説明

金属−金属酸化物複合電極、その製造方法及び光電変換素子

【課題】 工業的生産性に優れ、均一でかつ十分な表面粗度をもつ金属−金属酸化物複合電極を提供し、その金属−金属酸化物複合電極に増感色素を吸着させることで光電流の大きい色素増感型光電変換素子を提供する。
【解決手段】 チタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニウムから選ばれる金属、若しくはこれらの金属を主とする合金を、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中で電解酸化することにより均一でかつ十分な表面粗度をもつ金属−金属酸化物複合電極を作製することができ、この複合電極を用いることで光電流の大きい色素増感型光電変換素子が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属−金属酸化物複合電極及びその製造方法、並びにその方法により製造された金属−金属酸化物複合電極を含む光電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子は各種のセンサー、複写機、光発電装置等に用いられている。光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、これらを組み合わせたもの等、様々な方式が実用化されている。
【0003】
例えば、1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池は、ルテニウム錯体によって分光増感されたチタニア多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池であり、シリコン太陽電池並みの性能が得られることが報告されている(非特許文献1参照)。この技術によれば、チタニア等の安価な酸化物半導体微粒子をその支持体である透明電極上に塗布することで成膜し、色素を吸着させるだけで優れた光電変換素子となるため、安価な光電変換素子を提供することができるという利点がある。
【非特許文献1】ビィ・オレガン 外,「ネイチャー(Nature)」,1991年,第353巻,p.737−739
【0004】
しかしながら、酸化物半導体微粒子と透明電極との密着性は必ずしも高くなく、酸化物半導体微粒子の剥離や電気的接合に問題があった。一方、種々の水溶液中にて金属を陽極、任意の導電性材料を陰極とし、電圧を印加することにより、金属を電気化学的に酸化し、表面にその酸化物を形成する電解酸化法が知られている。電解酸化法を用いると、基板と酸化物の密着性が強く電気的な接合に優れ、他の酸化物膜の製造方法に比べて成膜速度が速く、導電性基板が大面積であっても均一に成膜できるという利点がある。ところが、酸化物半導体電極として好適なチタン、タンタル、ニオブ、タングステン、ジルコニウム等の金属にこの手法を適用すると、強固な酸化皮膜が得られるものの、投影面積に対する表面積の割合、すなわち表面粗度が小さく、小さな光電流しか取り出せないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、工業的生産性に優れ、均一でかつ十分な表面粗度をもつ金属−金属酸化物複合電極及びその製造方法、並びにその金属−金属酸化物複合電極を用いた光電流の大きい色素増感型光電変換素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、チタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニウムから選ばれる金属、若しくはこれらの金属を主とする合金を、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中で電解酸化することを特徴とする金属−金属酸化物複合電極の製造方法に関する。
【0007】
また本発明は、前記ハロゲン原子が塩素原子であることを特徴とする前記記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法に関する。
また本発明は、電解質溶液に過塩素酸が含まれることを特徴とする前記記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法に関する。
【0008】
また、本発明は、チタンまたはチタンを含む合金を電解酸化することにより、チタン−チタン酸化物複合電極を製造することを特徴とする前記記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法に関する。
また、本発明は、電解酸化の際の最高印加電圧が14V以上であることを特徴とする前記記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、前記記載の方法で製造された金属−金属酸化物複合電極に関する。
【0010】
さらに、本発明は、前記記載の方法で製造された金属−金属酸化物複合電極、色素及び電荷輸送材料を含むことを特徴とする色素増感光電変換素子に関する。
【0011】
以下、本発明について詳述する。
本発明の金属−金属酸化物複合電極に用いる金属は、チタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニウムから選ばれる金属である。これらは金属単体であっても合金であっても良い。
合金を用いる場合は、合金中に含まれるチタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニア以外の元素は電解酸化の条件で大部分が溶出する元素を用いるのが好ましい。合金中のチタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニアが合金全体に占める割合は30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上が最も好ましい。
【0012】
金属−金属酸化物複合電極の使用目的が色素増感型光電変換素子である場合、金属としてはチタンが特に好ましく、合金としてはチタンを含む合金が特に好ましい。チタンまたはその合金としては、酸素、鉄、窒素、水素で材質を調製した工業用純チタンや、ある程度のプレス成形性を有する低合金系のチタン合金を用いることができ、JIS(日本工業規格)1種、2種、3種、4種の各種工業用純チタンや、ニッケル、ルテニウム、タンタル、パラジウム等を添加し耐食性を向上させた合金、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、錫、鉄、クロム、ニオブ等を添加した合金等をその一例として挙げられる。また形状に関しては、チタンまたはその合金の板、ロッド、メッシュ等の様々な形状に加え、板、ロッド、メッシュといった形状の異種導電性材料表面にチタンまたはその合金を膜として成長させたもの、板、ロッド、メッシュといった形状の半導体もしくは絶縁性材料表面にチタンまたはその合金を膜として成長させたもの等挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、表面の平滑性に関しては、電解酸化工程においては、複雑な形状の表面構造であってもチタニアを成長させることが可能であり、その平滑性は制限されない。
