説明

金属微粉末の製造方法

【課題】 安価で、かつ取扱いの容易なそれぞれの水溶性金属化合物を原料として、複雑な工程を経ずに、粒子形状が揃い、しかも粒径が均一な相当する金属微粉末を製造する方法を提供する。
【解決手段】 白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルの金属の水溶性化合物をpH4以下の水溶液にする金属化合物水溶液調製工程;周期律表2A元素金属水酸化物を混合してpH10以上にする反応工程;分別、乾燥する第1分離工程;不活性ガスあるいは水素ガス雰囲気下で、800℃以上でありかつ選ばれた前記金属のうち最も低い融点より100℃以上高くならない温度範囲で加熱する加熱処理工程;酸水溶液中に浸漬してpHを4以下に保持する酸処理工程;生成した金属粒子を分別、洗浄、乾燥する第2分離工程;の各工程を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属微粉末の製造方法、とりわけ電子工業で使用される導電性ペースト、粉末冶金材料などに好適な金属微粉末の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化に伴い、これらに使用される電子部品は益々小型化が要求され、なかでもセラミックを使用したインダクター、コンデンサーなどの機能部品は、多積層構造により小型化とともに特性の向上が図られるようになってきた。このような積層部品は、金属微粉末を有機バインダーを含む有機溶剤に分散させた導電性ペーストにして、セラミックスグリーンシート上に印刷し、積層、圧着及び切断する工程を経た後、焼成され、さらに外部電極を形成することにより製造される。
【0003】
金属粉末は、気相化学反応法、沈殿還元法、熱還元法など種々の方法で製造されるが、導電ペーストに用いられる金属粉末は、粒径が数ミクロン以下で、均一球状であると金属粒子がよく充填されて好ましい。
【0004】
例えば、白金を例に挙げれば、白金化合物を水溶液にしてヒドラジンなどで還元するとき、アンモニア化合物を添加して球形で、かつ粒度が均一な白金粉末とする方法〔特許文献1参照〕、さらに、白金化合物を水溶液にして、還元して得られた平均粒径が0.2〜3μmの球形白金粉末を、酸化雰囲気中で球形が変形しない範囲で熱処理する球形状白金粉末の製造方法〔特許文献2参照〕などが提案されている。しかし、これらの方法では白金化合物水溶液から還元されて析出するときに、粒子の粒度分布が広くなるといった問題があった。
【0005】
一方、粒度分布を狭くするための方策として、白金ブラックと、アルカリ塩またはアルカリ土類金属塩の塩とを湿式混合した後、乾燥、粉砕し、その粉砕体を焼成してガスを除去後希酸によって塩を溶解させて水洗除去し、これを乾燥させてPt粉末を得る方法。〔特許文献3参照〕、白金微粉末と炭酸カルシウム粉末とを混合し、加熱処理して炭酸カルシウム粉末を熱分解させて酸化カルシウムとし、この酸化カルシウム介在下で白金微粉末を粒成長させ、次いで水に接触させて酸化カルシウムを水酸化カルシウムに変化させ、しかる後に酸処理して水酸化カルシウムを水洗除去して白金粉末を製造する方法。〔特許文献4参照〕などの提案がされている。しかし、この方法では、白金の微粉末を出発原料としていることから操作上の扱い難さがあった。
【0006】
【特許文献1】特開平2−294416号公報
【特許文献2】特開平11−241103号公報
【特許文献3】特開平10−102103号公報
【特許文献4】特開平10−102104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルから選ばれる1種以上の金属微粉末の製造方法において、比較的安価で、かつ取扱いの容易なそれぞれの水溶性金属化合物を原料として、複雑な工程を経ずに、粒子形状が揃い、しかも粒径が均一な相当する金属微粉末を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成すべく請求項1に係る発明は、白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルから選ばれる1種以上の金属微粉末の製造方法であり、金属の水溶性化合物をpH4以下の水溶液にする金属化合物水溶液調製工程;pH4以下の水溶液に