金属ガスケット

【課題】簡易な手段で精度良く一対の接合面との位置決めが可能な金属ガスケット1を提供する。
【解決手段】薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケット1である。2個のボルト挿通孔4−1,4−2を加工する際に上方に突出する円筒状の突起8をバーリング加工で形成し、且つ他の2個のボルト挿通孔4−3,4−4を加工する際に、下方に突出する円筒状の突起9をバーリング加工で形成する。
【解決手段】薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケット1である。2個のボルト挿通孔4−1,4−2を加工する際に上方に突出する円筒状の突起8をバーリング加工で形成し、且つ他の2個のボルト挿通孔4−3,4−4を加工する際に、下方に突出する円筒状の突起9をバーリング加工で形成する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の接合面間に介装される金属ガスケットに係り、特に、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットに好適な金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属ガスケットとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この金属ガスケットは、サージタンクに取り付けられて、バルブハウジング間の液体シールを行うものである。また、基板に開口するボルト挿入用孔の縁部について、基板の一方の面側に向けて突出する位置決め用突起を形成すると共に、基板の他方の面側にビードを形成したものである。
そして、バルブハウジングのボルト孔に、上記位置決め用突起を挿入することで組み立て時の位置合わせと脱落防止を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−346168号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の金属ガスケットでは、上記位置決め用突起をハウジング側のみに突出させているので、ハウジングとガスケットとは位置決め及び脱落防止を図ることは出来るものの、当該金属ガスケットのサージタンクカバー側には位置決め用突起が無いので、そのままでは、バルブハウジングのボルト孔径とボルト孔径の差分は、ずれが起るおそれがあるので、その分、位置調整などを含む組付けに手間が掛かる。
【0005】
特に、シリンダブロックとシリンダヘッドとの組付けには、高精度の位置合わせが要求され、上記課題が顕著である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、簡易な手段で精度良く一対の接合面との位置決めが可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、上記接合面の開口部と対向する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の一方の面側に突出する筒状の突起を設け、且つ、その他の加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の他方の面側に突出する筒状の突起を設け、上記各突起を位置決めガイドとすることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、基板に対し、一方の接合面側の開口部に挿入される突起と、他方の接合面側の開口部に挿入される突起とを共に備えることで、金属ガスケット自体に、接合する2つの接合部品の両方を位置合わせするためのガイドを持たせることが出来る。
また、突起を中空の筒状とすることで、上記加工孔内への目的物(ボルトや液体など)の通過が可能となる。さらに、筒状とすることで、加工孔外縁の一部から板状の突起を突出させる場合と比較して、剛性が高くなるなど横全方向への拘束力が強くなり、その分、より有効に位置決めのためのガイドとして作用する。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記基板の一方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設け、且つ、基板の他方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設けることを特徴とするものである。
本発明によれば、各接合面に対し、2箇所以上の開口部にそれぞれ位置合わせ用の突起が挿入されることで、確実に且つ自動的に位置調整が行われる。
【0009】
次に、請求項3に記載した発明は、薄肉金属板からなる基板を複数枚積層して構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、各基板には、上記接合面の開口部と対応する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ一方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、且つ上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ他方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、一方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすると共に他方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、上記筒状の突起を設ける基板は、一番外側に位置する基板に限定されない。
本発明によれば、ガスケット自体に、一方の接合面側の開口部に挿入される突起と、他方の接合面側の開口部に挿入される突起とを備えることで、金属ガスケット自体に、接合する2つの接合部品の両方を位置合わせするためのガイドを持たせることが出来る。
