説明

金融市場の動きに基づく賭けシステム及び方法

賭けシステムは、メモリとプロセッサとから構成される。メモリは、金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けを格納する。当該賭けは、第1金融市場指数の値が第1の所定の期間に上下するか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数の値が第2の所定の期間に上下するか示す第2賭け要素とを有する。プロセッサは、メモリに接続され、第1賭け要素、第2賭け要素及び賭け全体の結果を決定するよう動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、一般にギャンブル及び金融商品の分野に関する。より詳細には、本発明は、金融市場の動きに基づく賭けシステム及び方法に関する。
[発明の背景]
カジノ及びスポーツイベントに対するギャンブルは、世界中で大きく成長している産業である。あるゲームの結果に対する賭けを容易にする各種タイプの賭け製品及びシステムが、存在する。例えば、カジノの顧客は、ブラックジャックの手持ち、スロットマシーンを引くこと、サイコロの投げ目などに関して賭けをするかもしれない。典型的な競馬レースの賭けでは、賭けをする人はあるレース又は一連のレースにおいて1頭又は複数の馬に賭けをすることが可能である。例えば、賭けをする人は、1着(ウィン)、上位2着(プレース)又は上位3着(ショー)でゴールする馬に対して賭けをすることが可能である。賭けをする人はまた、連勝単式(exacta)の賭け(1着と2着の馬をカバーする)又は3連単(trifecta)の賭け(1着、2着及び3着の馬をカバーする)など、複数の馬による各種組み合わせの賭けを行うことも可能である。さらに、賭けをする人は、デイリーダブル(2つの連続するレースの1着)、ピックスリー(3つの連続するレースの1着)、ピックシックス(6つの連続するレースの1着)など、一連のレースに賭けをすることも可能である。
【0002】
他のスポーツでのこれらの賭けは、例えば、優勝チーム、当該チームが勝利した得点差、2つのチームの最終的な得点の合計などを含むあるゲームの結果の様々な点に関して賭けをするかもしれない。このタイプの賭けは、一般に周知であり、例外的なものではない。賭けが行われるゲーム又はイベント(「ゲーム」及び「イベント」という用語は、ある確率的な出現を意味するため相互に代替的に使用される)は、純粋な確率のゲーム(例えば、コイントスやルーレットの回転など(ゲームが人間による介入がない場合、又は機械の影響が数学的にランダムな結果の分布を歪曲しない場合、ゲームが「公平」であると仮定する)、スキルと確率の組み合わせのゲーム(例えば、ブラックジャックや競馬レースなど)、又は純粋なスキルから構成されると認識されているゲーム(例えば、サッカーやチェスなど)としてみなされるかもしれない。これらすべてのゲーム及びイベントは、本質的に少なくともある程度確率的なものであると信じられている。すなわち、神によって定められていない複数の可能性のある結果が存在する。純粋なスキルのゲームとして認識されているゲームでさえ、効果的にランダムな要素(例えば、天候状態、予測し得ないプレーヤーのけがなどに基づく)がほとんど常に存在すると信じられている。
【0003】
スロットマシーンやスキル又は確率のプレーヤーにより開始されるゲームのための他のマシーン(ときどき、ビデオ抽選端末又はビデオポーカーゲームと呼ばれるか、又はそれらを含む)は、北米の多数の管轄区域及び世界中の他の場所において、ますます一般的な定番になってきている。従来のスロットマシーンは、回転が当たりか否か決定するための1以上の「ペイライン(pay line)」を有する。各回転によって、3以上のリールに異なるシンボルが出現する(チェリー、オレンジ、ベル、7など)。ペイライン上の所定のシンボルの組み合わせが、所定の金額をプレーヤーにリターンする(例えば、3つのチェリーは、賭け金の5倍を払い戻すかもしれない)。リールの各回転は、一般に1つの独立した賭けを表す。
【0004】
従来の大部分のギャンブルシステムは、それらが単一のイベント又はゲームの結果、すなわち、「1回限りの取引」に基づくものであるという点で、スロットマシーンの賭けやブラックジャックの1回の手持ちと類似している。ある進行性の又は「ジャックポット(jackpot)」スロットマシーンシステムにおいて例外を見つけることができるが、一般にはプレーヤーが関連性のある又はない一連又は複数のイベントの経時的な結果に関する賭けポジションをとる手段はほとんどない。
