説明

重縮合物を含む化粧用または医薬用組成物、美容トリートメントの方法、重縮合物、及び調製方法

【課題】付着、特に皮膜形成性の付着に顕著な光沢を与えることができ、その一方で、この光沢の優れた安定性を経時的に維持することができる新規なポリマーを提供すること。
【解決手段】本特許出願は、
−3から6個のヒドロキシル基を含むポリオール;
−一部は25℃超の融点を有し、その他は25℃未満の融点を有する、非芳香族モノカルボン酸の混合物;
−7から11個の炭素原子を含む芳香族モノカルボン酸;及び
−少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含み、かつヘテロ原子を含むことができる直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;並びに/あるいはそのようなポリカルボン酸の環状無水物;並びに/あるいはラクトン;
の反応によって得ることができる重縮合物を含む、化粧用または医薬用、特にリップスティック用の組成物に関する。
本特許出願はまた、前記組成物を用いた美容トリートメント方法、このように定義された重縮合物及び前記重縮合物の調製方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修飾アルキドタイプの重縮合物のファミリーの新規なポリマー、並びに化粧用組成物、特にリップスティックにおけるその使用、それらを含む化粧用組成物、及び前記重縮合物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン物質(皮膚、唇、身体表面成長物)への適用後に、付着した皮膜の光沢特性が所望される非常に多くの化粧用組成物が存在する。例えば、リップスティック、ネイルラッカー、またはある種のヘア用製品を挙げることができる。
【0003】
そのような結果を得るために、特定の原料、特にラノリンを、いわゆるグロスオイル、例えばグロッシーではあるが粘度の高いポリブテン;または炭素数の大きい脂肪酸または脂肪アルコールのエステル;あるいはある種の植物油;または欧州特許出願第1097699号に記載されているように、芳香族酸によるヒドロキシル化脂肪族化合物の部分的または完全なエステル化により生成するエステルと組み合わせることが可能である。
【0004】
米国特許第6342527号に記載されているように、ラノリンを、ヒマシ油とイソステアリン酸、次いでコハク酸との逐次反応によって得られるポリエステルと組み合わせることもまた知られている。
【0005】
付着皮膜の光沢、及びその持久力を改良するために、特に仏国特許第2838049号において、ポリオールと「新」タイプのカルボン酸との縮合から生成するエステルを使用することも提案されている。
【0006】
ヒドロキシル化カルボン酸トリグリセリドのポリエステルと、ポリブチレン、水添ポリイソブチレン、水添または非水添ポリデセン、ビニルピロリドンのコポリマー、直鎖状脂肪酸のエステル、ヒドロキシル化エステル、分枝状C24〜C28脂肪アルコールまたは脂肪酸のエステル、シリコーンオイル、及び/または植物由来の油から選択される低分子量の油とを組み合わせた組成物を記載している欧州特許第1457201号をもまた挙げることができる。
【0007】
欧州特許出願第0792637号は、芳香族エステルあるいはポリブテンまたはポリイソブテンタイプのポリマーを組み合わせた組成物を記載している。
【0008】
欧州特許出願第1155687号には、化粧品に許容できる油で構成される油相中に、水素結合を確立することができる少なくとも2個の基を有するオルガノポリシロキサンを配合することからなる方法が記載されている。
【0009】
しかし、これらの組成物及び組合せは、たとえこれらが顕著に光沢を改良したとしても、その光沢の長時間にわたる持久力については依然として不十分であると判断される。
【特許文献1】欧州特許出願第1097699号
【特許文献2】米国特許第6342527号
【特許文献3】仏国特許第2838049号
【特許文献4】欧州特許第1457201号
【特許文献5】欧州特許出願第0792637号
【特許文献6】欧州特許出願第1155687号
【特許文献7】文書US2915488
【特許文献8】文書EP-A-898960
【特許文献9】文書EP-A-898958
【非特許文献1】「Surface Coatings Science and Technology」、第2版、John Wiley & Sons、104〜105頁
【非特許文献2】Principles of Polymerization、第4版、John Wiley & Sons、737〜738頁
【非特許文献3】Surface Coatings Science and Technology、第2版、John Wiley & Sons、表2.3及び2.4、526〜530頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、付着、特に皮膜形成性の付着に顕著な光沢を与えることができ、その一方で、この光沢の優れた安定性を経時的に維持することができる新規なポリマーを提供することである;このことは、リップスティック分野において特に有利に応用することができる。さらに、組成物に対して付加的に、有利なことに、ケラチン物質、特に唇における優れた経時持久力を与えることができるポリマーもまた求められている。
【0011】
この目的のために、出願人は、所望の特性を有するアルキドタイプの新規な重縮合物を探求した。
【0012】
アルキド樹脂は、その皮膜形成特性、特にその乾燥速度、硬度、及び耐性を調節することを可能にするオレイン酸などの不飽和脂肪酸、または不飽和油、例えばダイズ油またはヒマシ油で、一般に修飾されたポリカルボン酸とポリオールとの反応生成物であり、ポリエステルの特定のクラスを構成している。
【0013】
したがって、文書US2915488は、ダイズ油から誘導される脂肪酸の一部が安息香酸により置換されている修飾アルキド樹脂を提案している。これらの新規な樹脂は、アルカリ及び洗剤に対する耐性の点で改良された特性を有する;これらを含む皮膜は、より迅速に乾燥し、かつより硬い。しかし、応用、特に化粧品としてのまたは局所適用は、これらの樹脂に関しては、構想されてはいない。
【0014】
さらに、ダイズ油中に存在する脂肪酸は、「Surface Coatings Science and Technology」、第2版、John Wiley & Sons、104〜105頁によれば、約55%のリノール酸(C18:2)及び28%のオレイン酸(C18:1)の2つの不飽和脂肪酸により優勢に構成されている。ここで、ある種の不飽和脂肪酸は、時間経過とともに、酸敗現象の原因となり得る自動酸化を受ける可能性があり、これらの原料を含む組成物の貯蔵における問題を引き起こす可能性があることが知られている。さらに、高比率のリノール脂肪酸及びオレイン脂肪酸を含むUS2915488に記載のアルキド樹脂は、特に化粧品での使用に関して、安定性の点で最適ではない。
【0015】
ヒドロパーオキシドの形成を伴う空気中での酸化によるアルキド樹脂の架橋は、皮膜の乾燥速度、及び結果的に、その硬度及び外的攻撃に対する耐性の最終特性に関して重要な役割を果たす。これらのアルキド樹脂の通常の応用分野、すなわち塗料において、架橋速度、したがって乾燥速度は、「ドライヤー」と称される特定の金属塩、例えばヒドロパーオキシドの分解を加速するナフテン酸コバルト及びオクテン酸コバルトを添加することにより一般に、加速される;これは特にPrinciples of Polymerization、第4版、John Wiley & Sons、737〜738頁、及びSurface Coatings Science and Technology、第2版、John Wiley & Sons、表2.3及び2.4、526〜530頁にも記載されている。
【0016】
しかし、このような金属塩の使用は、毒性という明白な理由のために、化粧品においては明らかに所望されない。
【0017】
さらに、大部分のアルキド樹脂は、化粧品で通常使用される油性媒体、例えば植物油、アルカン、脂肪エステル、脂肪アルコール、シリコーン油において、特にイソドデカン、パールリーム、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、フェニルトリメチコン、C12〜C15アルキル安息香酸、及び/またはD5(デカメチルシクロペンタシロキサン)を含む油性媒体において適切な溶解性を有さない。
【0018】
主要な研究を行った後、本出願人は驚くべきことに、かつ予期せぬことに、非芳香族モノカルボン酸を含む特定のカルボン酸を高含量で含むある種の重縮合物が、光沢、前記光沢の維持、及び追加的に、得られる皮膜の長時間にわたる持久力の点で改良された性能をもたらすことができ、その一方で通常の化粧品用媒体、特に通常の化粧品用油性媒体に配合できることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明の課題は、
- 重縮合物の全重量に対して10から30重量%の、3から6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール;
- 重縮合物の全重量に対して22から80重量%の、10から32個の炭素原子を含み、かつ25℃以上の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%の、6から32の炭素原子を含み、かつ厳密に25℃未満の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%の、7から11個の炭素原子を含み、場合によって、1から32個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換されていてもよい、少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して1から40重量%の、ヘテロ原子を含んでよい少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;並びに/あるいはそのようなポリカルボン酸の環状無水物;並びに/あるいは少なくとも1つのCOOH基を含むラクトン;
の反応によって得ることができる少なくとも1つの重縮合物を、化粧品または医薬品に許容できる媒体中に含む、化粧用または医薬用組成物である。
【0020】
本発明のもう1つの課題は、
- 重縮合物の全重量に対して10から30重量%の、3から6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール;
- 重縮合物の全重量に対して22から80重量%の、10から32個の炭素原子を含み、かつ25℃以上の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%の、6から32の炭素原子を含み、かつ厳密に25℃未満の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%の、7から11個の炭素原子を含み、場合によって、1から32個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換されていてもよい、少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して1から40重量%の、1つまたは複数のヘテロ原子を含んでよい少なくとも2個のカルボキシル基COOH、特に2から4個のCOOH基を含む、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;並びに/あるいはそのようなポリカルボン酸の環状無水物;並びに/あるいは少なくとも1つのCOOH基を含むラクトン;
の反応によって得ることができる重縮合物である。
【0021】
最終的に、重縮合物は、したがって、一般に、これらのモノマーを示された比率で含む;最も好ましくは、これらのモノマーから(排他的に)構成される(またはこれらモノマーを単独で含む)。
【0022】
特に、前記化粧用組成物は、良好な適用性及び良好なカバー力;爪、毛髪、睫毛、皮膚または唇のいずれであっても、支持体への良好な接着;例えば、リップスティックまたネイルラッカーの場合にクラックを防止するための皮膜の適切な可撓性及び耐性;及び優れたレベルの長時間持続性の光沢を発揮する。快適性及び滑り性もまた非常に満足の行くものである。これらの重縮合物は、化粧品用の溶媒または油性媒体、特に油、脂肪アルコール、及び/または脂肪エステルに容易に配合することができ、このことが化粧品分野、特にリップスティックまたはファンデーションにおけるこれらの使用を容易にする。
【0023】
本発明の重縮合物は、単一の合成ステップで、廃棄物を生成することなく、低コストで容易に調製することができる。
【0024】
さらに、種々の成分の化学的性質及び/またはそれらの比率を変化させることにより、本発明の重縮合物の構造及び/または特性を容易に改変することができる。
【0025】
本発明の重縮合物は有利には分枝状である;おそらくは、このことがポリマー鎖のもつれによってネットワークを生成することを可能にし、したがって、特に改良された持久力と改良された光沢、及び溶解性の点で所望する特性を得ることを可能にすると考えられる。直鎖状重縮合物は、組成物の持久力において顕著な改良を得ることを可能にすることはなく、かつ、規則的な鎖を有するデンドリマータイプの重縮合物は、最適な溶解性を有していないことが実際に観察されている。
【0026】
本発明の重縮合物は、アルキドタイプの重縮合物であり、したがって当業者に既知の方法に従って、下記に記載される成分のエステル化/重縮合によって得ることができる。
【0027】
本発明の重縮合物を調製するために必要な成分の1つは、3から6個のヒドロキシル(ポリオール)基、特に3から4個のヒドロキシル基を含む化合物である。このようなポリオールの混合物を使用することは実際、明らかに可能である。
【0028】
前記ポリオールは特に、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状、及び/または環状の炭素含有化合物であってよく、特に、3から18個の炭素原子、特に3から12個、または4から10個の炭素原子、及び3から6個のヒドロキシル(OH)基を含み、かつ鎖(エーテル官能基)中に挿入された1つまたは複数の酸素原子を追加的に含むことができる炭化水素含有化合物であってよい。