【0011】
また、突起を中空の筒状とすることで、上記加工孔内への目的物(ボルトや液体など)の通過が可能となる。さらに、筒状とすることで、加工孔外縁の一部から板状の突起を突出させる場合と比較して、剛性が高くなど横方向への拘束力が強くなり、その分、より有効にガイドとして作用する。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、上記筒状の突起の先端部外径面は、先端に行くほど小径となっていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、筒状の突起の先端部外径面が先端側が小径のテーパ状となることで、対向する接合面の開口部外縁に対して、必ずしも面取りを施さなくても、突起の挿入が容易となる。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した構成に対し、上記筒状の突起は、バーリング加工で形成されたものであり、且つ、少なくとも先端部には、突起の突出方向に沿って延びて先端に開放される複数の切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
バーリング加工で突起を突出成形させると、切欠きを設けないと突出量が制限されるが、本願発明では、少なくとも先端部に積極的に割れを入れておくことで、突起の高さを稼ぐことが可能となる。突起の高さが高ければ、その分、ガイド孔に挿入しやすくなる。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項5に記載した構成に対し、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装される金属ガスケットであり、且つ上記突起が形成される加工孔は、燃焼室孔以外の加工孔であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、高精度の位置合わせが要求される、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の位置合わせが、容易且つ高精度に行うことが可能となる。
すなわち、シリンダブロックとシリンダヘッド間に機密を担うシリンダヘッド用ガスケットが挟み込まれるが、このガスケットとしては、近年にあっては、金属ガスケットが主流となっており、薄板金属板を、単板で使用したり、複数枚積層して使用している色々な構造のガスケットが採用され始めている。しかし、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッド間、その間にあるシリンダヘッド用ガスケットの三者の位置決めは、従来、シリンダブロックに打ち込まれた2本のガイドノックピンで位置決めしている。本発明は、この2本のガイドノックピン機能をシリンダヘッドガスケットに付加し、ノックピンを廃止することが可能となる。
【0015】
また、燃焼室孔間の位置合わせも高精度に合わせる必要があるので、加工孔であるが、上記突起を設けることは支障がある。そこで、突起を設ける加工孔から燃焼室孔を除去している。
なお、突起を設ける加工孔の例としては、ボルト挿入孔、冷却水孔、油孔などが例示できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明についての第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケットを示す平面図である。
本実施形態の金属ガスケット1は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介挿されるガスケットの例である。
【0017】
まず構成について説明する。
本実施形態の金属ガスケット1の基板2としては、例えばステンレス鋼板又は軟鋼板等の金属板が例示できるが、ここでは、安価なガスケットを提供するために軟鋼板を使用したこととする。なお、ビードを、後述する構造のような、金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成すれば、基板2を軟鋼板などの剛性の低い金属で構成しても、十分なシール圧を確保することができる。
【0018】
上記基板2には、燃焼室孔7が大きく開口し、この燃焼室孔7の開口端部全周が上方に折り返されて最も厚肉の第1増厚部30が形成され、これにより、他の部分との間に板厚差が設けられている。基板2における上記燃焼室孔7の外周側には、当該燃焼室孔7を囲むように4個の加工孔であるボルト挿通孔4−1〜4−4が開口している。また、基板2には、加工孔である油孔5やチェンチャンバ孔6なども開口し、当該チェンチャンバ孔6の外方側にもボルト挿通孔4−5が開口している。なお、このボルト挿通孔の開口端部全周も上方に折り返されて厚肉の増厚部を構成している。
【0019】
そして、各加工孔を囲うようにしてシールラインSLが配置され、該シールラインSLに沿ってビードが形成されている。なお、図1に示すシールラインSLの配置や加工孔の位置及び種類は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、基板2には加工孔である冷却水孔が開口している場合もあり、また、シールラインSLとしては、上記燃焼室孔7を囲うように当該燃焼室孔7の外縁に沿って無端環状にシールラインSLが配置される場合もある。
【0020】
上記4個のボルト挿通孔のうち、図1中、右下及び左上の孔4−1、4−2には、上方に向けて突出する円筒状の突起8が形成され、また、左下及び右上の孔4−3,4−4には、下方に向けて突出する円筒状の突起9が形成されている(図2参照)。なお、図によっては適宜ビードを省略して記載してある。
