説明

金属−セラミックス接合基板の製造装置

【課題】引け巣やボイドなどの欠陥を防止して信頼性の高い金属−セラミックス接合基板を製造することができる、金属−セラミックス接合基板の製造装置を提供する。
【解決手段】金属−セラミックス接合基板の製造装置100は、内部にセラミックス基板12が設置された鋳型20を導入して鋳型内の雰囲気を置換した後に鋳型を加熱する予熱部200と、この予熱部から鋳型を導入して鋳型の注湯口から鋳型内に溶湯312を注入する注湯部300と、この注湯部から鋳型を導入して鋳型に注入された溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させる加圧冷却部400とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属−セラミックス接合基板の製造装置に関し、特に、セラミックス基板を設置した鋳型内にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯した後に冷却して溶湯を固化させることにより、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス接合基板を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車、電車、工作機械などの大電流を制御するために使用されている従来のパワーモジュールでは、ベース板と呼ばれている金属板または複合材の一方の面に金属−セラミックス絶縁基板が半田付けにより固定され、この金属−セラミックス絶縁基板上に半導体チップが半田付けにより固定されている。また、ベース板の他方の面(裏面)には、ねじ止めなどにより熱伝導グリースを介して金属製の放熱フィンや冷却ジャケットが取り付けられている。
【0003】
この金属−セラミックス絶縁基板へのベース板や半導体チップの半田付けは加熱により行われるため、半田付けの際に接合部材間の熱膨張係数の差によりベース板の反りが生じ易い。また、半導体チップから発生した熱は、金属−セラミックス絶縁基板と半田とベース板を介して放熱フィンや冷却ジャケットにより空気や冷却水に逃がされるため、半田付けの際にベース板の反りが生じると、放熱フィンや冷却ジャケットをベース板に取り付けたときのクリアランスが大きくなり、放熱性が極端に低下する。さらに、半田自体の熱伝導率が低いため、大電流を流すパワーモジュールでは、より高い放熱性が求められている。
【0004】
これらの問題を解決するため、ベース板と金属−セラミックス絶縁基板との間を半田付けすることなく、アルミニウムやアルミニウム合金などからなるベース板をセラミックス基板に直接接合した金属−セラミックス回路基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような金属−セラミックス接合基板を製造するための鋳型として、内部にベース板を形成するための空洞部(ベース板形成部)が形成され、この空洞部の底面にセラミックス基板を収容するための複数の凹部(セラミックス基板収容部)が形成され、これらの凹部の各々の底面に回路パターン用金属板を形成するための凹部(回路パターン用金属板形成部)が形成された鋳型が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−76551号公報(段落番号0015)
【特許文献2】特開2005−74434号公報(段落番号0008)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようにセラミックス基板に接合する金属板(ベース板または回路パターン用金属板)の形状および大きさに対応する空洞部または凹部が内部に形成された鋳型を使用して金属−セラミックス接合基板を製造する場合には、鋳型内にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯した後に鋳型を冷却して溶湯を固化させる際に、凝固収縮に対する溶湯の供給が不十分になり、製造された金属−セラミックス接合基板のアルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材にいわゆる「引け巣」や「ボイド」が生じ易く、所望の形状を得ることができず、金属−セラミックス接合基板の信頼性を低下させる場合がある。例えば、ベース板をセラミックス基板に接合した場合に、ベース板のコーナー部が所望の形状よりも丸くなったり、フィンが一体に形成されたベース板をセラミックス基板に接合した場合に、フィンのコーナー部が所望の形状よりも丸くなる場合がある。また、金属部材がアルミニウム合金からなる場合には、冷却過程において金属部材に熱間割れが生じて、金属−セラミックス接合基板の信頼性を低下させる場合がある。
【0007】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、注湯口を備えた鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板に接触するようにアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯口から鋳型内に注湯し、鋳型を冷却して溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材を接合する金属−セラミックス接合基板の製造装置において、引け巣やボイドなどの欠陥を防止して信頼性の高い金属−セラミックス接合基板を製造することができる、金属−セラミックス接合基板の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置は、内部にセラミックス基板が設置された鋳型を予め加熱する予熱部と、この予熱部において予め加熱された鋳型の注湯口からセラミックス基板に接触するように鋳型内に溶湯を注入する注湯部と、この注湯部において鋳型に注入された溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させる加圧冷却部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この金属−セラミックス接合基板の製造装置において、加圧冷却部において溶湯を加圧しながら鋳型を冷却する際に、鋳型の一部を冷却して鋳型内に高温側と低温側を形成するとともに、鋳型に注入された溶湯を高温側から低温側に向けて加圧するのが好ましい。