【0029】
前記ポリオールは好ましくは、3から18個の炭素原子、特に3から12個、または4から10個の炭素原子、及び3から6個のヒドロキシル(OH)基を含む直鎖状または分枝状の飽和炭化水素化合物である。
【0030】
ポリオールは、単独でまたは混合物として:
- トリオール、例えば1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロールなど;
- テトラオール、例えばペンタエリスリトール(テトラメチロールメタン)、エリスリトール、ジグリセロールまたはジトリメチロールプロパンなど;
- ペントール、例えばキシリトールなど;
- ヘキソール、例えばソルビトール及びマンニトールなど;あるいはジペンタエリスリトールまたはトリグリセロール;
から選択されてよい。
【0031】
好ましくは、ポリオールは、グリセロール、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びこれらの混合物から選択され、さらによりよくは、ペンタエリスリトールである。ポリオールまたはポリオール混合物は好ましくは、最終重縮合物の全重量の10から30重量%、特に12から25重量%、さらによりよくは14から22重量%に相当する。
【0032】
本発明の重縮合物の調製のために必要なもう1つの成分は、10から32個の炭素原子、特に12から28個の炭素原子、さらによりよくは12から24個の炭素原子を含み;かつ、25℃以上、特に28℃以上、さらには30℃の融点を有する、直鎖状、分枝状及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸である。このような非芳香族モノカルボン酸の混合物を使用することは実際、明らかに可能である。
【0033】
このような酸を、示された量で使用するとき、一方では、良好な光沢及び前記光沢に対する良好な持久力を得ることが可能であり、他方では、想定される組成物中に通常存在するワックスの量を低減することが可能であることが観察されている。
【0034】
表現、非芳香族モノカルボン酸は、式RCOOHの化合物を意味するものと理解され、式中Rは9から31個の炭素原子、特に11から27個の炭素原子、さらによりよくは11から23個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状及び/または環状の、飽和または不飽和の炭化水素基である。
【0035】
好ましくは、R基は飽和されている。さらによりよくは、前記R基は直鎖状または分枝状であり、好ましくはC11〜C21である。
【0036】
使用される傾向が高い25℃以上の融点を有する非芳香族モノカルボン酸の中で、単独でまたは混合物として:
- 飽和モノカルボン酸の中で;デカン(カプリン)酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セロチン(ヘキサコサン)酸;
- 不飽和だが非芳香族のモノカルボン酸の中で:ペトロセリニン酸、バクセン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸;
を挙げることができる。
【0037】
好ましくは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びこれらの混合物、さらによりよくはステアリン酸及びベヘン酸を単独で使用することができる。
【0038】
25℃以上の融点を有する前記非芳香族モノカルボン酸、または前記酸の混合物は、好ましくは最終重縮合物の全重量の22から80重量%、特に25から75重量%、さらには27から70重量%、さらによりよくは28から65重量%に相当する。
【0039】
本発明の重縮合物の調製に必要とされるもう1つの成分は、6から32個の炭素原子、特に8から28個の炭素原子、さらによりよくは10から20個、さらには12から18個の炭素原子を含み;かつ、厳密に25℃未満、特に20℃未満、さらには15℃の融点を有する、直鎖状、分枝状及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸である。このような非芳香族モノカルボン酸の混合物を使用することは実際、明らかに可能である。
【0040】
表現、非芳香族モノカルボン酸は、式RCOOHの化合物を意味するものと理解され、式中Rは5から31個の炭素原子、特に7から27個の炭素原子、さらによりよくは9から19個の炭素原子、さらには11から17個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状及び/または環状の、飽和または不飽和の炭化水素基である。
【0041】
好ましくは、R基は飽和されている。さらによりよくは、前記R基は直鎖状または分枝状であり、好ましくはC5〜C31である。
【0042】
使用される傾向が高い25℃未満の融点を有する非芳香族モノカルボン酸の中で、単独でまたは混合物として:
- 飽和モノカルボン酸の中で:カプロン酸、カプリル酸、イソヘプタン酸、4-エチルペンタン酸、2-エチルへキサン酸、4,5-ジメチルへキサン酸、2-ヘプチルヘプタン酸、3,5,5-トリメチルへキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸;
- 不飽和だが非芳香族のモノカルボン酸の中で;カプロレイン酸、オブツシリン酸、ウンデシレン酸、ドデシレン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、フィセテリン酸、ツズ酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸;
を挙げることができる。
【0043】
好ましくは、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸及びこれらの混合物、さらによりよくはイソステアリン酸を単独で使用することができる。
【0044】
25℃未満の融点を有する前記非芳香族モノカルボン酸、または前記酸の混合物は、好ましくは最終重縮合物の全重量の0.1から35重量%、特に0.5から32重量%、さらには1から30重量%、さらによりよくは2から28重量%に相当する。
【0045】
好ましくは、非芳香族モノカルボン酸の総量、すなわち25℃超の融点を有する非芳香族モノカルボン酸+25℃未満の融点を有する前記非芳香族モノカルボン酸は、有利には、最終重縮合物の全重量の30重量%と80重量%との間、特に40重量%と70重量%との間、さらには45重量%と65重量%との間、さらによりよくは50重量%と60重量%との間である。
【0046】
本発明の重縮合物の調製に必要とされるもう1つの成分は、7から11個の炭素原子、場合によっては、1から32個の炭素原子、特に2から12個、さらには3から8個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換された、芳香族モノカルボン酸である。
【0047】
このような芳香族モノカルボン酸の混合物を使用することはもちろん可能である。
【0048】
表現、芳香族モノカルボン酸は、式R'COOHの化合物を意味するものと理解され、式中R'は6から10個の炭素原子を含む芳香族炭化水素基、特に安息香酸及びナフトエ酸基である。前記R'基は、1から32個の炭素原子、特に2から12個、さらには3から8個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換されてよく;かつ特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、またはイソオクチルから選択されてよい。
【0049】
使用される傾向が高い芳香族モノカルボン酸の中で、単独でまたは混合物として、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、4-tert-ブチル-安息香酸、1-メチル-2-ナフトエ酸、2-イソプロピル-1-ナフトエ酸を挙げることができる。
【0050】
好ましくは、安息香酸、4-tert-ブチル-安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、1-ナフトエ酸を単独または混合物として;さらによりよくは安息香酸を単独で使用することができる。
【0051】
前記芳香族モノカルボン酸、または前記酸の混合物は、好ましくは最終重縮合物の全重量の0.1から10重量%、特に0.5から9.95重量%、さらによりよくは1から9.5重量%、さらには1.5から8重量%に相当する。
【0052】
本発明の重縮合物の調製に必要なもう1つの成分は、ポリカルボン酸、及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物、及び/または少なくとも1個のCOOH基を有するラクトン;並びにこれらの混合物である。
【0053】
前記ポリカルボン酸は、2から50個、特に2から40個の炭素原子、特に3から36個、さらには3から18個、さらによりよくは4から12個の炭素原子、さらには5から10個の炭素原子を含む飽和または不飽和の、さらには芳香族の直鎖状、分枝状、及び/または環状の、ポリカルボン酸から特に選択されてよい;前記酸は少なくとも2個のカルボキシル基COOH、好ましくは2から4個のCOOH基を含み;かつ、同一でも異なっていてもよく、O、N及びSから選択される1から10個、好ましくは1から6個のヘテロ原子を含むことができ;かつ/または-CF2-(2価)または-CF3から選択される少なくとも1個のパーフルオロ化された基を含むことができる。
【0054】
好ましくは、前記ポリカルボン酸は、直鎖状の飽和された脂肪族であり、2から36個の炭素原子、特に3から18個の炭素原子、さらには4から12個の炭素原子を含む;または前記ポリカルボン酸は、芳香族であり、8から12個の炭素原子を含む。前記ポリカルボン酸は、好ましくは2から4個のCOOH基を有する。
【0055】
このようなポリカルボン酸の前記環状無水物は、特に下記の式の1つに相当してよい:
【0056】
【化1】

【0057】
式中、A及びB基は、互いに独立して:
- 水素原子、
- 1から16個の炭素原子、特に2から10個の炭素原子、さらには4から8個の炭素原子を含む、直鎖状、分枝状及び/または環状の飽和または不飽和の脂肪族または芳香族炭素含有基、特にメチルまたはエチル;
- あるいは、A及びBは、一緒になって合計で5から14個、特に5から10個、さらには6から7個の炭素原子を含む飽和または不飽和の、さらには芳香族の環を形成する。
【0058】
好ましくは、A及びBは、水素原子を表すかまたは、一緒になって合計で6から10個の炭素原子を含む芳香族環を形成する。
【0059】
使用される傾向が高いポリカルボン酸またはその無水物の中で、単独でまたは混合物として下記を挙げることができる:
- ジカルボン酸、例えばデカン二酸、ドデカン二酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、スベリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、脂肪酸(特にC36のような)のダイマー、例えばUniqema社によりPripol 1006、1009、1013、及び1017の名称で市販されている製品;
- トリカルボン酸、例えばシクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸;
- テトラカルボン酸、例えばブタンテトラカルボン酸及びピロメリット酸、
- これらの酸の環状無水物、特に無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸、及び無水コハク酸。
【0060】
好ましくは、アジピン酸、無水フタル酸及び/またはイソフタル酸を、さらによりよくはイソフタル酸を単独で、使用することができる。
【0061】
下記から、単独でまたは混合物として選択されるポリカルボン酸をもまた挙げることができる:
(i)O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個のヘテロ原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和鎖を有し、かつ/または少なくとも1つのパーフルオロ化された基-CF2-または-CF3を含み、かつ、少なくとも2個のカルボキシル基COOH、特に2から4個のCOOH基をさらに有するポリカルボン酸;及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物;
及び/または
(ii)O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個、さらには1から4個のヘテロ原子、及び少なくとも2個のカルボキシル基COOH、特に2から4個のCOOH基を含む飽和または不飽和の、さらには芳香族の複素環式ポリカルボン酸;及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物;
及び/または
(iii)特にアルドースの酸化により得られる傾向がある糖から誘導され、かつ少なくとも2個のカルボキシル基COOH、特に2または3個のCOOH基を含むポリカルボン酸;及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物;
及び/または
(iv)無水イタコン酸及び1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸の1,4-一無水物;
及び/または
