金融サーバ、ICカード端末、及び金融情報処理方法
【課題】 クレジットカードを用いて電子マネーカードにチャージを行うことができる安価なシステムを提供すること。
【解決手段】 クレジットカード8は、ICカードで構成されておりカード端末3とクレジットカード8の間で暗証番号の認証が行われる。クレジット会社サーバ4へは、カード端末3から認証結果とチャージする金額を表す金額情報、及びクレジットカード8のクレジットカード番号が送信される。クレジット会社サーバ4は課金後に金額情報とクレジットカード番号を電子マネーサーバ5に送信する。電子マネーサーバ5は、クレジットカード番号により電子マネーカード9を特定し、チャージ金額分だけバリューの金額を増額する金額変更情報を生成してカード端末3に送信する。電子マネーカード9は、この金額変更情報を用いて記憶しているバリューの金額を金額変更情報で規定される金額に更新する。
【解決手段】 クレジットカード8は、ICカードで構成されておりカード端末3とクレジットカード8の間で暗証番号の認証が行われる。クレジット会社サーバ4へは、カード端末3から認証結果とチャージする金額を表す金額情報、及びクレジットカード8のクレジットカード番号が送信される。クレジット会社サーバ4は課金後に金額情報とクレジットカード番号を電子マネーサーバ5に送信する。電子マネーサーバ5は、クレジットカード番号により電子マネーカード9を特定し、チャージ金額分だけバリューの金額を増額する金額変更情報を生成してカード端末3に送信する。電子マネーカード9は、この金額変更情報を用いて記憶しているバリューの金額を金額変更情報で規定される金額に更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融サーバ、ICカード端末、及び金融情報処理方法に関し、例えば、クレジットカードを用いて電子マネーを購入するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネーを用いた決済システムが小売店やデパートなどで導入され、広く利用されるようになってきた。
電子マネーは、バリューと呼ばれる金銭と同様の貨幣価値をICカードで構成された電子マネーカードや、電子マネー対応の携帯電話などに記憶させ、これらICカードなどを電子財布として使用するものである。
【0003】
バリューをICカードなどに書き込む処理はチャージと呼ばれ、ICカードなどを、小売店の店頭などに設置された専用の端末装置(以下、電子マネー端末)で行ったり、インターネットを介して電子マネーサーバから行うことができる。
【0004】
バリューによる決済は、ICカードなどに記憶したバリューの金額を代金分だけ減額することにより行い、チャージと同様に電子マネー端末や電子マネーサーバによって行うことができる。
このように電子マネーを用いた発明としては、本出願人による次の未公開文献がある。
【0005】
【特許文献1】特願2003−61943公報
【0006】
この発明は、インターネット接続機能と電子マネー機能を備えた携帯電話から、電子マネーサーバにアクセスし、電子マネーサーバと通信しながチャージを行うものである。
この発明により、ユーザは、物理的な場所や営業時間などに拘束されずにチャージを行うことができる。
【0007】
一方、近年ICカードを用いたクレジットカードが流通するようになってきた。クレジットカードを従来の磁気ストライプを用いたものからICチップを用いたものに変更することにより、偽造が困難でセキュリティの高いクレジットカードシステムを提供することができる。
また、銀行のキャッシュカードも磁気ストライプを用いたものからICカードへと切り替えることが考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
クレジットカードを用いた電子マネーカードへのチャージは従来から行われているが、セキュリティ上の問題から、クレジットカードの認証のためにカード端末とクレジット会社のサーバの間に専用回線を設置しなければならず、コストがかかってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、クレジットカードを用いて電子マネーカードにチャージを行うことができる安価なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載した発明では、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信手段と、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供手段と、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金手段と、を具備したことを特徴とする金融サーバを提供する。
請求項2に記載の発明では、前記カード情報受信手段は、前記所有者の所有者識別情報を前記カード特定情報と共に受信し、前記カード情報提供手段は、前記受信した所有者識別情報を前記金額変更情報送信手段に提供することを特徴とする請求項1に記載の金融サーバを提供する。
請求項3に記載の発明では、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証手段と、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段と、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得手段と、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信手段と、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信手段と、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力手段と、を具備したことを特徴とするICカード端末を提供する。
請求項4に記載の発明では、カード情報受信手段と、カード情報提供手段と、課金手段と、を備えたコンピュータにおいて、前記カード情報受信手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信ステップと、前記カード情報提供手段によって、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供ステップと、前記課金手段によって、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金ステップと、から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法を提供する。
請求項5に記載の発明では、認証手段と、カード特定情報取得手段と、金額情報取得手段と、カード情報送信手段と、金額変更情報受信手段と、入力手段と、を備えたコンピュータにおいて、前記認証手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証ステップと、前記カード特定情報取得手段によって、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得ステップと、前記金額情報取得手段によって、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得ステップと、前記カード情報送信手段によって、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信ステップと、前記金額変更情報受信手段によって、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信ステップと、前記入力手段によって、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力ステップと、から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、クレジットカードを用いて電子マネーカードにチャージを行うことができる安価なシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(1)実施の形態の概要
電子マネーチャージシステム1(図1)は、クレジットカード8を用いてバリューの購入を行い、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージするものである。
ここで、バリューとは、電子マネーの運用において貨幣に該当する概念であって、貨幣価値の金額を電子データとして表した貨幣情報である。
【0013】
クレジットカード8は、ICカードなどICチップを内蔵した媒体により構成されており、リーダライタ6を介してカード端末3とクレジットカード8の間で暗証番号の認証が行われる。これにより、暗証番号を入力した者がクレジットカード8の所有者であることの認証がローカルで行われる。
また、カード端末3は、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から電子マネーカード番号を取得する。電子マネーカード9もICカードなどのICチップを内蔵した媒体により構成されている。
【0014】
そして、クレジット会社サーバ4へは、カード端末3から認証結果とチャージする金額を表す金額情報、クレジットカード8のクレジットカード番号、及び電子マネーカード9の電子マネーカード番号が送信される。
【0015】
クレジット会社サーバ4は、認証結果によりクレジットカード8を使用する者が正当なユーザであることを確認すると共にクレジットカード番号によりユーザを特定する。
そして、クレジット会社サーバ4は、金額情報と電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信する。また、クレジット会社サーバ4は、バリューの購入代金としてこの金額をユーザに課金する。即ち、クレジット会社サーバ4は、バリューの購入代金としてユーザに与信を与えたことになる。
【0016】
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より電子マネーカード番号を受信し、これによってチャージを行う対象である電子マネーカード9を特定する。
また、クレジット会社サーバ4から送信されてきた金額情報によりチャージする金額を認識し記憶装置に記憶する。
【0017】
一方、カード端末3は、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から取得した電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信してチャージを要求する。
【0018】
電子マネーサーバ5は、カード端末3から電子マネーカード番号を受信し、この電子マネーカード9に対してチャージすべき金額を記憶装置から取得し、チャージ金額分だけバリューの金額を増額する金額変更情報を生成する。
そして、電子マネーサーバ5は、生成した金額変更情報をカード端末3に送信する。
【0019】
カード端末3は、電子マネーサーバ5から金額変更情報を受信して、電子マネーカード9に入力する。
電子マネーカード9は、この金額変更情報を用いて記憶しているバリューの金額を金額変更情報で規定される金額に更新する。
【0020】
以上のようにして、ユーザは、クレジットカード8で代金の支払いを行うことによりバリューを購入することができ、更に購入したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0021】
なお、従来は、ネットワーク上で暗証番号などの認証情報が送受信されるため、カード端末3とクレジット会社サーバ4の間を専用回線で接続していたが、電子マネーチャージシステム1では、ネットワーク上にクレジットカード8の認証情報が流通しないため(代わりに認証結果が流通する)、クレジット会社サーバ4とカード端末3をインターネットなどの一般的なネットワークで接続することができる。このため、カード端末3を安価に設置することができる。
【0022】
(2)実施の形態の詳細
図1は、本実施の形態の電子マネーチャージシステムのシステム構成の一例を示した図である。
電子マネーチャージシステム1は、カード端末3、クレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5、クレジットカード8、電子マネーカード9などを用いて構成されている。
以下に、これらの構成要素について説明する。
【0023】
クレジットカード8と電子マネーカード9は、あるユーザが所有するものであり、クレジットカード8は、接触型ICカードで構成され、電子マネーカード9は、非接触型ICカードで構成されている。
【0024】
なお、以下で説明する本実施の形態では、クレジットカード8を接触型ICカードで構成し、電子マネーカード9を非接触型ICカードで構成するものとして説明するが、これは一例であって、各種の形態が可能である。
【0025】
詳しくは後述するが、例えば、クレジットカード8としての機能を発揮するICチップや電子マネーカード9としての機能を発揮するICチップを携帯電話や時計などのカード以外の媒体に埋め込んで使用したり、あるいは、1つのICチップにクレジットカード8としての機能と電子マネーカード9としての機能を持たせることも可能である。
更に、これらICチップは、接触型、非接触型の何れのICチップとして構成することができる。
【0026】
クレジットカード8は、内部に各種素子を形成したICチップが埋め込まれた媒体であり、金融機関が発行する金融ICカードを構成している。
クレジットカード8は、内部に暗証番号、クレジットカード番号、その他の情報を記憶しており、暗証番号の認証処理などの情報処理を行う。
【0027】
より詳細には、クレジットカード8は、外部から暗証番号の入力を受け付けると、これを内部で記憶している暗証番号と比較し、暗証番号の認証処理を行う。そして、認証結果やクレジットカード番号などを外部に出力する。
なお、クレジットカード番号は、クレジットカード8を特定するカード特定情報を構成している。
【0028】
図2(a)にクレジットカード8のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
図に示したように、クレジットカード8は、CPU(Central Processing Unit)11、接触端子12、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)15などを内蔵している。
これらの素子は、クレジットカード8内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。
【0029】
CPU11は、ROM13やEEPROM15に記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、リーダライタ6を介したカード端末3との通信処理を行ったり、カード端末3から入力された認証番号の認証処理を行って、その認証結果をカード端末3に出力したり、あるいは、カード端末3の求めに応じてクレジットカード番号を記憶装置から読み出して提供したりなどする。
【0030】
接触端子12は、クレジットカード8の外部に露出しており、例えば、金メッキされている。接触端子12は、リーダライタ6の接触端子と接触して、クレジットカード8とカード端末3を電気的に接続する。
クレジットカード8は、接触端子12を介してクレジットカード8を駆動するための電力の供給を受けると共にカード端末3とのデータの送受信を行う。
【0031】
RAM14は、CPU11が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAM14は、クレジットカード8に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
【0032】
ROM13は、クレジットカード8を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
これらの情報は、予めROM13に焼き付けられており、再度の情報の書き込みや情報の消去は通常行わない。
【0033】
EEPROM15は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM15に記憶してある情報は、クレジットカード8への電力の供給がない場合でも保たれる。
このように、ROM13とEEPROM15は、クレジットカード8のプログラム・データ記憶領域を構成している。
【0034】
EEPROM15には、例えば、クレジットカード8を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、暗証番号認証を行う認証プログラムなどが記憶されている。
CPU11は、認証プログラムを実行することにより、カード端末3から入力された暗証番号の認証処理を行う。
【0035】
次に、電子マネーカード9について説明する。電子マネーカード9も内部に各種素子を形成したICチップが埋め込まれた媒体である。
電子マネーカード9は、バリューを記憶し、金額変更情報を用いてバリューの金額を増減する処理を行い、記憶している貨幣価値(バリュー)の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末を構成している。
【0036】
また、電子マネーカード9は、電子マネーカード9に固有な電子マネーカード番号を記憶しており、電子マネーサーバ5は、この電子マネーカード番号により電子マネーカード9を特定することができる。
【0037】
バリューの金額の更新方法としては、残高を電子マネーカード9で計算する場合と、電子マネーサーバ5などのその他の通信先で計算する場合の2通りが可能である。
前者の場合は、電子マネーカード9にコマンドを入力して電子マネーカード9内で演算処理を行う。この場合、コマンドが金額変更情報を構成する。
また、後者の場合は、変更後のバリューの金額を電子マネーカード9に入力して残高を書き換えさせる。この場合、入力するバリューの残高が金額変更情報を構成する。
更に、加減算別にこれらを組み合わせることも可能であり、何れの方式を採用するかはシステムの設計による。
【0038】
以上のようにして、電子マネーカード9は、内部に記憶しているバリューの値を増減することができ、これを金銭と対応させることにより、金銭と同様の交換価値として流通させることができる。
【0039】
図2(b)に電子マネーカード9のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図を示す。
図に示したように、電子マネーカード9は、CPU21、高周波回路22、アンテナ26、ROM23、RAM24、EEPROM25などを内蔵している。
これらの素子は、クレジットカード8内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。ただし、アンテナ26は、電子マネーカード9内部の外縁部付近に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
【0040】
