説明

野菜苗移植機

【課題】苗トレイ36の苗を取り出す苗取出装置Aを駆動する伝動装置の構成を工夫することにより、機体全体をコンパクトにした野菜移植機を提供すること。
【解決手段】多数の苗収容体29が機体平面視で機体左右方向に長円形状の軌跡で周回して苗植付装置Bに苗を供給する苗供給装置32と、多数の苗ポット69が配置された苗トレイ36を搬送する苗トレイ搬送装置Cと、前記苗トレイ36の苗を取り出し前記苗収容体29に苗を供給する苗取出装置Aとを設け、苗取出装置Aに動力を伝導する回転軸53aを前記苗供給装置32あるいは苗植付装置Bに動力を伝達する伝達装置12から延設し、前記苗供給装置32の周回軌跡の内側を下方から上方に向かって通過して設けた野菜苗移植機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪等の走行推進体で機体を推進させながら苗を植付ける全自動野菜苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行車体に嘴状の苗植付装置と、多数の苗カップが長円形状の軌跡で周回して苗植付装置に苗を供給する苗供給装置に、多数の苗ポットを形成する苗トレイの苗を前記苗供給装置に供給する野菜移植機が知られている。
【0003】
この野菜移植機は、苗トレイの苗を苗供給装置の苗カップに供給するには、苗取出装置の苗保持針で苗ポットの苗床を刺して苗を引き抜き苗カップに落下供給する構成である。
【特許文献1】特開2002−360013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記野菜移植機は、苗取出装置を駆動する伝動装置を苗供給装置の周回軌跡の外側を迂回して構成しているので、機体全体が大きくなるという欠点が生じていた。
【0005】
本発明の課題は、苗トレイの苗を取り出す苗取出装置を駆動する伝動装置の構成を工夫することにより、機体全体をコンパクトにした野菜苗移植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、苗を植え付ける苗植付装置(B)と、多数の苗収容体(29)が機体平面視で機体左右方向に長円形状の軌跡で周回して苗植付装置(B)に苗を供給する苗供給装置(32)と、多数の苗ポット(69)を備えた苗トレイ(36)を搬送する苗トレイ搬送装置(C)と、前記苗トレイ(36)の苗を取り出し前記苗収容体(29)に苗を供給する苗取出装置(A)とを設け、前記苗取出装置(A)に動力を伝動する回転軸(53a)は前記苗供給装置(32)あるいは苗植付装置(B)に動力を伝達する伝動装置(12)から延設し、前記苗供給装置(32)の周回軌跡の内側を下方から上方に向かって通過して設けた野菜苗移植機である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記苗取出装置(A)は、前記苗供給装置32の周回軌跡の内側に配置した請求項1記載の野菜苗移植機である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、苗取出装置(A)に動力を伝達する回転軸(53a)を苗供給装置(32)の周回軌跡の内側の空間を利用して通過させることで、野菜苗移植機全体をコンパクトに形成することができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明に対して苗取出装置(A)を苗供給装置(32)の周回軌跡の内側の空間を利用して配置することで、野菜苗移植機全体をさらにコンパクトに形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例の野菜苗移植機を図面と共に説明する。
以下の実施例では野菜苗移植機の前進方向に向かって左、右をそれぞれ左、右方向といい、前進方向、後進方向をそれぞれ前、後方向という。
【実施例1】
【0011】
本発明の一実施例である乗用型苗植機の側面図を図1に、平面図を図2に示し、苗植装置3の部分側面図を図3に、苗植装置3の動力伝動系を図4に示す。
操縦者が搭乗する乗用型の走行車体1の後側に昇降リンク装置2を介して昇降動可能に苗植装置3を装着した構成のものである。
【0012】
走行車体1は、機体フレーム4上に設置したエンジンと、機体フレーム4の前端に固着したミッションケース5と、該ミッションケース5の左右両側に該ケース5に固着の前輪伝動フレーム6,6を介して設けた操舵用の前輪7,7と、機体フレーム4の後端に装着した後輪フレーム8aの左右両側に後輪伝動ケース8,8を介して設けた後輪9,9を備えている。
【0013】
エンジンの動力は、走行車輪7,7;9,9と苗植装置3と油圧ポンプに伝動する。まず、エンジンの出力軸の回転がベルト伝動装置等の伝動手段を介して油圧ポンプの駆動軸に伝動し、続いてミッションケース5の入力軸に伝動し、ミッションケース5内の伝動機構を経由して左右の前輪7,7と左右の後輪9,9に伝動する構成としている。また、ミッションケース5から取出した動力を、第一伝動軸10を介して車体後部側に伝動し、更に、ユニバーサルジョイントを介して第二伝動軸11に伝動し、該第二伝動軸11の後端部を苗植装置3の伝動ケース12の入力軸13とユイバーサルジョイントを介して連結して、苗植装置3に伝動する構成としている。