(v)(複素環式を含む)ポリカルボキシルアミノ酸、すなわち、O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個のヘテロ原子を場合によって含む直鎖状、分枝状及び/または環状の飽和または不飽和鎖を有し、かつ/または少なくとも1つのパーフルオロ化された基-CF2-または-CF3を場合によって含み;かつ、少なくとも1つの第一級、第二級または第三級アミン官能基(特にNR1R2、式中R1及びR2は互いに独立して、H及びC1〜C12アルキルから選択される)、特に同一でも異なっていてもよい1から3個のアミン官能基を追加的に含み、かつ、少なくとも2個のカルボキシル基COOH、特に2から4個のCOOH基;及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物をさらに含むポリカルボキシルアミノ酸。
【0062】
下記のジカルボン酸を、単独でまたは混合物として、最も特に挙げることができる:
(i)
- 2,2'-[1,5-ペンタンジイルビス(チオ)]ビス-酢酸
- 6,6'-[(1,2-ジオキソ-1,2-エタンジイル)ジイミノ]ビス-ヘキサン酸
- 2,2'-スルフィニルビス-酢酸
- 4,13-ジオキソ-3,5,12,14-テトラアザヘキサデカン二酸
- ポリ(エチレングリコール)ジスクシネート、特に質量が250〜600のもの
- ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル、特に質量が250〜600のもの
- ポリ[オキシ(1,2-ジカルボキシ-1,2-エタンジイル)]、特にDP<10のもの
- 8-[(カルボキシメチル)アミノ]-8-オキソオクタン酸
- 2,2'-[メチレンビス(スルホニル)]ビス-酢酸
- 4,4'-(1,6-ヘキサンジイルジイミノ)ビス[4-オキソ-ブタン]酸
- 4,9-ジオキソ-3,5,8,10-テトラアザドデカン二酸
- 4-[(1-カルボキシエチル)アミノ]-4-オキソ-ブタン酸
- 6-[(3-カルボキシ-1-オキソプロピル)アミノ]ヘキサン酸
- N,N'-(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)ビス-グリシン
- N,N'-(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)ビス-フェニルアラニン
- N,N'-(1,3-ジオキソ-1,3-プロパンジイル)ビス-グリシン
- 4,4'-[(1,4-ジオキソ-1,4-ブタンジイル)ジイミノ]ビス-ブタン酸
- 4,4'-[(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)ジイミノ]ビス-ブタン酸
- 6,6'-[1,6-ヘキサンジイルビス(イミノカルボニルイミノ)]ビス-ヘキサン酸
- N-ベンゾイル-S-(カルボキシメチル)-システイン
- N,N'-(2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-ジオキソ-1,4-ブタンジイル)ビス-グリシン
- N,N'-(2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-ジオキソ-1,4-ブタンジイル)ビス-アラニン
- 4,4'-[(2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4-ジオキソ-1,4-ブタン酸
- N,N'-(1,5-ジオキソ-1,5-ペンタンジイル)ビス-グリシン
- N,N'-(1,9-ジオキソ-1,9-ノナンジイル)ビス-グリシン
- N,N'-(1,10-ジオキソ-1,10-デカンジイル)ビス[N-メチル-グリシン
- プロパン二酸のビス(3-カルボキシプロピル)エステル
- 7,16-ジオキソ-6,8,15,17-テトラアザドコサン二酸
- N-ベンゾイル-N-(2-カルボキシエチル)-グリシン
- [2-[(2-カルボキシメチル)アミノ]-2-オキソエチル]-ベンゼンプロパン酸
- [2-[(2-カルボキシエチル)アミノ]-2-オキソエチル]-ベンゼンプロパン酸
(ii)
- 4,7,9,12-テトラオキサペンタデカン二酸
- 2,3-ピリジンジカルボン酸
- 4-ピラノン-2,6-ジカルボン酸
- 2,5-ピラジンジカルボン酸
- 2,5-ピリジンジカルボン酸
- 2,3-ベンゾフランジカルボン酸
- 7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸
- 3,4-ピリジンジカルボン酸
- 2,4-ピリジンジカルボン酸
- 3,5-ピリジンジカルボン酸
- 2,6-ピリジンジカルボン酸
- 1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 2,3-キノリンジカルボン酸
- 6,6,7,7-テトラフルオロ-3-オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2,4-ジカルボン酸
- 2,6-ピラジンジカルボン酸
- 2,6-ジメチル-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 1-フェニル-1H-ピラゾール-3,4-ジカルボン酸
- 2,5-フランジカルボン酸
- 3,4-フランジカルボン酸
- 1,2,5-チアジアゾール-3,4-ジカルボン酸
- 1,4-ジヒドロ-1,2,4,5-テトラジン-3,6-ジカルボン酸
- 2,3-フランジカルボン酸
- 3,4-チオフェンジカルボン酸
- 1H-1,2,3-トリアゾール-4,5-ジカルボン酸
- 2-メチルイミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 2,4-キノリンジカルボン酸
- ナフト[2,1-b]フラン-1,2-ジカルボン酸
- 3,4-キノリンジカルボン酸
- 7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
- 2,3-キノキサリンジカルボン酸
- 1,4-ピペラジンジカルボン酸
- 2,5-ジメチル-3,4-フランジカルボン酸
- テトラヒドロ-2,5-チオフェンジカルボン酸
- 4-フェニル-3,5-ピリジンジカルボン酸
- チエノ[3,2-b]チオフェン-2,5-ジカルボン酸
- 3-メチル-2,4-チオフェンジカルボン酸
- ナフトスチリル-5,6-ジカルボン酸
- 3-フェニル-2,4-キノリンジカルボン酸
- 3,4-ジメチル-2,5-ジカルボキシチオフェン
- 3,4-ジフェニル-2,5-チオフェンジカルボン酸
- 2,5-ジフェニル-3,4-フランジカルボン酸
- 7-オキソ-7H-ベンズイミダゾ[2,1-a]ベンズ[de]イソキノリン-3,4-ジカルボン酸
- 2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-ベンズ[de]イソキノリン-6,7-ジカルボン酸
- 3,4-ビス(フェニルメトキシ)-2,5-フランジカルボン酸
- 4,4'-ビ安息香酸 2,2'-スルホン
- 2,7-ジフェニル-m-アントラゾリン-4,5-ジカルボン酸
- 2,4-ピリミジンジカルボン酸
- 2-フェニル-4,5-チアゾールジカルボン酸
- 6-フェニル-2,3-ピリジンジカルボン酸
- 5,6-ジメチル-2,3-ピラジンジカルボン酸
- 3,7-ジベンゾチオフェンジカルボン酸
- 9-オキソ-9H-キサンテン-1,7-ジカルボン酸
- 2-(1,1-ジメチルエチル)-H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 6,7-キノリンジカルボン酸
- 6-メチル-2,3-ピリジンジカルボン酸
- 4,5-ピリミジンジカルボン酸
- 2-メチル-3,4-フランジカルボン酸
- 1,2-インドリジンジカルボン酸
- 2,8-ジベンゾチオフェンジカルボン酸
- 3,6-ピリダジンジカルボン酸
- 1,10-フェナントロリン-2,9-ジカルボン酸
- 1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-2,3-ピラジンジカルボン酸
- 3,4-ジメトキシ-2,5-フランジカルボン酸
- 2-エチル-4,5-イミダゾールジカルボン酸
- 2-プロピル-1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 4-フェニル-2,5-ピリジンジカルボン酸
- 4,5-ピリダジンジカルボン酸
- 1,4,5,8-テトラヒドロ-1,4:5,8-ジエポキシナフタレン-4a,8aジカルボン酸
- 5,5-ジオキシド-2,8-ジベンゾチオフェンジカルボン酸
- ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2,3-ジカルボン酸
- 2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-1,7-ジカルボン酸
- 6-メチル-2,4,5-ピリジントリカルボン酸
- ピロロ[2,1,5-cd]インドリジン-5,6-ジカルボン酸
- 3,4-ビス(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル)-1H-ピロール-2,5-ジカルボン酸
- 6,7,9,10,17,18,20,21-オクタヒドロジベンゾ-[b,k][1,4,7,10,13,16]ヘキサオキサシクロオクタデシン-2,14-ジカルボン酸
- 6,7,9,10,17,18,20,21-オクタヒドロジベンゾ-[b,k][1,4,7,10,13,16]ヘキサオキサシクロオクタデシン-2,13-ジカルボン酸
- 2-メチル-3,4-キノリンジカルボン酸
- 4,7-キノリンジカルボン酸
- 3,5-イソオキサゾールジカルボン酸
- 2-(トリフルオロメチル)-3,4-フランジカルボン酸
- 5-(トリフルオロメチル)-2,4-フランジカルボン酸
- 6-メチル-2,4-キノリンジカルボン酸
- 5-オキソ-1,2-ピロリジンジカルボン酸
- 5-エチル-2,3-ピリジンジカルボン酸
- 1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3,4-キノリンジカルボン酸
- 4,6-フェノキサチインジカルボン酸
- 10,10-ジオキシド 1,9-フェノキサチインジカルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-2H-1,4-チアジン-3,5-ジカルボン酸
- 2,7-ジ(tert-ブチル)-9,9-ジメチル-4,5-キサンテンジカルボン酸
- 6-メチル-2,3-キノキサリンジカルボン酸
- 3,7-キノリンジカルボン酸
- 2,5-キノリンジカルボン酸
- 2-メチル-6-フェニル-3,4-ピリジンジカルボン酸
- 3,4-ジメチルチエノ[2,3-b]チオフェン-2,5-ジカルボン酸
- 3,4-ジメトキシチオフェン-2,5-ジカルボン酸
- 5-メチル-3,4-イソオキサゾールジカルボン酸
- 2,6-ビス(アミノカルボニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 3,5-ビス(アミノカルボニル)-2,6-ピラジンジカルボン酸
- 2,3-ピリジンジカルボン酸
- 6-(1,1-ジメチルエチル)-2-エチル-3,4-ピリジンジカルボン酸
- 3-メチル-5-フェニル-2,4-チオフェンジカルボン酸
- 1,2-ジヒドロ-2-オキソ-6-フェニル-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 8-メチル-2,4-キノリンジカルボン酸
- 4-エチル-2,6-ジメチル-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 5-(フェノキシメチル)-2,4-フランジカルボン酸
- 5-(アセチルアミノ)-3-メチル-2,4-チオフェンジカルボン酸
- 2-(4-ヘプチルフェニル)-4,8-キノリンジカルボン酸
- 2,8-ビス(4-ヘプチルフェニル)ピリド[3,2-g]キノリン-4,6-ジカルボン酸
- 1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロ-2,8-ジオキソピリド[3,2]-キノリン-3,7-ジカルボン酸
- 2,8-ジメチルピリド[3,2-g]キノリン-3,7-ジカルボン酸
- 5,6-キノリンジカルボン酸
- 6-エチル-2-メチルシンコメロン酸
- 2-メチル-6-プロピルシンコメロン酸
- 6-イソプロピル-2-メチルシンコメロン酸
- 6-tert-ブチル-2-メチルシンコメロン酸
- 1,4-ジメチル-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸
- 1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3,8-キノリンジカルボン酸
- 1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3,6-キノリンジカルボン酸
- 1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3,7-キノリンジカルボン酸
- 3,7-ジメチル-2,8-ジフェニルピリド[3,2-g]キノリン-4,6-ジカルボン酸
- 8-メチル-2,3-キノリンジカルボン酸
- 3-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]スルホニル]-2,5-チオフェンジカルボン酸
- 4-(アセチルアミノ)-2,3-チオフェンジカルボン酸
- 2,5-ピリジンジカルボン酸
- 2,6-ピリジンジカルボン酸
- 2,4-チオフェンジカルボン酸
- 2,5-チオフェンジカルボン酸
- 1,4-ピラン-2,6-ジカルボン酸
(iii)
- リバル酸
- グルカル酸
- キシラル酸
- アラビナル酸
- マンナル酸
- イダル酸
- アルトラル酸
- L-グルカル酸
- L-アラビナル酸
- アラル酸
- ガラクタル酸
- meso-酒石酸
- D-グルカル酸
- L-イダル酸
- ヘキサル酸
- 2,3-ジヒドロキシブタン二酸
- D-酒石酸
- DL-酒石酸
- D-グルカル酸
- 酒石酸
- テトラヒドロキシコハク酸
- 2-カルボキシ-2,3-ジデオキシ-D-マンノ-2-オクツロピラノソン酸