【0013】
本発明において電解酸化は、電解質溶液中で金属またはその合金を陽極、任意の導電材料を陰極とし、電圧をかけることにより、陽極表面上にその酸化物を形成する技術であり、電解酸化処理中に金属またはその合金が陽極である状態が一度でもあればよく、陽極と陰極を交互に実施する場合も含む。
電解酸化は、通常、印加電圧が5〜200V、好ましくは10〜150V、より好ましくは14V〜110Vである。電流密度が0.2〜500mA/cm、好ましくは0.5〜100mA/cmの範囲で、1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間行われる。
また、陽極酸化時の電解質溶液の温度は0〜50℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
【0014】
電解酸化に用いられる電解質溶液としては、金属またはその合金をアノード分極した際に、金属もしくはその合金を溶解させることができる溶解力が必要である。本発明において用いる電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンが含まれることが必須である。ここでいうハロゲン原子を含有するイオンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれかを含有するイオンであり、具体的にはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等が挙げられる。これらのイオンは、単独でもよいし、二種以上の混合物として用いることも可能である。
【0015】
これらのイオンを含む電解質溶液としては、水系、非水系のいずれも使用可能であるが、水系が好ましい。具体的には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩の水溶液が用いられる。その濃度は、酸もしくは塩として、0.0001〜10容量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜5容量%、さらに好ましくは0.0005〜1容量%の範囲である。
本発明においては、ハロゲン原子として塩素原子が好ましく、電解質溶液としては過塩素酸水溶液が特に好適である。
【0016】
電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩とは異種の酸性化合物を含有させても良い。このような異種の酸性化合物を含有させることにより、陽極酸化速度を促進または抑制するといった、反応速度を制御することができる。
かかる酸性化合物としては、前述のハロゲン化物もしくはその酸化体イオンの酸の他、硫酸、硝酸、酢酸、過酸化水素、シュウ酸、リン酸、クロム酸、グリセロリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
【0017】
上記の方法により十分な表面粗度をもつ金属−金属酸化物複合電極を得ることができる。得られる金属酸化物の形状は、電解酸化条件、電解液種類、濃度によりスポンジ状、チューブ状等様々なものが得られる。
【0018】
得られた金属−金属酸化物複合電極は、必要により、加熱処理、水蒸気処理、紫外線照射等の後処理を行うことで、金属酸化物の結晶構造を成長させることができる。例えば、加熱処理の場合、100℃〜1200℃の温度で10分〜500分、好ましくは、300℃〜800℃の温度で30分〜160分処理を行うことで、その結晶性が向上することが期待できる。これらの処理により、構造体は崩壊しない。
【0019】
得られた金属−金属酸化物複合電極上にさらに酸化物半導体を形成してもよい。酸化物半導体を形成する方法としては、真空蒸着法、化学的蒸着法、スパッタリング法などの気相法、スピンコート法、ディップコート法、液相成長法などの液相法、溶射法や固相反応を用いた方法などの固相法、熱処理法、半導体微粒子コロイドを塗布する方法が挙げられる。
【0020】
半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の粒径は好ましくは5〜200nm、より好ましくは8〜100nmである。また、分散液中の二次粒子の平均粒径は好ましくは0.01〜10μmである。
【0021】
好ましい塗布方法の例としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとしてワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が挙げられる。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては凸版、オフセット及びグラビアの三大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から液粘度やウェット厚さに応じて成膜方法を選択してよい。
【0022】
半導体微粒子を金属−金属酸化物複合電極上に塗布した後、半導体微粒子同士の電気的接触を向上させるとともに、塗膜強度や金属−金属酸化物複合電極との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。加熱処理においては、100℃〜1200℃の温度で10分〜500分、好ましくは、300℃〜800℃の温度で30分〜160分処理を行う。
【0023】
加熱処理後、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理、またはフッ化チタンやヘキサフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタニルを含む水溶液を用いた結晶の液相成長を施すことで、半導体微粒子同士及び金属−金属酸化物複合電極と半導体微粒子との密着性をさらに向上させることもできる。
【0024】
前記のように作製された金属−金属酸化物複合電極は色素増感型光電変換素子に好ましく用いることができる。色素増感型光電変換素子は、好ましくは図1に示すように導電層1、感光層2、電荷輸送層3および透明対極導電層4をこの順に積層した構成を有する。本発明では導電層1に金属−金属酸化物複合電極の金属部分を用い、感光層2に金属−金属酸化物複合電極の金属酸化物部分を用いる。光電変換素子に強度を付与するために、透明導電層4の下地として透明基板5を設けてもよい。なお、本発明では対極導電層4および任意で設ける基板5からなる層を対極と呼び、対極は透明であることを要する。このような光電変換素子のうち、発電をさせるために外部負荷に接続したものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたものが光センサーである。光電池の中で、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなるものを光電気化学電池と呼び、また太陽光による発電を主目的とするものを太陽電池と呼ぶ。
