金属コアを有する圧電ファイバが埋設された機能性複合材料
【課題】 周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料を提供すること。
【解決手段】 本発明によると、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程と、前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程と、第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程と、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。本発明によると、周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料を提供することができる。
【解決手段】 本発明によると、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程と、前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程と、第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程と、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。本発明によると、周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ファイバが埋設された機能性複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリクス材料の中に様々なファイバ等を埋め込んで複合化することで周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料が提案されて以来、その実現に向け研究が盛んに行われている。
【0003】
金属マトリクス材料の中にファイバを埋め込んで複合化する従来の技術としては、例えば下記特許文献1及び2がある。
【0004】
下記特許文献1に記載の技術では、金属マトリックス材料の中に光ファイバを埋設した機能性複合材料の製造技術が記載されている。また、下記特許文献2に記載の技術では、金属マトリックス材料の中に長繊維強化複合材料と短繊維強化複合材料を埋設した機能性複合材料の製造技術が記載されている。
【0005】
一方で、金属コアを有するPZTファイバを埋設し、応答性の良いセンサ及びアクチュエータとして機能させようとする機能性複合材料が下記特許文献3に記載されている。なお金属コアを有するPZTファイバは、Ptなどの金属コアの周囲にPb、Zr、Ti等の元素を含む圧電材料が形成されてなるファイバである。
【特許文献1】特開2001−82918号公報
【特許文献2】特開2002−283487号公報
【特許文献3】特開2003−328266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は光ファイバを埋設するものであって、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するものではなく、特許文献2においても強化繊維複合材料を埋設するものであって、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するものではない。金属コアを有する圧電ファイバは非常に脆く、更にアルミニウムなどの金属とも反応性が高く、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するにあたり金属をマトリックス材料として採用することはきわめて困難であり、実現されていない。上記特許文献3に記載の技術も、マトリクス材料として繊維複合材料を用いており、金属ではない。金属コア入り圧電ファイバをセンサやアクチュエータとして使う場合は、内部の金属コアと外部の導電性材料との間に電圧を加え利用するため、繊維複合材料より金属材料に埋め込んだ場合のほうが効果的に電圧を加えることが出来るため、アクチュエータとしての機能が格段に向上することが期待できる。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、脆弱な金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現するための製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、機能性複合材料の製造方法において、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の基板を用いて第一の基板と第二の基板とによってインサート層をホットプレスする工程、を有することを特徴の一つとする。このような構成とすることにより初めて脆い圧電ファイバをアルミニウムなどの金属マトリックス材料中に埋設することが可能となる。
【0009】
また本発明にかかる機能性複合材料の製造方法において、第一の金属基板及び第二の金属基板をアルミニウム又はその合金とし、インサート層を銅又はその合金とすることが望ましい。アルミニウムは軽量で丈夫な材料であってアクチュエータとして望ましい材質であるとともに、銅をインサート層として用いることで、強商店をアルミニウムの融点である933Kよりも下げ(821K)、ホットプレスの温度を低くして圧電ファイバへのダメージをより低減させることができる。
