金属フレロール及び腫瘍(癌)生長抑制薬物を製造するための金属フレロールの使用
本発明は金属フレロール及びその腫瘍(癌)生長抑制薬物の調製とその応用に及んでいる。具体的に言うと、一般式がM@C2m(OH)xの水酸化金属フラーレン及びその腫瘍(癌)成長抑制薬物の調製とその応用に及んでいる。その中で、MはGd,Laなどの希土類元素金属から選ばれ、m=41又は30、10≦X<50(しかし、隣の水酸基の再配置によって、実際にC82炭バッキーボールの表面のOとHの数は異なりごとがあり、M@C2mOxHyの式で書いてもいい。)である。目前、臨床で普遍的に使用されている抗癌薬剤CTX、シスプラチン、イチイアルコールなどと比べ、金属フレロールM@C2m(OH)x(又M@C2mOxHy)は、使用量が少なく、毒性が小さく、腫瘍生長の抑制効率も高いという特徴がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新型ナノメートル材料及びその生物医学でのアプリケーションに及んでいる。具体的に言うと、一般式M@C2m(OH)xの金属フレロールの及びその腫瘍成長抑制薬物の調製でのアプリケーションである。その中で、MはGd,Laなどの希土類元素金属から選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍は人類健康を威す重要な病気であり、目前、人類死亡の要因になっている。中国や日本でも、肝臓癌、肺癌、胃癌と乳腺癌は最高の発病率の腫瘍である。目前、世界で毎年、700万人が癌で死に、その中で中国では130万人を占めている。癌は人を殺すばかりでなく、家族と社会の巨大な経済負担になっている。抗腫瘍薬物の発見とその研究で、腫瘍化学の治療が一つの学科になり、腫瘍内科学も誕生した。ただし、抗腫瘍薬の研究は厳しい問題に臨んでいる。それは、通常に見られる実体腫れ物例えば、肺癌、肝臓癌、大腸癌と膵臓癌に有効的な薬物が缺乏し、抗腫瘍薬は臨床のアプリケーションの中で副作用が大きいということである。CTX、エピルビシン、シスプラチン、イチイアルコール等は治療すると同時に、骨髄の抑制、腎毒性消化器管との痛烈な反応、腎毒性などの毒副作用が発生され、そのため、臨床治療で抗腫瘍薬の使用量が制限されている。人類が悪性腫瘍を抑える為に、必ず新型抗腫瘍薬物を開発すべきである。
【0003】
生命科学の研究で、ナノ粒子はすでにその独特な優勢とアプリケーションを表している。例えば、ナノ薬物のキャリア、効率的に病気を検定できる量子点、効率的な医学画像及び腫瘍治療技術関連のナノ材料等は、すでに国際で先端的な科学問題になっている。
【0004】
フラーレン(例えばC60)は炭原子で構成され、ナノ尺度の球体分子であり、独特な物理性と化学性を持ち、生物医学、材料科学などの分野にて重要なアプリケーションを持っている。Friedman等(非特許文献1参照)は、フラーレンC60の誘導体がHIV病毒の活性を抑制できることを、理論的に模擬計算をした。C60は水に溶解されない球体分子として、直径が0.71nmである。HIVは末端が開いている圓柱模様の分子として、サイズはC60の直径と大体同じである。その活性表面も水に溶解されなく、この両者は共係合の結合で、HIV病毒の成長を阻止することができる。14ヌクレオシダーゼフラーレンの誘導体とDNAの結合物は、より安定した3螺旋構造を形成し、光の触媒作用で、DNAに対して選択的な位置切断をする。
【0005】
フラーレンとその多くの誘導体は水に溶解されないので、人体の「標的分子」と作用できなく、生物化学領域においての研究とアプリケーションが制限されている。近年来、合成水溶性フラーレン誘導体研究に成功して、C60誘導体の生物でのアプリケーションを加速し、広くした。水の中で、水酸基が誘導されたフラーレンは独立の分子で存在するのではなく、大分子と相互作用して、ナノ粒子の形式で存在し、こうした粒子はとても良い生物親和性を持っている(非特許文献2〜5参照)。2004年10月に発表したNano Lettの論文の中で(非特許文献6参照)、Rice大学のColvinは、フラーレンの細胞毒性はそのバッキーボールの表面の修飾可否と修飾した基団に依頼していると指摘した。二種類の細胞の系列で、構造によってその毒性は7つのレベルの違いがある。フラーレンの毒性が最大で、フレロール(C60(OH)24)は最小です。細胞毒性を調べると、フレロール(C60(OH)24)のLD50>5,000ppmで、フラーレンのLD50は20ppbである。人々はフラーレンとその誘導体に対して、実験される動物の体の中での分部について初歩の研究をした。Nakamura等は1994年、初めて14Cと言う表記のフラーレン誘導体を合成し、ラットの中での生物分布と薬物の代謝を研究した。SDラットの尾静脈を注射したら、化合物はラットの各器官に分布され、90〜95%が肝臓に集まった。それに対して166Ho@C82(OH)xはより生物分布が広く、肝臓、骨格、脾臓、腎臓、肺の含有量は順に減少し、他の器官には余り分布されていなかった(非特許文献7参照)。
【0006】
数年来、バッキーボール金属フラーレンの研究はすでに大きく進展し、今まで、三価染色体金属原子(Sc,Y)、アルカリ土類金属原子(Ca,Sr,Ba)、アルカリ金属原子(Li,Na,K,Cs)と四価染色体金属原子(Zr,Hf)等はすでにフラーレンの中に属され、単一原子、二原子、三原子と言う金属バッキーボールを形成した。バッキーボール金属フラーレンの素晴らしい物理的性質と化学的性質によって、有機鉄磁体、非線形光学材料、機能的な分子スイッチ、核の磁造影剤、生物追跡剤などの新型材料へ発展する可能性がある。(非特許文献8参照)。
【0007】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.,1993年,115:6506−6509
【非特許文献2】Sayes C M et al,Nano Lett,2004,4(10):1881−1887
【非特許文献3】Dugan L L et al,Proc Natl Acad Sci USA,1997;94:9434−9439
【非特許文献4】Mirkova S M et al,Nitric Oxide,2004;11:201−207
【非特許文献5】Chiang L Y et al,J Org Chem,1994,59;3960−3968)
【非特許文献6】Sayes C M et al,Nano Lett,2004,4(10):1881−1887
【非特許文献7】Cagle D W et al.,Proc Natl Acad Sci,1999;96:5182−5187
【非特許文献8】Bolskar R D et al.,J Am Chem Soc,2003;125:5471−5478
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
腫瘍組織は普通の組織より血管が多く、そして、腫瘍組織の毛細血管の壁には多くのナノサイズの穴があって、栄養物質はこれらの穴を通じて腫瘍組織の中にしみ込むことができる。もし、これらの血液の道がちょうど同じサイズのナノ粒子によって詰まったら、血液の流通を抑制して、腫瘍は十分な栄養物質を獲得することができなく、そして腫瘤組織の成長を中断することになる。このことを証明するために、発明者は金属フレロールの化合物を設計し、調製した。その分子の直径は1nmである。金属フラーアルコールナノ粒子は強い腫瘍抑制の作用があり、溶液の中で直径が1−200nmの粒子を形成する時、腫瘍抑制の作用はもっと大きくなる。ただし、腫瘍細胞を直接に殺すことではない。
【0009】
本発明の目的は、1種類の金属フレロールを提供することである。
もう一つの目的は、1種類の腫瘤抑制の組合せ物を提供することである。中には、治療に有効な金属フレロール顆粒と薬学で受け取られるキャリヤーが含まれる。
最後の目的は、金属フレロールの腫瘤成長抑制薬物の調製におけるアプリケーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を実現するために、下記の方案を提出した。
一つの金属フレロールは一般式で表示され、一般式の中で、MはLa,Gdなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30;10≦X<50である。
【0011】
上記の化合物は一つの磁性中心の金属イオンMと一つのC原子で構成されたナノバッキーボールからなる。その表面には多くの水酸基の基団があり、そのゆえM@C2m(OH)xは生物体の中で良い生物親和性を持っている(図1参照)。同時に、水酸基の基団によって、金属フラーレンと比べて毒性が大いに下がる。
【0012】
隣の水酸基の再配置によって、実際にバッキーボールのOとHの数は異なり、上記の一般式をM@C2mOxHyの式と書いてもよい。
【0013】
本発明の一般式はM@C2m(OH)x(m=41又は30;10≦X<50)の金属フレロールであり、そのうちMはLaである。
【0014】
本発明の一般式はM@C2m(OH)x(m=41又は30;10≦X<50)の金属フレロールであり、そのうちMはGdである。
【0015】
1種類の腫瘍抑制の組合せ物の中には、一般式M@C2m(OH)xで表す金属フレロールを含み、その中で、MはGd、Laなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30、 10≦X<50である。
【0016】
1種の腫瘍抑制の組合せ物の中には、一般式[M@C2m(OH)x]nで表す金属フレロールナノ顆粒を含み、その中でMはGd又は、Laから選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。nはこの金属フレロールナノ顆粒を構成する金属フレロール分子の数を示し、1≦n<200である。
【0017】
一般式M@C2m(OH)xの金属フレロールは分子間の相互作用によって、ナノ顆粒物になり、溶剤のある環境で、溶剤の選択、濃さの制御、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、サイズが1−200nmの顆粒を構成することができる。
【0018】
上記の組合せ物には、溶剤と薬学で受け取られるキャリヤーを含んでいる。上記の溶剤で水、生理食塩水、Tris−HCl溶液、燐酸塩緩衝液が優先される。上記の薬学上で受け取られるキャリヤーは、薬学領域で通常の薬物キャリヤーで、例えば:希釈剤、賦形剤、フィリング剤、吸収促進剤等が取上げられる。
【0019】
本発明の腫瘤抑制組合せ物の中で、金属フレロール溶剤の濃度は1×10−5〜1mmol/Lが最適である。濃度が1×10−5〜1mmol/Lを超える場合、金属フレロールの溶解能力が低くなり、大きい顆粒に固まりやすくなる。金属フレロールの濃度が1×10−5〜1mmol/Lの場合、細胞に対する毒性は非常に少ない。
【0020】