CPU21は、ROM23やEEPROM25に記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、リーダライタ7を介したカード端末3との通信処理を行ったり、カード端末3から入力された金額変更情報を用いて現在記憶しているバリューの金額を更新したり、バリューの現在残高や電子マネーカード番号をカード端末3に提供したりする。
【0041】
アンテナ26は、リーダライタ7に内蔵されたアンテナと近距離の無線通信を行うためのアンテナである。
電子マネーカード9は、アンテナ26を介してリーダライタ7から無線により駆動電力を得ると共に無線通信を行う。
【0042】
高周波回路22は、リーダライタ7からアンテナ26に送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPU21に出力したり、逆にCPU21が出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナ26に出力し、リーダライタ7に送信する。
【0043】
RAM24は、CPU21が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAM24は、電子マネーカード9に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
【0044】
ROM23は、電子マネーカード9を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
これらの情報は、予めROM23に焼き付けられており、再度の情報の書き込みや情報の消去を行うことは通常行わない。
【0045】
EEPROM25は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM25に記憶してある情報は、電子マネーカード9への電力の供給がない場合でも保たれる。
このように、ROM23とEEPROM25は、電子マネーカード9のプログラム・データ記憶領域を構成している。
【0046】
EEPROM25には、例えば、電子マネーカード9を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、金額変更情報に基づいてバリューの金額を更新したり、バリューの現在残高を提供したりなど、バリューに関する処理を行うバリュー処理プログラムや、バリューの現在残高やログデータなどが記憶されている。
CPU21は、バリュー処理プログラムを実行することにより、バリューのチャージ(増額)や決済(減額)を行うことができる。
【0047】
図1に戻り、カード端末3は、例えば、ホテルのロビーや空港、店舗、その他の場所に設置された端末装置であり、ICカード端末を構成している。
カード端末3は、例えば、インターネットなどのネットワークによって、クレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5と接続可能に構成されている。
図では、カード端末3を1台のみ示しているが、これらは複数台あり、それぞれ固有のカード端末IDを有している。クレジット会社サーバ4は、カード端末IDによりカード端末3を識別することができる。
【0048】
なお、カード端末3をクレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5に接続するネットワークはインターネットに限定せず、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいは専用回線など、他の形態のネットワークにて接続可能に構成することもできる。
【0049】
また、カード端末3とクレジット会社サーバ4、及びカード端末3と電子マネーサーバ5との間の通信経路は、例えば、SSL(Secure Sockets Layer)などの技術を用いて暗号化することによりセキュリティを高めることができる。
【0050】
カード端末3には、リーダライタ6とリーダライタ7が設置されている。リーダライタ6は、クレジットカード8の接触端子12と接触する接触端子が設けられており、これと接触端子12との物理的な接触により、カード端末3とクレジットカード8の電気的接続がなされる。
【0051】
一方、リーダライタ7には、電子マネーカード9と近距離の無線通信を行うためのアンテナと高周波回路が設けられており、これによって、カード端末3と電子マネーカード9の電気的な接続がなされる。
【0052】
カード端末3は、クレジットカードの受け付け機能と、電子マネーカードへのチャージ機能を備えている。
以下、これらの機能について説明する。
【0053】
[クレジットカードの受け付け機能]
カード端末3は、リーダライタ6を介してクレジットカード8と通信を行い、暗証番号の認証、及びクレジットカード番号の取得を行う。
暗証番号の認証に関しては、カード端末3は、ユーザから暗証番号の入力を受け付け、これをクレジットカード8に入力する。そして、クレジットカード8から認証に成功したか否かの認証結果を受信する。このようにカード端末3は、クレジットカード8のユーザ(所有者)を認証する認証手段を備えている。
【0054】
また、カード端末3は、クレジットカード8に対してクレジットカード番号を要求し、クレジットカード8がこれに応じて出力したクレジットカード番号を取得する。このようにカード端末3は、クレジットカード8からカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段を備えている。
【0055】
更に、カード端末3は、ユーザから電子マネーカード9にチャージする金額の入力を受け付ける。これにより、カード端末3は、チャージする金額を特定する金額情報を取得する。このようにカード端末3は、認証したユーザから金額情報を取得する金額情報取得手段を備えている。
また、カード端末3は、クレジットカード8と通信して上記の情報処理を行うと共に、電子マネーカード9に対しては、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から電子マネーカード番号を読み出す。
【0056】
カード端末3は、以上のようにして各情報を取得した後、バリュー購入情報をクレジット会社サーバ4に送信する。バリュー購入情報は、認証結果、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、及び金額情報を含んでいる。このように、カード端末3は、カード特定情報と金額情報をクレジット会社サーバ4(金融サーバ)に送信するカード情報送信手段を備えている。
【0057】
カード端末3が、クレジット会社サーバ4にバリュー購入情報を送信すると、クレジット会社サーバ4は課金を行って、電子マネーサーバ5と通信し、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信する。
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より金額情報と電子マネーカード番号を受信し、電子マネーカード9にチャージを行えるように準備する。
【0058】
[電子マネーカードへのチャージ機能]
カード端末3は、ユーザにチャージを行うか否かの問い合わせを行う。
ユーザがチャージを希望すると、カード端末3は、電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信し、電子マネーカード9に現在チャージが可能なバリューがあるか否かを問い合わせ、チャージ可能なバリューがある場合はその金額を受信してユーザに提示する。
【0059】
ユーザはこの提示を確認してチャージの実行をカード端末3に指示すると、カード端末3は、電子マネーサーバ5に対して金額変更情報を要求する。
そして、カード端末3は、この要求に応じて電子マネーサーバ5が送信してきた金額変更情報を受信して(金額変更情報受信手段)、リーダライタ7を介して電子マネーカード9に入力する(入力手段)。
【0060】
チャージが完了すると、カード端末3は、その旨を電子マネーサーバ5に伝えると共に、チャージ後の金額を電子マネーカード9から読み出してユーザに提示する。
ユーザは、この提示により電子マネーカード9にバリューがチャージされたことを確認することができる。
【0061】
なお、電子マネーカード9にチャージする際にパスワードを設定するように構成することができる。
これは、電子マネーカード9にチャージを要求している者が電子マネーカード9の正当な(即ち、予め電子マネーサーバ5で登録してある)所有者であるか否かを電子マネーサーバ5が判断するためである。
【0062】
この場合、カード端末3は、パスワードをユーザに入力させて電子マネーサーバ5に送信し、電子マネーサーバ5は、電子マネーカード9の電子マネーカード番号に対して設定されているパスワードと一致するか否かを確認する。
パスワードが一致しない場合は、チャージを行わない。
【0063】
また、本実施の形態では、クレジットカード8を用いてクレジット会社サーバ4でバリューを購入した後、引き続いてこのバリューを電子マネーサーバ5から電子マネーカード9にチャージするように構成したが、クレジット会社サーバ4と電子マネーサーバ5は、独立したシステムであるため、必ずしも、クレジットカード8でバリューを購入した後、引き続いて電子マネーサーバ5からチャージを行う必要はない。これについては後ほど変形例で説明する。
【0064】
更に、電子マネーサーバ5は、クレジットカード8によるバリューの購入以外にも、電子マネーカード9にチャージするバリューを準備することができる。
例えば、カード端末3は、ユーザがポイントサービスを利用してポイントをバリューと交換したり、あるいは、ユーザが他の経路でバリューを購入したりなどしたバリューを電子マネーサーバ5からチャージすることもできる。
【0065】
この場合、ユーザは、カード端末3に電子マネーカード9をセットして現在チャージ可能なバリューを電子マネーサーバ5に問い合わせ、そして、チャージ可能なバリューを電子マネーカード9にチャージする。このように、カード端末3は、電子マネーカード9にチャージするために必ずしもクレジットカード8を必要としない。
【0066】
図3にカード端末3のハードウェア的な構成の一例をブロック図にて示す。
図3に示したようにカード端末3は、CPU31、ROM33、RAM34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ7、リーダライタ6などがバスライン46で接続されて構成されている。
【0067】
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、カード端末3全体の制御などを行う。
本実施の形態では、クレジットカード8やクレジット会社サーバ4と通信してクレジットカードの受け付け機能を発揮したり、あるいは、電子マネーカード9や電子マネーサーバ5と通信して電子マネーカードへのチャージ機能を発揮したりする。
【0068】
ROM33は、カード端末3を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出しメモリである。
【0069】
通信制御部35は、カード端末3をネットワークに接続する接続装置であって、カード端末3は通信制御部35を介してクレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5と接続することができる。
【0070】
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
【0071】
プログラム格納部42には、カード端末3を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU31にクレジットカードの受け付け機能を発揮させたり、あるいは、電子マネーカードへのチャージ機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部44には、例えば、クレジットカード8や電子マネーカード9に対して行った情報処理に関するログデータなどが記憶される。
【0072】
入力部37は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウスなど、ユーザが情報を入力するための入力装置を備えている。
ユーザは、これらの入力装置を操作することにより、クレジットカード8の暗証番号や、購入するチャージの金額、その他の情報をカード端末3に入力することができる。
【0073】
出力部38は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode−ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、その他の表示装置を備えている。表示装置は、各種画面によりユーザへの指示内容や確認事項などを表示する。
また、出力部38にスピーカなどの音声出力装置を備えるように構成し、ユーザへの指示内容や確認事項などを音声にて出力することも可能である。
【0074】
リーダライタ6とリーダライタ7は、先に説明したとおりである。
【0075】
次にクレジット会社サーバ4(図1)について説明する。
クレジット会社サーバ4は金融サーバを構成し、カード端末3からバリュー購入情報を受け付けてユーザに課金する課金機能と、電子マネーサーバ5にユーザからバリュー購入情報を受け付けたことを通知する購入通知機能を備えている。
【0076】
[課金機能]
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信し、これから認証結果、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、金額情報を取得する。これは、カード情報取得手段に対応する。
そして、クレジット会社サーバ4は、まず、暗証番号の認証結果を確認し、認証結果が認証に成功したものであった場合は以降の処理を続行し、認証結果が認証に失敗したものであった場合は、カード端末3にエラーメッセージを送信し、処理を中止する。
【0077】
なお、本実施の形態では、認証結果をクレジット会社サーバ4で判断するように構成したが、これに限定するものではなく、カード端末3で判断するように構成することもできる。
【0078】
この場合は、カード端末3は、クレジットカード8から認証結果を受信してこれを確認し、認証結果が認証に成功したものであった場合は、バリュー購入情報をクレジット会社サーバ4に送信し、認証結果が認証に失敗したものであった場合は、ユーザにエラーメッセージを提示し、以降の処理を中止する。
【0079】
クレジット会社サーバ4は、認証結果が認証に成功したものであった場合、登録ユーザデータベースを用いてクレジットカード番号からユーザを特定する。
そして、ユーザに与信可能か否かを判断し、与信が可能な場合は、以下の処理を続行する。与信が不可能な場合は、その旨をカード端末3に通知する。
【0080】
図4(a)に登録ユーザデータベースの論理的な構成の一例を示す。
登録ユーザデータベースは、ユーザの登録情報を記憶したデータベースであって、ユーザがクレジットカード8の取得時にクレジット会社に登録した個人情報などが記憶されている。
図4(a)に示したように、登録ユーザデータベースは、「クレジットカード番号」、「暗証番号」、「氏名」、「課金先口座」、その他の各項目から構成されている。
【0081】
項目「クレジットカード番号」は、当該ユーザに発行したクレジットカード8に固有のクレジットカード番号である。
項目「暗証番号」は、クレジットカード8に対して設定されている暗証番号であり、クレジットカード8が暗証番号の認証で使用するものである。クレジットカード8にもこの値が記憶されている。
【0082】
項目「氏名」は、ユーザの氏名である。
項目「課金先口座」は、ユーザに課金した金額を引き落とす金融口座を特定するための情報であり、例えば、ユーザが指定した銀行口座の口座番号や名義人などから構成されている。
ユーザ登録情報には、この他に、登録日時、ユーザの住所、職業、勤務先、電話番号、クレジットカード8の有効期限など、ユーザの個人情報が記憶されている。
【0083】
クレジット会社サーバ4は、以上のように構成されたユーザ登録情報のクレジットカード番号と、カード端末3から受信したクレジットカード番号を照合することにより、ユーザを特定することができる。
【0084】
クレジット会社サーバ4は、ユーザを特定した後、ユーザの与信枠とその使用状況を記録したデータベース(図示しない)を用いてユーザの与信状態を確認し、金額情報で特定される金額分の与信を与えることができるか否かを判断する。
与信を与えることができる場合は、ユーザに課金を行い、与信を与えることができない場合は、その旨をカード端末3に通知する。
【0085】
クレジット会社サーバ4は、課金データベースに課金情報を記録することによりユーザに課金を行う。このようにクレジット会社サーバ4は課金手段を備えている。
図4(b)に課金データベースの論理的な構成の一例を示す。
課金データベースは、クレジットカード番号と課金金額を対応づけたデータベースであって、「クレジットカード番号」、「課金金額」、「カード端末ID」、「日時」などの各項目から構成されている。
【0086】
項目「クレジットカード番号」には、バリュー購入情報より取得したクレジットカード番号が記録される。
項目「課金金額」には、バリュー購入情報より取得した金額情報で特定される金額が記録される。
【0087】
項目「カード端末ID」には、カード端末3のID情報が記録される。カード端末3は、カード端末3を識別するための固有のID情報を記憶しており、クレジット会社サーバ4と通信する際に、これをクレジット会社サーバ4に通知するようになっている。
項目「日時」は、カード端末3からチャージ申込情報を受信した日時が記録される。
【0088】
課金データベースは、クレジットカード8で課金を行うたびに記録が追加され更新される。
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信すると以上のようにして課金を行う。
【0089】
課金処理には、月に1回程度締め日が設定されており、クレジット会社サーバ4は、締め日までの課金金額を各クレジットカード番号ごとに集計し、登録ユーザデータベースで登録されている課金先口座に集計した課金金額を請求する。
【0090】
[購入通知機能]
クレジット会社サーバ4は、専用線などにより電子マネーサーバ5と接続されており、ユーザに課金を行うと、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信する。
クレジット会社サーバ4は、クレジット会社サーバ4の所有者を認証するサーバ装置であって、クレジット会社サーバ4は認証した所有者を識別する所有者識別情報として(カード端末3からクレジットカード番号に対応づけて送られてくる)電子マネーカードを電子マネーサーバ5に送信する。このように、クレジット会社サーバ4はカード情報提供手段を備えている。また、電子マネーサーバ5は電子マネーカード9に対して金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段を構成している。
ユーザは、クレジットカード8でバリューを購入した後、引き続いて電子マネーカード9のチャージを行うことが想定されるため、この送信処理は、課金を行うごとにリアルタイムで行う。