【0014】
走行車体1の上側には、操縦者が搭乗したときのフロアとなる面を上面側に有する車体カバー14を装着し、また、エンジンの上側を覆うカバー部上に操縦席15を設置している。その操縦席15の前方には、前輪7,7を上下方向の軸回りに回動操作する操縦ハンドル16を設けている。また、操縦ハンドル16の周辺には、機体操縦のための各種操作具が配置されている。
苗植付位置の後方には、各植付部に左右一対の鎮圧輪80、80が設けられている。
【0015】
昇降リンク装置2は、アッパーリンク17とロワーリンク18,18の各前端部を、機体フレーム4の後端部に固着した上方に延びるリンク支持フレーム19に上下回動自在に取り付け、各後端部を連結リンク20に回動自在に連結した構成であり、連結リンク20と植付部フレーム12aとを前後方向軸心に回動自在の連結軸21で連結して、昇降リンク装置2に苗植装置3をローリング自在に連結する構成としている。
【0016】
また、ロワーリンク18,18の走行車体1側には下方に延びるアーム22を固着していて、該アーム22の下端部に、機体フレーム4に左右軸芯回りに回動自在にシリンダ部を取り付けた昇降用油圧シリンダ23のピストン先端部をスプリングを介して連結している。昇降用油圧シリンダ23が伸縮作動すると、昇降リンク装置2が昇降動し、連結軸21及び植付部フレーム12aを介して苗植装置3が昇降する構成となっている。
【0017】
そして、苗植装置3の昇降は、人為的な操作により苗植装置3を昇降させる人為昇降操作機構と、苗植装置3を圃場面に対して設定高さを維持するように昇降させる自動昇降制御機構とによって動作する構成としている。人為昇降操作機構は、操縦ハンドル16或いは操縦席15の近傍に配置した操作具を操作することによって昇降用油圧シリンダ23を伸縮作動させ、下降状態にある苗植装置3を設定高さまで上昇させたり、上昇状態にある苗植装置3を該苗植装置3が備える接地部材が接地する状態まで下降させたりすることができる構成としている。自動昇降制御機構は、苗植装置3の下部に設けた接地体24が、苗植装置3の圃場面に対する高さを検出する接地センサとして機能し、この接地体24の苗植装置3に対する上下位置変化に基づいて苗植装置3が圃場面に対して設定高さとなるよう昇降用油圧シリンダ23を伸縮作動させて苗植装置3を昇降する構成としている。これにより、苗植装置3による苗植付け深さを設定深さに制御できるものとなる。
【0018】
図3に示すように苗植装置3は、先端が下方に向かうくちばし状の苗植付け体25と、該苗植付け体25の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに苗植付け体25を上下動させる上下動機構26と、くちばし状の苗植付け体25の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と苗植付け体25の下端部が前後に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付け体25を開閉する開閉機構27を備えた苗植付装置Bと、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体29と、該苗収容体29を苗植付け体25の上方を通過するように周回移動させる移動機構30と、苗植付け体25の上方位置で苗収容体29の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付け体25に苗を供給する開放機構31を備えた苗供給装置32を備える。
【0019】
苗植付装置Bは、苗植付け体25を左右に所定の間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付け体25を左右に設定間隔で四体並べて配備した四条植えの構成としている。
【0020】
苗植付け体25の開閉動作の構成について説明すると、後側苗植付け体25Rのアーム部25Raが前側の苗植付け体支持軸33回りに上方に回動すると、ピン25aによる連結によって前側苗植付け体25Fのアーム部25Faも連動して上方に回動し、よって、前側苗植付け体25Fは、後側の苗植付け体支持軸34回りの回動によって前方に移動し、後側苗植付け体25Rは、前側の苗植付け体支持軸33回りの回動によって後方に移動し、よって、苗植付け体25の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる構成としている。また、逆の動作によって、前後に開いた苗植付け体25の下部側は閉じる構成としている。
【0021】
