説明

金属ナノ粒子の製造方法及び金属ナノ粒子分散溶液の製造方法

【課題】分散性及び保存安定性が良好であり、pHが1〜6といった低いpHでも溶液中に安定して分散することができる金属ナノ粒子の製造方法及び金属ナノ粒子分散溶液の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、nが2〜2000の直鎖状ポリエチレンイミンと、1種または2種以上の金属イオンとを混合して混合溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製された前記混合溶液を還元し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子溶液を調製する第2工程と、金属ナノ粒子溶液を再沈殿させ、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を分離する第3工程と、を含み、pHに対する応答性に優れ、低いpHも含んだ広い範囲のpHに対応することができる。また、得られる金属ナノ粒子は、粉末状態における分散性及び保存安定性が良好であり、低いpHでも溶液中に安定して分散することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子の製造方法及び金属ナノ粒子分散溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、低いpHでも溶液中に安定して分散することができる金属ナノ粒子の製造方法及び金属ナノ粒子分散溶液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメートルオーダーの大きさを備えた金属ナノ粒子は、そのサイズに依存した電気、磁気、光学、化学、触媒特性等の特殊な性質を示すため、バイオセンサーをはじめとする各種センサーやナノデバイス、電極、色素材料、または著しく高い比表面積を活かした触媒に応用が期待されている。例えば、白金ナノ粒子は、他の金属と比較して高い触媒活性能を有するので、高表面積化により、特に排ガス浄化触媒や有機反応用の触媒関係の研究が多く実施されている。白金ナノ粒子をはじめとする金属ナノ粒子の製造は、金属イオンを含む水溶液中にアノードとカソードを配設し、かかるアノード/カソード間に加電することにより、カソード周位に直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が形成される、いわゆる電界還元を使用する方法や、主としてミセルやポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド(PA)等といった分散保護剤を溶解させた溶液中で金属錯体を還元する液相還元法により行われている(例えば、特許文献1または特許文献2を参照。)。
【先行特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−80903号公報
【特許文献2】特開2005−220435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した分散保護剤では金属粒子への吸着能が高くないため、低いpH(例えば、pHが1〜2)で保護剤同士が凝集してしまい、金属ナノ粒子としての保存安定性や分散性が悪かった。加えて、低いpHの溶媒に混合した場合には、金属ナノ粒子同士が凝集してしまい、金属ナノ粒子が均一に分散された分散溶液の調製が困難であるという問題もあり、改善が求められていた。
【0005】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、分散性及び保存安定性が良好であり、pHが1〜2といった低いpHでも溶液中に安定して分散することができる金属ナノ粒子の製造方法及び金属ナノ粒子分散溶液の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る金属ナノ粒子の製造方法は、下記式(I)で表され、nが1〜2000の直鎖状ポリエチレンイミンと、1種または2種以上の金属イオンとを混合して混合溶液を調製する第1工程と、前記第1工程で調製された前記混合溶液を還元し、前記直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子溶液を調製する第2工程と、前記金属ナノ粒子溶液を再沈殿させ、前記直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を分離する第3工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
【化1】

【0008】