【0010】
またこの場合において溝の深さを圧電ファイバの径よりも、インサート層の4倍以上6倍以内だけ深くさせることも望ましい。これは、アルミニウムと銅とがホットプレスにより共晶合金となり、アルミニウム基板の暑さを減少させることに想到した結果なされたものである。具体的には銅のインサート層がアルミニウムと共晶合金となる際、インサート層の4倍だけアルミニウム基板の厚さを減少させるのである。また一方で、あまりに溝を深くすると、インサート層がホットプレス後もマトリクス中に残ることとなり、機能性複合材料としての機能が著しく低下してしまう恐れがある。
【0011】
またこの場合において、ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く893Kより低いことも望ましい。893K以上とするとPZTファイバが破断してしまうおそれがある一方、853K以下であるとアルミニウムと銅との共晶合金が圧電ファイバ周辺に多量に残存し、機能性複合材料としての機能が著しく低下してしまうためである。なおこの場合において、ホットプレスする工程の圧力は、0.1MPa以上2.2MPa以下の範囲内であることも望ましい。
【0012】
本発明によると、第一の基板にインサート層を形成する工程、インサート層が形成された前記第一の基板に溝を形成する工程、前記溝が形成された第一の基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の基板と前記第一の基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0013】
また、本発明においては、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴としている。
【0014】
また、本発明によると、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く、893Kより低い温度であることを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0015】
また、本発明においては、前記ホットプレスする工程は、0.1MPa以上2.2MPa以下の圧力であることを特徴としている。
【0016】
また、本発明によると、金属コアを有する圧電ファイバがアルミニウム又はその合金に埋設されることによりセンサ及びアクチュエータ機能が発揮可能な機能性複合材料が提供される。
【0017】
本発明によると、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0018】
また、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
以上により、金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る機能性複合材料の製造工程の概略を示す図である。本機能性複合材料の製造工程は、第一の金属基板3にインサート層2を形成する工程(図1(A))、インサート層2が形成された第一の基板3に1を用いて溝4を形成する工程(図1(B))、第一の金属基板3の溝4に金属コア5aを有する圧電ファイバ5を配置する工程(図1(C))、第二の基板6を用いて第一の基板3と第二の基板6をホットプレスする工程(図1(D))、を有する。
【0022】
第一及び第二の金属基板3、6は、後述する金属コア5aを有する圧電ファイバ5を埋設可能であって導電性のものであれば他の金属の採用も可能であるが、アルミニウム又はこの合金材料であることが極めて好ましい。なお本明細書において「第一の金属基板」、「第二の金属基板」と表現するが、説明における一対の金属基板に対する便宜上の呼称である。また、第一及び第二の金属基板をホットプレスした後に接着された状態の金属材料を「金属マトリックス材料」と表現することとする。第一の金属基板3、第二の金属基板6の厚さとしては埋設する圧電ファイバ5の直径やアクチュエータとしての機能を考慮して適宜調整可能であるが、概ね0.3mm〜数十mmの範囲、より望ましくは0.3mm〜2mm程度の範囲にあることが高体積化、多層化の観点から望ましい。
【0023】
第一の基板3には溝4が形成されており、後述の圧電ファイバ5を配置するために設けられるためのものである。溝4の形成方法としては様々採用できるが、例えば作成したい溝の深さに対応したステンレスのファイバを基板上に配置し、圧力を加えることで溝4を形成する方法が挙げられる(図1(A))。なおこの方法は、第一の金属表面3に対し直接行うこともできるし、図1で示すようにインサート層2を形成した後行うことによっても可能である。なお、本明細書にいう「溝の深さ」とは、溝4が形成される基板表面から溝4が形成された溝4の最下点までの長さをいい、溝4の深さという場合にインサート層2の厚さは考慮しない。なお、溝4の深さとしては埋設する圧電ファイバ5の直径などにより適宜調整可能であるが、溝4に配置される圧電ファイバ5の径よりもインサート層2の4倍以上6倍以内だけ深いこともより望ましい。
【0024】
インサート層2は、第一及び第二の金属基板3、6をホットプレスする際に接着層として機能する層であって、導電性のものであれば他の金属の採用も可能であるが、アルミニウムを基板として採用する場合、銅又はその合金であることが極めて望ましい。インサート層2の形成は、様々な方法により形成することができ、例えば薄い箔を基板上に配置することやスパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法など周知の常法が挙げられる。インサート層の厚さとしては、ホットプレスにより十分第一及び第二の基板3、6を接着できる厚さ以上である一方、あまりに厚すぎて機能性材料としての機能を阻害しない範囲であることが望ましく、例えば5μm〜20μmが望ましい。
