説明

金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラム

【課題】工業炉設備の自動化度を向上させることを目的とする。
【解決手段】同一の装入物の構成、同一の処理プログラム、及び金属加工品の同一の部品形状を前提とし、装入物熱電対(3)によって処理される基本装入物(4)に関する金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムを提供する。基本装入物(4)は、新たな装入物(4)の基礎となるものである。実際に処理された基本装入物(4)のプロセスのプログラムパラメータを、新たに処理される装入物のプログラムに引き継ぐので、新たに処理される装入物(4)のための新たな装入物熱電対(3)は不要である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉の装入の自動化度を高めるために、工業炉設備用の、金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業炉設備用の装入において実行される金属加工品の熱処理を技術的に最適に準備するための、進行が合理化された方法が知られている。この方法では、いわゆる装入物熱電対が用いられている。装入物熱電対は、装入物の外部温度と内部温度を比較することによって、装入物を完全かつ確実に加熱するものである。この部分プロセスでは、プログラムの部分工程の持続時間は、測定される両方の温度が同じ温度になるまで動的に延長される。当業者は、プログラムの部分工程の持続時間を、処理の各部分工程における加工品の熱処理時間と定義している。このプログラムの部分工程の持続時間は、技術的熱処理手順の値の一部を表している。
【0003】
装入物熱電対の取り付けは、新たな装入物に対してその都度手動で行われるので、熱処理の連続的に行われる工程(例えば自動化工程)を妨げる。
【0004】
特許文献1(特許文献2)は、連結された複数の工業炉設備のチャンバ用の熱処理方法において、加工品処理工程を計画するための特別な制御システムを開示している。これらの処理チャンバは、固有の処理時間で少なくとも2つの部品を一斉にまたは同時に処理する。
【0005】
この制御システムはまた、部品毎に固有の処理時間を表示するための記憶手段を有している。この方法は、概して、制御システムの機能を記憶しかつ表示するためのステップによって連続炉構造におけるスケジュールを教示しているに過ぎず、装入物の外部温度と内部温度を比較することによって装入物の完全加熱を確実に行う装入物熱電対に関しては教示していない。
【0006】
国内では、以前より、工業炉において金属加工品を熱処理するための技術的手順を自動的に作成する方法及びコンピュータプログラムが求められていた。プログラム制御された決定工程によって、工業炉における金属加工品の熱処理の実行が、各工業炉における熱処理の開始前により好適に計画可能になる必要があった。目的は、自動化度を向上させることであった。
【0007】
これに関して、特許文献3では、方法及びコンピュータプログラムであって、
・各加工品の材料のための値、熱処理方法の情報、及び各工業炉の技術仕様の情報と、
・加工品を熱処理するための事前計算可能なパラメータの、段階的な初期設定または作成と、
・熱処理プログラムを作成するコンピュータであって、データバンクと、作成された熱処理プログラムを規定どおりに記憶する機能と、工業炉において熱処理を始動するために上記熱処理プログラムを呼び出す機能とを備える該コンピュータとを用いて、
1.第1のプログラムステップにおいて、材料群及び材料を選択し、選択された材料に応じて、熱処理方法を決定するステップと、
2.第2のプログラムステップにおいて、加工品/装入物のデータについて、例えば、肉厚を入力し、参照形状を選択し、装入物の重量を入力し、装入物の構成を選択し、これによって、自動的に仮想肉厚を計算するステップと、
3.第3のプログラムステップにおいて、上記仮想肉厚、装入物のデータ、及び工業炉の利用可能なパラメータから、場合によっては手動で変更可能であるような、材料に応じた加熱特性及び急冷特性を積分ステップと、
4.第4のプログラムステップにおいて、まず、選択された材料のデータを処理パラメータにロードすると共に、選択された熱処理方法のデータを手順の枠組みの雛形にロードし、手順の枠組みの雛形より、ユーザインターフェースからのデータ、例えば、加熱特性、急冷特性、及び場合によっては基準硬度を用いることによって、1つの手順の枠組みを作成し、これによって、部分手順の値、例えば、部分手順の持続時間、温度、勾配上昇値及び/または温度勾配、及び圧力を確定し、その後、第4のプログラムステップの結果を受けて、技術的熱処理手順を自動的に作成するステップとを含み、上記技術的熱処理手順は、後から修正可能であり、プログラムデータバンク内に保存可能であり、金属加工品を熱処理するために工業炉に呼び出し可能であるような方法及びコンピュータプログラムが提案されている。
【0008】
上記方法及びプログラムは、第5のプログラムステップにおいて熱処理手順の炉への伝送が行われることで、さらに充実され得る。ここでは、工業炉において自律的に進行する加工品/装入物の熱処理のために、熱処理プログラムがプログラムデータバンクから呼び出され、工業炉における熱処理のために運ばれる。
