説明

重合性液晶組成物

【課題】 重合性液晶組成物を基板に塗布した場合、配向欠陥が解消でき、且つ、ハジキのない重合性液晶組成物を提供する。
【解決手段】 リン系酸化防止剤を含有する重合性液晶組成物及び当該重合性液晶組成物の硬化物である光学異方体を提供する。本願発明の重合性液晶組成物により構成される光学異方体は製造の際に配向欠陥及びハジキが発生することが無いことから優れた品質を有する。当該光学異方体は、位相差フィルム等の用途として種々の液晶ディスプレイに応用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、液晶ディスプレイ等の光学補償に用いられる光学異方体の構成部材として有用な重合液晶組成物及び当該組成物の重合体により構成される光学異方体に関する。
【背景技術】
【0002】
重合性液晶組成物は光学異方体の構成部材として有用であり、光学異方体は例えば位相差フィルムとして種々の液晶ディスプレイに応用されている。位相差フィルムは、重合性液晶組成物を基板に塗布して、配向膜等により重合性液晶組成物を配向させた状態で活性エネルギー線を照射して重合性液晶組成物を硬化することにより得られる。重合性液晶組成物を基板に塗布した場合配向欠陥が発生することがあり、それが輝点となり、コントラスト低下の原因になるという問題があった。
【0003】
配向欠陥の問題を解決するために、重合性液晶組成物にフッ素系やシロキサン系の配向促進剤を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、該配向促進剤を用いた重合性液晶組成物は、配向欠陥は解消できるが、ハジキが発生することがある。以上より、配向欠陥が解消でき、且つ、ハジキのない光学異方体を作製することができる重合性組成物の開発が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開2002−38157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の目的は、重合性液晶組成物を基板に塗布した場合、配向欠陥が解消でき、且つ、ハジキのない重合性液晶組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために種々の酸化防止剤を鋭意検討した結果、本願発明の重合性液晶組成物に最適な酸化防止剤を明らかにすることに成功し本願発明の完成に至った。本願発明は、リン系酸化防止剤を含有することを特徴とする重合性液晶組成物を提供し、併せて当該重合性液晶組成物の硬化物である光学異方体を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の重合性液晶組成物は基板に塗布した場合、配向欠陥及びハジキがなく、又、基板に対する塗れ性にも優れるため光学異方体の材料として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本願発明による重合性液晶組成物の最良の形態について説明する。本願発明の重合性液晶組成物は、リン系酸化防止剤を含有することが好ましく、具体的には一般式(I-a)、一般式(I-b)又は一般式(I-c)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Raはそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基を表し、該フェニレン基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、Rbはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Rc、Rf及びRgはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表し、該フェニル基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、Rd、Re及びRhはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキレン基又は1,4-フェニレン基を表し、該フェニレン基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、mは0〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。)で表されるリン系酸化防止剤を含有することが好ましく、一般式(I-a)で表されるリン系酸化防止剤を含有することがより好ましい。
【0011】
リン系酸化防止剤として具体的には、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス[2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル]ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4'-n-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、トリス(2-[(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3, 2]ジオキサホスフェフィン-6-イル)オキシ]エチル)アミンなどが挙げられる。
【0012】
リン系酸化防止剤の含有量は、重合性液晶組成物中に0.01〜5質量%含有することが好ましく、0.05〜3質量%含有することよりが好ましく、0.1〜2質量%含有することが特に好ましい。
【0013】
本願発明の重合性液晶組成物はリン系酸化防止剤に加えてリン系以外の酸化防止剤を併用することも好ましい。リン系以外の酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤又はラクトン系酸化防止剤を挙げることができる。リン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤を含有する重合性液晶組成物の重合体により構成される光学異方体は高温に曝されても位相差が減少しにくいため、特にリン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤を併用することが好ましい。
【0014】
該フェノール系酸化防止剤として例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ステアリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、チオジエチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサメチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサメチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、3,5-ジオキサオクタン-1,8-ジイルビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-((3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシエチル)]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,4'-チオビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-sec-ブチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-5-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシエチル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。又、該硫黄系酸化防止剤として例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3-ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物などが挙げられる。又、該ラクトン系酸化防止剤として例えば、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-フラン-2-オンなどが挙げられる。
【0015】
これらの酸化防止剤の含有量は、重合性液晶組成物中に0.01〜5質量%含有することが好ましく、0.05〜3質量%が含有することがより好ましく、0.1〜2質量%含有することが特に好ましい。更に、リン系酸化防止剤を0.05〜3質量%含有し、リン系以外の酸化防止剤を0.05〜3質量%含有することが好ましく、リン系酸化防止剤を0.1〜2質量%含有し、リン系以外の酸化防止剤を0.1〜2質量%含有することが特に好ましい。
【0016】
重合性液晶組成物中に含有する重合性液晶化合物については、特に制限はなく使用することができる。重合性液晶化合物として棒状重合性液晶化合物又は円盤状重合性液晶化合物を使用することが好ましく、棒状重合性液晶化合物が特に好ましい。
棒状重合性液晶化合物は、一般式(II)
【0017】
【化2】