【0025】
なお上記の好ましい例として第一及び第二の基板3、6としてアルミニウムを、インサート層2として銅を用いた場合、より低温、低圧の状態でホットプレスを行うことができるようになり、アルミニウムと圧電材料との反応を抑え、脆弱な圧電ファイバの破壊も防止することができる。具体的には、アルミニウムと銅とを採用することでホットプレスにより共晶合金を生じさせ、共晶合金により融点を下げることができ(821K)、圧電ファイバへのダメージを低減させることができる(図2に相図を示しておく。図中丸を付した部分共晶点となる)。
【0026】
本実施形態にかかる金属コア5aを有する圧電ファイバ5は、線状の金属コアを中心近傍に配置し、その周囲に圧電材料を被覆した構成のファイバであり、製作の観点から金属コアを有するPZTファイバであることがきわめて好ましい。金属コアを有するPZTファイバとは上述したとおり、白金のコアにPb、Zr、Tiなどの金属を含む圧電材料が被覆されたものである。なおその断面はほぼ円形であることが極めて好ましい。圧電ファイバの直径としては特段に制限されるものではないが50μm〜1mm、より望ましくは50μm〜0.5mmの範囲であり、また金属コアの直径としては10μm〜100μmの範囲が望ましい。金属コアを有するPZTファイバの断面図を図3に示しておく。
【0027】
インサート層2を挟んで第一及び第二の金属基板3、6をホットプレスする工程としては、選択する材料や圧電ファイバ5aによって適宜調整可能であるが、例えばアルミニウムを金属基板とし、銅をインサート層2として用いた場合、853Kより高く893Kより低い範囲内であることも望ましい。図2で示すように、銅とアルミニウムを用いた場合、共晶点を821Kにまで下げることができるが、あまりに低すぎるとホットプレス後においてもマトリクス中に共晶合金が残ってしまい機能性複合材料としての機能を低下させてしまうため、853Kより高くする必要がある。一方、温度があまりに高い場合、共晶合金をマトリクス中から効果的に取り除くことができるものの、周囲の金属マトリックス材料が軟化し、圧電ファイバに耐えられる以上の応力が加わり圧電ファイバを破壊してしまうおそれがあるため、893K未満であることが極めて望ましい。なおこの際に圧力としては基板を接合できる圧力以上、圧電ファイバが破壊しない程度の圧力範囲であることが望ましく、0.1MPa以上3MPa以内の範囲内にあることが望ましい。またホットプレスの時間としては5分時間以上1時間以内の範囲内にあることが望ましい。
【0028】
以上、本実施形態によると、非常に脆い圧電ファイバ、特にPZTファイバを金属マトリックス材料中に埋設させることができるようになる。
【0029】
なお本機能性複合材料において、埋設される圧電ファイバ5は1本であっても良いが、機能性複合材料としての機能性を高めるためには複数本であることが極めて望ましい。この断面図を図4に示しておく。本機能性複合材料は圧電ファイバ5中に金属コア5aを有するとともにマトリックス材料も金属であるため、これら金属間に電界を印加することで圧電ファイバにひずみを生じさせることができる。このひずみは結果的にマトリクスに対し作用し、マトリックスを圧電ファイバが変形する方向に伸ばす又は縮める動作を行わせることができるようになる。特に上記非特許文献3に記載の機能性複合材料(図5参照)では、櫛歯状に配置された電極構成を採用し、この櫛歯電極間に電界を印加することで圧電ファイバに電界を印加していたため、圧電ファイバ中に電界を印加することのできる領域が限られていたが、本機能性複合材料では圧電ファイバを埋設するマトリクス材料自体が極めて導電性の高い金属であるため、圧電ファイバ中に広く電界を印加することが可能となり非常に効率が良くなり、格段の機能向上が期待できる。
【0030】
(機能性複合材料例1)
本実施形態にかかる圧電ファイバについて実際に製造した。本機能性複合材料例では第一及び第二の金属基板としてアルミニウムを、インサート層として銅を用いた。
【0031】
第一の基板としてのアルミニウムの厚さは1.5mmとし、長さは15mm、幅は30mmとした。その後インサート層として10μmの銅箔を重ねた。
【0032】
次に、このインサート層が設けられた第一の基板に直径300μmのステンレス製のファイバを押しあて、250μmの深さの溝を形成した。なお溝の幅は300μmであった。
【0033】
その後、直径約200μmのPZTファイバを溝に配置し、厚さ1.5mm、幅15mm、長さ30mmの第二のアルミニウムからなる金属基板を2.2MPaの圧力、873Kで2.4ksホットプレスした。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図6に示す。本機能性複合材料ではPZTファイバは破壊されることなく良好に存在しており、また共晶合金の除去も十分に行われており、良好な機能性複合材料となっていた。
【0034】
(比較例1)
比較例として、インサート層を形成しない機能性材料例を作成した。温度としては873K、圧力を16.4MPaとした以外は機能性複合材料1とほぼ同様の構成を採用した。この断面図を図7に示す。これは、インサート層を形成していないため、PZTファイバが高いプレス圧力に耐えられず完全に破壊してしまったことを示している。以上により、インサート層の形成が必須であることが確認できた。
