説明

重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの化合物を含有する医薬品

【課題】すでに知られている化合物に比較して改良された薬物動態学的および/または薬力学的特性を有する、精神病、特に統合失調症を予防するための医薬品を製造するために使用できる重水素化カテコールアミン誘導体を提供する。
【解決手段】L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸等の重水素化カテコールアミン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの化合物を含有する医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
L−ドーパ(レボドパ)ならびにそのカルボン酸エステルなどのカテコールアミンの周知の同族体は、特にパーキンソン病および不穏下肢症候群を治療するために使用されている。レボドパを含有するそのような医薬品は、例えばDopaflex(登録商標)である。L−ドーパは脳の神経細胞中のドーパミン濃度に影響を及ぼす。ドーパミン自体として以外に、L−ドーパは血液脳関門を通過し、脳内でドーパミンへ変換される。
【0003】
さらにレボドパは活性な添加剤と組み合わされた医薬品で投与されている。レボドパと末梢性デカルボキシラーゼ阻害剤、酵素のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼに対する阻害剤(COMT)、酵素のモノアミンオキシダーゼ(MAO)またはドーパミン−β−ヒドロキシラーゼに対する阻害剤との組み合わせが使用されている。
【0004】
これに関連して使用されるデカルボキシラーゼ阻害剤は、例えばD,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリンー2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドである。L−ドーパとデカルボキシラーゼ阻害剤との複合製剤の例は、特にMadopar(登録商標)(L−ドーパおよび塩酸ベンセラジド)およびNacom(登録商標)(L−ドーパおよびカルビドーパ)である。
【0005】
COMT阻害剤の例はエンタカポン(Comtan(登録商標))およびカベルゴリンであり、頻回に使用されるMAO阻害剤は塩酸セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンである。
【0006】
ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼに対する阻害物質としては、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートが報告されている(特許文献1)。
【特許文献1】DE 2 049 115
【特許文献2】CH 59098
【特許文献3】EP 610595
【非特許文献1】Binns et al.,J.Chem.Soc.(C),1970,Seiten 1134−1138.
【非特許文献2】Jung et al.,J.Org.Chem.,Vol.42,Nr.23,1977,S.3761−3764.
【非特許文献3】Vining et al.,Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals,Vol.XVIII,Nr.11,1981,S.1683−1692.
【非特許文献4】Chen et al.,Biotechnology Letters,Vol.14,Nr.4,1992,S.269−274.
【非特許文献5】Fortschritte der Arzneimittelforschung,Bd.10,Seiten 224−225,BirkhaeuserVerlag,Basel und Stuttgart(1966).
【非特許文献6】Journal of Pharmaceutical Sciences,Bd.66,Seiten 1−5(1977).
【非特許文献7】Hager’s Handbuch(5.) 2,622−1045.
【非特許文献8】List et al.,Arzneiformenlehre,Stuttgart:Wiss.Verlagsges.1985.
【非特許文献9】Sucker et al.,Pharmazeutische Technologie,Stuttgart:Tieme 1991.
【非特許文献10】Ullmann’s Enzyklopaedie(5.) A 19,241−271.
【非特許文献11】Voigt,Pharmazeutische Technologie,Berlin:Ullstein Mosby 1995.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、すでに知られている化合物に比較して改良された薬物動態学的および/または薬力学的特性を有する重水素化カテコールアミン誘導体を調製すること、および精神病、特に統合失調症を予防するために使用できる、ならびに精神病を予防するための医薬品を製造するために使用できるカテコールアミン誘導体を調製することである。
【0008】
驚くべきことに、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体が重水素化されていない化合物に比較して本質的に優れた薬物動態学的および/または薬物力学的特性を有すること、およびそれらを特に精神病を予防するために使用でき、精神病を予防するための医薬品を製造するために使用できることが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、この課題は一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたは重水素化C5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の化合物を調製することによって解決される。
【0010】
好ましいのは一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたは重水素化C5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0011】
特に好ましいのは、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はD、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたは重水素化C5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0012】
さらにいっそう好ましいのは、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたは重水素化C5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0013】
特に有益には、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はC1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0014】
さらに有益には、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はメチルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0015】
いっそう特に有益には、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はエチルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0016】
好ましいのは、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はDを意味し、R3はパーデューテロエチルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0017】
