説明

金属加工油剤

【課題】優れた潤滑性、抗菌性を有し、さらに泡立ちも少ない新規な金属加工油剤を提供する。
【解決手段】(A)ポリヘキサメチレンビグアニジン塩、
(B)(B−1)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3)ステアリン酸及びイソステアリン酸から選ばれる脂肪酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種、
(C)塩基性物質、及び
(D)水
を含有することを特徴とする水溶性金属加工油剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工油剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切削油剤、研削油剤等の金属加工用潤滑剤には、抗菌性、潤滑性、泡立ちの低さ等が求められている。抗菌性を有する金属加工用潤滑剤としては、例えば、ベンジルアミン、モルホリン誘導体、ピペラジン、ピロリジンを含むもの(特許文献1)、シクロヘキシルアミン類を含むもの(特許文献2)、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジンを含むもの(特許文献3)、アニリン類、ベンジルアミン類、ピリジン類、アミンを含有するもの(特許文献4)、脂肪族アルキルアミンを含有するもの(特許文献5)等が報告されている。
【0003】
また、幅広い抗菌作用を有し、かつ、人体にも優しい殺菌剤としてグアニジン系抗菌剤が知られており、これを含有する抗菌組成物が知られている。例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩と四級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド)を含むもの(特許文献6)、水溶性樹脂,シランカップリング剤とグアニジン化合物とを含むもの(特許文献7)、塩基性水溶性高分子の群(ポリビニルアミン,ポリアリールアミン,ポリエチルイミン,ポリヘキサメチレンビグアニジン,ポリビニルピリジン)の中の一つとして、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩が記載されているもの(特許文献8)等がある。
【0004】
グアニジン系抗菌剤を潤滑用途の組成物や金属加工油剤等に添加できることを示唆した文献としては、例えば、グアニジン系殺菌剤と炭素数8〜10の脂肪酸塩を含有する組成物を開示するもの(特許文献9)、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩とチアゾリン化合物を含む組成物を開示するもの(特許文献10)、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩とブロノポール(即ち、殺菌剤である2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)を含む組成物を開示するもの(特許文献11)がある。
【0005】
また、冷却潤滑剤濃縮物に添加される防腐剤の群(カルボン酸イミド,リン酸エステル,トリアゾール,チアジアゾール,チアゾリン,イミダゾール,グアニジン,芳香族カルボン酸及び3−ヨード−2−プロピニル−カルバメート)の一つとしてグアニジンを開示しているもの(特許文献12)等がある。
【0006】
また、殺菌剤である四級アンモニウム塩と炭素数8〜10の脂肪酸塩を含有する組成物(特許文献13)も知られている。
【0007】
さらに、泡立ちの抑制の観点から、炭素数8〜10の脂肪酸塩と界面活性剤であるポリアルキレングリコール、特にリバースブロック型重合体(例えば、商品名「アデカプルロニック25R2」旭電化株式会社製)とを含有した、消泡剤を配合しない低泡の組成物(特許文献14)が報告されている。
【0008】
さらに、リシノレイン酸縮合物および/または炭素数18の脂肪酸を、トリグリセライド油の乳化剤としたしごき加工用潤滑剤組成物(特許文献15)等がある。潤滑成分の一つとして炭素数8〜22の鎖状有機酸(やし油、オレイン酸、トリエタノールアミン等を含むベース組成)に、水に難溶性有機酸塩(例えば、アルミニウム、カルシウム、コバルト、銅等の塩)を含むものも報告されている(特許文献16)。
【0009】
一般に、水溶性脂肪酸塩、例えばアルカノールアミン塩を含む水溶性の潤滑剤は、泡立ちやすく、発生した泡により加工点が見えにくくなるという問題点を有している。また、潤滑剤を回収して再利用しながら加工する場合には、発生した泡をポンプが巻き込んでしまい、ポンプの吐出圧力が低下したり、キャビテーションによってポンプが故障してしまうといった問題が生じる。
【0010】
一般に、泡立ちを抑制するためにシリコーン系消泡剤が配合される。しかしながら、シリコーン消泡剤は水面に浮上しやすいため、気液界面の壁面に付着して消泡剤成分が持ち出されてしまい抑泡性が持続し難い。また、シリコーン系消泡剤は、アルカリ性環境下で分解され抑泡性が失われ易いという問題点も有する。さらに、シリコーン系消泡剤の配合量を増加させると、摩擦係数が増大し、潤滑性能を損ねるなどの問題点も生じ易い。