【0035】
(機能性複合材料例2)
ホットプレスの温度を893Kとした以外は機能性複合材料例1とほぼ同じ条件で作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図8に示す。本機能性複合材料においては、共結合金の除去は十分に行われていたものの、図9で示すような破断が観測された。これは、高温であることにより、アルミニウムマトリックスが軟化し、繊維の方向に流動が起こったため、圧電材料にクラックを生じさせてしまったためと思われる。
【0036】
(機能性複合材料例3)
ホットプレスの温度を853Kとした以外は機能性複合材料1とほぼ同じ条件で作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図10に示す。本機能性複合材料ではPZTファイバの破断は観測されなかったが、温度が低かったため共晶合金がマトリックス中に多量に残存しているのが確認された。
【0037】
以上により、ホットプレスの温度としては853Kより高く893Kより低いことが望ましいことが確認できた。
【0038】
(機能性複合材料例4)
PZTファイバの直径を約200μmとし、溝の深さを230μm、インサート層を10μmとした以外は機能性複合材料1と同様の方法によって作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図11に示す。本機能性複合材料では、PZTファイバが破壊されていることを確認した。これはアルミニウムと銅ととにより共晶合金が形成され、アルミニウム基板の表面が流出した結果溝の深さが浅くなりPZTファイバが金属基板に直接押されることで耐えられる以上の圧力が加わってしまったためと考えられる。すなわち、溝の深さはPZTファイバの直径よりもインサート層の3倍よりも大きくする必要があると考えられる。
【0039】
(機能性複合材料5)
溝の深さを300μmとした以外は機能性複合材料4とほぼ同様の方法によって作成した。この機能性複合材料の断面図を図12に示す。本機能性複合材料では金属コアを有するPZTファイバは健全であることが確認できた。但し、溝が必要以上に深いためにアルミニウムと銅との共晶合金を効果的に取り除くことができず、残存させてしまっていた。即ち、インサート層の厚さの10倍よりは小さくなければならないことが分かった。
【0040】
以上、本実施形態によっても、非常に脆い圧電ファイバ特にPZTファイバを金属マトリックス材料中に埋設させることができるようになる。
【0041】
なお上記実施形態では、インサート層を第一の基板に形成しているが、第二の基板側にのみインサート層形成し、ホットプレスを行うことも可能である。これによると、溝部にインサート層が形成されないため、上記実施形態に比べ、溝の深さの調整がより容易になるという利点、残留共晶合金を少なくさせることができるという利点がある。なおまた他の態様として、第一及び第二の基板双方にインサート層を形成することも可能ではある。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によると、金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現することができ、周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料が提供される。本発明の機能性複合材料は、構造体に生じた振動の検出やその抑制に利用することができるため、騒音の抑制に利用することが出来る。また構造体の外部や内部に生じた亀裂の検出、疲労破壊の事前検出などのヘルスモニタリングへの利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る機能性複合材料の製造工程の概略を示す図。
【図2】アルミニウムと銅における相図。
【図3】圧電ファイバの断面図。
【図4】複数の圧電ファイバが埋設された場合における機能性複合材料の概略を示す図。
【図5】従来技術を示す図(特許文献3)
【図6】機能性複合材料例1における断面図。
【図7】比較例における断面図。
【図8】機能性複合材料例2における断面図。
【図9】機能性複合材料例2における他の部分の断面図。
【図10】機能性複合材料例3における断面図。
【図11】機能性複合材料例4における断面図。
【図12】機能性複合材料例5における断面図。
【符号の説明】
【0044】
2 インサート層
3 第一の金属基板
4 溝
5 圧電ファイバ
5a 金属コア
6 第二の基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ファイバが埋設された機能性複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリクス材料の中に様々なファイバ等を埋め込んで複合化することで周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料が提案されて以来、その実現に向け研究が盛んに行われている。
【0003】
金属マトリクス材料の中にファイバを埋め込んで複合化する従来の技術としては、例えば下記特許文献1及び2がある。
【0004】
下記特許文献1に記載の技術では、金属マトリックス材料の中に光ファイバを埋設した機能性複合材料の製造技術が記載されている。また、下記特許文献2に記載の技術では、金属マトリックス材料の中に長繊維強化複合材料と短繊維強化複合材料を埋設した機能性複合材料の製造技術が記載されている。