苗植付け体25…の上下動機構26は、伝動ケース12の左右両側部に設けている。具体的には、前記昇降リンク装置2の後端部の連結軸21(図1)に回動自在に装着した植付部フレーム12a上部に固着した伝動ケース12の左右側方に突出させた軸に前部を上下回動自在に装着し後部を苗植付け体25…に連結した上側と下側の昇降リンク40a,40bと、伝動ケース12の側部から突出させた駆動回転する駆動軸41と、該駆動軸41の先端部に一端側を一体回転するように取付けた駆動アーム42と、該駆動アーム42の回転外周側端部と前記上側の昇降リンク40aとに回動自在に連結する連動アーム42aとで構成している。
【0022】
そして、上側と下側の昇降リンク40a,40bの各後端部を前記苗植付け体支持軸33,34の左右中間部付近に取付けた連結部材39に回動自在に取付け、上側と下側の昇降リンク40a,40bと伝動ケース12と連結部材39とでリンク機構を形成するように設けている。
【0023】
従って、駆動軸41の回転により駆動アーム42が駆動回転すると、前記昇降リンク40a,40bが伝動ケース12の左右側部に設けた二つの軸を回動中心に上下動し、左右の苗植付け体25…が姿勢を維持しながら上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より下方に位置する。
【0024】
苗植付け体25…の開閉機構27は、後側苗植付け体25R…の上部で後側にのびる開閉用アーム部25Rb…の先端部を各苗植付け体25…に設け、一方、上側の昇降リンク40aの基部を枢着している軸に回動自在に取付けた作動アーム44を設け、この作動アーム44の先端部を長さ調節可能な連結ロッド45で連結し、そして、作動アーム44が駆動軸41の駆動回転中に、該駆動軸41に一体回転するよう取付けたカム46の作用を受けて、設定したタイミングで苗植付け体25…に対して上昇動作するようにして構成している。
【0025】
これにより、駆動軸41が駆動回転して苗植付け体25…が上下動すると、作動アーム44も苗植付け体25…と共に上下回動する。そして、苗植付け体25…と上下回動で、苗植付け体25…の下降下端位置に達すると、カム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25…に対して上昇動作し、これにより、後側苗植付け体25R…が前側の苗植付け体支持軸33回りに回動して後方に移動し、また、これに連動して前側苗植付け体25F…が後側の苗植付け体支持軸34回りに回動して前方に移動して、苗植付け体25…の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる。そして、苗植付け体25…が上昇してカム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25…に対して元の位置に下降動作して、前後に開いた苗植付け体25…の下部側が閉じる。
【0026】
苗供給装置32は、上下に開口する筒状体47…と該筒状体47…の下側の開口部47a…を開閉する底蓋48…とを有し、互いにループ状に連結する複数の苗収容体29…と、該苗収容体29…を前記苗植付け体25…の上方近傍を通過する状態で機体平面視左右に長い長円形状のループ状の軌跡で周回動させる移動機構30と、前記筒状体47…の下側の開口部47a…を開閉する底蓋48…を苗植付け体25…の上方位置で開放する開放機構31を設けた構成である。
【0027】
苗供給装置32は、前記苗収容体29…の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部(丸孔)を有しており、二つの苗収容体29,29を連結する連結体49を複数設け、該連結体49…の係合部を苗収容体29…の円筒外周部に回動自在に係合し、該円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体29…が回動自在に連結する状態として複数の苗収容体29…を互いに連結した構成としている。
【0028】
即ち、苗収容体29…と連結体49…とで無端チェーンのように連結した構成である。この構成により、本苗移植機では、苗収容体29…は、直線的に移動する部分でも円弧状に移動する部分でも隣接する苗収容体29…との間隔が変わらないので、苗収容体29から苗植付け体25に苗を供給する個所で苗収容体29が苗植付け体25に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。苗収容体29…の個数と周回動する範囲を設定した上で、苗収容体29…の上側開口部…を可能な限り広く形成できて、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体29…への苗供給作業をできるだけ容易に行えるものとなる。
【0029】
苗供給装置32の移動機構30は、苗供給装置32を無端チェーンのように互いに連結する苗収容体29…を左右に設けたスプロケット50,50(図2参照)の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右のスプロケット50,50を伝動ケース12内から取り出した動力で駆動回転することにより、苗供給装置32の各苗収容体29…を周回動させる構成としている。一対のスプロケット50,50の内の一方を駆動回転可能に取付ける回動軸51は、伝動ケース12の上部で支持した支持フレーム52に回動可能に取付け、図4に苗供給装置32の移動機構30の動力伝達系を示すように伝動ケース12の上部から上方に突出させた左右の回転軸53b(図4には一つのみ記載)からチェン65cとスプロケット65bを介して回動軸51に動力が伝達される構成としている。