【特許文献1】特開平4−214796
【特許文献2】特開平4−50299
【特許文献3】特開平2−242892
【特許文献4】特開平2−242890
【特許文献5】特開平11−80774
【特許文献6】特開2006−188451
【特許文献7】特開2005−264073
【特許文献8】特表2004−510794
【特許文献9】特開平2−55795
【特許文献10】特開平10−175809
【特許文献11】特開2000−053511
【特許文献12】特表2002−521555
【特許文献13】特開平2−55794
【特許文献14】特開平8−231977
【特許文献15】特開平10−85872
【特許文献16】特開2000−129283
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、優れた潤滑性、抗菌性を有し、さらに泡立ちも少ない新規な金属加工油剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。
(1)上記のように抗菌剤として知られている(A)ポリヘキサメチレンビグアニジン塩を炭素数8の脂肪酸(カプリル酸)及び(C)塩基性物質とともに配合した水溶性金属加工油剤は潤滑性に劣る。
(2)ところが、上記(A)成分、(B)(B−1)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、(B−2)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸、(B−3)ステアリン酸、イソステアリン、又は(B−1)成分、(B−2)成分、(B−3)成分の混合物、及び(C)成分を配合した水溶性金属加工油剤は、(A)成分と(C)成分又は(B)成分と(C)成分を配合した水溶性金属加工油剤に比して顕著に優れた潤滑性を示す。
【0013】
即ち、上記(A)成分及び(B)という特定の成分を組み合わせることにより、(A)成分を加えることによる抗菌効果のみならず、(B)成分(脂肪酸)単独により達成される潤滑性よりもさらに優れた潤滑性が得られるという予想外の知見を得た。
(3)さらに、(A)成分及び(B)成分という特定の成分を(C)成分と組み合わせた組成物は、泡立ちが非常に少ないことも見出された。
【0014】
本発明は、この様な知見に基づき完成されたものであり、下記項1〜項10に示す水溶性金属加工油剤を提供する。
項1. (A)ポリヘキサメチレンビグアニジン塩、
(B)(B−1)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3)ステアリン酸及びイソステアリン酸から選ばれる脂肪酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種、
(C)塩基性物質、及び
(D)水
を含有することを特徴とする水溶性金属加工油剤。
項2. 金属加工油剤全量に対して、
(A)成分を0.1〜2.5重量%、
(B)成分を2〜20重量%、
(C)成分を上記(B)成分1モルに対して0.95当量以上、及び
(D)水を40〜85重量%
含有する項1に記載の水溶性金属加工油剤。
項3. 金属加工油剤全量に対して、
(A)成分を0.3〜2.2重量%、
(B)成分を5〜15重量%、
(C)成分を上記(B)成分1モルに対して0.95〜2.1当量、及び
(D)水を50〜80重量%
含有する項1に記載の水溶性金属加工油剤。
項4. (B)成分が、
(B−1a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3a)ステアリン酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種である項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項5. (B)成分がステアリン酸又はリシノレイン酸である項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項6. (B)成分がリシノレイン酸縮合エステルである項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項7. (B)成分がリシノレイン酸及びリシノレイン酸縮合エステルである項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項8. (C)成分がモノ(C−Cアルカノール)アミン、トリ(C−Cアルカノール)アミン及びアルカリ金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種である項1〜7のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項9. (A)成分がポリヘキサメチレンビグアニジンの無機酸塩である項1〜8のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項10. (A)成分がポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩及びポリヘキサメチレンビグアニジン硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である項1〜9のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項11. 容量比で5〜100倍の水で希釈した、項1〜10のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
