説明

金属射出成形機における離型剤の塗布方法

【課題】肉厚の薄い金属成形品、溶湯の流動方向に対して全長の長い金属成形品、等のような特殊の形状をした金属成形品も得ることのできるキャビティの末端部まで離型剤を塗布することのできる塗布方法を提供する。
【解決手段】可動側金型(10)を固定側金型(2)に対して型締めすると共に、射出ノズル(N)の固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で射出ノズル(N)を固定側金型(2)の射出孔に圧接して、離型剤を所定の圧力で塗布する。このとき、必要に応じてキャビティ(7)の一方の端部を開放あるいは端部から排気する。離型剤は、圧縮ガスと混合してミストとして塗布する。また、離型剤に加える圧力とキャビティの内圧との圧力差および圧縮ガスの圧力とキャビティの内圧との圧力差を一定に保って塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーテイング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する金属射出成形機における離型剤の塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の低融点金属材料から金属製品を得る成形方法の1つにチキソモールド法が知られている。この方法は、合金原料を固液共存状態で撹拌すると、樹枝状結晶すなわちデンドライドの形成が抑制され、破壊された微細な粒状の固体と液体とが共存した状態であるスラリー状物質が得られるが、このような固液共存状態であるスラリー状物質を短時間に金型内に射出して凝固させ、固体がほぼ均一に分布した合金組織の金属成形品を得る方法である。この方法により金属成形品は、凝固による収縮率が小さく、またミクロシュリンケージすなわち収縮孔およびガスの巻き込みによる空隙孔が少ないため、寸法精度、機械的性質共に良好な性質を示す。このようなスラリー状物質の性質を利用した金属成形品の製造法には、射出成形機も使用される。射出成形機は、概略的には加熱シリンダと、この加熱シリンダ内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとから構成されている。加熱シリンダの前方には、コールドプラグで「栓」をするようになっているオープンタイプの射出ノズルあるいはシャットオフ弁が設けられている射出ノズルが取り付けられている。
【0003】
一方、金属成形品の他の製造方法にホットチャンバ方式のダイカスト方法が知られている。このダイカスト方法の実施に使用されるダイカストマシンは、固定側型盤に取り付けられている固定側金型、この固定金型と対をなす可動側金型、固定側型盤に圧接されるようになっている射出ノズル等から構成されている。射出ノズルはスリーブ、このスリーブ内に軸方向に駆動可能に設けられているプランジャからなっている。スリーブには、溶湯供給口が設けられている。また、固定側金型と可動側金型との間のパーテイングラインには金属成形品を成形するためのキャビティが形成されている。したがって、可動側金型を固定側金型に対して型締し、溶湯供給口から、るつぼの溶湯を所定量だけスリーブ内へ供給し、そうして射出ノズルを金型に圧接して、プランジャを駆動すると、溶湯はキャビテへ射出される。射出充填された溶湯の冷却固化を待って可動金型を開くと、エジェクタピンが突き出て金属成形品が得られる。
【0004】
上記のように成形金型のキャビティに溶融金属を射出充填して、金属成形品を得るときには、金属成形品の金型からの取り出しを容易にするために、あるいは金属溶湯が直接キャビティの表面に触れるのを避けるために、キャビティの表面に液体あるいは粉体の離型剤を塗布することが行われている。このような離型剤は、可動型を固定型から開き、そして離型剤原液を水で希釈した水溶性離型剤をスプレー装置により、金型のキャビティ表面に直接噴霧あるいは塗布することも行われている。しかしながら、この原理的な塗布方法は水溶性離型剤を塗布するので、水による金型温度の低下、水溶性離型剤の飛散による成形品の品質の低下、作業環境の悪化、等の問題が指摘されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−127150号公報
【特許文献2】特開2001−113352
【特許文献3】特開2004−167537