【0030】
図4に示す伝動ケース12内の伝動機構は、入力軸13に取付けた第一スプロケット54から機体中央側に設けた第二スプロケット55にチェン56を介して伝動し、第二スプロケット55の回転軸に設けた第一ベベルギヤ57からそれに噛合う第二ベベルギヤ58に伝動し、第二ベベルギヤ58の回転軸に設けた第三スプロケット59から前記駆動軸41に設けた第四スプロケット60にチェン61を介して伝動して駆動軸41の回転により、前記上下動機構26及び開閉機構27が駆動される。
【0031】
また、第二ベベルギヤ58にはその上部側で第三ベベルギヤ62が噛合い該第三ベベルギヤ62によって伝動ケース12の上部から上方に突出させた回転軸53aを駆動回転する。他方側の上方に突出させた回転軸53bは、この回転軸53bに設けたギヤ63が一方側の回転軸53aに設けたギヤ64と噛合って逆回転に回転伝動される。この左右の回転軸53a,53bの内の回転軸53bからスプロケット65aとチェン65cとスプロケット65bを介して回動軸51に動力が伝達される。回転軸53b,スプロケット65a,65b,チェン65cは図示していないが苗供給装置32の両端にそれぞれ設けられている。
【0032】
また、回転軸53aに伝えられた動力は直接苗取出装置Aの駆動ケースに伝達され、またスプロケット65dとチェン65eを介して苗トレイ搬送装置Cの駆動ケースに伝達される。
【0033】
無端チェーン状の多数の苗収容体29と連結体49からなり、機体平面視で機体左右方向に長円形状の軌跡を周回して苗植付装置Bに苗を供給する苗供給装置32には苗トレイ搬送装置C内の苗トレイ36の各列の苗ポット69内の苗を一度に取り出して前記苗供給装置32の対応する苗収容体29に苗を供給する苗取出装置Aが設けられている。苗取出装置Aには図2に示すように複数の苗取出爪70,70などを持つ苗取出体が並列配置して設けられ、該複数の苗取出体が伝動ケース12からの動力により駆動する。
【0034】
該苗取出装置Aは苗供給装置32の前記長円形状の軌跡の内側を下方から上方に貫通して、その動力軸53aを備えており、苗取出装置Aから伸びる左右方向に並列配置された複数の苗取出爪70,70が苗トレイ搬送装置C内に配置された苗トレイ36内の各列の苗ポット69から苗を取り出す。複数の苗取出爪70,70が取り出した苗は、苗取出爪70,70や爪ガイド72などの苗取出体の約90度の回動により苗供給装置32の直線上の対応する数の苗収容体29内に苗を一度に移すことができる。
【0035】
図5および図6に基づき更に詳述する。図5は図1の苗取出装置Aの拡大図であり、図6は図5の矢印M方向からの矢視図である。
苗取出装置Aは、左右一対の苗取出爪70,70、該苗取出爪70,70を取り付けた爪支持体71、苗取出爪70,70を進退案内する爪ガイド72、爪支持体71及び爪ガイド72を往復動自在に保持する保持体73等を備え、これが姿勢変更しながら所定の軌跡を描いて移動すると共に、適宜タイミングで苗取出爪70,70が進退作動及び開閉作動することで、図5(b)に示すように苗取出位置Pに位置するポット69から苗を取り出し、それを苗供給装置32の植付カップ29内に供給するようになっている。
【0036】
苗取出爪70,70は、その基端部を爪支持体71に対して縦軸芯に回動自在に挿入して取り付けてあり、先端側が左右方向に回動自在となっている。
爪支持体71の内部に爪ガイド72が摺動自在に支持された状態で挿入されている。爪ガイド72の先端部には、苗取出爪70,70が挿通される爪挿通穴が形成されたガイド部72aが一体に取り付けられている。
【0037】
図7に苗取出爪70の詳細図を示すように、前記爪ガイド72のガイド部72aに形成されている爪挿通孔の間隔は、苗取出爪70,70の基端部の間隔よりも狭くしてある。このため、爪支持体71に対して爪ガイド72が摺動して苗取出爪70,70とガイド部72aとが相対移動すると、苗取出爪70,70の先端間距離が変化する。すなわち、ガイド部72aが苗取出爪70,70の基端側に位置するほど苗取出爪70,70の先端間距離が狭くなる。このように、爪支持体71に対して爪ガイド72が摺動することで、苗取出爪70,70が開閉作動する。そして、爪ガイド72の基端部には軸心74a周りに回動する回動軸74を取り付けている。
【0038】
保持体73にはアーム75が取り付けられており、該アーム75は回転カム76の回転により保持体73を爪ガイド72に沿って進退動作させるよう構成している。
そして、回転カム76は苗供給装置32の周回軌跡の内側を通過した回転軸53からの動力が伝動される構成としている。
【0039】
次に、苗取出装置Aの動作を説明する。