項12. 切削油剤又は研削油剤である項1〜11のいずれかに記載の金属加工油剤。
【発明の効果】
【0015】
(a)本発明の水溶性金属加工油剤は、上記(B)成分及び(C)成分(即ち、特定の脂肪酸塩)を含む潤滑剤に、(A)成分であるポリヘキサメチレンビグアニジン塩を含有することにより、抗菌性を有するのみならず、潤滑性の点で著しく優れた性能を有する。
【0016】
(b)本発明の水溶性金属加工油剤は、優れた潤滑性を有するだけでなく、泡立ちも低い。即ち、本発明の水溶性金属加工油剤は、シリコーン系の消泡剤等を使用してもよいが、使用しなくても泡立ちが少ないという驚くべき性能を有する。従って、金属加工油剤を循環し再利用して使用する場合にも、発生した泡の被加工物への付着やタンクからのオーバーフロー等に起因する油剤の持ち出し、加工点が見えにくくなる等の加工作業への悪影響、気泡が液中へ持込まれることよって生じるポンプ吐出圧力の低下、加工機器の振動、異音の発生、ポンプの故障等のキャビテーションに起因する障害等を抑えることができる。
【0017】
(c)さらに、この様な優れた特性に加えて抗菌性も兼ね備えているので、細菌等の発生による人体への悪影響を抑えることが可能になり、長期間の使用にも耐えることができるため経済的である。
【0018】
(d)よって、本発明の組成物は、金属加工用油剤、特に切削油剤及び研削油剤として極めて好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記のように、本発明の金属加工油剤は、
(A)ポリヘキサメチレンビグアニジン塩、
(B)(B−1)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3)ステアリン酸及びイソステアリン酸から選ばれる脂肪酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種、
(C)塩基性物質
を(D)水に配合してなるものである。以下、各成分について説明する。
【0020】
(A)成分
本発明の(A)成分であるポリヘキサメチレンビグアニジン塩は、前記特許文献6、9及び11に記載されているように公知の殺菌成分であり、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジンの無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。ポリヘキサメチレンビグアニジンの無機酸塩としては、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン硫酸塩等が挙げられる。また、ポリヘキサメチレンビグアニジンの有機酸塩としては、ポリヘキサメチレンビグアニジン酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジングルコン酸塩等が挙げられる。
【0021】
ポリヘキサメチレンビグアニジン塩は、いずれも公知である。また、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩は、市販品を使用すれば良く、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩は、例えば、アーチケミカル社製の商品名「プロキセルIB」等、ポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩は、例えば、パーマケム・アジア社製の商品名「ポリヘキサメチレンビグアニドリン酸塩」等が挙げられる。
【0022】
ポリヘキサメチレンビグアニジン塩は一種単独で使用しても良いし、二種以上混合して使用しても良い。
【0023】
(A)成分の使用量は、特に限定されず幅広い範囲から適宜選択すればよいが、通常、金属加工油剤全量に対して0.1〜2.5重量%程度、好ましくは0.3〜2.2重量%程度、より好ましくは0.4〜2.0重量%程度配合される。
【0024】
(B)成分
本発明の(B−1)成分である水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステルとは、水酸基を有する炭素数18の脂肪酸を脱水縮合させて得られるものである。
【0025】