本発明の請求項2に係る金属ナノ粒子の製造方法は、前記請求項1において、前記再沈殿が、前記第1工程で前記混合溶液を調製する際に使用した溶媒より極性の小さい液体に、前記金属ナノ粒子溶液を滴下することにより行われることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る金属ナノ粒子の製造方法は、前記請求項1または請求項2において、前記nが50〜600であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る金属ナノ粒子の製造方法は、前記請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記還元が還元剤によって行われ、当該還元剤が水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る金属ナノ粒子の製造方法は、前記請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、前記金属イオンを構成する金属が白金であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る金属ナノ粒子分散溶液の製造方法は、前記請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法で得られた金属ナノ粒子を溶媒に投入し再分散させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法は、金属ナノ粒子の保護剤としてnが1〜2000の直鎖状ポリエチレンイミンを使用することにより、溶媒に対する溶解性も良好であるとともに、白金等の金属イオンに配位する窒素に水素原子が残るため、pHに応じて水素原子の脱着が可能になり、pHに対する応答性に優れ、低いpHも含む広い範囲のpH(pH=1〜11)に対応することができる。従って、得られる金属ナノ粒子も、粉末状態における分散性及び保存安定性が良好であり、pHが1〜2といった低いpHでも溶液中に安定して分散することができることになる。また、本発明の製造方法で得られた金属ナノ粒子は、高い触媒活性を有し、排ガス浄化触媒等の各種触媒、バイオセンサーをはじめとする各種センサーやナノデバイス、電極、色素材料、吸着剤等に使用することができる。また、粒子径(平均粒子径)も例えば2〜4nmと小さくすることができ、単分散分布を持つため、メソポーラスシリカの細孔にも担持可能な金属ナノ粒子となる。
【0014】
本発明に係る金属ナノ粒子分散溶液の製造方法は、前記した本発明の製造方法で得られた金属ナノ粒子を所定の溶媒に投入し再分散させるので、溶媒として低いpHも含む広い範囲のpHを選択し、高い触媒活性を有する金属ナノ粒子を分散した金属ナノ粒子分散溶液を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】塩化白金酸六水和物と、実施例1で得られた白金ナノ粒子のUVスペクトルを示した図である。
【図2】実施例1で得られた白金ナノ粒子を臭化カリウム粉末と混合して作成したペレットを赤外吸収分光計で測定した結果を示した図である。
【図3】実施例1で得られた白金ナノ粒子を空気雰囲気下で熱重量/示差熱分析を行った結果を示した図である。
【図4】実施例1で得られた白金ナノ粒子の透過型トンネル顕微鏡による観察写真を示した図である。
【図5】実施例1で得られた白金ナノ粒子の粒子径測定結果を示した図である。
【図6】実施例4で得られた白金ナノ粒子の透過型トンネル顕微鏡による観察写真を示した図である。
【図7】実施例4で得られた白金ナノ粒子の粒子径測定結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の金属ナノ粒子の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」とする場合もある。)は、下記式(I)で表され、nが1〜2000の直鎖状ポリエチレンイミンと、1種または2種以上の金属イオンとを混合して混合溶液を調製する第1工程と、第1工程で調製された混合溶液を還元し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子溶液を調製する第2工程と、金属ナノ粒子溶液を再沈殿させ、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を分離する第3工程と、を含むものである。
【0017】
【化2】

【0018】
(1)第1工程:
本発明の金属ナノ粒子の製造方法の第1工程は、下記式(I)で表される、nが1〜2000の直鎖状ポリエチレンイミン(以下、単に「直鎖状ポリエチレンイミン」とする場合もある。)と、1種または2種以上の金属イオンとを混合して混合溶液を調製する工程である。
【0019】
直鎖状ポリエチレンイミンは、金属ナノ粒子の保護剤となり、金属ナノ粒子の製造方法の表面を覆い保護層を形成することにより、生成した金属ナノ粒子の凝集を防止することができる。本発明の製造方法にあっては、式(I)におけるnが1〜2000のものを使用するが、nをかかる範囲とすることにより、溶液中での反応により金属ナノ粒子が調製できるというメリットがある。一方、nが2000を超えると、溶媒に対するポリエチレンイミンの溶解性が低下するため、金属イオンに対して好適に被覆することが困難となり、また、ポリエチレンイミンの合成が難しいという問題もあって使用が困難となる。高分子としての使いやすさを考慮すると、10万程度の分子量(重量平均分子量(M)。以下、単に「分子量」とする場合もある。)が目安となり、n=2000とすると分子量86000程度であり問題ない。式(I)におけるnは、2〜1000とすることが好ましく、5〜1000とすることがより好ましく、5〜600とすることがさらに好ましく、10〜600とすることがさらにより好ましく、50〜600とすることが特に好ましい。