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムから選ばれる1種以上の周期律表2A元素金属〔以降、単に「2A金属」と記す〕水酸化物の粉体および/またはその水系スラリーを混合してpH10以上にする反応工程;反応工程終了後の不溶解固体を分別、乾燥する第1分離工程;分別した不溶解固体を、不活性ガスあるいは水素ガス雰囲気下で、800℃以上でありかつ選ばれた前記金属のうち最も低い融点より100℃以上高くならない温度範囲で加熱する加熱処理工程;加熱処理後の固体を、酸水溶液中に浸漬してpHを4以下に保持する酸処理工程;酸処理後における酸水溶液中の金属粒子を分別、洗浄、乾燥する第2分離工程;の各工程を含んでなっている。
【0009】
請求項2に係る金属微粉末の製造方法は、請求項1における反応工程において、さらに還元剤を加えて行うことにある。
【0010】
請求項3に係る金属微粉末の製造方法は、請求項2における還元剤が、ヒドラジン、ホルマリン、ブドウ糖、ハイドロキノン、塩化ヒドロキシルアンモニウムから選ばれる1種以上である
【0011】
請求項4に係る金属微粉末の製造方法は、請求項1の反応工程における2A金属水酸化物が、金属化合物の金属原子に対し2〜20倍当量過剰に加えられることにある。
請求項5に係る金属微粉末の製造方法は、金属が、白金、金からの1種以上であるとき、酸処理工程における酸水溶液が、塩酸、硝酸、酢酸から選ばれる1種以上である。
【0012】
請求項6に係る金属微粉末の製造方法は、金属微粉末の金属が、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルからの1種以上を含むとき、酸処理工程における酸水溶液は、酢酸である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルについて、安価で、取扱いの容易な原料から、複雑な工程を経ずに、粒子形状が揃い、しかも粒径が均一な金属微粉末を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明が対象とする金属微粉末は、白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルから選ばれる1種以上の金属である。
【0015】
本発明の金属微粉末の製造方法を実施する第1の工程は、金属化合物水溶液調製工程であり、それぞれ相当する金属化合物を水に溶解し、pH4以下とする。
【0016】
金属化合物の具体例を挙げれば、白金化合物として、ヘキサクロロ白金(IV)酸、テトラクロロ白金(II)酸、テトラアンミン白金(II)酸などがあり、金化合物として、塩化金(III)酸、テトラクロロ金(III)酸、テトラクロロ金(III)酸アンモニウムなどがあり、ロジウムの化合物として硝酸ロジウム(III)、ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウムなどがあり、パラジウムの化合物として硝酸パラジウム(II)、テトラアンミンパラジウム(II)硝酸塩などがあり、銀化合物として、硝酸銀などがあり、銅化合物として、硝酸銅、塩化銅などがあり、ニッケル化合物として、硝酸ニッケル、塩化ニッケルなどがある。
【0017】
金属化合物は、1種単独でもよく、または同じ金属からなる2種以上の金属化合物を組合せてもよい。また、白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルから選ばれる2種以上の金属についてそれらの金属化合物を組合せることにより、合金または金属混合物の金属微粉末とすることもできる。
【0018】
金属化合物は水に溶解しただけでpHが4以下となるものもあるが、必要により酸を加えてpHを4以下とする。このとき、使用される酸は、金属化合物の水への溶解性を高め、またはpHを4以下に調整できるものであればよく、塩酸、硝酸などの無機酸、酢酸、蟻酸などの有機酸である。硫酸を用いてもよいが、生成した金属微粒子の使用目的によっては硫黄原子が混入する可能性を極度に避けることがあるので、その面からは好ましくないことがある。
【0019】
次いで、反応工程で、上記のpH4以下とした金属化合物水溶液と、2A金属水酸化物を混合してpHを10以上にする。ここで2A金属水酸化物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムから選ばれる1種以上である。
