説明

金属管のネジ継手構造

【課題】金属管のネジ継手構造において、複雑な加工を必要とせずに周方向の回転、特にネジを緩める逆回転を防止することを可能とする。
【解決手段】接合すべき金属管の各接合端部に、雌ネジ継手管3と雄ネジ継手管2をそれぞれ設け、前記雌ネジ継手管3と前記雄ネジ継手管2をネジ込み結合してなる金属管のネジ継手構造1であって、前記雌ネジ継手管3にボルト孔32を貫設し、前記雄ネジ継手管2に、その外周面の少なくとも一部に粗面22または/および異形面部26を形成し、前記ボルト孔32に装着されるボルト36を前記粗面22方向または/および前記異形面部26方向に締めることにより、前記ボルト36の先端面361と前記粗面22との静摩擦力または/および前記ボルト36の先端部362と前記異形面部26との機械的係合により、両継手管を締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属管で利用される軸方向のネジ継手構造に関するもので、特に、例えば鋼製の既製杭を用いた、埋め込み杭工法(例えば、先掘杭工法、中掘杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法等)や圧入工法等の施工法に好適である。
【背景技術】
【0002】
鋼管に代表される金属管を接合するには、施工現場において溶接接合して継がれることが一般的である。しかしながら、溶接による接合では、(1)溶接部の品質が溶接作業者の技量に左右されること、(2)施工が天候に左右されること(3)溶接に時間がかかることなどから溶接に代わる接合構造の開発が、特に土木分野(杭、柱、土留壁、鋼管矢板等)にて望まれていた。
【0003】
そこで、施工現場での継手品質の安定、天候の施工への影響の低減または金属管の接合施工時間短縮のために溶接に替わる新たな接合構造が開発された。例えば、特許文献1に開示されているのは、鋼管杭の端部に雌ネジ継手部と雄ネジ継手部を設け、それぞれの端部をネジ込み結合する杭の技術で、この発明は鋼管杭の施工工程の短縮を目的として使用されている。また例えば、特許文献2に開示されているのは、一方の鋼管の連結端部に設けた雌部内に、他方の鋼管の連結端部に設けた雄部を嵌合させて鋼管を連結する技術である。
【0004】
しかしその一方で、特許文献1と2に開示されているような機械式継手にすることで、接合すべき金属管が各々回転する自由度ができてしまい、回転を防止するためには係止する構造を別途設ける必要がある。
【0005】
そこで、特許文献3のように、雄と雌の両鋼管に対応するボルト孔を設けて、そこにボルトを通して締結する技術がある。しかしこの場合、製作時にそれぞれのボルト穴の位置に誤差があった場合に、ボルトが通らないという問題がある。この問題を回避するためには、継手加工の工程時に一度接合して、雌管と雄管共に対応するボルト穴の位置を決定する必要があり、工場での継手製作時の工程が複雑になることでコストと製造時間に影響が出るという問題点がある。
【0006】
そのため、特許文献4のような構造がネジ継手構造に対し考案されている。これは、図5(a)に示すように、雄ネジ側継手片5の外周にある環状溝12と係止ピン15とが協働して接合後の軸方向の変位を固定することで、周方向の回転、特にネジが緩む逆回転への変位をある程度防ぐ技術である。しかし、一般的なネジ継手においては、軸方向の変位は周方向の変位に変換すると数倍から数十倍になる。一方、こうした部材は杭の打設施工時を考慮し、ある程度の遊びを設けて作成するものである。上記環状溝12または係止ピン穴に対し軸方向に遊びを設ければ、それは大きな周方向変位、言い換えればネジ継手の緩みに繋がるという問題点がある。
【特許文献1】特開平07−082738号公報
【特許文献2】特開2001−153115号公報
【特許文献3】特開2003−301457号公報