【0025】
図1に示す光電変換素子において、色素により増感した金属酸化物を含む感光層2に入射した光は色素等を励起し、励起された色素等中の高エネルギーの電子は金属酸化物の伝導体に渡され、さらに拡散して導電層1に到達する。このとき色素は酸化体となっている。光電池において、導電層1中の電子が外部回路で仕事をしながら透明対極導電層4及び電荷輸送層3を経て色素の酸化体に戻り、色素が再生する。感光層2はアノードとして働き、透明対極導電層4はカソードとして働く。それぞれの層の境界では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合してもよい。
【0026】
金属−金属酸化物複合電極は、適切な増感色素を吸着させることにより金属部分が導電層に、金属酸化物部分が感光層になる。感光層において、色素増感した金属酸化物は感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生じる。光吸収及びこれによる電子及び正孔の発生は主として色素において起こり、金属酸化物はこの電子を受け取り伝達する役割を担う。すなわち、金属酸化物は光励起下で伝導体電子によるアノード電流を与えるn型半導体である。
【0027】
感光層に用いる金属酸化物は、金属化合物の溶液で処理してもよい。金属化合物としては、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタノイド、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、ストロンチウム、タングステン、ジルコニウム及びスズからなる群から選ばれる金属のアルコキシド、ハロゲン化物等が使用できる。金属化合物の溶液は通常水溶液またはアルコール溶液である。なお、処理とは金属酸化物に色素を吸着させる前に、該金属酸化物と上記溶液をある時間接触させる操作をいう。接触後に金属酸化物に上記金属化合物が吸着していてもしていなくてもよい。処理の具体的方法としては、金属酸化物を該溶液に浸漬する方法が好ましい例として挙げられる。また、溶液をスプレー状に一定時間吹き付ける方法も適用できる。浸漬する際の溶液の温度は特に限定されないが、典型的には−10〜70℃であり、好ましくは0〜40℃である。浸漬する時間は特に限定されず、典型的には1分から24時間であり、好ましくは30分から15時間である。浸漬の後、金属酸化物を水等の溶媒で洗浄してもよい。また、浸漬やスプレー処理によって金属半導体に付着した物質の結合を強めるために加熱してもよい。加熱条件は、上述した条件と同様に設定すればよい。
【0028】
感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し半導体を増感し得るものであれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体が好ましい。色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えばメリクルクロム)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、または光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
【0029】
色素を金属酸化物に付着させる方法としては、溶媒に色素を溶解させた溶液を、金属酸化物上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。または金属酸化物を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることも出来る。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは10分〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。好ましくは溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
【0030】
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0031】
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、金属酸化物に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
【0032】
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
【0033】
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、金属酸化物の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としてはテトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
【0034】
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。本発明で用いる電荷輸送材料は、イオンが関わる電荷輸送材料であっても、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料であってもよい。イオンが関わる電荷輸送材料としては、酸化還元対イオンが溶解した溶液、酸化還元対の溶液をポリマーマトリックスのゲルに含浸したゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料としては、電子輸送材料や正孔輸送材料等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は複数併用してもよい。
【0035】
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、Iと、LiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。
【0036】
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
【0037】
また、4−t−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/Lである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有することが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の質量比は好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