【特許文献4】特開平7−323360号公報 そこで、金型を閉じた状態で塗布する塗布方法が特許文献1〜4により提案されている。すなわち、特許文献1〜3には型閉じしてキャビティ内を減圧して塗布する方法が、また特許文献4には型閉じしてキャビティ内へ圧送する塗布方法が示されている。さらに詳しく説明すると、特許文献1に示されている離型剤塗布方法は、コールドチャンバ方式のダイカストに適用されるもので、成形金型を閉じ、金型のキャビティ内を吸引装置により減圧状態にした後に射出スリーブの給湯口から離型剤を塗布するようになっている。また、特許文献2には、固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーテイング面側にはスプル孔、ランナ溝、ゲート孔、キャビティ等が形成され、そして前記スプル孔に連通するコールドプラグキャッチャーが形成されている金型に、離型剤を塗布するとき、キャビティ側からスプル孔、ランナ溝、ゲート孔、キャビティ等の内部を減圧して、コールドプラグキャッチャー側からキャビティに向けて圧縮空気により離型剤を供給する方法が開示されている。
【0006】
特許文献3には、鋳造品を金型から突き出す突出ピンと、離型剤供給装置とを備えたダイカストマシンが示されている。このダイカストマシンの突出ピンには粉体離型剤をキャビティに供給する供給路が形成されている。そして、粉体離型剤を塗布するときは突出ピンを突き出して溶湯路を遮断し、キャビティ内を減圧するときに、排気気流に乗せて塗布するようになっている。また、特許文献4には、射出スリーブと離型剤供給装置とを備えたダイカストの離型剤塗布装置が示されている。この射出スリーブと離型剤供給装置との間には、湯路開閉部材が設けられ、離型剤を塗布するときは射出スリーブ側を閉鎖し、溶湯を射出するときは離型剤供給側を閉鎖するようになっている。そして、離型剤はポンプによりキャビティに注入されるようになっている。注入するときキャビティ内の空気は、注入される離型剤により排気される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜4に記載の離型剤の塗布方法は、いずれの塗布方法も型閉じしてから塗布するようになっているので、金型外部への離型剤の飛散が無く、また余分な離型剤は吸引装置あるいは離型剤排出路により回収することができるので、作業環境の悪化を抑え、離型剤の塗布による金型温度の低下も最小限に抑えることができる等の利点はある。特に、特許文献2に記載の塗布方法によると、離型剤はキャビティ側からスプル孔、ランナ溝、ゲート孔、キャビティ等の内部を減圧して、凹部側からキャビティに向けて塗布するようになっているので、射出ノズルを、離型剤を塗布する毎に移動させる必要がなく、したがって成形サイクルが長くなることがなく、生産性が落ちることもない。また、射出ノズルをショット毎に移動させる必用がないので、動力費が嵩むようなこともない、という優れた利点が認められる。
【0008】
しかしながら、従来の離型剤の塗布方法には問題点あるいは改良すべき点も認められる。例えば特許文献1に記載の塗布方法によると、吸引装置により減圧するときに、射出装置の構造上、給湯口あるいは射出プランジャと射出スリーブの摺動面の隙間から外気が侵入し、高い減圧度が得られないことが予想される。その結果、肉厚の薄い金属成形品、溶湯の流動方向に対して全長の長い金属成形品、等を成形するとき、キャビティ内を流れる離型剤の圧力損失が大きく、キャビティの末端部まで充分な離型剤を塗布することができない場合が生じる。特許文献2に記載されている発明によると、上記したように数々の特徴が得られるが、射出ノズルを固定側金型に押し付ける接触圧力に関して格別の対策が採られていないので、キャビティ内を減圧するときに外気が侵入し所定の減圧度が得られない恐れがある。また、離型剤を圧縮空気により供給するとき、高い圧力で供給できないので、狭いキャビティあるいは流動長の長いキャビティの隅々まで充分に塗布されないこともあり得る。
【0009】
特許文献3に示されている塗布装置によると、減圧するときは、射出装置あるいは射出ノズル側を押出ピンすなわち遮蔽機構で閉鎖し、溶湯金属を射出するときは開くようになっている。これにより、所望の真空度は得られるが、金型構造が複雑になり、遮蔽機構部分のメンテナンスの頻度が増加する、開閉操作を必要とし成形サイクルが長くなる、等の問題がある。特許文献4に開示されている塗布装置は、射出スリーブと離型剤供給装置との間に湯路開閉部材が設けられ、離型剤を塗布するときは射出スリーブ側を閉鎖し、溶湯を射出するときは離型剤供給側を閉鎖するようになっているので、一応所望の真空度は得られるが、湯路開閉部材が設けられているので、上記特許文献3に記載の発明と同様な問題点がある。