- メチル 3-デオキシ-D-アラビノ-2-ヘプツロピラノサル酸
- D-リキソ-2-ヘプツロピラノサル酸
- 2,6-アンヒドロ-L-グリセロ-L-ガラクトヘプタル酸
(iv)
- 1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸1,4-一無水物
- イタコン酸無水物
(v)
- 1,4-ジヒドロ-4-オキソ-2,6-ピリジンジカルボン酸
- 2,6-ピペリジンジカルボン酸
- 1H-ピロール-3,4-ジカルボン酸
- 4-アミノ-2,6-ジカルボン酸
- 1-メチル-1H-ピラゾール-3,4-ジカルボン酸
- 2,3-ピペリジンジカルボン酸
- 1-メチル-1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 2,4-チアゾリジンジカルボン酸
- 1-(フェニルメチル)-1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 5-アミノ-6-オキソ-2,3-ピペリジンジカルボン酸
- 5-アミノ-6-オキソ-2,4-ピペリジンジカルボン酸
- 5-アミノ-6-オキソ-2,3-ピペリジンジカルボン酸
- 5-アミノ-6-オキソ-[2S-(2α,4β,5α)]-2,4-ピペリジンジカルボン酸
- (2S,4R)-2,4-ピロリジンジカルボン酸
- (2S-cis)-2,4-ピロリジンジカルボン酸
- 2-アミノ-1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 2,5-ピロリジンジカルボン酸
- 4-アミノ-3,5-イソチアゾールジカルボン酸
- 1-メチル-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸
- 7-(ジエチルアミノ)-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3,4-ジカルボン酸
- 3,4-ジエチル-1H-ピロール-2,5-ジカルボン酸
- 1-フェニル-1H-ピロール-3,4-ジカルボン酸
- cis-2,3-ピペラジンジカルボン酸
- 2,3-ピペラジンジカルボン酸
- 2,5-ピペラジンジカルボン酸
- 2,6-ピペラジンジカルボン酸
- 2-アミノ-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 2-メチルピロール-3,4-ジカルボン酸
- 4-(メチルアミノ)-2,6-ピリジンジカルボン酸
- 2-アミノ-6-メチル-3,4-ピリジンジカルボン酸
- 5-アミノ-2-メチル-3,4-ピリジンジカルボン酸
- 2-アミノ-6-メチル-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 2,5-ジメチルピロール-3,4-ジカルボン酸
- 2-アミノ-6-ヒドロキシ-3,5-ピリジンジカルボン酸
- 2,4-ピロリジンジカルボン酸
- 1H-インドール-2,4-ジカルボン酸
- 1H-インドール-2,6-ジカルボン酸
- 1H-インドール-2,5-ジカルボン酸
- 5-フェニル-2,4-ピロリジンジカルボン酸
- 5-メチル-2,4-ピロリジンジカルボン酸
- trans-2,4-アゼチジンジカルボン酸
- cis-2,4-アゼチジンジカルボン酸
- 3,5-ピペリジンジカルボン酸
- 2,3-ピロリジンジカルボン酸
- 2,3-アゼチジンジカルボン酸
- 3,4-ピロリジンジカルボン酸
- 2,3-ジヒドロ-6H-1,4-ジオキシノ[2,3-c]ピロール-5,7-ジカルボン酸
- 1H-イミダゾール-2,4-ジカルボン酸
- 1-ブチル-1H-ピロール-2,3-ジカルボン酸
- 3-アミノ-1-オキシド-2,4-ピリジンジカルボン酸
- 2,3-ジヒドロ-5-フェニル-1H-ピロリジン-6,7-ジカルボン酸
- 3a,4,5,9b-テトラヒドロ-3H-シクロペンタ[c]キノリン-4,6-ジカルボン酸
- 3a,4,5,9b-テトラヒドロ-3H-シクロペンタ[c]キノリン-4,8-ジカルボン酸
- 2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸
- 5-アミノ-6-メチルルチジン酸
- 1H-インドール-3,7-ジカルボン酸
- 3,3-ジメチル-2,6-ピペリジンジカルボン酸
- 1-ブチル-2,5-ピロリジンジカルボン酸
- 1H-インドール-4,6-ジカルボン酸
- 1-(フェニルメチル)-3,4-ピロリジンジカルボン酸
- 3-(カルボキシメチル)-1H-インドール-2,6-ジカルボン酸
- 3,4-ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロール-2,5-ジカルボン酸
- 9-ヘキシル-9H-カルバゾール-3,6-ジカルボン酸
- 3-メチル-5-(1-ピペラジニルスルホニル)-2,4-チオフェンジカルボン酸
- 2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-5,7-ジカルボン酸
- 2,3-ジメチル-1H-インドール-4,6-ジカルボン酸
- 7-アミノ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-3,6-キノリンジカルボン酸
- 5-アミノ-3-メチル-2,4-チオフェンジカルボン酸
- (m-トリルイミノ)二酢酸
- (o-トリルイミノ)二酢酸
- D-シスタチオニン
- フェネチルイミノ二酢酸
- 2-ベンジル-2,2'-イミノ二酢酸
- L-α-グルタミル-L-アラニル-L-アラニン
- N,N'-ジベンジルエチレンジアミン二酢酸
- N-L-γ-グルタミル-D-アラニン
- グリシル-L-グルタミルグリシン
- N-(カルボキシメチル)-N-(テトラヒドロ-1,1-ジオキシド-3-チエニル)グリシン
- N-(2-カルボキシエチル)-N-フェニル-β-アラニン
- N-(カルボキシメチル)-N-オクチルグリシン
- N-(tert-ブトキシカルボニル)イミノ二酢酸
- N-(カルボキシメチル)-L-アラニン
- N-(6-アミノヘキシル)-N-(カルボキシメチル)グリシン
- N-(カルボキシメチル)-N-テトラデシルグリシン
- N-(1-カルボキシエチル)-D-アラニン
- N-(カルボキシメチル)-D-アラニン
- デシルイミノ二酢酸
- 3,3'-(ジメチルヒドラゾノ)ビスプロパン酸
- N-(カルボキシメチル)-N-[2-(2,6-ジオキソ-4-モルホリニル)-エチル]グリシン
- N-α-アスパルチルグリシン
- N-β-アスパルチルグリシン
- N-L-α-アスパルチル-β-アラニン
- 3,4-キシリルアミノ-N,N-二酢酸
- N-(1-カルボキシエチル)アラニン
- N-(カルボキシメチル)アラニン
- N,N'-メチレンビスグリシン
- N-(アミノメチル)-N-(カルボキシメチル)グリシン
- 2,2'-(メチルヒドラゾノ)ビス酢酸
- N-(2-カルボキシエチル)-N-(4-メチルフェニル)-β-アラニン
- N-(2-カルボキシエチル)-N-(3-メチルフェニル)-β-アラニン
- 3-[(カルボキシメチル)アミノ]アラニン
- D-α-アスパルチル-D-アラニン
- N-(2-カルボキシエチル)-N-(1-オキソヘキサデシル)-β-アラニン
- N-(2-カルボキシエチル)-N-(1-オキソデシル)-β-アラニン
- N-(2-カルボキシエチル)-N-(1-オキソテトラデシル)-β-アラニン
- アミノ[(カルボキシメチル)チオ]酢酸
- N,N'-1,6-ヘキサンジイルビス-β-アラニン
- N-(カルボキシメチル)-N-フェニル-β-アラニン
- N-(1-カルボキシエチル)-L-アラニン
- L-グルタミン酸
- L-アスパラギン酸
【0063】
単独でまたは混合物として、下記のトリカルボン酸及びテトラカルボン酸、及びこれらの無水物をもまた挙げることができる:
- 3,3',3''-[1,2,3-プロパントリイルトリス(オキシ)トリス-プロパン酸
- ピラジントリカルボン酸
- 4-(3-カルボキシフェニル)-2,5-ピリジンジカルボン酸
- 3-(カルボキシメチル)-2,4-キノリンジカルボン酸
- 3-(カルボキシメチル)-1H-インドール-2,5-ジカルボン酸
- 3-C-カルボキシ-2-デオキシ-D-トレオペンタル酸
- ヒドロキシクエン酸
- D-グルコピラヌロノシル-D-アラビノ-2-ヘクスロフラノシダル酸
- 2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸
- N,N'-1,2-エタンジイルビス[N-(カルボキシメチル)-β-アラニン
- L-α-アスパルチル-L-アスパラギン酸
- 4-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]安息香酸
- 7-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]ヘプタン酸
- N-(2-カルボキシエチル)アスパラギン酸
- 3-[ビス(2-カルボキシエチル)アミノ]安息香酸
- 4-[ビス(2-カルボキシエチル)アミノ]安息香酸。
【0064】
好ましくは、6,6'-[(1,2-ジオキソ-1,2-エタンジイル)ジイミノ]ビス-へキサン酸、2,2'-スルフィニルビス-酢酸、4,13-ジオキソ-3,5,12,14-テトラアザヘキサデカン二酸、ポリ(エチレングリコール)ジスクシネート、ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル、8-[(カルボキシメチル)アミノ]-8-オキソ-オクタン酸、2,2'-[メチレンビス(スルホニル)]ビス-酢酸、4,4'-(1,6-ヘキサンジイルジイミノ)ビス[4-オキソ-ブタン]酸、4,9-ジオキソ-3,5,8,10-テトラアザドデカン二酸、4-[(1-カルボキシエチル)アミノ]-4-オキソ-ブタン酸、6-[(3-カルボキシ-1-オキソプロピル)アミノ]へキサン酸、N,N'-(1,6-ジオキソ-1,6-ヘキサンジイル)ビス-グリシン、N,N'-(1,3-ジオキソ-1,3-プロパンジイル)ビス-グリシン、4,7,9,12-テトラオキサペンタデカン二酸、4-ピラノン-2,6-ジカルボン酸、2,5-ピラジン-ジカルボン酸、1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸、2,6-ピラジンジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸、2,3-フランジカルボン酸、2,5-ジフェニル-3,4-フランジカルボン酸、2-メチル-3,4-フランジカルボン酸、D-酒石酸、DL-酒石酸、L-酒石酸、ガラクタル酸、D-グルカル酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,5-ピロリジンジカルボン酸、1-フェニル-1H-ピロール-3,4-ジカルボン酸、2,4-ピロリジンジカルボン酸、5-フェニル-2,4-ピロリジンジカルボン酸、3,5-ピペリジンジカルボン酸、3,4-ピロリジンジカルボン酸、1-ブチル-2,5-ピロリジンジカルボン酸、1-(フェニルメチル)-3,4-ピロリジンジカルボン酸、N-(2-カルボキシエチル)-N-フェニル-β-アラニン、N-(カルボキシメチル)-N-オクチル-グリシン、N-(1-カルボキシエチル)-L-アラニン、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、N-(2-カルボキシエチル)-アスパラギン酸;及びこれらの混合物を使用することができる。
【0065】
最も特に好ましいのは、2,2'-スルフィニルビス-酢酸、2,2'-[メチレンビス(スルホニル)]ビス-酢酸、N,N'-(1,3-ジオキソ-1,3-プロパンジイル)ビス-グリシン、2,5-フランジカルボン酸、D-酒石酸、DL-酒石酸、L-酒石酸、ガラクタル酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、及びこれらの混合物である。
【0066】
少なくとも1個のカルボキシル基、特に1、2または3個のCOOH基を含むラクトンを使用することもまた可能である。好ましくは、ラクトンは、5から14個の炭素原子、特に6から13個、さらには6から12個の炭素原子を含む。
【0067】
下記のラクトンを、単独でまたは混合物として、最も特に挙げることができる:
- テトラヒドロ-2,2-ジメチル-5-オキソ-3-フランカルボン酸
- 4,7,7-トリメチル-3-オキソ-2-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸
- 4,6-ジメチル-2-オキソ-2H-ピラン-5-カルボン酸
- 2-オキソ-2H-ピラン-5-カルボキシ-2-ペンテン二酸
- 2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 2-オキソ-2H-ピラン-6-カルボン酸
- 1,3-ジヒドロ-3-オキソ-1-イソベンゾフランカルボン酸
- 4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 1-オキソ-1H-2-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 8-メトキシ-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 2-オキソ-1-オキサスピロ[4.5]デカン-4-カルボン酸
- 2-オキソ-2H-ピラン-3-カルボン酸
- 4-メチル-2-オキソ-2H-ピラン-6-カルボン酸
- 3-オキソ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン-2-カルボン酸
- テトラヒドロ-5-オキソ-2,3-フランジカルボン酸
- 1,3-ジヒドロ-3-オキソ-4-イソベンゾフランカルボン酸
- 1,3-ジヒドロ-1-オキソ-5-イソベンゾフランカルボン酸
