説明

重合性組成物、重合性組成物の製造方法、樹脂の製造方法、樹脂、およびその使用

【課題】高い屈折率を有する重合性組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の重合性組成物は、(a)長周期型周期表の15族金属酸化物および長周期型周期表の15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、の混合物に対し、(c)チエタニル基を1個以上有する1種以上の化合物を混合して得られる重合性組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性組成物、重合性組成物の製造方法、樹脂の製造方法、樹脂、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無機ガラスに代わる透明性材料として、透明性有機高分子材料が使用されている。こうした材料をたとえば光学用樹脂に用いる場合、一般に、たとえば透明性、熱的特性、機械的特性などの一般的に求められる特性を有しつつ、かつ高屈折率とすることが求められる。
【0003】
このような樹脂に関する従来の技術として、特許文献1に記載のものがある。同文献には、金属含有チエタン化合物が記載されている。また、屈折率(nd)1.7を超える高屈折率の光学用樹脂が記載されている。
【特許文献1】国際公開第2005/095490号パンフレット
【特許文献2】特開2004−137481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した技術においても透明性樹脂の屈折率を向上させる点で、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
[1](a)長周期型周期表の15族金属酸化物および長周期型周期表の15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、の混合物に対し、(c)1個以上のチエタニル基を有する1種以上の化合物を混合して得られる重合性組成物;
[2][1]に記載の重合性組成物において、前記(a)が酸化ビスマス、酸化アンチモン、硫化ビスマス、硫化アンチモンからなる群から選択される1種以上である重合性組成物;
[3][1]に記載の重合性組成物において、前記(a)が酸化ビスマスである重合性組成物;
[4][1]乃至[3]のいずれかに記載の重合性組成物において、前記(c)の化合物として、以下の一般式(1)で示される1種以上の化合物を含む重合性組成物;
【化1】

(式中、Mは、金属原子を表し、XおよびXは各々独立に硫黄原子または酸素原子を表し、Rは二価の有機基を表し、mは0または1以上の整数を表し、pは1以上、n以下の整数を表す。nは金属原子Mの価数を表し、Yは各々独立に無機または有機基を表し、n−pが2以上の場合、Yは互いに結合し、金属原子Mを介して環状構造となってもよい。)
[5][4]に記載の重合性組成物において、一般式(1)で示される化合物は、テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ、トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン、トリス(3−チエタニルチオ)ビスマス、ビス(3−チエタニルチオ)ジチアスタンノランのいずれかである重合性組成物;
[6][1]乃至[5]のいずれかに記載の重合性組成物において、前記(c)の化合物として、以下の一般式(2)で示される1種以上の化合物を含む重合性組成物;
【化2】

(式中、Rは、チア化されていてもよい置換または無置換の炭素数1〜10の炭化水素基、Uは、チア化されていてもよい置換または無置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、チア化されていてもよい置換または無置換のアラルキレン基のいずれか表す。bは0〜2の整数を表し、dは1〜4の整数、aは0〜3の整数、cは0または1の整数を表す。)
[7][6]に記載の重合性組成物において、前記一般式(2)で示される化合物が、ビスチエタニルスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、3−(((3’−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィドのいずれかである組成物;
[8][1]乃至[7]のいずれかに記載の重合性組成物において、前記(b)が3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンからなる群から選択される一種以上である、重合性組成物;
[9][1]乃至[8]のいずれかに記載の重合性組成物において、前記(a)と、前記(b)と、前記(c)との合計に対する前記(c)の割合が50重量%以上である重合性組成物;
[10][1]乃至[9]のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂;
[11][10]に記載の樹脂からなる光学部品;
[12](a)長周期型周期表の15族金属酸化物および長周期型周期表の15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、(b)1個以上のチオール基を有する1種類の化合物と、の混合物に対し、(c)1個以上のチエタニル基を有する1種類以上の化合物を混合して、重合性組成物を製造する重合性組成物の製造方法;
[13][12]に記載の製造方法により、重合性組成物を得る工程と、前記重合性組成物を注型重合して樹脂を得る工程を含む、樹脂の製造方法;
[14][1]乃至[9]のいずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用;
[15][1]乃至[9]のいずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用;
が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、透明性重合性組成物および該組成物から得られる樹脂の屈折率をさらに向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について、具体例を用いて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。また、本発明において、各成分または基について、例示されたものを単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。また、有機基は、基中に炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含有していてもよい。ヘテロ原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子および窒素原子が挙げられる。
【0008】
はじめに、本発明の重合性組成物について説明する。
本発明の重合性組成物は、
(a)長周期型周期表の15族金属酸化物(以下、15族金属酸化物という場合がある)および長周期型周期表の15族金属硫化物(以下、15族金属硫化物という場合がある)のうち少なくともいずれか一方と、
(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、
の混合物に対し、
(c)チエタニル基を1個以上有する1種以上の化合物
を混合して得られる重合性組成物である。
本発明の重合性組成物は、(a)と、(b)とを混合した後、(c)を混合することで得られるものであり、このような製造手順で製造することで、(a)の長周期型周期表15族金属酸化物あるいは、長周期型周期表15族金属硫化物の少なくとも一部がチオール成分(b)と反応して金属チオレート化合物となり可溶化する。そのため、高屈折率成分である(a)成分を組成物中で均一に分散した透明性の重合性組成物が得られ、屈折率がさらに向上した透明樹脂を得ることができるものと考えられる。
したがって、金属微粒子の分散のような特殊な分散技術等を用いることなく、透明樹脂を得ることができる。
なお、前述した製造手順以外の方法で、(a)〜(c)を混合した場合には、重合が暴走する可能性がある。また、前述した製造手順以外の方法で、(a)〜(c)を混合し、樹脂を得ることができた場合であっても、不透明な樹脂となることがある。
【0009】
ここで、(a)〜(c)の各成分について詳細に説明する。
(成分(a))
成分(a)は、15族金属酸化物および15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方であればよい。樹脂の高屈折率化の観点からは(a)が酸化ビスマス、酸化アンチモン、硫化ビスマス、硫化アンチモンからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。なかでも、樹脂の高屈折率化の観点から、酸化ビスマスを使用することが好ましい。なお、Bi、Sbは、5価でも、3価であってもよいが、安定性を考慮すると、3価であることが好ましい。
なお、成分(a)として、酸化ビスマス、酸化アンチモン、硫化ビスマス、硫化アンチモンのいずれか一つを使用してもよく、また、これらのなかから複数選択して使用してもよい。
【0010】
(成分(b))
成分(b)は、1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物である。
1個以上のチオール基を有する化合物としては、たとえば、以下のようなものが使用できる。
1価のチオール化合物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、エチルフェニルメルカプタン、2−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、2−メルカプトメチル−1,4−ジチアン、1−メルカプト−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトメチルチオ−2,3−エピチオプロパン、1−メルカプトエチルチオ−2,3−エピチオプロパン、3−メルカプトチエタン、2−メルカプトチエタン、3−メルカプトメチルチオチエタン、2−メルカプトメチルチオチエタン、3−メルカプトエチルチオチエタン、2−メルカプトエチルチオチエタン等の脂肪族メルカプタン化合物、チオフェノール、メルカプトトルエン等の芳香族メルカプタン化合物、ならびに2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物が挙げられる。
【0011】
また、ポリチオール化合物としては、たとえば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、ビシクロ[2,2,1]ペプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン)等の脂肪族ポリチオール;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプトビフェニル、4,4'−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール;
2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオール、1,3−ジ(p−クロロフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、3,4,5−トリブロム−1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,4,6−テトラクロル−1,5−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換芳香族ポリチオール;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−エチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−モルホリノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−フェノキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオベンゼンオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオブチルオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン等の複素環を含有したポリチオール;
1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール;
ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピル)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド、1,5−ジメルカプト-3−チアペンタン等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル;
ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール;
3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物等が挙げられる。
【0012】
なかでも、高屈折率化の観点から、
3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン
からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
【0013】
なかでも、3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタンが特に好ましい。
なお、1個以上のチオール基を有する化合物は1種類のみ使用してもよく、異なる種類のものを併用してもよい。
【0014】
(成分(c))
成分(c)は、チオール成分(b)と相溶性を有し、チエタニル基を有するものであればよい、また、チエタニル基に加え、チエタニル基以外の他の重合性官能基を有していても良い。
例えば後述するチエタニル基を1個以上有する1種以上のチエタン化合物を特に好ましい例としてあげることができる。
ここで、(a)、(b)成分の混合物に、チエタニル基を有さず、他の重合性官能基を有する化合物((c)成分以外の化合物)を混合して得られる重合性組成物によっても高屈折率の樹脂をえることができる可能性がある。しかしながら、重合性組成物の安定性等の取り扱い性の面で、(c)成分として、チエタニル基を1個以上有する1種以上のチエタン化合物を使用することが好ましい。
なお、前述の他の重合性官能基を有する化合物((c)成分以外の化合物)としては、公知の各種重合性モノマーまたは重合性オリゴマーが挙げられ、たとえば、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、オキセタン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
成分(c)として特に好ましい例であるチエタニル基を1個以上有する1種以上のチエタン化合物について以下に説明する。
チエタン化合物は、金属を含有する金属チエタン化合物であってもよく、また、金属を有しない非金属チエタン化合物であってもよい。なお、本発明において、チオール基およびチエタニル基を有する化合物は、(b)の成分であるとみなされる。
はじめに、金属チエタンについて説明する。
高屈折率化の観点から、金属チエタン化合物としては、以下のような一般式(1)で示される化合物が好ましい。
【0015】
【化3】