あるいは、加圧冷却部において溶湯を加圧しながら鋳型を冷却する際に、鋳型内の注湯口側の部分が高温側になり且つ注湯口と反対側の部分が注湯口側の部分よりも低温側になるように冷却するとともに、鋳型に注湯された溶湯を高温側から低温側に向けて加圧してもよい。
【0010】
また、加圧冷却部において溶湯を加圧する際に、鋳型の注湯口からガスを吹き込んで加圧してもよく、鋳型の注湯口からピストンにより加圧してもよい。また、加圧冷却部において鋳型を冷却する際に、鋳型に冷却ガスを吹き付けてもよく、鋳型に冷却ブロックを接近または当接させてもよい。また、予熱部、注湯部および加圧冷却部の各々にヒータが設けられているのが好ましい。さらに、予熱部において鋳型を予め加熱する前に鋳型内の雰囲気を置換する雰囲気置換部が設けられているのが好ましく、加圧冷却部において冷却された鋳型の略全体を冷却する冷却部が設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、注湯口を備えた鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板に接触するようにアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯口から鋳型内に注湯し、鋳型を冷却して溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材を接合する金属−セラミックス接合基板の製造装置において、引け巣やボイドなどの欠陥を防止して信頼性の高い金属−セラミックス接合基板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の実施の形態では、注湯口を備えた鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板に接触するようにアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯口から鋳型内に注湯し、鋳型を冷却して溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材を接合する金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型に注湯された溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させてセラミックス基板に金属部材を接合している。
【0013】
本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の実施の形態を使用して、例えば、図1および図2に示すように、金属ベース板10上にセラミックス基板12が接合し、その上に金属回路板14が接合した金属−セラミックス接合基板を製造することができる。セラミックス基板12は、アルミナなどの酸化物系セラミックス基板でもよいし、窒化アルミニウムや窒化珪素などの非酸化物系セラミックス基板でもよい。また、金属ベース板10および金属回路板14がアルミニウム合金からなる場合には、鉄などの元素を添加したアルミニウム−珪素−ホウ素系合金を使用すれば、アルミニウム合金の結晶粒を微細化したまま、アルミニウム−ホウ素化合物の過度の析出を抑制することができ、エッチングによる回路パターンの形成が容易になる。
【0014】
また、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の実施の形態によって、図1および図2に示すような金属−セラミックス接合基板を製造するために使用する鋳型として、例えば、図3に示すような鋳型20を使用することができる。この鋳型20は、下側鋳型部材22と、この下側鋳型部材22の蓋体としての略平板状の上側鋳型部材24とから構成されている。下側鋳型部材22の底面には、ベース板を形成するための空洞部(ベース板形成部)26が形成され、この空洞部26の底面には、セラミックス基板を収容するための複数の凹部(セラミックス基板収容部)28が形成され、これらの凹部28の各々の底面には、回路パターン用金属板を形成するための凹部(回路パターン用金属板形成部)30が形成されている。上側鋳型部材24には、鋳型20内に溶湯を注湯するための注湯口32が形成され、この注湯口32に(図示しない)加圧手段を密着させて溶湯を加圧することができるようになっている。なお、下側鋳型部材22には、ベース板形成部26と回路パターン用金属板形成部30との間に延びる(図示しない)溶湯流路が形成され、セラミックス基板収容部28内にセラミックス基板を収容したときにもベース板形成部26と回路パターン用金属板形成部30との間が連通するようになっている。また、注湯口32は、引け巣の防止のための押し湯用の開口部を兼ねてもよいが、注湯口32とは別に(図示しない)押し湯用の開口部を鋳型20に形成してもよい。
【0015】