【0091】
クレジット会社サーバ4は、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信することにより、電子マネーサーバ5に対してユーザに与信を与えたことを通知することができる。ユーザが購入するバリューの代金は、クレジット会社がユーザに与信を与えることにより立てかえた形となる。これは、クレジットカードを用いた通常の買い物の場合と同じである。
【0092】
図5にクレジット会社サーバ4のハードウェア的な構成の一例をブロック図にて示す。
図5に示したようにクレジット会社サーバ4は、CPU51、ROM52、RAM53、通信制御部54、記憶部55などがバスライン59で接続されて構成されている。
【0093】
CPU51は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、クレジット会社サーバ4全体の制御などを行う。
本実施の形態では、カード端末3と通信して課金機能を発揮したり、電子マネーサーバ5と通信して購入通知機能を発揮したりする。
【0094】
ROM52は、クレジット会社サーバ4を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM53は、CPU51のワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出しメモリである。
【0095】
通信制御部54は、クレジット会社サーバ4をネットワークに接続する接続装置であって、クレジット会社サーバ4は通信制御部54を介してカード端末3や電子マネーサーバ5と接続することができる。
【0096】
記憶部55は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
【0097】
プログラム格納部56には、クレジット会社サーバ4を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51に課金機能や購入通知機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部57には、登録ユーザデータベースや、与信枠を管理するためのデータベース、及び課金データベースなどが記憶されている。
【0098】
次に、電子マネーサーバ5(図1)について説明する。
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4から通知を受けてチャージの準備を行うチャージ準備機能と、電子マネーカード9にチャージを行うチャージ機能とを備えている。
【0099】
[チャージ準備機能]
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より金額情報と電子マネーカード番号を受信し、電子マネーカード9にチャージを行うための準備を行う。
この準備は、まず、クレジット会社サーバ4から受信した電子マネーカード番号を登録ユーザデータベースで照合してこのユーザの電子マネーカード9を特定し、次いでチャージする金額をチャージ準備データベースに登録することにより行う。
【0100】
図6(a)に登録ユーザデータベースの論理的な構成の一例を示す。
登録ユーザデータベースは、ユーザの登録情報を記憶したデータベースであって、ユーザが電子マネーカード9の取得時に電子マネーを運営する事業体(電子マネー会社)に登録したものである。
【0101】
登録ユーザデータベースは、「電子マネーカード番号」、「ユーザ名」、「パスワード」、その他の各項目から構成されている。
項目「電子マネーカード番号」は、当該ユーザに発行した電子マネーカード9に固有の番号である。
項目「ユーザ名」は、ユーザの氏名である。
項目「パスワード」は、電子マネーサーバ5がユーザを認証する必要がある場合に使用するパスワードである。
【0102】
次に、図6(b)にチャージ準備データベースの論理的な構成の一例を示す。
チャージ準備データベースは、「電子マネーカード番号」、「金額」、「有効期限」、「チャージ」などの各項目から構成されている。
【0103】
項目「電子マネーカード番号」は、チャージの対象となる電子マネーカードの電子マネーカード番号である。
項目「金額」は、この電子マネーカードにチャージすべき金額である。
【0104】
項目「有効期限」は、チャージを行う期限である。この期限を過ぎてもユーザがチャージを行わない場合は、この金額をユーザが指定する銀行口座などに振り込み返金する。
【0105】
項目「チャージ」は、ユーザが既に当該チャージを行ったか否かを示すフラグ情報である。ユーザが既にチャージを行った場合は「済」に設定され、まだユーザがチャージを行っていない場合は「未」に設定される。
【0106】
電子マネーサーバ5は、登録ユーザデータベースで電子マネーカード9の電子マネーカード番号を確認すると、チャージ準備データベースに、これらの項目を入力し、バリューのチャージ準備を完了する。
【0107】
[チャージ機能]
電子マネーサーバ5は、以下のようにしてカード端末3から要求に応じて電子マネーカード9に金額変更情報を送信し、電子マネーカード9をチャージする。
まず、電子マネーサーバ5は、カード端末3から電子マネーカード9の電子マネーカード番号を受信する。
そして、これをチャージ準備データベースで検索し、未チャージのバリューがあるか否かを確認する。
【0108】
即ち、チャージ準備データベースで、検索対象の電子マネーカード番号があるか否かを確認し、あった場合は更に項目「チャージ」が「未」であるかを確認する。
項目「チャージ」が「未」であった場合は、項目「金額」に記録されている金額がチャージを行うバリューの金額となる。
【0109】
電子マネーサーバ5は、チャージ準備ができているバリューがあることをチャージ準備データベースで確認すると、項目「金額」で記録されている金額分のバリューを加算するための金額変更情報を生成し、カード端末3に送信する。
【0110】
カード端末3は、この金額変更情報を受信して電子マネーカード9に入力し、電子マネーカード9にチャージする。
電子マネーカード9は、チャージが成功するとその旨の通知をカード端末3を介して電子マネーサーバ5に送信するが、電子マネーサーバ5は、この通知を受信し、チャージ準備データベースの項目「チャージ」を「済」に更新して処理を終了する。
【0111】
電子マネーサーバ5のハードウェア的な構成は、基本的にクレジット会社サーバ4と同じである。
ただし、電子マネーサーバ5の場合、プログラム格納部56には、電子マネーサーバ5を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51にチャージ準備機能やチャージ機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部57には、登録ユーザデータベースやチャージ準備データベースなどが記憶されている。
【0112】
次に、図7のフローチャートを用いて、ユーザがクレジットカード8でバリューを購入する手順について説明する。
まず、ユーザは、リーダライタ6にクレジットカード8をセットし、これによって、カード端末3はクレジットカード8との通信経路を確立する。
【0113】
次いで、カード端末3は、ユーザに暗証番号とバリュー購入金額の入力を要求する。そして、ユーザが入力した暗証番号をクレジットカード8に入力する(ステップ5)。
クレジットカード8は、カード端末3から暗証番号の入力を受け付け、内部に記憶している暗証番号と照合し、暗証番号を認証する(ステップ10)。
【0114】
そして、クレジットカード8は、認証結果をカード端末3に出力する(ステップ15)。
更に、カード端末3は、クレジットカード8に要求してクレジットカード番号を取得する。
【0115】
次に、カード端末3は、電子マネーカード9に電子マネーカード番号を要求し、電子マネーカード9はこれを受けて電子マネーカード番号をカード端末3に出力する(ステップ17)。
次に、カード端末3は、このようにして取得した金額情報(バリュー購入金額)、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、認証結果をバリュー購入情報としてクレジット会社サーバ4に送信する(ステップ20)。カード端末3は、このようにクレジットカード番号と電子マネーカード番号を同じタイミングでクレジット会社サーバ4に送信することにより、クレジット会社サーバ4において両者を対応づけさせることができる。
【0116】
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信し、これから認証結果、クレジットカード番号、金額情報などを取得する。
クレジット会社サーバ4は、認証結果が認証に成功したものであることを確認した後、課金データベースに、クレジットカード番号、金額情報、その他の項目を記録し、当該ユーザに対して課金処理を行う(ステップ25)。
クレジット会社サーバ4は、課金処理をした後、金額情報と電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信する(ステップ30)。
【0117】
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4よりこれらの情報を受信する。そして、電子マネーカード番号を登録ユーザデータベースで検索し、電子マネーカード9を特定する。
そして、チャージ準備データベースに、電子マネーカード番号、金額情報、その他の情報を記憶し(項目「チャージ」は「未」に設定)、電子マネーカード9にチャージを行う準備を完了する(ステップ35)。
【0118】
以上の手順により、ユーザは、クレジットカード8にてバリューを購入し、電子マネーサーバ5でチャージ準備完了の状態にすることができる。
【0119】
次に、図8のフローチャートを用いて、ユーザが電子マネーカード9にバリューをチャージするまでの手順について説明する。
【0120】
まず、カード端末3は、電子マネーカード9に電子マネーカード番号を要求し、電子マネーカード9は、これに応じて電子マネーカード番号をカード端末3に出力する(ステップ50)。なお、カード端末3はステップ17で電子マネーカード番号を既に取得しているのでこれを用いてもよい。
カード端末3は、電子マネーカード9から電子マネーカード番号を取得し、これを電子マネーサーバ5に送信する(ステップ55)。
【0121】
電子マネーサーバ5は、カード端末3より電子マネーカード番号を受信し、これを登録ユーザデータベースで確認する(ステップ60)。
また、必要がある場合は、カード端末3でユーザにパスワードを入力させ、電子マネーカード番号とパスワードの一致を確認する。
【0122】
次に、電子マネーサーバ5は、チャージ準備データベースで、当該電子マネーカード番号を検索し、チャージ可能なバリューがあるか否かを確認する。
そして、チャージ可能なバリューがあった場合、そのチャージ可能金額(項目「金額」に記録されている金額)をカード端末3に送信する(ステップ65)。
【0123】
カード端末3は、電子マネーサーバ5よりチャージ可能金額を受信し、これをユーザに提示する。そして、ユーザは、この金額を確認する。
カード端末3は、ユーザが金額を確認すると、金額が確認された旨の通知を電子マネーサーバ5に送信する(ステップ70)。
【0124】
電子マネーサーバ5は、カード端末3からこの通知を受信すると、チャージ可能金額分のバリューをチャージするための金額変更情報を生成し(ステップ75)、カード端末3に送信する(ステップ80)。
【0125】
カード端末3は、電子マネーサーバ5から金額変更情報を受信し(ステップ85)、これを電子マネーカード9に入力する(ステップ90)。
電子マネーカード9は、カード端末3から金額変更情報を受信し、これを用いて現在記憶しているバリューの金額をチャージ後の金額に更新する(ステップ95)。
【0126】
なお、フローチャートには示していないが、電子マネーカード9は、金額を更新すると、更新完了通知と更新後のバリューの金額をカード端末3に出力する。
カード端末3は、この更新後の金額をユーザに提示すると共に、更新完了通知を電子マネーサーバ5に送信する。
【0127】
電子マネーサーバ5は、更新完了通知をカード端末3から受信して、バリューのチャージが完了したことを認識し、チャージ準備データベースの項目「チャージ」を「未」から「済」に更新する。
以上の手順により、電子マネーサーバ5は、チャージ準備が完了したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0128】
次に、カード端末3でユーザに提示される各画面について説明する。
図9の各図は、クレジットカード8でバリューを購入する際にカード端末3で表示される画面の一例を示した図である。
【0129】
図9(a)は、カード端末3に表示されるメニュー画面の一例を示した図である。
カード端末3では、クレジットカード8によるバリューの購入のほか、各種のサービスを提供しており、ユーザはこれらの中から所望のものを選択できるようになっている。
【0130】
図9(a)の例では、クレジットカードによるバリューの購入ボタン71、残高照会ボタン72などが表示されており、ユーザは希望するサービスのボタンをタッチすることにより選択することができる。
ユーザは、バリューの購入ボタン71をタッチすることにより、クレジットカード8によるバリューの購入処理を開始することができる。
なお、残高照会ボタン72は、現在電子マネーカード9に記憶されているバリューの残高を確認する際に選択するボタンである。
【0131】
図9(b)は、図9(a)のメニュー画面で購入ボタン71を選択した場合に表示されるバリュー購入画面である。図7のフローチャートでは、ステップ5で表示される画面に対応する。
バリュー購入画面では、「クレジットカードと電子マネーカードをセットして暗証番号とバリュー購入金額を入力してください。」などと、クレジットカード8をリーダライタ6にセットし、更に電子マネーカード9をリーダライタ7にセットし、暗証番号とバリュー購入金額の入力をユーザに指示する表示がなされる。
【0132】
ユーザは、この指示に従いクレジットカード8をリーダライタ6にセットし、電子マネーカード9をリーダライタ7にセットすることとなる。
バリュー購入画面には、暗証番号入力欄75、購入金額入力欄76、及び送信ボタン77を有し、ユーザは、暗証番号入力欄75にクレジットカード8の暗証番号を入力し、購入金額入力欄76に購入するバリューの金額を入力する。
【0133】
これらの数値は、図示しないキーボードやタッチパネルなどをユーザが操作することにより入力される。
暗証番号入力欄75には、ユーザが暗証番号を入力すると、その桁数に対応して黒丸が表示され、暗証番号は表示されないようになっている。これにより第三者によって暗証番号が見られることを防止することができる。
【0134】
ユーザは、これらの値を入力すると送信ボタン77を選択する。
カード端末3は、送信ボタン77が選択されると、暗証番号の認証を行い(図7のステップ10、15)、認証結果、金額情報、及びクレジットカード番号、電子マネーカード番号をクレジット会社サーバ4に送信する(図7のステップ20)。
【0135】
図10の各図は、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージする際にカード端末3で表示される画面の一例を示した図である。
【0136】
図10(a)は、図9(b)のバリュー購入画面で送信ボタン77を選択した後に表示されるチャージ画面である。図8のフローチャートでは、ステップ50で表示される画面に対応する。なお、ここでは、電子マネーカード9のチャージにパスワードが必要であるものとする。
【0137】
チャージ画面には、「電子マネーカードをセットしてパスワードを入力してください。」などと、ユーザに対して電子マネーカード9のセットを確認させ、パスワードを入力するようユーザに指示する表示がなされる。そして、カード端末3は、電子マネーカード9から電子マネーカード番号を読み出す(図8のステップ50)。
また、チャージ画面には、パスワード入力欄80と送信ボタン81が表示される。
【0138】
ユーザは、指示に従い、電子マネーカード9がリーダライタ7にセットされていることを確認し、パスワード入力欄80にパスワードを入力し、送信ボタン81を選択する。
なお、パスワード入力欄80にはユーザが入力したパスワードに対応して黒丸が表示される。
送信ボタン81が選択されると、カード端末3は、電子マネーカード番号とパスワードを電子マネーサーバ5に送信し(図8のステップ55)、電子マネーサーバ5は、チャージ可能金額をカード端末3に送信してくる(図8のステップ65)。
【0139】
図10(b)は、電子マネーサーバ5から送信されてきたチャージ可能金額を表示する金額確認画面の一例を示した図である。図8のフローチャートではステップ70で表示される画面に対応する。
金額確認画面には、「チャージ可能金額 2,000円」などと、現在チャージ可能な金額が表示されると共に「チャージしますか?」などと、ユーザにチャージの意思を確認する表示がなされる。
【0140】
チャージ画面には、「はい」と表示されたボタン83と「いいえ」と表示されたボタン84が備えられており、ユーザは、チャージを行う場合はボタン83を選択し、チャージを行わない場合はボタン84を選択する。
ボタン84を選択した場合、ユーザは後ほど再度チャージを行うことができる。
【0141】
図10(c)は、ユーザにチャージの完了を通知するチャージ完了画面の一例を示した図である。図8のフローチャートでは、ステップ95で表示される画面に対応する。
チャージ完了画面では「2,000円分チャージしました。」といったように、チャージした金額が表示されるほか、「チャージ後の残高は 3,000円です。」などと、チャージ後のバリュー残高も表示される。
【0142】
以上に説明した本実施の形態の電子マネーチャージシステム1では、電子マネーカード9の暗証番号の認証をカード端末3でローカルに行うことができ、更に、その認証結果を用いてクレジットカード8による与信によりバリューを購入することができる。そして、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0143】
実施の形態では、バリューの購入にクレジットカード8を用いたが、他の金融ICカードによってバリューを購入するように構成することも可能である。
例えば、ICカードで構成した銀行のキャッシュカードを用いてバリューを購入するように構成することもできる。
この場合の課金方法は、ユーザの銀行口座からの引き落としをするように構成することができる。
【0144】
また、実施の形態では、クレジット会社サーバ4が電子マネーサーバ5に電子マネーカード番号を送信したが、これは、電子マネーカード番号に限定するものではなく、クレジット会社サーバ4で認証された所有者(ユーザ)を特定できる情報であればよい。電子マネーサーバ5は、この所有者に対応づけられた電子マネーカード番号を有する電子マネーカード9にチャージを行うことになる。
【0145】
例えば、電子マネーサーバ5の登録ユーザデータベースで、電子マネーカード9の電子マネーカード番号とクレジットカード8のクレジットカード番号が対応づけ(紐づけ)ておき、クレジット会社サーバ4が電子マネーサーバ5にクレジットカード番号を送信するように構成することもできる。