【0009】
これに従って、このプログラムデータバンクにおいて、熱処理プログラムが作成され、該プログラムデータバンク内に保存される。
【0010】
このプログラムデータバンクにおいて得られた熱処理方法/熱処理プログラム工程は、上述の装入物熱電対に求められる設備及び機能に効率よく使用することが可能である。
【0011】
概して、この種の熱処理方法では、装入物熱電対の取り付け及びこの装入物熱電対によって行われる装入物の外部温度と内部温度の比較を部分プロセスとして行うことは、極めて手間がかかる。なぜなら、プログラムの部分工程の持続時間は、外部温度と内部温度が同じ温度になるまで動的に延長されてしまうからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0 556 176 B2号明細書
【特許文献2】独国特許発明第691 04 377 T3号明細書
【特許文献3】国際公開2009/046691号(国際出願番号PCT/DE2008/001454)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、炉の装入の自動化度が向上された、工業炉設備における金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムを開発することにある。上記方法及びコンピュータプログラムは、新たな装入物を作成するステップと、上記装入物に熱処理プログラムを割当てるステップと、上記装入物に装入物熱電対を手動で取り付けるステップと、上記熱処理プログラムを炉のSPSに送信するステップと、上記装入物を上記炉の中に搬入するステップと、熱処理サイクルを開始及び実行するステップと、上記炉から上記装入物を取り出すステップとを有し、ここで、装入物熱電対の設備及び機能は合理化されているので、時間は短縮される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、装入物熱電対によって処理される基本装入物に関する。分析によれば、装入物の構成が同一である場合、同一の処理プログラム及び同一の金属加工品の部品形状が必要であることがわかっている。基本装入物の場合に算出される部分動作時間は、新たな装入物の基礎として用いられ、そのため、対応する部分工程は、同一の動作時間を有している。この動作時間は、基本装入物の場合、装入物熱電対を利用することによって算出される。
【0015】
本発明は、この分析に基づいて、実際に処理された基本装入物のプロセスのプログラムパラメータを、新たに処理される装入物のプログラムに引き継ぐことが可能であり、そのため、新たに処理される装入物用の新たな装入物熱電対は必要ないことを認識している。
【0016】
この本発明に係る認識に従って、基本装入物が作成され、そのためにプログラムが使用される。このようにして、装入物の作成時に既に、事前リストにおいて「基本装入物として定義する」というオプションが選択可能である。装入物の保存記録において、このような装入物を後に、基本装入物の一覧リストから直接コード(装入物−ID)によって選択することが可能である。
【0017】
本発明は、各プログラムにおいて、課題に応じた統一的かつ有効な1つの効果に機能的に融合し合う2つの課題領域を解決する必要がある。
【0018】
1.基本装入物の処理
【0019】
基本装入物を装入物熱電対によって処理するために、基本装入物には、所定の処理プログラムが割当てられる。装入物の構成の写真が割当てられていることも有効である。処理プログラム及び装入物の構成は、後にこの基本装入物に用いられる全ての装入物にとっての定数パラメータである。基本装入物の熱処理の終了後、そのプロセスの進行は、保存記録において利用可能であり、元のプログラムに基づいて変更された基本装入物プログラムの作成が自動的に行われる。この場合、個々の部分工程の持続時間は、実際に算出された持続時間に置き換えられ、装入物熱電対のさらなる使用は停止される。
【0020】
2.選択リストからの基本装入物の使用
【0021】
後に処理される装入物は、既に存在する基本装入物に関連付けることが可能である。基本装入物は、選択リストにおいて提供され、まず同一の処理プログラムが推定される。このように装入物を基本装入物に割当てる場合、元の処理プログラムの代わりに、変更されたプログラムが、基本装入物に自動的に割当てられる。この変更されたプログラムは、実際に処理された基本装入物の時間を部分工程の持続時間として用いている。従って、さらなる装入物熱電対は省くことが可能である。処理プログラムをSPS(Speicherprogrammierbare Steuerung:蓄積プログラム制御部)に送信した後、新たな装入物が、割当てられた基本装入物と同じサイクルを進行する。仮に、装入物の構成が同一であり、装入物の重量が同一であり、及び部品形状が同一であるなら、熱処理の結果は同一になると予想される。
【0022】
装入物熱電対によって処理され、装入物の構成が同一であり、処理プログラムが同一であり、部品形状が同一であると仮定される基本装入物を、本発明に従って参照するならば、工業炉設備の操作者は、本発明に係るプログラムを用いることによって、さらなる装入物熱電対を用いる必要がなくなる。基本装入物の場合に算出された部分稼動時間は、基礎として、新たな装入物に用いられるので、対応する部分工程は、基本装入物の場合に装入物熱電対を用いることによって算出される同一の稼動時間を有する。