(B−1)成分を構成する、水酸基を有する炭素数18の脂肪酸は、飽和又は不飽和のどちらでよく、直鎖状又は分岐状のどちらでもよく、通常、水酸基を1個又は2個有する。水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の典型例としては、リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸(特に、12−ヒドロキシステアリン酸)、ジヒドロキシステアリン酸等が例示される。これらの中でも、水酸基を1個有するものが好ましい。
【0026】
(B−1)成分としては、例えば、リシノレイン酸縮合エステル、ヒドロキシステアリン酸縮合エステル、ジヒドロキシステアリン酸縮合エステル等が挙げられる。(B−1)成分は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。これらの中でも、ヒドロキシステアリン酸縮合エステル(特に、12−ヒドロキシステアリン酸縮合エステル)及びリシノレイン酸縮合エステルが好ましい。
【0027】
(B−1)成分の縮合度は、加工性に悪影響を与えない程度に調整したものを配合すれば良いが、一般に、リシノレイン酸縮合物の縮合度は、酸価で表され、(B−1)成分として用いられるものとしては、通常酸価が40〜150mgKOH/g程度、特に50〜130mgKOH/g程度のものが好ましい。(B−1)成分は、水酸基を有する脂肪酸の2分子が脱水縮合した2量体、3分子が脱水縮合した3量体、4分子が脱水縮合した4量体等を使用すればよいが、これらの中でも2量体が好ましい。水酸基を1個有する脂肪酸の2量体が好ましく、リシノレイン酸の2量体が特に好ましい。これら縮合エステルは、市販されており、入手容易である。
【0028】
本発明の(B−2)成分である水酸基を有する炭素数18の脂肪酸は、飽和又は不飽和のどちらでよく、直鎖状又は分岐状のどちらでもよい。
【0029】
(B−2)成分の水酸基の数は、通常、1個又は2個である。これらの中でも、水酸基を1個有するものが好ましい。
【0030】
(B−2)成分としては、例えば、リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これら(B−2)成分は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。これらの中でも、リシノレイン酸が好ましい。
【0031】
本発明の(B−3)成分は、ステアリン酸及びイソステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である。これら(B−3)成分は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。これらの中でも、ステアリン酸が好ましい。
【0032】
本発明の(B−1)成分、(B−2)成分及び(B−3)成分は、それぞれ単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。即ち、(B−1)成分、(B−2)成分及び(B−3)成分からなる群から選ばれる少なくとも1種が使用できる。
【0033】
好ましい(B)成分としては、
(B−1a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル(特に、2量体)、
(B−2a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3a)ステアリン酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
【0034】
より好ましい(B)成分としては、
(B−1a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル(特に、2量体)、
(B−2a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸、
(B−3a)ステアリン酸、又は
上記(B−1a)成分と(B−2a)成分との混合物を挙げることができる。
【0035】
特に好ましい(B)成分としては、
(B−1aa)リシノレイン酸縮合エステル(特に、2量体)、
(B−2aa)リシノレイン酸、
(B−3a)ステアリン酸、又は
上記(B−1aa)成分と(B−2aa)成分との混合物を挙げることができる。
【0036】
(B−1)成分、(B−2)及び(B−3)成分からなる群から選ばれる少なくとも一種の使用量は、特に限定されず幅広い範囲から適宜選択すればよいが、通常、金属加工油剤全量に対して、2〜20重量%程度、好ましく5〜15重量%程度配合される。
【0037】
(C)成分