【0146】
この場合、電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4から受信したクレジットカード番号を登録ユーザデータベースで検索することにより、チャージ対象となる電子マネーカード9を特定することができる。
【0147】
また、クレジット会社サーバ4でクレジットカード番号と電子マネーカード番号を対応づけておき、クレジット会社サーバ4は、カード端末3から受信したクレジットカード番号に対応する電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信するように構成することもできる。
この場合、カード端末3は、クレジット会社サーバ4にクレジットカード番号を送信すれば電子マネーサーバ5に電子マネーカード番号を伝達することができ、クレジット会社サーバ4に電子マネーカード番号を送信する必要はなくなる。
【0148】
以上に説明した実施の形態では、カード端末3でバリューの購入と、購入したバリューのチャージを連続して行ったが、購入したバリューを後で電子マネーカード9にチャージすることも可能である。
ここでは、図11を用いてユーザが自宅でチャージする場合について説明する。
【0149】
図11で示したユーザ端末10は、例えば、インターネット接続可能でリーダライタ7を装備したパーソナルコンピュータで構成されている。
まず、ユーザは、カード端末3にクレジットカード8をセットし、クレジット会社サーバ4でバリューを購入する。その後、自宅でユーザ端末10に電子マネーカード9をセットして電子マネーサーバ5に接続し、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージする。
【0150】
このように、ユーザは、カード端末3においてクレジットカード8を用いて購入したバリューを後ほどカード端末3とは異なる端末装置から取得することができる。
この端末装置としては、パーソナルコンピュータのほかに、バリュー処理機能を有する携帯端末を用いることも可能である。
【0151】
図11は、携帯電話60でバリューをチャージする場合についても示している。
携帯電話60は、インターネットに接続する機能を有すると共に、電子マネーカード9と同様の機能も備えている。
ユーザは、クレジットカード8でバリューを購入した後、携帯電話60で電子マネーサーバ5にアクセスし、購入したバリューを携帯電話60にチャージする。
【0152】
図12に携帯電話60の機能的な構成の一例を示したブロック図である。
図12に示したように、携帯電話60は、インターネット接続可能な携帯電話としての機能を発揮する電話機能部61、電子マネーカード9に内蔵されたものと同様の非接触型ICチップにより構成され、電子マネー処理機能を発揮する電子マネー機能部67、及び両者を接続するインターフェース部65から構成されている。
携帯電話60は、電子マネー機能部67により、電子マネーカード9と同様の電子マネー処理機能を発揮することができ、貨幣端末を構成している。
【0153】
電話機能部61は、携帯電話60の基地局と無線通信することができ、基地局を介して電話回線網(通話する場合)、又はインターネット(電子マネーサーバ5にアクセスする場合)に接続することができる。
電話機能部61には、アプリケーション62がインストールされている。アプリケーション62は、電子マネーに関する各種サービスを提供するアプリケーションであり、インターフェース部65を介して電子マネー機能部67にアクセスする中継部63を備えている。
【0154】
アプリケーション62は、電子マネー機能部67にアクセスして電子マネーカードID、バリューの残高、ログデータなどをディスプレイに表示するなど、電子マネー機能部67に記憶されている情報をユーザに提示する機能を有している。
【0155】
更に、アプリケーション62は、インターネットを介して電子マネーサーバ5と通信も行う。
これにより、電子マネー機能部67に記憶された電子マネーカードIDやバリューの残高などを電子マネーサーバ5に送信したり、あるいは電子マネーサーバ5から送信されてきた金額変更情報を電子マネー機能部67に入力することができる。
【0156】
図示しないが、電子マネー機能部67は、電子マネーカード9と同様にCPU、ROM、RAM、EEPROM、高周波回路などの素子が形成された非接触型ICチップとアンテナを用いて形成されており、CPUで所定のプログラムを実行することにより、図12で示したバリュー処理部68と記憶部69が形成される。
【0157】
記憶部69は、電子マネーカードID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
バリュー処理部68は、外部の通信先からの指示により、電子マネーカードIDやバリュー残高を出力したり、あるいは、外部の通信先より金額変更情報を受信してバリュー残高を更新したりする。
【0158】
バリュー処理部68の通信先としては、カード端末3、電子マネーサーバ5、店舗などに設置した電子マネー端末80などがある。
バリュー処理部68は、カード端末3や電子マネー端末80と通信する場合、内蔵の端末アンテナを介して無線通信を行う。この場合、ユーザは携帯電話60を電子マネー端末に近接させて設置する。
電子マネーサーバ5と通信する場合は、アプリケーション62を介してインターネット経由で電子マネーサーバ5と通信を行う。
【0159】
このように、携帯電話60は、電子マネー端末や電子マネーサーバ5と通信して金額変更情報を電子マネー機能部67に入力することにより、電子マネー機能部67にバリューをチャージしたり、あるいは電子マネー機能部67のバリューを用いて決済することができる。
また、バリュー処理部68は、カード端末3と無線通信することができるため、電子マネーカード9と同様にカード端末3にセットしてバリューをチャージすることができる。
【0160】
図13は、電子マネーカード9や携帯電話60の使用形態を説明するための図である。
電子マネーカード9や携帯電話60は、チャージした後、図13に示した電子マネーシステム1aで使用される。
電子マネーシステム1aは、クレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5、カード端末3などからなる電子マネーチャージシステム1を含み、更にインターネット72、基地局70、電話回線網71、電子マネー端末80、80、80、・・・、ユーザ端末10などから構成されている。
【0161】
電子マネー端末80は、店舗などに設置された非接触型ICカードアクセス用の端末装置であり、電子マネー業務用に構成された専用機である。
電子マネー端末80は、アンテナを内蔵したリーダライタ部を備えており、このアンテナで電波を送受信することにより、電子マネーカード9や携帯電話60などの貨幣端末に埋め込まれた非接触型ICチップと近距離間の無線通信を行うことができる。
【0162】
電子マネー端末80は、貨幣端末と無線通信をして、これらに設定された電子マネーカードIDや、電子マネーカード9や携帯電話60で記憶しているバリューの残高を読み取ったり、金額変更情報を入力してバリューの金額を増減させることができる。
【0163】
このように、電子マネー端末80は、電子マネーカード9や携帯電話60に記憶されたバリューを増減させることができる。そのため、電子マネーカード9や携帯電話60にチャージを行う際に、ユーザからチャージ金額分の金銭を徴収し(又はクレジットカード8で与信を与え)、ユーザから商品やサービスなどの代金を徴収する代わりにユーザが保有するバリューを減算して決済することにより、バリューを現金の代用として流通させることができる。
【0164】
ユーザ端末10は、例えばパーソナルコンピュータなどで構成された端末装置であって、インターネット72を介して電子マネーサーバ5に接続できるようになっている。
また、ユーザ端末10は、リーダライタ部10aを周辺機器として備えており、これを用いて電子マネーカード9や携帯電話60と近距離の無線通信を行うことができる。
【0165】
そして、ユーザは、電子マネーカード9や携帯電話60をリーダライタ部10a経由でユーザ端末10に接続し、更にユーザ端末10を電子マネーサーバ5に接続することにより、電子マネーカード9や携帯電話60を電子マネーサーバ5に接続することができる。
これにより、電子マネーサーバ5は電子マネーカード9や携帯電話60に対してバリューの増減を行うことができる。
また、携帯電話60の場合、基地局70経由で電子マネーサーバ5に接続することもできる。
なお、電話回線網71は、携帯電話60が通話に使用する回線網である。
【0166】
このように、電子マネーシステム1aは、バリューを貨幣と同様に流通させる流通機構となっており、ユーザは、クレジットカード8を用いてチャージしたバリューを商品やサービスの購入に充てることができる。
【0167】
次に、クレジットカード8や電子マネーカード9の変形例について説明する。
図14(a)は、クレジットカード8aが非接触型ICカードで構成されている場合を示している。
クレジットカード8aは、接触型ICカードであるクレジットカード8と同じ機能を有しているが、カード端末3へ接続するインターフェースは非接触型となっている。
【0168】
この場合、カード端末3は、リーダライタ7を介して、クレジットカード8aの暗証番号の認証を行うと共にクレジットカード番号を読み出す。
このように、クレジットカード8aと電子マネーカード9が共に非接触型ICカードで構成されている場合は、リーダライタ6を用いずにリーダライタ7で処理を行うことができる。
【0169】
なお、リーダライタ7でクレジットカード8aと電子マネーカード9を同時にアクセスすることはできないので、例えば、カード端末3は、ユーザにクレジットカード8aをリーダライタ7にセットさせて処理を行った後、ユーザに電子マネーカード9をリーダライタ7にセットさせてチャージを行う。
【0170】
なお、図14(a)では、クレジットカード8aと電子マネーカード9の両方を非接触型ICカードで構成したが、逆に、両方とも接触型ICカードで構成することもできる。
この場合は、リーダライタ6を介して両者にアクセスすることにより同様の処理を行うことができる。
【0171】
図14(b)は、非接触型ICカード9aが、クレジットカード8としての機能と、電子マネーカード9としての機能を備えている場合を示している。
これは、非接触型ICカード9aに埋め込まれたICチップに、クレジットカード機能を発揮するプログラムと電子マネーカード機能を発揮させるプログラムを組み込むことにより実現することができる。
【0172】
カード端末3は、リーダライタ7を介して非接触ICカード9aと通信し、非接触型ICカード9aをクレジットカードモードと電子マネーカードモードに切り替えて駆動することができる。
【0173】
そこで、カード端末3は、クレジットカード関係の処理を行う場合は、非接触型ICカード9aをクレジットカードモードで駆動して暗証番号認証などを行い、チャージする場合は非接触型ICカード9aを電子マネーカードモードで駆動してチャージ処理などを行う。
【0174】
このため、ユーザは、リーダライタ7に非接触型ICカード9aをセットするだけで、クレジットカードに関する処理を電子マネーカードに関する処理の両方を行うことができる。
なお、接触型ICカードに、クレジットカード機能と電子マネーカード機能を持たせることも可能である。この場合は、リーダライタ6よりこの接触型ICカードにアクセスする。
【0175】
また、一枚のカードに、クレジットカード機能を有する接触型ICチップと、電子マネー機能を有する非接触型ICチップを埋め込むことも可能である。
この場合、このカードは、リーダライタ6にアクセスするための接触端子とリーダライタ7にアクセスするための高周波回路を備えており、クレジットカードとして使用するときはリーダライタ6にセットし、電子マネーカードとして使用するときはリーダライタ7にセットするようにする。
【0176】
逆に、電子マネーカード機能を有する接触型ICチップと、クレジットカード機能を有する非接触型ICチップをカードに埋め込んで使用することも可能である。
この場合は、クレジットカードとして使用するときはリーダライタ7にセットし、電子マネーカードとして使用するときはリーダライタ6にセットするようにする。
【0177】
図14(c)は、電子マネーカード機能を発揮する非接触型ICチップを携帯電話60に埋め込んだ場合を示している。
この場合、カード端末3は、リーダライタ7を介して携帯電話60にアクセスすることができるため、携帯電話60を電子マネーカード9と同様に使用することができる。
即ち、クレジットカード8でバリューを購入し、そのバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0178】
また、更なる変形として、携帯電話60に埋め込んだ非接触型ICチップにクレジットカード機能を持たせることも可能である。
この場合、クレジットカード8は必要なく、リーダライタ7に携帯電話60をセットするだけでバリューの購入とチャージを行うことができる。
【0179】
更に、接触型ICチップや非接触型ICチップを埋め込む媒体として、携帯電話60のほかに、例えば、腕時計、PDA(Personal Digital Assistant)、など、各種のものが可能である。
【0180】
以上のように、クレジットカード機能と、電子マネーカード機能は、ICチップによって実現され、このICチップは、接触型、非接触型の何れの型でも実現することができる。
また、クレジットカード機能と電子マネーカード機能を1つのICチップで実現することもできる。
そのため、クレジットカード機能や電子マネー機能を埋め込む媒体としては、各種の組み合わせが可能である。
【0181】
以上、本実施の形態と変形例について説明したが、サーバ装置に関しても各種の変形が可能である。
例えば、クレジット会社サーバ4と電子マネーサーバ5を1台のサーバ装置にて構成したり、あるいは、クレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5を複数のサーバ装置からなるシステムとして構成することも可能である。
【0182】
以上に説明した本実施の形態や変形例により、クレジットカードの課金にてバリューを購入することができ、購入したバリューを電子マネーカード9や携帯電話60などにチャージすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】電子マネーチャージシステムの構成の一例を示したブロック図である。
【図2】クレジットカードと電子マネーカードのハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図3】カード端末のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図4】クレジット会社サーバで記憶するデータベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図5】クレジット会社サーバのハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図6】電子マネーサーバで記憶するデータベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図7】クレジットカードでバリューを購入する手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】電子マネーカードにバリューをチャージする手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】クレジットカードでバリューを購入する際にカード端末で表示される画面の一例を示した図である。
【図10】電子マネーカードにバリューチャージする際にカード端末で表示される画面の一例を示した図である。
【図11】変形例を説明するための図である。
【図12】携帯電話の機能的な構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図13】電子マネーカードや携帯電話の使用形態を説明するための図である。
【図14】各種の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0184】
1 電子マネーチャージシステム
3 カード端末
4 クレジット会社サーバ
5 電子マネーサーバ
6 リーダライタ
7 リーダライタ
8 クレジットカード
9 電子マネーカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融サーバ、ICカード端末、及び金融情報処理方法に関し、例えば、クレジットカードを用いて電子マネーを購入するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子マネーを用いた決済システムが小売店やデパートなどで導入され、広く利用されるようになってきた。
電子マネーは、バリューと呼ばれる金銭と同様の貨幣価値をICカードで構成された電子マネーカードや、電子マネー対応の携帯電話などに記憶させ、これらICカードなどを電子財布として使用するものである。
【0003】
バリューをICカードなどに書き込む処理はチャージと呼ばれ、ICカードなどを、小売店の店頭などに設置された専用の端末装置(以下、電子マネー端末)で行ったり、インターネットを介して電子マネーサーバから行うことができる。
【0004】
バリューによる決済は、ICカードなどに記憶したバリューの金額を代金分だけ減額することにより行い、チャージと同様に電子マネー端末や電子マネーサーバによって行うことができる。
このように電子マネーを用いた発明としては、本出願人による次の未公開文献がある。
【0005】
【特許文献1】特願2003−61943公報
【0006】
この発明は、インターネット接続機能と電子マネー機能を備えた携帯電話から、電子マネーサーバにアクセスし、電子マネーサーバと通信しながチャージを行うものである。
この発明により、ユーザは、物理的な場所や営業時間などに拘束されずにチャージを行うことができる。
【0007】
一方、近年ICカードを用いたクレジットカードが流通するようになってきた。クレジットカードを従来の磁気ストライプを用いたものからICチップを用いたものに変更することにより、偽造が困難でセキュリティの高いクレジットカードシステムを提供することができる。
また、銀行のキャッシュカードも磁気ストライプを用いたものからICカードへと切り替えることが考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
クレジットカードを用いた電子マネーカードへのチャージは従来から行われているが、セキュリティ上の問題から、クレジットカードの認証のためにカード端末とクレジット会社のサーバの間に専用回線を設置しなければならず、コストがかかってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、クレジットカードを用いて電子マネーカードにチャージを行うことができる安価なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載した発明では、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信手段と、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供手段と、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金手段と、を具備したことを特徴とする金融サーバを提供する。