【0005】
一方で、金属コアを有するPZTファイバを埋設し、応答性の良いセンサ及びアクチュエータとして機能させようとする機能性複合材料が下記特許文献3に記載されている。なお金属コアを有するPZTファイバは、Ptなどの金属コアの周囲にPb、Zr、Ti等の元素を含む圧電材料が形成されてなるファイバである。
【特許文献1】特開2001−82918号公報
【特許文献2】特開2002−283487号公報
【特許文献3】特開2003−328266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は光ファイバを埋設するものであって、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するものではなく、特許文献2においても強化繊維複合材料を埋設するものであって、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するものではない。金属コアを有する圧電ファイバは非常に脆く、更にアルミニウムなどの金属とも反応性が高く、金属コアを有する圧電ファイバを埋設するにあたり金属をマトリックス材料として採用することはきわめて困難であり、実現されていない。上記特許文献3に記載の技術も、マトリクス材料として繊維複合材料を用いており、金属ではない。金属コア入り圧電ファイバをセンサやアクチュエータとして使う場合は、内部の金属コアと外部の導電性材料との間に電圧を加え利用するため、繊維複合材料より金属材料に埋め込んだ場合のほうが効果的に電圧を加えることが出来るため、アクチュエータとしての機能が格段に向上することが期待できる。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、脆弱な金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現するための製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、機能性複合材料の製造方法において、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の基板を用いて第一の基板と第二の基板とによってインサート層をホットプレスする工程、を有することを特徴の一つとする。このような構成とすることにより初めて脆い圧電ファイバをアルミニウムなどの金属マトリックス材料中に埋設することが可能となる。
【0009】
また本発明にかかる機能性複合材料の製造方法において、第一の金属基板及び第二の金属基板をアルミニウム又はその合金とし、インサート層を銅又はその合金とすることが望ましい。アルミニウムは軽量で丈夫な材料であってアクチュエータとして望ましい材質であるとともに、銅をインサート層として用いることで、強商店をアルミニウムの融点である933Kよりも下げ(821K)、ホットプレスの温度を低くして圧電ファイバへのダメージをより低減させることができる。
【0010】
またこの場合において溝の深さを圧電ファイバの径よりも、インサート層の4倍以上6倍以内だけ深くさせることも望ましい。これは、アルミニウムと銅とがホットプレスにより共晶合金となり、アルミニウム基板の暑さを減少させることに想到した結果なされたものである。具体的には銅のインサート層がアルミニウムと共晶合金となる際、インサート層の4倍だけアルミニウム基板の厚さを減少させるのである。また一方で、あまりに溝を深くすると、インサート層がホットプレス後もマトリクス中に残ることとなり、機能性複合材料としての機能が著しく低下してしまう恐れがある。
【0011】
またこの場合において、ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く893Kより低いことも望ましい。893K以上とするとPZTファイバが破断してしまうおそれがある一方、853K以下であるとアルミニウムと銅との共晶合金が圧電ファイバ周辺に多量に残存し、機能性複合材料としての機能が著しく低下してしまうためである。なおこの場合において、ホットプレスする工程の圧力は、0.1MPa以上2.2MPa以下の範囲内であることも望ましい。
【0012】
本発明によると、第一の基板にインサート層を形成する工程、インサート層が形成された前記第一の基板に溝を形成する工程、前記溝が形成された第一の基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の基板と前記第一の基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0013】
また、本発明においては、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴としている。
【0014】
また、本発明によると、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く、893Kより低い温度であることを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0015】
また、本発明においては、前記ホットプレスする工程は、0.1MPa以上2.2MPa以下の圧力であることを特徴としている。
【0016】
また、本発明によると、金属コアを有する圧電ファイバがアルミニウム又はその合金に埋設されることによりセンサ及びアクチュエータ機能が発揮可能な機能性複合材料が提供される。
【0017】
本発明によると、溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法が提供される。