さらに好ましいのは、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はパーデューテロエチルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0018】
さらに好ましいのは、一般式I(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はパーデューテロエチルであり、R4はDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)による重水素化カテコールアミン誘導体である。
【0019】
特に好ましいのは、以下の一般式Iによる重水素化カテコールアミン誘導体である。
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸シクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロメチルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロエチルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロシクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸シクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロメチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロエチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロシクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸シクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロメチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロエチルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロシクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジデューテロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロシクロヘキシルエステル、
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(4,5−ジデューテロキシフェニル)プロピオン酸−パーデューテロシクロヘキシルエステル。
【0020】
本発明のまた別の実施形態は、例えばパーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患またはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0021】
このとき好ましいのは、例えばパーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患またはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための、1種以上の酵素阻害剤と組み合わせた重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0022】
有益には、1種以上の酵素阻害剤はデカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤である。
【0023】
特に有益には、デカルボキシラーゼ阻害剤は、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0024】
いっそう特に有益には、特にカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤は、エンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される。
【0025】
さらに好ましくは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤は、セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0026】
さらに特に好ましくは、β−ヒドロキシラーゼ阻害剤は、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される。
【0027】
本発明のまた別の目的は、例えばパーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患ないしはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0028】
本発明のまた別の目的は、例えばパーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患ないしはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、本発明による重水素化カテコールアミンならびにそれらの生理学的に許容される塩を含有する医薬製剤である。
【0029】
このとき特に有益であるのは、パーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、本発明による重水素化カテコールアミンならびにそれらの生理学的に許容される塩、ならびに1種以上の酵素阻害剤を含有する医薬組成物である。
【0030】
特に好ましいのは、1種以上の酵素阻害剤がデカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤である医薬組成物である。
【0031】
なおさらに好ましいのは、デカルボキシラーゼ阻害剤がD,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0032】
さらに有益であるのは、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤がエンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0033】
さらに有益であるのは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤がセレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0034】
その上さらに好ましいのは、β−ヒドロキシラーゼ阻害剤がカルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0035】
本発明のまた別の目的は、精神病、特に素因を有する患者の予防療法に使用するため、再発を予防するため、および特に例えば陰性症状を備える急性精神病を治療するための、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0036】
このとき特に好ましいのは、精神病の予防療法のため、および急性精神病、好ましくは陰性症状を伴う精神病において使用するための、1種以上の酵素阻害剤と組み合わせた、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0037】
さらに好ましいのは、1種以上の酵素阻害剤がデカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤である場合の、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0038】
特に好ましいのは、デカルボキシラーゼ阻害剤が、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0039】
有益であるのは、特にカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤がエンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0040】