【0020】
本発明の金属ナノ粒子の製造方法にあっては、使用されるポリエチレンイミンは直鎖状(直鎖状ポリエチレンイミン)である。従来はポリビニルピロリドン(PVP)等が使われていたが、pHが小さい(例えば、pHが2以下)とポリビニルピロリドンが外れて、金属ナノ粒子が凝集してしまうという問題があった。保護剤として修飾する高分子をポリエチレンイミンとした場合には、窒素原子にプロトンが付加するか脱離することにより、pHが1〜11といった広いpHの範囲で安定な金属ナノ粒子を提供することができ、低いpHでも安定になると期待され、特に、直鎖状ポリエチレンイミンであれば、白金等の金属イオンに配位する窒素に水素原子が残るため、pHに応じて水素原子の脱着が可能になると考えられる。一方、分岐状ポリエチレンイミンの場合には白金等の金属に配位すると四級窒素になるため、pHに対する応答が悪く、直鎖状ポリエチレンイミンより安定に存在するpHの範囲が狭くなることになる。以上より、本発明の製造方法にあっては、保護剤として直鎖状ポリエチレンイミンを使用する。
【0021】
使用される直鎖状ポリエチレンイミンの重量平均分子量(M)の範囲は、特に制限はないが、230〜43000(例えば、n数としてn=5〜1000に対応)とすることが好ましく、230〜26000(例えば、n数としてn=5〜600に対応)とすることが特に好ましい。
【0022】
本発明の製造方法で使用される直鎖状ポリエチレンイミンは、市販、または合成可能なものであれば、特に限定されることなく使用することができる。直鎖状ポリエチレンは、一般に、下記(II)式で表されるポリエチルオキサゾリン(n=1〜2000であり、目的物である直鎖状ポリエチレンイミンのn数に対応)を水、塩酸、メタノールやエタノール等の適当な溶媒中において25〜100℃で1〜24時間還流した後、洗浄してアンモニア、硝酸等の窒素化合物と反応させ、洗浄、乾燥させることにより簡便に得ることができる。なお、洗浄には、冷水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等を使用することができる。直鎖状ポリエチレンイミンを合成するための出発物質としては、かかるポリエチルオキソザリンが最適である。
【0023】
【化3】

【0024】
なお、出発物質としてポリエチルオキソザリンを使用した場合にあっては、ポリエチルオキソザリンの基本単位のn数が直鎖状ポリエチレンイミンの基本単位のn数となり、得られる直鎖状ポリエチレンイミンの重量平均分子量(M)はポリエチルオキソザリンのそれの約43%となる。従って、出発物質のポリエチルオキソザリンのn数や重量平均分子量を調整することにより、所望のn数や重量平均分子量の直鎖状ポリエチレンイミンを得ることができる。
【0025】
金属イオンを構成する金属としては、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銅、インジウム、ニッケル等が挙げられる。これらの金属イオンを構成する金属は、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて(あるいは、合金として)用いてもよい。金属イオンを構成する金属としては、他の金属と比較して高い触媒活性能を有し、また、ポリエチレンイミンとの反応性が高いという理由で、白金が好ましい。
【0026】
前記の金属イオンは、第1工程で混合溶液を調製する際に、金属のイオン溶液(金属イオン溶液)として溶媒に投入してもよく、また、所望の金属化合物を使用し、かかる金属化合物を投入するようにしてもよい。金属化合物としては、所望の金属の塩化物のほか、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩等の金属塩を使用することができ、例えば、白金イオンを選択する場合にあっては、塩化白金酸六水和物等の白金の塩化物や、硝酸塩、硫酸塩等を使用することができる。なお、かかる金属化合物は、後記する混合溶液の溶媒に溶解させた状態で、直鎖状ポリエチレンイミンと混合するようにしてもよい。
【0027】
