説明

金属表面処理方法

【課題】機械的強度の低下を伴うことなく、金属表面に防錆性を持たせることが可能な金属表面処理方法を提供する。
【解決手段】−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属粉末からなる投射材23aを軸受鋼21の表面に投射することにより、軸受鋼21の表面に耐食性皮膜22aを形成し、耐食性皮膜22aが形成された軸受鋼21上に、−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属粉末からなる投射材23bを投射することにより、耐食性皮膜22aの表面に耐食性皮膜22bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属表面処理方法に関し、特に、金属表面の防錆処理方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
金属表面に防錆性を持たせるために金属表面に電気めっきを施す方法がある。この電気めっきは、耐食性、加工性およびはんだ付け性に優れるため、自動車部品や電子部品などの工業用として広く行われている。例えば、錫−亜鉛合金電気めっきに使用されるめっき浴としては、アルカリシアン浴、ピロリン酸浴、ホウフッ化浴、スルホン酸浴、カルボン酸浴などが実用化されている(特許文献1、2)。
【0003】
また、錫−鉛合金に代わる鉛フリーの低融点の錫合金めっきとして、安価な錫−銅合金がコネクタ部品などの接合材料として使用されている(特許文献3)。さらに、水が浸入する条件下で使用される鋼鉄設備用軸受や泥水の降りかかる車両用軸受などでは、化成処理膜と防錆油にて鋼表面の錆の発生を防止することも行われている(特許文献4)。
【特許文献1】特開2000−282255号公報
【特許文献2】特開平6−228786号公報
【特許文献3】特開2005−307227号公報
【特許文献4】特開2003−239992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、軸受や歯車などの機械的部品では、電気部品と異なり、応力が金属表面に集中することによる金属疲労によって経時的に機械的強度が劣化する。このため、金属表面に防錆性を持たせるために金属表面に電気めっきを施す方法では、水素の進入に伴う機械的強度の劣化を増長するという問題があった。
また、金属表面に防錆性を持たせるために金属表面に化成処理を施す方法では、化成処理時の侵食の程度によってはその部分を起点とした剥離が発生し、耐久性を却って劣化させることがあるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、機械的強度の低下を伴うことなく、金属表面に防錆性を持たせることが可能な金属表面処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の金属表面処理方法によれば、鋼製の母材の表面に鉄より卑な金属被膜をショットピーニングして形成することを特徴とする。
これにより、ショットピーニングという簡易な方法にて耐食性被膜を軸受鋼の表面に形成することが可能となるとともに、母材内部に被膜を拡散させることができ、被膜を軸受鋼の表面に強固に付着させることができる。このため、高価なステンレス鋼を母材として使用したり、無電界ニッケルメッキを軸受鋼の表面に施したりする必要がなくなり、コストアップを抑制しつつ、防錆性および耐食性を母材に持たせることが可能となるとともに、水素の進入に伴う機械的強度の劣化を抑制することが可能となることがら、軸受や歯車などの機械的部品の寿命を向上させることができる。
【0006】
また、請求項2記載の金属表面処理方法によれば、鋼製の母材の表面に鉄より卑な金属と貴な金属との合金または混合粉末をショットピーニングして被膜を形成することを特徴とする。
これにより、鉄よりも錆びにくい金属で母材を保護することが可能となり、母材に錆が発生するのを防止することが可能となるとともに、被膜に損傷や傷があるために母材が露出した場合においても、犠牲防食にて母材を錆から保護することが可能となり、水や水蒸気に曝される環境下においても、錆から母材を有効に保護することが可能となる。
【0007】
また、請求項3記載の金属表面処理方法によれば、鋼製の母材の表面にショットピーニングにて鉄より卑な金属からなる第一層目被膜を形成する工程と、前記第一層目被膜上にショットピーニングにて鉄より貴な金属からなる第二層目被膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
これにより、鉄よりも錆びにくい金属で母材を保護することが可能となり、母材に錆が発生するのを防止することが可能となるとともに、第二層目被膜が損傷した場合においても、第一層目被膜を母材よりも優先的に酸化させて、母材に錆が発生するのを防止することが可能となり、錆から母材を有効に保護することが可能となる。
【0008】
また、鉄より卑な金属を第一層目とし、鉄より貴な金属を第二層目とすることにより、鉄より卑な金属が腐食性環境下に曝される部分を第二層目被膜の損傷部分に限定することができ、第二層目被膜が損傷した場合においても、犠牲防食による第一層目被膜の酸化の進行を遅らせることが可能となることから、第一層目被膜が消失するのを遅らせることができ、金属表面処理方法の耐久性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項4記載の金属表面処理方法によれば、前記鉄より卑な金属がAl、Zn、Biのいずれか少なくとも1つを含み、前記鉄より貴な金属がNi、Cr、Cu、Ti、Snのいずれか少なくとも1つを含むことを特徴とする。