【0020】
2A金属水酸化物は、粉体を使用して金属化合物水溶液に粉体のまま加えてもよく、あるいは粉体を予め水系スラリーとして加えてもよい。粉体は、一次粒子が2μm以下、好ましくは1μm以下のものを用いるのがよい。最も好ましい実施の形態は、一次粒子が1μm以下の粒子を水系スラリーとして、これをボールミル、ローラーミルなど機械的に粉砕、混練して粒子の会合を解いておくのがよい。また、このとき界面活性剤などを加えて粒子の分散を促進させることがあるが、本発明はこれらの粉砕処理について何ら限定をするものではない。
【0021】
金属化合物水溶液と2A金属水酸化物との混合方法は特に限定するものではないが、混合の仕方により最終的に製造される金属微粉末の粒子径中央値、粒子径分布が変ることがある。最も好ましい実施の形態は、金属化合物水溶液と2A金属水酸化物の水系スラリーをそれぞれ別個に準備し、金属化合物水溶液を攪拌しつつこの中に2A金属水酸化物の水系スラリーを徐々に注ぎ込むことである。この方法により、反応を円滑に進め、生成物の状態を均一にすることができる。反応は、室温で充分早く進行するが、必要により60℃程度にして反応の進行を促進してもよい。
【0022】
金属化合物水溶液と2A金属水酸化物を反応させるときの媒体となる水の量は、全体が攪拌できる程度であればよい。通常、混合した後の固体分が10〜30重量%となるようにする。従って、金属化合物水溶液、2A金属水酸化物の水系スラリーそれぞれに充分な水を入れておくのが好ましいが、必要により後でさらに追加的に加えてもよい。金属化合物と2A金属水酸化物との反応は、室温で混合することで速やかに進行するが、60℃程度に温度を高めても差し支えない。
【0023】
2A金属水酸化物は、金属化合物水溶液とが混合されたとき最終的にpHが10以上になる量あれよいが、好ましくは金属化合物の金属原子に対し2〜20倍当量、さらに好ましくは5〜10倍当量過剰とする。2A金属水酸化物の量は、最終的に製造される金属微粉末と関連して、2A金属水酸化物の量が大きくなるに従い最終的に生成される金属微粉末の粒子径が小さくなる。
【0024】
また、反応工程は、さらに還元剤を加えて行うことができる。還元剤は、後述の金属微粉末としたときに金属微粉末表面の純度を上げる上で有利である。還元剤の添加は、2A金属水酸化物を水系スラリーとしたときはその水系スラリー中に添加しておき、還元剤含有2A金属水酸化物水系スラリーとして金属化合物水溶液と混合するのが好ましい。あるいは、金属化合物水溶液と2A金属水酸化物を反応させた後で、混合液の中に添加する。還元剤を金属化合物水溶液に添加してもよいが、金、白金、銅では金属化合物の金属原子価を変えるなど、生成した金属微粒子の均一性を損なうことがある。
【0025】
ここで使用される還元剤は、特にpHが10以上で還元作用を示し、かつ水溶性のものがよく、好ましい具体例を挙げれば、ヒドラジン、ホルマリン、ブドウ糖、ハイドロキノン、塩化ヒドロキシルアンモニウムである。水硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなども効果はあるが、生成した金属微粒子の使用目的によっては硫黄原子が混入する可能性を極度に避けることがあるので、その面からは好ましくないことがある。添加された還元剤は、その一部が金属化合物と2A金属水酸化物との反応したときの生成物中に取り込まれるのみであるので、反応論的に過剰が用いられるのがよく、金属化合物を原子価0に還元するに要する理論量に対し2〜20倍当量程度とするのが好ましい。
【0026】
金属化合物水溶液と2A金属水酸化物が混合されpHが10以上になると、直ちに反応生成物が析出し、過剰量分の2A金属水酸化物が不溶解物のまま残り、従って反応工程が終わったとき、反応生成物と過剰量分の2A金属水酸化物が混合状態で媒体である水中にスラリー状になっている。
【0027】
次いで、第1分離工程で、反応工程終了後のスラリーから、不溶解固体を分別、乾燥する。分別は、通常ろ過で行われ、その後100〜150で乾燥して不溶解固体に付着した水分を除く。
【0028】