【0023】
従って、装入物を基本装入物として定義した後、変更された基本装入物のプログラムが、元のプログラムに基づいて自動的に作成される。ここで、個々の部分工程の持続時間は、実際に算出された持続時間と置き換えられ、装入物熱電対の使用が停止される。
【0024】
本発明は、新規のプログラム原理を開示すると共に、実際に処理された基本装入物のプロセスのプログラムパラメータを新たに処理される装入物のプログラムに引き継ぐことからなる、機械化された「習得プロセス」を開示する。
【0025】
さらに、本発明に係るプログラムを各プログラムデータバンク内に保存することによって、本発明を、冒頭部分で説明した特許文献3に係るプログラムのインターフェースと組み合わせかつ結び付けることが可能である。この、本発明に係るプログラムデータバンク内に含まれる熱処理プログラムは、基本装入物に割当てられ得る。
【0026】
上記基本装入物の熱処理の終了後、該基本装入物に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラムが、自動的に作成される。この基本プログラムは、再びプログラムデータバンク内に保存される。
【0027】
上述の特許文献3に係るプログラムと、本発明に係るプログラムとを組み合わせて使用することによって、この自動的なプログラム作成工程はさらに最適化される。つまり、各プログラムは、初期設定された材料用の熱処理プログラムの自動的な作成を可能にする。しかしこの場合、プログラムの部分工程の持続時間は、部分的に、明示的には初期設定されず、後のプロセスにおいて装入物熱電対によって読み込まれたプロセス値によって決定される。本発明に係るプログラムと機能を融合させて用いることによって、このプログラムの部分工程の持続時間は、基本装入物の熱処理の後に算出され、自動的に熱処理プログラム内に登録される。
【0028】
本発明は、請求項1〜9において、主要原理の変形例を有する作業ステップまたはプログラムステップに対応して、インターフェースを有する有効な実施形態、並びにハードウェア及びソフトウェアの用いられる手段を示す。
【0029】
自動化された工業炉設備用の金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムは、まず、次の公知の作業ステップ、すなわち、新たな装入物を作成するステップと、上記装入物に熱処理プログラムを割当てるステップと、上記装入物に装入物熱電対を手動で取り付けるステップと、上記熱処理プログラムを炉のSPSに送信するステップと、上記装入物を上記炉の中に搬入するステップと、熱処理サイクルを開始及び実行するステップと、上記炉から上記装入物を取り出すステップとを含む。
【0030】
本発明の主要原理は、次の、請求項1に記載のプログラムの新規の基本ステップ、すなわち、a)連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、上記装入物に熱処理プログラムを割当てるステップと、b)連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、上記装入物に装入物熱電対を取り付けるステップと、c)新たな装入物を作成した後、連続して装入される装入物において、新たな作業ステップにおいて、用いる必要がある熱処理プログラムを有する基本装入物の選択を行い、その後、新たなプログラムステップにおいて、選択された基本装入物に属する基本プログラムを上記装入物に自動的に割当てるステップと
によって、定義される。
【0031】
完全なプログラム工程の場合、請求項2に対応して、装入物に熱処理プログラムを割当てるステップの後、さらなる新たなステップにおいて、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、装入物を基本装入物として定義し、請求項3に対応して、熱処理サイクルを実行するステップの後、さらに新たなステップにおいて、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、上記基本装入物に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラムを自動的に作成し、これらの両方の相互接続を、上述の本発明の主要原理と結び付けて、本発明の第1のプログラム変形例を形成する。
【0032】
上記第1の変形例に加えて、完全に第2のプログラム変形例を実施することが可能である。上記第2のプログラム変形例では、上述の本発明の主要原理に、請求項4の、上記炉から装入物を取り出すステップの後、さらに新たなステップにおいて、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、上記装入物を基本装入物として定義することと、請求項5の、装入物を基本装入物として定義するステップの後、さらに新たなステップにおいて、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物に対してのみ、上記基本装入物に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラムを自動的に作成することとを関連付ける。