いっそう有益であるのは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤がセレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0041】
特に有益であるのは、β−ヒドロキシラーゼ阻害剤がカルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0042】
本発明のまた別の目的は、精神病の予防療法において使用するための医薬品を製造するための、本発明による重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用である。
【0043】
本発明のさらにまた別の目的は、精神病の予防療法において使用するためおよび急性精神病を治療するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、本発明による重水素化カテコールアミンならびにそれらの生理学的に許容される塩を含有する医薬組成物である。
【0044】
このとき特に有益であるのは、精神病の予防療法において使用するためおよび急性精神病を治療するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、本発明による重水素化カテコールアミンならびにそれらの生理学的に許容される塩、ならびに1種以上の酵素阻害剤を含有する医薬組成物である。
【0045】
特に好ましいのは、1種以上の酵素阻害剤がデカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤である医薬組成物である。
【0046】
特に有益であるのは、デカルボキシラーゼ阻害剤がD,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0047】
特に有益であるのは、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤がエンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される医薬組成物である。
【0048】
特に有益であるのは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤がセレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される医薬組成物である。
【0049】
特に好ましいのは、β−ヒドロキシラーゼ阻害剤がカルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される医薬組成物である。
【0050】
本発明によるL−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製造は、特にラセミ形の2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製造について記載されている非特許文献1によって実施される。ジデューテロ−(3,4−ジメトキシフェニル)メタンは、3,4−ジメトキシ安息香酸エチルエステルから重水素化リチウムアルミニウムを用いた分解によって製造される。そこから塩化チオニルとの反応によって4−(クロルジデューテロメチル)−1,2−ジメトキシベンゾールが発生し、さらにこれはアセトアミドマロン酸ジエチルエステルのナトリウム塩を用いて重水素化3,4−ジメトキシベンジルアセトアミドマロン酸ジエチルエステルへ分解され、これはエタノール性水酸化カリウム溶液を用いた処理によってD,L−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸に変換させられる。β,β位で二重水素化アミノ酸のL−エナンチオマーを製造するという本発明による課題は、この位置で特許文献2に開示されている方法に類似してラセミ化合物の分割が実施されることによって解決できよう。L−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸もまたこの溶液から(R)−(+)−1−フェニルエチルアラミンとの結晶形成によって極めて良好に単離できることが見いだされた。次にL−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸から、非特許文献2に類似する慎重なエーテル分解によって、本発明によるL−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸が入手された。このアミノ酸から、低温における引き続いて塩化チオニルおよび重水素化もしくは非重水素化アルコールを用いた分解によって本発明によるβ位で二重水素化された化合物のエステルが製造された。
【0051】
このとき特に有用にも、ラセミ化合物分割の母液から残っているD−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸を単離することができ、これをエーテル分解後にその後の本発明による化合物を製造するための反応物質として使用することができた。
【0052】
さらにL−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸はアミノ酸のフェニル環における追加の重水素化のための反応物質として機能するが、このとき化合物は非特許文献3に類似して、190℃のオートクレーブ内でD2Oを用いて反応させられる。入手したL−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸は、次に上記で記載したように本発明によるエステルに変換させた。特許文献3によると、エステル生成ないしはエステル単離では酸化防止剤の添加後には入手されたエステルの安定性が上昇した。
【0053】
上記に記載したラセミ化合物分割によって入手したD−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸をL−化合物に類似してジヒドロキシアミノ酸に変換させ、そして次に本発明によるα位で重水素化された化合物を発生させるために使用したが、このとき非特許文献4に類似して同時に重水素化を行うラセミ化を実施した。これに加えて、重水素化酢酸中のベンズアルデヒドを用いてD−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸を分解した。ラセミ化合物として存在する、α位で重水素化されたD−およびL−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸は適切なメチルエステルに分解され、アルカラーゼを用いて分離したが、このとき酵素によりL−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルはカルボン酸に加水分解され、D−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸のメチルエステルは分解されずに残留した。これらの化合物の分離はHPLCを用いて実施した。
【0054】
単離したL−2−アセチルアミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸は、本発明によるエステルへ変換した、ないしは上記ですでに言及した方法に相応して、本発明によるL−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸を入手するためにフェニル環で追加して重水素化し、これを再び本発明によるエステルへ変換させた。フェノール性OH基およびアミノ基でのH/D置換はD2Oからの複数回の再結晶化によって実施した。
【0055】
本発明による重水素化カテコールアミン誘導体の生理学的に許容される塩を製造するためには、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸および安息香酸などの通例の生理学的に許容される無機および有機塩を使用できる。その他の使用可能な塩は、例えば非特許文献5および非特許文献6に記載されている。
【0056】