(式中、Mは、金属原子を表し、XおよびXは各々独立に硫黄原子または酸素原子を表し、Rは二価の有機基を表し、mは0または1以上の整数を表し、pは1以上、n以下の整数を表し、nは金属原子Mの価数を表し、Yは各々独立に無機または有機基を表し、n−pが2以上の場合、Yは互いに結合し、金属原子Mを介して環状構造となってもよい)
【0016】
Mとしては、高屈折率化の観点から、Sn原子、Sb原子、Bi原子、Si原子、Zr原子、Ge原子、Ti原子、Zn原子、Al原子、Fe原子、Cu原子、Pt原子、Pb原子、Au原子、Ag原子が好ましい。なかでも、高屈折率化の観点から、Sn原子、Sb原子、Bi原子が特に好ましい。
【0017】
次に、Yについて説明する。
n−p=1の場合、Yは1価の無機または有機基を表す。また、n−pが2以上の整数の場合、複数のYは、各々独立に1価の無機または有機基を表す。複数のYは、同じ基であってもよいし、全部または一部が異なる基であってもよい。また、複数のYが互いに結合し、金属原子Mを含む環を形成していてもよい。
【0018】
Yは特に制限されるものではないが、たとえば、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基が挙げられる。
【0019】
これらのうち、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ(アルキルオキシ)基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアリールチオ基に関して以下説明する。
ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0020】
置換または無置換のアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上10以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−n−プロピルブチル基、1−iso−プロピルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−iso−プロピルペンチル基、2−iso−プロピルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−iso−ブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−iso−プロピル−1−メチルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルブチル基、1−iso−プロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基等の総炭素数3以上10以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、メトキシシクロペンチル基、メトキシシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の総炭素数5以上10以下の飽和環状アルキル基が挙げられる。
【0021】
置換または無置換のアリール基の具体例として、フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数20以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数20以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチル基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチル基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリール基;
2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシが置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリール基が挙げられる。
【0022】
置換または無置換のアラルキル基の具体例として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基等の総炭素数12以下のアラルキル基が挙げられる。また、他に、置換または無置換のアリール基の具体例で挙げたアリール基を側鎖にもつメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
【0023】
置換または無置換のアルキルオキシ基の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5以上10以下のシクロアルコキシ基;
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基、n−ペンチルオキシエトキシ基、iso−ペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、iso−ヘキシルオキシエトキシ基、n−ヘプチルオキシエトキシ基等の総炭素数2以上10以下のアルコキシアルコキシ基;および
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が挙げられる。
【0024】
置換または無置換のアルキルチオ基の具体例として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基等の総炭素数1以上10以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5以上10以下のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基、n−ペンチルオキシエチルチオ基、iso−ペンチルオキシエチルチオ基、n−ヘキシルオキシエチルチオ基、iso−ヘキシルオキシエチルチオ基、n−ヘプチルオキシエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルコキシアルキルチオ基;
ベンジルチオ基などのアラルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基、n−ペンチルチオエチルチオ基、iso−ペンチルチオエチルチオ基、n−ヘキシルチオエチルチオ基、iso−ヘキシルチオエチルチオ基、n−ヘプチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上10以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
【0025】
置換または無置換のアリールオキシ基の具体例として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、オクチルフェニルオキシ基、2−メチル−1−ナフチルオキシ基、3−メチル−1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−メチル−1−ナフチルオキシ基、7−メチル−1−ナフチルオキシ基、8−メチル−1−ナフチルオキシ基、1−メチル−2−ナフチルオキシ基、3−メチル−2−ナフチルオキシ基、4−メチル−2−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、7−メチル−2−ナフチルオキシ基、8−メチル−2−ナフチルオキシ基、2−エチル−1−ナフチルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、1−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−エトキシ−1−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルオキシ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールオキシ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,6−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ基、3,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールオキシ基が挙げられる。
【0026】
置換または無置換のアリールチオ基の具体例として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスラニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、オクチルフェニルチオ基、2−メチル−1−ナフチルチオ基、3−メチル−1−ナフチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルチオ基、5−メチル−1−ナフチルチオ基、6−メチル−1−ナフチルチオ基、7−メチル−1−ナフチルチオ基、8−メチル−1−ナフチルチオ基、1−メチル−2−ナフチルチオ基、3−メチル−2−ナフチルチオ基、4−メチル−2−ナフチルチオ基、5−メチル−2−ナフチルチオ基、6−メチル−2−ナフチルチオ基、7−メチル−2−ナフチルチオ基、8−メチル−2−ナフチルチオ基、2−エチル−1−ナフチルチオ基、2,3−ジメチルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数20以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基、オクチルオキシフェニルチオ基、2−メトキシ−1−ナフチルチオ基、3−メトキシ−1−ナフチルチオ基、4−メトキシ−1−ナフチルチオ基、5−メトキシ−1−ナフチルチオ基、6−メトキシ−1−ナフチルチオ基、7−メトキシ−1−ナフチルチオ基、8−メトキシ−1−ナフチルチオ基、1−メトキシ−2−ナフチルチオ基、3−メトキシ−2−ナフチルチオ基、4−メトキシ−2−ナフチルチオ基、5−メトキシ−2−ナフチルチオ基、6−メトキシ−2−ナフチルチオ基、7−メトキシ−2−ナフチルチオ基、8−メトキシ−2−ナフチルチオ基、2−エトキシ−1−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のジアルコキシアリールチオ基;
2,3,4−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,3,6−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,5−トリメトキシフェニルチオ基、2,4,6−トリメトキシフェニルチオ基、3,4,5−トリメトキシフェニルチオ基等の炭素数10以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数20以下のトリアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数20以下のアリールチオ基等が挙げられる。Yはこれらに限定されるものではない。
【0027】
かかるYにおいて、好ましい例を以下に示す。
好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
【0028】
また、Yの好ましい例のうち、ハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、等の総炭素数1以上6以下の直鎖アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、等の総炭素数3以上6以下の分岐アルキル基;および