苗トレイ36のポット69内の苗に対して、所定位置にある苗取出爪70,70を正面視で苗の中心線に対して傾斜状態で突出させて苗の床土部分36bに突入する。そして、突き刺した苗を床土部分36bと共に苗取出爪70,70の引っ込み作動でポット69から取り出し、苗取出爪70,70を苗トレイ36に対向する姿勢から略下向き姿勢に移行し、苗取出爪70,70とそれを案内している爪ガイド72との相対移動により、苗取出爪70,70から苗が離脱して苗供給装置32の苗収容体29へ落下供給される。そして、苗離脱後の苗取出爪70,70は苗トレイ36のポット69に対向する位置に戻って次の苗の取り出し作業をする。
【0040】
苗取出装置Aの回転カム76を駆動させる回転軸53aを苗供給装置32の前記長円形状の軌跡の内側を通過させるため、野菜苗移植機全体のサイズをコンパクトにできる。
【0041】
また、苗取出装置Aは、機体前後方向で前記苗植付装置Bが前記苗供給装置32から苗を供給される位置S1と、苗トレイ搬送装置C内の苗トレイ36内の各苗ポット69内の苗を苗収容体29に供給する位置S2との間Lに配置してある。このため、更に野菜苗移植機全体のサイズをコンパクトにできる。
【0042】
苗供給装置32の直線上の対応する数の苗収容体29内に一度に移された苗は以下の構成により、圃場に植え付けられる。
苗供給装置32の開放機構31は、苗収容体29…の周回軌跡下方で底蓋48…が下方に回動しないように底蓋48…を下方から支持する支持体67を設け、この支持体67を苗植付け体25…の上方位置には設けないようにすることで、苗植付け体25…の上方位置を苗収容体29が通過するとき、底蓋48が支持体67による支持状態が解かれて下方回動し苗収容体29の苗を下方に落下可能に開放する構成としている。苗収容体29の底蓋48が開くタイミングは、苗植付け体25…が苗収容体29の直下まで上昇したときとなるように調整しておく。
【0043】
こうして、本実施例の苗移植機により苗トレイ搬送装置C内に苗の入った苗トレイ36をセットすることを人力で行うだけで、後は自動的に苗の植え付けが可能となる。
【実施例2】
【0044】
本発明の実施例2について図面と共に説明する。
図8、図9は本発明の一実施例の苗移植機の一例の側面略図と平面図である。
【0045】
苗移植機は、走行推進体として走行車輪7,7、9,9を設けた走行部100aと、苗供給装置104、苗植付装置105等からなる二つの苗植付部100bを備え、走行部100aによって畝Uを跨いだ状態で機体を進行させながら、苗植付部100bで野菜のポット苗などを畝Uの上面に植付ける構成となっている。作業者は、機体後方に設けた操縦ハンドル106で適宜機体を操向すると共に、植付作業時には苗植付部100bの側方を歩行しながら苗供給装置104へ苗を補給する。以下、各部の構成について説明する。
【0046】
走行部100aは、走行部ミッションケース107の前側にエンジン109が配置されている。エンジン109の左側面部には該エンジン109の動力で駆動する油圧ポンプ110が設けられている。また、エンジン109の上側には燃料タンク111等が設けられ、その上側をボンネット112が覆っている。走行部ミッションケース107の背面部に前フレーム113が一体に設けられており、この前フレーム113の背面中央部に走行部100aと操縦ハンドル106をつなぐメインフレーム114の前端部が固着連結されている。メインフレーム114は、左右の苗植付部100bの中間部位の下方を通って後方に延び、途中で斜め上向きに湾曲し、そのまま左右方向に長い苗植付部100bの中間部位の後方位置まで延びている。そして、その後端部に操縦ハンドル106が固着して取り付けられている。
【0047】
走行部ミッションケース107の左右側面部から、内部に後輪伝動用シャフトが挿通された回動自在な後輪伝動パイプ115(L)、115(R)がそれぞれ左右側方に突出している。これら後輪伝動パイプ115(L)、115(R)の先端部近傍は、前記前フレーム113に固定の支持パイプ115a、115aに取り付けた軸受部115b、115bによって回転自在に支持されている。そして、左右両後輪伝動パイプ115(L)、115(R)の先端部に走行チェーンケース116、116が一体に取り付けられ、その走行チェーンケース116、116の先端部に設けた後輪車軸128、128に駆動車輪である後輪9,9が取り付けられている。後輪伝動パイプ115(L)、115(R)内のシャフトと走行チェーンケース116、116内のチェーン(図示せず)を介して、走行部ミッションケース107から後輪9の車軸128へ動力が伝達される。
【0048】
エンジン109の下側には、前輪支持パイプ117、117がピボット軸117aを支点にして揺動自在に設けられている。前輪支持パイプ117、117は、エンジン109の下部に設けたエンジン取付ベース108に支持されている。前輪支持パイプ117、117の左右両端部に前輪支持軸119、119が摺動自在に嵌合しており、その前輪支持軸119、119の先端部に前輪支持ロッド118、118が高さ調節可能に取り付けられ、該ロッド118、118の下端部に従動車輪である前輪7,7が軸支されている。