- ヘキサヒドロ-2-オキソ-3,5-メタノ-2H-シクロペンタ[b]フラン-7-カルボン酸
- 6-メチル-2,4-ジオキソ-2H-ピラン-5-カルボン酸
- 1-オキソ-3-イソクロマンカルボン酸
- 2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-6-カルボン酸
- 6-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 2,5-ジヒドロ-4,5,5-トリメチル-2-オキソ-3-フランカルボン酸
- テトラヒドロ-5-オキソ-2-フェニル-3-フランカルボン酸
- テトラヒドロ-5-オキソ-4-プロピル-2-フロ酸
- 2-ブチル-2,3-ジデオキシペンタル酸
- 2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-7-カルボン酸
- 2-オキソ-1-オキサスピロ[4.4]ノナン-4-カルボン酸
- 4-エチルテトラヒドロ-5-オキソ-2-フロ酸
- 5-エチルテトラヒドロ-2,3-ジメチル-6-オキソ-2H-ピラン-2-カルボン酸
- 7-メトキシ-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸
- 2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-4-カルボン酸
- 2-オキソ-6-ペンチル-2H-ピラン-3-カルボン酸
- 7-オキソ-4-オキセパンカルボン酸
- 3-(カルボキシメチル)-2,3-ジデオキシペンタル酸
- 2,3-ジヒドロ-2-オキソ-7-ベンゾフランカルボン酸
- 1,3,4,5-テトラヒドロ-1-オキソ-2-ベンズオキセピン-7-カルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-3-オキソ-1H-2-ベンゾピラン-6-カルボン酸
- 2,3,4,5-テトラヒドロ-2-オキソ-1-ベンズオキセピン-7-カルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-1-オキソ-1H-2-ベンゾピラン-8-カルボン酸
- 1,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-2-ベンズオキセピン-9-カルボン酸
- 1,3,4,5-テトラヒドロ-3-オキソ-2-ベンズオキセピン-7-カルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-8-カルボン酸
- 1,3,4,5-テトラヒドロ-1-オキソ-2-ベンズオキセピン-9-カルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-1-オキソ-1H-2-ベンゾピラン-6-カルボン酸
- 3,4-ジヒドロ-3-オキソ-1H-2-ベンゾピラン-8-カルボン酸
- 2,3,4,5-テトラヒドロ-2-オキソ-1-ベンズオキセピン-9-カルボン酸
- イソクエン酸ラクトン
- 5-オキソ-2-テトラヒドロフランカルボン酸。
【0068】
好ましくは、テトラヒドロ-5-オキソ-2,3-フランジカルボン酸、1,3-ジヒドロ-3-オキソ-4-イソベンゾフランカルボン酸、1,3-ジヒドロ-1-オキソ-5-イソベンゾフランカルボン酸、テトラヒドロ-5-オキソ-2-フェニル-3-フランカルボン酸、イソクエン酸ラクトン、5-オキソ-2-テトラヒドロフランカルボン酸及びこれらの混合物を使用することができる。
【0069】
前記ポリカルボン酸及び/またはその環状無水物及び/またはラクトン、並びにこれらの混合物は、好ましくは、最終重縮合物の全重量の1から40重量%、さらには5から35重量%、特に10から30重量%、さらによりよくは14から25重量%に相当する。
【0070】
本発明の好ましい一実施形態において、芳香族モノカルボン酸は、(高融点及び低融点の)非芳香族モノカルボン酸のモル量以下のモル量で存在する;特に、芳香族モノカルボン酸のモル数と非芳香族モノカルボン酸の全モル数との間の比率は、好ましくは0.08と0.70との間、特に0.10と0.60との間、特に0.12と0.40との間である。
【0071】
このことが特に、リップスティックまたはファンデーションタイプの化粧用組成物を処方するために一般に使用される油性媒体に有利には可溶性であるポリマーを得ることを可能にすること;さらに、得られる皮膜はこのタイプの処方におけるその使用に関して十分な剛性及び可撓性を有する一方で、所望の通りの光沢及び光沢の持久力を有することが観察される。
【0072】
好ましくは、本発明の重縮合物は:
- 好ましくは最終重縮合物の全重量に対して10から30重量%、特に12から25重量%、さらによりよくは14から22重量%の量で存在する、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール;ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセロール、ジトリメチロールプロパン;キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、及び/またはトリグリセロールから、単独でまたは混合物として、選択される少なくとも1つのポリオール;
- 好ましくは最終重縮合物の全重量に対して22から80重量%、特に25から75重量%、さらによりよくは27から70重量%の量で存在する、デカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セロチン酸、ペトロセリニン酸、バクセン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸から、単独でまたは混合物として、選択される25℃以上の融点を有する少なくとも1つの非芳香族モノカルボン酸;
- 好ましくは最終重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%、特に0.5から32重量%、さらによりよくは1から30重量%の量で存在する、カプロン酸、カプリル酸、イソヘプタン酸、4-エチルペンタン酸、2-エチルへキサン酸、4,5-ジメチルへキサン酸、2-ヘプチルヘプタン酸、3,5,5-トリメチルへキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸;カプロレイン酸、オブツシリン酸、ウンデシレン酸、ドデシレン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、フィセテリン酸、ツズ酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸から、単独でまたは混合物として、選択される、25℃未満の融点を有する少なくとも1つの非芳香族モノカルボン酸;
- 好ましくは最終重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%、特に1から9.5重量%、さらには1.5から8重量%の量で存在する、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、4-tert-ブチル-安息香酸、1-メチル-2-ナフトエ酸、2-イソプロピル-1-ナフトエ酸から、単独でまたは混合物として、選択される少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;及び
- 好ましくは最終重縮合物の全重量に対して1から40重量%、特に10から30重量%、さらによりよくは14から25重量%の量で存在する、デカン二酸、ドデカン二酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、スベリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸;シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、2,2'-スルフィニルビス-酢酸、2,2'-[メチレンビス(スルホニル)]ビス-酢酸、N,N'-(1,3-ジオキソ-1,3-プロパンジイル)ビス-グリシン、2,5-フランジカルボン酸、D-酒石酸、DL-酒石酸、L-酒石酸、ガラクタル酸、及びこれらの混合物から、単独でまたは混合物として、選択される少なくとも1つのポリカルボン酸またはその無水物;
の反応によって得ることができる。
【0073】
好ましくは、本発明の重縮合物は、
- 最終重縮合物の全重量に対して10から30重量%、特に12から25重量%、さらによりよくは14から22重量%の量で存在する、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及びこれらの混合物から、単独でまたは混合物として、さらによりよくはペンタエリスリトール単独から選択される少なくとも1つのポリオール;
- 最終重縮合物の全重量に対して22から80重量%、特に25から75重量%、さらによりよくには27から70重量%の量で好ましくは存在する、ラウリン酸、パリミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びこれらの混合物から、単独でまたは混合物として、さらによりよくはステアリン酸単独から選択される少なくとも1つの非芳香族モノカルボン酸;
- 最終重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%、特に0.5から32重量%、さらによりよくは1から30重量%の量で好ましくは存在する、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸から、単独でまたは混合物として選択される、少なくとも1つの非芳香族モノカルボン酸;
- 最終重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%、特に1から9.5重量%、さらには1.5から8重量%の量で存在する、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、1-ナフトエ酸から、単独でまたは混合物として、さらによりよくは安息香酸単独から選択される少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;並びに
- 最終重縮合物の全重量に対して1から40重量%、特に10から30重量%、さらによりよくは14から25重量%の量で存在する、無水フタル酸及びイソフタル酸から、単独でまたは混合物として、さらによりよくはイソフタル酸単独から選択される、少なくとも1つのポリカルボン酸またはその無水物の1つ;
の反応によって得ることができる。
【0074】
本発明の好ましい一実施形態において、重縮合物は、モノマー/本記述において言及されるモノマーのカテゴリーから排他的に(またはそれ単独で)調製することができる。すなわち重縮合物は、追加的な他のモノマー/モノマーのカテゴリーを含まない;この場合、前記重縮合物は、したがって、10〜30重量%の、3から6個のヒドロキシル基を含むポリオール;22〜80重量%の、10〜32個の炭素原子を含み、かつ25℃以上の融点を有する、直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;0.1から35重量%の、6から32の炭素原子を含み、かつ厳密に25℃未満の融点を有する、直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;0.1から10重量%の、7〜11個の炭素原子を含み、場合によっては、1〜32個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により置換された芳香族モノカルボン酸;1から40重量%の、ヘテロ原子を含んでよい少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む、直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;及び/またはこのようなポリカルボン酸の環状無水物;及び/または少なくとも1つのCOOH基を含むラクトンにより排他的に(またはそれ単独で)構成される。
【0075】
好ましくは、本発明の重縮合物は:
- 1以上、特に2と30との間、さらによりよくは2.5と15との間の、重縮合物1g当たりの水酸化カリウムのmgで表される酸価;及び/または
- 30以上、特に30と120との間、さらによりよくは40と90との間の、重縮合物1g当たりの水酸化カリウムのmgで表されるヒドロキシル価;
を有する。
【0076】
これらの酸価及びヒドロキシル価は、通常の分析方法によって当業者には容易に測定できる。
【0077】
好ましくは本発明の重縮合物は、110℃で測定して、20と4000mPa.sとの間、特に30と3500mPa.sとの間、さらには40と3000mPa.sとの間、さらによりよくは50と2500mPa.sとの間の粘度を有する。この粘度は実施例の前に記載する方法により測定する。
【0078】
好ましくは本発明の重縮合物は、1500と300000との間、さらには2000と200000との間、特に3000と100000との間の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0079】
平均分子量は、考慮されるポリマーの溶解性に応じて、ゲル浸透クロマトグラフィーまたは光散乱によって決定してよい。
【0080】
さらに、重縮合物は、通常使用される化粧品用油性媒体、特に植物油、アルカン、脂肪エステル、脂肪アルコール、シリコーン油に、より特にイソドデカン、パールリーム、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、フェニルトリメチコン及び/またはC12〜C15アルキル安息香酸を含む媒体に、有利には可溶性である。
【0081】