上記各突起8,9は、例えば、まず加工孔の孔径小さくして開口しておき、その後、バーリング加工にて孔の外縁を立ち上げることで、各孔を目的の径に拡径すると共に所定高さで且つ円筒形の突起とすることで成形される。なお、上記筒状の突起の横断面形状は、円形に限定されず、矩形や6角形形状などであって良い。
【0021】
そして、図3に示すように、上側に突出する突起8が、シリンダヘッド32に開口したボルト孔34に差し込まれて、シリンダヘッド32とガスケット1との間の位置決めが行われる。また、下側に突出する突起9がシリンダブロック33に開口したボルト孔35に差し込まれて、シリンダブロック33とガスケット1との間の位置決めが行われる。この結果、自動的に、金属ガスケット1を介して、シリンダヘッド32とシリンダブロック33との間の位置決めも実施される。その後、ボルト36を締め付ける。
【0022】
このように、本実施形態の金属ガスケット1を使用すると、従来使用していたガイド用のノックピンが不要となり、部品点数が削減されると共に、ノックピン取付けの工程が不要となり、コスト削減及び工数削減を図ることができる。
ここで、上記各突起の先端部外径面に対して、図4に示すような、先端に向かうにつれて小径となるようなR面11を形成しておくと良い。このようなR面11を、突起先端部外面に設けておくと、対応するボルト孔34,35の開口端部に面取りを施さなくても、当該ボルト孔への突起の挿入が容易となる。
【0023】
上記R面11は、図4のように、突起先端部の外面を鍛造成形したり、研削等したりして、先端に向けて突起の肉厚を薄くすることで形成しても良いし、バーリング加工時に、先端部がやや内径側に向くようなRを残すように、つまり先端の径を根元の径よりも小さい状態である、完全に解放しないように加工することで、先端外面側にR面11を形成するようにしても良い(図3の突起9を参照)。
【0024】
さらに、図5に示すように、上記突起について、先端部に予め複数個のスリットを設けてバーリング加工の際に先端部へ積極的に割りを入れて切欠き12を形成するようにしても良い。このように突起先端部に割れによる切欠き12を積極的に形成することで、突起8,9の高さをその分高くすることができる。また、上記のように先端部にR面11を形成する場合には、更に、対象とするボルト孔への挿入が容易となる。
【0025】
ここで、上記シールラインSLに沿って形成されるビードは特に限定されないが、例えば、基板2自体を屈曲して凸状のフルビードからなる金属ビード等を採用すればよい。
また、上記ビードを、図6に示すような、金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成すると、基板2を構成する金属の硬度をその分小さくすることが可能となり、かつ、上記突起8,9の形成のためのバーリング加工が容易且つ精度も向上することになる。
【0026】
上記金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成されるビードとは、上記図6のように、ビードを一方の面側に向けて凸部となるように屈曲して形成されるフルビードからなる金属ビード37と、その金属ビード37の凸部側に固着及び凹部内に充填されて上記金属ビード37と共に圧縮変形する弾性シール材38a、38bからなるゴムビード38と、の組合せである。上記凸部側に固着する弾性シール材38aの高さは、金属ビード37の高さと略同一の高さ若しくは金属ビード37よりも若干高い高さとすればよい。上記弾性シール材38a、38bは、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等から構成すればよい。
【0027】
このような構成のビードにあっては、金属ガスケット1を、シリンダブロック33とシリンダヘッド32との対向する接合面間に介装して締結ボルト36で締め付けると、金属ビード37の凹部に充填された弾性シール材が金属ビード37と共に板厚方向に圧縮変形して所望のシール圧を発生すると共に、凸部側に固着した弾性シール材も一緒に圧縮変形することで、基板2の反りなどの変形を抑える。そして、締め付け終了時においては、最も板厚が厚い基板2の第1増厚部30と他の部分との板厚差により該第1増厚部30に最も面圧が集中して最大荷重が作用する。さらに、この第1増厚部30のストッパー効果により金属ビード37の凸部側および凹部側に固着、充填された弾性シール材38a、38bの全屈が防止される。なお、金属ビード37がステップ状のハーフビードからなるときには、図7に示すようにゴムビード38を構成する。
【0028】
ここで、上記実施形態では、シリンダブロック33とシリンダヘッド32との間に介挿されるガスケットで例示したが、他の接合面間に介装される金属ガスケット1であっても本発明は適用することができる。
また、上記実施形態では、バーリング加工で突起8,9を形成する場合を例示したが、これに限定されず、図8のように、加工孔4−2に対して、キャップ状の筒体40を圧着して突起を形成するようにしてもよい。この場合に、筒体40のフランジ40aが、基板下面から突出しないようにする。また、仮に突出しても、金属ビードの凸部側の面であれば、第1増厚部30及び第2増厚部31と基板板厚との差分は隙間が発生しているので、吸収することができる。
【0029】
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な部材などについては同一の符号を付して説明する。
上記第1実施形態は、金属ガスケット1を1枚の基板2で構成する場合を例示しているが、複数枚の基板2で構成する場合の例である。
すなわち、図9に示すように、一番上の基板2−1に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、上方に向かう突起8を形成し、且つ、一番下側の基板2−3に開口するボルト孔の2箇所以上について、下方に向かう突起9を形成して、図10に示すような、複数層の基板2−1〜2−3でブラケットを構成する。なお、積層される複数枚の基板2間については、公知の手段で一体化を図っておけばよい。