加熱処理工程は、乾燥された固体を、不活性ガスあるいは水素ガス雰囲気下で、800℃以上で、かつ選ばれた金属のうち最も低融点金属の融点より100℃以上高くならない温度で加熱する工程である。この加熱処理により、金属化合物と2A金属水酸化物との反応生成物は、熱分解して金属化合物由来の金属が原子価0の状態となる。一方、共存する2A金属水酸化物は熱分解して2A金属酸化物となる。形態的には、金属化合物由来の金属は原子価0の状態で半融状態となり凝集していくが、熱的に安定な固体である2A金属酸化物に囲まれて凝集が妨げられ、凝集金属の周囲を取囲むように2A金属酸化物が配置された状態になる。結果的に、2A金属酸化物の介在量により金属粒子径が決まることになる。すなわち、2A金属酸化物の介在量が相対的に多い程金属粒子の成長が阻害され、金属粒子径は小さくなる。従って、上記した2A金属水酸化物の過剰量は、この観点から決められるものである。
【0029】
また、金属粒子が自由に成長し得ない環境にすることで金属粒子径が均一に揃えられ、粒径分布の狭い金属粒子が得られることになる。この工程の雰囲気は、酸素が存在すると金属によっては酸化するので、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気、または水素など還元性ガス雰囲気とするのがよい。加熱処理時間は、金属の種類、2A金属水酸化物の量、加熱温度などにより異なり、一律に決めることができないが、通常30分〜2時間である。30分より短い時間では、充分に目的が達せられないことがある。2時間以上行うことは、金属微粒子生成において悪い影響を及ぼすことはないが、特別に利点もなく、経済的にみて不利になることがある。
【0030】
酸処理工程は、上記加熱処理が終った本発明の対象である金属微粒子と2A金属酸化物の混合物から、金属微粒子を残し、2A金属酸化物だけを溶解させる工程である。
【0031】
すなわち、加熱処理工程を終了した固体を、酸水溶液中に浸漬してpHを4以下に保持する。このとき使用される酸は、目的の金属微粒子は溶解せず、2A金属酸化物のみ水に溶解させることができるものであればよく、好ましい具体例を挙げれば、金属が、白金、金からの1種以上であるとき、塩酸、硝酸、酢酸から選ばれる1種以上であり、金属が、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルからの1種以上を含むとき、酢酸である。
【0032】
酸の量は、2A金属酸化物と反応するに充分な量であればよいが、実際上は酸が大過剰となる酸水溶液に浸漬し、pHが4以下に維持できるようにして行う。この工程は、2A金属酸化物の白色スラリーが溶解し、黒色の金属微粒子が沈降してくる外観を観察していけばよい。酸処理工程は、攪拌を行いつつ実施するのが好ましく、温度が室温〜60℃で、所要時間は、酸の量、温度などにより異なるが30分〜1時間程度である。
【0033】
最後に、第2分離工程において、酸処理工程で沈降した金属粒子を分別、洗浄、乾燥して金属微粉末を得る。
【実施例1】
【0034】
塩化白金酸水溶液(白金含有量;16.4重量%)276gを攪拌しつつ、この中に水酸化カルシウム(平均粒径;2μm)150gを脱イオン水750gに入れたスラリー〔特殊機化工業(株)製、「ホモミキサー−MARKII−20」(商品型番)を使用して製造〕を注ぎ入れ、pHが11となった。5%ヒドラジン水溶液300gを加え、20℃で10分間攪拌した。不溶解物をろ別し、水洗した。120℃で乾燥した後、窒素雰囲気下で1200℃で1時間熱処理した。次いで、1Lの脱イオン水に入れ、硝酸でpH1以下として、熱処理物が溶解し、代りに黒色沈降物が生成するまで充分時間を置いた。容器底に沈降した黒色粒子をろ別し、水洗、120℃で乾燥した。収量42g。
【0035】
同様にして、水酸化カルシウムの添加量、水酸化カルシウムの平均粒径、塩化白金酸水溶液と水酸化カルシウムスラリーの混合温度を変えて行った。表1にその条件を示し、図1〜7に得られた粒子のSEM写真を示す。
【0036】
【表1】

この結果から、白金に対する水酸化カルシウムの量は粒子の径に顕著に影響して、水酸化カルシウムを少なく用いると粒子は大きく、多く用いると粒子は小さくなる。また、本発明による方法ではいずれも粒径が揃って、粒子分布が狭いことがわかる。
【実施例2】
【0037】