【0018】
(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜25のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(II-a)
【0019】
【化3】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物を含有することが好ましく、一般式(II)において、Spはアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。)で表される構造を表し、MGが一般式(II-b)
【0020】
【化4】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基、フルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基、アルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される構造を表し、Pが一般式(II-c)、一般式(II-d)又は一般式(II-e)
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R41、R42及びR43はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基で表される化合物を含有することがさらに好ましい。
ここで、重合性液晶組成物に含有される化合物として、より具体的には一般式(III)
【0023】
【化6】

【0024】
(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-COO-又は-OCO-を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を用いると、機械的強度や耐熱性に優れた光学異方体が得られるので好ましい。
又、一般式(IV)
【0025】
【化7】

【0026】
(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を用いると、重合性液晶組成物の粘度低減や液晶温度範囲を室温もしくは室温付近まで低減することができるので好ましい。
又、一般式(V)
【0027】
【化8】

【0028】
(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子1〜20の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO-、-OCO-を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1の整数を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表し、これらのD、E及びFは、さらに炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を用いると、重合性液晶組成物の粘度を大幅に増加させることなく液晶物性を調節することができるので好ましい。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0029】
【化9】

(式中、j及びkはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表す。)
又、一般式(III)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0030】
【化10】

又、一般式(IV)で表される化合物の具体的な例として、化合物の構造と相転移温度を以下に挙げることができる。
【0031】
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
【化13】

【0034】
(式中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表し、数字は相転移温度を表し、Cは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表す。)
又、一般式(V)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0035】
【化14】

【0036】
(式中、X1は水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1から20のアルキル基表す。)
又、円盤状液晶化合物は、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造を有することが好ましく、一般式(VI)
【0037】
【化15】

(式中、R5はそれぞれ独立して一般式(VI-a)で表される置換基を表す。)
【0038】
【化16】

【0039】
(式中、R6及びR7はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、R8は炭素原子数1〜20アルコキシ基を表すが、該アルコキシ基中の水素原子は一般式(VI-b)、一般式(VI-c)又は一般式(VI-d)で表される置換基によって置換されていても良い。)
【0040】
【化17】

【0041】
(式中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88及びR89はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される構造を有することがさらに好ましく、一般式(VI)においてR8の内少なくとも一つは一般式(VI-b)、一般式(VI-c)又は一般式(VI-d)で表される置換基によって置換されたアルコキシ基を表すことが好ましく、R8の全てが一般式(VI-b)、一般式(VI-c)又は一般式(VI-d)で表される置換基によって置換されたアルコキシ基を表すことが特に好ましい。
さらに、一般式(VI-a)は具体的には一般式(VI-e)
【0042】
【化18】