【0030】
本実施形態では、一枚の基板2に形成する突起の方向を一方向に限定することができ、基板の加工工程などの低減を図ることができる。
そして、図11に示すように、上記と同様な作用効果を発揮する。図11では、中央の基板2−2を省略する。
または、図12に示すように、一番上の基板2−1に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、下方に向かう突起9を形成し、且つ、一番下側の基板2に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、上方に向かう突起8を形成するように構成して、各突起8,9を他の基板2に開口したボルト孔に通すように構成しても良い。この場合には、上記突起8,9は、複数枚の基板2間も位置決めするガイドの役割を有する。
【0031】
また、上記突起を設ける基板2は、一番上側及び一番下側の基板に限定されない積層の途中に位置する基板に形成された加工孔に、上記ガイド用の筒状の突起を形成しても良い。
その他の構成などは、上記第1実施形態と同様である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明を採用すると、ガイドピンが不要になり、加工工数も削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットを示す平面図である。
【図2】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットの組付け状態を示す断面図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係る突起の一例を示す図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る突起の一例を示す図である。
【図6】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図7】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図8】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る基板を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係るブラケットを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図11】本発明に基づく第2実施形態に係るブラケットの組付け状態を示す断面図である。
【図12】本発明に基づく第2実施形態に係る突起の別例を示す断面図である。
【符号の説明】
SL シールライン
1 金属ガスケット
2 基板
4−1〜4−5
ボルト挿通孔
5 油孔
6 チェンチャンバ孔
7 燃焼室孔
8 突起
9 突起
11 R面
12 切欠き
30 第1増厚部
31 増厚部
32 シリンダヘッド
33 シリンダブロック
34 ボルト孔
35 ボルト孔
36 ボルト
37 金属ビード
38 ゴムビード
40 筒体
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の接合面間に介装される金属ガスケットに係り、特に、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットに好適な金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の金属ガスケットとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この金属ガスケットは、サージタンクに取り付けられて、バルブハウジング間の液体シールを行うものである。また、基板に開口するボルト挿入用孔の縁部について、基板の一方の面側に向けて突出する位置決め用突起を形成すると共に、基板の他方の面側にビードを形成したものである。
そして、バルブハウジングのボルト孔に、上記位置決め用突起を挿入することで組み立て時の位置合わせと脱落防止を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−346168号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の金属ガスケットでは、上記位置決め用突起をハウジング側のみに突出させているので、ハウジングとガスケットとは位置決め及び脱落防止を図ることは出来るものの、当該金属ガスケットのサージタンクカバー側には位置決め用突起が無いので、そのままでは、バルブハウジングのボルト孔径とボルト孔径の差分は、ずれが起るおそれがあるので、その分、位置調整などを含む組付けに手間が掛かる。
【0005】
特に、シリンダブロックとシリンダヘッドとの組付けには、高精度の位置合わせが要求され、上記課題が顕著である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、簡易な手段で精度良く一対の接合面との位置決めが可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、上記接合面の開口部と対向する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の一方の面側に突出する筒状の突起を設け、且つ、その他の加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の他方の面側に突出する筒状の突起を設け、上記各突起を位置決めガイドとすることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、基板に対し、一方の接合面側の開口部に挿入される突起と、他方の接合面側の開口部に挿入される突起とを共に備えることで、金属ガスケット自体に、接合する2つの接合部品の両方を位置合わせするためのガイドを持たせることが出来る。