【0010】
以上のように、従来の離型剤塗布方法あるいは金型装置では、キャビティ内の圧力を所望の圧力に保持することができなので、肉厚の薄い金属成形品、溶湯の流動方向に対して全長の長い金属成形品、等は成形できない恐れがある。また、所望の圧力値に保持できる構造のものは湯路開閉部材が設けられ、金型構造が複雑になり、メンテナンスの頻度が増加する、開閉操作を必要とし成形サイクルが長くなる、等の問題がある
本発明は、上記したような従来の問題点あるいは欠点を解消した金属射出成形機における離型剤の塗布方法を提供しようとするもので、具体的には肉厚の薄い金属成形品、溶湯の流動方向に対して全長の長い金属成形品、等のような特殊の形状をした金属成形品を得るためのキャビティの末端部まで充分に離型剤を塗布することのできる金属射出成形機における離型剤の塗布方法を提供することを目的としている。また、金型構造が単純で、メンテナンスも格別に必要とせず、しかも射出ノズルあるいは該射出ノズルが当接される固定側金型を傷めることもない、金属射出成形機における離型剤の塗布方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、可動側金型を固定側金型に対して型締めすると、これらの金型のパーテイングライン面は実質的に密閉される。しかしながら、射出ノズルが固定側金型に形成されているスプル孔あるいは固定側金型に取り付けられているロケートリングに当接される部分に隙間が生じる可能性がある。すなわち、当接力あるいはタッチ力が小さく密着度が小さいときは、射出ノズルの当接部分から、キャビティ内を減圧するときは外気が侵入し、加圧するときは逃げることになる。したがって、キャビティ内を所定の圧力に保つことができず、充分な離型剤の塗布ができない。このような漏れは、当接力を大きくすると防ぐことができるが、大き過ぎると、射出ノズルあるいは該射出ノズルが当接する固定側金型を損傷する。
【0012】
本発明は、射出ノズルの固定側金型に対する密着度を、射出ノズルあるいは該射出ノズルが当接される固定側金型を損傷することなく、所定値に保つように構成して上記目的を達成するものである。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、離型剤を所定の圧力で塗布するように構成される。請求項2に記載の発明は、固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、前記キャビティの一方の端部を開放あるいは端部から排気し、他方の端部から離型剤を圧送塗布するように構成される。請求項3に記載の発明は、固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接し、圧接後、前記キャビティの一方の端部を開放あるいは端部から排気し、他方の端部から離型剤を圧送塗布し、その後、前記キャビティの一方の端部を閉鎖あるいは端部からの排気を止めて、前記キャビティの内圧が所定圧になるまで再度離型剤を圧送塗布するように構成される。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の塗布方法において、離型剤を圧送塗布後に、前記キャビティの内圧が所定圧になるまで減圧するように、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の塗布方法において、離型剤に圧縮ガスを混合してミストとして塗布するとうに、そして請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の塗布方法において、離型剤に加えられる圧力と圧縮ガスの圧力とを調整して、離型剤に加えられる圧力とキャビティの内圧との圧力差および圧縮ガスの圧力とキャビティの内圧との圧力差を一定に保って塗布するように構成される。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によると、可動側金型を固定側金型に対して型締めすると共に、射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、離型剤を所定の圧力で塗布するように構成されているので、厚の薄い金属成形品、溶湯の流動方向に対して全長の長い金属成形品、等を成形するための特殊な形状のキャビティも、離型剤を外部へ漏らすことなく、あるいは外気を侵入させることなく、充分且つ均一等に塗布することができるという、本発明に特有の効果が得られる。