【0043】
(式中nは2〜9の整数を表す。)で表される構造を有することが特に好ましい。
【0044】
又、以上の重合性液晶組成物中に酸化防止剤の他に重合禁止剤、重合開始剤、界面活性剤、又は紫外線吸収剤などの添加剤を含有しても良い。
【0045】
以上述べた重合性液晶組成物は有機溶媒などに溶かした溶液の状態で使用してもよい。好適な有機溶媒として例えばトルエン、キシレン、クメンなどのアルキル置換ベンゼンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等を挙げることができる。さらにこれらの溶媒にジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N-メチルピロリジノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を添加しても良い。
【実施例】
【0046】
以下、実施例を挙げて本願発明をさらに詳述するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
式(a)の化合物50質量%
【0047】
【化19】

式(b)の化合物50質量%
【0048】
【化20】

から成る重合性液晶組成物(A)を調製した。重合性液晶組成物(A)97.8質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%、式(c)のリン系酸化防止剤Irgafos-168(チバスペシャリティケミカルズ社製)
【0049】
【化21】

【0050】
を0.2質量%添加した本願発明の重合性液晶組成物(A1)を調製した。次に重合性液晶組成物(A1)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A1)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体の偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところ、配向欠陥及びハジキがないことが確認できた。又、重合性液晶組成物(A1)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじくことなく塗れた。
(実施例2)
重合性液晶組成物(A)97.8質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%、式(d)のリン系酸化防止剤Irgafos-38(チバスペシャリティケミカルズ社製)
【0051】
【化22】

を0.2質量%添加した本願発明の重合性液晶組成物(A2)を調製した。次に重合性液晶組成物(A2)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A2)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体の偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところ、配向欠陥及びハジキがないことが確認できた。又、重合性液晶組成物(A2)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじくことなく塗れた。
【0052】
(比較例1)
重合性液晶組成物(A)98質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%を添加した重合性液晶組成物(A5)を調製した。次に重合性液晶組成物(A5)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A5)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体を偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところハジキはないが、多数の配向欠陥が認められた。又、得られた光学異方体の加熱前の位相差は141.6nm、230℃で4時間加熱後の位相差は101.2nmであり、位相差の減少率は29%であった。重合性液晶組成物(A3)及び重合性液晶組成物(A4)を硬化して得られた光学異方体と比較して位相差の減少率が大きいことがわかる。又、重合性液晶組成物(A5)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじいて塗れなかった。
【0053】
(比較例2)
重合性液晶組成物(A)97.8質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%、式(e)
【0054】
【化23】

で表されるフッ素化合物を0.2質量%添加した重合性液晶組成物(A6)を調製した。次に重合性液晶組成物(A6)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A6)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体の偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところ、配向欠陥はないが、ハジキが観察された。又、重合性液晶組成物(A6)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじいて塗れなかった。
実施例及び比較例の比較により、本願発明の重合性液晶組成物は配向欠陥が無く、素ガラス基板に対する塗れ性に優れ、ハジキの点でも従来の重合性液晶組成物より優れていることが分かる。
【0055】
(実施例3)
重合性液晶組成物(A)97.4質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%、リン系酸化防止剤Irgafos-168(チバスペシャリティケミカルズ社製)を0.1質量%、フェノール系酸化防止剤Irganox-1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)を0.5質量%添加した本願発明の重合性液晶組成物(A3)を調製した。次に重合性液晶組成物(A3)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A3)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体の偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところ、配向欠陥及びハジキがないことが確認できた。又、得られた光学異方体の加熱前の位相差は123.0nm、 230℃で4時間加熱後の位相差は113.8nmであり、位相差の減少率は7%であった。又、重合性液晶組成物(A3)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじくことなく塗れた。
(実施例4)
重合性液晶組成物(A)97.0質量%に光重合開始剤Irgacure-651(チバスペシャリティケミカルズ社製)2.0質量%、リン系酸化防止剤Irgafos-168(チバスペシャリティケミカルズ社製)、フェノール系酸化防止剤Irganox-1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)及び式(f)のラクトン系酸化防止剤Irganox-HP136(チバスペシャリティケミカルズ社製)
【0056】
【化24】