請求項2に記載の発明では、前記カード情報受信手段は、前記所有者の所有者識別情報を前記カード特定情報と共に受信し、前記カード情報提供手段は、前記受信した所有者識別情報を前記金額変更情報送信手段に提供することを特徴とする請求項1に記載の金融サーバを提供する。
請求項3に記載の発明では、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証手段と、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段と、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得手段と、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信手段と、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信手段と、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力手段と、を具備したことを特徴とするICカード端末を提供する。
請求項4に記載の発明では、カード情報受信手段と、カード情報提供手段と、課金手段と、を備えたコンピュータにおいて、前記カード情報受信手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信ステップと、前記カード情報提供手段によって、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供ステップと、前記課金手段によって、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金ステップと、から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法を提供する。
請求項5に記載の発明では、認証手段と、カード特定情報取得手段と、金額情報取得手段と、カード情報送信手段と、金額変更情報受信手段と、入力手段と、を備えたコンピュータにおいて、前記認証手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証ステップと、前記カード特定情報取得手段によって、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得ステップと、前記金額情報取得手段によって、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得ステップと、前記カード情報送信手段によって、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信ステップと、前記金額変更情報受信手段によって、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信ステップと、前記入力手段によって、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力ステップと、から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、クレジットカードを用いて電子マネーカードにチャージを行うことができる安価なシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(1)実施の形態の概要
電子マネーチャージシステム1(図1)は、クレジットカード8を用いてバリューの購入を行い、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージするものである。
ここで、バリューとは、電子マネーの運用において貨幣に該当する概念であって、貨幣価値の金額を電子データとして表した貨幣情報である。
【0013】
クレジットカード8は、ICカードなどICチップを内蔵した媒体により構成されており、リーダライタ6を介してカード端末3とクレジットカード8の間で暗証番号の認証が行われる。これにより、暗証番号を入力した者がクレジットカード8の所有者であることの認証がローカルで行われる。
また、カード端末3は、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から電子マネーカード番号を取得する。電子マネーカード9もICカードなどのICチップを内蔵した媒体により構成されている。
【0014】
そして、クレジット会社サーバ4へは、カード端末3から認証結果とチャージする金額を表す金額情報、クレジットカード8のクレジットカード番号、及び電子マネーカード9の電子マネーカード番号が送信される。
【0015】
クレジット会社サーバ4は、認証結果によりクレジットカード8を使用する者が正当なユーザであることを確認すると共にクレジットカード番号によりユーザを特定する。
そして、クレジット会社サーバ4は、金額情報と電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信する。また、クレジット会社サーバ4は、バリューの購入代金としてこの金額をユーザに課金する。即ち、クレジット会社サーバ4は、バリューの購入代金としてユーザに与信を与えたことになる。
【0016】
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より電子マネーカード番号を受信し、これによってチャージを行う対象である電子マネーカード9を特定する。
また、クレジット会社サーバ4から送信されてきた金額情報によりチャージする金額を認識し記憶装置に記憶する。
【0017】
一方、カード端末3は、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から取得した電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信してチャージを要求する。
【0018】
電子マネーサーバ5は、カード端末3から電子マネーカード番号を受信し、この電子マネーカード9に対してチャージすべき金額を記憶装置から取得し、チャージ金額分だけバリューの金額を増額する金額変更情報を生成する。
そして、電子マネーサーバ5は、生成した金額変更情報をカード端末3に送信する。
【0019】
カード端末3は、電子マネーサーバ5から金額変更情報を受信して、電子マネーカード9に入力する。
電子マネーカード9は、この金額変更情報を用いて記憶しているバリューの金額を金額変更情報で規定される金額に更新する。
【0020】
以上のようにして、ユーザは、クレジットカード8で代金の支払いを行うことによりバリューを購入することができ、更に購入したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0021】
なお、従来は、ネットワーク上で暗証番号などの認証情報が送受信されるため、カード端末3とクレジット会社サーバ4の間を専用回線で接続していたが、電子マネーチャージシステム1では、ネットワーク上にクレジットカード8の認証情報が流通しないため(代わりに認証結果が流通する)、クレジット会社サーバ4とカード端末3をインターネットなどの一般的なネットワークで接続することができる。このため、カード端末3を安価に設置することができる。
【0022】
(2)実施の形態の詳細
図1は、本実施の形態の電子マネーチャージシステムのシステム構成の一例を示した図である。
電子マネーチャージシステム1は、カード端末3、クレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5、クレジットカード8、電子マネーカード9などを用いて構成されている。
以下に、これらの構成要素について説明する。
【0023】
クレジットカード8と電子マネーカード9は、あるユーザが所有するものであり、クレジットカード8は、接触型ICカードで構成され、電子マネーカード9は、非接触型ICカードで構成されている。
【0024】
なお、以下で説明する本実施の形態では、クレジットカード8を接触型ICカードで構成し、電子マネーカード9を非接触型ICカードで構成するものとして説明するが、これは一例であって、各種の形態が可能である。
【0025】
詳しくは後述するが、例えば、クレジットカード8としての機能を発揮するICチップや電子マネーカード9としての機能を発揮するICチップを携帯電話や時計などのカード以外の媒体に埋め込んで使用したり、あるいは、1つのICチップにクレジットカード8としての機能と電子マネーカード9としての機能を持たせることも可能である。
更に、これらICチップは、接触型、非接触型の何れのICチップとして構成することができる。
【0026】
クレジットカード8は、内部に各種素子を形成したICチップが埋め込まれた媒体であり、金融機関が発行する金融ICカードを構成している。
クレジットカード8は、内部に暗証番号、クレジットカード番号、その他の情報を記憶しており、暗証番号の認証処理などの情報処理を行う。
【0027】
より詳細には、クレジットカード8は、外部から暗証番号の入力を受け付けると、これを内部で記憶している暗証番号と比較し、暗証番号の認証処理を行う。そして、認証結果やクレジットカード番号などを外部に出力する。
なお、クレジットカード番号は、クレジットカード8を特定するカード特定情報を構成している。
【0028】
図2(a)にクレジットカード8のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
図に示したように、クレジットカード8は、CPU(Central Processing Unit)11、接触端子12、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)15などを内蔵している。
これらの素子は、クレジットカード8内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。
【0029】
CPU11は、ROM13やEEPROM15に記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、リーダライタ6を介したカード端末3との通信処理を行ったり、カード端末3から入力された認証番号の認証処理を行って、その認証結果をカード端末3に出力したり、あるいは、カード端末3の求めに応じてクレジットカード番号を記憶装置から読み出して提供したりなどする。
【0030】
接触端子12は、クレジットカード8の外部に露出しており、例えば、金メッキされている。接触端子12は、リーダライタ6の接触端子と接触して、クレジットカード8とカード端末3を電気的に接続する。
クレジットカード8は、接触端子12を介してクレジットカード8を駆動するための電力の供給を受けると共にカード端末3とのデータの送受信を行う。
【0031】
RAM14は、CPU11が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAM14は、クレジットカード8に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
【0032】
ROM13は、クレジットカード8を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
これらの情報は、予めROM13に焼き付けられており、再度の情報の書き込みや情報の消去は通常行わない。
【0033】
EEPROM15は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM15に記憶してある情報は、クレジットカード8への電力の供給がない場合でも保たれる。
このように、ROM13とEEPROM15は、クレジットカード8のプログラム・データ記憶領域を構成している。
【0034】
EEPROM15には、例えば、クレジットカード8を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、暗証番号認証を行う認証プログラムなどが記憶されている。
CPU11は、認証プログラムを実行することにより、カード端末3から入力された暗証番号の認証処理を行う。
【0035】
次に、電子マネーカード9について説明する。電子マネーカード9も内部に各種素子を形成したICチップが埋め込まれた媒体である。
電子マネーカード9は、バリューを記憶し、金額変更情報を用いてバリューの金額を増減する処理を行い、記憶している貨幣価値(バリュー)の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末を構成している。
【0036】
また、電子マネーカード9は、電子マネーカード9に固有な電子マネーカード番号を記憶しており、電子マネーサーバ5は、この電子マネーカード番号により電子マネーカード9を特定することができる。
【0037】
バリューの金額の更新方法としては、残高を電子マネーカード9で計算する場合と、電子マネーサーバ5などのその他の通信先で計算する場合の2通りが可能である。
前者の場合は、電子マネーカード9にコマンドを入力して電子マネーカード9内で演算処理を行う。この場合、コマンドが金額変更情報を構成する。
また、後者の場合は、変更後のバリューの金額を電子マネーカード9に入力して残高を書き換えさせる。この場合、入力するバリューの残高が金額変更情報を構成する。
更に、加減算別にこれらを組み合わせることも可能であり、何れの方式を採用するかはシステムの設計による。
【0038】
以上のようにして、電子マネーカード9は、内部に記憶しているバリューの値を増減することができ、これを金銭と対応させることにより、金銭と同様の交換価値として流通させることができる。
【0039】
図2(b)に電子マネーカード9のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図を示す。
図に示したように、電子マネーカード9は、CPU21、高周波回路22、アンテナ26、ROM23、RAM24、EEPROM25などを内蔵している。
これらの素子は、クレジットカード8内に埋め込まれたICチップ上に形成されている。ただし、アンテナ26は、電子マネーカード9内部の外縁部付近に張り巡らされた空中線により構成され、端部がICチップに接続されている。
【0040】
CPU21は、ROM23やEEPROM25に記憶されているプログラムに従って情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、リーダライタ7を介したカード端末3との通信処理を行ったり、カード端末3から入力された金額変更情報を用いて現在記憶しているバリューの金額を更新したり、バリューの現在残高や電子マネーカード番号をカード端末3に提供したりする。
【0041】
アンテナ26は、リーダライタ7に内蔵されたアンテナと近距離の無線通信を行うためのアンテナである。
電子マネーカード9は、アンテナ26を介してリーダライタ7から無線により駆動電力を得ると共に無線通信を行う。
【0042】
高周波回路22は、リーダライタ7からアンテナ26に送信されてきた高周波をデジタル信号に変換してCPU21に出力したり、逆にCPU21が出力したデジタル信号を高周波に変換してアンテナ26に出力し、リーダライタ7に送信する。
【0043】
RAM24は、CPU21が情報処理を行う際のワーキングメモリを提供する随時書き込み読み出しメモリである。
RAM24は、電子マネーカード9に電力が供給されている間、記憶内容を保持することができるが、電力の供給が止まると記憶内容は失われる。
【0044】
ROM23は、電子マネーカード9を機能させるための基本的なプログラムやパラメータ、データなどを記憶した読み出し専用メモリである。
これらの情報は、予めROM23に焼き付けられており、再度の情報の書き込みや情報の消去を行うことは通常行わない。
【0045】
EEPROM25は、情報を書き込んだり消去したりが可能なROMである。EEPROM25に記憶してある情報は、電子マネーカード9への電力の供給がない場合でも保たれる。
このように、ROM23とEEPROM25は、電子マネーカード9のプログラム・データ記憶領域を構成している。
【0046】
EEPROM25には、例えば、電子マネーカード9を機能させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や、金額変更情報に基づいてバリューの金額を更新したり、バリューの現在残高を提供したりなど、バリューに関する処理を行うバリュー処理プログラムや、バリューの現在残高やログデータなどが記憶されている。
CPU21は、バリュー処理プログラムを実行することにより、バリューのチャージ(増額)や決済(減額)を行うことができる。
【0047】
図1に戻り、カード端末3は、例えば、ホテルのロビーや空港、店舗、その他の場所に設置された端末装置であり、ICカード端末を構成している。
カード端末3は、例えば、インターネットなどのネットワークによって、クレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5と接続可能に構成されている。
図では、カード端末3を1台のみ示しているが、これらは複数台あり、それぞれ固有のカード端末IDを有している。クレジット会社サーバ4は、カード端末IDによりカード端末3を識別することができる。
【0048】
なお、カード端末3をクレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5に接続するネットワークはインターネットに限定せず、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいは専用回線など、他の形態のネットワークにて接続可能に構成することもできる。
【0049】
また、カード端末3とクレジット会社サーバ4、及びカード端末3と電子マネーサーバ5との間の通信経路は、例えば、SSL(Secure Sockets Layer)などの技術を用いて暗号化することによりセキュリティを高めることができる。
【0050】
カード端末3には、リーダライタ6とリーダライタ7が設置されている。リーダライタ6は、クレジットカード8の接触端子12と接触する接触端子が設けられており、これと接触端子12との物理的な接触により、カード端末3とクレジットカード8の電気的接続がなされる。
【0051】
一方、リーダライタ7には、電子マネーカード9と近距離の無線通信を行うためのアンテナと高周波回路が設けられており、これによって、カード端末3と電子マネーカード9の電気的な接続がなされる。
【0052】
カード端末3は、クレジットカードの受け付け機能と、電子マネーカードへのチャージ機能を備えている。
以下、これらの機能について説明する。
【0053】
[クレジットカードの受け付け機能]
カード端末3は、リーダライタ6を介してクレジットカード8と通信を行い、暗証番号の認証、及びクレジットカード番号の取得を行う。