なお、鋳型20としては、金属の金型と比べてアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯と反応し難いカーボン製の鋳型を使用するのが好ましく、特に、溶湯を加圧したときに鋳型と溶湯との間にガスが残留している場合でも、残留するガスが鋳型を通過するのを許容し且つ溶湯が鋳型を通過するのを防止して溶湯が鋳型内の端部まで回り易くなるように、多孔質のカーボン製の鋳型を使用するのが好ましい。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の実施の形態について説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図4は、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の第1の実施の形態を示している。図4に示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、セラミックス基板に金属部材を接合する接合炉であり、予熱部200と、注湯部300と、加圧冷却部400と、冷却部500と、搬送路600とを備えている。
【0018】
予熱部200、注湯部300、加圧冷却部400および冷却部500は、それぞれ外部の大気雰囲気と異なる雰囲気を維持(予熱部200、注湯部300および加圧冷却部400は、さらに外部温度と異なる温度を維持)することができる処理部であり、互いに略水平方向に隣接して配置されている。図中最も左側に配置された予熱部200の左側の側壁には、(図示しない)鋳型投入口が形成され、図中最も右側に配置された冷却部500の右側の側壁には、(図示しない)鋳型取り出し口が形成されている。また、予熱部200と注湯部300の間の隔壁と、注湯部300と加圧冷却部400の間の隔壁と、加圧冷却部400と冷却部500の間の隔壁には、それぞれ(図示しない)連通口が形成されている。搬送路600は、これらの鋳型投入口、連通口および鋳型取り出し口を通過して略水平方向に延びており、鋳型20を鋳型投入口から予熱部200、注湯部300、加圧冷却部400および冷却部500内に順次搬送して鋳型取り出し口から取り出すことができるようになっている。
【0019】
予熱部200は、セラミックス基板12が内部に設置された鋳型20を外部から導入して、内部の空気を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気に置換した後、内部に設置されたヒータ202によって鋳型20を加熱して鋳型20の温度を維持するようになっている。
【0020】
注湯部300は、予熱部200から導入された鋳型20内にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注入するようになっている。この注湯部300には、鋳型20の温度を注湯温度に維持するためのヒータ302と、鋳型20内に溶湯312を注入するための注湯装置310が設置されている。注湯装置310は、溶湯312を溜めておく溶湯溜め314と、この溶湯溜め314内の溶湯312を鋳型20内に注湯するためのシリンダ316およびピストン318と、このピストン318を駆動するためのピストン駆動装置320とを備えている。シリンダ316は、溶湯溜め314の底面を貫通して配置されており、溶湯溜め314内に配置されたシリンダ316の側面には、溶湯溜め314の内部とシリンダ316の内部を連通させる溶湯入口316aが形成され、溶湯溜め314の外部に配置されたシリンダ316の底面には、シリンダ316の内部と外部を連通させる溶湯出口316bが形成されている。このシリンダ316に嵌合して上下動可能なピストン318がピストン駆動装置320によって上方に移動したときに、溶湯溜め314から所定量の溶湯312が溶湯入口316aを介してシリンダ316内に導入され、搬送された鋳型20の注湯口32がシリンダ316の溶湯出口316bの真下に到達したときに、ピストン駆動装置320によってピストン318が下方に移動して、シリンダ316内の溶湯312が溶湯出口316bから鋳型20内に注湯されるようになっている。
【0021】
加圧冷却部400は、注湯部300から導入された鋳型20内の溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させるようになっている。この加圧冷却部400には、鋳型20内の注湯口32付近の温度を維持するためのヒータ402と、鋳型20の注湯口32から窒素ガスなどのガスを吹き込んで鋳型20内の溶湯312を加圧するための加圧ガスノズル404と、鋳型20の注湯口32から離れた部分を上下から冷却するガスを鋳型20に吹き付けるための複数の上側冷却ガスノズル406および複数の下側冷却ガスノズル408が設置されている。加圧ガスノズル404は、搬送された鋳型20の注湯口32が加圧ガスノズル404の真下に到達したときに下方に移動して鋳型20に当接するようになっている。また、上側冷却ガスノズル406および下側冷却ガスノズル408は、鋳型20から所定の距離だけ離間し、それぞれ互いに略水平方向に所定の間隔で配置されている。
【0022】
この加圧冷却部400では、鋳型20を冷却する際に、鋳型20の一部を冷却して鋳型20内に高温側と低温側を形成するとともに、鋳型20に注湯された溶湯312を高温側から低温側に向けて加圧しながら鋳型20を冷却することによって、溶湯312を固化させるようになっている。このように、冷却時に溶湯312を高温側から低温側に向けて加圧、すなわち、凝固の進行と反対方向に加圧することにより、低温側で凝固した金属が収縮する部分に、高温側の未凝固の溶湯が円滑に補給されて、最終的に引け巣のない金属−セラミックス接合基板を得ることができる。また、鋳型20内の注湯口32側の部分が高温側になり且つ注湯口32と反対側の部分が注湯口32側の部分よりも低温側になるように冷却すれば、金属−セラミックス接合基板を製造するための鋳型20や製造装置の構造を簡略化することができる。なお、本実施の形態では、溶湯312を加圧する際に、注湯口32から加圧しているが、この注湯口32以外に鋳型20に別途形成した開口部から加圧してもよい。