これにより、鉄よりも錆びにくい金属で母材を保護することが可能となり、母材に錆が発生するのを防止することが可能となるとともに、被膜に損傷や傷があるために母材が露出した場合においても、犠牲防食にて母材を錆から保護することが可能となり、金属表面処理方法の耐久性を向上させることができる。
【0010】
また、請求項5記載の金属表面処理方法によれば、前記被膜全体の厚さが0.1以上8μm以下であることを特徴とする。
これにより、防錆効果が飽和しない範囲内で十分かつ持続的な防錆効果を得ることが可能となり、コスト増を抑制しつつ、金属表面処理方法の耐久性を向上させることができる。
また、請求項6記載の金属表面処理方法によれば、前記被膜全体の厚さが0.5以上6μm以下であることを特徴とする。
これにより、被膜の剥離を抑制しつつ、十分かつ持続的な防錆効果を得ることが可能となる。
【0011】
また、請求項7記載の金属表面処理方法によれば、前記被膜全体の厚さが0.5以上5μm以下であることを特徴とする。
これにより、十分かつ持続的な防錆効果を得ることが可能となるとともに、被膜処理後に隙間を調整するために後加工する必要がなくなり、低コスト化を図ることができる。
また、請求項8記載の金属表面処理方法によれば、前記母材のディンプルの深さが0.1以上5μm以下であることを特徴とする。
これにより、母材に形成された被膜の密着性を向上させることができ、金属表面処理方法の耐久性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項9記載の金属表面処理方法によれば、前記母材に形成された被膜の最表面の粗さが0.01以上0.5μmR以下であることを特徴とする。
これにより、母材に形成された被膜の密着性を向上させることができ、金属表面処理方法の耐久性を向上させることができる。
また、請求項10記載の金属表面処理方法によれば、鋼製の母材の表面にショットピーニングにて−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属化合物からなる第一層目被膜を形成する工程と、前記第一層目被膜上にショットピーニングにて−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属化合物からなる第二層目被膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、ショットピーニングという簡易な方法にて耐食性被膜を母材の表面に形成することが可能となるとともに、鉄より卑な金属を介して鉄より貴な金属にて母材の表面を覆うことができる。このため、軸受鋼が酸化性環境下におかれた場合においても、母材が酸化されるよりも先に鉄よりも卑な金属を酸化させて母材が錆びるのを防止するとともに、鉄よりも卑な金属が酸化性環境下に曝されるのを鉄より貴な金属にて抑えることができ、鉄よりも卑な金属の酸化を遅らせることが可能となる。また、電気めっきなどの電気化学的手法を用いることなく、母材の表面に被膜を形成することが可能となり、水素の進入に伴う機械的強度の劣化を抑制することが可能となることがら、軸受や歯車などの機械的部品の寿命を向上させることができる。
【0014】
また、請求項11記載の金属表面処理方法によれば、−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属粉末と−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属粉末とが混合された投射材を鋼製の母材の表面にショットピーニングして被膜を形成することを特徴とする
これにより、鉄よりも錆びにくい金属で母材を保護することが可能となり、母材に錆が発生するのを防止することが可能となるとともに、被膜に損傷や傷があるために母材が露出した場合においても、犠牲防食にて母材を錆から保護することが可能となり、水や水蒸気に曝される環境下においても、錆から母材を有効に保護することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、コストアップを抑制しつつ、防錆性および耐食性を母材に持たせることが可能となるとともに、アルカリや酸の廃液処理などが不要となることから、環境汚染を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る金属表面処理方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属表面処理方法を示す断面図である。
図1(a)において、母材として軸受鋼21を用意する。ここで、軸受鋼21としては、安価なFeを用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、投射材23aを軸受鋼21の表面に投射することにより、軸受鋼21の表面に耐食性皮膜22aを形成する。なお、投射材23aとしては、−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属粉末を用いることができ、耐食性皮膜22aとしては、−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属化合物から構成することができる。例えば、投射材23aおよび耐食性皮膜22aとしては、Al、Zn、Biなどの鉄より卑な金属を用いることできる。
【0017】