酸付加塩は、通例それ自体周知の方法で遊離塩基もしくはその溶液を、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールもしくはイソプロパノールなどの低級アルコール、例えばアセトン、メチルエチルケトンもしくはメチル−イソブチルケトンなどの低級ケトン、または例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテルである有機溶媒中の適切な酸もしくはその溶液と混合することによって入手できる。結晶をより良好に析出させるためには、上記の溶媒の混合液もまた使用できる。さらに、本発明により使用される化合物の酸付加塩の生理学的に許容される水溶液を酸水溶液中で製造することができる。
【0057】
本発明による化合物の酸付加塩は、それ自体は周知の方法で、例えばアルカリもしくはイオン交換体を用いて遊離塩基に変換することができる。これらの遊離塩基から、無機酸もしくは有機酸、特に治療上使用可能な塩を精製するために適切である無機酸もしくは有機酸を用いた分解によって、また別の塩を入手することができる。例えばピクリン酸塩などの新規化合物のこれらやその他の塩は、遊離塩基を1種の塩に変換させ、これを分離し、その塩から再び塩基を遊離させることにより遊離塩基を精製するためにも役立つことができる。
【0058】
本発明の目的は、通例の担体および希釈剤とともに有効成分として一般式Iの化合物およびその酸付加塩を含有している、経口、経口腔、舌下、経鼻腔、経直腸、皮下、静脈内もしくは筋肉内投与用の、ならびに吸入用の医薬品である。
【0059】
本発明の医薬品は、通例の固形もしくは液状の担体もしくは希釈剤、および通例使用される望ましい投与種類に適合する製剤学的賦形剤を用いて周知の方法で適切な用量で製造できる。好ましい製剤は、経口投与に適切な剤形で構成される。そのような剤形は、例えば錠剤、トローチ錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、カプセル剤、ピル剤、散剤、液剤、エーロゾル剤もしくは懸濁剤またはデポー剤である。
【0060】
当然ながら、注射液のような非経口製剤も対象である。さらに、製剤としては例えば坐剤を挙げることもできよう。適切な錠剤は、例えば有効成分と、知られている賦形剤、例えばデキストロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドンなどの不活性希釈剤、コーンスターチもしくはアルギン酸などの崩壊剤、デンプンもしくはゼラチンなどの結合剤、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルクなどの潤滑剤および/または例えばカルボキシルポリメチレン、カルボキシルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースもしくはポリ酢酸ビニルなどのデポー効果を達成するための物質とを混合することによって入手できる。錠剤は多数の層から構成することもできる。
【0061】
適切には、糖衣錠は、さらに放出制御性もしくは徐放性剤形のために、通例糖衣錠のコーティングに使用される物質、例えばポリビニルピロリドンもしくはシェラック、アラビアガム、タルク、二酸化チタンもしくは糖を用いて錠剤を作製するのに類似するコアをコーティングすることによって作製できる。このとき糖衣錠外被はさらに多数の層から構成することができ、この場合には上記で錠剤について言及した賦形剤を使用できる。
【0062】
本発明により使用された有効成分を備える液剤もしくは懸濁剤は、追加して例えばサッカリン、チクロもしくは糖などの矯味剤ならびに例えばバニリンもしくはオレンジエキスなどの香料を含有することができる。液剤もしくは懸濁剤は、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの懸濁化剤またはp−ヒドロキシ安息香酸などの保存料を含むことができる。有効成分を含有するカプセル剤は、例えばその有効成分を乳糖もしくはソルビトールなどの不活性担体と混合し、ゼラチンカプセルに封入することで製造することができる。適切な坐剤は、例えばそのために予定された天然脂肪またはポリエチレングリコールもしくはその誘導体などの担体と混合することによって製造することができる。
【0063】
本発明による医薬製剤の製造は、それ自体は知られており、当業者には知られている例えば非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、および非特許文献11などのハンドブックに記載されている。
【0064】
以下では実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0065】
L−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸の製法
非重水素化化合物の製造方法に類似して、3.85gのD,L−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸に50mLのアセトンを添加し、この溶液を加温した。この加温溶液に、5mLのアセトン中に溶解した0.865gの(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンを添加した。少量のメタノールを添加した後、沈殿した塩を再び溶液中に入れた。反応沈殿物を複数回濃縮することによってメタノールを除去し、50mLまでアセトンを添加することによって溶液の容量を再充填した。L−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸および(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンから生成した塩を結晶化させるためにガラス棒を用いて反応沈殿物をこすり、結晶化の開始後12時間にわたり室温に放置した。精製した結晶は分離し、低温アセトンおよびジエチルエーテルを用いて洗浄し、乾燥した。2.6gの塩を単離した。残留している母液から溶媒を蒸留して除去し、D−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸から構成される残渣をその後の処理まで貯蔵した。
収率:93%
融点:185〜187℃
[α]D25=+56.4℃(メタノール中でc=1)
【0066】
この塩はそれ以上精製せずにさらに処理したが、このとき2.5gを5%の水酸化ナトリウム溶液15mL中に溶解させた。この溶液から石油エーテルを用いての抽出によって遊離した(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンを取り出した。塩酸を用いて水相を酸性化した後に飽和塩化ナトリウム溶液を添加し、酢酸エチルエステルを用いてこの溶液を抽出した。有機相を乾燥させ、溶媒を除去した。残渣を一晩かけて結晶化させるとL−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸が得られた。1.48gの生成物を入手した。
収率:86%
融点:135〜137℃
[α]D25=+45.5℃(メタノール中でc=1)
計算値:
C:57.98% H:7.11% N:5.20%
実測値:
C:57.89% H:7.19% N:5.30%
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO):δ6.48(s,1H):6.60(s,1H);6.54(s,1H);7.8(s,1H);4.60(s,1H);3.70(s,6H);2.20(s,3H)。
【実施例2】
【0067】
L−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製法
1.35gのL−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸を17mLのクロロホルム中に溶解させ、引き続いて26.3mLのヨードトリメチルシランと混合した。この反応沈殿物を60℃へ加熱し、NMRを用いて反応の経過を追跡した。30分後、反応を終了させ、沈殿物を濾過し、濾液にメタノール15mLを添加した。30分後に、溶媒を除去すると、0.96gの生成物が単離された。
収率:96%
融点:287〜290℃(融解)
[α]D25=−11.7℃(1M HCl中でc=5.27)
計算値:
C:54.27% H:6.58% N:7.03%
実測値:
C:54.10% H:6.60% N:7.11%