本発明の(C)成分である塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の、モノ−、ジ−又はトリ(C−Cアルカノール)アミン;メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ジエチルモノイソプロパノールアミン、N,N−ジブチルアミノエタノール、N,N−ジ−n−ブチルアミノイソプロパノール、N,N−ジ−n−プロピルアミノイソプロパノールアミン、N,N−ジターシャリーブチルジエタノールアミン、N,N−エチレンジアミン(ジイソプロパノール)、N,N−エチレンジアミン(ジエタノール)、モノ−n−ブチルジエタノールアミン、モノエチルジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルエタノールラウリルアミン、オレイルアミン等のアルキルアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のシクロアルキルアミン;メタキシレンジアミン等のアリールアミン;及びこれらのオキシアルキレン付加物等が挙げられる。これら(C)成分は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
【0038】
これら(C)成分の中でも、特に、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンのようなモノ(C−Cアルカノール)アミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンのようなトリ(C−Cアルカノール)アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が好ましい。
【0039】
(C)成分は、(B)成分である酸と水中で水溶性塩を形成させるのに足りる量程度を加えればよく、(B)成分に対して当量以上であるのが好ましいが、当量よりも若干少なめの量でもよい。一般に、(C)成分の使用量は、上記(B)成分の1モルに対して、0.95当量以上、好ましくは0.95〜2.1当量、より好ましくは1.05〜1.5当量使用すればよい。通常、この量は、金属加工油剤全量に対して0.15〜10重量%程度、好ましくは0.15〜20重量%程度、より好ましくは0.2〜15重量%程度使用すればよい。
【0040】
なお、(B)成分として、(B−1)成分、(B−2)成分及び(B−3)成分の2種以上を混合して使用する場合は、使用する2種以上の成分の合計1モルに対して、0.95当量以上、好ましくは0.95〜2.1当量、より好ましくは1.05〜1.5当量使用すればよい。
【0041】
他の成分
本発明では、さらに金属加工性能を向上させる為に、必要に応じて、一般的な金属加工油剤に使用される他の各種添加剤と共に用いることも可能である。
【0042】
そのような添加剤として代表的なものとしては、金属加工油剤を安定化させるための界面活性剤、加工後の製品の腐食あるいは発錆、変色を防止するための防錆剤、細菌の増殖を防止するための防腐剤等が例示できる。
【0043】
金属加工油剤を安定化させるための界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、アルキルアミンオキサイドであってそのアルキル基の炭素数が8〜10であるもの、ポリアルキレンオキサイド、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合物等のノニオン性界面活性剤が好ましい。かかる界面活性剤は、使用する場合、金属加工油剤全量に対して1〜20重量%程度、特に5〜15重量%程度の割合で添加するのが好ましい。
【0044】
上記腐食あるいは発錆を防止するための防錆剤としては、例えば、セバシン酸などの二塩基性脂肪酸、トール油脂肪酸モノエタノールアマイド(1:2)等のアルキルアルカノールアマイド、炭素数12〜18のアルキルアミン、ターシャリーブチル安息香酸等がある。かかる防錆剤は、使用する場合、金属加工油剤中に1〜20重量%程度、好ましくは2〜10重量%程度、特に好ましくは2〜5重量%程度の割合で添加すればよい。
【0045】
本発明の金属加工油剤は、(A)成分として抗菌性を有するポリヘキサメチレンビグアニジン塩を含有するので、(A)成分以外の防腐剤を添加しなくても抗菌性を有するが、新規に出現する耐性菌の殺菌、金属加工油剤により幅広い抗菌スペクトルを付与すること等を目的として、従来から金属加工油剤に使用されている他の防腐剤ないし抗菌剤、例えば、ベンズイソチアゾリン等のチアゾリン系化合物、トリアジン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等を含有していてもよい。(A)成分以外の防腐剤を金属加工油剤に配合する場合、金属加工油剤全量に対して0.5〜5重量%程度、好ましくは0.5〜3重量%程度、特に好ましくは0.7〜2重量%程度の割合で添加すればよい。
【0046】
本発明の金属加工油剤
本発明の金属加工油剤は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて使用される前記他の成分(添加剤)を、前記所定の使用量となるように、(D)成分である水と混合することにより製造される。各成分を水と混合した後、必要に応じて70〜80℃程度に加熱してもよい。
【0047】
前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて使用される前記他の成分の添加順序は特に制限されず、どのような添加順序でもよい。