【0023】
冷却部500は、加圧冷却部400において内部の溶湯312が固化した鋳型20を導入して全体的に冷却するようになっている。この冷却部500内には、鋳型20全体を上下から冷却するガスを鋳型20に吹き付けるための複数の上側冷却ガスノズル506および複数の下側冷却ガスノズル508が設置されている。これらの上側冷却ガスノズル506および下側冷却ガスノズル508は、鋳型20から所定の距離だけ離間し、それぞれ互いに略水平方向に所定の間隔で配置されている。
【0024】
なお、複数の上側冷却ガスノズル506および複数の下側冷却ガスノズル508の各々と鋳型20との間の距離を変えて、高温側の部分では上側冷却ガスノズル506および下側冷却ガスノズル508を鋳型20から遠ざけて配置し、冷温側に向かって上側冷却ガスノズル506および下側冷却ガスノズル508を徐々に鋳型20に近づけて配置することによって、鋳型20内に温度勾配を形成してもよい。また、複数の上側冷却ガスノズル506および複数の下側冷却ガスノズル508の各々のガスの流量や温度を変えることによって温度制御してもよい。
【0025】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の第2の実施の形態を示している。図5に示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、セラミックス基板に金属部材を接合する接合炉であり、予熱部1200と、注湯部1300と、加圧冷却部1400と、冷却部1500と、搬送路1600とを備えている。なお、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、注湯口32を取り囲むように坩堝34が設けられた鋳型20を使用して金属−セラミックス接合基板を製造するようになっている。
【0026】
予熱部1200、注湯部1300、加圧冷却部1400および冷却部1500は、それぞれ外部の大気雰囲気と異なる雰囲気を維持(予熱部1200、注湯部1300および加圧冷却部1400は、さらに外部温度と異なる温度を維持)することができる処理部であり、互いに略水平方向に隣接して配置されている。図中最も左側に配置された予熱部1200の左側の側壁には、(図示しない)鋳型投入口が形成され、図中最も右側に配置された冷却部1500の右側の側壁には、(図示しない)鋳型取り出し口が形成されている。また、予熱部1200と注湯部1300の間の隔壁と、注湯部1300と加圧冷却部1400の間の隔壁と、加圧冷却部1400と冷却部1500の間の隔壁には、それぞれ(図示しない)連通口が形成されている。搬送路1600は、これらの鋳型投入口、連通口および鋳型取り出し口を通過して略水平方向に延びており、鋳型20を鋳型投入口から予熱部1200、注湯部1300、加圧冷却部1400および冷却部1500内に順次搬送して鋳型取り出し口から取り出すことができるようになっている。
【0027】
予熱部1200は、セラミックス基板12が内部に設置された後にアルミニウムやアルミニウム合金などの固体の金属が坩堝34内に導入されてピストン1318が坩堝34に嵌合した鋳型20を外部から導入して、内部の空気を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気に置換した後、内部に設置されたヒータ1202によって鋳型20を加熱して坩堝34内の固体の金属を溶解させ、得られた溶湯1312の温度を維持するようになっている。
【0028】
注湯部1300は、予熱部1200から導入された鋳型20内にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注入するようになっている。この注湯部1300には、鋳型20の温度を維持するためのヒータ1302と、鋳型20内に溶湯1312を注入するための注湯装置1310が設置されている。注湯装置1310は、坩堝34内の溶湯1312を鋳型20内に注湯するためのピストン1318と、このピストン1318を駆動するためのピストン駆動装置1320とを備えている。搬送された鋳型20の坩堝34内のピストン1318が注湯装置1310の真下に到達したときに、ピストン駆動装置1320によってピストン1318が下方に移動して、坩堝34内の溶湯1312が鋳型20内に注湯されるようになっている。
【0029】
加圧冷却部1400は、注湯部1300から導入された鋳型20内の溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させるようになっている。この加圧冷却部1400には、鋳型20内の注湯口32付近の温度を維持するためのヒータ1402と、鋳型20の注湯口32から鋳型20内の溶湯1312を加圧するための加圧装置1410と、鋳型20の注湯口32から離れた部分を上下から冷却するための冷却装置1430が設置されている。加圧装置1410は、搬送された鋳型20の坩堝34内のピストン1318が加圧装置1410の真下に到達したときにピストン1318を下方に移動させて鋳型20内の溶湯1312を加圧するためのピストン駆動装置1420を備えている。また、冷却装置1430は、鋳型20の注湯口32から離れた部分の上側部分に接近または当接してその部分を冷却する上側冷却ブロック1432と、鋳型20の注湯口32から離れた部分の下側部分に接近または当接してその部分を冷却する下側冷却ブロック1434と、上側冷却ブロック1432および下側冷却ブロック1434をそれぞれ上下方向に移動させるための冷却ブロック駆動装置1436および1438とを備えている。