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO):δ6.49(s,1H):6.59(s,1H);6.54(s,1H);7.8(s,1H);4.28(s,1H)。
【実施例3】
【0068】
D−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸
実施例1で入手したD−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸を実施例2に類似してD−2−アミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸へ変換させた。出発化合物1.2gから0.82gの重水素化ジヒドロキシアミノ酸が単離された。
収率:92%
融点:287〜290℃(融解)
[α]D25=+11.5℃(1M HCl中でc=5.27)
計算値:
C:54.27% H:6.58% N:7.03%
実測値:
C:54.31% H:6.55% N:7.10%
13C−NMR(200MHz,d6−DMSO):δ41.0(quint);62.50(s);116.20(s);117.30(s);121.70(s);133.80(s);141.40(s);141.40(s);176.40(s)。
【実施例4】
【0069】
D,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製法
1.99gのD−2−アセチルアミノ−3,3−ジデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸を50mLの単純に重水素化した酢酸(CH3COOD)と混合し、0.2mLのベンズアルデヒドを添加した。窒素を用いて反応沈殿物を窒素で洗浄し、引き続いて還流するまで1時間加熱した。この反応時間の終了後、溶媒を除去し、残渣に20mLのエタノールを混合した。沈殿した固形物質を濾過して取り除くと、1.74gのD,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸が単離された。
収率:87%
融点:287〜290℃(融解)
計算値:
C:53.99% H:7.05% N:7.00%
実測値:
C:53.90% H:7.12% N:7.04%
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO):δ6.47(s,1H):6.59(s,1H);6.52(s,1H);7.8(s,1H)。
【実施例5】
【0070】
D,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルの製法
30mLのメタノール中の2gのD,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸を−10℃へ冷却し、滴下法により1mLの塩化チオニルと混合した。この反応沈殿物を次に15分間、40℃へ加温した。真空中で反応沈殿物を揮発性物質から遊離させ、10mLの水、ならびに0.8gの炭酸水素ナトリウム、1gの硫酸ナトリウムおよび1mgのアスコルビン酸から構成される溶液15mLを添加した。希釈した水酸化ナトリウム溶液を添加することによって溶液のpH値を7に調整した。0.01%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールを含有する酸素無含有酢酸エチルエステルを用いた抽出によってこの生成物を有機相へ変換させた。この有機相を乾燥させ、引き続いて溶媒を蒸留した。残渣に50mLの酸素無含有ジエチルエーテルを添加し、一晩放置するとD,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルが析出した。酸素無含有の、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールを用いて分解されたメタノール/ジエチルエーテル混合液から再結晶化させると1.8gの生成物が単離された。
収率:85%
計算値:
C:56.06% H:7.53% N:6.54%
実測値:
C:56.20% H:7.48% N:6.55%
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO):δ6.48(s,1H):6.59(s,1H);6.54(s,1H);7.8(s,1H);3.80(s,3H)。
【実施例6】
【0071】
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸
1.07gのD,L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルを30mLの0.2モルの重炭酸ナトリウム溶液(pH8.2)中に溶解させた。200μLのアルカラーゼを添加し、この溶液のpH値は炭酸塩−重炭酸塩緩衝液を用いてこの数値に維持した。反応経過はHPLCを用いて制御し、エステルの濃度が2分の1に減少したときに塩酸を添加することによってこの反応を停止させた。溶液中に含有される三重水素化アミノ酸は三重水素化メチルエステルからアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液(15:85)の混合展開液を使用するクロマトグラフィーによって分離すると、1.04gのL−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸が単離された。
収率:97%
融点:287〜290℃(融解)
[α]D25=−11.6℃(1M HCl中でc=5.27)
C:53.99% H:7.05% N:7.00%
実測値:
C:53.83% H:7.12% N:6.91%
13C−NMR(200MHz,d6−DMSO):δ41.0(quint):62.40(trip.);116.20(s);117.30(s);121.70(s);133.80(s);141.40(s);144.40(s);176.40(s)。
【実施例7】
【0072】
L−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(2,3,6−トリデューテロ−4,5−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製法
オートクレーブ内で0.2gのL−2−アミノ−2,3,3−トリデューテロ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸を10mLのD2Oと混合した。このオートクレーブを排気し、24時間、190℃の温度へ加熱した。反応が終了した後、溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルエステルと混合し、溶媒を真空中で蒸留した。低温アセトンを用いて残渣を洗浄し、0.17gの生成物を単離した。
収率:84%
融点:287〜290℃(融解)
[α]D25=−11.5℃(1M HCl中でc=5.27)
C:53.19% H:8.43% N:6.89%
実測値:
C:53.30% H:8.31% N:7.00%
13C−NMR(200MHz,d6−DMSO):δ41.0(quint):62.40(t);116.30(s);117.20(s);121.70(t);133.80(s);141.30(s);144.40(s);176.40(s)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患またはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するための医薬品を製造するため、プロラクチン分泌を阻害するための医薬品を製造するため、成長ホルモン分布(-Ausschuettung)を刺激するための医薬品を製造するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
パーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症などのドーパミン欠乏性疾患ないしはチロシン輸送障害もしくはチロシンデカルボキシラーゼ障害に起因する疾患を治療するための医薬品を製造するため、プロラクチン分泌を阻害するための医薬品を製造するため、成長ホルモン分布を刺激するための医薬品を製造するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、1種以上の酵素阻害剤と組み合わせた、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項3】