表現、可溶は、ポリマーが、イソドデカン、パールリーム、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール及びC12〜C15アルキル安息香酸から選択される少なくとも1つの溶媒中において、少なくとも50重量%の量で70℃で、透明な溶液を形成することを意味するものと理解される。いくつかの化合物は、特定の応用分野においてさらに特に有利な溶解性、すなわち上記に記載の少なくとも1つの媒体中で、25℃で、少なくとも50重量%の量という溶解性を有する。
【0082】
本発明の重縮合物は、当業者によって通常使用されるエステル化/重縮合法によって調製されてよい。例証として、一般的な調製方法は下記のステップからなる:
- ポリオールと芳香族及び非芳香族モノカルボン酸とを混合するステップ;
- 前記混合物を不活性環境下で、最初に融点(通常110〜130℃)まで、次いで150℃と220℃との間の温度まで、モノカルボン酸が完全に消費される(酸価が1以下のときにこの状態が得られる)まで、好ましくは形成される水を絶えず蒸留しながら、加熱するステップ;及び次いで
- 場合によって、前記混合物を90℃と150℃との間の温度に冷却するステップ;
- ポリカルボン酸及び/または環状無水物及び/またはラクトンを、全て一度にまたは連続的に、添加するステップ;及び次いで
- 220℃以下、特に170℃と220℃との間の温度に、好ましくは形成される水を絶えず除去しながら、酸価、粘度、ヒドロキシル価及び溶解性に関して所望の特性が得られるまで、再び加熱するステップ。
【0083】
従来のエステル化触媒、例えばスルホン酸タイプのものを(特に1%と10%との間の重量濃度で)またはチタネートタイプのものを(特に5ppmと100ppmとの間重量濃度で)添加することが可能である。
【0084】
キシレンなどの不活性溶媒中で、及び/または水の除去を容易にするために減圧下で、完全にまたは部分的に反応を実施することもまた可能である。
【0085】
有利には、触媒も溶媒も使用しない。
【0086】
前記調製方法は、長時間にわたる加熱に関連して起こる可能性のある分解を制限するために、モノマーの全重量に対して特に0.01%と1%との間の重量濃度で、反応媒体に少なくとも1つの酸化防止剤を添加するステップを追加的に含んでよい。
【0087】
酸化防止剤は、一次タイプまたは二次タイプであってよく、ヒンダードフェノール、芳香族第二級アミン、有機リン化合物、硫黄化合物、ラクトン、アクリル化ビスフェノール;及びこれらの混合物から選択されてよい。
【0088】
特に好ましい酸化防止剤の中で、BHT、BHA、TBHQ、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシシンナメート、テトラキス-メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,2-メチルビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、特にCIBA社によりIRGANOX 1010の名称で市販されているもの;オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、特にCIBA社によりIRGANOX 1076の名称で市販されているもの;1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、特にMayzo of Norcross, Ga社によりBNX 3114の名称で市販されているもの;ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、特にCIBA社によりIRGAFOS 168の名称で市販されているもの;ジラウリルチオジプロピオネート、特にCIBA社によりIRGANOX PS800の名称で市販されているもの;ビス(2,4-ジ-tert-ブチル)ペンタエリスリトールジホスファイト、特にCIBA社によりIRGAFOS 126の名称で市販されているもの;ビス(2,4-ビス[2-フェニルプロパン-2-イル]フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリフェニルホスフィト、(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、特にGE Specialty Chemicals社によりULTRANOX 626の名称で市販されているもの;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、特にCIBA社によりIRGAFOS TNPPの名称で市販されているもの;N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロ-シンナムアミド)とトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェートとの1:1混合物、特にCIBA社によりIrganox B 1171の名称で市販されているもの;テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、特にCIBA社によりIRGAFOS P-EPQの名称で市販されているもの;ジステアリルチオジプロピオネート、特にCIBA社によりIRGANOX PS802の名称で市販されているもの;2,4-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、特にCIBA社によりIRGANOX 1520の名称で市販されているもの;4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、特にCIBA社によりIRGANOX 1726の名称で市販されているものを特に挙げることができる。
【0089】
本発明の重縮合物は、非常に有利には、組成物、特に化粧用または医薬用組成物において使用されてよく、組成物は、生理的に、特に化粧品または医薬品に、許容できる媒体、すなわち顔または身体の皮膚などの皮膚組織、及び毛髪、睫毛、眉毛及び爪などのケラチン物質と適合性のある媒体をさらに含む。
【0090】
組成物中に存在する重縮合物の量は、もちろん組成物のタイプ及び所望の特性に依存し、最終の化粧用または医薬用組成物の重量に対して、一般に0.1重量%と70重量%との間、好ましくは1重量%と50重量%との間、特に10重量%と45重量%との間、さらには20重量%と40重量%との間、さらによりよくは25重量%と35重量%との間で、非常に広い範囲にわたり変化してよい。
【0091】
次いで組成物は、想定される応用に応じて、このタイプの組成物のために通常使用される成分を含んでよい。
【0092】
本発明の組成物は、有利には、液体脂肪相を含んでよく、液体脂肪相は、本発明のポリマーの溶媒を構成してよく、かつ揮発性または不揮発性の炭含素系油、炭化水素油、フッ素系油及び/またはシリコーン油及び/または無機、動物、植物、または合成由来の溶媒から選択される少なくとも1つの化合物を、単独で、または均一で安定な混合物を形成し、想定される使用と適合性がある限りでは混合物として、含んでよい。
【0093】
表現「揮発性」は、本発明において、ケラチン物質または唇と接触した際に、室温(25℃)及び大気圧(1気圧)で1時間未満で蒸発する傾向のあるあらゆる化合物を意味するものと理解される。特にこの揮発性化合物は、室温及び大気圧で0ではない蒸気圧、特に0.13Paから40000Pa(10-3から300mmHg)の範囲、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)の範囲、より特に1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)の範囲の蒸気圧を有する。対照的に、表現「不揮発性」は、室温及び大気圧で、ケラチン物質または唇上に少なくとも1時間残留し、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する化合物を意味するものと理解される。
【0094】
好ましくは、本発明の組成物の生理的に許容できる媒体は、液体脂肪相中に、単独でまたは混合物として、下記から選択されてよい少なくとも1つの油及び/または溶媒を含んでよい:
1/ モノカルボン酸とモノアルコール及びポリアルコールとのエステル;有利には前記エステルはC12〜C15アルキル安息香酸であるかまたは次式:R'1-COO-R'2に相当し:
式中、R'1は、場合によって1つまたは複数のエチレン性二重結合を含み、場合によって置換され、かつ場合によってN及びOから選択される1つまたは複数のヘテロ原子及び/または1つまたは複数のカルボニル官能基によって炭化水素鎖を中断されていてよい、1から40個の炭素原子、好ましくは7から19個の炭素原子の直鎖状または分枝状アルキル基を表し、かつ
R'2は、場合によって1つまたは複数のエチレン性二重結合を含み、場合によって置換され、かつ場合によってN及びOから選択される1つまたは複数のヘテロ原子及び/または1つまたは複数のカルボニル官能基によって炭化水素鎖を中断されていてよい、1から40個の炭素原子、好ましくは3から30個の炭素原子、さらによりよくは3から20個の炭素原子の直鎖状または分枝状アルキル基を表す。
【0095】
表現「場合によって置換されていてもよい」は、R'1及び/またはR'2は、例えばO及び/またはNから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む基、例えばアミノ、アミン、アルコキシ、ヒドロキシル、から選択される1つまたは複数の置換基を有してよいことを意味するものと理解される。
【0096】
R'1基の例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オレオステアリン酸、アラキドン酸及びエルカ酸、並びにこれらの混合物から構成される群から選択される脂肪酸、好ましくは高級脂肪酸から誘導されるものである。好ましくはR'1は、4から14個の炭素原子、好ましくは8から10個の炭素原子の非置換分枝状アルキル基であり、かつR2は、5から15個の炭素原子、好ましくは9から11個の炭素原子の非置換分枝状アルキル基である。
【0097】
好ましくは、特に、その炭化水素鎖中に、N及びOからの1つまたは複数のヘテロ原子及び/または1つまたは複数のカルボニル官能基を場合によって取り込んだC8〜C48エステル;より特に、パーセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、C12〜C15アルコール安息香酸、ラウリン酸へキシル、アジピン酸ジイソプロピル;及びヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸またはリシノール酸のアルコールまたはポリアルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコールなどの脂肪アルコール、及びイソプロピルN-ラウロイルサルコシネート(特にAjinomoto社のEldew-205SL);乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのヒドロキシルエステル;及びペンタエリスリトールエステル;分枝状C8〜C16エステル、特にネオペンタン酸イソヘキシルを挙げることができる。
【0098】
2/ グリセロールの脂肪酸エステルで構成されるトリグリセリドを高含量で含む植物性炭化水素油であって、脂肪酸はC4からC24まで変化する鎖長を有してよく、これらの鎖は直鎖状または分枝状、飽和または不飽和であることが可能である;これらの油は特に、小麦胚芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、シアー油、ヒマシ油、スイートアーモンド油、マカダミア油、アプリコット油、ダイズ油、菜種油、綿実油、アルファルファ油、ケシ種子油、カボチャ種子油、ゴマ油、ウリ油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、またはブラックカラント種子油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、オリーブ油、ライムギ油、サフラワー油、ククイノキ油、トケイソウ油、ムスクローズ油、ホホバ油、パーム油、カロフィルム油;あるいはカプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearinerie Dubois社により市販されているもの、またはDynamit Nobel社により「Myglyol 810(登録商標)」、「Myglyol 812(登録商標)」及び「Myglyol 818(登録商標)」、の名称で市販されているものである。
【0099】
3/ C6〜C32、特にC12〜C26アルコール、特にモノアルコール、例えばオレイルアルコール、リノールアルコール、リノレンアルコール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオクチルドデカノール。
【0100】
4/ 合成または鉱物由来の、揮発性または不揮発性、直鎖状または分枝状の炭化水素油であって、5から100個の炭素原子を有する炭化水素油、特にワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばパールリーム、スクワラン、パーヒドロスクワレン、並びにこれらの混合物から選択されてよい。
【0101】
より特に直鎖状、分枝状及び/または環状のC5〜C48アルカン、好ましくは分枝状C8〜C16アルカン、例えば石油由来のC8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとも称する);特にデカン、ヘプタン、ドデカン、シクロヘキサン;及びイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカンを挙げることができる。
【0102】
5/ 揮発性または不揮発性シリコーン油;