また、本発明によると、射出ノズルは必要にして充分な当接力で固定側金型の射出孔に当接されるので、射出ノズルあるいは固定側金型の射出孔を徒に傷めるようなこともない。さらには、射出ノズルを固定側金型の射出孔に所定の圧力で当接するだけで、所定の密着度が得られ、密着機構を格別に必要としないので、本方法の発明を実施するための金型の構造が簡単になる効果も得られる。また、請求項2あるいは3に記載の発明によると、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、前記キャビティの一方の端部を開放あるいは端部から排気し、他方の端部から離型剤を圧送塗布するので、あるいは圧送塗布後にキャビティの一方の端部を閉鎖あるいは端部からの排気を止めて、前記キャビティの内圧が所定圧になるまで再度離型剤を圧送塗布するので、離型剤をキャビティの末端部までより一層均一に且つ充分に塗布することができる。請求項4に記載の発明によると、圧送塗布後にキャビティの内圧が所定圧になるまで減圧するように構成されているので、溶湯金属を狭いキャビティあるいは流動長の長いキャビティの末端部まで充填することができる効果がさらに得られる。また、請求項5に記載の発明によると、離型剤をミストとして塗布するので、キャビティの末端部まで塗布することができ、請求項6に記載の発明によると、離型剤に加えられる圧力と圧縮ガスの圧力とを調整して、離型剤に加えられる圧力とキャビティの内圧との圧力差および圧縮ガスの圧力とキャビティの内圧との圧力差を一定に保って塗布するように構成されているので、上記のような効果に加えて、離型剤の塗布が安定する効果がさらに得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明における金属原料とは、融点が700゜C以下の金属元素単体もしくはこれらの金属を基にした合金を称する。実際的な例としては例えばアルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、等を挙げることできるが、特にアルミニウム、マグネシウム、鉛、亜鉛、ビスマス、錫の単体およびこれらの金属を基にした合金が望ましい。これらの金属原料は、いずれも加熱シリンダ内で外部から加える熱で溶融し、そして金型の製品洞へ射出して成形できる金属元素あるいは合金である。銅の融点は1085゜Cで700゜Cよりもはるかに高いが、銅合金は例えばろう付け用の銅合金の融点は、700゜C以下であり、本発明は銅合金も金属原料の対象としている。さらには、本発明は、Al、SiCのようなセラミック粒子あるいはセラミック繊維を同時に添加して、金属基複合材を成形する材料も発明の対象としている。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係わる金属射出成形用金型1を閉じた状態で示す断面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係わる金属射出成形用金型1は、概略的には固定側型盤3に取り付けられている固定側金型2と、可動側型盤12に取り付けられ、型開き方向と型閉じ方向とに駆動される可動側金型10とから構成されている。そして、図示の実施の形態では可動側金型10の方に、離型剤供給路20と排気路30とが設けられている。
【0016】
固定側金型2には、この固定側金型2を横切る形で、従来周知のテーパ状のスプル孔4が形成されている。そして、このスプル4に連通して、固定側金型2と可動側金型10のパーテイング面Pに沿ってランナ溝5、ゲート孔6および金属成形品を成形するためのキャビティ7が形成されている。また、ゲート孔6の反対側のキャビティ7の端部には、比較的小容積の排気孔8が形成されている。このように構成されている固定側金型2のスプル孔4に、そのオープンタイプの射出ノズルNが当接可能な状態で、射出ユニットSUが軸方向に移動可能に設けられている。
【0017】