1種以上の酵素阻害剤が、デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤であることを特徴とする、請求項2に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項4】
デカルボキシラーゼ阻害剤が、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項5】
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤が、エンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項6】
モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項7】
β−ヒドロキシラーゼ阻害剤が、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項8】
パーキンソン病、不穏下肢症候群、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項9】
パーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項10】
パーキンソン病、不穏下肢症候群、失調症を治療するため、プロラクチン分泌を阻害するため、成長ホルモン分布を刺激するため、慢性マンガン中毒の神経症状、筋萎縮性側索硬化症、および多発性全身性萎縮症を治療するための医薬品を製造するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項11】
1種以上の酵素阻害剤が、デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤であることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
デカルボキシラーゼ阻害剤が、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤が、エンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
β−ヒドロキシラーゼ阻害剤が、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項16】
精神病、特に統合失調症を予防するための医薬品を製造するため、ならびに特に陰性症状を備える急性精神病および特に統合失調症を治療するための医薬品を製造するための、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項17】
精神病を予防するための医薬品を製造するため、および特に陰性症状を伴う急性精神病を治療するための医薬品を製造するための、1種以上の酵素阻害剤と組み合わせた、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項18】
1種以上の酵素阻害剤が、デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤であることを特徴とする、請求項17に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
デカルボキシラーゼ阻害剤が、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項20】
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤が、エンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項21】
モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項22】
β−ヒドロキシラーゼ阻害剤が、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項23】
精神病の予防療法において使用するための医薬品を製造するための、ならびに特に陰性症状を伴う急性精神病を治療するための、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
精神病の予防療法において使用するため、および特に陰性症状を伴う急性精神病を治療するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩を含有している医薬組成物。
【請求項25】
精神病の予防療法において使用するためおよび特に陰性症状を伴う急性精神病を治療するための、医薬上許容される賦形剤および添加剤とともに、
一般式I:

(式中、R1はHもしくはDであり、R2はHもしくはDを意味し、R3はH、D、C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキル、重水素化C1−からC6−アルキルまたはC5−からC6−シクロアルキルであり、R4はHもしくはDを意味し、そしてR5はHもしくはDである)の重水素化カテコールアミン誘導体ならびにそれらの生理学的に許容される塩、ならびに1種以上の酵素阻害剤を含有している医薬組成物。
【請求項26】
1種以上の酵素阻害剤が、デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤および/またはβ−ヒドロキシラーゼ阻害剤であることを特徴とする、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
デカルボキシラーゼ阻害剤が、D,L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド(ベンセラジド)、(−)−L−α−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロキシ−α−メチルヒドロ桂皮酸(カルビドーパ)、L−セリン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジド、グリシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドおよびL−チロシン−2−(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)ヒドラジドならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤が、エンタカポンおよびカベルゴリンならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項29】
モノアミンオキシダーゼ阻害剤が、セレギリン、モクロベミドおよびトラニルシプロミンならびにそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項30】
β−ヒドロキシラーゼ阻害剤が、カルシウム−5−ブチルピコリネートおよびカルシウム−5−ペンチルピコリネートならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択されることを特徴とする請求項26に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2012−87124(P2012−87124A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243559(P2011−243559)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2004−561054(P2004−561054)の分割
【原出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【出願人】(505228936)ビーディーディー ベロリーナ ドラッグ デベロプメント ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】