【0030】
この加圧冷却部1400では、鋳型20を冷却する際に、鋳型20の一部を冷却して鋳型20内に高温側と低温側を形成するとともに、鋳型20に注湯された溶湯1312を高温側から低温側に向けて加圧しながら鋳型20を冷却することによって、溶湯1312を固化させるようになっている。このように、冷却時に溶湯1312を高温側から低温側に向けて加圧、すなわち、凝固の進行と反対方向に加圧することにより、低温側で凝固した金属が収縮する部分に、高温側の未凝固の溶湯が円滑に補給されて、最終的に引け巣のない金属−セラミックス接合基板を得ることができる。また、鋳型20内の注湯口32側の部分が高温側になり且つ注湯口32と反対側の部分が注湯口32側の部分よりも低温側になるように冷却すれば、金属−セラミックス接合基板を製造するための鋳型20や製造装置の構造を簡略化することができる。
【0031】
冷却部1500は、加圧冷却部1400において内部の溶湯1312が固化した鋳型20を導入して全体的に冷却するようになっている。この冷却部1500には、鋳型20を上下から冷却するための冷却装置1530が設置されている。冷却装置1530は、鋳型20の上側部分に接近または当接してその部分を冷却する上側冷却ブロック1532と、鋳型20の下側部分に接近または当接してその部分を冷却する下側冷却ブロック1534と、上側冷却ブロック1532および下側冷却ブロック1534をそれぞれ上下方向に移動させて鋳型20に接近または当接させるための冷却ブロック駆動装置1536および1538とを備えている。
【0032】
図6は、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置の第1の変形例を示している。図6に示すように、本変形例の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、注湯口32を取り囲むように坩堝34が設けられた鋳型20を使用して金属−セラミックス接合基板を製造する装置の例であり、予熱部1200および注湯部1300の代わりに、雰囲気置換部2100と予熱部2200と注湯部2300が設けられている以外は、図5に示す実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置と略同一である。
【0033】
この変形例では、セラミックス基板12が内部に設置された後にアルミニウムやアルミニウム合金などの固体の金属2311が坩堝34内に導入された鋳型20が、雰囲気置換部2100に導入されて、内部の空気が窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気に置換される。次に、鋳型20が予熱部2200に導入されて、内部に設置されたヒータ2202によって鋳型20が加熱され、坩堝34内の固体の金属2311が溶解して、得られた溶湯2312の温度が維持される。次に、鋳型20が注湯部2300に導入されて、内部に設置されたヒータ2302によって溶湯2312の温度が注湯温度に維持されながら、加圧ガスノズル2304によって窒素ガスなどのガスが吹き込まれて坩堝34内の溶湯2312が加圧されて鋳型20内に注湯されるようになっている。
【0034】
図7は、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置の第2の変形例を示している。図7に示すように、本変形例の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、坩堝34の代わりに溶湯供給用空洞部341が内部に設けられた鋳型201を使用して金属−セラミックス接合基板を製造する装置の例であり、予熱部1200および注湯部1300の代わりに、雰囲気置換部3100と予熱部3200と注湯部3300が設けられている以外は、図5に示す実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置と略同一である。
【0035】
この変形例では、セラミックス基板12が内部に設置された後にアルミニウムやアルミニウム合金などの固体の金属3311が溶湯供給用空洞部341内に導入された鋳型201が、雰囲気置換部2100に導入されて、内部の空気が窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気に置換される。次に、鋳型201が予熱部3200に導入されて、内部に設置されたヒータ3202によって鋳型201が加熱され、溶湯供給用空洞部341内の固体の金属3311が溶解して、得られた溶湯3312の温度が維持される。次に、鋳型201が注湯部3300に導入されて、内部に設置されたヒータ3302によって溶湯3312の温度が注湯温度に維持されながら、溶湯供給用空洞部341の上部に形成された入口322から加圧ガスノズル3304によって窒素ガスなどのガスが吹き込まれて溶湯供給用空洞部341内の溶湯3312が加圧されて注湯口321から鋳型201内に注湯されるようになっている。
【0036】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の第3の実施の形態を示している。図8に示すように、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置は、セラミックス基板に金属部材を接合する接合炉であり、雰囲気置換部4100と、予熱部4200と、注湯部4300と、加圧冷却部4400と、冷却部4500と、搬送路4600とを備えている。
【0037】