【0038】
ポリマーマトリックスとして使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
【0039】
また本発明では、イオン伝導性電解質の代わりに、有機固体正孔輸送材料、無機固体正孔輸送材料、或いはこの両者を組み合わせた材料を使用することができる。
【0040】
本発明において好ましく使用できる有機正孔輸送材料の例としては、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール、ポリアセチレン及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及び/又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリトルイジン及び/又はその誘導体等の導電性高分子も好ましく使用することができる。その際、ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を正孔輸送材料に添加してもよい。また、金属酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CFSON]のような塩を添加してもよい。
【0041】
無機正孔輸送材料としてはp型無機化合物半導体を用いることができ、そのバンドギャップは好ましくは2eV以上、より好ましくは2.5eV以上である。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは、色素の正孔を還元するためには色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なるが、一般に好ましくは4.5〜5.5eV、より好ましくは4.7〜5.3eVである。好ましいp型無機化合物半導体は1価の銅を含む化合物半導体であり、その例としてはCuI、CuSCN、CuInSe、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe、Cu2O、CuS、CuGaS、CuInS、CuAlSe等が挙げられる。中でも、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。他のp型無機化合物半導体の例としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr等が挙げられる。
【0042】
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つ目の方法は感光層と対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。2つ目の方法は感光層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
【0043】
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
【0044】
後者の方法において湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与しエッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。電解液、湿式有機正孔輸送材料、ゲル電解質組成物等からなる電荷輸送層を形成する場合は、前述の半導体微粒子層の形成方法と同様の方法を利用できる。
【0045】
固体電解質組成物や固体正孔輸送材料を用いる場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等により電極内部に導入することができる。無機固体化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等により電極内部に導入することができる。
【0046】
対極は導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。本発明では、色素増感光電変換素子は対極側から光を照射するので、対極導電層に用いるのは透明性の高い金属酸化物(錫や亜鉛などの金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Indium Zinc Oxide(IZO(In:Zn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などの金属酸化物からなる導電膜等)である。これに金属(白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)や炭素等を少量併用しても良い。対極に用いる基板は、好ましくはガラス基板又はプラスチック基板であり、これに上記の導電剤を塗布又は蒸着して用いることができる。対極導電層の厚さは光透過率によって制限される。光透過率は30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。対極導電層の表面抵抗は低い程よく、好ましくは50Ω/□以下、より好ましくは20Ω/□以下である。
【0047】
対極は電荷輸送層上に直接導電剤を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付けて設置すればよい。対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。透明基板上に金属リードを蒸着、スパッタリング等で設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、ITO膜等からなる透明対極導電層を設けるのが好ましい。また、透明対極導電層を透明基板に設けた後、透明対極導電層上に金属リードを設置することも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【発明の効果】
【0048】
以上説明した通り、本発明によれば、工業的生産性に優れ、均一でかつ十分な表面粗度をもつ金属−金属酸化物複合電極を提供することができ、その金属−金属酸化物複合電極に増感色素を担持させることで光電流の大きい色素増感型光電変換素子を提供することができる。
【実施例】
【0049】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
【0050】
《金属−金属酸化物複合電極の作製》
[実施例1]
本発明にかかるチタン−チタン酸化物複合電極を以下のような手順で製作した。
まず、大きさが6cm×1.5cm、厚さ1mmのチタン板(純度99.7重量%)を用意し、エタノール中で5分間超音波洗浄を施した。次に、濃度が0.01容量%、温度が16℃の過塩素酸水溶液からなる電解質水溶液中でチタンを30Vで1時間定電圧電解酸化することによってチタン表面にチタン酸化物を得た。この複合電極を450℃で1時間焼成したところ、アナターゼ型の結晶構造のチタニアが得られた。得られたチタニアは0.5mm×0.5mmのサイズになるようにチタン板から削りとった。