【0018】
また、前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、前記インサート層は銅又はその合金であり、前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
以上により、金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る機能性複合材料の製造工程の概略を示す図である。本機能性複合材料の製造工程は、第一の金属基板3にインサート層2を形成する工程(図1(A))、インサート層2が形成された第一の基板3に1を用いて溝4を形成する工程(図1(B))、第一の金属基板3の溝4に金属コア5aを有する圧電ファイバ5を配置する工程(図1(C))、第二の基板6を用いて第一の基板3と第二の基板6をホットプレスする工程(図1(D))、を有する。
【0022】
第一及び第二の金属基板3、6は、後述する金属コア5aを有する圧電ファイバ5を埋設可能であって導電性のものであれば他の金属の採用も可能であるが、アルミニウム又はこの合金材料であることが極めて好ましい。なお本明細書において「第一の金属基板」、「第二の金属基板」と表現するが、説明における一対の金属基板に対する便宜上の呼称である。また、第一及び第二の金属基板をホットプレスした後に接着された状態の金属材料を「金属マトリックス材料」と表現することとする。第一の金属基板3、第二の金属基板6の厚さとしては埋設する圧電ファイバ5の直径やアクチュエータとしての機能を考慮して適宜調整可能であるが、概ね0.3mm〜数十mmの範囲、より望ましくは0.3mm〜2mm程度の範囲にあることが高体積化、多層化の観点から望ましい。
【0023】
第一の基板3には溝4が形成されており、後述の圧電ファイバ5を配置するために設けられるためのものである。溝4の形成方法としては様々採用できるが、例えば作成したい溝の深さに対応したステンレスのファイバを基板上に配置し、圧力を加えることで溝4を形成する方法が挙げられる(図1(A))。なおこの方法は、第一の金属表面3に対し直接行うこともできるし、図1で示すようにインサート層2を形成した後行うことによっても可能である。なお、本明細書にいう「溝の深さ」とは、溝4が形成される基板表面から溝4が形成された溝4の最下点までの長さをいい、溝4の深さという場合にインサート層2の厚さは考慮しない。なお、溝4の深さとしては埋設する圧電ファイバ5の直径などにより適宜調整可能であるが、溝4に配置される圧電ファイバ5の径よりもインサート層2の4倍以上6倍以内だけ深いこともより望ましい。
【0024】
インサート層2は、第一及び第二の金属基板3、6をホットプレスする際に接着層として機能する層であって、導電性のものであれば他の金属の採用も可能であるが、アルミニウムを基板として採用する場合、銅又はその合金であることが極めて望ましい。インサート層2の形成は、様々な方法により形成することができ、例えば薄い箔を基板上に配置することやスパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法など周知の常法が挙げられる。インサート層の厚さとしては、ホットプレスにより十分第一及び第二の基板3、6を接着できる厚さ以上である一方、あまりに厚すぎて機能性材料としての機能を阻害しない範囲であることが望ましく、例えば5μm〜20μmが望ましい。
【0025】
なお上記の好ましい例として第一及び第二の基板3、6としてアルミニウムを、インサート層2として銅を用いた場合、より低温、低圧の状態でホットプレスを行うことができるようになり、アルミニウムと圧電材料との反応を抑え、脆弱な圧電ファイバの破壊も防止することができる。具体的には、アルミニウムと銅とを採用することでホットプレスにより共晶合金を生じさせ、共晶合金により融点を下げることができ(821K)、圧電ファイバへのダメージを低減させることができる(図2に相図を示しておく。図中丸を付した部分共晶点となる)。
【0026】
本実施形態にかかる金属コア5aを有する圧電ファイバ5は、線状の金属コアを中心近傍に配置し、その周囲に圧電材料を被覆した構成のファイバであり、製作の観点から金属コアを有するPZTファイバであることがきわめて好ましい。金属コアを有するPZTファイバとは上述したとおり、白金のコアにPb、Zr、Tiなどの金属を含む圧電材料が被覆されたものである。なおその断面はほぼ円形であることが極めて好ましい。圧電ファイバの直径としては特段に制限されるものではないが50μm〜1mm、より望ましくは50μm〜0.5mmの範囲であり、また金属コアの直径としては10μm〜100μmの範囲が望ましい。金属コアを有するPZTファイバの断面図を図3に示しておく。
【0027】
インサート層2を挟んで第一及び第二の金属基板3、6をホットプレスする工程としては、選択する材料や圧電ファイバ5aによって適宜調整可能であるが、例えばアルミニウムを金属基板とし、銅をインサート層2として用いた場合、853Kより高く893Kより低い範囲内であることも望ましい。図2で示すように、銅とアルミニウムを用いた場合、共晶点を821Kにまで下げることができるが、あまりに低すぎるとホットプレス後においてもマトリクス中に共晶合金が残ってしまい機能性複合材料としての機能を低下させてしまうため、853Kより高くする必要がある。一方、温度があまりに高い場合、共晶合金をマトリクス中から効果的に取り除くことができるものの、周囲の金属マトリックス材料が軟化し、圧電ファイバに耐えられる以上の応力が加わり圧電ファイバを破壊してしまうおそれがあるため、893K未満であることが極めて望ましい。なおこの際に圧力としては基板を接合できる圧力以上、圧電ファイバが破壊しない程度の圧力範囲であることが望ましく、0.1MPa以上3MPa以内の範囲内にあることが望ましい。またホットプレスの時間としては5分時間以上1時間以内の範囲内にあることが望ましい。