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等の総炭素数5または6の飽和環状アルキル基が挙げられる。
【0029】
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基等の総炭素数12以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリール基;
2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
【0030】
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数12以下のアラルキル基が挙げられる。
【0031】
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5または6のシクロアルコキシ基;および
メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、iso−プロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、iso−ブトキシエトキシ基、tert−ブトキシエトキシ基等の総炭素数2以上6以下のアルコキシアルコキシ基が挙げられる。
【0032】
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基等の総炭素数1以上6以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;
メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルコキシアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
【0033】
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールオキシ基;
2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
【0034】
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数12以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールチオ基;
2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数6以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールチオ基;
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
【0035】
Yのより好ましい例を以下に示す。
Yのより好ましい例として、たとえば水素原子が挙げられる。
また、ハロゲン原子として、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
【0036】
置換または無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、iso−プロピル基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐アルキル基が挙げられる。
【0037】
置換または無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基等の総炭素数12以下の芳香族炭化水素;
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基等の総炭素数9以下のアルキル置換アリール基;
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリール基;および
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリール基が挙げられる。
【0038】
置換または無置換のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の総炭素数9以下のアラルキル基が挙げられる。
【0039】
置換または無置換のアルキルオキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルコキシ基;および
シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の総炭素数5または6のシクロアルコキシ基が挙げられる。
【0040】
置換または無置換のアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等の総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基;
シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5または6のシクロアルキルチオ基;および
メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基等の総炭素数2以上6以下のアルキルチオアルキルチオ基が挙げられる。
【0041】
置換または無置換のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールオキシ基;
2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールオキシ基;および
クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、クロロナフチルオキシ基、ブロモナフチルオキシ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールオキシ基が挙げられる。
【0042】
置換または無置換のアリールチオ基として、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基等の総炭素数9以下の無置換またはアルキル置換アリールチオ基;
2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基等の炭素数3以下の置換または無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数9以下のモノアルコキシアリールチオ基;および
クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基等のハロゲン原子が置換した総炭素数12以下のアリールチオ基が挙げられる。
【0043】
Yが環を形成しない場合、Yとして、さらに具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1以上3以下のアルキル基:および
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等の金属原子Mに直接結合する硫黄原子を含み総炭素数1以上3以下の直鎖または分岐のアルキルチオ基が挙げられる。
【0044】
Yがアルキル基であるとき、上記一般式(1)において、Yは、好ましくはメチル基である。
【0045】
また、Yがアルキル基であり、n−pが2以上の整数の場合、Yは互いに結合し、Mを介して環状構造となっても構わない。つまり、複数のYが結合してMを含む環を形成していてもよい。
環を形成している場合、環を形成するアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、つまり炭素数1以上3以下のアルキレン基が挙げられる。環を形成するアルキレン基は、好ましくは、エチレン基である。なお、M原子を含む環は、具体的には、4員環から6員環であり、環を構成する原子としては、MおよびC(炭素)の他に、たとえばSを含んでもよい。
【0046】
さらに、上記一般式(1)において、X1およびX2は、各々独立に硫黄原子または酸素原子を表す。本発明の所望の効果が高屈折率化であることを鑑みると、X1およびX2として、硫黄原子がより好ましい。
また、上記一般式(1)において、R1は2価の有機基を表す。
かかる二価の有機基としては、鎖状または環状脂肪族基、芳香族基および芳香族−脂肪族基が挙げられ、好ましくは、炭素数1以上20以下の鎖状脂肪族基、炭素数3以上20以下の環状脂肪族基、炭素数5以上20以下の芳香族基、炭素数6以上20以下の芳香族−脂肪族基である。
【0047】
1は、より具体的には、かかる二価の有機基が鎖状または環状脂肪族基、芳香族基または芳香族−脂肪族基であって、好ましくは、
メチレン基、エチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基等の炭素数1以上20以下の置換または無置換の鎖状または環状脂肪族基;
フェニレン基、クロロフェニレン基、ナフチレン基、インデニレン基、アントラセニレン基、フルオレニレン基等の置換または無置換の炭素数5以上20以下の芳香族基;または
−C64−CH2−基、−CH2−C64−CH2−基、−CH2−C63(Cl)−CH2−基、−C106−CH2−基、−CH2−C106−CH2−基、−CH2CH2−C64−CH2CH2−基等の置換または無置換の炭素数6以上20以下の芳香族−脂肪族基である。
【0048】
1は、より好ましくはメチレン基、エチレン基、1,2−ジクロロエチレン基、トリメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数1以上6以下の置換または無置換の鎖状または環状脂肪族基;
フェニレン基、クロロフェニレン基、ナフチレン基、インデニレン基、アントラセニレン基、フルオレニレン基等の置換または無置換の炭素数5以上15以下の芳香族基;または
−C64−CH2−基、−CH2−C64−CH2−基、−CH2−C63(Cl)−CH2−基、−C106−CH2−基、−CH2−C106−CH2−基、−CH2CH2−C64−CH2CH2−基等の置換または無置換の炭素数6以上15以下の芳香族−脂肪族基である。
【0049】
かかる二価の有機基は、基中に炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含有していてもよい。かかるヘテロ原子としては、酸素原子または硫黄原子が挙げられるが、本発明の所望の効果を考慮すると、硫黄原子であることが好ましい。
【0050】
上記一般式(1)において、mは0または1以上の整数を表す。かかるmは、好ましくは、0以上4以下の整数であり、より好ましくは、0以上2以下の整数であり、さらに好ましくは、m=0である。
さらに、一般式(1)において、n=pであることが好ましい。
【0051】
以上のような一般式(1)で示される化合物は、具体的には、テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ、トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン、トリス(3−チエタニルチオ)ビスマス、ビス(3−チエタニルチオ)ジチアスタンノランのいずれかであることが好ましい。これらの中から1種以上を使用することが好ましい。
【0052】
以上のような金属チエタンは、一般式(3)で示される金属原子Mのハロゲン化物と、一般式(4)で示されるチエタニル基を有するヒドロキシ化合物との反応により得ることができる。たとえば、国際公開第2005/095490号のパンフレット等の記載に基づいて製造することができる。
【0053】
【化4】