雰囲気置換部4100、予熱部4200、注湯部4300、加圧冷却部4400および冷却部4500は、それぞれ外部の大気雰囲気と異なる雰囲気を維持(予熱部4200、注湯部4300および加圧冷却部4400は、さらに外部温度と異なる温度を維持)することができる処理部であり、互いに略水平方向に隣接して配置されている。図中最も左側に配置された雰囲気置換部4100の左側の側壁には、(図示しない)鋳型投入口が形成され、図中最も右側に配置された冷却部4500の右側の側壁には、(図示しない)鋳型取り出し口が形成されている。また、雰囲気置換部4100と予熱部4200の間の隔壁と、予熱部4200と注湯部4300の間の隔壁と、注湯部4300と加圧冷却部4400の間の隔壁と、加圧冷却部4400と冷却部4500の間の隔壁には、それぞれ(図示しない)連通口が形成されている。搬送路4600は、これらの鋳型投入口、連通口および鋳型取り出し口を通過して略水平方向に延びており、鋳型20を鋳型投入口から雰囲気置換部4100、予熱部4200、注湯部4300、加圧冷却部4400および冷却部4500内に順次搬送して鋳型取り出し口から取り出すことができるようになっている。
【0038】
雰囲気置換部4100は、セラミックス基板12が内部に設置された鋳型20を外部から導入して、鋳型20内の空気を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気に置換するようになっている。
【0039】
予熱部4200は、内部に設置されたヒータ4202によって鋳型20を加熱して鋳型20の温度を維持するようになっている。
【0040】
注湯部4300は、予熱部4200から導入された鋳型20内にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注入するようになっている。この注湯部4300の内部には、鋳型20の温度を維持するためのヒータ4302が設置され、注湯部4300の外部には、鋳型20内に溶湯4312を注入するための注湯装置4310が設置されている。注湯装置4310は、溶湯4312を溜めておく溶湯溜め4314と、この溶湯溜め4314内の溶湯4312を鋳型20内に注湯するための溶湯供給管4316と、溶湯溜め4314を密閉して溶湯溜め4314内の溶湯4312を保温する保温密閉部材4318と、溶湯供給管4316内を流れる溶湯4312を保温するヒータなどを備えた保温部材4320と、溶湯溜め4314の入口4322と、保温密閉部材4318の内部のガス圧を調整するバルブ4324とを備えている。溶湯供給管4316は、注湯部4300の内部まで延びており、搬送された鋳型20の注湯口32が溶湯供給管4316の先端の溶湯出口の真下に到達したときに、ガス圧によって溶湯溜め4314内の溶湯4312が溶湯供給管4316の先端の溶湯出口から鋳型20内に注湯されるようになっている。
【0041】
加圧冷却部4400は、注湯部4300から導入された鋳型20内の溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させるようになっている。この加圧冷却部4400には、鋳型20内の注湯口32付近の温度を維持するためのヒータ4402と、鋳型20の注湯口32から窒素ガスなどのガスを吹き込んで鋳型20内の溶湯4312を加圧するための加圧ガスノズル4404と、鋳型20の注湯口32から離れた部分を上下から冷却するための冷却装置4430が設置されている。加圧ガスノズル4404は、搬送された鋳型20の注湯口32が加圧ガスノズル4404の真下に到達したときに下方に移動して鋳型20に当接するようになっている。また、冷却装置4430は、鋳型20の注湯口32から離れた部分の上側部分に接近または当接してその部分を冷却する上側冷却ブロック4432と、鋳型20の注湯口32から離れた部分の下側部分に接近または当接してその部分を冷却する下側冷却ブロック4434と、上側冷却ブロック4432および下側冷却ブロック4434をそれぞれ上下方向に移動させるための冷却ブロック駆動装置4436および4438とを備えている。
【0042】
この加圧冷却部4400では、鋳型20を冷却する際に、鋳型20の一部を冷却して鋳型20内に高温側と低温側を形成するとともに、鋳型20に注湯された溶湯4312を高温側から低温側に向けて加圧しながら鋳型20を冷却することによって、溶湯4312を固化させるようになっている。このように、冷却時に溶湯4312を高温側から低温側に向けて加圧、すなわち、凝固の進行と反対方向に加圧することにより、低温側で凝固した金属が収縮する部分に、高温側の未凝固の溶湯が円滑に補給されて、最終的に引け巣のない金属−セラミックス接合基板を得ることができる。また、鋳型20内の注湯口32側の部分が高温側になり且つ注湯口32と反対側の部分が注湯口32側の部分よりも低温側になるように冷却すれば、金属−セラミックス接合基板を製造するための鋳型20や製造装置の構造を簡略化することができる。
【0043】
冷却部4500は、加圧冷却部4400において内部の溶湯4312が固化した鋳型20を導入して全体的に冷却するようになっている。この冷却部4500には、鋳型20を上下から冷却するための冷却装置4530が設置されている。冷却装置4530は、鋳型20の上側部分に接近または当接してその部分を冷却する上側冷却ブロック4532と、鋳型20の下側部分に接近または当接してその部分を冷却する下側冷却ブロック4534と、上側冷却ブロック4532および下側冷却ブロック4534をそれぞれ上下方向に移動させて鋳型20に接近または当接させるための冷却ブロック駆動装置4536および4538とを備えている。
【0044】