【特許文献4】特開平10−252060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4に開示されている方法では、軸方向のある程度の変位のみを防止する機構であるため、ネジ継手の脱落防止にはなるが、施工中に発生する継手のネジの緩みはある程度許容することになる。例えば、直径800mmでピッチ10mmの単条ネジ継手の場合、軸方向変位に対する回転方向変位の比Nが約250の条件で、環状溝12と係止ピン15との軸方向の1mmの遊びは、周方向の変位250mm(角度にすると約36°)となり、この角度範囲内でネジ継手は逆に回って緩むことが可能になる。このようなネジの緩みを許容すると、継手同士の接合時の接触部分(図5中では、3bと5b)が離れてしまう場合が発生する。ネジ継手において3bと5bが離れてしまうと、金属管にかかる軸方向の圧縮荷重が伝達効率が著しく低下し、例えば、杭や柱のような構造体の要素として、もしくは土留壁や鋼管矢板のような保安用構造体として使用した場合は、これら構造体の性能を著しく落とすこととなる。杭の施工中、何かの原因で継手の3bと5bの接触が離れた場合、ネジ継手部分を順回転させて再び3bと5bを接触させられれば良いが、杭施工中のその様な補正は不可能である場合が大半である。よって、3bと5bのような圧縮荷重伝達部分の接触を離すネジの緩みは、極力、許容しないのが望ましい。
【0008】
一方、特許文献3に開示されている方法は、周方向の回転を防止する機構ではあるが、防止機構の製造誤差により、現場において外側継手管のボルト穴45、47と内側の円弧状部材のボルト穴49、51が一致せず、ボルトが締結できずに杭の施工が困難になる場合がある。また、上記製造誤差を小さくしようとすると、前述した通り継手の製造工程が複雑化するため、製造コストが増加する。さらに、特許文献3より複雑な回転防止機構を設けようとすると、更なる製造コストの増加を招く。
【0009】
そこで本発明の目的は、ネジ継手構造において上記問題を解決し、複雑な加工を必要とせずに周方向の回転、特にネジを緩める逆回転を防止することのできる金属管のネジ継手構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、(a)周方向の回転そのものを防止できる、(b)継手をネジ込み接合した状態で、雌ネジ継手管に設けられた回転防止機構の停止位置に関わらず、雄ネジ継手管に設けられた回転防止機構が協働できる、および(c)ネジ継手加工時に設けることができる機構とした。具体的には、以下に示した金属管のネジ継手構造の構成とした。
(1)本発明にかかる金属管の継手構造は、接合すべき金属管の各接合端部に、雌ネジ継手管と雄ネジ継手管をそれぞれ設け、前記雌ネジ継手管と前記雄ネジ継手管をネジ込み結合してなる金属管のネジ継手構造であって、前記雌ネジ継手管にボルト孔を貫設し、前記雄ネジ継手管に、その外周面の少なくとも一部に粗面または/および異形面部を形成し、前記ボルト孔に装着されるボルトを前記粗面方向または/および前記異形面部方向に締めることにより、前記ボルトの先端面と前記粗面との静摩擦力または/および前記ボルトの先端部と前記異形面部との機械的係合により、両継手管を締結することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、雌ネジ継手管のボルト孔よりボルトを装着したときに、このボルトの先端面と雄ネジ継手管の粗面との間に静摩擦力が働く、または/および異形面部との間に機械的係合が存在するので、継手の周方向の回転そのものを妨ぐことができる。さらに、ボルト孔の大きさや位置、または粗面または/および異形面部の大きさや位置に対し製造誤差が存在しても、これらの誤差は軸方向の変位に繋がらないので、継手のネジが緩むことは無い。また、ボルト用のボルト孔は雌ネジ継手管のみに、ボルトの先端を受ける粗面または/および異形面部は雄ネジ継手管の全周に設けるため、継手をネジ込んだ時、雌ネジ継手管側のボルト孔がどの位置に来ようと必ず周方向の回転を妨げることができる。これにより、杭の施工時において、ボルトの装着ができずに周方向の回転を許容する危険性を無くすことができる。加えて、ネジ継手加工時に設けることができる上に継手加工時の工程を増やすこともないので、継手加工時のコストを下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る金属管の継手構造を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る継手構造の第1の実施の形態を示した斜視図、図2(a)、(b)、(d)は図1の矢視A−A’の側面断面図、図2(c)、(e)は上面からの断面図である。但し、図1は接合前状態を示し、図2は接合中((a)、(b)、(c))から接合後((d)、(e))の状態を示している。図1、2に示すように、金属管の継手構造1は、接合すべき上の鋼管25に取り付けられた雄ネジ継手管2と、接合すべき下の鋼管35に取り付けられた雌ネジ継手管3から構成されている。