【0033】
これに基づき、本発明はさらに、請求項6に従って、既に引用した特許文献3に係るプログラムのインターフェースと組み合わせられかつ結合させられることが可能である。つまり、方法及びコンピュータプログラムであって、
・各加工品の材料のための値、熱処理方法の情報、及び各炉の技術仕様の情報、
・加工品を熱処理するための事前計算可能なパラメータの、段階的な初期設定または作成、
・熱処理プログラムを作成するコンピュータであって、データバンクと、作成された熱処理プログラムを規定どおりに記憶する機能と、炉において熱処理を始動するために呼び出す機能とを備える該コンピュータとを用いて、炉において金属加工品を熱処理するための技術的手順を自動的に作成するための各プログラムであって、
a)第1のプログラムステップにおいて、材料群及び材料を選択し、選択された材料に応じて、熱処理方法を決定するステップと、
b)第2のプログラムステップにおいて、加工品/装入物のデータについて、例えば、肉厚を入力し、参照形状を選択し、装入物の重量を入力し、装入物の構成を選択し、これによって、自動的に仮想肉厚を計算するステップと、
c)第3のプログラムステップにおいて、仮想肉厚、装入物のデータ、及び、炉の利用可能なパラメータから、場合によっては手動で変更可能であるような、材料に応じた加熱特性及び急冷特性を積分するステップと、
d)第4のプログラムステップにおいて、まず、選択された材料のデータを、処理パラメータにロードすると共に、選択された熱処理方法のデータを、手順の枠組みの雛形にロードし、手順の枠組みの雛形より、ユーザインターフェースからのデータ、例えば、加熱特性及び急冷特性、及び場合によっては基準硬度を用いることによって、1つの手順の枠組みを作成し、これによって、部分手順の値、例えば、部分手順の持続時間、温度、勾配上昇値及び/または温度勾配、及び圧力を確定し、その後、第4のプログラムステップの結果を受けて、技術的熱処理手順を自動的に作成するステップとを有し、上記技術的熱処理手順は、後から修正可能であり、プログラムデータバンク内に保存可能であり、金属加工品を熱処理するために工業炉に呼び出し可能であるような方法及びコンピュータプログラムと組み合わせられ得る。
【0034】
ここで、本発明へのインターフェースに関して、e)「上記装入物に熱処理プログラムを割当てる」通常の作業ステップにおけるプログラムデータバンクでは、一作業ステップにおいて基本装入物として定義される装入物に割当てられた熱処理プログラムを選択するステップと、f)上記基本装入物の熱処理が終了した後、上記基本装入物に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラムを自動的に作成するステップであって、上記基本プログラムは、再び上記プログラムデータバンク内に保存される、該ステップとを有する。
【0035】
熱処理を制御するためのプログラム変形例は、装入物の保存記録から装入物を適切に作成する際に、後に、1つの基本装入物を基本装入物の基本リストから直接コード(装入物−ID)を介して選択するように行われることが可能である。
【0036】
本発明は、請求項7〜9に応じて、快適なプログラム操作を行うことが有効である。ここでは、対応するユーザインターフェースを用いることによって、
・基本装入物を作成するためのプログラムを実行するため、第1のプログラム変形例として「基本装入物として定義する」というオプションが選択されるか、または
・基本装入物を作成するためのプログラムを実行するため、「基本装入物」というオプションが選択され、第2のプログラム変形例として、基本装入物としての装入物が定義され、
・選択リストから、後に処理される装入物によって、既に入力された基本装入物が用いられ、このように装入物を基本装入物に割当てる際には、元の処理プログラムの代わりに、変更された基本装入物のプログラムが、基本装入物に自動的に割当てられる。変更された基本装入物のプログラムは、実際に処理された基本装入物の時間を、部分工程の持続時間として用いており、ここで、処理プログラムをSPSに送信した後は、新たな装入物は、割当てられた基本装入物と同じサイクルを進行する。
【0037】
本発明を、図面を参照しながら、実施形態を用いて、プログラム変形例及び有効な利用法に関してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来技術に係る作業ステップを示すフロー図である。
【図2】本発明に係る第1のプログラム変形例を示すフロー図である。
【図3】本発明に係る第2のプログラム変形例を示すフロー図である。
【図4】上記第1のプログラム変形例に対応した、選択可能なオプション「基本装入物として定義する」を有する、プログラムに応じたユーザインターフェースを示す図である。
【図5】上記第2のプログラム変形例に対応した、選択可能なオプション「基本装入物」を有する、プログラムに応じたユーザインターフェースを示す図である。
【図6】既に用いられている基本装入物への参照として、選択可能なオプション「基本装入物を使用する」を有する、プログラムに応じたユーザインターフェースを示す図である。