上記の腫瘤への応用には下記の病気を含んでいるが、それだけには限らない。肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸大腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨肉腫、血管肉腫、リンパ腫、白血病、悪性黒色腫又は皮膚癌。
【0021】
1種類の金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調製における応用。
この金属フレロールは一般式M@C2m(OH)xで表示し、一般式の中でMはGd、Laなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。上記の腫瘍には下記の病気を含んでいるが、それだけには限らない。肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸大腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨肉腫、血管肉腫、リンパ腫、白血病、悪性黒色腫又は皮膚癌。
【0022】
金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調整における応用。この薬物は各種の溶剤に調製され、こうした溶剤の使用量は、金属フレロールで表すと、一日あたり5×10−8〜1×10−2mmol/kgになる。病人に対する使用量を、マウス実験で得られた使用量(1×10−6〜2×10−1mmol/kg/日)から人に換算して得る。
【0023】
金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調整における応用。この薬物は各種の溶剤に調製され、こうした溶剤の使用量は、一日あたり金属フレロール5×10−6〜1.25×10−4mmol/kgで表す。病人に対する使用量を、マウス実験で得られた使用量(1×10−4〜2.5×10−3mmol/kg/日)から人に換算して得る。
【0024】
上記の腫瘍抑制の組合せ物は、静脈注射、腹腔内注射、口服用又は局部に塗布するなどの方法で治療に使用される。本発明の実施法案の中で、腫瘤抑制組合せ物を注射用溶液に作成することがベストである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は:現在、臨床でよく使用されているシクロホスファミド、シスプラチン、イチイアルコールなどと比べて、金属フレロールのM@C2m(OH)xは使用量が少なく、毒性が低く、そのうえ腫瘤抑制の比率も高い、という長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
発明者は化学的な合成方法で金属フレロールGd@C82(OH)x,Gd@C60(OH)x,La@C82(OH)x,La@C60(OH)xを調製し、その調製方法は、Robert D. Bolskarら,J. AM. CHEM. SOC. 2003,125,5471−5478の文献を参考する。
【0027】
本発明の方法で調製された金属フレロールM@C2m(OH)xは、その水酸基の数は10〜50の範囲で、本文で水酸基の数を具体的に表示する場合、水酸基の数の平均値を指している。この数は合成金属フレロール反応中のNaOH溶液の濃さによって決められ、需要によってNaOH溶液の濃さを調節することができ、水酸基の数が定められる金属フラーアルコールを獲得する。水酸基の数が10より小さい場合、金属フレロールの生物相容性良くない;水酸基の数が50より多かったら、バッキーボールの構造は安定できなくなる。
【0028】
精確にフレロールの水酸基の数を測定するのは極めて重要であり、本発明の中では、北京放射光施設X線光電子分光装置(XPS)を利用して、元素分析法と合わせて、金属フラーレンの表面修飾後の水酸基の数を確定する。
【0029】
XPS実験は中国科学院北京放射光施設で行われている。マグネトロンスパッタリングによって、高純度PtがめっきされたシリコンウェーハでXPSサンプルテストを行う。M@C82とM@C82(OH)xを上記のシリコンウェーハにたらし、薄膜を獲得する。そして、サンプルに付いた空気の不純物を取り除くように、薄膜を超真空システムである8×10−10TorrのXPSサンプル調整室に長く置いとく。金属フレロールのC1s光電子分光スペクトルはサンプルに含まれる水酸基の数を測定するのに使用する。入射光子のエネルギーを変えて、価電子帯光電子スペクトルを収集する。サンプルの一部の全電子収量スペクトルの測定によって吸収スペクトルを収集する。装置のエネルギー分解能は約〜0.5eVである。サンプル表面の清潔さと器械の良好な稼動状態を確保するために、データ収集をする前に、サンプルはXPSでスキャニングされなければならない。
【0030】
金属フレロールのM@C2m(OH)xの分子の顆粒の直径は約1nmである。金属フレロール分子は巨大分子間の相互作用によってナノ顆粒物になる。溶剤のある環境で、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、直径が1−200nmの顆粒を構成する。本文の下記の実例に言及される金属フレロール溶液の顆粒の直径は1−200nmである。
【実施例】
【0031】
下記では、実例と対比例で本発明をもっと深く説明する。ただし、本発明を単にこうした実例に制限するものではない。
【0032】
(実施例1)
Gd@C2m(OH)xの調製
第1工程 Gd@C2mの合成
高純度(99.999%)のGd2O3と高純度の石墨の粉(99.999%)を原子比率Gd:C=0.5〜3:100で混合して、圧入して模型を作り、石墨−金属の混合電極を作成する。又は、直径が6〜20mmの石墨の棒に穴を開け、酸化Gdを詰め込んで石墨−金属混合電極を作成する。1000〜2000℃の高温で焼き、不活性気体弧状放電の方法で、金属フラーレンのGd@C2mを合成する。不活性気体はHe又はAr、圧力は50〜600Torr、電流は80〜500Aである。
【0033】
第2工程 Gd@C82とGd@C60分離純化
a.高温回流と高温高圧で高効率的に炭ナノ類物質を抽出する。まず、弧状の放電した煙すすを100〜200℃でトルエンに12〜24時間流し、それからDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)に100〜200℃で高温高圧(50〜100MPa)で12〜24時間抽出し、炭ナノ類物質を抽出する。
【0034】
b.よく使用されている循環式のHPLC(高効率の液体のクロマトグラフィ)両歩法、又は抽出法で需要の金属フラーレンのGd@C82とGd@C60を純化して、純度が99.99%以上の目標産物Gd@C82とGd@C60を獲得する。Gd@C82の産出率は炭棒の10%であり;Gd@C60の産出率は炭棒の35%である。HPLC分離結果のグラフは図2を参考する(5PBBの柱)。
【0035】
第3工程 金属フレロールGd@C82(OH)22の合成
NaOH法で、トルエン溶液の中でGd@C82と濃度が35%のNaOH溶液を反応し、それから濾過、イオン交換層析などの分離、純化でNaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物Gd@C82(OH)22を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0036】
金属フレロールのGd@C82(OH)12の合成
トルエン溶液の中に、Gd@C82と濃度が30%のNaOH溶液を反応し、それから濾過、イオン交換層析などの分離、純化でNaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物Gd@C82(OH)12を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0037】
Gd@C60(OH)x的合成:
20mLのTHFの中に、300mgのGd@C60の懸濁コロイドと210mgのKHを混合して、15分間連続にかき混ぜ、1.255gのブロモマロン酸ジエチルを一粒、一粒加える。40分間分かき混ぜたら、コーヒー色の溶液が生成される。それから濾過して反応のないKHを取り去る。粗い産物をテトラヒドロフラン(THF)で分離させ、それから水素化ヘキシルで濯ぎ、低圧で乾いて、トルエンとNaHを一緒に回流させ、メタノールで反応を終らせる。酸性イオン交換柱で分離、純化し、NaOHで溶液のpHを7.0に調整し、乾いて蒸してGd@C60(OH)xを獲得する。
【0038】
第4工程 金属フレロール顆粒[Gd@C82(OH)22]n(1≦n<200)の合成
金属フレロールGd@C82(OH)22を生理食塩水に溶かして、超音を1分間したら、直径が1−200nmの粒子[Gd@C82(OH)22]n,1<n<200ができる。
【0039】
(実施例2)
Gd@C82(OH)22とGd@C82(OH)12水酸基の数の測定
Gd@C82(OH)22(a)とGd@C82(OH)12(b)のC1sのエレクトロニックXPSグラフは、図3の通りである。C−CとC−Oキー間の相対的強さはGd@C82(OH)xの水酸基の数を分析するのに使う。図2の実線のHPLC分析は、分子の中に2種類の炭原子が存在することを表している。ピーク284.4 eVのものは、他の基団と連接していないsp2雑化した炭原子(C−C)のエネルギー結合であり;ピーク285.3eVのものは水酸基化の炭原子(C−OH)である。
【0040】
(実施例3)
La@C2m(OH)xの調製
上記のGd@C82の調製方法に似ている方法でLa@C82およびLa@C60を調製する。
(1)金属フレロールLa@C82(OH)18の合成
NaOH法で、トルエン溶液媒質の中にLa@C82と濃さ35%のNaOH溶液を反応し、一連の分離、純化の後、NaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物La@C82(OH)18を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0041】
(2)金属フレロールLa@C60(OH)22の合成
NaOH法で、トルエン溶液媒質の中にLa@C82と濃さ35%のNaOH溶液を反応し、一連の分離、純化の後、NaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物La@C60(OH)22を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0042】
(実施例4)
ナノ顆粒の測定
金属フレロール分子M@C2m(OH)xの粒の直径は1nmである。溶剤の環境で、金属フレロールは巨大分子の相互作用によって、ナノ顆粒物になり、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、サイズが1−200nmの顆粒を構成する。
【0043】
シンクロトロン放射小角X線散乱(SR−SAXS)で、生理食塩水溶液中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の直径範囲は1−200nmとなり、平均サイズは22nmであることを測定する。