揮発性シリコーン油として、直鎖状または環状揮発性シリコーン油、特に8センチストローク未満の粘度を有し、かつ、特に2から10個のケイ素原子を有するシリコーン油、これらのシリコーンは場合によって1から22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を含む;特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、メチルヘキシルジメチルシロキサン及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0103】
本発明に基づき使用することができる不揮発性シリコーン油は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、懸垂しているアルキルもしくはアルコキシ基及び/またはシリコーン鎖の末端にそれぞれ2から24個の炭素原子を有する基を含むポリジメチルシロキサン、フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートであってよい。
【0104】
好ましくは、本発明の組成物の生理的に許容できる媒体は、液体脂肪相中に、イソドデカン、パールリーム、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、フェニルトリメチコン、C12〜C15アルキル安息香酸及び/またはD5(デカメチルシクロペンタシロキサン)から選択される少なくとも1つの油及び/または溶媒を、単独でまたは混合物として、含む。
【0105】
液体脂肪相は、下記から選択されてよい追加的な油及び/または溶媒を、単独でまたは混合物として、追加的に含んでよい:
- フッ素系油、例えばパーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、例えばパーフルオロデカリン、パーフルオロダマンタン、パーフルオロアルキルリン酸のモノエステル、ジエステル及びトリエステル、並びにフッ素系エステル油;
- 動物由来の油;
- C6からC40、特にC10〜C40エーテル;室温で液体であるプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル;
- C8〜C32脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びこれらの混合物;
- エステル及び/またはアミドから選択される2つの官能基を含み、かつ、6から30個の炭素原子、特に8から28個の炭素原子、さらによりよくは10から24個の炭素原子並びにO及びNから選択される4個のヘテロ原子を含む二官能性油;好ましくはアミド及びエステル官能基は好ましくは鎖中に存在する;
- 室温(25℃)で液体であるケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトン;
- 室温で液体であるアルデヒド、例えばベンズアルデヒド、アセトアルデヒド。
【0106】
液体脂肪相は、組成物の1から90重量%、特に組成物の全重量の5から75重量%、特に10から60重量%、さらには25から55重量%に相当してよい。
【0107】
本発明の組成物は、有利には下記から特に選択されてよい増粘剤を含んでもよい:
- シリカ、特に疎水性シリカ、例えば文書EP-A-898960に記載されているもの、及び例えば「AEROSIL R812(登録商標)」の参照名でDegussa社により、「CAB-O-SIL TS-530(登録商標)」、「CAB-O-SIL TS-610(登録商標)」、「CAB-O-SIL TS-720(登録商標)」の参照名でCabot社により、「AEROSIL R972(登録商標)」、「AEROSIL R974(登録商標)」の参照名でDegussa社により市販されているもの;
- クレイ、例えばモンモリロナイト、ベントンなどの修飾クレイ、例えば、ステアルアルコニウムヘクトライト、ステアルアルコニウムベントナイト;
- ポリサッカリドのアルキルエーテル(特にそのアルキル基が1から24個の炭素原子、好ましくは1から10個、さらによりよくは1から6個、より特に1から3個の炭素原子を含む)、例えば文書EP-A-898958に記載されたものなど。
【0108】
本発明の組成物における増粘剤の量は、組成物の全重量に対して0.05から40重量%、好ましくは0.5から20重量%、さらによりよくは1から15重量%の範囲であってよい。
【0109】
本発明の組成物は、植物、動物、鉱物または合成由来の少なくとも1つのワックス、さらにはシリコーンワックスをもまた含んでよい。
【0110】
特に、単独でまたは混合物として、炭化水素ワックス、例えばミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリクリーワックス、モクロウ、コルクファイバーワックスまたはサトウキビワックス;パラフィンワックス、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス;ラノリンワックス;モンタンロウ;オゾケライト;ポリエチレンワックス;フィッシャートロプシュ合成により得られるワックス;25℃で固体である水添油、脂肪エステル及びグリセリドを挙げることができる。シリコーンワックスを使用することもまた可能であり、中でもアルキルポリメチルシロキサン、アルコキシポリメチルシロキサン及び/またはポリメチルシロキサンエステルを挙げることができる。
【0111】
本発明の組成物におけるワックスの量は、組成物の全重量に対して0.1から70重量%、好ましくは1から40重量%、さらによりよくは5から30重量%の範囲であってよい。
【0112】
本発明の組成物は、粉体化合物、例えば顔料、フィラー、真珠光沢剤及びグリッター、及び/または脂溶性または水溶性着色剤から選択される1つまたは複数の着色物質をもまた含んでよい。
【0113】
着色物質、特に粉体着色物質は、組成物の重量に対して0.01から50重量%、好ましくは0.1から40重量%、さらには1から30重量%の量で組成物中に存在してよい。
【0114】
表現、顔料は、白色または有色の、無機または有機の、生理的媒体に不溶性の、組成物を着色するよう意図された、いずれかの形状の粒子を意味するものと理解すべきである。
【0115】
表現、真珠光沢剤は、特にある種の軟体動物が貝殻の内部で産生する、または合成の、いずれかの形状の虹色粒子を意味するものと理解すべきである。
【0116】
顔料は、白色または有色でも、無機及び/または有機でも、干渉性または非干渉性でもよい。無機顔料の中では、場合によって表面処理をした二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、並びに酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット、グンジョウ、クロム水和物並びにコンジョウを挙げることができる。有機顔料の中では、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料並びにカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウムまたはアルミニウムベースのラッカーを挙げることができる。
【0117】
真珠光沢顔料は、白色真珠光沢顔料、例えばチタンまたはオキシ塩化ビスマスで被覆したマイカ、有色真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆したマイカチタン、特にコンジョウ、酸化クロムで被覆したマイカチタン、前述のタイプの有機顔料で被覆されたマイカチタン及びオキシ塩化ビスマス系の真珠光沢顔料から選択されてよい。
【0118】
フィラーは無機または有機で、ラメラ状または球状であってよい。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン及びポリエチレンパウダー、ポリ-β-アラニン及びポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、ラウロイルリシン、デンプン、窒化ホウ素、テトラフルオロエチレンポリマーパウダー、中空マイクロスフェア、例えばExpancel(Nobel Industrie)、ポリトラップ(Dow Corning)及びシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば、Toshiba社のTospearls)、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(MAPRECOS社のSILICA BEADS)、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、8から22個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石けん、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0119】
脂溶性着色剤は、例えばスーダンレッド、DC Red 17、DC Green 6、β-カロチン、ダイズ油、スーダンブラウン、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、キノリンイエローである。脂溶性着色剤は、組成物の重量の0.01から20%、さらによりよくは0.1から6%に相当してよい。
【0120】
水溶性着色剤は、例えばビートルートジュース、メチレンブルーであり、組成物の全重量の0.01から6%に相当してよい。
【0121】
組成物は、化粧用組成物に一般的に使用される他の成分を追加的に含んでよい。このような成分は、酸化防止剤、香料、精油、防腐剤、化粧用活性剤、保湿剤、ビタミン、セラミド、サンスクリーン、界面活性剤、展延剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、中和剤、安定剤、ポリマー、特に脂溶性皮膜形成性ポリマー、及びこれらの混合物から選択されてよい。
【0122】
もちろん、当業者であれば、本発明に基づく使用のための組成物の有利な特性が、想定される添加により全く、またはほとんど、悪影響を受けることがないように、これらの場合によって添加する化合物及び/またはその量を注意深く選択するであろう。
【0123】
本発明の組成物は、化粧用または医薬用組成物に許容できかつ一般的なあらゆる形態で提供されてよい。
【0124】
組成物は、したがって、サスペンジョン、ディスパージョン、特にベシクルによる水中油型ディスパージョン;場合によって増粘され、さらにはゲル化された有機または油性溶液;水中油型、油中水型、または多相エマルション;ゲルまたはフォーム;油性または乳化ゲル;ベシクル、特に脂質ベシクルのディスパージョン;二相または多相ローション;スプレー;ローション、クリーム、軟膏剤、ソフトペースト、軟膏、成型または流し込み成型固形物、特にスティックとしてまたはディッシュに入れたもの、または圧縮固形物の形態で提供されてよい。
【0125】
当業者であれば、一方で使用される成分の性質、特に担体中での溶解性を、他方で組成物に対して想定される応用を考慮に入れて、一般的知識に基づき適切な剤形、及びその調製方法を選択できるであろう。
【0126】
本発明の組成物は、当技術分野の状態と比較して改良された光沢及び前記光沢の持久力を有する。本発明の組成物は、毛髪、皮膚、睫毛、眉毛、爪、唇、頭皮などのケラチン物質のケアまたはメークアップ、より特に唇、睫毛、及び/または顔のメークアップのために使用することができる。
【0127】
本発明の組成物は、したがって、身体または顔の皮膚、唇、睫毛、眉毛、毛髪、頭皮または爪用のケア及び/またはメークアップ製品;日焼け止めまたはセルフタンニング製品;特に毛髪を染色、コンディショニング及び/またはケアするためのヘア用製品の形態で提供されてよい;有利には、マスカラ、リップスティック、リップグロス、頬紅またはアイシャドウあるいはファンデーションの形態で提供される。
【0128】
本発明の課題は、また、ケラチン物質、特に身体または顔の皮膚、唇、爪、毛髪及び/または睫毛の美容トリートメントのための、前記に定義の化粧用組成物の前記物質への適用を含む、方法でもある。
【0129】
本発明に基づくこの方法は、本発明のリップスティックまたはリップグロス組成物を適用することにより、特に唇のケアまたはメークアップを可能にする。
【0130】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に例証される。
【0131】
粘度の測定方法
ポリマーの80℃または110℃での粘度を、BROOKFIELD CAP 1000+タイプのコーン-プレート粘度計によって測定する。
【0132】
適切なコーン-プレートは、当業者によりその一般的知識、特に:
- 50と500mPa.sとの間、コーン02を使用することができる
- 500と1000mPa.sとの間:コーン03
- 1000と4000mPa.sとの間:コーン05
- 4000と10000mPa.sとの間:コーン06
に基づいて決定される。
【実施例】
【0133】
<実施例1:ペンタエリスリチルベンゾエート/イソフタレート/イソステアレート/ステアレートの合成>
20gの安息香酸、210gのステアリン酸、70gのイソステアリン酸及び100gのペンタエリスリトールを、機械的攪拌装置、アルゴン注入及び蒸留システムを備えた反応器に入れ、次いで混合物を穏やかなアルゴン気流下で、110〜130℃に徐々に加熱し、均一な溶液を得る。次いで温度を徐々に180℃に上昇させ、この温度を約2時間維持する。温度をさらに220℃に上昇させ、1以下の酸価が得られるまでそれを維持する。これには約11時間かかる。混合物を100℃と130℃との間の温度に冷却し、次いで100gのイソフタル酸を加え、混合物を再び220℃まで徐々に、約11時間加熱する。
【0134】
このようにして、450gのペンタエリスリチルベンゾエート/イソフタレート/イソステアレート/ステアレート重縮合物が、非常に濃厚な油の形態で得られる。
【0135】
重縮合物は、下記の特徴を有する。
- 70℃で、パールリームに、50重量%溶解
- 酸価=7.1
- η110℃=850mPa.s
- Mw=28500
- 芳香族モノカルボン酸のモル数と非芳香族モノカルボン酸のモル数との比率:0.166。
【0136】
<実施例2:ペンタエリスリチルベヘネート/ベンゾエート/イソフタレート/イソステアレートの合成>