【0049】
走行部100aには機体に対して後輪9,9を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、走行部ミッションケース107の上に配置した油圧バルブユニット120から後方に向けて昇降シリンダ121が設けられ、該昇降シリンダ121のピストンロッドの先端部に天秤杆122が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。昇降シリンダ121のピストンロッドは、前後両端が油圧バルブユニット120とメインフレーム114に取り付けた取付部材123とで支持されたガイド軸124に沿って摺動するようになっている。天秤杆122の左右両端部と、後輪伝動パイプ115(L)、115(R)に固着したスイングアーム125、125とが、連結ロッド(図示せず)を介して連結されている。左側の連結ロッドには、ローリングシリンダ127が組み込まれており、該シリンダ127を伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0050】
昇降シリンダ121及びローリングシリンダ127は、前記油圧ポンプ110から供給される作動油を油圧バルブユニット120内の制御バルブ(図示せず)で制御して作動する。昇降シリンダ121の伸縮作動で、左右の後輪9,9が同方向に同量だけ機体100に対して上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ127を伸縮作動させると、左側の後輪9が右側の後輪9に対して上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0051】
メインフレーム114に支持固定された前フレーム113の上面に、走行部ミッションケース107内のミッションから伝動される苗植付部105及び苗供給装置102への伝動軸130の下部が固着され、該伝動軸130の先端部に伝動部ケース131の基部が固着され、該伝動部ケース131の先端部には苗植付装置105の作動機構が連結されている。また伝動ケース131の一端は、メインフレーム114に連結固定されている。
【0052】
伝動軸130からの動力は伝動部ケース131内の動力伝達機構を介して苗供給装置104に伝達され、苗供給装置104の苗収容体の周回運動の動力となる。
【0053】
また、伝動軸130からの動力は伝動部ケース131,135内の動力伝達機構を介して苗トレイ搬送装置Tに伝達され、苗トレイ搬送装置T内の碁盤の目状に配置された複数の苗トレイの搬送用の動力となる。
【0054】
さらに伝動軸130からの動力を受け継いだ回転軸134が苗供給装置104の周回軌跡内を通過して伝動部ケース132内の動力伝達機構を介して苗取出装置Sに伝達され、該伝動部ケース132内の動力伝達機構により回動されるロッド151の一端に回動自在に連結したアーム152が回動する。アーム152が回動するとアーム152の他端に回動自在に連結するロッド153も回動する。該ロッド153は把持ハンド支持部材154と一体的に連結しているので、該ロッド153が回動すると把持ハンド支持部材154も回動する。ロッド153の回動角度が90度であるので把持ハンド支持部材154も苗トレイ搬送装置Tの苗トレイ36の列に沿う位置と苗トレイ36の列に直交する位置のどちらかに回動する。
【0055】
また、苗トレイ搬送装置T内の複数の苗ポット69が碁盤の目状に配置された苗トレイ36の搬送用の一列分をまとめてピックアップするためのパンタグラフ式の把持ハンド137を備えている。
【0056】
従って、苗トレイ搬送装置Tの苗トレイ36の列に沿う位置と苗トレイ36の列に交差する位置に把持ハンド支持部材154が回動すると苗供給装置104の長円形状上に等間隔で配置した搬送チェン141に沿った状態となり、このとき把持ハンド137で把持した一列分の苗を一度に複数の苗供給カップ140に供給することができる。
【0057】
苗供給装置104には複数の苗供給カップ140を長円形状上に等間隔で配置した搬送チェン141を備えており、該搬送チェン141には図示しないラチェットアームなどの回転規制用部材が設けられていて、ラチェットアームと、前リンク支持アーム167A、167B、167C、167D、167Eが順次連結され、さらに、これらと連動して一体に作動する苗供給駆動アーム149とが苗供給駆動ロッド150を介して連結されている。そして伝動部ケース131内の伝動機構からの動力伝達で前リンク支持アーム167Bの揺動に連動して苗供給駆動アーム149が揺動することにより、このアーム149と一体的にラチェットアーム等が回動して搬送チェン141が所定角度だけ回転する。
【0058】
この前リンク支持アーム167A、167B、167C、167D、167E等の動きに連動して一対の苗植付装置105が動作する。各苗植付装置105には苗植付具160が機体の左右方向に4個設けられており、苗植付具160は一対の下端部が開く開閉自在な前側部材160aと後側部材160bからできている。