混合溶液を構成する金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンは、金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンの構造単位のモル比が、金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=50/1〜1/100とすることが好ましい。モル比は、例えば、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が比較的小さい場合(例えば、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が10000以下)には、金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=1/10〜1/100の範囲内(モル比が小さい範囲:直鎖状ポリエチレンイミンの相対的モル量が大きい範囲)で選択すればよい。一方、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が比較的大きい場合(例えば、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が10000を超える)には、金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=50/1〜1/10の範囲内(ただし1/10は含まず)(モル比が大きい範囲:直鎖状ポリエチレンイミンの相対的モル量が小さい範囲)で適宜選択すればよい。
【0028】
混合溶液の溶媒としては、直鎖状ポリエチレンイミンが溶解可能なものであれば特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール,エチレングリコール、アセトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を使用することができる。これらの溶媒は、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合溶媒として用いてもよい。一般に、分子量が大きいと溶媒に対する溶解性が小さくなるので、例えば、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が10000以上の場合は、極性の大きい水や、メタノール等を使用することが好ましく、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量が10000より小さい場合には、極性の比較的小さいエタノール等を使用することができる。なお、これらの溶媒は、後工程となる第3工程で再沈殿を行うことから、かかる再沈殿の際に使用する液体との関係を考慮して選択することが好ましい。
【0029】
混合溶液の調製方法としては、溶媒に直鎖状ポリエチレンイミンを溶解させた後、金属イオン(ないしは金属化合物)を溶解させるようにしてもよく、また、溶媒に金属イオン(ないしは金属化合物)を溶解させた後、直鎖状ポリエチレンイミンを溶解させるようにしてもよい。さらに、溶媒に直鎖状ポリエチレンイミンと金属イオン(ないしは金属化合物)を一緒に投入して、両者を溶解させるようにしてもよく、直鎖状ポリエチレンイミン等を溶媒に溶解させる順序は特に制限はない。
【0030】
直鎖状ポリエチレンイミンや金属イオン(金属化合物)の溶媒に対する溶解性を向上させるため、混合溶液は、第2工程で還元を行う前に還流を行うようにしてもよい。還流を行う場合には、溶媒により条件を決定すればよいが、1〜5時間程度行うようにすればよく、溶媒の種類によっては必要により加熱(80〜100℃)条件下で行ってもよい。また、かかる還流を行った後は、室温で放冷した後、第2工程で還元を行うようにすればよい。
【0031】
(2)第2工程:
本発明の金属ナノ粒子の製造方法の第2工程は、第1工程で得られた混合溶液を還元し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子溶液を調製する工程である。
【0032】
本工程では、溶媒中で金属イオン(ないしは金属化合物)を還元して金属ナノ粒子とするとともに、かかる金属ナノ粒子の表面を含窒素カチオン性ポリマーである直鎖状ポリエチレンイミンで被覆し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を調製する。混合溶液を還元するにあっては、いわゆる電界還元を使用することもできるが、本発明の金属ナノ粒子の製造方法にあっては、簡便に金属ナノ粒子溶液を調製することができ、また、反応による副生成物が容易に除去することも可能な、還元剤を用いて還元(無電解還元)を行うことが好ましい。
【0033】
還元剤を用いて還元を行う場合にあっては、還元力の強い還元剤を用いることが好ましく、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、ヒドラジン等を使用することができる。還元剤は、そのまま混合溶液に添加してもよいが、所定の溶媒と混合した還元溶液として混合溶液に添加するようにしてもよい。還元溶液に使用される溶媒としては、特に制限はないが、混合溶液を調製する際に使用した溶媒と同じものを使用することが好ましい。
【0034】
還元剤を用いて還元を行う場合における還元剤の添加量は、混合溶液中の金属イオン等を還元し、金属ナノ粒子を形成できる範囲において特に制限はなく、金属イオンに対して等モル以上であれば(化学量論量より多いのであれば)問題ない。
【0035】
(3)第3工程:
本発明の金属ナノ粒子の製造方法の第3工程は、第2工程で得られた金属ナノ粒子溶液を再沈殿させ、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を分離する工程である。