【0044】
高分解能原子力顕微鏡で(AFM,Nano IIIa SPM,Digital Instruments Inc,3A)生理食塩水溶液中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の直径範囲は1−200nmであり、平均の直径22.4nmは存在していることを実証している。図4参照。二つの独立した方法で取得した結果は同じである。
【0045】
(実施例5)
[Gd@C82OH22]n(1≦n<200)を含んでいる注射用溶液
500mgのGd@C82OH22を400mlの生理食塩水中に溶け、室温で超音を1分間し、100個のガラス管に外装して、注射用溶液を作成する。
【0046】
(実施例6)
マウスの肝臓癌腫瘍に対するGd@C82(OH)m組み合わせ物の抑制作用
動物品種:昆明種類雌のマウス、体重は18〜22g。
腫瘍モデル:マウス肝臓癌のH22瘤株。
実験グループ:A.陰性対照グループ:生理食塩水(saline);B.陽性対照グループ:CTX(Cyclophosphamide,CTX)、臨床で普遍的に使われる抗癌剤;C.薬物のグループ:Gd@C82(OH)m,グループあたり5〜7匹。
薬の方式:腹腔内注射(intraperitoneal,i.p.)。
CTXとGd@C82(OH)m(m=22と26)溶液は0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
使用量:(1×10−6〜2×10−3mmol/kgマウス)
【0047】
本実験は使用量によって二つのグループ分けられる。
A.高用量のグループ:
CTX:30mg/kg(0.1mmol/kg),実験する7日前に注射する;
Gd@C82(OH)22,2×10−4mmolGd/kg;
Gd@C82(OH)26,2×10−3mmol/kg;
注射容積は全て0.2ml。
【0048】
低用量のグループ:
CTX:15mg/kg(0.05mmol/kg);
Gd@C82(OH)22,1×10−4mmol/kg;
Gd@C82(OH)26,1×10−6mmol/kg;
注射容積は全て0.2ml。
【0049】
実験方法:マウスの右側後足に肝臓癌のH22瘤株1×106癌細胞(100μl0.9%の生理食塩水に分散させる)を接種し、24時間後一匹あたり0.2mlの薬をやる。実験の間、24時間ごとに薬を1回やり、1日おきに腫瘍を接種した後足の直径を測量して、成長を記録し、マウスの反応を観察する。生理食塩水のグループの後足が20mmまで成長したら、実験を終らせる。(マウスの後足は普通6mmである。)
【0050】
実験終わり:眼球を取り出して採血する。109mmol/Lのクエン酸ナトリウム抗凝固剤で、血液と抗凝剤を1:9の比率で;腫瘍を取り出して、重さを計る。臓器/器官を取って重さと計り、臓器の掛け目を計算する。それから10%のホルマリンで臓器/器官を固める。
【0051】
実験結果:Gd@C82(OH)m組み合わせ物の抗肝臓癌活性は表1の通りである。Gd@C82OHmのナノ粒子を注射するのとCTXを注射するのは同じようで、マウスの腫瘍成長を抑制することができ、且つ、ナノ材料の腫瘍抑制特徴は、普通の腫瘍抑制の薬物CTXよりよいのである。
【0052】
高用量のグループGd@C82(OH)22が荷瘤マウスの血清ビリルビン、ALT、ASTとイノシンに対する影響は下記の表2通りである。肝臓細胞が損害する最も敏感な指標のALTとASTの活性から分析すると、Gd@C82OH22ナノ材料を注射すると、荷瘤マウスの2種類酵素の増加を抑制することができ、普通の水準に達している。しかし、CTXグループのALTは増加し、動物肝臓の損傷を増やすのである。
【0053】
公式V=4πr3/3によって腫瘍体積を計算し、腫瘍の抑制効率を取得する。低使用量のグループで、0.1μmol/kgのGd@C82(OH)22腫瘍成長の抑制率は32.9%で(図5と図6)、0.05mmol/kgのCTX抑制率52.0%に比べて低いが、その使用量はただCTXの1/500である。
【0054】
そして、抑制効率と使用量との関係を比較した。CTXの使用量を0.05mmol/kg増えたら、腫瘤抑制率は15%高まり、Gd@C82OH22ナノ材料の使用量を0.1μmol/kg増えたら、その抑制率は26%上昇した(図7および図8)。
【0055】
マウスの肝臓癌H22モデルグループの腫瘍組織病理切片の結果:
下記の図9を参照、Gd@C82(OH)22治療グループのマウスの腫瘍浸潤範囲はもっと小さく、瘍体は剥離しやすく、腫瘍の重さも明らかに軽くなる。HE染め切片で見られるように、腫瘍の回りには腫瘤包絡帯を形成(炎症細胞、ファイバーの雌細胞及び毛細血管)して、機体免疫機能を生かせることができる。
対照グループ:腫瘍細胞が骨格筋に浸潤している。
CTXグループ:腫瘍細胞が大量に壊れたが、腫瘤細胞が骨格筋に浸潤することを防止できない。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
(実施例7)
Gd@C82(OH)mの人間MCF−7乳癌、マウス乳癌のモデルに対する腫瘍抑制効果
実験方法:BALB/c雌のマウス(16.0±1.0g)の皮下にMCF−7の細胞液(1×107細胞)を接種して、20日を飼ってから、皮下にできた腫瘍を取り出して、3mm×3mm×3mmで切り、再びBALB/c雌のマウスに植えて予備用にする。
3日後薬をやり、それぞれGd@C82(OH)m(m=32又は12)、CTX、イチイアルコール、生理食塩水をやる。
【0059】
薬の方法:
Gd@C82(OH)32 2.5μmol/kg/日×13日(Gdの濃さで計算する);注射液の濃さは0.25μmol/mlである。
Gd@C82(OH)121.0μmol/kg /日×13日,Gdの濃さで計算する;注射液の濃さは0.1μmol/ml。
CTX 第一週71.6μmol/kg/日×7日間,第8−12日生理食塩水
イチイアルコール 第0、3、6、9、12日は15.2μmol/kg/日,薬をやらないで、生理食塩水を注射する。
生理食塩水 0.2ml q.d.×13
動物品種: BALB/c雌のマウス,
Gd@C82(OH)32グループ 10匹;
Gd@C82(OH)12グループ 10匹;
CTXグループ 10匹;
イチイアルコールグループ 9匹;
生理食塩水グループ 8匹
【0060】
腫瘍モデル:MCF−7の人間乳癌
薬の方式:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
CTXとGd@C82(OH)mの溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とし、イチイアルコールはビジネス用液体調合剤を使用する。
【0061】
腫瘍抑制の実験結果は図3の通りである。Gd@C82(OH)32グループは体重2.5μmol/kgの時、13日間薬をやったら、抑制率が47%に達し;これはCTXグループの体重71.6μmol/kgの時、7日間薬をやって取得した結果と同じである。Gd@C82(OH)12グループは体重1μmol/kgの時、13日間薬をやったら、抑制率が35.6%に達した。ただし、CTXグループのマウスは毒副作用が出現して、明らかに体重が軽減したり、痩せたり、元気なかったり等の状態を見られている。イチイアルコールは体重15.2μmol/kgの場合、2日おきに薬をやって、抑制率が82%に達したが、45%のマウスが死んでしまい、その毒性が酷い。それに対して、金属フレロールのグループは、実験が終わるまでマウスに明らかな毒性反応が現れなかった。
【0062】
この実験は目前臨床で普遍的に使用されているCTX、イチイアルコールに比べて、異なる水酸基の数を持っている金属フレロールGd@C82(OH)32とGd@C82(OH)は、使用量が少なく、毒性が低く、腫瘍の抑制率が高いなどの優勢があるのである。
【0063】
【表3】
【0064】
(実施例8)
マウスのルイス肺癌モデルに対するLa@C82(OH)18合わせ物の腫瘍抑制の効果
実験方法:C57雌のマウス(18.0±1.0g)の皮下にルイスの肺癌細胞液を接種して、翌日から薬をやり、それぞれLa@C82(OH)18、CTX、生理食塩水をやり,グループあたりマウス10匹。
【0065】
薬の処方:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
薬の方法:
La@C82(OH)18 1μmol/kg q.d.×14
CTX 第一週71.6 μmol/kg q.d.×7,第8−14日に生理食塩水をやる
生理食塩水 0.2mlq.d.×14
CTXとLa@C82(OH)18溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
【0066】
腫瘍抑制の実験結果は図10の通りである。La@C82(OH)18は体重1μmol/kgの時、14日間薬をやったら、腫瘍抑制率が明らかで、腫瘍の重さは余り重くなっていない。これはCTXグループの体重71.6μmol/kgの時、7日間薬をやって取得した結果と大体同じである。ただし、CTXグループのマウスは毒副作用が酷い。例えば、明らかに体重が軽減したり、痩せたり、元気ない等の状態を見られている。それに対して、金属フレロールのグループは、実験が終わるまでマウスに明らかな毒性反応が現れなかった。
【0067】
上記の実験で、目前臨床で普通に使用されているCTXに比べて、金属フレロールLa@C82(OH)18ナノ粒子は、使用量が少なく、毒性が低く、且つ腫瘍抑制率が高いなどの優勢があるのである。
【0068】
(実施例9)
マウスのルイス肺癌に対するGd@C60(OH)20の腫瘍抑制の効果
実験方法:C57雌のマウス(20.0±1.0g)の皮下にルイス肺癌細胞液(1×107細胞)を接種して、翌日から薬をやり、それぞれGd@C60(OH)20、生理食塩水をやる。グループあたりマウス10匹。Gd@C60(OH)20溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
【0069】
薬の処方:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
薬の方法:
Gd@C60(OH)20 0.5μmol/kg q.d.×18
生理食塩水 0.2mlq.d.×18
Gd@C60(OH)20は体重0.5μmol/kgの時、18日間薬をやったら、腫瘍抑制率が明らかで、生理食塩水グループと比べ、接種した腫瘍の体積が余り大きくならなく、抑制率が42%に達した。
【0070】
(実施例10)
細胞毒性の試験
実験方法:
(1)MTT法による金属フレロールが異なる種類の癌細胞の生存率に与える影響分析
MTT法:1H−テトラゾール類染料の1つとしてのMTTがセルに入ってから、SAD(琥珀酸脱水素酵素など)によって不溶性有色産物に還元される。光吸収の方法によって、有色産物の量を測定し、それによって間接的に細胞の活性が反映される。