【図7】装入物4・6の熱処理を制御するためのプログラムと共に、本発明に係る炉1における使用法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1によれば、国内において公知の従来技術に応じて、熱処理制御の従来の進行工程が示されている。上記進行工程は、
I:新たな装入物4を作成するステップと、
IV:上記装入物4に熱処理プログラム7を割当てるステップと、
VI:上記装入物4に装入物熱電対3を手動で取り付けるステップと、
VII:上記熱処理プログラム7を炉1のSPS2に送信するステップと、
VIII:上記装入物4を上記炉1の中に搬入するステップと、
IX:熱処理サイクルを開始するステップと、
X:熱処理サイクルを実行するまたは進行させるステップと、
XII:上記炉1から上記装入物4を取り出すステップとを有している。
【0040】
概略をより良好に示すために、ローマ数字により示されたこれらの公知の作業ステップの順番を、本発明の作業ステップの順番と調和させている。
【0041】
図2及び図3は、本発明に係る、工業炉設備用の金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムの基本的な流れを示すものである。この方法及びコンピュータプログラムの基本的な流れの作業ステップは、次の通りである。
a)IV:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4に熱処理プログラム7を割当てるステップと、
b)VI:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4に装入物熱電対3を取り付けるステップと、
c)新たな装入物4を作成した後、連続して装入される装入物4において、
・作業ステップIIにおいて、用いる必要がある熱処理プログラムを有する基本装入物7を選択するステップと、
・その後、新たなプログラムステップIIIにおいて、選択された基本装入物4に属する基本プログラム7を、装入物4に自動的に割当てるステップ。
【0042】
図7では、本発明に係る方法及びコンピュータプログラムとの関係と共に、SPS2を有する、金属加工品を熱処理するための自動化可能な炉1と、基本装入物4である、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に取り付けられた装入物熱電対3と、基本プログラム5としての熱処理プログラムと、基本装入物4を作成した後、連続して装入される装入物6と、コンピュータプログラムとして、従来のハードウェアと共に、金属加工品を熱処理するための炉1を制御する熱処理プログラム7とが、概略的に示されている。
【0043】
実際の使用のために、図2及び図3に従って、次の工程を有する2つの有効なプログラム変形例を紹介する。
【0044】
プログラムI(図2)
【0045】
本変形例に従って、本発明に係る、炉1において金属加工品を有する装入物4・6の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムは、図2に係るアルゴリズムにおいて順に行われる次のステップから構成されている。
I:新たな装入物4・6を作成するステップ、
IV:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4に熱処理プログラム7を割当てるステップ、
V:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4を基本装入物4として定義するステップ、
VI:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4に、装入物熱電対3を取り付けるステップ、
XI:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物4に対してのみ、基本装入物4に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラム5を自動的に作成するステップ、
新たな装入物4を作成した後、連続して装入される装入物6において、
・用いる必要がある熱処理プログラム5を有する基本装入物4を選択する作業ステップII、
・その後、選択された基本装入物4に属する基本プログラム5を、装入物6に自動的に割当てるプログラムステップIII。
【0046】
従って図2には、本発明の変形例が示されており、この変形例では、上記装入物4に熱処理プログラム7を割当てた後、作業ステップVにおいて、基本装入物4を定義するステップが行われる。
【0047】
プログラムII(図3)
【0048】
本変形例に拠れば、本発明に係る、炉1において金属加工品を有する装入物4・6の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムは、次の、図3に係るアルゴリズムにおいて順に行われる次のステップを含む。
I:新たな装入物4・6を作成するステップ、
IV:連続して装入される装入物6のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4・6に熱処理プログラム7を割当てるステップ、