次に、図1(c)に示すように、耐食性皮膜22aが形成された軸受鋼21上に投射材23bを投射することにより、耐食性皮膜22aの表面に耐食性皮膜22bを形成する。なお、投射材23bとしては、−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属粉末を用いることができ、耐食性皮膜22bとしては、−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属化合物から構成することができる。例えば、投射材23bおよび耐食性皮膜22bとしては、Ni、Cr、Cu、Ti、Snなどの鉄より貴な金属を用いることできる。
【0018】
これにより、ショットピーニングという簡易な方法にて耐食性被膜22a、22bを母材の表面に形成することが可能となり、軸受鋼21が酸化性環境下におかれた場合においても、母材が酸化されるよりも先に耐食性被膜22bを酸化させて母材が錆びるのを防止するとともに、耐食性被膜22bが酸化性環境下に曝されるのを耐食性被膜22aにて抑えることができ、耐食性被膜22bの酸化を遅らせることが可能となる。また、電気めっきなどの電気化学的手法を用いることなく、母材の表面に耐食性被膜22a、22bを形成することが可能となり、水素の進入に伴う機械的強度の劣化を抑制することが可能となることがら、軸受や歯車などの機械的部品の寿命を向上させることができる。
【0019】
なお、各Zn層1a〜4aの膜厚と各Sn層1b〜4bの膜厚とを合計した被膜全体の膜厚は、好ましくは0.1以上8μm以下であるのがよく、さらに好ましくは0.5以上6μm以下であるのがよく、最も好ましくは0.5以上5μm以下であるのがよい。また、被膜の最表面の粗さは0.01以上0.5μmR以下であるのが好ましい。
また、軸受鋼21の表面には、被膜を形成する前の前処理としてディンプルを形成するようにしてもよい。ここで、軸受鋼21のディンプルの深さは0.1以上5μm以下であることが好ましい。
【0020】
また、耐食性被膜22a、22bは、軸受鋼21をそれぞれ被覆する形態であってもよいが、マトリックスを形成する合金の形態であってもよい。合金の場合には、構成成分は、−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属に対して、−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属のモル分率が0.5以上であることが好ましい。
なお、被膜の厚さを測定する方法としては、例えば、マイクロメータにて処理前後の径を測定する方法、あるいは断面を電子顕微鏡で測定する方法を用いることができる。
【0021】
また、被膜の厚さを測定する方法として、以下の方法を用いるようにしてもよい。まず、被膜の保護を目的として、被膜を備えた転動体の転動面に、熱硬化性樹脂であるポリアミドイミドのピロリドン溶液を塗布し、175℃で2時間加熱して硬化させ、被膜の保護膜を形成する。この転動体を切断してエポキシ樹脂に埋め込み、転動体の切断面をバフ研磨で鏡面仕上げする。さらに、凹凸を付けるために、3%ピクラール溶液で5秒間腐食した後、スパッタによりナノオーダーのクロム層を表面に被覆して通電性を付与する。そして、電子顕微鏡(SEM)により、切断面を5000倍の倍率で30視野観察する。
【0022】
また、電子顕微鏡による観察では、反射電子線像で膜厚が明瞭に観察できるようにするために、各視野において、横方向に被覆面が横断されるように観察し、縦方向に6分割し、被膜の厚さを5点測定し、これら5点の平均値を求め、この平均値をその視野の被膜の厚さとする。そして、30視野の被膜の厚さの平均値を求めることができる。
次に、供試体として、表面硬さがHRC58〜64、表面残留オーステナイトが20〜45容量%のJISZ2241に準拠する試験片を用いて引っ張り試験を行った。なお、本実施例では、SUJ2に浸炭窒化を行ったものを用いたが、SUJ2に浸炭窒化を行ってないもの、すなわち、ズブ焼きまたは高周波焼入れを行ったもの、あるいはSCM420、SCr420などに浸炭窒化や浸炭を行い、表面を硬化させたものを用いるようにしてもよい。
【0023】
被覆材としては、酸化還元電位が−0.7268Vの亜鉛と、酸化還元電位が0.153Vの銅を使用した。
亜鉛被膜形成の具体的な方法として、ショットピーニング装置を用い、投射材としてJISR6001による平均粒径45μmのZn粉末を噴射圧力2.0〜9.0kg/cm2、噴射時間10〜20minの条件で母材の表面に投射した。また、1回の処理に供する外輪の重量は1〜20kgfとした。
【0024】
続いて、一部の試料については、亜鉛被膜形成処理を行った後に、亜鉛被膜を銅にて被覆した(実施例1)。なお、銅被膜形成の具体的な方法としては、亜鉛被膜形成処理と同様の装置と処理条件を用い、投射材としてZn粉末の代わりに平均粒径45μmのCu粉末を用いた。ここで、Zn粉末とCu粉末とをショットピーニングして得られた被膜の性状については、電子顕微鏡にて被膜の断面を観察することにより、ZnとSnとの合金層および部分的にCuリッチな層からなることを確認した。
また、実施例2として、Zn粉末とCu粉末とをモル比率で1:1に混合した混合粉を母材の表面にショットピーニングしたものを作製した。さらに、比較例1として、母材の表面に電気亜鉛−銅合金めっきしたものを作製した。ここで、実施例1の被膜の膜厚は3μm、実施例2の被膜の膜厚は2μm、比較例1の被膜の膜厚は5μmとした。
【0025】