また、突起を中空の筒状とすることで、上記加工孔内への目的物(ボルトや液体など)の通過が可能となる。さらに、筒状とすることで、加工孔外縁の一部から板状の突起を突出させる場合と比較して、剛性が高くなるなど横全方向への拘束力が強くなり、その分、より有効に位置決めのためのガイドとして作用する。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記基板の一方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設け、且つ、基板の他方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設けることを特徴とするものである。
本発明によれば、各接合面に対し、2箇所以上の開口部にそれぞれ位置合わせ用の突起が挿入されることで、確実に且つ自動的に位置調整が行われる。
【0009】
次に、請求項3に記載した発明は、薄肉金属板からなる基板を複数枚積層して構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、各基板には、上記接合面の開口部と対応する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ一方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、且つ上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ他方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、一方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすると共に他方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、上記筒状の突起を設ける基板は、一番外側に位置する基板に限定されない。
本発明によれば、ガスケット自体に、一方の接合面側の開口部に挿入される突起と、他方の接合面側の開口部に挿入される突起とを備えることで、金属ガスケット自体に、接合する2つの接合部品の両方を位置合わせするためのガイドを持たせることが出来る。
【0011】
また、突起を中空の筒状とすることで、上記加工孔内への目的物(ボルトや液体など)の通過が可能となる。さらに、筒状とすることで、加工孔外縁の一部から板状の突起を突出させる場合と比較して、剛性が高くなど横方向への拘束力が強くなり、その分、より有効にガイドとして作用する。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、上記筒状の突起の先端部外径面は、先端に行くほど小径となっていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、筒状の突起の先端部外径面が先端側が小径のテーパ状となることで、対向する接合面の開口部外縁に対して、必ずしも面取りを施さなくても、突起の挿入が容易となる。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した構成に対し、上記筒状の突起は、バーリング加工で形成されたものであり、且つ、少なくとも先端部には、突起の突出方向に沿って延びて先端に開放される複数の切欠きが形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
バーリング加工で突起を突出成形させると、切欠きを設けないと突出量が制限されるが、本願発明では、少なくとも先端部に積極的に割れを入れておくことで、突起の高さを稼ぐことが可能となる。突起の高さが高ければ、その分、ガイド孔に挿入しやすくなる。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項5に記載した構成に対し、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装される金属ガスケットであり、且つ上記突起が形成される加工孔は、燃焼室孔以外の加工孔であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、高精度の位置合わせが要求される、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の位置合わせが、容易且つ高精度に行うことが可能となる。
すなわち、シリンダブロックとシリンダヘッド間に機密を担うシリンダヘッド用ガスケットが挟み込まれるが、このガスケットとしては、近年にあっては、金属ガスケットが主流となっており、薄板金属板を、単板で使用したり、複数枚積層して使用している色々な構造のガスケットが採用され始めている。しかし、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッド間、その間にあるシリンダヘッド用ガスケットの三者の位置決めは、従来、シリンダブロックに打ち込まれた2本のガイドノックピンで位置決めしている。本発明は、この2本のガイドノックピン機能をシリンダヘッドガスケットに付加し、ノックピンを廃止することが可能となる。
【0015】
また、燃焼室孔間の位置合わせも高精度に合わせる必要があるので、加工孔であるが、上記突起を設けることは支障がある。そこで、突起を設ける加工孔から燃焼室孔を除去している。
なお、突起を設ける加工孔の例としては、ボルト挿入孔、冷却水孔、油孔などが例示できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明についての第1実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケットを示す平面図である。