【0059】
苗移植機100の圃場上の進行とともに伝動部ケース131などの動力伝動機構からの動力伝達で苗植付装置105が動作し、該苗植付装置105の作動と同期して苗供給カップ140の取付間隔分づつ搬送チェン141が間欠的に回転するが、搬送チェン141上の各苗供給カップ140の配置位置の底部には開閉自在なシャッタ(図示せず)が設けられていて、所定の部位のシャッタが開くと苗植付装置105の苗植付具160の中に苗供給カップ140内の苗が落下する。
【0060】
苗供給装置104の周回動作と苗トレイ搬送装置Tの前進動作及び苗取出装置Sの把持ハンド137の苗取り出し動作が互いに連動する構成であり、苗トレイ搬送装置Tの一列分の苗トレイ36内の各苗ポット69(図9)内の苗を苗取出装置の把持ハンド137が取り出すと、苗取出装置Sは90度回転して苗供給装置104の直線上に並んだ苗カップ140内に一度に苗を供給することができる。苗取出装置Sが苗取り出し動作の後、苗供給装置104へ苗を供給している間に苗トレイ搬送装置Tの一列分の苗トレイ36が前進動作する。苗供給装置の苗供給カップ140内の苗は順次苗植付装置105の苗植付具160の中に落下され、圃場に植え付けられる。
このような動作を繰り返して、自動的に苗を圃場に植え付けることができる。
【0061】
上記本実施例の歩行型の野菜苗移植機100は、苗を植え付ける苗植付装置105と、多数の苗収容体140が機体左右方向に長円形状の設定軌跡で周回して苗植付装置105に苗を供給する苗供給装置104と、該苗供給装置104に多数の苗ポット69を形成する苗トレイ36を搬送する苗トレイ搬送装置Tと、前記苗トレイ36の苗を取り出し前記苗収容体104に苗を供給する苗取り出し手段Sとを設け、前記苗トレイ搬送装置Tは搬送方向が機体左右方向になる構成とし、機体左右一側には苗トレイ36を挿入する挿入口を、機体左右他側には苗の取り出しが終了した苗トレイ36を収容する収容装置138を設けたことを特徴としている。
【0062】
上記構成により、本実施例の歩行型の野菜苗移植機100を用いると、作業者が苗トレイ36を苗トレイ搬送装置Tに挿入するとき、操作ハンドル106等が邪魔することが無いので、苗トレイ36を挿入しやすい。
【0063】
また、苗取出装置Sはパンタグラフ式の把持ハンド137を有しているので、苗トレイ搬送装置T内の複数の苗トレイ36の配置間隔に容易に合致させることができ、圃場への苗の植え付け条間を適宜状況に応じて変更できるので、対応能力が優れている。
【0064】
さらに、伝動軸130からの動力を受け継いだ回転軸134は苗供給装置104の周回軌跡内を通過して伝動部ケース132内の動力伝達機構を介して苗取出装置Sに動力が伝達され、該伝動部ケース132内の動力伝達機構により回動されるロッド151の一端に回動自在に連結したアーム152が回動する構成のため、苗供給装置104の周回軌跡内のスペースを利用して回転軸134を通過させるため、野菜移植機全体の構成がコンパクトになる。
【0065】
苗植付具160はその移動軌跡X(図8)の下死点付近にある位置から上昇する行程で、苗植付具160の前側部材160aと後側部材160bが互いに連動して、それぞれの下端が閉じるように回動する。苗植付具160が図1の一点鎖線Xで示す軌跡の上死点にある時に、苗供給装置4から苗が苗植付具160内に落下供給される。苗植付具160内に供給された苗は、苗を保持した苗植付具160が下降し、一点鎖線Xで示す軌跡の下死点では苗植付具160の下部が畝Uの表土部に突き刺さり、苗移植用穴を形成する。これとほぼ同期して苗植付具160の前側部材160aと後側部材160bの下端部が開き、保持していた苗を上記苗移植用穴の中に解放する。そのまま苗植付具160が上昇し、上死点付近まで上昇すると苗植付具160が閉じる。
【0066】
また、図8、図9に示すように、苗植付位置の後方には、各植付部に左右一対の鎮圧輪180、180が設けられている。この鎮圧輪180、180は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに取り付けられ、ロッド193に遊嵌させた重り181によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝Uの表面を転動し、苗が植付けられた後の苗移植穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共に、その跡を軽く鎮圧するようになっている。
【0067】
また、上記ロッド193は、メインフレーム114の前後中間部に固着した支持枠186に上下に揺動自在に支持された揺動フレーム187の後端部に取り付けられている。畝面の凹凸に応じて接地プレート190が機体に対して上下動して畝Uの上面を検出して、図示しない感知リンク機構を介して、油圧バルブユニット120内の昇降用油圧バルブ(図示せず)に伝えられ、接地プレート190の角度が元に戻る方向に昇降シリンダ121を作動させる。これにより、畝Uの上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、機体全体をコンパクトにした状態で多数の苗を一度に圃場に植え付けることができ、野菜に限らず各種苗を圃場に能率的に植え付けることができるので各種苗の移植機として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1の苗移植機の側面図である。