射出ユニットSUは、従来周知のように、加熱シリンダC、この加熱シリンダCの先方に取り付けられている射出ノズルN、加熱シリンダCの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュS、このスクリュSを駆動する駆動装置等からなっている。このように構成されている射出ユニットSUは、油圧ピストン・シリンダユニット40に作動油を給排することにより固定側金型2のスプル孔4の始端部あるいは図1には示されていないがロケートリングに当接および離間される。さらに詳しく説明すると、油圧ピストン・シリンダユニット40は、架台等に固定的に設けられているシリンダ41と、このシリンダ41内に往復動自在に設けられているピストン42とからなり、そのピストンロッド43が射出ユニットSUの駆動部材Kに接続されている。油圧ピストン・シリンダユニット40に作動油を給排する油圧回路は、A、BおよびCポジションをとることができるセンタブロック型の方向切替弁44を備えている。このセンタブロック型の方向切替弁44の出口ポートには、シリンダ41のピストンロッド室46に連なった第1の油路47と、ピストンヘッド室48に連なった第2の油路49とが接続されている。第1の油路47には可変式圧力調整装置50が介装され、所定圧力の作動油がピストンロッド室46に供給されるようになっている。これにより、射出ノズルNは所定の圧力でスプル孔4に押し付けられ、所定の密閉度が得られる。第1の油路47には圧力センサ51も取り付けられ、この圧力センサ51で計測される作動油の圧力は、信号ラインaにより制御装置に入力されるようになっている。また、上記可変式圧力調整装置50は信号ラインbにより制御装置に接続され、その吐出側の圧力が制御されるようになっている。方向切替弁44の他のポートには、油圧ポンプ52に連なった作動油供給路53が接続されている。
【0018】
固定側金型2と略同じ大きさの可動側金型10には、固定側金型2のスプル孔4に対応して所定深さ、所定大きさのコールドプラグキャッチャ13がパーテイング面Pに略直角に設けられている。可動側金型10のパーテイング面Pには、所定大きさで、所定深さの複数個の凹部が形成され、これらの凹部と固定側金型2のパーテイング面Pとにより、前述したようにランナ溝5、ゲート孔6、キャビティ7、排気孔8等が形成されている。なお、キャビティ7の底部には、この底部を貫通する形で複数個の透孔が明けられ、これらの透孔にエジェクタピンが突き出し自在に設けられているが、図1には示されていない。
【0019】
可動側金型10に形成されている離型剤供給路20は、本実施の形態では第1の供給通路21と、この第1の供給通路21から分岐し、可動側金型10の側部に開口している第2の供給通路22とからなっている。そして、第1の供給通路21の一方の端部は、コールドプラグキャッチャー13の底部に開口し、他端部は可動側金型10の、図1において左側の背部に開口している。この第1の供給通路21には、可動側金型10に取り付けられている第1の油圧ピストン・シリンダユニット24で軸方向に駆動されるシャットオフピン23が設けられている。したがって、シャットオフピン23が、図2の(ハ)に示されている第1の退避位置へ駆動されている状態では、コールドプラグキャッチャー13と第2の供給通路22は、第1の供給通路21を介して連通し、第1の油圧ピストン・シリンダユニット24によりシャットオフピン23が、その先端部がコールドプラグキャッチャー13の底部に達するように第2の位置へ駆動されると、遮断されることになる。可動側金型10の側部には、第2の供給通路22に対応してコネクタ等が取り付けられ、このコネクタにセラミックス等の断熱パイプを介して可撓性のホース25が接続されている。そして、このホース25に離型剤供給装置60が接続されている。
【0020】
排気路30も可動側金型10の方に形成され、第1の排気通路31と、この第1の排気通路31から分岐し、可動側金型10の側部すなわち図1において上方部に開口している第2の排気通路32とからなっている。そして、第1の排気通路31の一方の端部は、排気孔8の底部に開口し、他端部は可動側金型10の、図1において左側の背部に開口している。この第1の排気通路31には、第2の油圧ピストン・シリンダユニット34で軸方向に駆動されるシャットオフピン33が設けられている。したがって、シャットオフピン33が、図2の(ハ)に示されている第1の退避位置へ駆動されると、排気孔8と第2の排気通路32は、第1の排気通路31を介して連通し、第2の油圧ピストン・シリンダユニット34によりシャットオフピン33が、その先端部が排気孔8の底部に達するように第2の位置へ駆動されると、遮断されることになる。第2の排気通路32には、可動側金型10の外部においてコネクタにより可撓性のホース35が接続されている。この可撓性のホース35には、あるいはホース35に接続されている排気管には空気吸引装置36とミストセパレータ37とが設けられ、そして大気へ開放されている。
【0021】
