]×100のようにして算出される。
【実施例】
【0058】
以下実施例により、本発明の効果を例証する。
【0059】
実施例1
凝固槽に、重合体の粘度(ML−10)が121℃で30ptsであり、固形分が28wt%である80重量%フッ化ビニリデン/20重量%ヘキサフルオロプロピレンのフルオロエラストマーラテックス7kgを、1L/分の液速で添加し、さらに凝固剤溶液として10重量%のNaCl水溶液10kgを添加し、凝固剤の添加と同時に5L/分、で気泡を導入しながら50℃で凝固させた。気泡を導入しながら撹拌機による攪拌も行った。
【0060】
凝固槽は、20L−SUS304製のものを使用し、気泡発生手法として市販の金属アスピレーター(MS−1)を用いた。
【0061】
得られた凝集粒子径を、及び生成ポリマーの回収率を下記のように求めた。その結果を表1に示す。
【0062】
<凝集粒子径測定方法>
重合体粒子凝集体の最大長さと最小長さを顕微鏡法によって計測し、その平均値を算出した。
【0063】
<回収率>
[(回収ポリマー重量)/{(ラテックス重量)×(ラテックス中の固形分濃度)}]×100のようにして算出する。
【0064】
実施例2
実施例1において、気泡発生手法としてバブリングシート(中興化成工業株式会社製)を用いた以外は、同様にして実施した。その結果を表1に示す。
【0065】
実施例3
実施例1において、気泡発生手法として、金属アスピレーター(MS−1)及びバブリングシート(中興化成工業株式会社製)を用いた以外は、同様にして実施した。その結果を表1に示す。
【0066】
比較例1
実施例1において、気泡を導入しない以外は、同様にして実施した。その結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【符号の説明】
【0068】
1:凝固槽
10:ポンプ
11:送液管
12:気液混合装置
13:コンプレッサー
14:気体供給管
15:攪拌機
16:攪拌機用のモータ
17:エジェクタ
170:液体管
171:エジェクタ内部
172:空気管
18:散気管
180:細孔
181:コンプレッサー
182:散気ノズル
19:透孔板
20:気体室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化重合して生成した重合体粒子が分散している溶液に、凝固剤を添加すると同時又はその後に、気泡を導入して凝集粒径が7〜20mmの範囲の重合体粒子凝集体を生成した後、固液分離することを特徴とする重合体粒子の回収方法。
【請求項2】
凝固剤を添加した後、前記溶液を攪拌することを特徴とする請求項1記載の重合体粒子の回収方法。
【請求項3】
重合体粒子の回収率が、97%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体粒子の回収方法。
【請求項4】
前記重合体粒子が、合成ゴム粒子であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重合体粒子の回収方法。
【請求項5】
合成ゴム粒子が、フッ素系ポリマー粒子であることを特徴とする請求項4記載の重合体粒子の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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