暗証番号の認証に関しては、カード端末3は、ユーザから暗証番号の入力を受け付け、これをクレジットカード8に入力する。そして、クレジットカード8から認証に成功したか否かの認証結果を受信する。このようにカード端末3は、クレジットカード8のユーザ(所有者)を認証する認証手段を備えている。
【0054】
また、カード端末3は、クレジットカード8に対してクレジットカード番号を要求し、クレジットカード8がこれに応じて出力したクレジットカード番号を取得する。このようにカード端末3は、クレジットカード8からカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段を備えている。
【0055】
更に、カード端末3は、ユーザから電子マネーカード9にチャージする金額の入力を受け付ける。これにより、カード端末3は、チャージする金額を特定する金額情報を取得する。このようにカード端末3は、認証したユーザから金額情報を取得する金額情報取得手段を備えている。
また、カード端末3は、クレジットカード8と通信して上記の情報処理を行うと共に、電子マネーカード9に対しては、リーダライタ7を介して電子マネーカード9から電子マネーカード番号を読み出す。
【0056】
カード端末3は、以上のようにして各情報を取得した後、バリュー購入情報をクレジット会社サーバ4に送信する。バリュー購入情報は、認証結果、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、及び金額情報を含んでいる。このように、カード端末3は、カード特定情報と金額情報をクレジット会社サーバ4(金融サーバ)に送信するカード情報送信手段を備えている。
【0057】
カード端末3が、クレジット会社サーバ4にバリュー購入情報を送信すると、クレジット会社サーバ4は課金を行って、電子マネーサーバ5と通信し、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信する。
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より金額情報と電子マネーカード番号を受信し、電子マネーカード9にチャージを行えるように準備する。
【0058】
[電子マネーカードへのチャージ機能]
カード端末3は、ユーザにチャージを行うか否かの問い合わせを行う。
ユーザがチャージを希望すると、カード端末3は、電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信し、電子マネーカード9に現在チャージが可能なバリューがあるか否かを問い合わせ、チャージ可能なバリューがある場合はその金額を受信してユーザに提示する。
【0059】
ユーザはこの提示を確認してチャージの実行をカード端末3に指示すると、カード端末3は、電子マネーサーバ5に対して金額変更情報を要求する。
そして、カード端末3は、この要求に応じて電子マネーサーバ5が送信してきた金額変更情報を受信して(金額変更情報受信手段)、リーダライタ7を介して電子マネーカード9に入力する(入力手段)。
【0060】
チャージが完了すると、カード端末3は、その旨を電子マネーサーバ5に伝えると共に、チャージ後の金額を電子マネーカード9から読み出してユーザに提示する。
ユーザは、この提示により電子マネーカード9にバリューがチャージされたことを確認することができる。
【0061】
なお、電子マネーカード9にチャージする際にパスワードを設定するように構成することができる。
これは、電子マネーカード9にチャージを要求している者が電子マネーカード9の正当な(即ち、予め電子マネーサーバ5で登録してある)所有者であるか否かを電子マネーサーバ5が判断するためである。
【0062】
この場合、カード端末3は、パスワードをユーザに入力させて電子マネーサーバ5に送信し、電子マネーサーバ5は、電子マネーカード9の電子マネーカード番号に対して設定されているパスワードと一致するか否かを確認する。
パスワードが一致しない場合は、チャージを行わない。
【0063】
また、本実施の形態では、クレジットカード8を用いてクレジット会社サーバ4でバリューを購入した後、引き続いてこのバリューを電子マネーサーバ5から電子マネーカード9にチャージするように構成したが、クレジット会社サーバ4と電子マネーサーバ5は、独立したシステムであるため、必ずしも、クレジットカード8でバリューを購入した後、引き続いて電子マネーサーバ5からチャージを行う必要はない。これについては後ほど変形例で説明する。
【0064】
更に、電子マネーサーバ5は、クレジットカード8によるバリューの購入以外にも、電子マネーカード9にチャージするバリューを準備することができる。
例えば、カード端末3は、ユーザがポイントサービスを利用してポイントをバリューと交換したり、あるいは、ユーザが他の経路でバリューを購入したりなどしたバリューを電子マネーサーバ5からチャージすることもできる。
【0065】
この場合、ユーザは、カード端末3に電子マネーカード9をセットして現在チャージ可能なバリューを電子マネーサーバ5に問い合わせ、そして、チャージ可能なバリューを電子マネーカード9にチャージする。このように、カード端末3は、電子マネーカード9にチャージするために必ずしもクレジットカード8を必要としない。
【0066】
図3にカード端末3のハードウェア的な構成の一例をブロック図にて示す。
図3に示したようにカード端末3は、CPU31、ROM33、RAM34、通信制御部35、記憶部36、入力部37、出力部38、リーダライタ7、リーダライタ6などがバスライン46で接続されて構成されている。
【0067】
CPU31は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、カード端末3全体の制御などを行う。
本実施の形態では、クレジットカード8やクレジット会社サーバ4と通信してクレジットカードの受け付け機能を発揮したり、あるいは、電子マネーカード9や電子マネーサーバ5と通信して電子マネーカードへのチャージ機能を発揮したりする。
【0068】
ROM33は、カード端末3を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM34は、CPU31のワーキングメモリを提供したり、記憶部36に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出しメモリである。
【0069】
通信制御部35は、カード端末3をネットワークに接続する接続装置であって、カード端末3は通信制御部35を介してクレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5と接続することができる。
【0070】
記憶部36は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部42、データを格納したデータ格納部44などから構成されている。
【0071】
プログラム格納部42には、カード端末3を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU31にクレジットカードの受け付け機能を発揮させたり、あるいは、電子マネーカードへのチャージ機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部44には、例えば、クレジットカード8や電子マネーカード9に対して行った情報処理に関するログデータなどが記憶される。
【0072】
入力部37は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウスなど、ユーザが情報を入力するための入力装置を備えている。
ユーザは、これらの入力装置を操作することにより、クレジットカード8の暗証番号や、購入するチャージの金額、その他の情報をカード端末3に入力することができる。
【0073】
出力部38は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode−ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、その他の表示装置を備えている。表示装置は、各種画面によりユーザへの指示内容や確認事項などを表示する。
また、出力部38にスピーカなどの音声出力装置を備えるように構成し、ユーザへの指示内容や確認事項などを音声にて出力することも可能である。
【0074】
リーダライタ6とリーダライタ7は、先に説明したとおりである。
【0075】
次にクレジット会社サーバ4(図1)について説明する。
クレジット会社サーバ4は金融サーバを構成し、カード端末3からバリュー購入情報を受け付けてユーザに課金する課金機能と、電子マネーサーバ5にユーザからバリュー購入情報を受け付けたことを通知する購入通知機能を備えている。
【0076】
[課金機能]
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信し、これから認証結果、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、金額情報を取得する。これは、カード情報取得手段に対応する。
そして、クレジット会社サーバ4は、まず、暗証番号の認証結果を確認し、認証結果が認証に成功したものであった場合は以降の処理を続行し、認証結果が認証に失敗したものであった場合は、カード端末3にエラーメッセージを送信し、処理を中止する。
【0077】
なお、本実施の形態では、認証結果をクレジット会社サーバ4で判断するように構成したが、これに限定するものではなく、カード端末3で判断するように構成することもできる。
【0078】
この場合は、カード端末3は、クレジットカード8から認証結果を受信してこれを確認し、認証結果が認証に成功したものであった場合は、バリュー購入情報をクレジット会社サーバ4に送信し、認証結果が認証に失敗したものであった場合は、ユーザにエラーメッセージを提示し、以降の処理を中止する。
【0079】
クレジット会社サーバ4は、認証結果が認証に成功したものであった場合、登録ユーザデータベースを用いてクレジットカード番号からユーザを特定する。
そして、ユーザに与信可能か否かを判断し、与信が可能な場合は、以下の処理を続行する。与信が不可能な場合は、その旨をカード端末3に通知する。
【0080】
図4(a)に登録ユーザデータベースの論理的な構成の一例を示す。
登録ユーザデータベースは、ユーザの登録情報を記憶したデータベースであって、ユーザがクレジットカード8の取得時にクレジット会社に登録した個人情報などが記憶されている。
図4(a)に示したように、登録ユーザデータベースは、「クレジットカード番号」、「暗証番号」、「氏名」、「課金先口座」、その他の各項目から構成されている。
【0081】
項目「クレジットカード番号」は、当該ユーザに発行したクレジットカード8に固有のクレジットカード番号である。
項目「暗証番号」は、クレジットカード8に対して設定されている暗証番号であり、クレジットカード8が暗証番号の認証で使用するものである。クレジットカード8にもこの値が記憶されている。
【0082】
項目「氏名」は、ユーザの氏名である。
項目「課金先口座」は、ユーザに課金した金額を引き落とす金融口座を特定するための情報であり、例えば、ユーザが指定した銀行口座の口座番号や名義人などから構成されている。
ユーザ登録情報には、この他に、登録日時、ユーザの住所、職業、勤務先、電話番号、クレジットカード8の有効期限など、ユーザの個人情報が記憶されている。
【0083】
クレジット会社サーバ4は、以上のように構成されたユーザ登録情報のクレジットカード番号と、カード端末3から受信したクレジットカード番号を照合することにより、ユーザを特定することができる。
【0084】
クレジット会社サーバ4は、ユーザを特定した後、ユーザの与信枠とその使用状況を記録したデータベース(図示しない)を用いてユーザの与信状態を確認し、金額情報で特定される金額分の与信を与えることができるか否かを判断する。
与信を与えることができる場合は、ユーザに課金を行い、与信を与えることができない場合は、その旨をカード端末3に通知する。
【0085】
クレジット会社サーバ4は、課金データベースに課金情報を記録することによりユーザに課金を行う。このようにクレジット会社サーバ4は課金手段を備えている。
図4(b)に課金データベースの論理的な構成の一例を示す。
課金データベースは、クレジットカード番号と課金金額を対応づけたデータベースであって、「クレジットカード番号」、「課金金額」、「カード端末ID」、「日時」などの各項目から構成されている。
【0086】
項目「クレジットカード番号」には、バリュー購入情報より取得したクレジットカード番号が記録される。
項目「課金金額」には、バリュー購入情報より取得した金額情報で特定される金額が記録される。
【0087】
項目「カード端末ID」には、カード端末3のID情報が記録される。カード端末3は、カード端末3を識別するための固有のID情報を記憶しており、クレジット会社サーバ4と通信する際に、これをクレジット会社サーバ4に通知するようになっている。
項目「日時」は、カード端末3からチャージ申込情報を受信した日時が記録される。
【0088】
課金データベースは、クレジットカード8で課金を行うたびに記録が追加され更新される。
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信すると以上のようにして課金を行う。
【0089】
課金処理には、月に1回程度締め日が設定されており、クレジット会社サーバ4は、締め日までの課金金額を各クレジットカード番号ごとに集計し、登録ユーザデータベースで登録されている課金先口座に集計した課金金額を請求する。
【0090】
[購入通知機能]
クレジット会社サーバ4は、専用線などにより電子マネーサーバ5と接続されており、ユーザに課金を行うと、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信する。
クレジット会社サーバ4は、クレジット会社サーバ4の所有者を認証するサーバ装置であって、クレジット会社サーバ4は認証した所有者を識別する所有者識別情報として(カード端末3からクレジットカード番号に対応づけて送られてくる)電子マネーカードを電子マネーサーバ5に送信する。このように、クレジット会社サーバ4はカード情報提供手段を備えている。また、電子マネーサーバ5は電子マネーカード9に対して金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段を構成している。
ユーザは、クレジットカード8でバリューを購入した後、引き続いて電子マネーカード9のチャージを行うことが想定されるため、この送信処理は、課金を行うごとにリアルタイムで行う。
【0091】
クレジット会社サーバ4は、電子マネーサーバ5に金額情報と電子マネーカード番号を送信することにより、電子マネーサーバ5に対してユーザに与信を与えたことを通知することができる。ユーザが購入するバリューの代金は、クレジット会社がユーザに与信を与えることにより立てかえた形となる。これは、クレジットカードを用いた通常の買い物の場合と同じである。
【0092】
図5にクレジット会社サーバ4のハードウェア的な構成の一例をブロック図にて示す。
図5に示したようにクレジット会社サーバ4は、CPU51、ROM52、RAM53、通信制御部54、記憶部55などがバスライン59で接続されて構成されている。
【0093】
CPU51は、所定のプログラムに従って情報処理を行うほか、クレジット会社サーバ4全体の制御などを行う。
本実施の形態では、カード端末3と通信して課金機能を発揮したり、電子マネーサーバ5と通信して購入通知機能を発揮したりする。
【0094】
ROM52は、クレジット会社サーバ4を動作させるための基本的なプログラムやパラメータなどを記憶した読み出し専用メモリである。
RAM53は、CPU51のワーキングメモリを提供したり、記憶部55に記憶されたプログラムやデータをロードして記憶したりなどする随時書き込み読み出しメモリである。
【0095】
通信制御部54は、クレジット会社サーバ4をネットワークに接続する接続装置であって、クレジット会社サーバ4は通信制御部54を介してカード端末3や電子マネーサーバ5と接続することができる。
【0096】
記憶部55は、例えばハードディスクやその他の記憶媒体と、これらを駆動する駆動装置から構成されており、各種プログラムを格納したプログラム格納部56、データを格納したデータ格納部57などから構成されている。
【0097】
プログラム格納部56には、クレジット会社サーバ4を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51に課金機能や購入通知機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部57には、登録ユーザデータベースや、与信枠を管理するためのデータベース、及び課金データベースなどが記憶されている。
【0098】
次に、電子マネーサーバ5(図1)について説明する。
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4から通知を受けてチャージの準備を行うチャージ準備機能と、電子マネーカード9にチャージを行うチャージ機能とを備えている。
【0099】
[チャージ準備機能]
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4より金額情報と電子マネーカード番号を受信し、電子マネーカード9にチャージを行うための準備を行う。
この準備は、まず、クレジット会社サーバ4から受信した電子マネーカード番号を登録ユーザデータベースで照合してこのユーザの電子マネーカード9を特定し、次いでチャージする金額をチャージ準備データベースに登録することにより行う。
【0100】
図6(a)に登録ユーザデータベースの論理的な構成の一例を示す。
登録ユーザデータベースは、ユーザの登録情報を記憶したデータベースであって、ユーザが電子マネーカード9の取得時に電子マネーを運営する事業体(電子マネー会社)に登録したものである。
【0101】
登録ユーザデータベースは、「電子マネーカード番号」、「ユーザ名」、「パスワード」、その他の各項目から構成されている。
項目「電子マネーカード番号」は、当該ユーザに発行した電子マネーカード9に固有の番号である。
項目「ユーザ名」は、ユーザの氏名である。
項目「パスワード」は、電子マネーサーバ5がユーザを認証する必要がある場合に使用するパスワードである。
【0102】
次に、図6(b)にチャージ準備データベースの論理的な構成の一例を示す。
チャージ準備データベースは、「電子マネーカード番号」、「金額」、「有効期限」、「チャージ」などの各項目から構成されている。
【0103】
項目「電子マネーカード番号」は、チャージの対象となる電子マネーカードの電子マネーカード番号である。
項目「金額」は、この電子マネーカードにチャージすべき金額である。
【0104】
項目「有効期限」は、チャージを行う期限である。この期限を過ぎてもユーザがチャージを行わない場合は、この金額をユーザが指定する銀行口座などに振り込み返金する。
【0105】