【0028】
以上、本実施形態によると、非常に脆い圧電ファイバ、特にPZTファイバを金属マトリックス材料中に埋設させることができるようになる。
【0029】
なお本機能性複合材料において、埋設される圧電ファイバ5は1本であっても良いが、機能性複合材料としての機能性を高めるためには複数本であることが極めて望ましい。この断面図を図4に示しておく。本機能性複合材料は圧電ファイバ5中に金属コア5aを有するとともにマトリックス材料も金属であるため、これら金属間に電界を印加することで圧電ファイバにひずみを生じさせることができる。このひずみは結果的にマトリクスに対し作用し、マトリックスを圧電ファイバが変形する方向に伸ばす又は縮める動作を行わせることができるようになる。特に上記非特許文献3に記載の機能性複合材料(図5参照)では、櫛歯状に配置された電極構成を採用し、この櫛歯電極間に電界を印加することで圧電ファイバに電界を印加していたため、圧電ファイバ中に電界を印加することのできる領域が限られていたが、本機能性複合材料では圧電ファイバを埋設するマトリクス材料自体が極めて導電性の高い金属であるため、圧電ファイバ中に広く電界を印加することが可能となり非常に効率が良くなり、格段の機能向上が期待できる。
【0030】
(機能性複合材料例1)
本実施形態にかかる圧電ファイバについて実際に製造した。本機能性複合材料例では第一及び第二の金属基板としてアルミニウムを、インサート層として銅を用いた。
【0031】
第一の基板としてのアルミニウムの厚さは1.5mmとし、長さは15mm、幅は30mmとした。その後インサート層として10μmの銅箔を重ねた。
【0032】
次に、このインサート層が設けられた第一の基板に直径300μmのステンレス製のファイバを押しあて、250μmの深さの溝を形成した。なお溝の幅は300μmであった。
【0033】
その後、直径約200μmのPZTファイバを溝に配置し、厚さ1.5mm、幅15mm、長さ30mmの第二のアルミニウムからなる金属基板を2.2MPaの圧力、873Kで2.4ksホットプレスした。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図6に示す。本機能性複合材料ではPZTファイバは破壊されることなく良好に存在しており、また共晶合金の除去も十分に行われており、良好な機能性複合材料となっていた。
【0034】
(比較例1)
比較例として、インサート層を形成しない機能性材料例を作成した。温度としては873K、圧力を16.4MPaとした以外は機能性複合材料1とほぼ同様の構成を採用した。この断面図を図7に示す。これは、インサート層を形成していないため、PZTファイバが高いプレス圧力に耐えられず完全に破壊してしまったことを示している。以上により、インサート層の形成が必須であることが確認できた。
【0035】
(機能性複合材料例2)
ホットプレスの温度を893Kとした以外は機能性複合材料例1とほぼ同じ条件で作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図8に示す。本機能性複合材料においては、共結合金の除去は十分に行われていたものの、図9で示すような破断が観測された。これは、高温であることにより、アルミニウムマトリックスが軟化し、繊維の方向に流動が起こったため、圧電材料にクラックを生じさせてしまったためと思われる。
【0036】
(機能性複合材料例3)
ホットプレスの温度を853Kとした以外は機能性複合材料1とほぼ同じ条件で作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図10に示す。本機能性複合材料ではPZTファイバの破断は観測されなかったが、温度が低かったため共晶合金がマトリックス中に多量に残存しているのが確認された。
【0037】
以上により、ホットプレスの温度としては853Kより高く893Kより低いことが望ましいことが確認できた。
【0038】
(機能性複合材料例4)
PZTファイバの直径を約200μmとし、溝の深さを230μm、インサート層を10μmとした以外は機能性複合材料1と同様の方法によって作成した。この結果作成された機能性複合材料の断面図を図11に示す。本機能性複合材料では、PZTファイバが破壊されていることを確認した。これはアルミニウムと銅ととにより共晶合金が形成され、アルミニウム基板の表面が流出した結果溝の深さが浅くなりPZTファイバが金属基板に直接押されることで耐えられる以上の圧力が加わってしまったためと考えられる。すなわち、溝の深さはPZTファイバの直径よりもインサート層の3倍よりも大きくする必要があると考えられる。
【0039】
(機能性複合材料5)
溝の深さを300μmとした以外は機能性複合材料4とほぼ同様の方法によって作成した。この機能性複合材料の断面図を図12に示す。本機能性複合材料では金属コアを有するPZTファイバは健全であることが確認できた。但し、溝が必要以上に深いためにアルミニウムと銅との共晶合金を効果的に取り除くことができず、残存させてしまっていた。即ち、インサート層の厚さの10倍よりは小さくなければならないことが分かった。
【0040】