対数成長期の細胞を単個細胞浮遊液に消化し、その濃度を2×104/mlに調合して、96穴のセル育成プレートに接種して、穴あたり100μl接種し、使用量によって6つのグループに分け、グループあたり8個の8繰り返された穴がある。24時間後、オリジナルの培地を無血清の培地に替える。1穴に100μlで、使用量グループの濃度によって、薬物を入れる。48時間引き続き培養して、上に浮かぶ部分を捨てて、各穴に100μl MTT緩衝液と10μl MTT溶液(5mg/ml)を入れ、3時間引き続き培養してから,上に浮かぶ部分を捨てて、1H−テトラゾール類染料の1つとしてのMTTがセルに入ってから、SAD(琥珀酸脱水素酵素など)によって不溶性有色産物に還元される。光吸収の方法によって、有色産物の量を測定し、それによって間接的に細胞の活性が反映されられる。各穴にDMSO150μlを入れ、揺るがして、自動酵素サインメーターによって、595nmでの各穴の吸収した値を測定する。
【0071】
(2)フローサイトメトリー(Flow cytometry)分析法:PI(propidium iodide)アポトーシスセル数染色測定
濃度105/mlのセルを5ml培養瓶に接種して、24時間後、5mlの無血清培地に替えて、それぞれ異なった濃度の金属フレロールを追加して、24時以降セルを取り入れる。培地の中の少量セルをも含める。取り入れておいたセルを生理食塩水溶液で二度洗って、4℃で70%のエタノールで固定させる。分析が行われる前、生理食塩水溶液で二度と洗って、最後に生理食塩水溶液でセルを浮遊させる。25ppmのRNaseAと50ppmのpresidiumヨウ化物(PI)を追加して、37℃の水溶液の中に30分間放置した後、ナイロンのガーゼで濾過してから機械測定をあげる。PIは完全な細胞膜に対する透過性がないが、アポトーシス中晩期の細胞核が赤色蛍光で染色させられる。DNAがPIと染色結合後、フローサイトメータ(FCM)器具で分析する。アポトーシスセルの量はG1ピークの横で現れるApピークによって測定される。
【0072】
実験の結果例:
[1]MTT法による金属フレロールが人の肝臓癌HepG2細胞の生存率に与える影響分析
Gd@C82(OH)22の最終濃度が10〜106nmol/L範囲内にあって、実験の結果が図11の示したようである。細胞の活性が薬物追加されない細胞よりある程度増加してきたが、薬物の各投与量組の間の差があまり大きくない。明らかな線形関係がもない。
【0073】
[2]フローサイトメトリー(Flow cytometry)による金属フレロールGd@C82(OH)22が人の肝臓癌HepG2細胞への毒性分析
結果が図12の示したように、細胞のアポトーシス比率は皆3.5%〜7%間にあって、Gd@C82(OH)22の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、細胞のアポトーシス比率が参照組と殆ど一致していて、薬物の各投与量組の間には著しい差がない。Gd@C82(OH)22はHepG2細胞がアポトーシスするように誘導せず、細胞の増殖と成長には影響与えられないと示している。
【0074】
[3]フローサイトメトリー(Flow cytometry)によるGd@C82(OH)26がネズミの肝臓癌Rh35細胞への毒性分析
結果は図13の示したように、Gd@C82(OH)26の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、誘導剤追加しない参照組と比べて、細胞アポトーシス比率が相当なレベルで、アポトーシス細胞の比率は皆2.0%〜3.5%の間で、Gd@C82(OH)26がネズミの肝臓癌Rh35細胞をアポトーシスするように誘導しないと示している。
【0075】
[4]フローサイトメトリー(Flow cytometry)によるGd@C82(OH)32が乳癌MCF−7細胞への毒性分析
結果は図14の示したように、Gd@C82(OH)32の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、参照組細胞のアポトーシス率と相当で、3.0%〜9%の間で、Gd@C82(OH)32が乳癌MCF−7細胞をアポトーシスするように誘導しないと示して、細胞への毒性が比較的小さい。
【0076】
[5]MTT法による金属フレロールが神経膠質のこぶ細胞の生存率への影響分析
La@C82(OH)20の最終濃度は100〜106nmol/L範囲内で、実験の結果の図15の示したように、細胞の生存率がと薬物追加しない参照組と殆ど一致していて、神経膠質のこぶ細胞の生長へ明らかな影響がない。
【0077】
上記の異なった濃度の金属フレロールが多様の腫瘍細胞に対する細胞毒性実験の結果から見ると、10−1000000nmol/mlの濃度範囲内、金属フレロールが異なったタイプの腫瘍細胞株の生長へ影響与えないもので、細胞がアポトーシスするように誘導しない。同時に細胞の生存率が薬物追加しない参照組と一致していて、金属フレロールが直接の細胞毒性がなく、直接に細胞を殺さないと示している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1はM@C2m(OH)xの分子構造図である。
【図2】図2はGd@C2mのHPLCの分離結果図である。(5PBB柱)。
【図3】図3はGd@C82(OH)22(a)とGd@C82(OH)12(b)のC1s電子XPSスペクトルである。
【図4】図4は生理食塩水溶液の中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の高分解能AFMの図である。
【図5】図5はGd@82(OH)22の低用量の組をマウスに注射後、マウスのH22肝臓癌の成長グラフである。
【図6】図6はGd@82(OH)22の高用量の組をマウスに注射後、マウスのH22肝臓癌の成長グラフである。
【図7】図7はCTX組の腫瘤抑制率と用量関係グラフである。
【図8】図8はGd@C82OxHy組の腫瘤抑制率と用量関係グラフである。
【図9】図9はマウスの肝臓癌H22のモデル、異なる治療組の腫瘤病組織の病理切片写真である。その中で、A、Bは対比組であり;C、DはGd@C82(OH)22治療組であり;E、Fはシクロホスファミド治療組である。
【図10】図10はLa@C82(OH)18の注射後、マウスのLewis肺癌の成長グラフである。
【図11】図11は金属フレロールのGd@C82(OH)22の人の肝臓癌HepG2に対する細胞生存率の影響である。
【図12】図12は金属フレロールのGd@C82(OH)22が人の肝臓癌HepG2細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図13】図13は金属フレロールのGd@C82(OH)26がマウスの肝臓癌Rh35細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図14】図14は金属フレロールGd@C82(OH)32が乳腺癌MCF−7細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図15】図15は金属フレロールのLa@C82(OH)20神経ゴム腫瘤細胞生存率に対する影響である。
【符号の説明】
【0079】
図11、12、13と14で、横座標の数値はM@C82(OH)xモル濃度の累乗。
【技術分野】
【0001】
本発明は新型ナノメートル材料及びその生物医学でのアプリケーションに及んでいる。具体的に言うと、一般式M@C2m(OH)xの金属フレロールの及びその腫瘍成長抑制薬物の調製でのアプリケーションである。その中で、MはGd,Laなどの希土類元素金属から選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍は人類健康を威す重要な病気であり、目前、人類死亡の要因になっている。中国や日本でも、肝臓癌、肺癌、胃癌と乳腺癌は最高の発病率の腫瘍である。目前、世界で毎年、700万人が癌で死に、その中で中国では130万人を占めている。癌は人を殺すばかりでなく、家族と社会の巨大な経済負担になっている。抗腫瘍薬物の発見とその研究で、腫瘍化学の治療が一つの学科になり、腫瘍内科学も誕生した。ただし、抗腫瘍薬の研究は厳しい問題に臨んでいる。それは、通常に見られる実体腫れ物例えば、肺癌、肝臓癌、大腸癌と膵臓癌に有効的な薬物が缺乏し、抗腫瘍薬は臨床のアプリケーションの中で副作用が大きいということである。CTX、エピルビシン、シスプラチン、イチイアルコール等は治療すると同時に、骨髄の抑制、腎毒性消化器管との痛烈な反応、腎毒性などの毒副作用が発生され、そのため、臨床治療で抗腫瘍薬の使用量が制限されている。人類が悪性腫瘍を抑える為に、必ず新型抗腫瘍薬物を開発すべきである。
【0003】
生命科学の研究で、ナノ粒子はすでにその独特な優勢とアプリケーションを表している。例えば、ナノ薬物のキャリア、効率的に病気を検定できる量子点、効率的な医学画像及び腫瘍治療技術関連のナノ材料等は、すでに国際で先端的な科学問題になっている。
【0004】
フラーレン(例えばC60)は炭原子で構成され、ナノ尺度の球体分子であり、独特な物理性と化学性を持ち、生物医学、材料科学などの分野にて重要なアプリケーションを持っている。Friedman等(非特許文献1参照)は、フラーレンC60の誘導体がHIV病毒の活性を抑制できることを、理論的に模擬計算をした。C60は水に溶解されない球体分子として、直径が0.71nmである。HIVは末端が開いている圓柱模様の分子として、サイズはC60の直径と大体同じである。その活性表面も水に溶解されなく、この両者は共係合の結合で、HIV病毒の成長を阻止することができる。14ヌクレオシダーゼフラーレンの誘導体とDNAの結合物は、より安定した3螺旋構造を形成し、光の触媒作用で、DNAに対して選択的な位置切断をする。
【0005】
フラーレンとその多くの誘導体は水に溶解されないので、人体の「標的分子」と作用できなく、生物化学領域においての研究とアプリケーションが制限されている。近年来、合成水溶性フラーレン誘導体研究に成功して、C60誘導体の生物でのアプリケーションを加速し、広くした。水の中で、水酸基が誘導されたフラーレンは独立の分子で存在するのではなく、大分子と相互作用して、ナノ粒子の形式で存在し、こうした粒子はとても良い生物親和性を持っている(非特許文献2〜5参照)。2004年10月に発表したNano Lettの論文の中で(非特許文献6参照)、Rice大学のColvinは、フラーレンの細胞毒性はそのバッキーボールの表面の修飾可否と修飾した基団に依頼していると指摘した。二種類の細胞の系列で、構造によってその毒性は7つのレベルの違いがある。フラーレンの毒性が最大で、フレロール(C60(OH)24)は最小です。細胞毒性を調べると、フレロール(C60(OH)24)のLD50>5,000ppmで、フラーレンのLD50は20ppbである。人々はフラーレンとその誘導体に対して、実験される動物の体の中での分部について初歩の研究をした。Nakamura等は1994年、初めて14Cと言う表記のフラーレン誘導体を合成し、ラットの中での生物分布と薬物の代謝を研究した。SDラットの尾静脈を注射したら、化合物はラットの各器官に分布され、90〜95%が肝臓に集まった。それに対して166Ho@C82(OH)xはより生物分布が広く、肝臓、骨格、脾臓、腎臓、肺の含有量は順に減少し、他の器官には余り分布されていなかった(非特許文献7参照)。