【0013】
雌ネジ継手管3は円筒状の鋼管からなり、先端近傍の内周面にはネジ31が設けられ、他端は鋼管25に溶接接合されている。また、先端より高さh2だけ鋼管35側寄りの内周面には、内側に突出した段部34が形成されている。さらに、雌ネジ継手管3の段部34とネジ31との間には、周方向に一定の間隔を離してボルト36を通すためのボルト孔32が複数個貫設されている。このボルト孔32には、ボルト36に合わせたタップが切ってある。
【0014】
雄ネジ継手管2も円筒状の鋼管からなり、先端近傍の外周面に、所定の幅Hの粗面22が全周に渡って設けられている。また、他端は鋼管25に溶接接合されている。また、先端より高さh1までは上記雌ネジ継手管3の内径にネジ込むことができる外径であり、段部23を介した鋼管25側は外径が鋼管25と同径となる。この粗面22と段部23の間の外径が小さい部分に、ネジ21が設けられている。粗面22は、鋼管25,35を接合した状態、すなわち雄ネジ継手管2を雌ネジ継手管3にネジ込み接合した状態で、雌ネジ継手管3に設けたボルト孔32からボルト36をねじ込んだ時に、当該ボルト36の先端面361が接する位置に設けられている。本実施の形態の場合、具体的には、ボルト孔32の列と重なる同一円周上の位置に設けられている。
【0015】
この粗面22の表面は、静摩擦力が大きく取れるように他の外周面よりも表面粗さが粗く、例えばサンドブラスト等で仕上処理されている。この粗面22にボルト孔32からボルト36を、粗面22方向、即ち雄ネジ継手管2の中心方向に強く押し当てることで、粗面22とボルト36の先端面361との間に静摩擦力が発生する。粗面22の幅Hは、この実施の形態の場合、ボルトの先端面361の最大幅(先端面361が断面円形なら直径)とほぼ同じ長さである。
【0016】
雌ネジ継手管3と雄ネジ継手管2の接合状態について図2(d)に基づいて説明する。雌ネジ継手管3の雌ネジ31へ雄ネジ継手管2の雄ネジ21をねじ込むことにより、両者を接合している。接合状態では、雌ネジ継手管3の先端面33が雄ネジ継手管2の鋼管25側に形成した段部23に当接している。この雌ネジ継手管3の先端面33と雄ネジ継手管2の段部23との当接面で、管軸圧縮方向の応力伝達が行われる。一方、雄ネジ継手管2の先端面24と雌ネジ継手管3の鋼管25側に形成した段部34の間には、遊びが設けられている。さらに、雌ネジ継手管3のボルト孔32にはボルト36が締められており、そのボルト36の先端面361は、雄ネジ継手管2の粗面22に押し付けられている。この粗面方向に押し付けられる力、即ちボルト36からの軸力P、により粗面22に作用する反力が発生し、その反力に比例した静摩擦力が発生し回転を防止する力となる。
【0017】
実際に静摩擦力がどの程度回転を妨げる力になるかというと、静摩擦力Fs、接する面積をA、ボルト36が粗面22に伝達する軸力をP、粗面22の静摩擦係数をμsとすると、(1)式にて計算できる。
【0018】
【数1】

【0019】
通常使用されるφ800の鋼管のネジ継手とし、粗面22をショットブラスト処理にて静摩擦係数が0.4とした場合、M24のボルト4本を許容される軸力の20%でねじ込むと、約44kNmのトルクに耐えることができる計算となる。ネジ継手を用いた鋼管杭の施工中に必要とする回転トルクは、現在、継手ネジ21、31をねじ込む順回転で最大25kNm、継手ネジ21、31が緩む逆回転では上記順回転以下のトルク(施工中に、逆回転が必要となるのは現場での調整・位置の微調整等の特殊な場合に限られるので、ネジが緩むような順回転時以上の回転トルクをかけることは無いためである)である。故に、上記静摩擦力による回転抵抗は、ネジ継手を用いた鋼管杭の施工中に必要とする回転トルク(特にネジが緩む逆回転方向)と比較しても、十分大きい。