【0005】
ギャンブルマシーン、ゲームマシーン、娯楽マシーン又は賞金付きの娯楽マシーンは、周知である。それらは、ハウジングや筐体に収容されたスロットマシーン、「フルーツマシン」及び他の大型で固定式のマシーンから、GAMEBOYTMマシーンなどの携帯コンピュータゲームマシーンまで様々である。他の知られているギャンブル、ゲーム及び娯楽装置は、インターネットゲームシステムを含む。ゲームマシーン、ギャンブルマシーン及び賭けマシーンの製造、販売及び提供は、大きな産業である。同様に、分散ネットワークシステムを含むギャンブルのためのシステムを製造、販売及び提供することは、それに関与する既知の企業による既知の産業である。
【0006】
また、ゲームのプレーヤー又はギャンブルシステム又はマシーンに賭けをする人々は、新しいことに興味を有する可能性があるということが知られている。新たなマシーンやシステム、及び当該マシーンやシステムによって提供される機能/ゲームの新規性は、特定のプレーヤーにとって魅力的なものとなりうる。プレーヤーへの魅力を高めることが望ましい。ゲームマシーン、インターネットベースギャンブルシステム、カジノギャンブルマシーン及び競技場の内外の賭けシステムは、人々がそれらをプレイし始めたときには熱狂的にプレイされ、人々が興味を失って、他の新しいマシーンや新しいことに移るに従って、その利用頻度は尻すぼみとなりうる。各場所においては、当該場所に通うプレーヤーにとって新規かつ刺激的なものとなるように、スロットマシーンやフルーツマシーンを場所から場所に移動させることが知られている。ギャンブル、ゲーム、娯楽マシーンを提供する産業は、プレーヤーに対する追加的な興味をマシーンに備えようとする。プレーヤーに新たなユーザ体験を提供する新しいマシーン又はシステムを提供することは、当該産業の問題点である。多くのギャンブルマシーンは、単にそれらが新しいものを提供するという理由により、顧客によってプレイされる。新しいマシーンや提供物は、顧客にとって魅力的である。従って、ギャンブル施設のオーナーやメーカーは、永遠に新しいゲームをプレイさせることによって、顧客にアピールしようとする。一部によって「巧妙な仕掛け(gimmick)」とみなされるようなものは、実際に、プレーヤーの興味を増大させ、ゲーム体験とプレーヤーの関わりを向上させ、それらを提供するマシーンやシステムに付加価値を加える。一部の人が賭けをする1つの理由は、娯楽や興味のためのものであり、必ずしも単に金銭を獲得するためのものではない。結局、大部分の人々は、統計的には主催者が勝つということを知っているが、依然としてギャンブルをすることを感情的に楽しむ。もちろん、この体験の一部である当選の可能性が存在する。
【0007】
プレーヤーに対するさらなる興味を有する他の新しいマシーンが、当該産業によって求められている。本発明のいくつかの実施例の目的は、プレーヤーにより大きな魅力を与えるマシーン又はシステムを提供することであり、及び/又はユーザに新しいプレイ体験を提供することである。
【0008】
当該産業が直面する問題点は、プレーヤーに興味を持たせ、それを維持する方法と、これを実行するシステム及びマシーンを提供する方法を含む。本発明は、少なくとも一部の実施例において、上記既知の問題に対する他の解決手段を提供することである。
【0009】
いくつかのギャンブル又は娯楽システム又はマシーンの他の問題は、それらが乱数生成装置などを利用して、内部的にプレーヤーの勝ち負けと、シンボルやイベントの当選スコア/回転セットを決定することである。これは、マシーンが設置されている施設のオーナー(又は他の者)が乱数生成装置を改ざんしたり、不正行為を行う可能性を与える。乱数このため、生成装置は、改ざん耐性及び/又は改ざん自明性を備える必要があり、これはシステム/マシーンの複雑さを増大させ、コストを増やすこととなる。さらに、乱数生成装置が故障すると、マシーンは動作不能となり、技術者がそれを修理するため呼び出し可能となるまで、施設内のスペースを無駄に占有する。
【0010】