離型剤塗布装置60は、図2に示されているように、コンプレッサ61、圧縮ガスタンク62、離型剤タンク63、演算装置64等からなっている。コンプレッサ61からは圧縮ガス供給管65が延びている。圧縮ガス供給管65は、固定式圧力調整装置66が介装されて圧縮ガスタンク62に接続され、この圧縮ガス供給管65は、さらに分岐して可変式圧力調整装置67、68を介してと圧縮ガスタンク62と離型剤タンク63の頂部にそれぞれ接続されている。圧縮ガスタンク62の下部からは、電磁開閉弁71が介装されたガス供給管70がスプレーノズル72の一方の入口ポートまで延び、また離型剤タンク63の下部からは、同様に電磁開閉弁74が介装された離型剤供給管73がスプレーノズル72の他方の入口ポートまで延びている。スプレーノズル72は、ガス例えば空気と離型剤とを混合して離型剤をミスト状に加工するもので、このスプレーノズル72の出口ポートは、ミスト供給管75を介して、前述した可撓性のホース25に接続されている。
【0022】
演算装置64と可変式圧力調整装置67、68とは信号ラインd、cでそれぞれ接続され、これらの可変式圧力調整装置67、68は演算装置64からの演算信号に基づいて制御される。これにより、一定のミスト流量が得られる。また、図1、2には示されていないが、キャビティ7には圧力センサが設けられ、この圧力センサで測定されるキャビティ7内の圧力は信号ラインeにより演算装置64に入力されるようになっている。ミスト供給管75には圧力センサ77が取り付けられ、この圧力センサ77で計測されるミストの圧力は、信号ラインfにより演算装置64に入力されるようになっている。
【0023】
次に、上記実施の形態に係わる金属射出成形用金型1を使用した成形例を、図3も参照しながら説明する。なお、本実施の形態に係わる金属射出成形用金型1は、制御装置を備え、自動的に成形することができるが、以下説明を簡単にするために主として手動的に操作する例について説明する。
例えば準備工程として、射出ノズルNの押付力あるいは当接力とキャビティ7の密閉度の関係を調べておく。すなわち、可動側金型10を固定側金型2に対して型締めする。この型締めによりパーテイング面Pは、金型の構造上実質的に気密になる。方向切替弁44をCポジションにして、作動油をピストンロッド室46に供給する。そうすると、射出ユニットSUは、図1において左方へ駆動され,その射出ノズルNがスプル孔4に押し付けられる、あるいは密着される。このときの押付力あるいは当接力は、ピストンロッド室46に供給する作動油の圧力値で決まる。キャビティ7に加圧空気を供給し、あるいは減圧して、空気が漏れるときの圧力値と射出ノズルNの当接力との関係を得る。適宜当接力を変え、空気が漏れるときの圧力値を得る。これにより、所望の減圧度あるいは加圧値を得るときの当接力あるいは押付力、換言するとピストンロッド室46に供給する作動油の圧力を知ることができる。なお、上記のようにして当接力と作動油の圧力との関係を得るとき、射出ノズルNがオープンタイプのときはコールドプラグにより、シャットオフ弁が設けられているときは、この弁によりノズル孔を塞いでおく。
【0024】
(A)図1には型締装置は示されていないが、可動側金型10を固定側金型2に対して型締めする。
(B)油圧ピストン・シリンダユニット40に供給する作動油の圧力値は、制御装置に設定されており、その設定値が制御装置から可変式圧力調整装置50に出力される。これにより、射出ノズルNは、所定の圧力でスプル孔4に当接され、所定の密着度が得られる。例えば、肉厚が2.0mm以下の薄肉製品、溶湯の流れ方向に対する製品の全長Lと肉厚tの比がL/t≧100の製品、等を成形する場合、望ましくは必要とされる最大真空度200Torrおよび最大加圧値0.5MPaに耐える密着度が得られる。このように、射出ノズルNが圧接された状態が、図3の(ロ)に示されている。