本実施形態の金属ガスケット1は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介挿されるガスケットの例である。
【0017】
まず構成について説明する。
本実施形態の金属ガスケット1の基板2としては、例えばステンレス鋼板又は軟鋼板等の金属板が例示できるが、ここでは、安価なガスケットを提供するために軟鋼板を使用したこととする。なお、ビードを、後述する構造のような、金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成すれば、基板2を軟鋼板などの剛性の低い金属で構成しても、十分なシール圧を確保することができる。
【0018】
上記基板2には、燃焼室孔7が大きく開口し、この燃焼室孔7の開口端部全周が上方に折り返されて最も厚肉の第1増厚部30が形成され、これにより、他の部分との間に板厚差が設けられている。基板2における上記燃焼室孔7の外周側には、当該燃焼室孔7を囲むように4個の加工孔であるボルト挿通孔4−1〜4−4が開口している。また、基板2には、加工孔である油孔5やチェンチャンバ孔6なども開口し、当該チェンチャンバ孔6の外方側にもボルト挿通孔4−5が開口している。なお、このボルト挿通孔の開口端部全周も上方に折り返されて厚肉の増厚部を構成している。
【0019】
そして、各加工孔を囲うようにしてシールラインSLが配置され、該シールラインSLに沿ってビードが形成されている。なお、図1に示すシールラインSLの配置や加工孔の位置及び種類は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、基板2には加工孔である冷却水孔が開口している場合もあり、また、シールラインSLとしては、上記燃焼室孔7を囲うように当該燃焼室孔7の外縁に沿って無端環状にシールラインSLが配置される場合もある。
【0020】
上記4個のボルト挿通孔のうち、図1中、右下及び左上の孔4−1、4−2には、上方に向けて突出する円筒状の突起8が形成され、また、左下及び右上の孔4−3,4−4には、下方に向けて突出する円筒状の突起9が形成されている(図2参照)。なお、図によっては適宜ビードを省略して記載してある。
上記各突起8,9は、例えば、まず加工孔の孔径小さくして開口しておき、その後、バーリング加工にて孔の外縁を立ち上げることで、各孔を目的の径に拡径すると共に所定高さで且つ円筒形の突起とすることで成形される。なお、上記筒状の突起の横断面形状は、円形に限定されず、矩形や6角形形状などであって良い。
【0021】
そして、図3に示すように、上側に突出する突起8が、シリンダヘッド32に開口したボルト孔34に差し込まれて、シリンダヘッド32とガスケット1との間の位置決めが行われる。また、下側に突出する突起9がシリンダブロック33に開口したボルト孔35に差し込まれて、シリンダブロック33とガスケット1との間の位置決めが行われる。この結果、自動的に、金属ガスケット1を介して、シリンダヘッド32とシリンダブロック33との間の位置決めも実施される。その後、ボルト36を締め付ける。
【0022】
このように、本実施形態の金属ガスケット1を使用すると、従来使用していたガイド用のノックピンが不要となり、部品点数が削減されると共に、ノックピン取付けの工程が不要となり、コスト削減及び工数削減を図ることができる。
ここで、上記各突起の先端部外径面に対して、図4に示すような、先端に向かうにつれて小径となるようなR面11を形成しておくと良い。このようなR面11を、突起先端部外面に設けておくと、対応するボルト孔34,35の開口端部に面取りを施さなくても、当該ボルト孔への突起の挿入が容易となる。
【0023】
上記R面11は、図4のように、突起先端部の外面を鍛造成形したり、研削等したりして、先端に向けて突起の肉厚を薄くすることで形成しても良いし、バーリング加工時に、先端部がやや内径側に向くようなRを残すように、つまり先端の径を根元の径よりも小さい状態である、完全に解放しないように加工することで、先端外面側にR面11を形成するようにしても良い(図3の突起9を参照)。
【0024】
さらに、図5に示すように、上記突起について、先端部に予め複数個のスリットを設けてバーリング加工の際に先端部へ積極的に割りを入れて切欠き12を形成するようにしても良い。このように突起先端部に割れによる切欠き12を積極的に形成することで、突起8,9の高さをその分高くすることができる。また、上記のように先端部にR面11を形成する場合には、更に、対象とするボルト孔への挿入が容易となる。
【0025】
ここで、上記シールラインSLに沿って形成されるビードは特に限定されないが、例えば、基板2自体を屈曲して凸状のフルビードからなる金属ビード等を採用すればよい。
また、上記ビードを、図6に示すような、金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成すると、基板2を構成する金属の硬度をその分小さくすることが可能となり、かつ、上記突起8,9の形成のためのバーリング加工が容易且つ精度も向上することになる。
【0026】
上記金属ビード37とゴムビード38との組合せで構成されるビードとは、上記図6のように、ビードを一方の面側に向けて凸部となるように屈曲して形成されるフルビードからなる金属ビード37と、その金属ビード37の凸部側に固着及び凹部内に充填されて上記金属ビード37と共に圧縮変形する弾性シール材38a、38bからなるゴムビード38と、の組合せである。上記凸部側に固着する弾性シール材38aの高さは、金属ビード37の高さと略同一の高さ若しくは金属ビード37よりも若干高い高さとすればよい。上記弾性シール材38a、38bは、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴム等のゴム材料や樹脂材料等から構成すればよい。
【0027】