【0048】
本発明においては、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて使用される前記他の成分の種類、配合割合、金属加工油剤の使用温度等の種々の条件によって、陽イオン性の高分子である(A)成分と陰イオン性である(B)成分とが反応して水に溶けにくい陰イオン−陽イオン高分子複合体を少量形成することがあり得る。該複合体が生じた場合は、相溶化剤として上記界面活性剤を該複合体が水に溶解するに足る量配合することにより、明澄(即ち、均質かつ透明)な水溶性金属加工油剤とすることができる。該複合体の形成は、本発明の金属加工油剤の性能には悪影響を与えない。
【0049】
前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じて使用される前記他の成分を(D)成分である水に前記所定の使用量となるように配合した本発明の金属加工油剤は、水溶性であり、これを原液として使用する。
【0050】
かかる原液において、(D)成分である水の使用量は、特に限定されず幅広い範囲から適宜選択すればよいが、通常、金属加工油剤全量に対して、40〜85重量%程度、好ましくは50〜80重量%程度、より好ましくは55〜75重量%程度となるように使用すればよい。
【0051】
かかる原液は、そのまま使用してもよいが、さらに水で希釈して使用してもよい。かかる原液を水で希釈する場合、一般には、容量比で5〜100倍、好ましくは20〜50倍に希釈し、使用目的に合わせた適当な組成で使用する。
【0052】
本発明の水溶性金属加工油剤は、特に金属加工油剤、とりわけ切削油剤又は研削油剤として有用である。
【0053】
本発明の金属加工油剤が使用できる金属としては、広い範囲の金属が挙げられるが、特に、鋼、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、亜鉛、ステンレス鋼等の加工において使用するのが好ましい。
【0054】
JIS K−2241:2000「切削油剤」においては、水溶性の切削油剤は、A1種(鉱油や脂肪油など,水に溶けない成分と界面活性剤からなり,水に加えて希釈すると外観が乳白色になるもの)、A2種(界面活性剤など水に溶ける成分単独,又は水に溶ける成分と鉱油や脂肪油など,水に溶けない成分からなり,水に加えて希釈すると外観が半透明または透明になるもの)、A3種(水に溶ける成分からなり,水に加えて希釈すると外観が透明になるもの)の3種類に分類される。JISの分類A2種をさらに分けると、(1)鉱油や脂肪油を含まず、界面活性剤単独のもの、及び(2)界面活性剤と鉱油や脂肪油とを含むものの2種類に分けることができる。
【0055】
本発明の金属加工油剤は、A2種(1)(鉱油や脂肪油などの水に溶けない成分を含まない)として特に好ましく、界面活性剤として脂肪酸塩(即ち、(B)成分と(C)成分との塩)を選択したものである。
【0056】
本発明の金属加工油剤は、非常に優れた潤滑性を有する。しかも、本発明の金属加工油剤は、泡立ちも低いので、金属加工油剤を循環し再利用して使用する場合にも、泡の発生による各種の問題点、例えば、加工点が見えにくくなる等の加工作業への悪影響、タンク内の油剤の減少、ポンプの故障等を抑えることができる。さらに、この様な効果に加えて抗菌性をも兼ね備えているので、細菌等の発生による人体への悪影響を抑えることが可能になり、長期間の使用にも耐えることができるため経済的である。従って、本発明の金属加工油剤は、圧延油、鍛造油、プレス油、引き抜き油、切削油剤及び研削油剤等として好適であり、特に、切削油剤及び研削油剤として極めて好適である。
【実施例】
【0057】
以下に、本発明の金属加工油剤の実施例及び比較例を挙げて、本発明を一層明らかにするが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
実施例1〜5
表1に記載の各成分を表1に記載の配合割合で配合し、本発明の金属加工油剤を得た。実施例2においては、表1に記載の成分を混合した後、約80℃に加熱して原液を得た。
【0059】
比較例1〜6
表1に記載の各成分を表1に記載の配合割合で配合し、比較金属加工油剤を得た。
【0060】
実施例1〜5及び比較例1〜6に関して、表1中の「%」は「重量%」を表す。また、表1中の配合割合を示す数値の単位は「重量%」である。ただし、表1に記載の(D)成分である水の割合は、(A)〜(C)及び他の成分に含まれる水の割合を含んでいない。
【0061】
【表1】

【0062】
実施例及び比較例で使用した原料の製品名及びメーカーを表2に示す。表2中の「%」は、「重量%」を表す。
【0063】
【表2】

【0064】
上記実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた金属加工油剤をイオン交換水によって30倍(容量比)に希釈し、下記の方法に従い、潤滑性試験、泡立ち試験、防錆力試験及び抗菌性試験を実施した。
【0065】
<潤滑性試験>