(C)第1、2の油圧ピストン・シリンダユニット24、34によりシャットオフピン23、33を図3の(ハ)に示されているように第1の退避位置へ駆動する。これにより、離型剤を塗布できる状態になる。離型剤供給装置60の電磁開閉弁71、74を開く。そうすると、圧縮ガスタンク62から高圧ガスがスプレーノズル72に供給される。また、離型剤タンク63から離型剤が、スプレーノズル72に供給される。このスプレーノズル72により離型剤はミストとなって、離型剤供給路20からコールドプラグキャッチャー、スプル孔4、ランナ溝5、ゲート孔6、キャビティ7等に向けて圧送される。このとき、空気吸引装置36によりキャビティ7等の内部ガスはミストセパレータ37を介して大気中へ排気される。ミスト状の離型剤は、ホース25、第2の供給通路22、第1の供給通路21を通って、コールドプラグキャッチャー13、スプル孔4、ランナ溝5、キャビティ7、排気孔8等の表面に付着する。所定量あるいは所定時間塗布して離型剤の塗布を終わる。このようにして離型剤を塗布するとき、離型剤タンク63に加えられる圧力と圧縮ガスタンク62の圧力は、可変式圧力調整装置68、67により調整される。すなわち、離型剤に加えられる圧力とキャビティ7の内圧との圧力差および圧縮ガスの圧力とキャビティ7の内圧との圧力差が一定になるように演算装置64で演算され、そして可変式圧力調整装置68、67に出力される。これにより、ミストの流量は一定になる。
【0025】
射出ユニットSUにより金属原料を計量する。上記のように型締めされ、そして射出ノズルNの先端部にコールドプラグCPが形成され、加熱シリンダCの計量室には溶融金属材料YKが所定量計量されている状態は、図3の(ハ)に示されている。
【0026】
(D)第1の油圧ピストン・シリンダユニット24によりシャットオフピン23を離型剤供給路20を閉じる第2の位置へ駆動する。空気吸引装置36は作動を続ける。これにより、キャビティ7内等は減圧される。一定時間あるいはキャビティ7内の圧力が設定圧力になるまで減圧する。減圧している状態が、図3の(ニ)に示されている。減圧後、第2の油圧ピストン・シリンダユニット34によりシャットオフピン33を、その先端部が排気孔8の底部に達する第2の位置へ駆動する。これにより、第1の供給通路21と、第1の排気路31は閉鎖され、射出可能な状態になる。この状態は図3の(ホ)に示されている。
【0027】
(E)射出ユニットSUのスクリュSを軸方向に駆動して計量された溶融金属材料YKを射出する。コールドプラグCPは、コールドプラグキャッチャー13で受けられ、溶融金属材料YKはスプル孔4、ランナ溝5およびゲート孔6を通ってキャビティ7に充填される。余剰の溶融金属材料YKは、排気孔8に達する。充填が終わった状態も、図3の(ホ)に示されている。従来のように保圧工程を実施する。充填された溶融金属材料YKの冷却固化時間が過ぎると、あるいは射出・保圧後にスクリュが回転駆動して計量が終了すると、可動側金型10を開く。エジェクタピンが可動側金型10から突き出て、金属成形品KSが、スプル、ランナ、オーバーフロー等と共に突き出される。金属成形品KSが取り出されていいる状態が、図3の(ハ)に示されている。
【0028】
金属成形品を取り出したら、第1、2の油圧ピストン・シリンダユニット24、34によりシャットオフピン23、33を第1の退避位置へ駆動する。そうして、前述したようにキャビティ7等を減圧して、離型剤を所定時間塗布する。これにより、次の成形サイクルへ移行する準備が完了する。以下同様にして成形する。
【0029】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、ミスト状の離型剤を圧送するときは、空気吸引装置36によりキャビティ7等を減圧するように説明したが、空気吸引装置36に代えて単なる開閉弁を設け、離型剤を塗布するときは開閉弁を開くことにより、圧送するミスト状の離型剤により、キャビティ7等の内部空気を排気するように実施することもできる。また、離型剤はキャビティ等を減圧しながら供給あるいは塗布する旨説明したが、ある程度減圧して塗布した後に、排気通路30を閉じ、そして再び高い圧力でキャビティ等の隅々まで塗布することもできる。また、離型剤は空気でミスト化される旨説明されているが、溶融金属の酸化を防止するために不活性ガスが適用できることは明らかである。金属成形品用金型に装置に関しては、離型剤供給路20あるいは排気通路30は、固定側金型2の方に設けて実施することもできる。さらには、シャットオフ弁が設けられているタイプの射出ノズルでも同様に実施できることは明らかである。また、射出ユニットSUに代えてホットチャンバー式ダイカストでも同様に実施できることも明らかである。第1、2の油圧ピストン・シリンダユニット24、34は、油圧に代えて空気圧でも実施できる。また、第1の供給通路21および第1の排気路31を開閉する弁機構がシャットオフピン23、24に限定されないことも明らかである。図1に示されている実施の形態では、射出ユニットSUは、油圧ピストン・シリンダユニット40で駆動されるようになっているが、サーボ電動モータでも実施できる。このときの、射出ノズルの当接力は、電流値で調整される。さらには、射出ユニットSUを駆動する部材に圧力計あるいは歪み計を介在させ、これらの計器が所定値を示すように、当接力あるいは押付力を調整できることも明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施に使用される金属射出成形用金型を示す断面図である。