一部の乱数生成装置は、実際にはそのようなものではない。それらは予測することが極めて困難であるが、おそらく予測不可能ではない数を生成する。高額の当選(100万ドルなど)については、人々は不正行為を行おうとする誘因がある。一部の乱数生成装置は、クロックなどの入力を受け取り、ある数を生成するアルゴリズムを有する(例えば、クロック入力からアルゴリズムを用いて大きな数を生成し、n番目と(n+1)番目の桁を選択するなど)。それらは実際には、アルゴリズムと、すでに到達した極めて長い数のシーケンスにおける位置とを知っている場合などでは、予測可能な数を生成する。「予測が大変困難な数の生成装置」というものが、いくつかの乱数生成装置のもう1つの見方であるかもしれない。何れの者も、たとえ当選するために押下する必要があるタイミングを知っていたとしても、予測可能な結果を実現するのに必要なタイミング(ミリ秒)によりシステムのギャンブルボタンを押下することはできない。しかしながら、極めて高額の賞金では、ギャンブルボタンを押下し、その押下した時間を正確に把握し、生成された回転シンボルを知り、それがアルゴリズム及び又は大きな数のシーケンスにおける位置を導くまで、これを何回も繰り返すことが可能であり、当選するためボタンを押下すべき正確なタイミングを求めることが可能であり、当選するためのボタンの作動タイミングを制御可能なマシーンを製造可能であると考えられる。また、ギャンブルシステムのメーカーからの内部の支援を排除することはできない。
[発明の概要]
ここで開示される本発明は、賭けポジションを実現する賭けベースによる移転可能な金融商品の交換を構成及び容易にするシステム及び方法である。金融商品は、基礎となる賭けが行われている間に取引、購入又は売却されるかもしれない。本システム及び方法はさらに、任意の賭けベースによる移転可能な金融商品のやりとりに係るすべての争いの仲介及びすべての取引の決済を提供する。より詳細には、本発明は、複数の所定の確率的イベント(1回限りのイベントとして前述されたイベントを含む)の組み合わされた結果に対する賭けを容易にするのに利用可能である。これは、まず賭けベースの金融商品に対するマーケットを確立することによって実現される。各金融商品の価値は、最初はそれの当初の購入価格によって表されるであろう。時間の経過により、この価値は変動し、以降においては、各金融商品の基礎となる複数の確率的イベントの結果を反映するポジションによって表される。
【0011】
この確率的イベントは、一般にはいくつかの従来のギャンブル又はスポーツイベント(例えば、カジノタイプのイベント(スロットマシーン、ルーレット)、競馬レース、ビンゴなど)であってもよいし、あるいは金融市場に基づくものや、不確定又は部分的に不確定な結果(すなわち、確率/スキルの何れの組み合わせが、このようなイベントの結果に対して決定的かつ完全には予測不能である場合)を有する他の何れかの一連のイベントに基づくものであってもよい。当該商品の価値は、必然的に派生商品の取引に通常関連付けされる市場変動に対して観察されるものと同様にして、これら各種イベントの結果に従って経時的に変動するであろう。当該商品は、株式が移転されるのとほとんど同様に、移転、購入及び売却可能である。
【0012】
このような金融商品及びポジションの生成は、プレーヤー自身の「1回限りの」賭けに加えて、又は連続的に行われるかもしれない。すなわち、1回限りのイベントに関する各賭けをする人は、自らの特定の1回限りの結果に基づく商品において生成された市場への参加者でなくてもよいし、またそれを意識させしていなくてもよい。あるいは、プレーヤーは、自分の1回限りの賭けの組み合わせから導かれる金融商品に部分的又は完全に関与又は投資することも可能である。このことは、各賭けをする人が「1回限り」の賭けだけでなく、複数の又は一連する1回限りの賭けから生じる結果から導かれる金融商品に二重にかつ積極的に関与することが可能であることを意味する。
【0013】
この構成からもたらされる1つの可能性は、賢明な参加者は、例えば、1回限りの各取引に賭けをし、複数の1回限りのイベントの結果に関して反対のポジションをとることによって、全体的なリスクへの参加又はエキスポージャを継続的に調整することが可能となるであろうということである。例えば、参加者はまず、6時間の間に与えられたブラックジャックテーブルにおいてプレイされるブラックジャックのすべての手持ちの60%以上でハウスが勝つということに賭けるかもしれない。しかしながら、この同じ参加者は、この与えられたブラックジャックテーブルにおいて6時間の間にブラックジャックの各ゲームにおいてハウスに対して実際にプレイしようとすることによって、又はおそらく6時間の間にハウスに対してプレイする次のプレーヤーが与えられたブラックジャックテーブルにおいて勝つという第2の賭けをすることによって、自分の賭けに係るリスクを軽減しようとするかもしれない。このような混合されたリスク参加戦略は、参加者が派生商品の基礎となる証券への相殺取引によって、投資家が投資ポートフォリオをヘッジするのと同様にして、賢明なレベルにおいて自分の賭けポートフォリオを効果的にバランス又は「ヘッジ」することを可能にする。