図9は、本実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置の変形例を示している。図9に示すように、本変形例の金属−セラミックス接合基板の製造装置では、注湯部4300および加圧冷却部4400の代わりに、注湯および加圧冷却部5000が設けられている。この変形例は、注湯および加圧冷却部5000において鋳型20内に注湯5312した後に上側冷却ブロック5432および下側冷却ブロック5434を鋳型20に接近または当接させて、そのまま鋳型20内の溶湯5312を加圧しながら鋳型20を冷却して溶湯5312を固化させる以外は、図8に示す実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置と略同一であるので、参照符号に1000を加えて、その説明を省略する。なお、本変形例の注湯および加圧冷却部5000において、図8に示す実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置の雰囲気置換部4100および予熱部4200の処理を行うことができるようにしてもよい。
【0045】
上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型にアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯する前に、鋳型の温度と溶湯の温度との差が250℃以内、好ましくは150℃以内、さらに好ましくは50℃以内になるように予め鋳型を加熱して注湯時の熱衝撃を小さくしておくとよい。この差が250℃より高くなると、湯回りが悪く、引け巣やボイドなどの欠陥が生じ易くなる。なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯の場合には、溶湯と鋳型との反応による鋳型の消耗や、冷却に要する時間などによる生産性の低下の観点から、鋳型を加熱する温度は、800℃以下にするのが好ましく、750℃以下にするのがさらに好ましい。
【0046】
また、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、予熱部、注湯部、加圧冷却部および冷却部などを含む接合炉内では、酸素濃度を好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下になるように雰囲気を制御する。炉内の酸素濃度が高過ぎると、溶湯が酸化して表面張力が増大し、湯回りや濡れ性に影響する場合があり、また、カーボン製の鋳型を使用した場合に、酸化消耗によって鋳型の寿命が短くなるからである。
【0047】
また、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型内に注湯される溶湯の温度は、アルミニウムやアルミニウム合金などの液相線温度より5〜200℃高い温度であるのが好ましい。溶湯の温度が液相線温度より20℃高い温度より低い場合には、鋳型を加熱したり、溶湯を加圧して押し込んでも、湯流れ(湯回り)が悪く、特に、回路パターン用金属板やベース板のような金属部材の細部に欠陥が生じ易くなり、溶湯312の温度が液相線温度より200℃高い温度を超えると、酸化が激しくなったり、水素を吸蔵したりして、内部欠陥を生じさせる原因になるからである。
【0048】
また、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、溶湯を加圧する圧力は、1.0〜100kPaであるのが好ましく、3〜30kPaであるのがさらに好ましい。1.0kPa未満では、加圧効果が小さ過ぎて、引け巣やボイドなどの内部欠陥が生じ易く、100kPaを超えると、圧力が大き過ぎて、同様に引け巣やボイドなどの内部欠陥が生じ易くなるからである。
【0049】
また、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型を冷却する際に、溶湯がその液相線温度から450℃まで冷却される間の平均冷却速度が5〜100℃/分であるのが好ましく、10〜50℃/分であるのがさらに好ましく、15〜35℃/分であるのが最も好ましい。このように液相線温度から450℃までの平均冷却速度を制御することにより、金属−セラミックス接合基板の反り量を制御することができ、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材とセラミックス基板の間の熱ストレスを制御することができる。また、平均冷却速度が5℃/分未満では、アルミニウムやアルミニウム合金などの結晶粒が過度に粗大化したり、特にアルミニウム合金の場合には過度に析出したり、熱間割れが生じる場合があり、また、生産性の面でも不利である。一方、平均冷却速度が100℃/分を超えると、熱衝撃による熱ストレスのために、セラミックス基板に割れが生じる場合があり、また、アルミニウムやアルミニウム合金などがクリープ変形する時間的余裕がなく、熱膨張差による変形を吸収できずに大きな反りが生じる場合があるからである。
【0050】
さらに、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型を冷却する際に、鋳型内に形成される温度勾配が1〜50℃/cmであるのが好ましく、2〜30℃/cmであるのがさらに好ましく、2〜15℃/cmであるのが最も好ましい。1℃/cm未満では、凝固核生成の制御が難しく、至る所で凝固核が生成して凝固収縮が生じ、また、溶湯の補給経路が凝固した金属によって閉ざされてしまうため、引け巣やボイドが生じ易く、50℃/cmを超えると、凝固核生成よりも核の成長の方が優位になり、熱流方向に伸びた粗大結晶組織になり易く、ヒートサイクル性に劣る金属−セラミックス接合基板になるからである。
【0051】