【0036】
本発明の製造方法における再沈殿とは、溶液に別の溶媒を混ぜて溶解度を低下させて、目的物を沈殿させることを指し、少量の良溶媒に溶解した試料を多量の貧溶媒に滴下することにより、急速に試料の溶解性を低下させて、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子の沈殿を形成させる。本発明にあっては、金属ナノ粒子溶液に含まれる直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を沈殿させるべく、例えば、金属ナノ粒子溶液を構成する溶媒は第1工程で使用した溶媒であることから、第1工程で混合溶液を調製する際に使用した溶媒より極性の小さい液体に、金属ナノ粒子溶液を滴下することにより行うようにすることが好ましい。
【0037】
金属ナノ粒子溶液を滴下する液体(極性の小さい液体)は、第1工程で混合溶液を調製する際に使用した溶媒との関係で、かかる溶媒より極性の小さい液体を適宜選択すればよい。例えば、第1工程で混合溶液を調製する際に使用した溶媒が水であれば、金属ナノ粒子溶液を滴下する液体として、かかる水より極性が小さいエタノール、テトラヒドロフラン等を選択すればよい。また、第1工程で混合溶液を調製する際に使用した溶媒がエタノールであれば、かかるエタノールより極性が小さいヘキサン、ペンタン等を選択すればよい。一般に、金属ナノ粒子溶液を滴下する液体としては、沸点が比較的低く除去が容易であることや金属ナノ粒子の溶解性が低いこと等から、第1工程で混合溶液を調製する際に使用した溶媒との関係で、適宜選択して決定することが好ましい。
【0038】
再沈殿を行うに際し、金属ナノ粒子溶液は、撹拌状態の液体(極性の小さい液体)に対して滴下するようにすればよく、また、前処理として、ろ過により不純物を除去したり、溶液を濃縮するようにしてもよい。撹拌状態の極性の小さい液体に対して金属ナノ粒子溶液を滴下することにより、再沈殿が迅速かつ簡便に実施される。かかる金属ナノ粒子溶液を滴下する液体の撹拌条件、ろ過の条件、濃縮の条件については、使用される直鎖状ポリエチレンイミンのn数や分子量、金属イオンの種類等に応じて適宜決定すればよい。
【0039】
なお、本発明の金属ナノ粒子の製造方法にあっては、金属ナノ粒子溶液に、凝集促進剤ないしは凝集剤を添加して、金属ナノ粒子溶液中の金属ナノ粒子を沈殿させることは好ましくない。凝集促進剤等を用いると、金属ナノ粒子を覆う保護剤(直鎖状ポリエチレンイミン)が外れてしまい、凝集が起こりやすくなり、本発明の目的を達成することができないことになる。
【0040】
金属ナノ粒子溶液は、本工程において再沈殿を行う前に還流を行うようにしてもよい。かかる還流により、ポリエチレンイミンの溶解性を高くすることができ、得られる金属ナノ粒子の粒子径を制御できる。かかる還流の条件は、金属ナノ粒子溶液を構成する溶媒等によって適宜決定すればよいが、概ね80〜100℃で数分(1〜5分程度。好ましくは1〜3分程度)行うようにすればよい。また、かかる還流を行った後は、室温で放冷した後、ろ過により不純物を除去したり、ろ液となる金属ナノ粒子溶液を濃縮するようにしてもよい。
【0041】
本工程において再沈殿により得られた生成物(沈殿物)は、ろ過、乾燥させて最終生成物である金属ナノ粒子とすることが好ましい。本発明の製造方法で得られる金属ナノ粒子は、平均粒子径が1〜20nmの粉末状、好ましくは2〜10nmの粉末状となり、2〜4nm程度に小さくすることもできる。かかる範囲内における平均粒子径の制御は、例えば、使用される保護剤である直鎖状ポリエチレンイミンの分子量と第1工程における混合溶液を構成する金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンとのモル比により行うことができる。例えば、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量を小さくすれば平均粒子径も小さくなり、混合溶液における金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミンのモル比を小さくすれば(直鎖状ポリエチレンイミンの相対的モル量を大きくすれば)、平均粒子径は小さくなると考えられる。なお、「平均粒子径」は、例えば、透過型トンネル顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)等で観察された適当数(例えば100個以上)の粒子における一次粒子径の平均をとったものを採用すればよい。
【0042】
本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、金属ナノ粒子の保護剤としてnが特定範囲の直鎖状ポリエチレンイミンを使用することにより、溶媒に対する溶解性も良好であり、また、白金等の金属イオンに配位する窒素に水素原子が残るため、pHに応じて水素原子の脱着が可能になり、pHに対する応答性に優れ、低いpHも含んだ広い範囲のpHに対応することができる。従って、粉末状態における分散性及び保存安定性が良好であり、pHが1〜6(特に1〜2)といった低いpHでも溶液中に安定して分散することができる金属ナノ粒子を提供することができる。