(3)
【0054】
(一般式(3)において、M、Y、n、pは、一般式(1)と同じであり、Zはハロゲン原子を示す。)
【0055】
【化5】

【0056】
(一般式(4)において、X,R,X,mは、一般式(1)と同じである。)
一般式(3)で示される化合物は、工業用または研究用として入手可能であり、一般式(4)に示される化合物は公知の化合物である。反応は無溶媒で行ってもよく、あるいは、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。
【0057】
次に、非金属チエタンについて説明する。
非金属チエタンとしては、以下のような一般式(2)で示されるものが好ましい。
【0058】
【化6】

【0059】
(式中、Rは、チア化されていてもよい置換または無置換の炭素数1〜10の炭化水素基、Uは、チア化されていてもよい置換または無置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、チア化されていてもよい置換または無置換のアラルキレン基のいずれか表す。bは0〜2の整数を表し、dは1〜4の整数、aは0〜3の整数、cは0または1の整数を表す。)
【0060】
ここで、Rは、チア化されていてもよい置換または無置換の炭素数1〜10の2価の炭化水素基であればよい。
さらに、Uは直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数7〜10のアラルキレン基が好ましく、アルキレン基及びアラルキレン基中のアルキル成分におけるメチレン基の一部が、硫黄に置き換わってチア化されていてもよい。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の直鎖アルカンから誘導される2価の基、イソプロパン、sec−ブタン、tert−ブタン、sec−ペンタン、neo−ペンタン等の分岐アルカンから誘導される2価の基、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカンから誘導される2価の基、3−チアペンタン、4−チアヘキサン、3,6−ジチアオクタン、3,6,9−トリチアウンデカン等の直鎖又は分岐のチアアルカンから誘導される2価の基,1,4−ジチアン、1,3−ジチアン、1,3−ジチオラン、1,3−ジチエタン等の環状チアアルカンから誘導される2価の基、ベンゼン、トルエン、キシレン等の無置換又はアルキル置換ベンゼンから誘導される2価の基、チオフェン等の芳香族複素環から誘導される2価の基などが挙げられる。
また、aは、0〜3の整数であればよいが、a=0であることが好ましい。
【0061】
このような一般式(2)で示される化合物の具体例としては、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、1,2−ビス(3−チエタニルチオ)エタン、1,2−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)ブタン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)ブタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)ペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(3−チエタニルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(3−チエタニルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(3−チエタニルチオ)プロパン、2,2−ビス(3−チエタニルチオ)−1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1−(3−チエタニルチオ)ブタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2−(3−チエタニルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(3−チエタニルチオ)−2,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(3−チエタニルチオ)−2,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(3−チエタニルチオ)−4−(3−チエタニルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4−(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−4,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(3−チエタニルチオ)−2,4,5−トリス(3−チエタニルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]−2−(3−チエタニルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,8−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−4,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(3−チエタニルチオ)−5,7−ビス(3−チエタニルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(3−チエタニルチオメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(3−チエタニルチオメチルチオ)エタン、3−(3−チエタニルチオメチル)−1,5−ジ(3−チエタニルチオ)−2,4−ジチアペンタン等の鎖状脂肪族の3−チエタニルチオ化合物、及び、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,4−ジチアン、4,6−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチアン、4,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチオラン、2,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)−1,3−ジチエタン、2,5−ビス[[2−(3−チエタニルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(3−チエタニルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、2−ビス(3−チエタニルチオ)メチル−1,3−ジチオラン等の環状脂肪族の3−チエタニルチオ化合物、及び、1,2−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(3−チエタニルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−チエタニルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−チエタニルチオ)フェニル]スルフォン、4,4'−ビス(3−チエタニルチオ)ビフェニル等の芳香族3−チエタニルチオ化合物、さらに1,3−ビス(3−チエタニルチオ)プロパン−1−オン、1,3−ビス(3−チエタニルチオ)−2−メチルプロパン−1−オン、ビスチエタニルスルフィド、3−(((3’−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィド等を挙げることができるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。
なかでも、高屈折率化の観点から、ビスチエタニルスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、3−(((3’−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン等のスルフィド系チエタン化合物、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィド等のポリスルフィド系チエタン化合物のうちのいずれかであることが好ましい。これらの中から1種以上を使用することが好ましい。
【0062】
なお、一般式(2)で示される化合物は、特開2003−327583号公報の記載に順じて製造可能である。たとえば、以下の3−ヒドロキシ(アルキル)チエタン化合物(一般式(5))から導くことが可能である。
【0063】
【化7】