VI:連続して装入される装入物6のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4に装入物熱電対3を取り付けるステップ、
ステップXIIに係る装入物4・6を炉1から取り出すステップの後、連続して装入される装入物6のうちの最初の装入物4に対してのみ、上記装入物4を基本装入物4として定義するステップであるステップXIIIが続き、
XIV:連続して装入される装入物6のうちの最初の装入物4に対してのみ、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する、上記基本装入物4に属する基本プログラム5を自動的に作成するステップ、
新たな装入物4を作成した後、連続して装入される装入物6において、
・用いる必要がある熱処理プログラム5を有する基本装入物4を選択する作業ステップII、
・その後、選択された基本装入物4に属する基本プログラム5を、装入物6に自動的に割当てるプログラムステップIII。
【0049】
従って図3は、本発明の変形例を示しており、この変形例では、炉1から装入物4を取り出した後に、プログラムステップXIIIにおいて、基本装入物4を定義するステップが行われる。
【0050】
従って、本発明に係るこれらの変形例は、基本的に、装入物4が基本装入物4として定義される時点によって区別される。これにより、装入物及び/または工程順の特徴に応じて最も適したプログラム変形例が選択されかつ実行される。
【0051】
これらのプログラム変形例は、インターフェースにおいて、炉1において金属加工品を熱処理するための技術的手順を自動的に作成するための方法及びコンピュータプログラムと組み合わせることが可能であり、上記方法及びコンピュータプログラムは、
・各加工品の材料のための値、熱処理方法の情報、及び各炉1の技術仕様の情報と、
・加工品を熱処理するための事前計算可能なパラメータの、段階的な初期設定または作成と、
・熱処理プログラムを作成するコンピュータであって、データバンクと、作成された熱処理プログラムを規定どおりに記憶する機能と、炉1において熱処理を始動するために呼び出す機能とを備える該コンピュータとを用いて、炉1において金属加工品を熱処理するための技術的手順を自動的に作成するステップと、
a)第1のプログラムステップにおいて、材料群及び材料を選択し、選択された材料に応じて、熱処理方法を決定するステップと、
b)第2のプログラムステップにおいて、加工品/装入物のデータについて、例えば、肉厚を入力し、参照形状を選択し、装入物の重量を入力し、装入物の構成を選択し、これによって、自動的に仮想肉厚を計算するステップと、
c)第3のプログラムステップにおいて、仮想肉厚、装入物のデータ、及び炉1の利用可能なパラメータから、場合によっては手動で変更可能であるような、材料に応じた加熱特性及び急冷特性を積分するステップと、
d)第4のプログラムステップにおいて、まず、選択された材料のデータを処理パラメータにロードすると共に、選択された熱処理方法のデータを手順の枠組みの雛形にロードし、手順の枠組みの雛形より、ユーザインターフェースからのデータ、例えば、加熱特性及び急冷特性、及び場合によっては基準硬度を用いることによって、1つの手順の枠組みを作成し、これによって、部分手順の値、例えば、部分手順の持続時間、温度、勾配上昇値及び/または温度勾配、及び圧力を確定し、その後、第4のプログラムステップの結果を受けて、技術的熱処理手順を自動的に作成するステップとを含み、上記技術的熱処理手順は、後から修正可能であり、プログラムデータバンク内に保存可能であり、金属加工品を熱処理するために工業炉1に呼び出し可能である。
【0052】
本プログラム変形例を、インターフェースにおいて、炉1において金属加工品を熱処理するための技術的手順を自動的に作成するための方法及びコンピュータプログラムと組み合わせて、
e)図2及び図3に記載の作業ステップIVにおける、本発明に係るプログラムデータバンクでは、装入物4に割当てられる熱処理プログラム7を選択し、装入物4は、その後、図2の作業ステップVにおいて、または図3の作業ステップXIIIにおいて、基本装入物4として定義され、
f)基本装入物4の熱処理が終了した後、上記基本装入物4に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラム5が自動的に作成され、基本プログラム5は再び上述のプログラムデータバンク内に保存される。
【0053】
本発明に係る各コンピュータプログラムは、ユーザインターフェースが用いられる場合に、快適に操作可能である。上記ユーザインターフェースでは、図4によれば、基本装入物4を作成するために、印をつけたオプション「基本装入物として定義する」が選択され、及び/または、図5によれば、装入物4を基本装入物4として定義するために、印をつけたオプション「基本装入物」が選択される。
【0054】