【0043】
本発明の製造方法で得られた金属ナノ粒子は、高い触媒活性を有し、排ガス浄化触媒等の各種触媒、バイオセンサーをはじめとする各種センサーやナノデバイス、電極、色素材料、吸着剤等に使用することができる。また、粒子径(平均粒子径)も例えば2〜4nmと小さくすることができ、単分散分布を持つため、メソポーラスシリカの細孔にも担持可能な金属ナノ粒子となる。
【0044】
前記したように、本発明の製造方法で得られた金属ナノ粒子は、pHに対する応答性に優れ、低いpHも含む広い範囲のpHに対応することができるため、所定の溶媒に投入し再分散させることにより、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子分散溶液を得ることができる。ここで、使用できる溶媒としては、水、エタノール、メタノール等が挙げられ、溶媒のpHは、1〜11といった広い範囲に対応できるとともに、従来困難であったpHが1〜6、特にpHが1〜2の溶媒にも対応可能である。
【実施例】
【0045】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。
【0046】
[合成例1]
直鎖状ポリエチレンイミンの合成(1):
式(II)で表されるポリエチルオキサゾリン(n=581)(シグマ・アルドリッチ製)を6mol/Lの塩酸中で90℃、10時間還流し、エタノールで洗浄した後、25%アンモニア水を加え、冷水で洗浄して乾燥することにより、式(I)に表される直鎖状ポリエチレンイミン(n=581)(M=25000)を得た。
【0047】
[合成例2]
直鎖状ポリエチレンイミンの合成(2):
式(II)で表されるポリエチルオキサゾリン(n=50)(シグマ・アルドリッチ製)を6mol/Lの塩酸中で90℃、10時間還流し、エタノールで洗浄した後、25%アンモニア水を加え、冷水で洗浄して乾燥することにより、式(I)に表される直鎖状ポリエチレンイミン(n=50)(M=2150)を得た。
【0048】
[実施例1]
白金ナノ粒子の製造(1):
合成例1で得られた直鎖状ポリエチレンイミン(n=581)(M=25000)596mgを60℃の水90mLに溶解した後、塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)594mg(金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンの構造単位のモル比:金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=48/1)を加えて撹拌し、室温まで放冷して、混合溶液を調製した。この混合溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)594mgを10mLの水に溶解させた水素化ホウ素ナトリウム水溶液を加えて還元して、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた白金ナノ粒子が分散された白金ナノ粒子溶液を調製した。この白金ナノ粒子溶液を90℃で1時間還流した後、室温まで放冷してから濃縮した。濃縮した白金ナノ粒子溶液を激しく攪拌したエタノール100mLに滴下して再沈殿させ、生成した沈殿をろ過してから乾燥させて、直鎖状ポリエチレンイミンで覆われた白金ナノ粒子の粉末691mgを得た。
【0049】
実施例1で得られた白金ナノ粒子の粉末を水(pHを1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5及び6.0の11種類とした)と混合して撹拌すると良好に分散し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた白金ナノ粒子が分散された白金ナノ粒子分散溶液を得ることができた。
【0050】
また、図1は、実施例1で使用した塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)と、実施例1で得られた白金ナノ粒子のUVスペクトルを示した図である。図1に示すように、実施例1で得られた白金ナノ粒子のUVスペクトルは、塩化白金酸(HPtCl)特有の262nm付近の吸収がなくなり、白金ナノ粒子特有の右肩下がりのスペクトルが確認された。以上より、実施例1において、塩化白金酸が還元され、白金ナノ粒子となったことが確認できた。
【0051】
実施例1で得られた白金ナノ粒子を臭化カリウム粉末と混合して作成したペレットを試料として赤外吸収分光計(JASCO−FT/IR6100型:日本分光(株)製)で測定した結果を図2に示す。図2に示すように、3400cm−1付近にN−H伸縮振動、3000〜2800cm−1付近にC−H伸縮振動、1600cm−1付近にC−N−H変角振動、1400cm−1付近にH−C−H変角振動、1000cm−1付近にC−N伸縮振動による吸収が確認できた。また、これらの吸収はポリエチレンイミンの構造に由来する特徴的な吸収であることから、この試料には直鎖状ポリエチレンイミンが含有されていることが確認できた。