【0064】
(上記一般式(5)において、R、aは、一般式(2)と同様である)
【0065】
式(5)で表される構造を有する化合物の具体例としては、3−チエタノール、3−ヒドロキシメチルチエタン、3−ヒドロキシエチルチエタン、3−ヒドロキシプロピルチエタン、3−ヒドロキシイソプロピルチエタン、等のアルキルチエタン化合物及び、3−ヒドロキシエチルチオチエタン等の含硫ヒドロキシチエタン化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
式(5)をハロゲン化剤等により、3−ハロゲノ(アルキル)チエタン(一般式(6))へ変換する。
【0066】
【化8】

【0067】
(式中、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表し、式中R、aは、一般式(2)と同じである。)
ここで用いるハロゲン化剤の好ましいものとしては、塩化チオニル、三塩化リン、塩酸、塩化水素、三臭化リン、臭化水素酸、臭化水素、塩素、臭素等が挙げられるが例示化合物に限定されるわけではない。反応の際に用いる溶媒は、ハロゲン化剤の種類により異なり一概には言えないが、無溶媒またはハロゲン化を阻害しないもの、ハロゲン化剤と反応しないものであればいずれでも良い。反応温度もハロゲン化剤の種類により異なり一概には言えないが、通常−30℃〜50℃とすると良い結果が得られる場合があり、−10℃〜30℃であれば好ましい。
【0068】
式(6)で表される構造を有する化合物の具体例としては、3−クロロチエタン、3−クロロメチルチエタン、3−クロロエチルチエタン、3−クロロプロピルチエタン、3−クロロイソプロピルチエタン等およびクロロ基を臭素基、ヨウ素基へ変換したハロゲノ(アルキル)チエタン化合物及び、3−クロロエチルチオチエタン等の含硫ハロゲノ(アルキル)チエタン化合物等が挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。
式(6)で表される構造を有する3−ハロゲノ(アルキル)チエタンを硫化ソーダ、二硫化二ソーダ、三硫化二ソーダ、四硫化二ソーダ、硫化カリウム、二硫化二カリウム、三硫化二カリウム、四硫化二カリウム等の硫化アルカリと反応させることにより、ビス(3−チエタニルアルキル)スルフィド、ビス(3−チエタニルアルキル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニルアルキル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニルチエタニルアルキル)テトラスルフィド等の合成が可能である。従って、3−ハロゲノチエタンからはビス(3−チエタニル)スルフィド、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド等が合成可能である。
また、上記一般式(6)のハロゲン原子Xを置換反応によりSH基に変換し、3−メルカプト(アルキル)チエタンとする。そして、この、3−メルカプト(アルキル)チエタンを用い、種々のハロゲン化炭化水素化物と反応させることで、前述の各種の非金属チエタンを製造することができる。さらに、3−メルカプト(アルキル)チエタンを分子間で酸化させることで、ジスルフィド結合を有するチエタン化合物が製造できる。
【0069】
以上のような重合性組成物において、(a)成分の添加量は、(b)成分への溶解性、所望の屈折率、物性(光学物性、機械物性等)を勘案して適宜選択できる。(a)成分の添加が多いほど高屈折率化を図ることができる。
(b)成分の添加量は、添加する(a)成分を溶解させうる量以上である必要がある。
これに加え、重合性組成物の重合性の観点から、[(c)/((a)+(b)+(c))]×100で示される(c)の添加量は、50重量%以上であることが好ましい。
例えば
(a)0.1〜20重量%、(b)4〜48重量%、(c)50〜95重量%
(但し(a),(b),(c)の合計は100重量%とする)とすることができる。
また、好ましくは
(a)0.5〜10重量%、(b)5〜40重量%、(c)50〜90重量%
(但し(a),(b),(c)の合計は100重量%とする)である。
なお、(c)以外の重合性官能基を有する化合物を添加する場合には、その成分と(c)成分の合計量を、前記(c)成分の量とみなす。
【0070】
以上のような本発明の重合性組成物は、前述した成分(a)、(b)、(c)からなる組成物に加えて、他の化合物を含有していてもよい。本発明における重合性組成物に含まれる他の重合性化合物としては、公知の各種重合性モノマーまたは重合性オリゴマーが挙げられ、たとえば、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル化合物、オキセタン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
(a)長周期型周期表15族金属酸化物および長周期型周期表15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、
(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、
の混合物に対し、
(c)1個以上のチエタニル基を有する1種以上の化合物
を混合して得られる重合性組成物に対し、前述した他の重合性化合物を、添加することで、重合性組成物を製造することができる。さらに、必要に応じて、後述する重合触媒、添加剤等を添加し、加熱溶解して調合してもよい。
【0071】
また、本発明の重合性組成物は、必要に応じて、重合速度を調整するため公知公用の重合触媒をさらに含んでいてもよい。
【0072】
また、本発明の重合性組成物は、必要に応じて、ブルーイング剤を含んでもよい。ブルーイング剤は、可視光領域のうち橙色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂の色相を調整する機能を有する。ブルーイング剤は、さらに具体的には、青色から紫色を示す物質を含む。
【0073】
本発明の重合性組成物に用いられるブルーイング剤は、特に限定されるものではなく、具体的には、染料、蛍光増白剤、蛍光顔料、無機顔料等が挙げられるが、ブルーイング剤として使用できるものの中からレンズに要求される物性や樹脂色相などに合わせて適宜選択される。これらのブルーイング剤は、それぞれ単独で用いても、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0074】
これらのブルーイング剤のうち、重合性組成物への溶解性の観点および得られる樹脂の透明性の観点からは、染料が好ましい。染料の中でも、ブルー系染料およびバイオレット系の染料から選ばれる1種または2種以上の染料を含む染料であることが好ましいが、場合によっては他の色の染料を混合して用いてもよい。たとえば、ブルー系やバイオレット系のほかに、グレー系やブラウン系やレッド系、オレンジ系の染料も使用することができる。こうしたブルーイング剤の組み合わせの具体例として、ブルー系染料とレッド系染料との組み合わせ、およびバイオレット系染料とレッド系染料の組み合わせ等が挙げられる。
【0075】
吸収波長の観点からは、好ましくは、極大吸収波長が520nm以上600nm以下の染料であり、さらに好ましくは極大吸収波長が540nm以上580nm以下の染料が挙げられる。
また、化合物の構造の観点からは、アントラキノン系染料が好ましい。
【0076】