【0006】
数年来、バッキーボール金属フラーレンの研究はすでに大きく進展し、今まで、三価染色体金属原子(Sc,Y)、アルカリ土類金属原子(Ca,Sr,Ba)、アルカリ金属原子(Li,Na,K,Cs)と四価染色体金属原子(Zr,Hf)等はすでにフラーレンの中に属され、単一原子、二原子、三原子と言う金属バッキーボールを形成した。バッキーボール金属フラーレンの素晴らしい物理的性質と化学的性質によって、有機鉄磁体、非線形光学材料、機能的な分子スイッチ、核の磁造影剤、生物追跡剤などの新型材料へ発展する可能性がある。(非特許文献8参照)。
【0007】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.,1993年,115:6506−6509
【非特許文献2】Sayes C M et al,Nano Lett,2004,4(10):1881−1887
【非特許文献3】Dugan L L et al,Proc Natl Acad Sci USA,1997;94:9434−9439
【非特許文献4】Mirkova S M et al,Nitric Oxide,2004;11:201−207
【非特許文献5】Chiang L Y et al,J Org Chem,1994,59;3960−3968)
【非特許文献6】Sayes C M et al,Nano Lett,2004,4(10):1881−1887
【非特許文献7】Cagle D W et al.,Proc Natl Acad Sci,1999;96:5182−5187
【非特許文献8】Bolskar R D et al.,J Am Chem Soc,2003;125:5471−5478
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
腫瘍組織は普通の組織より血管が多く、そして、腫瘍組織の毛細血管の壁には多くのナノサイズの穴があって、栄養物質はこれらの穴を通じて腫瘍組織の中にしみ込むことができる。もし、これらの血液の道がちょうど同じサイズのナノ粒子によって詰まったら、血液の流通を抑制して、腫瘍は十分な栄養物質を獲得することができなく、そして腫瘤組織の成長を中断することになる。このことを証明するために、発明者は金属フレロールの化合物を設計し、調製した。その分子の直径は1nmである。金属フラーアルコールナノ粒子は強い腫瘍抑制の作用があり、溶液の中で直径が1−200nmの粒子を形成する時、腫瘍抑制の作用はもっと大きくなる。ただし、腫瘍細胞を直接に殺すことではない。
【0009】
本発明の目的は、1種類の金属フレロールを提供することである。
もう一つの目的は、1種類の腫瘤抑制の組合せ物を提供することである。中には、治療に有効な金属フレロール顆粒と薬学で受け取られるキャリヤーが含まれる。
最後の目的は、金属フレロールの腫瘤成長抑制薬物の調製におけるアプリケーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を実現するために、下記の方案を提出した。
一つの金属フレロールは一般式で表示され、一般式の中で、MはLa,Gdなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30;10≦X<50である。
【0011】
上記の化合物は一つの磁性中心の金属イオンMと一つのC原子で構成されたナノバッキーボールからなる。その表面には多くの水酸基の基団があり、そのゆえM@C2m(OH)xは生物体の中で良い生物親和性を持っている(図1参照)。同時に、水酸基の基団によって、金属フラーレンと比べて毒性が大いに下がる。
【0012】
隣の水酸基の再配置によって、実際にバッキーボールのOとHの数は異なり、上記の一般式をM@C2mOxHyの式と書いてもよい。
【0013】
本発明の一般式はM@C2m(OH)x(m=41又は30;10≦X<50)の金属フレロールであり、そのうちMはLaである。
【0014】
本発明の一般式はM@C2m(OH)x(m=41又は30;10≦X<50)の金属フレロールであり、そのうちMはGdである。
【0015】
1種類の腫瘍抑制の組合せ物の中には、一般式M@C2m(OH)xで表す金属フレロールを含み、その中で、MはGd、Laなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30、 10≦X<50である。
【0016】
1種の腫瘍抑制の組合せ物の中には、一般式[M@C2m(OH)x]nで表す金属フレロールナノ顆粒を含み、その中でMはGd又は、Laから選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。nはこの金属フレロールナノ顆粒を構成する金属フレロール分子の数を示し、1≦n<200である。
【0017】
一般式M@C2m(OH)xの金属フレロールは分子間の相互作用によって、ナノ顆粒物になり、溶剤のある環境で、溶剤の選択、濃さの制御、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、サイズが1−200nmの顆粒を構成することができる。
【0018】
上記の組合せ物には、溶剤と薬学で受け取られるキャリヤーを含んでいる。上記の溶剤で水、生理食塩水、Tris−HCl溶液、燐酸塩緩衝液が優先される。上記の薬学上で受け取られるキャリヤーは、薬学領域で通常の薬物キャリヤーで、例えば:希釈剤、賦形剤、フィリング剤、吸収促進剤等が取上げられる。
【0019】
本発明の腫瘤抑制組合せ物の中で、金属フレロール溶剤の濃度は1×10−5〜1mmol/Lが最適である。濃度が1×10−5〜1mmol/Lを超える場合、金属フレロールの溶解能力が低くなり、大きい顆粒に固まりやすくなる。金属フレロールの濃度が1×10−5〜1mmol/Lの場合、細胞に対する毒性は非常に少ない。
【0020】
上記の腫瘤への応用には下記の病気を含んでいるが、それだけには限らない。肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸大腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨肉腫、血管肉腫、リンパ腫、白血病、悪性黒色腫又は皮膚癌。
【0021】
1種類の金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調製における応用。
この金属フレロールは一般式M@C2m(OH)xで表示し、一般式の中でMはGd、Laなどの希土類金属から選ばれ、m=41又は30、10≦X<50である。上記の腫瘍には下記の病気を含んでいるが、それだけには限らない。肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸大腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌、骨肉腫、血管肉腫、リンパ腫、白血病、悪性黒色腫又は皮膚癌。
【0022】
金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調整における応用。この薬物は各種の溶剤に調製され、こうした溶剤の使用量は、金属フレロールで表すと、一日あたり5×10−8〜1×10−2mmol/kgになる。病人に対する使用量を、マウス実験で得られた使用量(1×10−6〜2×10−1mmol/kg/日)から人に換算して得る。
【0023】
金属フレロールの腫瘍成長抑制薬物の調整における応用。この薬物は各種の溶剤に調製され、こうした溶剤の使用量は、一日あたり金属フレロール5×10−6〜1.25×10−4mmol/kgで表す。病人に対する使用量を、マウス実験で得られた使用量(1×10−4〜2.5×10−3mmol/kg/日)から人に換算して得る。
【0024】
上記の腫瘍抑制の組合せ物は、静脈注射、腹腔内注射、口服用又は局部に塗布するなどの方法で治療に使用される。本発明の実施法案の中で、腫瘤抑制組合せ物を注射用溶液に作成することがベストである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は:現在、臨床でよく使用されているシクロホスファミド、シスプラチン、イチイアルコールなどと比べて、金属フレロールのM@C2m(OH)xは使用量が少なく、毒性が低く、そのうえ腫瘤抑制の比率も高い、という長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
発明者は化学的な合成方法で金属フレロールGd@C82(OH)x,Gd@C60(OH)x,La@C82(OH)x,La@C60(OH)xを調製し、その調製方法は、Robert D. Bolskarら,J. AM. CHEM. SOC. 2003,125,5471−5478の文献を参考する。
【0027】
本発明の方法で調製された金属フレロールM@C2m(OH)xは、その水酸基の数は10〜50の範囲で、本文で水酸基の数を具体的に表示する場合、水酸基の数の平均値を指している。この数は合成金属フレロール反応中のNaOH溶液の濃さによって決められ、需要によってNaOH溶液の濃さを調節することができ、水酸基の数が定められる金属フラーアルコールを獲得する。水酸基の数が10より小さい場合、金属フレロールの生物相容性良くない;水酸基の数が50より多かったら、バッキーボールの構造は安定できなくなる。
【0028】
精確にフレロールの水酸基の数を測定するのは極めて重要であり、本発明の中では、北京放射光施設X線光電子分光装置(XPS)を利用して、元素分析法と合わせて、金属フラーレンの表面修飾後の水酸基の数を確定する。
【0029】
XPS実験は中国科学院北京放射光施設で行われている。マグネトロンスパッタリングによって、高純度PtがめっきされたシリコンウェーハでXPSサンプルテストを行う。M@C82とM@C82(OH)xを上記のシリコンウェーハにたらし、薄膜を獲得する。そして、サンプルに付いた空気の不純物を取り除くように、薄膜を超真空システムである8×10−10TorrのXPSサンプル調整室に長く置いとく。金属フレロールのC1s光電子分光スペクトルはサンプルに含まれる水酸基の数を測定するのに使用する。入射光子のエネルギーを変えて、価電子帯光電子スペクトルを収集する。サンプルの一部の全電子収量スペクトルの測定によって吸収スペクトルを収集する。装置のエネルギー分解能は約〜0.5eVである。サンプル表面の清潔さと器械の良好な稼動状態を確保するために、データ収集をする前に、サンプルはXPSでスキャニングされなければならない。
【0030】