【0020】
上記のように構成された本実施の形態においては、杭としての基本的な応力伝達は、雌ネジ継手管3の先端面33と雄ネジ継手管2の段部23、またはネジ21、31にて行われる。一方、ネジ継手管の周方向の回転変位は、雄ネジ継手管2の粗面22と雌ネジ継手管3のボルト孔32より設けられたボルト36が防止する。
【0021】
次に、上記のように構成される継手構造1の施工方法の一例について、図2を用いて説明する。ここでは、ネジ継手管による鋼管杭の接合の施工を例とする。そのため、雄ネジ継手管2を下端に付けた上の鋼管25を上杭、雌ネジ継手管3を上端に付けた下の鋼管35を下杭と読み替える。
(1)上下一対の鋼管杭のうち、雌ネジ継手管3を先端に付けた下杭35を、施工方法に合った適切な施工装置にて地面に設置する。この施工装置は、従来より使用されているもので良い。なお、上杭25と接続したい先端部分は、地面より突き出しておく。
(2)雄ネジ継手管2を下端に付けた上杭25を、下杭35の上方に配置する。さらに、雄ネジ継手管2の中心軸を雌ネジ継手管3の中心軸に合う位置に、上杭25を配置する。
(3)次に、上杭25をクレーン等で垂直に保ちながら降下させ、各ネジ継手管のネジ21、31が噛み合ったら上杭25を回転させ、ネジ21、31の接合を開始する(図2(a)参照)。
(4)雄ネジ継手管2の段差23と雌ネジ継手管3の先端面33が当接したところで、ネジ継手管の接合を完了とし、上杭25の回転を停止する(図2(b)参照)。
(5)その後、ネジ継手管のネジ21、31が緩まないように、ネジに回転防止措置を施す。即ち、ボルト36を継手のボルト孔32にねじ込む(図2(c)参照)。
(6)この時、ボルト孔32が開口した先には、雄ネジ継手管2の外周面上の粗面22があるので、その粗面22にボルト36の先端面361を強く押し当てる。ネジ継手管2、3の接合を緩める逆回転に抗する十分な力が、粗面22と先端面36との静摩擦力として発生するまでねじ込む(図2(d)、(e)参照)。ちなみに、順回転は、雄ネジ継手管2の段差23と雌ネジ継手管3の先端面33が当接により、抵抗できる。
(7)一体化した下杭35と上杭25を、(1)と同様の施工装置により、引き続いて地中に設置していく。
なお、上記説明では、雄ネジ継手管を上杭側、雌ネジ継手管を下杭側としたが、上下逆(即ち、雄ネジ継手管を下杭側、雌ネジ継手管を上杭側)でも、問題無く同様に施工できる。
【0022】
以上のように本発明に係るネジ継手の接合構造を用いた施工方法によれば、特別な施工治具や施工装置を必要とせずに従来の施工装置がそのまま使用でき、さらに施工日数が大きく伸びることは無いので、コストと施工性に優れた継手構造を得ることができる。
【0023】
図3は本発明に係る継手構造の第2の実施の形態を示した断面図である。接合状態を示し、(a)が上面断面から見た図で、(b)は(a)の一部を拡大した図である。第1の実施の形態と同一のものは同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0024】
この第2の実施の形態では、表面粗さを粗くした粗面22の代わりに、異形面部26を設けた。この異形面部26は、ボルト36を異形面部26方向に締めた状態において、ネジ継手のネジ21、31の逆回転方向に継手が回転した場合は、雄ネジ継手管が拡径する機能と同時に、ネジが締まる順回転方向に継手が回転した場合は、ボルト36の先端部362に引っかかる段差261を有している。図3(b)において、ネジ継手管の逆回転方向の力Mが雄ネジ継手管に作用した場合には、ボルト36を当該ボルト36からの軸力Pと反対方向に押さなければならない。さらに、順回転方向の力が作用した場合には、段差261にボルト36の先端部362に引っかかって回転を妨げる。よって、この構成の場合には、異形面部とボルトの先端との機械的係合により順方向と逆方向両方の回転に抵抗する機能を持つことができ、回転防止構造とすることができる。
【0025】