染料として、具体的には、「PS Blue RR」、「PS Violet RC」、「PET Blue 2000」、「PS Brilliant Red HEY」、「MLP RED V-1」(それぞれ、ダイスタージャパン社の商品名)等が挙げられる。
【0077】
ブルーイング剤の使用量は、モノマーの種類、各種添加剤の使用の有無、使用する添加剤の種類や量、重合方法、重合条件によっても異なるが、一般にはモノマーの全体使用量、つまり重合組成物中に含まれる重合性化合物の総重量に対して0.001ppm以上500ppm以下の割合で、好ましくは0.005ppm以上100ppm以下の割合で、さらに好ましくは0.01ppm以上10ppm以下の割合で使用される。ブルーイング剤の添加量が多すぎると、レンズ全体が青くなりすぎて好ましくない場合があり、また少なすぎると、色相改善効果が十分に発揮されず好ましくない場合がある。
【0078】
ブルーイング剤の添加方法については、特に限定されるものではなく、あらかじめモノマー系に添加しておくことが望ましいが、その方法として、モノマーに溶解させておく方法、あるいは、高濃度のブルーイング剤を含有したマスター溶液を調製しておき、そのマスター溶液を使用するモノマーや他の添加剤で希釈して添加する方法など、様々な方法が採用できる。
【0079】
さらに、重合性組成物を硬化してなる樹脂の屈折率、アッベ数等の光学物性のさらなる調整や、色相、耐光性や耐候性、耐熱性、耐衝撃性、硬度、比重、線膨張係数、重合収縮率、吸水性、吸湿性、耐薬品性、粘弾性等の諸物性を調整、透過率や透明性の調整、重合性組成物の粘度、その他保存や輸送方法の取り扱い性を調整するためなど、樹脂の改良や取り扱い性を改良する目的で、本発明の重合性組成物に精製や洗浄、保温、保冷、ろ過、減圧処理などの有機化合物を合成する際に一般的に用いられる手法、操作を施したり、また、公知の化合物等を安定剤や樹脂改質剤として加えたりすることは良好な樹脂を得る目的で好ましい場合がある。長期の保存安定性や、重合安定性、熱安定性などの安定性向上のために加えられるものとしては、重合遅延剤や重合禁止剤、脱酸素剤、酸化防止剤などの化合物が挙げられる。
【0080】
重合性組成物を精製するのは、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するためや純度を上げるために用いられる手法である。本発明の重合性組成物を精製する際には、公知の方法、たとえば、再結晶、カラムクロマト法(シリカゲル法や活性炭法、イオン交換樹脂法など)、抽出などのいかなる手法をいかなるタイミングで行ってもよく、一般に精製して得られる組成物を硬化させて得られる樹脂の透明性や色相が改良されていればよい。
【0081】
重合性組成物を洗浄する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで極性および/または非極性溶媒で洗浄し、樹脂の透明性を阻害する物質、たとえば、重合性組成物を合成する際に使用されるまたは、副生する無機塩、たとえば、アンモニウム塩などを取り除くまたは減量する方法が挙げられる。用いる溶媒は、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液の極性等により一概に限定はできないが、取り除きたい成分を溶解可能で、かつ、洗浄される重合性組成物そのものや重合性組成物を含有する溶液と相溶しにくいものが好ましく、一種類のみならず、2種類以上を混合して使用してもよい。ここで取り除く成分は目的や用途に応じて異なるが、なるべく少なくしておくことが好ましく、通常5000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下とすると良い結果が得られる場合がある。
【0082】
重合性組成物を保温・保冷・ろ過する方法は、硬化して得られる樹脂の透明性を改良したり、色相を改良するのに用いられる手法であるが、重合性組成物を合成して取り出す際または合成後の取り出した後などのタイミングで行うのが一般的である。保温方法としては、たとえば、重合性組成物が保管中に結晶化し、ハンドリングが悪くなった場合に、重合性組成物および重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能が低下しない範囲で加熱溶解する方法が挙げられる。加熱する温度範囲や加熱溶解する方法は、取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造により一概に限定できないが、通常、凝固点+50℃以内の温度で行われ、好ましくは+20℃以内であり、攪拌可能な装置で機械的に攪拌したり、組成物に不活性なガスでバブリングすることで内液を動かし溶解する方法などが挙げられる。保冷とは重合性組成物の保存安定性を高める目的で通常行われるが、たとえば重合性組成物の融点が高い場合には、結晶化後の取り扱い性を向上させるため、保管温度を考慮するとよい。保冷温度は取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、保存安定性により一概に限定できないが、通常は、本発明の重合性組成物の安定性が維持できる温度以下で保存する必要がある。
【0083】
また、本発明の重合性組成物が、光学用途に用いる重合性組成物の場合、その非常に高い透明性を要求されることから、通常重合性組成物を孔径の小さいフィルターでろ過するとよい。ここで用いるフィルターの孔径は通常0.05μm以上10μm以下で行われるが、操作性や性能を考慮すれば、好ましくは、0.05μm以上5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。本発明の重合性組成物も例外でなくろ過すると良い結果が得られる場合が多い。ろ過する温度については、凝固点付近の低温で行うとさらに好ましい結果が得られる場合があるが、ろ過中に凝固が進行するような場合は、ろ過作業に支障を来さない温度で行うと良い場合がある。
【0084】
減圧処理は、一般的に重合性組成物を硬化させてなる樹脂の性能を低下させる溶媒や溶存ガス、臭気を取り除くのに行われる手法である。溶存溶媒は一般に得られる樹脂の屈折率低下や耐熱性低下を招くことがあるため、可能な限り取り除くとよい。溶存溶媒の許容値は、取り扱われる重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存する溶媒の構造により一概に限定できないが、通常1%以下とするのが好ましく、より好ましくは、5000ppm以下である。溶存ガスは重合の阻害を抑制する観点および得られる樹脂に気泡が混入するのを抑制する観点から、取り除く方が好ましい。特に、水蒸気などの水分を意味するガスについては、とりわけ乾燥ガスでバブリングするなどして除去した方が好ましい。溶存量については、重合性組成物を構成する化合物の構造、溶存するガスの物性および構造、種類に応じて設定できる。
【0085】
重合性組成物は、たとえば極めて高い屈折率を有する透明樹脂用の原料モノマー組成物として有用である。
【0086】
また、得られた重合性組成物は、通常、公知のチエタニル基含有化合物を重合する際の方法に準じて重合し、硬化させることができる。
硬化樹脂を得るための重合触媒等の種類や量、単量体の種類や割合は、重合性組成物を構成する化合物の構造により設定される。
【0087】