金属フレロールのM@C2m(OH)xの分子の顆粒の直径は約1nmである。金属フレロール分子は巨大分子間の相互作用によってナノ顆粒物になる。溶剤のある環境で、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、直径が1−200nmの顆粒を構成する。本文の下記の実例に言及される金属フレロール溶液の顆粒の直径は1−200nmである。
【実施例】
【0031】
下記では、実例と対比例で本発明をもっと深く説明する。ただし、本発明を単にこうした実例に制限するものではない。
【0032】
(実施例1)
Gd@C2m(OH)xの調製
第1工程 Gd@C2mの合成
高純度(99.999%)のGd2O3と高純度の石墨の粉(99.999%)を原子比率Gd:C=0.5〜3:100で混合して、圧入して模型を作り、石墨−金属の混合電極を作成する。又は、直径が6〜20mmの石墨の棒に穴を開け、酸化Gdを詰め込んで石墨−金属混合電極を作成する。1000〜2000℃の高温で焼き、不活性気体弧状放電の方法で、金属フラーレンのGd@C2mを合成する。不活性気体はHe又はAr、圧力は50〜600Torr、電流は80〜500Aである。
【0033】
第2工程 Gd@C82とGd@C60分離純化
a.高温回流と高温高圧で高効率的に炭ナノ類物質を抽出する。まず、弧状の放電した煙すすを100〜200℃でトルエンに12〜24時間流し、それからDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)に100〜200℃で高温高圧(50〜100MPa)で12〜24時間抽出し、炭ナノ類物質を抽出する。
【0034】
b.よく使用されている循環式のHPLC(高効率の液体のクロマトグラフィ)両歩法、又は抽出法で需要の金属フラーレンのGd@C82とGd@C60を純化して、純度が99.99%以上の目標産物Gd@C82とGd@C60を獲得する。Gd@C82の産出率は炭棒の10%であり;Gd@C60の産出率は炭棒の35%である。HPLC分離結果のグラフは図2を参考する(5PBBの柱)。
【0035】
第3工程 金属フレロールGd@C82(OH)22の合成
NaOH法で、トルエン溶液の中でGd@C82と濃度が35%のNaOH溶液を反応し、それから濾過、イオン交換層析などの分離、純化でNaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物Gd@C82(OH)22を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0036】
金属フレロールのGd@C82(OH)12の合成
トルエン溶液の中に、Gd@C82と濃度が30%のNaOH溶液を反応し、それから濾過、イオン交換層析などの分離、純化でNaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物Gd@C82(OH)12を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0037】
Gd@C60(OH)x的合成:
20mLのTHFの中に、300mgのGd@C60の懸濁コロイドと210mgのKHを混合して、15分間連続にかき混ぜ、1.255gのブロモマロン酸ジエチルを一粒、一粒加える。40分間分かき混ぜたら、コーヒー色の溶液が生成される。それから濾過して反応のないKHを取り去る。粗い産物をテトラヒドロフラン(THF)で分離させ、それから水素化ヘキシルで濯ぎ、低圧で乾いて、トルエンとNaHを一緒に回流させ、メタノールで反応を終らせる。酸性イオン交換柱で分離、純化し、NaOHで溶液のpHを7.0に調整し、乾いて蒸してGd@C60(OH)xを獲得する。
【0038】
第4工程 金属フレロール顆粒[Gd@C82(OH)22]n(1≦n<200)の合成
金属フレロールGd@C82(OH)22を生理食塩水に溶かして、超音を1分間したら、直径が1−200nmの粒子[Gd@C82(OH)22]n,1<n<200ができる。
【0039】
(実施例2)
Gd@C82(OH)22とGd@C82(OH)12水酸基の数の測定
Gd@C82(OH)22(a)とGd@C82(OH)12(b)のC1sのエレクトロニックXPSグラフは、図3の通りである。C−CとC−Oキー間の相対的強さはGd@C82(OH)xの水酸基の数を分析するのに使う。図2の実線のHPLC分析は、分子の中に2種類の炭原子が存在することを表している。ピーク284.4 eVのものは、他の基団と連接していないsp2雑化した炭原子(C−C)のエネルギー結合であり;ピーク285.3eVのものは水酸基化の炭原子(C−OH)である。
【0040】
(実施例3)
La@C2m(OH)xの調製
上記のGd@C82の調製方法に似ている方法でLa@C82およびLa@C60を調製する。
(1)金属フレロールLa@C82(OH)18の合成
NaOH法で、トルエン溶液媒質の中にLa@C82と濃さ35%のNaOH溶液を反応し、一連の分離、純化の後、NaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物La@C82(OH)18を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0041】
(2)金属フレロールLa@C60(OH)22の合成
NaOH法で、トルエン溶液媒質の中にLa@C82と濃さ35%のNaOH溶液を反応し、一連の分離、純化の後、NaOHを取り去ってから、純度が99.99%以上の産物La@C60(OH)22を獲得し、冷凍乾燥して保存する。
【0042】
(実施例4)
ナノ顆粒の測定
金属フレロール分子M@C2m(OH)xの粒の直径は1nmである。溶剤の環境で、金属フレロールは巨大分子の相互作用によって、ナノ顆粒物になり、超音波などの方法で顆粒のサイズをコントロールし、サイズが1−200nmの顆粒を構成する。
【0043】
シンクロトロン放射小角X線散乱(SR−SAXS)で、生理食塩水溶液中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の直径範囲は1−200nmとなり、平均サイズは22nmであることを測定する。
【0044】
高分解能原子力顕微鏡で(AFM,Nano IIIa SPM,Digital Instruments Inc,3A)生理食塩水溶液中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の直径範囲は1−200nmであり、平均の直径22.4nmは存在していることを実証している。図4参照。二つの独立した方法で取得した結果は同じである。
【0045】
(実施例5)
[Gd@C82OH22]n(1≦n<200)を含んでいる注射用溶液
500mgのGd@C82OH22を400mlの生理食塩水中に溶け、室温で超音を1分間し、100個のガラス管に外装して、注射用溶液を作成する。
【0046】
(実施例6)
マウスの肝臓癌腫瘍に対するGd@C82(OH)m組み合わせ物の抑制作用
動物品種:昆明種類雌のマウス、体重は18〜22g。
腫瘍モデル:マウス肝臓癌のH22瘤株。
実験グループ:A.陰性対照グループ:生理食塩水(saline);B.陽性対照グループ:CTX(Cyclophosphamide,CTX)、臨床で普遍的に使われる抗癌剤;C.薬物のグループ:Gd@C82(OH)m,グループあたり5〜7匹。
薬の方式:腹腔内注射(intraperitoneal,i.p.)。
CTXとGd@C82(OH)m(m=22と26)溶液は0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
使用量:(1×10−6〜2×10−3mmol/kgマウス)
【0047】
本実験は使用量によって二つのグループ分けられる。
A.高用量のグループ:
CTX:30mg/kg(0.1mmol/kg),実験する7日前に注射する;
Gd@C82(OH)22,2×10−4mmolGd/kg;
Gd@C82(OH)26,2×10−3mmol/kg;
注射容積は全て0.2ml。
【0048】
低用量のグループ:
CTX:15mg/kg(0.05mmol/kg);
Gd@C82(OH)22,1×10−4mmol/kg;
Gd@C82(OH)26,1×10−6mmol/kg;
注射容積は全て0.2ml。
【0049】
実験方法:マウスの右側後足に肝臓癌のH22瘤株1×106癌細胞(100μl0.9%の生理食塩水に分散させる)を接種し、24時間後一匹あたり0.2mlの薬をやる。実験の間、24時間ごとに薬を1回やり、1日おきに腫瘍を接種した後足の直径を測量して、成長を記録し、マウスの反応を観察する。生理食塩水のグループの後足が20mmまで成長したら、実験を終らせる。(マウスの後足は普通6mmである。)
【0050】
実験終わり:眼球を取り出して採血する。109mmol/Lのクエン酸ナトリウム抗凝固剤で、血液と抗凝剤を1:9の比率で;腫瘍を取り出して、重さを計る。臓器/器官を取って重さと計り、臓器の掛け目を計算する。それから10%のホルマリンで臓器/器官を固める。
【0051】
実験結果:Gd@C82(OH)m組み合わせ物の抗肝臓癌活性は表1の通りである。Gd@C82OHmのナノ粒子を注射するのとCTXを注射するのは同じようで、マウスの腫瘍成長を抑制することができ、且つ、ナノ材料の腫瘍抑制特徴は、普通の腫瘍抑制の薬物CTXよりよいのである。
【0052】
高用量のグループGd@C82(OH)22が荷瘤マウスの血清ビリルビン、ALT、ASTとイノシンに対する影響は下記の表2通りである。肝臓細胞が損害する最も敏感な指標のALTとASTの活性から分析すると、Gd@C82OH22ナノ材料を注射すると、荷瘤マウスの2種類酵素の増加を抑制することができ、普通の水準に達している。しかし、CTXグループのALTは増加し、動物肝臓の損傷を増やすのである。
【0053】
公式V=4πr3/3によって腫瘍体積を計算し、腫瘍の抑制効率を取得する。低使用量のグループで、0.1μmol/kgのGd@C82(OH)22腫瘍成長の抑制率は32.9%で(図5と図6)、0.05mmol/kgのCTX抑制率52.0%に比べて低いが、その使用量はただCTXの1/500である。
【0054】
そして、抑制効率と使用量との関係を比較した。CTXの使用量を0.05mmol/kg増えたら、腫瘤抑制率は15%高まり、Gd@C82OH22ナノ材料の使用量を0.1μmol/kg増えたら、その抑制率は26%上昇した(図7および図8)。
【0055】
マウスの肝臓癌H22モデルグループの腫瘍組織病理切片の結果:
下記の図9を参照、Gd@C82(OH)22治療グループのマウスの腫瘍浸潤範囲はもっと小さく、瘍体は剥離しやすく、腫瘍の重さも明らかに軽くなる。HE染め切片で見られるように、腫瘍の回りには腫瘤包絡帯を形成(炎症細胞、ファイバーの雌細胞及び毛細血管)して、機体免疫機能を生かせることができる。
対照グループ:腫瘍細胞が骨格筋に浸潤している。
CTXグループ:腫瘍細胞が大量に壊れたが、腫瘤細胞が骨格筋に浸潤することを防止できない。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