図2は、本発明の一実施例に係る金属表面処理方法における引っ張り強度試験結果を比較例とともに示すグラフである。
図2において、電気亜鉛−銅合金めっきしたものでは引っ張り強度が約70%にまで低下するが、ショットピーニングにて作製したものでは引っ張り強度の低下が見られないことが確認できた。
次に、JISZ2371に準拠した試験方法にて耐食性を評価した。ここで、実施例1、2および比較例1の試料について、塩水噴霧環境下において、外観状況を観察することでさび発生の水準を求めた。
【0026】
図3(a)は、本発明の一実施例に係る金属表面処理方法における錆試験結果を比較例とともに示すグラフ、図3(b)は、さび発生の水準を示す表である。
図3において、比較例1では膜厚が5μmと厚いにも関わらず、ピンホールがあるため、赤錆が発生するまでの時間が20時間未満となった。これに対し、実施例1、2では膜厚がそれぞれ2μm、3μmと比較例1と比べて薄いにも関わらず、ピンホールが皆無であるため、赤錆が発生するまでの時間が50時間以上となり、電気亜鉛−銅合金めっきに比べて約2倍以上の防錆性が得られた。
【0027】
なお、軸受としては、例えば、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、針状ころ軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受などに適用することができる。また、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができ、例えば、ボールベアリング、ローラベアリング、ボールねじ装置、リニアガイド装置、ボールスプライン、リニアボールベアリングなどに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属表面処理方法を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る金属表面処理方法における引っ張り強度試験結果を比較例とともに示すグラフである。
【図3】図3(a)は、本発明の一実施例に係る金属表面処理方法における錆試験結果を比較例とともに示すグラフ、図3(b)は、さび発生の水準を示す表である。
【符号の説明】
【0029】
21 金属素地
22a、22b 耐食性皮膜
23a、23b 投射材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製の母材の表面に鉄より卑な金属被膜をショットピーニングして形成することを特徴とする金属表面処理方法。
【請求項2】
鋼製の母材の表面に鉄より卑な金属と貴な金属との合金または混合粉末をショットピーニングして被膜を形成することを特徴とする金属表面処理方法。
【請求項3】
鋼製の母材の表面にショットピーニングにて鉄より卑な金属からなる第一層目被膜を形成する工程と、
前記第一層目被膜上にショットピーニングにて鉄より貴な金属からなる第二層目被膜を形成する工程とを備えることを特徴とする金属表面処理方法。
【請求項4】
前記鉄より卑な金属がAl、Zn、Biのいずれか少なくとも1つを含み、前記鉄より貴な金属がNi、Cr、Cu、Ti、Snのいずれか少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2または3記載の金属表面処理方法。
【請求項5】
前記被膜全体の厚さが0.1以上8μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の金属表面処理方法。
【請求項6】
前記被膜全体の厚さが0.5以上6μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の金属表面処理方法。
【請求項7】
前記被膜全体の厚さが0.5以上5μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の金属表面処理方法。
【請求項8】
前記母材のディンプルの深さが0.1以上5μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の金属表面処理方法。
【請求項9】
前記母材に形成された被膜の最表面の粗さが0.01以上0.5μmR以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の金属表面処理方法。
【請求項10】
鋼製の母材の表面にショットピーニングにて−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属化合物からなる第一層目被膜を形成する工程と、
前記第一層目被膜上にショットピーニングにて−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属化合物からなる第二層目被膜を形成する工程とを備えることを特徴とする金属表面処理方法。
【請求項11】
−0.44V以下の酸化還元電位を有する金属粉末と−0.43V以上の酸化還元電位を有する金属粉末とが混合された投射材を鋼製の母材の表面にショットピーニングして被膜を形成することを特徴とする金属表面処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−1930(P2008−1930A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171280(P2006−171280)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】