【0052】
実施例1で得られた白金ナノ粒子を試料として空気雰囲気下で熱重量/示差熱分析を行った結果を図3に示す(TG−DTA 2020S型:(株)マックサイエンス製)。図3に示すように、400℃までに直鎖状ポリエチレンイミンの熱分解と燃焼による大きな重量減少がみられ、800℃では14.7%の白金が残存した。この結果から、この試料には直鎖状ポリエチレンイミンと白金が含有されており、直鎖状ポリエチレンイミンと白金のモル比がおよそ1/23となることが確認できた。
【0053】
また、実施例1で得られた白金ナノ粒子を透過型トンネル顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により観察し、611個の白金ナノ粒子について目視により直径を測定したところ、2.6〜4.8nmの分布がみられた。図4にTEMの観察写真、図5に粒子径測定結果をそれぞれ示す。TEMの観察結果より、0.1nmごとに分類すると3.2nmの直径が最も多く、平均粒子径は3.26±0.445nmであることが確認できた。また、得られた白金ナノ粒子が立方八面体構造をとっているとすると、平均で561個の白金原子が凝集して成り立つ白金ナノ粒子であると考えられる。
【0054】
[実施例2]
白金ナノ粒子の製造(2):
実施例1の第1工程において使用される90mLの水の代わりに、エタノール81mLと水9mLを混合した90mLのエタノール/水混合溶液、及び第2工程で使用される水の代わりに、エタノール9mLと水1mLを混合した10mLのエタノール/水混合溶液を使用した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、直鎖状ポリエチレンイミンで覆われた白金ナノ粒子の粉末691mgを得た。
【0055】
[実施例3]
白金ナノ粒子の製造(3):
実施例1において、実施例1の第1工程において使用される90mLの水の代わりに、エタノール45mLと水45mLを混合した90mLのエタノール/水混合溶液、及び第2工程で使用される水の代わりに、エタノール5mLと水5mLを混合した10mLのエタノール/水混合溶液を使用した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、直鎖状ポリエチレンイミンで覆われた白金ナノ粒子の粉末691mgを得た。
【0056】
[実施例4]
白金ナノ粒子の製造(4)
合成例2で得られた直鎖状ポリエチレンイミン(n=50)(M=2150)255mgをエタノール90mLに溶解した後、塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)267mg(金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンの構造単位のモル比:金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=1/2.4)を加えて90℃で4時間還流した後、室温まで放冷し、混合溶液を調製した。この混合溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)594mgを10mLの水に溶解させた水素化ホウ素ナトリウム水溶液を速やかに加えて還元して、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた白金ナノ粒子が分散された白金ナノ粒子溶液を調製した。この白金ナノ粒子溶液を分画分子量10000の限外ろ過フィルターを用いてろ過し、濃縮した。濃縮した白金ナノ粒子溶液を激しく攪拌したヘキサン100mLに滴下して再沈殿させ、生成した沈殿をろ過してから乾燥させて、直鎖状ポリエチレンイミンで覆われた白金ナノ粒子の粉末85mgを得た。
【0057】
実施例4で得られた白金ナノ粒子の粉末を水(pHを1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5及び6.0の11種類とした)やメタノール、エタノールと混合して撹拌すると良好に分散し、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた白金ナノ粒子が分散された白金ナノ粒子分散溶液を得ることができた。
【0058】
実施例4で得られた白金ナノ粒子を試料として、実施例1と同様に空気雰囲気下で熱重量/示差熱分析を行った結果、400℃までに直鎖状ポリエチレンイミンの熱分解と燃焼による大きな重量減少がみられ、800℃では18.1%の白金が残存した。この結果から、この試料には直鎖状ポリエチレンイミンと白金が含有されており、直鎖状ポリエチレンイミンと白金のモル比はおよそ1/2.5となることがわかる。実施例4では、実施例1より鎖長が短い直鎖状ポリエチレンイミンを使っているが、白金含有量は3.4%増加していることから、直鎖状ポリエチレンイミンの鎖長が短いとより多くの直鎖状ポリエチレンイミンにより白金原子を取り囲み、白金ナノ粒子を形成することが確認できた。
【0059】