曽田式高速四球試験機で、以下の条件で、摩擦係数を測定した。
・ 立軸回転数:300rpm
・ 試験時間:30分
・ 数値計測頻度:10秒毎
・ 荷重:300N
・ 試験球:1/2インチ鋼球(等級 20)-固定球,1/2インチ銅球(無酸素銅)-回転球
・ 摩擦係数:トルク÷荷重
30分間にわたり10秒毎にデータを採取し、180点のデータから摩擦係数の平均値及び標準偏差を算出した。
摩擦係数平均値0.05以下を◎、0.1未満を○、及び0.1以上を×とした。
摩擦係数平均値が0.1以上となると、工具にかかる負荷が大きくなり、工具の破損が生じやすくなる。
【0066】
<泡立ち試験>
JIS K−2241 7.8泡立ち試験方法に準じて測定した。
泡立ちは容量(ml)で表記した。泡立ちが最も低い3ml以下を◎、運用上許容できる8ml以下を○、及び8ml超を×とした。
【0067】
<防錆力試験>
長方体1〜1.5mm×2〜5mm程度(厚さ0.7mm程度)のネズミ鋳鉄チップを使用したこと、及び日本の水の硬度に近づけるために塩化カルシウムで調整した200ppmの硬水(炭酸カルシウム換算)を使用したこと以外はDIN51360part2(ドイツ規格)に準じて下記の方法にて防錆力を評価した。
【0068】
長方体1〜1.5mm×2〜5mm程度(厚さ0.7mm程度)ネズミ鋳鉄チップ(FC200チップ:エンジニアリングテストサービス社製)2gを45mmろ紙上に広げた。塩化カルシウムで調整した200ppmの硬水(炭酸カルシウム換算)を用いて、実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた金属加工油剤をそれぞれを30重量倍に希釈して試験試薬を得た。上記のろ紙をシャーレに入れ、試験試薬2mlをろ紙全体に含ませ、シャーレに蓋をした。18〜28℃の室温条件で、シャーレを暗所保管し2時間静置した。シャーレから取り出したろ紙を流水で洗いネズミ鋳鉄チップを取り除き、ろ紙をアセトン浴で洗浄した。ろ紙を乾燥後直ちに、ろ紙の染みの程度を目視で評価した。評価は、下記表3に従い行った。
【0069】
【表3】

【0070】
防錆力試験の結果を表4に示す。
【0071】
【表4】

【0072】
<抗菌性試験>
ミューラーヒントン寒天培地(酵母はペプトン・ブドウ糖寒天培地)平板上に、10個/mlに調整した菌液100μlを塗沫し、培地中央に10μlの金属加工油剤の30倍希釈溶液を含ませた直径8mmのペーパーディスクを置き、35℃で48時間培養した。培養後、ディスクの周囲に生じた阻止円(ハロー)の幅を測定し評価した。
【0073】
ハローが1mm以上のものを◎(抗菌性有り)、ハローが1mm以下のものを○(弱い抗菌性)、ディスク接触部分に菌の生育が無く、ハローが無いものを±(僅かな抗菌性)、及びディスク接触部分にも菌が生育しているものを×(抗菌性なし)とした。なお、実施例5においては、同様の抗菌性試験を行わなかったので、−(未測定)としたが、実施例5の金属加工油も実施例1〜4と同じくポリヘキサメチレンビグアニジンを含有するので、抗菌力を有すると考えられる。
【0074】
試験結果を表4及び図1に示す。
【0075】
〈結果と考察〉
表4から明らかな通り、(A)成分及び炭素数8の脂肪酸(カプリル酸)の塩を含有する比較例1は、摩擦係数が高かった。
【0076】
殺菌剤である四級アンモニウム塩と炭素数8の脂肪酸(カプリル酸)の塩を含有する比較例2(特許文献13)は、抗菌性のみが良好であり、泡立ちが高く摩擦係数も高かった。(B)成分及び(C)成分を含有するが、(A)成分を含有しない比較例3及び4は、摩擦係数が高く、抗菌性も無かった。
【0077】
炭素数8の脂肪酸(カプリル酸)及び界面活性剤であるリバースブロック型重合体(商品名「アデカプルロニック25R2」旭電化株式会社製)を含有した比較例5(特許文献14)は、摩擦係数及び泡立ちは低いが、抗菌性はなかった。比較例5の組成物にさらにトリアルキルアミンを加えた比較例6は、弱い抗菌性が認められるものの、摩擦係数が高かった。
【0078】
これに対して、本発明の(A)〜(C)成分を配合した実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例5は、摩擦係数及び泡立ちの点で極めて良好な結果を得た。また、実施例1〜4は、抗菌性の点でも極めて良好な結果が得られた。さらに、(A)成分としてポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩を使用した実施例5においては、摩擦係数及び泡立ちの点で優れているのみならず、防錆力の点でも極めて良好な結果を得た。
【0079】
特に実施例1〜5は、比較例1に比して、摩擦係数が顕著に低かった。即ち、(A)成分と(B)成分の両者を含有することにより、(A)成分と炭素数8の脂肪酸塩とを含有する場合(比較例1)に比して、摩擦係数が著しく低下するという驚くべき特性を示すことが分かる。
【0080】