この図3(b)の別の例を図3(c)に示す。この例では、異形面部26の表面の内、少なくともボルト36の先端面361と当設する面(図3(c)のハッチング部分)を第1の実施の形態と同様に粗面22とした。このようにすれば、ボルト36を締めた時にボルト先端面361と異形面部26の粗面との間に働く静摩擦力により、回転に抵抗する機能を別途持つことができ、より良い回転防止構造とすることができる。
【0026】
なお、第1と第2の実施の形態において、接合するのは鋼管としたが、本発明はこれに限定しない。鋼管の代わりに、銅、アルミニウム、チタン、銅系合金、アルミニウム系合金もしくはチタン系合金等の非鉄金属、鋼とコンクリートのハイブリッド管、前述の非鉄金属とコンクリートとのハイブリッド管でも構わない。特に杭の継手として使用する場合は、形鋼杭や既成杭(例えば、鋼管杭、PHC杭、PRC杭もしくはSC杭等)であれば良い。
【0027】
なお、第1と第2の実施の形態において、ボルト孔36は雌ネジ継手管3の鋼管35側近傍に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限定しない。図4(a)鋼管側面図と(b)継手構造の側面断面の拡大図に示すように、ボルト孔36は、雌ネジ継手管3の先端部近傍で雌ネジ31と先端面33との間に、粗面22または/および異形面部26は、雄ネジ継手管2の鋼管25近傍で、段部23と雄ネジ21との間に設けても良い。
【0028】
なお、第1と第2の実施の形態において、粗面22または/および異形面部26の幅Hは、ボルトの先端面361の最大幅とほぼ同じ長さとしたが、本発明はこれに限定せず、この最大幅以上であれば良い。要は、先端面361が粗面22に、または/および先端部362が異形面部26に確実に押し付けられれば良く、粗面22または/および異形面部26の幅Hが長くなっても、特許文献4とは異なり軸方向の変位の原因とはならないので、何の問題も無い。但し、加工面積が大きくなると加工費の点から不利になるので、コストの面から適切な幅を定めれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明にかかる継手構造の例を説明した斜視図(第1の実施の形態の場合)。
【図2】第1の実施の形態における周方向の回転を防止する機構を説明した側面と上面からの断面図。
【図3】第2の実施の形態における周方向の回転を防止する機構を説明した側面断面図。
【図4】実施の形態において雌ネジ継手管の先端部近傍にボルト孔がある場合を示した図。
【図5】従来技術(特許文献4の図1)を示した図。
【符号の説明】
【0030】
1 継手構造
2 雄ネジ継手管
21 ネジ(雄ネジ)
22 粗面
23 雄ネジ継手管の段部
24 雄ネジ継手管の先端面
25 上の鋼管
26 異形面部
261 段差
3 雌ネジ継手管
31 ネジ(雌ネジ)
32 ボルト孔
33 雌ネジ継手管の先端面
34 雌ネジ継手管の段部
35 下の鋼管
36 ボルト
361 ボルトの先端面
362 ボルトの先端部
H 粗面または/および異形面部の幅
h1 雄ネジ継手管の高さ
h2 雌ネジ継手管の高さ
M 継手のネジの逆回転方向の力
P ボルトからの軸力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合すべき金属管の各接合端部に、雌ネジ継手管と雄ネジ継手管をそれぞれ設け、前記雌ネジ継手管と前記雄ネジ継手管をネジ込み結合してなる金属管のネジ継手構造であって、
前記雌ネジ継手管にボルト孔を貫設し、
前記雄ネジ継手管に、その外周面の少なくとも一部に粗面または/および異形面部を形成し、
前記ボルト孔に装着されるボルトを前記粗面方向または/および前記異形面部方向に締めることにより、前記ボルトの先端面と前記粗面との静摩擦力または/および前記ボルトの先端部と前記異形面部との機械的係合により、両継手管を締結することを特徴とする金属管のネジ継手構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−63806(P2007−63806A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249273(P2005−249273)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】