最後に、コンピュータプログラムの快適な操作は、図6に従って、ユーザインターフェースにおいて、ユーザインターフェースを用いて、選択リストから、既に入力された基本装入物4が、後に処理される装入物6のために再び選択可能である場合に、さらに充実される。このような、装入物6を基本装入物4に割当てる場合、元の処理プログラム(例えば熱処理プログラム7)の代わりに変更されたプログラム(例えば基本プログラム5)が基本装入物4に自動的に割当てられる。上記変更されたプログラムは、実際に処理された基本装入物4の時間を、部分工程の持続時間として利用する。図2及び図3のステップVIIに従って処理プログラムをSPS2に送信した後、新たな装入物6は、割当てられた基本装入物4と同じサイクルを実行する。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、工場内の、試験操業において、有効性が実証されたものである。装入物への装入物熱電対の手動での取り付けは最初の装入物だけに必要であって、後に続く装入物に取り付ける必要はないため、自動運転は、特に炉1に装入することに関して、その自動化度がさらに向上される。これは、工業炉を有する設備の操作者に、この設備の高い利用可能性を保証するものである。既に運転している工業炉設備は、本発明に従って、容易に装備を追加することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 炉
2 SPS
3 装入物熱電対
4 基本装入物:連続して装入される装入物のうちの最初の装入物
5 基本プログラムとしての熱処理プログラム
6 装入物:基本装入物4を作成した後、連続して装入される装入物
7 熱処理プログラム
I 新たな装入物4・6を作成するステップ
II 用いる必要がある熱処理プログラム7を有する基本装入物4を選択するステップ
III 選択された基本装入物4に属する基本プログラム5を自動的に割当てるステップ
IV 装入物4に熱処理プログラム7を割当てるステップ
V 図2に係る基本装入物4を定義するステップ
VI 装入物4に装入物熱電対3を手動で取り付けるステップ
VII 熱処理プログラムを炉1のSPS2に送信するステップ
VIII 装入物4・6を炉1の中に搬入するステップ
IX 熱処理サイクルを開始するステップ
X 熱処理サイクルを実行するステップ
XI 図2に係る基本プログラム5を自動的に作成するステップ
XII 炉1から装入物4・6を取り出すステップ
XIII 図3に係る基本装入物4を定義するステップ
XIV 図3に係る基本プログラム5を自動的に作成するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化された工業炉設備用の金属加工品の熱処理を制御するための方法及びコンピュータプログラムであって、
(I)新たな装入物(4)を作成する作業ステップと、
(IV)前記装入物(4)に熱処理プログラム(7)を割当てる作業ステップと、
(VI)前記装入物(4)に装入物熱電対(3)を手動で取り付ける作業ステップと、
(VII)前記熱処理プログラム(7)を炉(1)のSPS(2)に送信する作業ステップと、
(VIII)前記装入物(4)を前記炉(1)の中に搬入する作業ステップと、
(IX)熱処理サイクルを開始する作業ステップと、
(X)熱処理サイクルを実行する作業ステップと、
(XII)前記装入物(4)を前記炉(1)から取り出す作業ステップとを有し、
a)(IV)連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、前記装入物(4)に熱処理プログラム(7)を割当てるステップと、
b)(VI)連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、前記装入物(4)に装入物熱電対(3)を取り付けるステップと、
c)新たな装入物(4)を作成する作業ステップ(I)の後、連続して装入される装入物(6)において、
使用する必要がある熱処理プログラム(5)を有する基本装入物(4)を選択する作業ステップ(II)と、
その後、選択された基本装入物(4)に属する基本プログラム(5)を、前記装入物(4)に自動的に割当てるプログラムステップ(III)とを有することを特徴とする方法及びコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記装入物(4)に熱処理プログラム(7)を割当てるステップ(IV)の後、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、ステップ(V)において、前記装入物(4)を基本装入物(4)として定義することを特徴とする請求項1に記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記熱処理サイクルを実行するステップ(X)の後、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、ステップ(XI)において、前記基本装入物(4)に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラム(5)を自動的に作成することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記装入物(4)を前記炉(1)から取り出すステップ(XII)の後、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、ステップ(XIII)において、前記装入物(4)を、基本装入物(4)をして定義することを特徴とする請求項1に記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記装入物(4)を基本装入物(4)として定義するステップ(XIII)の後、連続して装入される装入物のうちの最初の装入物(4)に対してのみ、ステップ(XIV)において、前記基本装入物(4)に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラム(5)を自動的に作成することを特徴とする請求項1または4のいずれかに記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項6】