実施例1〜4の金属加工油剤は、(A)〜(C)成分という特定の成分を含有することにより、抗菌性を有するのみならず、摩擦係数が非常に低く、さらには泡立ちも低いという優れた特性を有する。また、ポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩を使用した実施例5の金属加工油は、摩擦係数及び泡立ちの点で優れるだけでなく、防錆力の点でも優れた特性を有する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の金属加工油剤は、潤滑性に著しく優れ、シリコーン系の消泡剤等を使用しなくても泡立ちが低く、さらには抗菌性をも兼ね備えており、長期間の繰り返し使用にも耐えることができるため経済的であり、切削油剤及び研削油剤として極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】前記潤滑性試験及び泡立ち試験の結果を示すグラフである。(摩擦係数の誤差範囲は平均値±標準偏差×2(95%信頼区間)とし、摩擦係数平均値を■で表し、誤差範囲は±標準偏差×2とした。泡立ちの試験結果を○で表わす)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリヘキサメチレンビグアニジン塩、
(B)(B−1)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2)水酸基を有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3)ステアリン酸及びイソステアリン酸から選ばれる脂肪酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種、
(C)塩基性物質、及び
(D)水
を含有することを特徴とする水溶性金属加工油剤。
【請求項2】
金属加工油剤全量に対して、
(A)成分を0.1〜2.5重量%、
(B)成分を2〜20重量%、
(C)成分を上記(B)成分1モルに対して0.95当量以上、及び
(D)水を40〜85重量%
含有する請求項1に記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項3】
金属加工油剤全量に対して、
(A)成分を0.3〜2.2重量%、
(B)成分を5〜15重量%、
(C)成分を上記(B)成分1モルに対して0.95〜2.1当量、及び
(D)水を50〜80重量%
含有する請求項1に記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項4】
(B)成分が、
(B−1a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸の縮合エステル、
(B−2a)水酸基を1個有する炭素数18の脂肪酸、及び
(B−3a)ステアリン酸
からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項5】
(B)成分がステアリン酸又はリシノレイン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項6】
(B)成分がリシノレイン酸縮合エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項7】
(B)成分がリシノレイン酸及びリシノレイン酸縮合エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項8】
(C)成分がモノ(C−Cアルカノール)アミン、トリ(C−Cアルカノール)アミン及びアルカリ金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項9】
(A)成分がポリヘキサメチレンビグアニジンの無機酸塩である請求項1〜8のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項10】
(A)成分がポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン燐酸塩及びポリヘキサメチレンビグアニジン硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜9のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項11】
容量比で5〜100倍の水で希釈した、請求項1〜10のいずれかに記載の水溶性金属加工油剤。
【請求項12】
切削油剤又は研削油剤である請求項1〜11のいずれかに記載の金属加工油剤。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2008−291211(P2008−291211A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38416(P2008−38416)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(592129305)三彩化工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】