なお、注湯口を備えた鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板に接触するようにアルミニウムやアルミニウム合金などの溶湯を注湯口から鋳型内に注湯し、鋳型を冷却して溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウムやアルミニウム合金などからなる金属部材を接合する金属−セラミックス接合基板の製造装置において、鋳型に注湯された溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させてセラミックス基板に金属部材を接合することができれば、上述した第1〜第3の実施の形態の金属−セラミックス接合基板の製造装置を適宜組み合わせてもよい。また、溶湯を加圧しながら鋳型を冷却する際に、鋳型を移動させながら溶湯を加圧するとともに鋳型を冷却してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による金属−セラミックス回路基板の製造装置の実施の形態により製造される金属−セラミックス回路基板の例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明による金属−セラミックス接合基板の製造装置の実施の形態に使用する鋳型の例を示す断面図である。
【図4】本発明による金属−セラミックス回路基板の製造装置の第1の実施の形態を概略的に示す図である。
【図5】本発明による金属−セラミックス回路基板の製造装置の第2の実施の形態を概略的に示す図である。
【図6】図5に示す第2の実施の形態の金属−セラミックス回路基板の製造装置の第1の変形例を概略的に示す図である。
【図7】図5に示す第2の実施の形態の金属−セラミックス回路基板の製造装置の第2の変形例を概略的に示す図である。
【図8】本発明による金属−セラミックス回路基板の製造装置の第3の実施の形態を概略的に示す図である。
【図9】図8に示す第3の実施の形態の金属−セラミックス回路基板の製造装置の変形例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10 金属ベース板、
12 セラミックス基板
14 金属回路板
20 鋳型
22 下側鋳型部材
24 上側鋳型部材
26 空洞部(ベース板形成部)
28 凹部(セラミックス基板収容部)
30 凹部(回路パターン用金属板形成部)
32 注湯口
100 金属−セラミックス接合基板の製造装置
200 予熱部
202、302、402 ヒータ
300 注湯部
310 注湯装置
312 溶湯
314 溶湯溜め
316 シリンダ
316a 注湯入口
316b 注湯出口
318 ピストン
320 ピストン駆動装置
400 加圧冷却部
404 加圧ガスノズル
406、506 上側冷却ガスノズル
408、508 下側冷却ガスノズル
500 冷却部
600 搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にセラミックス基板が設置された鋳型を予め加熱する予熱部と、この予熱部において予め加熱された鋳型の注湯口からセラミックス基板に接触するように鋳型内に溶湯を注入する注湯部と、この注湯部において鋳型に注入された溶湯を加圧しながら鋳型を冷却して溶湯を固化させる加圧冷却部とを備えたことを特徴とする、金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項2】
前記加圧冷却部において溶湯を加圧しながら鋳型を冷却する際に、前記鋳型の一部を冷却して鋳型内に高温側と低温側を形成するとともに、前記鋳型に注入された溶湯を高温側から低温側に向けて加圧することを特徴とする、請求項1に記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項3】
前記加圧冷却部において溶湯を加圧しながら鋳型を冷却する際に、前記鋳型内の注湯口側の部分が高温側になり且つ注湯口と反対側の部分が注湯口側の部分よりも低温側になるように冷却するとともに、前記鋳型に注湯された溶湯を高温側から低温側に向けて加圧することを特徴とする、請求項1に記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項4】
前記加圧冷却部において前記溶湯を加圧する際に、前記鋳型の注湯口からガスを吹き込んで加圧することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項5】
前記加圧冷却部において前記溶湯を加圧する際に、前記鋳型の注湯口からピストンにより加圧することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項6】
前記加圧冷却部において前記鋳型を冷却する際に、前記鋳型に冷却ガスを吹き付けることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項7】
前記加圧冷却部において前記鋳型を冷却する際に、前記鋳型に冷却ブロックを接近または当接させることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項8】
前記予熱部、前記注湯部および前記加圧冷却部の各々にヒータが設けられていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項9】
前記予熱部において鋳型を予め加熱する前に前記鋳型内の雰囲気を置換する雰囲気置換部をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。
【請求項10】
前記加圧冷却部において冷却された鋳型の略全体を冷却する冷却部をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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