炉(1)において金属加工品を熱処理するための技術的手順をコンピュータによって自動的に作成するための方法及びコンピュータプログラムであって、
各加工品の材料のための値、熱処理方法の情報、及び各工業炉の技術仕様の情報と、
加工品を熱処理するための事前計算可能なパラメータの、段階的な初期設定または作成と、
熱処理プログラムを作成するコンピュータであって、データバンクと、作成された熱処理プログラムを規定どおりに記憶する機能と、工業炉において熱処理を始動するために前記熱処理プログラムを呼び出す機能とを備えた、該コンピュータとを用いて、
a)第1のプログラムステップにおいて、材料群及び材料を選択し、選択された材料に応じて、熱処理方法を決定するステップと、
b)第2のプログラムステップにおいて、加工品/装入物のデータについて、例えば、肉厚を入力し、参照形状を選択し、装入物の重量を入力し、装入物の構成を選択し、これによって、自動的に仮想肉厚を計算するステップと、
c)第3のプログラムステップにおいて、前記仮想肉厚、装入物のデータ、及び工業炉の利用可能なパラメータから、場合によっては手動で変更可能であるような、材料に応じた加熱特性及び急冷特性を積分するステップと、
d)第4のプログラムステップにおいて、まず、選択された材料のデータを、処理パラメータにロードすると共に、選択された熱処理方法のデータを、手順構造の雛形にロードし、手順構造の雛形より、ユーザインターフェースからのデータ、例えば、加熱特性及び急冷特性、及び場合によっては、基準硬度を用いることによって、1つの手順構造を作成し、これによって、部分手順の値、例えば、部分手順の持続時間、温度、勾配上昇値及び/または温度勾配、及び圧力を確定し、その後、第4のプログラムステップの結果を受けて、技術的熱処理手順を自動的に作成するステップとを含み、前記技術的熱処理手順は、後から修正可能であり、プログラムデータバンク内に保存可能であり、金属加工品を熱処理するために工業炉に呼び出し可能である方法及びコンピュータプログラムと組み合わせて、
e)前記作業ステップ(IV)におけるプログラムデータバンクでは、作業ステップ(V)または作業ステップ(XIII)において基本装入物(4)として定義される装入物(4)に割当てられる熱処理プログラム(7)を選択するステップと、
f)前記基本装入物(4)の熱処理が終了した後、前記基本装入物(4)に属する、明示的なプログラムの部分工程の持続時間を有する基本プログラム(5)を自動的に作成するステップとを含み、前記基本プログラム(5)は、再び前記プログラムデータバンク内に保存されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項7】
オプション「基本装入物として定義する」が選択される、前記基本装入物(4)を作成するためのユーザインターフェースの使用を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記装入物(4)を基本装入物(4)として定義するために、オプション「基本装入物」が選択される、前記基本装入物(4)を作成するためのユーザインターフェースの使用を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法及びコンピュータプログラム。
【請求項9】
ユーザインターフェースの使用であって、前記ユーザインターフェースを用いて、選択リストから、既に入力された基本装入物(4)が、後に処理される装入物(6)のために再び選択されると共に、このような、前記装入物(6)を基本装入物(4)に割当てる際に、元の処理プログラム、例えば熱処理プログラム(7)の代わりに、変更されたプログラム、例えば基本プログラム(5)が自動的に基本装入物(4)に割当てられ、前記変更されたプログラムは、実際に処理された前記基本装入物(4)の時間を部分持続時間として用い、前記処理プログラム(7)をSPS(2)に送信した後、作業ステップ(VII)では、新たな装入物(6)は、割当てられた基本装入物(4)と同じサイクルを実行することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法及びコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−242218(P2010−242218A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86072(P2010−86072)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(310010243)Ipsen株式会社 (9)
【Fターム(参考)】