以上、本実施形態によっても、非常に脆い圧電ファイバ特にPZTファイバを金属マトリックス材料中に埋設させることができるようになる。
【0041】
なお上記実施形態では、インサート層を第一の基板に形成しているが、第二の基板側にのみインサート層形成し、ホットプレスを行うことも可能である。これによると、溝部にインサート層が形成されないため、上記実施形態に比べ、溝の深さの調整がより容易になるという利点、残留共晶合金を少なくさせることができるという利点がある。なおまた他の態様として、第一及び第二の基板双方にインサート層を形成することも可能ではある。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によると、金属コアを有する圧電ファイバを金属に埋設した機能性複合材料を実現することができ、周囲の環境変化に対応可能な機能性複合材料が提供される。本発明の機能性複合材料は、構造体に生じた振動の検出やその抑制に利用することができるため、騒音の抑制に利用することが出来る。また構造体の外部や内部に生じた亀裂の検出、疲労破壊の事前検出などのヘルスモニタリングへの利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る機能性複合材料の製造工程の概略を示す図。
【図2】アルミニウムと銅における相図。
【図3】圧電ファイバの断面図。
【図4】複数の圧電ファイバが埋設された場合における機能性複合材料の概略を示す図。
【図5】従来技術を示す図(特許文献3)
【図6】機能性複合材料例1における断面図。
【図7】比較例における断面図。
【図8】機能性複合材料例2における断面図。
【図9】機能性複合材料例2における他の部分の断面図。
【図10】機能性複合材料例3における断面図。
【図11】機能性複合材料例4における断面図。
【図12】機能性複合材料例5における断面図。
【符号の説明】
【0044】
2 インサート層
3 第一の金属基板
4 溝
5 圧電ファイバ
5a 金属コア
6 第二の基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の基板にインサート層を形成する工程、
インサート層が形成された前記第一の基板に溝を形成する工程、
前記溝が形成された第一の基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、
第二の基板と前記第一の基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く、893Kより低い温度であることを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記ホットプレスする工程は、0.1MPa以上2.2MPa以下の圧力であることを特徴とする請求項2又は3記載の複合材料の製造方法。
【請求項5】
金属コアを有する圧電ファイバがアルミニウム又はその合金に埋設されることによりセンサ及びアクチュエータ機能が発揮可能な機能性複合材料。
【請求項6】
溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、
前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、
第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴とする請求項6記載の機能性複合材料の製造方法。
【請求項1】
第一の基板にインサート層を形成する工程、
インサート層が形成された前記第一の基板に溝を形成する工程、
前記溝が形成された第一の基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、
第二の基板と前記第一の基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記ホットプレスする工程の温度は、853Kより高く、893Kより低い温度であることを特徴とする請求項1記載の機能性複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記ホットプレスする工程は、0.1MPa以上2.2MPa以下の圧力であることを特徴とする請求項2又は3記載の複合材料の製造方法。
【請求項5】
金属コアを有する圧電ファイバがアルミニウム又はその合金に埋設されることによりセンサ及びアクチュエータ機能が発揮可能な機能性複合材料。
【請求項6】
溝が形成された第一の金属基板にインサート層を形成する工程、
前記第一の金属基板に金属コアを有する圧電ファイバを配置する工程、
第二の金属基板と前記第一の金属基板とをホットプレスする工程、を有する機能性複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記第一の金属基板及び前記第二の金属基板はアルミニウム又はその合金であり、
前記インサート層は銅又はその合金であり、
前記溝の深さは、該溝に配置される圧電ファイバの径よりも、前記インサート層の4倍以上6倍以内だけ深いことを特徴とする請求項6記載の機能性複合材料の製造方法。
【図1】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−245337(P2006−245337A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59552(P2005−59552)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]