【図2】本発明の実施例1の苗移植機の平面図である。
【図3】本発明の実施例1の苗植装置部分の側面図である。
【図4】本発明の実施例1の苗移植機の動力線図である。
【図5】図1の苗移植機の苗取出装置の拡大図である。
【図6】図5の矢印M方向から見た矢視図である。
【図7】図6の苗取出爪の詳細図である。
【図8】本発明の実施例2の苗移植機の側面図である。
【図9】本発明の実施例2の苗移植機の平面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 苗移植機 2 昇降リンク装置
3 苗植装置 4 機体フレーム
5 ミッションケース 6 前輪伝動フレーム
7 前輪 8 後輪伝動ケース
8a 後輪フレーム 9 後輪
10 第一伝動軸 11 第二伝動軸
12 伝動ケース 12a 植付部フレーム
13 入力軸 14 車体カバー
15 操縦席 16 操縦ハンドル
17 アッパーリンク 18 ロワーリンク
19 リンク支持フレーム 20 連結リンク
21 連結軸 22 アーム
23 昇降用油圧シリンダ 24 接地体
25 苗植付け体 25a ピン
25Fa,25Ra,25Rb アーム部
26 上下動機構 27 開閉機構
29 苗収容体 30 移動機構
31 開放機構 32 苗供給装置
33,34 苗植付け体支持軸 35 連結部材
36 苗トレイ 36b 床土部分
37 把持ハンド 38 連結軸
39 連結部材 40a,40b 昇降リンク
41 駆動軸 42 駆動アーム
42a 連動アーム 44 作動アーム
45 連結ロッド 46 カム
47 筒状体 47a 開口部
48 底蓋 49 連結体
50 スプロケット 51 回動軸
52 支持フレーム 53a,53b 回転軸
54,55 スプロケット 57,58,62 ベベルギヤ
59,60 スプロケット 61 チェン
63,64 ギヤ 65c,65e チェン
65a,65b、65d スプロケット
67 支持体 68 空苗トレイ箱受け
69 苗ポット 70 苗取出爪
71 爪支持体 72 爪ガイド
73 保持体 74 回動軸
74a 軸心 75 アーム
76 回転カム 80 鎮圧輪
100 苗移植機 100a 走行部
100b 苗植付部 104 苗供給装置
105 苗植付装置 106 操縦ハンドル
107 走行ミッションケース 108 取付ベース
109 エンジン 111 燃料タンク
112 ボンネット 113 前フレーム
114 メインフレーム 115 後輪伝動パイプ
116 走行チェーンケース 117 前輪支持パイプ
118 前輪支持ロッド 119 前輪支持軸
120 油圧バルブユニット 121 昇降シリンダ
122 天秤杆 123 取付部材
124 ガイド軸 125 スイングアーム
127 ローリングシリンダ 130 伝動軸
131,132,135 伝動部ケース
134 回転軸 137 把持ハンド
138 収容装置 140 苗供給カップ
141 搬送チェン 149 苗供給駆動アーム
150 苗供給ロッド 151,153 ロッド
152 アーム 154 支持部材
160 苗植付具 167 前リンク支持アーム
180 鎮圧輪 181 重り
187 揺動フレーム 190 接地プレート
193 ロッド A 苗取出装置
B 苗植付装置 C 苗トレイ搬送装置
S 苗取出手段 U 畝
X 移動軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗を植え付ける苗植付装置(B)と、多数の苗収容体(29)が機体平面視で機体左右方向に長円形状の軌跡で周回して苗植付装置(B)に苗を供給する苗供給装置(32)と、多数の苗ポット(69)を備えた苗トレイ(36)を搬送する苗トレイ搬送装置(C)と、前記苗トレイ(36)の苗を取り出し前記苗収容体(29)に苗を供給する苗取出装置(A)とを設け、
前記苗取出装置(A)に動力を伝動する回転軸(53a)は前記苗供給装置(32)あるいは苗植付装置(B)に動力を伝達する伝動装置(12)から延設し、前記苗供給装置(32)の周回軌跡の内側を下方から上方に向かって通過して設けたことを特徴とする野菜苗移植機。
【請求項2】
前記苗取出装置(A)は、前記苗供給装置(32)の周回軌跡の内側に配置したことを特徴とする請求項1記載の野菜苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−271253(P2006−271253A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94591(P2005−94591)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】