20gの安息香酸、140gのベヘン酸、140gのイソステアリン酸及び100gのペンタエリスリトールを、機械的攪拌装置、アルゴン注入及び蒸留システムを備えた反応器に入れ、次いで混合物を穏やかなアルゴン気流下で、110〜130℃に徐々に加熱し、均一な溶液を得る。次いで温度を徐々に180℃に上昇させ、この温度を約2時間維持する。温度をさらに220℃に上昇させ、1以下の酸価が得られるまでそれを維持する。これには約11時間かかる。混合物を100℃と130℃との間の温度に冷却し、次いで100gのイソフタル酸を加え、混合物を再び220℃まで徐々に、約11時間加熱する。
【0137】
このようにして、440gのペンタエリスリチルベヘネート/ベンゾエート/イソフタレート/イソステアレート重縮合物が、非常に濃厚な油の形態で得られる。
【0138】
重縮合物は、下記の特徴を有する。
- 70℃で、パールリームに、50重量%溶解
- 酸価=4.2
- η110℃=2050mPa.s
- 芳香族モノカルボン酸のモル数と非芳香族モノカルボン酸のモル数との比率:0.181。
【0139】
<実施例3>
前記の実施例と同様な方法で、下記の重縮合体を調製する(%の値は、重量%である):
【0140】
【表1】

【0141】
<実施例4>
下記の組成を有するリップスティックを調製した:
- 実施例Cの重縮合物 30g
- ポリエチレンワックス 11g
- 顔料及びフィラー 7g
- パールリーム(水添イソパラフィン) 全量で100g
【0142】
<実施例5>
下記の組成を有するリップスティックを調製した:
- 実施例Dの重縮合物 30g
- ポリエチレンワックス 11g
- 顔料及びフィラー 7g
- パールリーム(水添イソパラフィン) 全量で100g
【0143】
<実施例6>
下記の組成を有するリップスティックを調製する:
- 実施例1の重縮合物 10g
- ポリエチレンワックス 11g
- 顔料及びフィラー 7g
- パールリーム(水添イソパラフィン) 全量で100g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 重縮合物の全重量に対して10から30重量%の、3から6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール;
- 重縮合物の全重量に対して22から80重量%の、10から32個の炭素原子を含み、かつ25℃以上の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%の、6から32の炭素原子を含み、かつ厳密に25℃未満の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%の、7から11個の炭素原子を含み、場合によって、1から32個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換されていてもよい、少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して1から40重量%の、ヘテロ原子を含んでよい少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;並びに/あるいはそのようなポリカルボン酸の環状無水物;並びに/あるいは少なくとも1つのCOOH基を含むラクトン;
の反応によって得ることができる少なくとも1つの重縮合物を、化粧品または医薬品に許容できる媒体中に含む、化粧用または医薬用組成物。
【請求項2】
ポリオールが、単独でまたは混合物として:
- トリオール、例えば1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロールなど;
- テトラオール、例えばペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセロールまたはジトリメチロールプロパンなど;
- ペントール、例えばキシリトールなど;
- ヘキソール、例えばソルビトール及びマンニトールなど;あるいはジペンタエリスリトールまたはトリグリセロール;
から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリオールまたはポリオールの混合物が、重縮合物の全重量の12から25重量%、さらによりよくは14から22重量%に相当する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
25℃以上の融点を有する非芳香族モノカルボン酸が、単独でまたは混合物として:
- 飽和モノカルボン酸、例えばデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セロチン(ヘキサコサン)酸など;
- 不飽和だが非芳香族のモノカルボン酸、例えばペトロセリニン酸、バクセン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸など;
から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
25℃以上の融点を有する非芳香族モノカルボン酸または前記酸の混合物が、重縮合物の全重量の25から75重量%、さらには27から70重量%、さらによりよくは28から65重量%に相当する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
25℃未満の融点を有する非芳香族モノカルボン酸が、単独でまたは混合物として:
- 飽和モノカルボン酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、イソヘプタン酸、4-エチルペンタン酸、2-エチルへキサン酸、4,5-ジメチルへキサン酸、2-ヘプチルヘプタン酸、3,5,5-トリメチルへキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸など;
- 不飽和だが非芳香族のモノカルボン酸、例えばカプロレイン酸、オブツシリン酸、ウンデシレン酸、ドデシレン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、フィセテリン酸、ツズ酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸など
から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
25℃未満の融点を有する非芳香族モノカルボン酸または前記酸の混合物が、重縮合物の全重量の0.5から32重量%、さらには1から30重量%、さらによりよくは2から28重量%に相当する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
芳香族モノカルボン酸が、単独でまたは混合物として、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、4-tert-ブチル安息香酸、1-メチル-2-ナフトエ酸、2-イソプロピル-1-ナフトエ酸から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
芳香族モノカルボン酸または前記酸の混合物が、重縮合物の全重量の0.5から9.95重量%、特に1から9.5重量%、さらによりよくは1.5から8重量%に相当する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ポリカルボン酸、その無水物、またはラクトンが、単独でまたは混合物として:
- 2から50個の炭素原子を含む飽和または不飽和の、さらには芳香族の、直鎖状、分枝状、及び/または環状のポリカルボン酸であって、前記酸は、少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含み;かつ、場合によっては1から10個のヘテロ原子を含むことができ、ヘテロ原子は同一でも異なっていてもよく、O、N及びSから選択され;かつ/または場合によっては-CF2-(2価)または-CF3から選択される少なくとも1つのパーフルオロ化された基を含むことができるポリカルボン酸;及びこれらの無水物;
- O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個のヘテロ原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和鎖を有し、かつ/または少なくとも1つのパーフルオロ化された基-CF2-または-CF3を含み、かつ少なくとも2個のカルボキシル基COOHをさらに有するポリカルボン酸;及びこれらの無水物;
- O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個のヘテロ原子、及び少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む飽和または不飽和の、さらには芳香族の複素環式ポリカルボン酸;及びこれらの無水物;
- 特にアルドースの酸化により得られる傾向があり、かつ少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む、糖から誘導されるポリカルボン酸;及びこれらの無水物;
- 無水イタコン酸及び1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸の1,4-一無水物;
- (複素環式を含む)ポリカルボキシルアミノ酸、すなわち、O、N及び/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、特に、同一でも異なっていてもよい1から10個のヘテロ原子を場合によって含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の飽和または不飽和鎖を有し、かつ/または少なくとも1つのパーフルオロ化された基-CF2-または-CF3を場合によって含み;かつ、少なくとも1つの第一級、第二級または第三級アミン官能基を追加的に含み、かつ、少なくとも2個のカルボキシル基COOHをさらに有するポリカルボキシルアミノ酸;及びこれらの無水物;
- 1、2または3個のCOOH基、及び5から14個の炭素原子、特に6から13個、さらには6から12個の炭素原子を含むラクトン;
から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ポリカルボン酸及び/またはその環状無水物及び/またはラクトンが、最終重縮合物の全重量の5から35重量%、特に10から30重量%、さらによりよくは14から25重量%に相当する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
重縮合物が、最終化粧用または医薬用組成物の重量に対して、0.1重量%と70重量%との間、好ましくは1重量%と50重量%との間、特に10重量%と45重量%との間、さらには20重量%と40重量%との間、さらによりよくは25重量%と35重量%との間の量で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
身体または顔の皮膚、唇、睫毛、眉毛、毛髪、頭皮または爪用のケア及び/またはメークアップ製品;日焼け止めまたはセルフタンニング製品;特に毛髪を染色、コンディショニング及び/またはケアするためのヘア用製品の形態で提供される、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ケラチン物質、特に身体または顔の皮膚、唇、爪、毛髪及び/または睫毛の美容トリートメントのための方法であって、請求項1から13のいずれか一項に記載の化粧用組成物の前記ケラチン物質への適用を含む方法。
【請求項15】
- 重縮合物の全重量に対して10から30重量%の、3から6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール;
- 重縮合物の全重量に対して22から80重量%の、10から32個の炭素原子を含み、かつ25℃以上の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から35重量%の、6から32の炭素原子を含み、かつ厳密に25℃未満の融点を有する、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の非芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して0.1から10重量%の、7から11個の炭素原子を含み、場合によって、1から32個の炭素原子を含む直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の1から3個のアルキル基により追加的に置換されていてもよい、少なくとも1つの芳香族モノカルボン酸;
- 重縮合物の全重量に対して1から40重量%の、ヘテロ原子を含んでよい少なくとも2個のカルボキシル基COOHを含む、少なくとも1つの直鎖状、分枝状、及び/または環状の、飽和または不飽和の、さらには芳香族のポリカルボン酸;並びに/あるいはそのようなポリカルボン酸の環状無水物;並びに/あるいは少なくとも1つのCOOH基を含むラクトン;
の反応によって得ることができる重縮合物。
【請求項16】
- ポリオールと芳香族及び非芳香族モノカルボン酸とを混合するステップ;
- 前記混合物を、不活性環境下で、最初に融点まで、次いで150℃と220℃との間の温度まで、モノカルボン酸が完全に消費されるまで加熱するステップ;
- 場合によって、前記混合物を90℃と150℃との間の温度に冷却するステップ;
- ポリカルボン酸及び/または環状無水物及び/またはラクトンを添加するステップ;及び次いで
- 220℃以下の温度に再び加熱するステップ;
を含む、請求項15に記載の重縮合物の調製方法。

【公開番号】特開2009−1573(P2009−1573A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−162514(P2008−162514)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】