硝酸銀30gを脱イオン水200gに溶解し、これを攪拌しつつこの中に水酸化カルシウム(平均粒径;2.2μm)150gを脱イオン水250gに入れたスラリー〔特殊機化工業(株)製、「ホモミキサー−MARKII−20」(商品型番)を使用して製造〕を注ぎ入れ、pHを11として、室温で10分間攪拌した。120℃で乾燥した後、窒素雰囲気下900℃で30分間熱処理した。次いで、50%酢酸水溶液1Lに入れ、pH4以下にして、熱処理物が溶解し、代りに沈降物が生成するまで充分時間を置いた。容器底に沈降した粒子をろ別し、水洗、120℃で乾燥して目的の銀粒子を得た。収量165g。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明による白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルの金属微粉末は、安価で、取扱いの容易な原料から、複雑な工程を経ずに、粒子形状が揃い、しかも粒径が均一に製造することができ、電子工業で使用される導電性ペースト、粉末冶金材料などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1で得られた白金粉末(No.1)のSEM写真である。
【図2】実施例1で得られた白金粉末(No.2)のSEM写真である。
【図3】実施例1で得られた白金粉末(No.3)のSEM写真である。
【図4】実施例1で得られた白金粉末(No.4)のSEM写真である。
【図5】実施例1で得られた白金粉末(No.5)のSEM写真である。
【図6】実施例1で得られた白金粉末(No.6)のSEM写真である。
【図7】実施例1で得られた白金粉末(No.7)のSEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白金、金、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルから選ばれる1種以上の金属微粉末の製造方法であり、
前記金属の水溶性化合物をpH4以下の水溶液にする金属化合物水溶液調製工程;
前記pH4以下の水溶液に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムから選ばれる1種以上の周期律表2A元素金属水酸化物の粉体および/またはその水系スラリーを混合してpH10以上にする反応工程;
前記反応工程終了後の不溶解固体を分別、乾燥する第1分離工程;
前記分別した不溶解固体を、不活性ガスあるいは水素ガス雰囲気下で、800℃以上でありかつ選ばれた前記金属のうち最も低い融点より100℃以上高くならない温度範囲で加熱する加熱処理工程;
前記加熱処理後の固体を、酸水溶液中に浸漬してpHを4以下に保持する酸処理工程;
前記酸処理後における酸水溶液中の金属粒子を分別、洗浄、乾燥する第2分離工程;
の各工程を含んでなることを特徴とする金属微粉末の製造方法。
【請求項2】
前記反応工程は、さらに還元剤を加えて行うことを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造方法。
【請求項3】
前記還元剤が、ヒドラジン、ホルマリン、ブドウ糖、ハイドロキノン、塩化ヒドロキシルアンモニウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2記載の金属微粉末の製造方法。
【請求項4】
前記反応工程における周期律表2A元素金属水酸化物は、前記金属化合物の金属原子に対し2〜20倍当量過剰に加えられることを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造方法。
【請求項5】
前記金属が、白金、金からの1種以上であるとき、前記酸処理工程における酸水溶液は、塩酸、硝酸、酢酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造方法。
【請求項6】
前記金属が、ロジウム、パラジウム、銀、銅、ニッケルからの1種以上を含むとき、前記酸処理工程における酸水溶液は、酢酸であることを特徴とする請求項1記載の金属微粉末の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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