本発明の重合性組成物を硬化し成形する際には、目的に応じて、公知の成形法と同様に、安定剤、樹脂改質剤、鎖延長剤、架橋剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)系を代表とする光安定剤、ベンゾトリアゾール系を代表とする紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系を代表とする酸化防止剤、着色防止剤、充填剤、シリコーン系を代表とする外部離型剤または酸性燐酸エステル、4級アンモニウム塩もしくは4級ホスホニウム塩等の界面活性剤を代表とする内部離型剤、密着性向上剤などの種々の物質を添加してもよい。ここで、内部離型剤は、前述の各種触媒のうち離型効果を示すものをも含む。
【0088】
上記の添加可能な各種添加剤の添加量は、それぞれの添加剤の種類、構造、効果により異なり一概に限定することはできないが、通常、重合性組成物の総重量に対して0.001重量%以上10重量%以下の範囲で用いられ、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下の範囲で使用される。これらの範囲内とすることにより、さらに良好に硬化した樹脂の製造が可能であり、得られる樹脂の透明性、光学物性がさらに良好なものとなる場合がある。
【0089】
たとえば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)やフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系の酸化防止剤を添加すると樹脂色相が改善される場合がある。特に、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を添加すると樹脂色相が大幅に改善される場合がある。このようなヒンダードアミン系光安定剤(HALS)としては、たとえば、株式会社ADEKA社製のアデカスタブLA−77、LA−57、LA−52、LA−67、LA−62、LA−68、LA−63、LA−87、LA−82等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0090】
上記重合性組成物を重合することにより、樹脂が得られる。重合方法としては、プラスチックレンズを製造する際に用いられる公知の各種方法が挙げられるが、代表的には、注型重合が挙げられる。
【0091】
本発明の重合性組成物を注型重合する際には、必要に応じて、重合性組成物に対して減圧下での脱法処理やフィルターろ過を行った後、成型用モールドに注入し、必要に応じて加熱して重合を行う。この場合、低温から高温へ徐々に加熱して重合することが好ましい。
【0092】
上述の成型用モールドは、たとえば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等からなるガスケットを介した鏡面研磨した二枚の鋳型により構成される。鋳型は、代表的には、ガラスとガラスの組み合わせであり、他にガラスとプラスチック板、ガラスと金属板等の組み合わせの鋳型が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、成型用モールドは2枚の鋳型をポリエステル粘着テープなどのテープ等で固定したものであってもよい。必要に応じて、鋳型に対して離型処理など公知の処理方法を行ってもよい。
【0093】
注型重合を行う場合、重合温度は重合開始剤の種類など重合条件によって影響されるので、限定されるものではないが、通常、−50℃以上200℃以下であり、好ましくは、−20℃以上170℃以下であり、より好ましくは、0℃以上150℃以下である。
【0094】
重合時間は、重合温度により影響されるが、通常、0.01時間以上200時間以下であり、好ましくは、0.05時間以上100時間以下である。また必要に応じて、定温や昇温、降温などを行っていくつかの温度を組み合わせて重合を行うことも可能である。
【0095】
また、本発明の重合性組成物は、電子線、紫外線や可視光線などの活性エネルギー線を照射することによっても重合を行うことができる。この際には、必要に応じて、活性エネルギー線によって重合開始するラジカル重合触媒やカチオン重合触媒が用いられる。
【0096】
得られた樹脂は、硬化後、必要に応じて、アニール処理を施されてもよい。さらに必要に応じて、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、防曇性付与あるいはファッション性付与の目的で、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理(たとえば、フォトクロミックレンズ化処理など)など公知の各種物理的または化学的処理を施されてもよい。
【0097】
本発明の重合性組成物を重合することにより得られる樹脂は、高い透明性、良好な耐熱性を有し、かつ、高屈折率を有しており、たとえば、プラスチックレンズなどの光学部品に用いられる樹脂として有用である。
【0098】
光学部品としては、たとえば、視力矯正用眼鏡レンズ、撮像機器用レンズ、液晶プロジェクター用フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、コンタクトレンズなどの各種プラスチックレンズ;
発光ダイオード(LED)用封止材;
光導波路;
光学レンズや光導波路の接合に用いる光学用接着剤;
光学レンズなどに用いる反射防止膜;
基板、導光板、フィルム、シートなどの液晶表示装置部材に用いる透明性コーティングまたは透明性基板などが挙げられる。
【実施例】
【0099】
次に、本発明の実施例について説明する。
以下の実施例で得られた樹脂または光学部品(レンズ)の物性評価は、下記の方法で行った。
屈折率:プルフリッヒ屈折計を用いて20℃で測定した。
【0100】
(参考製造例1)
特開2003−327583号公報に記載の方法に従って、3−チエタノールを合成した。さらに得られた3−チエタノールを用い、3−メルカプトチエタンを合成した。
すなわち、攪拌装置と温度計を備えた反応器中に、チオ尿素190g(2.50モル)、35重量%塩酸水253gおよび水250gを装入して攪拌して反応液とした。反応液を攪拌しながら、反応液に3−チエタノール156g(1.73モル)を1時間かけて適下した。滴下終了後、30℃で24時間、攪拌して反応を行った後、24重量%アンモニア水177gを1時間かけて滴下した。さらに30℃で15時間反応を行った後、静置して有機層(下層)を取り出し、粗生成物134gを得た。得られた粗生成物を減圧下に蒸留して、沸点40℃/106Paの留分を集め、無色透明液体の目的物である3−メルカプトチエタンを得た。
【0101】
(参考製造例2)
本例ではテトラキス(チエタニルチオ)スズ(IV)(下記に示す化合物)の合成を行った。
参考製造例1で製造した3−メルカプトチエタン11.15g(0.105モル)を純水50g中に装入し、続いて、10%NaOH水溶液41.2g(0.103モル)を室温下、40分かけて滴下装入した。続いて、反応液を30℃まで昇温し、10%四塩化スズの水溶液65.2g(四塩化スズ0.025モルに相当)を同温度で4時間かけて滴下装入した。滴下終了後、同温度でさらに2時間攪拌した。この反応混合物にクロロホルム100mlを加え、有機層と水層に分液した。有機層を100mlの純水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。この抽出物から溶媒を留去してテトラキス(チエタニルチオ)スズ(IV)を13.40g得た。
【0102】
【化9】