また,実施例4で得られた白金ナノ粒子を、実施例1と同様に透過型トンネル顕微鏡により観察し、502個の白金ナノ粒子について目視により直径を測定したところ、1.0〜4.0nmの分布がみられた。図6にTEMの観察写真、図7に粒子径測定結果をそれぞれ示す。TEMの観察結果より、0.1nmごとに分類すると2.0nmの直径が最も多く、平均粒子径は1.76±0.520nmであることが確認できた。また、得られた白金ナノ粒子が立方八面体構造をとっているとすると、平均で147個の白金原子が凝集して成り立つ白金ナノ粒子であると考えられる。
【0060】
また、実施例1及び実施例4で得られた白金ナノ粒子とその平均粒子径との関係から、白金ナノ粒子の平均粒子径が、混合溶液中の金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンとのモル比及び分子量に依存することが確認できた。すなわち、直鎖状ポリエチレンイミンの分子量を小さく、混合溶液における金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミンのモル比を小さく(直鎖状ポリエチレンイミンの相対的モル量を大きく)することにより、平均粒子径は小さくなった。
【0061】
白金ナノ粒子の製造(5):
合成例2で得られた直鎖状ポリエチレンイミン(n=581)(M=2150)272mgをエタノール100mLに溶解した後、塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)276mg(金属イオンと直鎖状ポリエチレンイミンの構造単位のモル比:金属イオン/直鎖状ポリエチレンイミン=1/2.4)を加えて、90℃で4時間還流して溶解した後、室温まで放冷して混合溶液を調製した(第1工程)。この混合溶液に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)594mgを10mLのエタノールに溶解させた水素化ホウ素ナトリウム水溶液を速やかに加えて還元して、直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた白金ナノ粒子が分散された白金ナノ粒子溶液を調製した(第2工程)。この白金ナノ粒子溶液を90℃で1分間還流した後、室温まで放冷し、分画分子量10000の限外ろ過フィルターを用いてろ過し、濃縮した。濃縮した白金ナノ粒子溶液を激しく攪拌したヘキサン100mLに滴下して再沈殿させ(第3工程)、生成した沈殿をろ過してから乾燥させて、直鎖状ポリエチレンイミンで覆われた白金ナノ粒子の粉末26mgを得た。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の製造方法で得られる金属ナノ粒子及び金属ナノ粒子分散溶液は、高い触媒活性を有するため、排ガス浄化触媒等の各種触媒、バイオセンサーをはじめとする各種センサーやナノデバイス、電極、色素材料、吸着剤等として有利に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表され、nが1〜2000の直鎖状ポリエチレンイミンと、1種または2種以上の金属イオンとを混合して混合溶液を調製する第1工程と、
前記第1工程で調製された前記混合溶液を還元し、前記直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子が分散された金属ナノ粒子溶液を調製する第2工程と、
前記金属ナノ粒子溶液を再沈殿させ、前記直鎖状ポリエチレンイミンに覆われた金属ナノ粒子を分離する第3工程と、
を含むことを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
【化1】

【請求項2】
前記再沈殿が、前記第1工程で前記混合溶液を調製する際に使用した溶媒より極性の小さい液体に、前記金属ナノ粒子溶液を滴下することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記nが50〜600であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記還元が還元剤によって行われ、当該還元剤が水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記金属イオンを構成する金属が白金であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法で得られた金属ナノ粒子を溶媒に投入し再分散させることを特徴とする金属ナノ粒子分散溶液の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−209455(P2010−209455A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60268(P2009−60268)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「平成20年度、文部科学省、地域科学技術振興事業委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【Fターム(参考)】