項目「チャージ」は、ユーザが既に当該チャージを行ったか否かを示すフラグ情報である。ユーザが既にチャージを行った場合は「済」に設定され、まだユーザがチャージを行っていない場合は「未」に設定される。
【0106】
電子マネーサーバ5は、登録ユーザデータベースで電子マネーカード9の電子マネーカード番号を確認すると、チャージ準備データベースに、これらの項目を入力し、バリューのチャージ準備を完了する。
【0107】
[チャージ機能]
電子マネーサーバ5は、以下のようにしてカード端末3から要求に応じて電子マネーカード9に金額変更情報を送信し、電子マネーカード9をチャージする。
まず、電子マネーサーバ5は、カード端末3から電子マネーカード9の電子マネーカード番号を受信する。
そして、これをチャージ準備データベースで検索し、未チャージのバリューがあるか否かを確認する。
【0108】
即ち、チャージ準備データベースで、検索対象の電子マネーカード番号があるか否かを確認し、あった場合は更に項目「チャージ」が「未」であるかを確認する。
項目「チャージ」が「未」であった場合は、項目「金額」に記録されている金額がチャージを行うバリューの金額となる。
【0109】
電子マネーサーバ5は、チャージ準備ができているバリューがあることをチャージ準備データベースで確認すると、項目「金額」で記録されている金額分のバリューを加算するための金額変更情報を生成し、カード端末3に送信する。
【0110】
カード端末3は、この金額変更情報を受信して電子マネーカード9に入力し、電子マネーカード9にチャージする。
電子マネーカード9は、チャージが成功するとその旨の通知をカード端末3を介して電子マネーサーバ5に送信するが、電子マネーサーバ5は、この通知を受信し、チャージ準備データベースの項目「チャージ」を「済」に更新して処理を終了する。
【0111】
電子マネーサーバ5のハードウェア的な構成は、基本的にクレジット会社サーバ4と同じである。
ただし、電子マネーサーバ5の場合、プログラム格納部56には、電子マネーサーバ5を機能させるための基本的なプログラムであるOSや、CPU51にチャージ準備機能やチャージ機能を発揮させたりするためのプログラムなどが記憶されている。
また、データ格納部57には、登録ユーザデータベースやチャージ準備データベースなどが記憶されている。
【0112】
次に、図7のフローチャートを用いて、ユーザがクレジットカード8でバリューを購入する手順について説明する。
まず、ユーザは、リーダライタ6にクレジットカード8をセットし、これによって、カード端末3はクレジットカード8との通信経路を確立する。
【0113】
次いで、カード端末3は、ユーザに暗証番号とバリュー購入金額の入力を要求する。そして、ユーザが入力した暗証番号をクレジットカード8に入力する(ステップ5)。
クレジットカード8は、カード端末3から暗証番号の入力を受け付け、内部に記憶している暗証番号と照合し、暗証番号を認証する(ステップ10)。
【0114】
そして、クレジットカード8は、認証結果をカード端末3に出力する(ステップ15)。
更に、カード端末3は、クレジットカード8に要求してクレジットカード番号を取得する。
【0115】
次に、カード端末3は、電子マネーカード9に電子マネーカード番号を要求し、電子マネーカード9はこれを受けて電子マネーカード番号をカード端末3に出力する(ステップ17)。
次に、カード端末3は、このようにして取得した金額情報(バリュー購入金額)、クレジットカード番号、電子マネーカード番号、認証結果をバリュー購入情報としてクレジット会社サーバ4に送信する(ステップ20)。カード端末3は、このようにクレジットカード番号と電子マネーカード番号を同じタイミングでクレジット会社サーバ4に送信することにより、クレジット会社サーバ4において両者を対応づけさせることができる。
【0116】
クレジット会社サーバ4は、カード端末3からバリュー購入情報を受信し、これから認証結果、クレジットカード番号、金額情報などを取得する。
クレジット会社サーバ4は、認証結果が認証に成功したものであることを確認した後、課金データベースに、クレジットカード番号、金額情報、その他の項目を記録し、当該ユーザに対して課金処理を行う(ステップ25)。
クレジット会社サーバ4は、課金処理をした後、金額情報と電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信する(ステップ30)。
【0117】
電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4よりこれらの情報を受信する。そして、電子マネーカード番号を登録ユーザデータベースで検索し、電子マネーカード9を特定する。
そして、チャージ準備データベースに、電子マネーカード番号、金額情報、その他の情報を記憶し(項目「チャージ」は「未」に設定)、電子マネーカード9にチャージを行う準備を完了する(ステップ35)。
【0118】
以上の手順により、ユーザは、クレジットカード8にてバリューを購入し、電子マネーサーバ5でチャージ準備完了の状態にすることができる。
【0119】
次に、図8のフローチャートを用いて、ユーザが電子マネーカード9にバリューをチャージするまでの手順について説明する。
【0120】
まず、カード端末3は、電子マネーカード9に電子マネーカード番号を要求し、電子マネーカード9は、これに応じて電子マネーカード番号をカード端末3に出力する(ステップ50)。なお、カード端末3はステップ17で電子マネーカード番号を既に取得しているのでこれを用いてもよい。
カード端末3は、電子マネーカード9から電子マネーカード番号を取得し、これを電子マネーサーバ5に送信する(ステップ55)。
【0121】
電子マネーサーバ5は、カード端末3より電子マネーカード番号を受信し、これを登録ユーザデータベースで確認する(ステップ60)。
また、必要がある場合は、カード端末3でユーザにパスワードを入力させ、電子マネーカード番号とパスワードの一致を確認する。
【0122】
次に、電子マネーサーバ5は、チャージ準備データベースで、当該電子マネーカード番号を検索し、チャージ可能なバリューがあるか否かを確認する。
そして、チャージ可能なバリューがあった場合、そのチャージ可能金額(項目「金額」に記録されている金額)をカード端末3に送信する(ステップ65)。
【0123】
カード端末3は、電子マネーサーバ5よりチャージ可能金額を受信し、これをユーザに提示する。そして、ユーザは、この金額を確認する。
カード端末3は、ユーザが金額を確認すると、金額が確認された旨の通知を電子マネーサーバ5に送信する(ステップ70)。
【0124】
電子マネーサーバ5は、カード端末3からこの通知を受信すると、チャージ可能金額分のバリューをチャージするための金額変更情報を生成し(ステップ75)、カード端末3に送信する(ステップ80)。
【0125】
カード端末3は、電子マネーサーバ5から金額変更情報を受信し(ステップ85)、これを電子マネーカード9に入力する(ステップ90)。
電子マネーカード9は、カード端末3から金額変更情報を受信し、これを用いて現在記憶しているバリューの金額をチャージ後の金額に更新する(ステップ95)。
【0126】
なお、フローチャートには示していないが、電子マネーカード9は、金額を更新すると、更新完了通知と更新後のバリューの金額をカード端末3に出力する。
カード端末3は、この更新後の金額をユーザに提示すると共に、更新完了通知を電子マネーサーバ5に送信する。
【0127】
電子マネーサーバ5は、更新完了通知をカード端末3から受信して、バリューのチャージが完了したことを認識し、チャージ準備データベースの項目「チャージ」を「未」から「済」に更新する。
以上の手順により、電子マネーサーバ5は、チャージ準備が完了したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0128】
次に、カード端末3でユーザに提示される各画面について説明する。
図9の各図は、クレジットカード8でバリューを購入する際にカード端末3で表示される画面の一例を示した図である。
【0129】
図9(a)は、カード端末3に表示されるメニュー画面の一例を示した図である。
カード端末3では、クレジットカード8によるバリューの購入のほか、各種のサービスを提供しており、ユーザはこれらの中から所望のものを選択できるようになっている。
【0130】
図9(a)の例では、クレジットカードによるバリューの購入ボタン71、残高照会ボタン72などが表示されており、ユーザは希望するサービスのボタンをタッチすることにより選択することができる。
ユーザは、バリューの購入ボタン71をタッチすることにより、クレジットカード8によるバリューの購入処理を開始することができる。
なお、残高照会ボタン72は、現在電子マネーカード9に記憶されているバリューの残高を確認する際に選択するボタンである。
【0131】
図9(b)は、図9(a)のメニュー画面で購入ボタン71を選択した場合に表示されるバリュー購入画面である。図7のフローチャートでは、ステップ5で表示される画面に対応する。
バリュー購入画面では、「クレジットカードと電子マネーカードをセットして暗証番号とバリュー購入金額を入力してください。」などと、クレジットカード8をリーダライタ6にセットし、更に電子マネーカード9をリーダライタ7にセットし、暗証番号とバリュー購入金額の入力をユーザに指示する表示がなされる。
【0132】
ユーザは、この指示に従いクレジットカード8をリーダライタ6にセットし、電子マネーカード9をリーダライタ7にセットすることとなる。
バリュー購入画面には、暗証番号入力欄75、購入金額入力欄76、及び送信ボタン77を有し、ユーザは、暗証番号入力欄75にクレジットカード8の暗証番号を入力し、購入金額入力欄76に購入するバリューの金額を入力する。
【0133】
これらの数値は、図示しないキーボードやタッチパネルなどをユーザが操作することにより入力される。
暗証番号入力欄75には、ユーザが暗証番号を入力すると、その桁数に対応して黒丸が表示され、暗証番号は表示されないようになっている。これにより第三者によって暗証番号が見られることを防止することができる。
【0134】
ユーザは、これらの値を入力すると送信ボタン77を選択する。
カード端末3は、送信ボタン77が選択されると、暗証番号の認証を行い(図7のステップ10、15)、認証結果、金額情報、及びクレジットカード番号、電子マネーカード番号をクレジット会社サーバ4に送信する(図7のステップ20)。
【0135】
図10の各図は、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージする際にカード端末3で表示される画面の一例を示した図である。
【0136】
図10(a)は、図9(b)のバリュー購入画面で送信ボタン77を選択した後に表示されるチャージ画面である。図8のフローチャートでは、ステップ50で表示される画面に対応する。なお、ここでは、電子マネーカード9のチャージにパスワードが必要であるものとする。
【0137】
チャージ画面には、「電子マネーカードをセットしてパスワードを入力してください。」などと、ユーザに対して電子マネーカード9のセットを確認させ、パスワードを入力するようユーザに指示する表示がなされる。そして、カード端末3は、電子マネーカード9から電子マネーカード番号を読み出す(図8のステップ50)。
また、チャージ画面には、パスワード入力欄80と送信ボタン81が表示される。
【0138】
ユーザは、指示に従い、電子マネーカード9がリーダライタ7にセットされていることを確認し、パスワード入力欄80にパスワードを入力し、送信ボタン81を選択する。
なお、パスワード入力欄80にはユーザが入力したパスワードに対応して黒丸が表示される。
送信ボタン81が選択されると、カード端末3は、電子マネーカード番号とパスワードを電子マネーサーバ5に送信し(図8のステップ55)、電子マネーサーバ5は、チャージ可能金額をカード端末3に送信してくる(図8のステップ65)。
【0139】
図10(b)は、電子マネーサーバ5から送信されてきたチャージ可能金額を表示する金額確認画面の一例を示した図である。図8のフローチャートではステップ70で表示される画面に対応する。
金額確認画面には、「チャージ可能金額 2,000円」などと、現在チャージ可能な金額が表示されると共に「チャージしますか?」などと、ユーザにチャージの意思を確認する表示がなされる。
【0140】
チャージ画面には、「はい」と表示されたボタン83と「いいえ」と表示されたボタン84が備えられており、ユーザは、チャージを行う場合はボタン83を選択し、チャージを行わない場合はボタン84を選択する。
ボタン84を選択した場合、ユーザは後ほど再度チャージを行うことができる。
【0141】
図10(c)は、ユーザにチャージの完了を通知するチャージ完了画面の一例を示した図である。図8のフローチャートでは、ステップ95で表示される画面に対応する。
チャージ完了画面では「2,000円分チャージしました。」といったように、チャージした金額が表示されるほか、「チャージ後の残高は 3,000円です。」などと、チャージ後のバリュー残高も表示される。
【0142】
以上に説明した本実施の形態の電子マネーチャージシステム1では、電子マネーカード9の暗証番号の認証をカード端末3でローカルに行うことができ、更に、その認証結果を用いてクレジットカード8による与信によりバリューを購入することができる。そして、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0143】
実施の形態では、バリューの購入にクレジットカード8を用いたが、他の金融ICカードによってバリューを購入するように構成することも可能である。
例えば、ICカードで構成した銀行のキャッシュカードを用いてバリューを購入するように構成することもできる。
この場合の課金方法は、ユーザの銀行口座からの引き落としをするように構成することができる。
【0144】
また、実施の形態では、クレジット会社サーバ4が電子マネーサーバ5に電子マネーカード番号を送信したが、これは、電子マネーカード番号に限定するものではなく、クレジット会社サーバ4で認証された所有者(ユーザ)を特定できる情報であればよい。電子マネーサーバ5は、この所有者に対応づけられた電子マネーカード番号を有する電子マネーカード9にチャージを行うことになる。
【0145】
例えば、電子マネーサーバ5の登録ユーザデータベースで、電子マネーカード9の電子マネーカード番号とクレジットカード8のクレジットカード番号が対応づけ(紐づけ)ておき、クレジット会社サーバ4が電子マネーサーバ5にクレジットカード番号を送信するように構成することもできる。
【0146】
この場合、電子マネーサーバ5は、クレジット会社サーバ4から受信したクレジットカード番号を登録ユーザデータベースで検索することにより、チャージ対象となる電子マネーカード9を特定することができる。
【0147】
また、クレジット会社サーバ4でクレジットカード番号と電子マネーカード番号を対応づけておき、クレジット会社サーバ4は、カード端末3から受信したクレジットカード番号に対応する電子マネーカード番号を電子マネーサーバ5に送信するように構成することもできる。
この場合、カード端末3は、クレジット会社サーバ4にクレジットカード番号を送信すれば電子マネーサーバ5に電子マネーカード番号を伝達することができ、クレジット会社サーバ4に電子マネーカード番号を送信する必要はなくなる。
【0148】
以上に説明した実施の形態では、カード端末3でバリューの購入と、購入したバリューのチャージを連続して行ったが、購入したバリューを後で電子マネーカード9にチャージすることも可能である。
ここでは、図11を用いてユーザが自宅でチャージする場合について説明する。
【0149】
図11で示したユーザ端末10は、例えば、インターネット接続可能でリーダライタ7を装備したパーソナルコンピュータで構成されている。
まず、ユーザは、カード端末3にクレジットカード8をセットし、クレジット会社サーバ4でバリューを購入する。その後、自宅でユーザ端末10に電子マネーカード9をセットして電子マネーサーバ5に接続し、購入したバリューを電子マネーカード9にチャージする。
【0150】
このように、ユーザは、カード端末3においてクレジットカード8を用いて購入したバリューを後ほどカード端末3とは異なる端末装置から取得することができる。
この端末装置としては、パーソナルコンピュータのほかに、バリュー処理機能を有する携帯端末を用いることも可能である。
【0151】
図11は、携帯電話60でバリューをチャージする場合についても示している。
携帯電話60は、インターネットに接続する機能を有すると共に、電子マネーカード9と同様の機能も備えている。
ユーザは、クレジットカード8でバリューを購入した後、携帯電話60で電子マネーサーバ5にアクセスし、購入したバリューを携帯電話60にチャージする。
【0152】
図12に携帯電話60の機能的な構成の一例を示したブロック図である。
図12に示したように、携帯電話60は、インターネット接続可能な携帯電話としての機能を発揮する電話機能部61、電子マネーカード9に内蔵されたものと同様の非接触型ICチップにより構成され、電子マネー処理機能を発揮する電子マネー機能部67、及び両者を接続するインターフェース部65から構成されている。
携帯電話60は、電子マネー機能部67により、電子マネーカード9と同様の電子マネー処理機能を発揮することができ、貨幣端末を構成している。
【0153】
電話機能部61は、携帯電話60の基地局と無線通信することができ、基地局を介して電話回線網(通話する場合)、又はインターネット(電子マネーサーバ5にアクセスする場合)に接続することができる。
電話機能部61には、アプリケーション62がインストールされている。アプリケーション62は、電子マネーに関する各種サービスを提供するアプリケーションであり、インターフェース部65を介して電子マネー機能部67にアクセスする中継部63を備えている。
【0154】
アプリケーション62は、電子マネー機能部67にアクセスして電子マネーカードID、バリューの残高、ログデータなどをディスプレイに表示するなど、電子マネー機能部67に記憶されている情報をユーザに提示する機能を有している。
【0155】
更に、アプリケーション62は、インターネットを介して電子マネーサーバ5と通信も行う。
これにより、電子マネー機能部67に記憶された電子マネーカードIDやバリューの残高などを電子マネーサーバ5に送信したり、あるいは電子マネーサーバ5から送信されてきた金額変更情報を電子マネー機能部67に入力することができる。
【0156】
図示しないが、電子マネー機能部67は、電子マネーカード9と同様にCPU、ROM、RAM、EEPROM、高周波回路などの素子が形成された非接触型ICチップとアンテナを用いて形成されており、CPUで所定のプログラムを実行することにより、図12で示したバリュー処理部68と記憶部69が形成される。
【0157】
記憶部69は、電子マネーカードID、バリュー残高、ログデータなどを記憶している。
バリュー処理部68は、外部の通信先からの指示により、電子マネーカードIDやバリュー残高を出力したり、あるいは、外部の通信先より金額変更情報を受信してバリュー残高を更新したりする。
【0158】
バリュー処理部68の通信先としては、カード端末3、電子マネーサーバ5、店舗などに設置した電子マネー端末80などがある。