【0103】
(実施例1)
ジシクロヘキシルメチルアミン(DCH、0.3重量部)に参考製造例1の化合物(24.2重量部)を加えた後、硫化アンチモン(V)(2.9重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(72.6重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表1に示す。
【0104】
(比較例1)
参考製造例1の化合物(25.0重量部)に参考製造例2の化合物(75.0重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表1に示す。
【0105】
(比較例2〜比較例7)
参考製造例1の化合物(24.7重量部)に金属硫化物(1.0重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(74.3重量部)を加えて75℃加熱下にて混合した。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、成形体を得た。
得られた樹脂の物性値を表1に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
(実施例2)
4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン(14.6重量部)に硫化アンチモン(V)(2.9重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(82.5重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表2に示す。
【0108】
(比較例8)
4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン(15重量部)に参考製造例2の化合物(85重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表2に示す。
【0109】
【表2】

【0110】
(実施例3)
塩化アンチモン(0.3重量部)に4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン(14.5重量部)を加えた後、硫化アンチモン(V)(2.9重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(82.3重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表3に示す。
【0111】
(比較例9)
塩化アンチモン(0.3重量部)を4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン(15重量部)に溶解した後、参考製造例2の化合物(84.7重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表3に示す。
【0112】
【表3】

【0113】
(実施例4)
ジシクロヘキシルメチルアミン(0.3重量部)に1,2−エタンジチオール(14.9重量部)を加えた後、硫化アンチモン(III)(1重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(83.8重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表4に示す。
【0114】
(実施例5)
ジシクロヘキシルメチルアミン(0.3重量部)に1,2−エタンジチオール(14.9重量部)を加えた後、硫化アンチモン(V)(1重量部)を加えて混合した。さらに参考製造例2の化合物(83.8重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表4に示す。
【0115】
(比較例10)
1,2−エタンジチオール(15重量部)に参考製造例2の化合物(85重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表4に示す。
【0116】
【表4】

【0117】
(実施例6)
参考製造例1の化合物(28重量部)に酸化ビスマス(III)(5重量部)を加えて60℃で加熱溶解した。さらに参考製造例2の化合物(67重量部)を加えて60℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで48時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表5に示す。
【0118】
(実施例7)
参考製造例1の化合物(27.5重量部)に酸化ビスマス(III)(7.5重量部)を加えて60℃で加熱溶解した。さらに参考製造例2の化合物(65重量部)を加えて60℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで48時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表5に示す。
【0119】
(比較例11)
参考製造例1の化合物(30重量部)に参考製造例2の化合物(70重量部)を加えて75℃加熱下にて混合し、均一溶液とした。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで48時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表5に示す。
【0120】
(比較例12〜18)
参考製造例1の化合物(29.7重量部)に金属酸化物(1.0重量部)を加えて60℃で加熱攪拌した。さらに参考製造例2の化合物(69.3重量部)を加えて60℃加熱下にて混合した。この混合溶液を減圧下にて10分間脱泡を行った後、25℃〜120℃まで48時間かけて徐々に昇温して重合し、樹脂を得た。
得られた樹脂の物性値を表5に示す。
【0121】
【表5】

【0122】
以上の実施例、比較例より、本発明の重合性組成物を重合することにより得られた樹脂は、屈折率および耐熱性に優れたものとなることがわかる。
【0123】
なお、以上の実施例では、15族金属硫化物として、硫化アンチモンを使用したが、硫化ビスマスを使用した場合でも同様の効果が得らえる。
さらに、実施例で使用したチオール基を有する化合物にかえて他のチオール基を有する化合物(たとえば、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン)を使用しても同様の効果を得ることができる。
また、実施例で使用したチエタニル基を有する化合物にかえて他のチエタニル基を有する化合物(たとえば、ビスチエタニルスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、3−(((3’−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィド、トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン、トリス(3−チエタニルチオ)ビスマス、ビス(3−チエタニルチオ)ジチアスタンノラン)を使用しても、同様の効果を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)長周期型周期表の15族金属酸化物および長周期型周期表の15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、
(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、
の混合物に対し、
(c)1個以上のチエタニル基を有する1種以上の化合物
を混合して得られる重合性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の重合性組成物において、
前記(a)が酸化ビスマス、酸化アンチモン、硫化ビスマス、硫化アンチモンからなる群から選択される1種以上である重合性組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の重合性組成物において、
前記(a)が酸化ビスマスである重合性組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の重合性組成物において、
前記(c)の化合物として、以下の一般式(1)で示される1種以上の化合物を含む重合性組成物。
【化1】

(式中、Mは、金属原子を表し、XおよびXは各々独立に硫黄原子または酸素原子を表し、Rは二価の有機基を表し、mは0または1以上の整数を表し、pは1以上、n以下の整数を表す。nは金属原子Mの価数を表し、Yは各々独立に無機または有機基を表し、n−pが2以上の場合、Yは互いに結合し、金属原子Mを介して環状構造となってもよい。)
【請求項5】
請求項4に記載の重合性組成物において、
一般式(1)で示される化合物は、テトラキス(3−チエタニルチオ)スズ、トリス(3−チエタニルチオ)アンチモン、トリス(3−チエタニルチオ)ビスマス、ビス(3−チエタニルチオ)ジチアスタンノランのいずれかである重合性組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の重合性組成物において、
前記(c)の化合物として、以下の一般式(2)で示される1種以上の化合物を含む重合性組成物。
【化2】

(式中、Rは、チア化されていてもよい置換または無置換の炭素数1〜10の炭化水素基、Uは、チア化されていてもよい置換または無置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、チア化されていてもよい置換または無置換のアラルキレン基のいずれか表す。bは0〜2の整数を表し、dは1〜4の整数、aは0〜3の整数、cは0または1の整数を表す。)
【請求項7】
請求項6に記載の重合性組成物において、
前記一般式(2)で示される化合物が、
ビスチエタニルスルフィド、ビス(3−チエタニルチオ)メタン、3−(((3’−チエタニルチオ)メチルチオ)メチルチオ)チエタン、ビス(3−チエタニル)ジスルフィド、ビス(3−チエタニル)トリスルフィド、ビス(3−チエタニル)テトラスルフィド、ビス(3−チエタニル)ペンタスルフィド
のいずれかである重合性組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の重合性組成物において、
前記(b)が、
3−メルカプトチエタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン
からなる群から選択された1種以上である、重合性組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の重合性組成物において、
前記(a)と、前記(b)と、前記(c)との合計に対する前記(c)の割合が50重量%以上である重合性組成物。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の重合性組成物を重合して得られる樹脂。
【請求項11】
請求項10に記載の樹脂からなる光学部品。
【請求項12】
(a)長周期型周期表の15族金属酸化物および長周期型周期表の15族金属硫化物のうち少なくともいずれか一方と、
(b)1個以上のチオール基を有する1種以上の化合物と、
の混合物に対し、
(c)1個以上のチエタニル基を有する1種以上の化合物
を混合して、重合性組成物を製造する重合性組成物の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の製造方法により、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を注型重合して樹脂を得る工程を含む、樹脂の製造方法。
【請求項14】
請求項1乃至9のいずれかに記載の重合性組成物の光学部品としての使用。
【請求項15】
請求項1乃至9のいずれかに記載の重合性組成物を重合させた樹脂の光学部品としての使用。

【公開番号】特開2010−43181(P2010−43181A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207995(P2008−207995)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】