このような構成のビードにあっては、金属ガスケット1を、シリンダブロック33とシリンダヘッド32との対向する接合面間に介装して締結ボルト36で締め付けると、金属ビード37の凹部に充填された弾性シール材が金属ビード37と共に板厚方向に圧縮変形して所望のシール圧を発生すると共に、凸部側に固着した弾性シール材も一緒に圧縮変形することで、基板2の反りなどの変形を抑える。そして、締め付け終了時においては、最も板厚が厚い基板2の第1増厚部30と他の部分との板厚差により該第1増厚部30に最も面圧が集中して最大荷重が作用する。さらに、この第1増厚部30のストッパー効果により金属ビード37の凸部側および凹部側に固着、充填された弾性シール材38a、38bの全屈が防止される。なお、金属ビード37がステップ状のハーフビードからなるときには、図7に示すようにゴムビード38を構成する。
【0028】
ここで、上記実施形態では、シリンダブロック33とシリンダヘッド32との間に介挿されるガスケットで例示したが、他の接合面間に介装される金属ガスケット1であっても本発明は適用することができる。
また、上記実施形態では、バーリング加工で突起8,9を形成する場合を例示したが、これに限定されず、図8のように、加工孔4−2に対して、キャップ状の筒体40を圧着して突起を形成するようにしてもよい。この場合に、筒体40のフランジ40aが、基板下面から突出しないようにする。また、仮に突出しても、金属ビードの凸部側の面であれば、第1増厚部30及び第2増厚部31と基板板厚との差分は隙間が発生しているので、吸収することができる。
【0029】
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様な部材などについては同一の符号を付して説明する。
上記第1実施形態は、金属ガスケット1を1枚の基板2で構成する場合を例示しているが、複数枚の基板2で構成する場合の例である。
すなわち、図9に示すように、一番上の基板2−1に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、上方に向かう突起8を形成し、且つ、一番下側の基板2−3に開口するボルト孔の2箇所以上について、下方に向かう突起9を形成して、図10に示すような、複数層の基板2−1〜2−3でブラケットを構成する。なお、積層される複数枚の基板2間については、公知の手段で一体化を図っておけばよい。
【0030】
本実施形態では、一枚の基板2に形成する突起の方向を一方向に限定することができ、基板の加工工程などの低減を図ることができる。
そして、図11に示すように、上記と同様な作用効果を発揮する。図11では、中央の基板2−2を省略する。
または、図12に示すように、一番上の基板2−1に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、下方に向かう突起9を形成し、且つ、一番下側の基板2に開口するボルト挿通孔の2箇所以上について、上方に向かう突起8を形成するように構成して、各突起8,9を他の基板2に開口したボルト孔に通すように構成しても良い。この場合には、上記突起8,9は、複数枚の基板2間も位置決めするガイドの役割を有する。
【0031】
また、上記突起を設ける基板2は、一番上側及び一番下側の基板に限定されない積層の途中に位置する基板に形成された加工孔に、上記ガイド用の筒状の突起を形成しても良い。
その他の構成などは、上記第1実施形態と同様である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明を採用すると、ガイドピンが不要になり、加工工数も削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットを示す平面図である。
【図2】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係るブラケットの組付け状態を示す断面図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係る突起の一例を示す図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る突起の一例を示す図である。
【図6】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図7】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図8】本発明に基づく第1実施形態に係るビードを示す断面図である。
【図9】本発明に基づく第2実施形態に係る基板を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図10】本発明に基づく第2実施形態に係るブラケットを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図11】本発明に基づく第2実施形態に係るブラケットの組付け状態を示す断面図である。
【図12】本発明に基づく第2実施形態に係る突起の別例を示す断面図である。
【符号の説明】
SL シールライン
1 金属ガスケット
2 基板
4−1〜4−5
ボルト挿通孔
5 油孔
6 チェンチャンバ孔
7 燃焼室孔
8 突起
9 突起
11 R面
12 切欠き
30 第1増厚部
31 増厚部
32 シリンダヘッド
33 シリンダブロック
34 ボルト孔
35 ボルト孔
36 ボルト
37 金属ビード
38 ゴムビード
40 筒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、上記接合面の開口部と対向する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の一方の面側に突出する筒状の突起を設け、且つ、その他の加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の他方の面側に突出する筒状の突起を設け、上記各突起を位置決めガイドとすることを特徴とする金属ガスケット。
【請求項2】