バリュー処理部68は、カード端末3や電子マネー端末80と通信する場合、内蔵の端末アンテナを介して無線通信を行う。この場合、ユーザは携帯電話60を電子マネー端末に近接させて設置する。
電子マネーサーバ5と通信する場合は、アプリケーション62を介してインターネット経由で電子マネーサーバ5と通信を行う。
【0159】
このように、携帯電話60は、電子マネー端末や電子マネーサーバ5と通信して金額変更情報を電子マネー機能部67に入力することにより、電子マネー機能部67にバリューをチャージしたり、あるいは電子マネー機能部67のバリューを用いて決済することができる。
また、バリュー処理部68は、カード端末3と無線通信することができるため、電子マネーカード9と同様にカード端末3にセットしてバリューをチャージすることができる。
【0160】
図13は、電子マネーカード9や携帯電話60の使用形態を説明するための図である。
電子マネーカード9や携帯電話60は、チャージした後、図13に示した電子マネーシステム1aで使用される。
電子マネーシステム1aは、クレジット会社サーバ4、電子マネーサーバ5、カード端末3などからなる電子マネーチャージシステム1を含み、更にインターネット72、基地局70、電話回線網71、電子マネー端末80、80、80、・・・、ユーザ端末10などから構成されている。
【0161】
電子マネー端末80は、店舗などに設置された非接触型ICカードアクセス用の端末装置であり、電子マネー業務用に構成された専用機である。
電子マネー端末80は、アンテナを内蔵したリーダライタ部を備えており、このアンテナで電波を送受信することにより、電子マネーカード9や携帯電話60などの貨幣端末に埋め込まれた非接触型ICチップと近距離間の無線通信を行うことができる。
【0162】
電子マネー端末80は、貨幣端末と無線通信をして、これらに設定された電子マネーカードIDや、電子マネーカード9や携帯電話60で記憶しているバリューの残高を読み取ったり、金額変更情報を入力してバリューの金額を増減させることができる。
【0163】
このように、電子マネー端末80は、電子マネーカード9や携帯電話60に記憶されたバリューを増減させることができる。そのため、電子マネーカード9や携帯電話60にチャージを行う際に、ユーザからチャージ金額分の金銭を徴収し(又はクレジットカード8で与信を与え)、ユーザから商品やサービスなどの代金を徴収する代わりにユーザが保有するバリューを減算して決済することにより、バリューを現金の代用として流通させることができる。
【0164】
ユーザ端末10は、例えばパーソナルコンピュータなどで構成された端末装置であって、インターネット72を介して電子マネーサーバ5に接続できるようになっている。
また、ユーザ端末10は、リーダライタ部10aを周辺機器として備えており、これを用いて電子マネーカード9や携帯電話60と近距離の無線通信を行うことができる。
【0165】
そして、ユーザは、電子マネーカード9や携帯電話60をリーダライタ部10a経由でユーザ端末10に接続し、更にユーザ端末10を電子マネーサーバ5に接続することにより、電子マネーカード9や携帯電話60を電子マネーサーバ5に接続することができる。
これにより、電子マネーサーバ5は電子マネーカード9や携帯電話60に対してバリューの増減を行うことができる。
また、携帯電話60の場合、基地局70経由で電子マネーサーバ5に接続することもできる。
なお、電話回線網71は、携帯電話60が通話に使用する回線網である。
【0166】
このように、電子マネーシステム1aは、バリューを貨幣と同様に流通させる流通機構となっており、ユーザは、クレジットカード8を用いてチャージしたバリューを商品やサービスの購入に充てることができる。
【0167】
次に、クレジットカード8や電子マネーカード9の変形例について説明する。
図14(a)は、クレジットカード8aが非接触型ICカードで構成されている場合を示している。
クレジットカード8aは、接触型ICカードであるクレジットカード8と同じ機能を有しているが、カード端末3へ接続するインターフェースは非接触型となっている。
【0168】
この場合、カード端末3は、リーダライタ7を介して、クレジットカード8aの暗証番号の認証を行うと共にクレジットカード番号を読み出す。
このように、クレジットカード8aと電子マネーカード9が共に非接触型ICカードで構成されている場合は、リーダライタ6を用いずにリーダライタ7で処理を行うことができる。
【0169】
なお、リーダライタ7でクレジットカード8aと電子マネーカード9を同時にアクセスすることはできないので、例えば、カード端末3は、ユーザにクレジットカード8aをリーダライタ7にセットさせて処理を行った後、ユーザに電子マネーカード9をリーダライタ7にセットさせてチャージを行う。
【0170】
なお、図14(a)では、クレジットカード8aと電子マネーカード9の両方を非接触型ICカードで構成したが、逆に、両方とも接触型ICカードで構成することもできる。
この場合は、リーダライタ6を介して両者にアクセスすることにより同様の処理を行うことができる。
【0171】
図14(b)は、非接触型ICカード9aが、クレジットカード8としての機能と、電子マネーカード9としての機能を備えている場合を示している。
これは、非接触型ICカード9aに埋め込まれたICチップに、クレジットカード機能を発揮するプログラムと電子マネーカード機能を発揮させるプログラムを組み込むことにより実現することができる。
【0172】
カード端末3は、リーダライタ7を介して非接触ICカード9aと通信し、非接触型ICカード9aをクレジットカードモードと電子マネーカードモードに切り替えて駆動することができる。
【0173】
そこで、カード端末3は、クレジットカード関係の処理を行う場合は、非接触型ICカード9aをクレジットカードモードで駆動して暗証番号認証などを行い、チャージする場合は非接触型ICカード9aを電子マネーカードモードで駆動してチャージ処理などを行う。
【0174】
このため、ユーザは、リーダライタ7に非接触型ICカード9aをセットするだけで、クレジットカードに関する処理を電子マネーカードに関する処理の両方を行うことができる。
なお、接触型ICカードに、クレジットカード機能と電子マネーカード機能を持たせることも可能である。この場合は、リーダライタ6よりこの接触型ICカードにアクセスする。
【0175】
また、一枚のカードに、クレジットカード機能を有する接触型ICチップと、電子マネー機能を有する非接触型ICチップを埋め込むことも可能である。
この場合、このカードは、リーダライタ6にアクセスするための接触端子とリーダライタ7にアクセスするための高周波回路を備えており、クレジットカードとして使用するときはリーダライタ6にセットし、電子マネーカードとして使用するときはリーダライタ7にセットするようにする。
【0176】
逆に、電子マネーカード機能を有する接触型ICチップと、クレジットカード機能を有する非接触型ICチップをカードに埋め込んで使用することも可能である。
この場合は、クレジットカードとして使用するときはリーダライタ7にセットし、電子マネーカードとして使用するときはリーダライタ6にセットするようにする。
【0177】
図14(c)は、電子マネーカード機能を発揮する非接触型ICチップを携帯電話60に埋め込んだ場合を示している。
この場合、カード端末3は、リーダライタ7を介して携帯電話60にアクセスすることができるため、携帯電話60を電子マネーカード9と同様に使用することができる。
即ち、クレジットカード8でバリューを購入し、そのバリューを電子マネーカード9にチャージすることができる。
【0178】
また、更なる変形として、携帯電話60に埋め込んだ非接触型ICチップにクレジットカード機能を持たせることも可能である。
この場合、クレジットカード8は必要なく、リーダライタ7に携帯電話60をセットするだけでバリューの購入とチャージを行うことができる。
【0179】
更に、接触型ICチップや非接触型ICチップを埋め込む媒体として、携帯電話60のほかに、例えば、腕時計、PDA(Personal Digital Assistant)、など、各種のものが可能である。
【0180】
以上のように、クレジットカード機能と、電子マネーカード機能は、ICチップによって実現され、このICチップは、接触型、非接触型の何れの型でも実現することができる。
また、クレジットカード機能と電子マネーカード機能を1つのICチップで実現することもできる。
そのため、クレジットカード機能や電子マネー機能を埋め込む媒体としては、各種の組み合わせが可能である。
【0181】
以上、本実施の形態と変形例について説明したが、サーバ装置に関しても各種の変形が可能である。
例えば、クレジット会社サーバ4と電子マネーサーバ5を1台のサーバ装置にて構成したり、あるいは、クレジット会社サーバ4や電子マネーサーバ5を複数のサーバ装置からなるシステムとして構成することも可能である。
【0182】
以上に説明した本実施の形態や変形例により、クレジットカードの課金にてバリューを購入することができ、購入したバリューを電子マネーカード9や携帯電話60などにチャージすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】電子マネーチャージシステムの構成の一例を示したブロック図である。
【図2】クレジットカードと電子マネーカードのハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図3】カード端末のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図4】クレジット会社サーバで記憶するデータベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図5】クレジット会社サーバのハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
【図6】電子マネーサーバで記憶するデータベースの論理的な構成の一例を示した図である。
【図7】クレジットカードでバリューを購入する手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】電子マネーカードにバリューをチャージする手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】クレジットカードでバリューを購入する際にカード端末で表示される画面の一例を示した図である。
【図10】電子マネーカードにバリューチャージする際にカード端末で表示される画面の一例を示した図である。
【図11】変形例を説明するための図である。
【図12】携帯電話の機能的な構成の一例を説明するためのブロック図である。
【図13】電子マネーカードや携帯電話の使用形態を説明するための図である。
【図14】各種の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0184】
1 電子マネーチャージシステム
3 カード端末
4 クレジット会社サーバ
5 電子マネーサーバ
6 リーダライタ
7 リーダライタ
8 クレジットカード
9 電子マネーカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信手段と、
記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供手段と、
前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金手段と、
を具備したことを特徴とする金融サーバ。
【請求項2】
前記カード情報受信手段は、前記所有者の所有者識別情報を前記カード特定情報と共に受信し、
前記カード情報提供手段は、前記受信した所有者識別情報を前記金額変更情報送信手段に提供することを特徴とする請求項1に記載の金融サーバ。
【請求項3】
金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証手段と、
前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段と、
前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信手段と、
前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信手段と、
記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力手段と、
を具備したことを特徴とするICカード端末。
【請求項4】
カード情報受信手段と、カード情報提供手段と、課金手段と、を備えたコンピュータにおいて、
前記カード情報受信手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信ステップと、
前記カード情報提供手段によって、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供ステップと、
前記課金手段によって、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金ステップと、
から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【請求項5】
認証手段と、カード特定情報取得手段と、金額情報取得手段と、カード情報送信手段と、金額変更情報受信手段と、入力手段と、を備えたコンピュータにおいて、
前記認証手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証ステップと、
前記カード特定情報取得手段によって、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得ステップと、
前記金額情報取得手段によって、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得ステップと、
前記カード情報送信手段によって、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信ステップと、
前記金額変更情報受信手段によって、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信ステップと、
前記入力手段によって、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力ステップと、
から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【請求項1】
金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信手段と、
記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供手段と、
前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金手段と、
を具備したことを特徴とする金融サーバ。
【請求項2】
前記カード情報受信手段は、前記所有者の所有者識別情報を前記カード特定情報と共に受信し、
前記カード情報提供手段は、前記受信した所有者識別情報を前記金額変更情報送信手段に提供することを特徴とする請求項1に記載の金融サーバ。
【請求項3】
金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証手段と、
前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得手段と、
前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得手段と、
前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信手段と、
前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信手段と、
記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力手段と、
を具備したことを特徴とするICカード端末。
【請求項4】
カード情報受信手段と、カード情報提供手段と、課金手段と、を備えたコンピュータにおいて、
前記カード情報受信手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証したICカード端末から、前記金融ICカードを特定するカード特定情報と金額情報を受信するカード情報受信ステップと、
前記カード情報提供手段によって、記憶している貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に貨幣価値の額を増額する金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段に対して、前記金額情報と、前記カード特定情報で特定される前記所有者の所有者識別情報と、を提供するカード情報提供ステップと、
前記課金手段によって、前記提供した金額情報に応じた料金を前記所有者に課金する課金ステップと、
から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【請求項5】
認証手段と、カード特定情報取得手段と、金額情報取得手段と、カード情報送信手段と、金額変更情報受信手段と、入力手段と、を備えたコンピュータにおいて、
前記認証手段によって、金融ICカードに記憶されている認証情報を用いて前記金融ICカードの所有者を認証する認証ステップと、
前記カード特定情報取得手段によって、前記金融ICカードから当該金融ICカードを特定するカード特定情報を取得するカード特定情報取得ステップと、
前記金額情報取得手段によって、前記認証した所有者に対する金額情報を取得する金額情報取得ステップと、
前記カード情報送信手段によって、前記取得したカード特定情報と前記金額情報とを請求項1に記載の金融サーバに送信するカード情報送信ステップと、
前記金額変更情報受信手段によって、前記送信したカード特定情報と金額情報に対応して金額変更情報送信手段から送信される金額変更情報を受信する金額変更情報受信ステップと、
前記入力手段によって、記憶した貨幣価値の額を金額変更情報に基づいて増減させる貨幣端末に前記受信した金額変更情報を入力する入力ステップと、
から構成されたことを特徴とする金融情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−133857(P2006−133857A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319172(P2004−319172)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(501044116)ビットワレット株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(501044116)ビットワレット株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
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