【0014】
本発明によるこのようなすべての賭けベースの金融商品のやりとりを構成及び容易にするためのシステムはまた、各人が様々な賭けベースの金融商品に関する自分のポジションを当初に形成するだけでなく、各自の金融商品を評価し、又は自分の完全な賭けポートフォリオをヘッジ使用とする際に、有用であるとわかる背景及び統計情報を提供するかもしれない。
【0015】
本システムを従来の派生商品の取引に基づく従来システムと区別する重要な相違点は、クライアントの成功又は不成功が1回限りの取引又は一連の1回限りの取引の基礎となる想定される又は単一の「価値」に大きく依存するものとはならないということである。従来の派生商品のトレーダへのリターンは、多くのケースでは当該派生商品の基礎となる証券、資産、負債又は権利の価値によって主として決定されるが、本発明の金融商品への投資家のリターンは、特定の市場参加者に帰属可能なときどき及びめったにないシステマティックな変動から分離可能な確率により大きく依存したものとすることが可能である。
【0016】
従って、本システムは、人間の気まぐれと市場の要求の双方の原理に従う新規な金融商品を生成する従来存在したと信じる者がいない半自律的な金融市場を生成する。さらに、本システムは、クライアントとシステム自体との間における上記従来知られていない金融商品のやりとりを容易にする。
【0017】
本発明によるシステムの一実施例では、複数のイベントの結果に関して、あるポジションにおける賭けを容易にする方法が提供され、それは、「ポイント」値を確立するステップと、賭けに関する発注データを第1クライアントから受け付けるステップと、複数のイベントに関する情報又は発注データの少なくとも1つに基づき、ポジションを決定するステップと、当該ポジションを表す金融商品を提供するステップとを含む。他の実施例は、金融商品の移転を容易にするため、ビッドとオファーをマッチングし、金融商品の評価に関するデータを送信及び表示するための追加的なステップを含む。
【0018】
本発明による方法の他の実施例では、複数のイベントの結果に関するポジションに基づき、移転可能な金融商品を生成するシステムが提供され、それは、データストレージと、複数のイベントの少なくとも1つの結果をモニタリングするモニタリング装置と、メモリに接続されるプロセッサとを含む。プロセッサは、賭けに関する発注データをクライアントから受け付け、受け付けた発注データに基づきクライアントのポジションを確立し、複数のイベントに関する情報を記録し、複数のイベントに関する情報に基づき、ポジションの価値の変動を特定し、ポジションの価値に関するデータを送信するよう動作可能である。
【0019】
本発明による方法のさらなる他の実施例では、賭けベースの金融商品を取引するためのシステム及び市場が提供される。当該市場は、ある期間中に行われる複数のイベントに関する賭けに関してポジションを実現する少なくとも1つの金融商品と、少なくとも1つのビッドと、少なくとも1つのオファーとを有し、少なくとも1つのビッドは少なくとも1つのオファーとマッチングされ、これにより第1のオーナーから第2のオーナーへの金融商品の移転が実現される。このような商品の取引のための電子プラットフォームがまた提供される。
【0020】
娯楽のためであって、かつ興味の一部として潜在的な金銭的報酬を有することを目的とする幾人かのギャンブラーやプレーヤーは、拡張されたゲームを楽しむ。1回のスロットマシーンの回転や1回のサイコロの振りなど大変迅速なギャンブルを有することが可能であるが、一部のプレーヤーはこれに満足しない。より良好な知覚される価値(賭けに対する娯楽性や時間に関して)が望まれる。
【0021】
例えば、複数の競馬レースの賭け(Yankeeなど)、10個の指定されたスポーツイベントの勝者など、複数の賭け要素を有する複合的な賭けをすることが長い間可能であった。ブックメーカーは、広範な複合的な賭けを提供するであろう。しかしながら、これらは、プライベートなものとなる傾向がある。すなわち、複合的である期間を通じた賭けの進行をモニタリングする興奮を他人と共有することは容易には可能でない。共有された経験は、人々に対するより大きな価値を有することが可能である。