【図2】本発明の実施に使用される離型剤供給装置を模式的に示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる金属射出成形用金型を使用した塗布工程示す図で、その(イ)は可動金型を閉じた状態を、その(ロ)は射出ノズルを固定側金型に当接させた状態を、その(ハ)は離型剤を塗布している状態を、その(ニ)は射出ができる状態を、その(ホ)射出充填が終わった可状態を、そしてその(ヘ)は金属成形品を取り出している状態を、それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 金属射出成形用金型 2 固定側金型
7 キャビティ 10 可動側金型
20 離型剤供給路 30 排気路
36 空気吸引装置 60 離型剤供給装置 62 圧縮ガスタンク 63 離型剤タンク 72 スプレーノズル
N 射出ノズル CP コールドプラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、
前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、離型剤を所定の圧力で塗布する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。
【請求項2】
固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、
前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接して、前記キャビティの一方の端部を開放あるいは端部から排気し、他方の端部から離型剤を圧送塗布する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。
【請求項3】
固定側金型と、可動側金型とからなり、これらの金型のパーティング面側にはキャビティが形成され、前記可動側金型が前記固定側金型に対して型締めされ、そして溶融金属を射出ノズルからスプル孔、ランナ溝、ゲート孔等の充填孔を介して前記キャビティに射出充填すると、金属成形品が得られるようになっている、前記金型の充填孔およびキャビティの表面に、射出充填前に離型剤を塗布する方法であって、
前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすると共に、前記射出ノズルの前記固定側金型の射出孔に対する当接力と密閉度との関係を調べておき、所定の密閉度を得る当接力で前記射出ノズルを前記固定側金型の射出孔に圧接し、
圧接後、前記キャビティの一方の端部を開放あるいは端部から排気し、他方の端部から離型剤を圧送塗布し、
その後、前記キャビティの一方の端部を閉鎖あるいは端部からの排気を止めて、前記キャビティの内圧が所定圧になるまで再度離型剤を圧送塗布する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の塗布方法において、離型剤を圧送塗布後に、前記キャビティの内圧が所定圧になるまで減圧する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の塗布方法において、離型剤に圧縮ガスを混合してミストとして塗布する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。
【請求項6】
請求項5に記載の塗布方法において、離型剤に加えられる圧力と圧縮ガスの圧力とを調整して、離型剤に加えられる圧力とキャビティの内圧との圧力差および圧縮ガスの圧力とキャビティの内圧との圧力差を一定に保って塗布する、金属射出成形機における離型剤の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−159200(P2006−159200A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349256(P2004−349256)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】