【0051】
[実施例2]
本発明にかかるチタン−チタン酸化物複合電極を以下のような手順で製作した。
まず、大きさが6cm×1.5cm、厚さ1mmのチタン板(純度99.7重量%)を用意し、エタノール中で5分間超音波洗浄を施した。次に、濃度が0.01容量%、温度が16℃の過塩素酸水溶液からなる電解質水溶液中でチタンを3.5mA/cmで1時間定電流電解酸化することによってチタン表面にチタン酸化物を得た。この電解での最大電圧は29Vであった。この複合電極を450℃で1時間焼成したところ、アナターゼ型の結晶構造のチタニアが得られた。得られたチタニアは0.5mm×0.5mmのサイズになるようにチタン板から削りとった。
【0052】
[実施例3]
本発明にかかるチタン−チタン酸化物複合電極を以下のような手順で製作した。
まず、大きさが6cm×1.5cm、厚さ1mmのチタン板(純度99.7重量%)を用意し、エタノール中で5分間超音波洗浄を施した。次に、濃度が0.01容量%、温度が16℃の過塩素酸水溶液からなる電解質水溶液中でチタンを3.5mA/cmで1時間定電流電解酸化することによってチタン表面にチタン酸化物を得た。この電解での最大電圧は29Vであった。得られたチタン−チタン酸化物複合電極上に、ナノサイズチタニアペースト(SOLARONIX社製Ti−Nanoxide T)をアプリケータを用いて、ギャップ約120μmで塗布して80℃で乾燥させた。この複合電極を450℃で1時間焼成し、得られたチタニアは0.5mm×0.5mmのサイズになるようにチタン板から削りとった。
【0053】
[比較例1]
大きさが6cm×1.5cm、厚さ1mmのチタン板(純度99.7重量%)上にナノサイズチタニアペースト(SOLARONIX社製Ti−Nanoxide T)をアプリケータを用いて、ギャップ約180μmで塗布して80℃で乾燥させた。塗布したチタン板を、450℃で1時間焼成し、得られたチタニア微粒子膜は0.5mm×0.5mmのサイズになるようにチタン板から削りとった。チタニア微粒子膜の厚さは約9μmであった。
【0054】
《色素の吸着》
上述のように実施例1〜3および比較例1で作製したチタン−チタン酸化物複合電極を、それぞれ、ルテニウム色素(Rutenium535−bisTBA:SOLARONIX社製)/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素を吸着させた。
【0055】
《対極の作製》
表面抵抗値10Ω/sqのSnO:Fガラス(ガラス基板上にSnO:F膜を形成した透明導電性ガラス)上に導電性ガラスの透明性を失わない程度に白金を蒸着して対極を作製した。この白金蒸着導電性ガラスの透過率は50%であった。
【0056】
《光電変換素子の作製及び測定》
上述のようにして作製したそれぞれの色素増感電極と白金薄膜のついたガラスの白金面を、60μmの厚みのPETフィルムをスペーサとして周辺に配置して向かい合わせて、その隙間に0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.5mol/Lのヨウ化1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、0.5mol/Lの4−t−ブチルピリジン、0.05mol/Lのヨウ素を含むメトキシプロピオニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。
このようにして得たセルに疑似太陽光(1kW/m)を照射し、電流電圧特性を測定した。また、チタニアへの色素吸着量は、吸着した色素を0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液で脱着させ、溶出した色素を分光法で定量した。表1に本発明の光電変換素子及び比較用光電変換素子の性能を示す。
【0057】
【表1】

【0058】
表1の結果から、本発明の方法によるチタン−チタン酸化物複合電極を用いた光電変換素子は、従来のナノサイズ微粒子チタニアを用いた比較例1の光電変換素子よりも光電流が大きく、優れた光電変換素子であることがわかる。また、本発明の光電変換素子は、比較例に比べて色素吸着量が多い。これは、表面粗度が高いためであると考えられ、これが光電流の大きい原因であると推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の光電変換素子の一例を示す断面概略図である。
【図2】本発明の光電変換素子の一例を示す断面概略図である。
【符号の説明】
【0060】
1 導電層
2 感光層
3 電荷輸送層
4 透明対極導電層
5 透明基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン、タンタル、ニオブ、タングステン及びジルコニウムから選ばれる金属、若しくはこれらの金属を主とする合金を、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液中で電解酸化することを特徴とする金属−金属酸化物複合電極の製造方法。
【請求項2】
ハロゲン原子が塩素原子であることを特徴とする請求項1記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法。
【請求項3】
電解質溶液に過塩素酸が含まれることを特徴とする請求項1記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法。
【請求項4】
チタンまたはチタンを含む合金を電解酸化することにより、チタン−チタン酸化物複合電極を製造することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法。
【請求項5】
電解酸化の際の最高印加電圧が14V以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の金属−金属酸化物複合電極の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの項に記載の方法で作製された金属−金属酸化物複合電極。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかの項に記載の方法で作製された金属−金属酸化物複合電極、色素及び電荷輸送材料を含むことを特徴とする色素増感型光電変換素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−127782(P2006−127782A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310793(P2004−310793)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】