(実施例7)
Gd@C82(OH)mの人間MCF−7乳癌、マウス乳癌のモデルに対する腫瘍抑制効果
実験方法:BALB/c雌のマウス(16.0±1.0g)の皮下にMCF−7の細胞液(1×107細胞)を接種して、20日を飼ってから、皮下にできた腫瘍を取り出して、3mm×3mm×3mmで切り、再びBALB/c雌のマウスに植えて予備用にする。
3日後薬をやり、それぞれGd@C82(OH)m(m=32又は12)、CTX、イチイアルコール、生理食塩水をやる。
【0059】
薬の方法:
Gd@C82(OH)32 2.5μmol/kg/日×13日(Gdの濃さで計算する);注射液の濃さは0.25μmol/mlである。
Gd@C82(OH)121.0μmol/kg /日×13日,Gdの濃さで計算する;注射液の濃さは0.1μmol/ml。
CTX 第一週71.6μmol/kg/日×7日間,第8−12日生理食塩水
イチイアルコール 第0、3、6、9、12日は15.2μmol/kg/日,薬をやらないで、生理食塩水を注射する。
生理食塩水 0.2ml q.d.×13
動物品種: BALB/c雌のマウス,
Gd@C82(OH)32グループ 10匹;
Gd@C82(OH)12グループ 10匹;
CTXグループ 10匹;
イチイアルコールグループ 9匹;
生理食塩水グループ 8匹
【0060】
腫瘍モデル:MCF−7の人間乳癌
薬の方式:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
CTXとGd@C82(OH)mの溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とし、イチイアルコールはビジネス用液体調合剤を使用する。
【0061】
腫瘍抑制の実験結果は図3の通りである。Gd@C82(OH)32グループは体重2.5μmol/kgの時、13日間薬をやったら、抑制率が47%に達し;これはCTXグループの体重71.6μmol/kgの時、7日間薬をやって取得した結果と同じである。Gd@C82(OH)12グループは体重1μmol/kgの時、13日間薬をやったら、抑制率が35.6%に達した。ただし、CTXグループのマウスは毒副作用が出現して、明らかに体重が軽減したり、痩せたり、元気なかったり等の状態を見られている。イチイアルコールは体重15.2μmol/kgの場合、2日おきに薬をやって、抑制率が82%に達したが、45%のマウスが死んでしまい、その毒性が酷い。それに対して、金属フレロールのグループは、実験が終わるまでマウスに明らかな毒性反応が現れなかった。
【0062】
この実験は目前臨床で普遍的に使用されているCTX、イチイアルコールに比べて、異なる水酸基の数を持っている金属フレロールGd@C82(OH)32とGd@C82(OH)は、使用量が少なく、毒性が低く、腫瘍の抑制率が高いなどの優勢があるのである。
【0063】
【表3】
【0064】
(実施例8)
マウスのルイス肺癌モデルに対するLa@C82(OH)18合わせ物の腫瘍抑制の効果
実験方法:C57雌のマウス(18.0±1.0g)の皮下にルイスの肺癌細胞液を接種して、翌日から薬をやり、それぞれLa@C82(OH)18、CTX、生理食塩水をやり,グループあたりマウス10匹。
【0065】
薬の処方:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
薬の方法:
La@C82(OH)18 1μmol/kg q.d.×14
CTX 第一週71.6 μmol/kg q.d.×7,第8−14日に生理食塩水をやる
生理食塩水 0.2mlq.d.×14
CTXとLa@C82(OH)18溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
【0066】
腫瘍抑制の実験結果は図10の通りである。La@C82(OH)18は体重1μmol/kgの時、14日間薬をやったら、腫瘍抑制率が明らかで、腫瘍の重さは余り重くなっていない。これはCTXグループの体重71.6μmol/kgの時、7日間薬をやって取得した結果と大体同じである。ただし、CTXグループのマウスは毒副作用が酷い。例えば、明らかに体重が軽減したり、痩せたり、元気ない等の状態を見られている。それに対して、金属フレロールのグループは、実験が終わるまでマウスに明らかな毒性反応が現れなかった。
【0067】
上記の実験で、目前臨床で普通に使用されているCTXに比べて、金属フレロールLa@C82(OH)18ナノ粒子は、使用量が少なく、毒性が低く、且つ腫瘍抑制率が高いなどの優勢があるのである。
【0068】
(実施例9)
マウスのルイス肺癌に対するGd@C60(OH)20の腫瘍抑制の効果
実験方法:C57雌のマウス(20.0±1.0g)の皮下にルイス肺癌細胞液(1×107細胞)を接種して、翌日から薬をやり、それぞれGd@C60(OH)20、生理食塩水をやる。グループあたりマウス10匹。Gd@C60(OH)20溶液は、0.9%の生理食塩水を溶剤とする。
【0069】
薬の処方:腹腔内注射(intraperitoneal injection,i.p.)。
薬の方法:
Gd@C60(OH)20 0.5μmol/kg q.d.×18
生理食塩水 0.2mlq.d.×18
Gd@C60(OH)20は体重0.5μmol/kgの時、18日間薬をやったら、腫瘍抑制率が明らかで、生理食塩水グループと比べ、接種した腫瘍の体積が余り大きくならなく、抑制率が42%に達した。
【0070】
(実施例10)
細胞毒性の試験
実験方法:
(1)MTT法による金属フレロールが異なる種類の癌細胞の生存率に与える影響分析
MTT法:1H−テトラゾール類染料の1つとしてのMTTがセルに入ってから、SAD(琥珀酸脱水素酵素など)によって不溶性有色産物に還元される。光吸収の方法によって、有色産物の量を測定し、それによって間接的に細胞の活性が反映される。
対数成長期の細胞を単個細胞浮遊液に消化し、その濃度を2×104/mlに調合して、96穴のセル育成プレートに接種して、穴あたり100μl接種し、使用量によって6つのグループに分け、グループあたり8個の8繰り返された穴がある。24時間後、オリジナルの培地を無血清の培地に替える。1穴に100μlで、使用量グループの濃度によって、薬物を入れる。48時間引き続き培養して、上に浮かぶ部分を捨てて、各穴に100μl MTT緩衝液と10μl MTT溶液(5mg/ml)を入れ、3時間引き続き培養してから,上に浮かぶ部分を捨てて、1H−テトラゾール類染料の1つとしてのMTTがセルに入ってから、SAD(琥珀酸脱水素酵素など)によって不溶性有色産物に還元される。光吸収の方法によって、有色産物の量を測定し、それによって間接的に細胞の活性が反映されられる。各穴にDMSO150μlを入れ、揺るがして、自動酵素サインメーターによって、595nmでの各穴の吸収した値を測定する。
【0071】
(2)フローサイトメトリー(Flow cytometry)分析法:PI(propidium iodide)アポトーシスセル数染色測定
濃度105/mlのセルを5ml培養瓶に接種して、24時間後、5mlの無血清培地に替えて、それぞれ異なった濃度の金属フレロールを追加して、24時以降セルを取り入れる。培地の中の少量セルをも含める。取り入れておいたセルを生理食塩水溶液で二度洗って、4℃で70%のエタノールで固定させる。分析が行われる前、生理食塩水溶液で二度と洗って、最後に生理食塩水溶液でセルを浮遊させる。25ppmのRNaseAと50ppmのpresidiumヨウ化物(PI)を追加して、37℃の水溶液の中に30分間放置した後、ナイロンのガーゼで濾過してから機械測定をあげる。PIは完全な細胞膜に対する透過性がないが、アポトーシス中晩期の細胞核が赤色蛍光で染色させられる。DNAがPIと染色結合後、フローサイトメータ(FCM)器具で分析する。アポトーシスセルの量はG1ピークの横で現れるApピークによって測定される。
【0072】
実験の結果例:
[1]MTT法による金属フレロールが人の肝臓癌HepG2細胞の生存率に与える影響分析
Gd@C82(OH)22の最終濃度が10〜106nmol/L範囲内にあって、実験の結果が図11の示したようである。細胞の活性が薬物追加されない細胞よりある程度増加してきたが、薬物の各投与量組の間の差があまり大きくない。明らかな線形関係がもない。
【0073】
[2]フローサイトメトリー(Flow cytometry)による金属フレロールGd@C82(OH)22が人の肝臓癌HepG2細胞への毒性分析
結果が図12の示したように、細胞のアポトーシス比率は皆3.5%〜7%間にあって、Gd@C82(OH)22の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、細胞のアポトーシス比率が参照組と殆ど一致していて、薬物の各投与量組の間には著しい差がない。Gd@C82(OH)22はHepG2細胞がアポトーシスするように誘導せず、細胞の増殖と成長には影響与えられないと示している。
【0074】
[3]フローサイトメトリー(Flow cytometry)によるGd@C82(OH)26がネズミの肝臓癌Rh35細胞への毒性分析
結果は図13の示したように、Gd@C82(OH)26の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、誘導剤追加しない参照組と比べて、細胞アポトーシス比率が相当なレベルで、アポトーシス細胞の比率は皆2.0%〜3.5%の間で、Gd@C82(OH)26がネズミの肝臓癌Rh35細胞をアポトーシスするように誘導しないと示している。
【0075】
[4]フローサイトメトリー(Flow cytometry)によるGd@C82(OH)32が乳癌MCF−7細胞への毒性分析
結果は図14の示したように、Gd@C82(OH)32の最終濃度は10〜106nmol/L範囲内で、参照組細胞のアポトーシス率と相当で、3.0%〜9%の間で、Gd@C82(OH)32が乳癌MCF−7細胞をアポトーシスするように誘導しないと示して、細胞への毒性が比較的小さい。
【0076】
[5]MTT法による金属フレロールが神経膠質のこぶ細胞の生存率への影響分析
La@C82(OH)20の最終濃度は100〜106nmol/L範囲内で、実験の結果の図15の示したように、細胞の生存率がと薬物追加しない参照組と殆ど一致していて、神経膠質のこぶ細胞の生長へ明らかな影響がない。
【0077】
上記の異なった濃度の金属フレロールが多様の腫瘍細胞に対する細胞毒性実験の結果から見ると、10−1000000nmol/mlの濃度範囲内、金属フレロールが異なったタイプの腫瘍細胞株の生長へ影響与えないもので、細胞がアポトーシスするように誘導しない。同時に細胞の生存率が薬物追加しない参照組と一致していて、金属フレロールが直接の細胞毒性がなく、直接に細胞を殺さないと示している。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1はM@C2m(OH)xの分子構造図である。
【図2】図2はGd@C2mのHPLCの分離結果図である。(5PBB柱)。