【0057】
の群から成る酸化防止剤Irganox-HP2251(チバスペシャリティケミカルズ社製)を1.0質量%添加した本願発明の重合性液晶組成物(A4)を調製した。次に重合性液晶組成物(A4)を33質量%含有するキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液をポリイミド配向膜付きガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)した。スピンコートした基板に窒素雰囲気中で4mW/cm2の紫外線を120秒照射して、重合性液晶組成物(A4)を硬化させた。このようにして得られた光学異方体の偏光顕微鏡(ニコン社製)で観察したところ、配向欠陥及びハジキがないことが確認できた。又、得られた光学異方体の加熱前の位相差は122.5nm、 230℃で4時間加熱後の位相差は115.1nmであり、位相差の減少率は6%であった。又、重合性液晶組成物(A4)を素ガラス基板にスピンコート(3000回転/分、30秒)したところ、はじくことなく塗れた。
【0058】
実施例3及び4に記載の重合性液晶組成物は、配向欠陥が無く、ハジキの点で優れる効果に加え、高温に曝されても位相差が減少しにくい特性を有することがわかる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン系酸化防止剤を含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
【請求項2】
リン系酸化防止剤が一般式(I-a)、一般式(I-b)又は一般式(I-c)
【化1】

(式中、Raはそれぞれ独立的に1,4-フェニレン基を表し、該フェニレン基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、Rbはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Rc、Rf及びRgはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表し、該フェニル基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、Rd、Re及びRhはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキレン基又は1,4-フェニレン基を表し、該フェニレン基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜20のアルキル基で1つ以上置換されていても良く、mは0〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。)で表される請求項1記載の重合性液晶組成物。
【請求項3】
フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤からなる群より選ばれる酸化防止剤を含有する請求項1記載の重合性液晶組成物。
【請求項4】
リン系酸化防止剤の含有量が0.01〜5質量%である請求項1記載の重合性液晶組成物。
【請求項5】
請求項1記載の重合性液晶組成物及び有機溶媒を含有する重合性組成物。
【請求項6】
一般式(II)
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜25のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(II-a)
【化3】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物を含有する請求項1記載の重合性液晶組成物。
【請求項7】
一般式(II)において、Spがアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。)MGが一般式(II-b)
【化4】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される構造を表し、Pが一般式(II-c)、一般式(II-d)及び一般式(II-e)
【化5】

(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R41、R42及びR43はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基を表す、請求項6記載の重合性液晶組成物。
【請求項8】
一般式(III)
【化6】

(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-COO-又は-OCO-を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項7記載の重合性液晶組成物。
【請求項9】
一般式(IV)
【化7】

(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を含有する請求項7記載の重合性液晶組成物。
【請求項10】
一般式(V)
【化8】

(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3は単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を含有する請求項7記載の重合性液晶組成物。
【請求項11】
ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造である円盤状液晶化合物を含有する請求項1記載の重合性液晶組成物。
【請求項12】
円盤状液晶化合物が一般式(VI)で表される請求項11記載の重合性液晶組成物。
【化9】

(式中、R5はそれぞれ独立して一般式(VI-a)で表される置換基を表す。)
【化10】

(式中、R6及びR7はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、R8は炭素原子数1〜20アルコキシ基を表すが、該アルコキシ基中の水素原子は一般式(VI-b)、一般式(VI-c)又は一般式(VI-d)で表される置換基によって置換されていても良い。)
【化11】

(式中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88及びR89はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)
【請求項13】
請求項1から12の何れかに記載の重合性液晶組成物の重合体を含有する光学異方体。


【公開番号】特開2008−44989(P2008−44989A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219692(P2006−219692)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】