上記基板の一方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設け、且つ、基板の他方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設けることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
【請求項3】
薄肉金属板からなる基板を複数枚積層して構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、各基板には、上記接合面の開口部と対応する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ一方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、且つ上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ他方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、一方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすると共に他方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすることを特徴とする金属ガスケット。
【請求項4】
上記筒状の突起の先端部外径面は、先端に行くほど小径となっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載した金属ガスケット。
【請求項5】
上記筒状の突起は、バーリング加工で形成されたものであり、且つ、少なくとも先端部には、突起の突出方向に沿って延びて先端に開放された複数の切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載した金属ガスケット。
【請求項6】
エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装される金属ガスケットであり、且つ上記突起が形成される加工孔は、燃焼室孔以外の加工孔であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載した金属ガスケット。
【請求項1】
薄肉金属板から構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、上記接合面の開口部と対向する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の一方の面側に突出する筒状の突起を設け、且つ、その他の加工孔の一部に対し当該加工孔と一体で且つ基板の他方の面側に突出する筒状の突起を設け、上記各突起を位置決めガイドとすることを特徴とする金属ガスケット。
【請求項2】
上記基板の一方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設け、且つ、基板の他方の面側に突出する筒状の突起を、2箇所以上の加工孔に設けることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
【請求項3】
薄肉金属板からなる基板を複数枚積層して構成されると共に2つの接合面間に介装される金属ガスケットであって、各基板には、上記接合面の開口部と対応する加工孔が複数箇所開口している金属ガスケットにおいて、
上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ一方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、且つ上記複数枚の基板うちの一部の基板に開口する加工孔の一部に対し、当該加工孔と一体で且つ他方の接合面側に突出する筒状の突起を設け、一方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすると共に他方の接合面側に突出する突起を2箇所以上とすることを特徴とする金属ガスケット。
【請求項4】
上記筒状の突起の先端部外径面は、先端に行くほど小径となっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載した金属ガスケット。
【請求項5】
上記筒状の突起は、バーリング加工で形成されたものであり、且つ、少なくとも先端部には、突起の突出方向に沿って延びて先端に開放された複数の切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載した金属ガスケット。
【請求項6】
エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装される金属ガスケットであり、且つ上記突起が形成される加工孔は、燃焼室孔以外の加工孔であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載した金属ガスケット。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【公開番号】特開2004−124985(P2004−124985A)
【公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−286024(P2002−286024)
【出願日】平成14年9月30日(2002.9.30)
【出願人】(000230261)日本メタルガスケット株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年9月30日(2002.9.30)
【出願人】(000230261)日本メタルガスケット株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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