【図3】図3はGd@C82(OH)22(a)とGd@C82(OH)12(b)のC1s電子XPSスペクトルである。
【図4】図4は生理食塩水溶液の中の[Gd@C82(OH)22]nのナノ顆粒の高分解能AFMの図である。
【図5】図5はGd@82(OH)22の低用量の組をマウスに注射後、マウスのH22肝臓癌の成長グラフである。
【図6】図6はGd@82(OH)22の高用量の組をマウスに注射後、マウスのH22肝臓癌の成長グラフである。
【図7】図7はCTX組の腫瘤抑制率と用量関係グラフである。
【図8】図8はGd@C82OxHy組の腫瘤抑制率と用量関係グラフである。
【図9】図9はマウスの肝臓癌H22のモデル、異なる治療組の腫瘤病組織の病理切片写真である。その中で、A、Bは対比組であり;C、DはGd@C82(OH)22治療組であり;E、Fはシクロホスファミド治療組である。
【図10】図10はLa@C82(OH)18の注射後、マウスのLewis肺癌の成長グラフである。
【図11】図11は金属フレロールのGd@C82(OH)22の人の肝臓癌HepG2に対する細胞生存率の影響である。
【図12】図12は金属フレロールのGd@C82(OH)22が人の肝臓癌HepG2細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図13】図13は金属フレロールのGd@C82(OH)26がマウスの肝臓癌Rh35細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図14】図14は金属フレロールGd@C82(OH)32が乳腺癌MCF−7細胞を死亡に誘導するパーセンテージである。
【図15】図15は金属フレロールのLa@C82(OH)20神経ゴム腫瘤細胞生存率に対する影響である。
【符号の説明】
【0079】
図11、12、13と14で、横座標の数値はM@C82(OH)xモル濃度の累乗。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式で表されることを特徴とする金属フレロール:
M@C2m(OH)x、
式中、MはLa又はGdを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項2】
下記の一般式で表される金属フレロールを含むことを特徴とする腫瘍抑制の組成物:
M@C2m(OH)x、
式中、MはGd又はLaを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項3】
下記の一般式で表される金属フレロールナノメートルの粒子を含むことを特徴とする腫瘍抑制の組成物:
[M@C2m(OH)x]n、
式中、MはGd又はLaを表し、m=41又は30、10≦x<50、nは集まって前記金属フレロールナノメートルの粒子になる金属フレロールの分子数を表し、1≦n<200。
【請求項4】
前記組成物が、溶剤及び/又は薬学上で受け入れられるキャリヤーを含む請求項2又は3に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項5】
前記溶剤が、水、生理食塩水、Tris−HCl溶液又は燐酸塩緩衝液体である請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項6】
前記組成物中において、溶剤中の金属フレロールの濃度が、1×10−5〜1mmol/Lである請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項7】
前記組成物中において、溶剤中の金属フレロールの濃度が、1×10−5〜1mmol/Lである請求項5に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項8】
前記腫瘍が、肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸の結腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣の癌、骨肉腫、血管の肉腫、リンパ肉腫、白血病、黒色素瘤又は皮膚癌を含む請求項2又は3又は5又は6又は7に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項9】
前記腫瘍が、肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸の結腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣の癌、骨肉腫、血管の肉腫、リンパ肉腫、白血病、黒色素瘤又は皮膚癌を含む請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項10】
金属フレロールが下記の一般式で表されることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための金属フレロールの使用:
M@C2m(OH)x、
式中、MはLa又はGdを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項11】
前記薬物が各種類の剤形に製造され、これらの剤形に対応する金属フレロールの投与量が5×10−8〜1×10−2mmol/kg/日になることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための請求項10に記載の金属フレロールの使用。
【請求項12】
前記薬物が各種類の剤形に製造され、これらの剤形に対応する金属フレロールの投与量が5×10−6〜1.25×10−4mmol/kg/日になることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための請求項11に記載の金属フレロールの使用。
【請求項1】
下記の一般式で表されることを特徴とする金属フレロール:
M@C2m(OH)x、
式中、MはLa又はGdを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項2】
下記の一般式で表される金属フレロールを含むことを特徴とする腫瘍抑制の組成物:
M@C2m(OH)x、
式中、MはGd又はLaを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項3】
下記の一般式で表される金属フレロールナノメートルの粒子を含むことを特徴とする腫瘍抑制の組成物:
[M@C2m(OH)x]n、
式中、MはGd又はLaを表し、m=41又は30、10≦x<50、nは集まって前記金属フレロールナノメートルの粒子になる金属フレロールの分子数を表し、1≦n<200。
【請求項4】
前記組成物が、溶剤及び/又は薬学上で受け入れられるキャリヤーを含む請求項2又は3に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項5】
前記溶剤が、水、生理食塩水、Tris−HCl溶液又は燐酸塩緩衝液体である請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項6】
前記組成物中において、溶剤中の金属フレロールの濃度が、1×10−5〜1mmol/Lである請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項7】
前記組成物中において、溶剤中の金属フレロールの濃度が、1×10−5〜1mmol/Lである請求項5に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項8】
前記腫瘍が、肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸の結腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣の癌、骨肉腫、血管の肉腫、リンパ肉腫、白血病、黒色素瘤又は皮膚癌を含む請求項2又は3又は5又は6又は7に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項9】
前記腫瘍が、肺癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、直腸の結腸癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、卵巣の癌、骨肉腫、血管の肉腫、リンパ肉腫、白血病、黒色素瘤又は皮膚癌を含む請求項4に記載の腫瘍抑制の組成物。
【請求項10】
金属フレロールが下記の一般式で表されることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための金属フレロールの使用:
M@C2m(OH)x、
式中、MはLa又はGdを表し、m=41又は30、10≦x<50。
【請求項11】
前記薬物が各種類の剤形に製造され、これらの剤形に対応する金属フレロールの投与量が5×10−8〜1×10−2mmol/kg/日になることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための請求項10に記載の金属フレロールの使用。
【請求項12】
前記薬物が各種類の剤形に製造され、これらの剤形に対応する金属フレロールの投与量が5×10−6〜1.25×10−4mmol/kg/日になることを特徴とする、腫瘍抑制の薬物を製造するための請求項11に記載の金属フレロールの使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−511432(P2009−511432A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531511(P2008−531511)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/CN2006/002405
【国際公開番号】WO2007/033578
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508085682)インスティテュート オブ ハイ エナジー フィジックス チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシズ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/CN2006/002405
【国際公開番号】WO2007/033578
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508085682)インスティテュート オブ ハイ エナジー フィジックス チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシズ (3)
【Fターム(参考)】
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