【0022】
本発明は、ある程度は、このような複合的な賭け(時間的な拡がりを有する結果/部分的な賭け)の興味の興奮を他人と共有することは技術的には可能であり、そうすることが望ましいという実現にある。従来、複合的な賭けをした人々は、興味のある又はない自分の友人や、実際に経験を共有することができなかった友人に話をすることが可能であった。
【0023】
この問題を切り替えて、賭けをした人が視聴し、おそらく複合的な賭けをした他の誰かと(又はその人に対抗して)賭けをすることを所望する人であった場合、このような賭けが存在することを見つけることは困難であり、その興奮に「乗り込む(get on board)」することは困難であった。
【0024】
複数の賭け要素を有する予め行った複合的な賭けを表示し、自分の複合的な賭けを生成する(及びおそらくシンプルな賭けを発注する)ことを可能にするシステムを提供することが望ましかったということの実現には長い時間がかかったが、いったん理解されると、ギャンブルシステムのメーカーにとってそれは魅力的である。
【0025】
進行に従って他人の複合的な賭けをモニタリングし、それの将来的な価値を評価し、それに対する利益を購入するオファーをし、又はそれに対する利益を売却するオファーを受け付けることは、従来不可能であった。もちろん、ハウスは、取引価格を設定し、効果的に複合的な賭けに対する二重のポジションを提供するようにしてもよい(決定された価格により等価である複合的な賭けの売買を行うオファーを受け付けてもよいし、また賭けをすり人は、当該価格により売買するか決定することが可能である)。または、実際の各売り手は、実際の各買い手と取引してもよい。
【0026】
他人の複合的な賭けの代わりに参加することが可能であることは、プレーヤーにとって新規かつ興味深いものである。複合的な賭けに係る損失又はリスクを少なくとも部分的に相殺するためのシンプルな賭けを定期的に発注することによって、自分のポジションをヘッジすることが可能であることは、プレーヤーが複合的な賭けが進行するに従って、自分のリスク/利益のプロファイルを管理することを可能にする。このリスク管理機能は、本発明なしに実現することは技術的に困難である。異なる賭け関連情報を収集し、偶然性に対するヘッジを行うため反対のポジションの賭けをすることを決定するには時間がかかり、あまり多くの時間をかけすぎると、次の賭け要素が決定されてしまい(勝ち/負け)、ヘッジ計算を再びやり直すことが必要となるかもしれない。本発明の実施例は、このスピードに関する技術的な困難を解消する。
【0027】
ある実施例では、考慮されている複合的な賭けを有する人を特定することは、プレーヤーの興味を追加することができる。例えば、その人がセレブ/有名人である場合である。この機能を提供するネットワーク接続されたワイドエリアシステムは、これまで利用可能でなかった。関連情報を収集し、それを参加を希望する賭けをする人に表示し、当該賭けの利益を購入することをオファーし、又はある公表された賭け要素に(又はそれに対抗して)賭けをすることによって、参加することを可能にするシステムは、これまで利用可能でなかった。
【0028】
賭け要素として金融指数指標を有することは、金融市場を操作することは極めて困難であるため、賭けシステムのセキュリティを向上させる。操作するだけの十分な資金を有する場合、賭けを固定することに興味を持つことはなく、直接市場でプレイするであろうと考えられるためである。
【0029】
本発明のいくつかの実施例は、マシーン内における乱数生成装置の必要性を取り除く。乱数生成装置がそれに介入しようとする人々にアクセス可能となる問題は、当たりを実現するのにシステム作動ボタンをどの時点で押下すべきか予測することが可能であるかどうか係るものであるため解消される。
【0030】
外部の賭けソースを提供することは、例えば、カジノオーナーがマシーンを不正操作することをより困難にする。金融市場指数やスポーツイベントの結果を不正操作することはほとんど不可能であるためである。シークレットナンバーである生成装置のアルゴリズムを開示可能な内部の人間はいない。金融市場指数やスポーツイベントの結果を固定することは困難である。複合的な賭けの一部に選ばれるスポーツイベントが予めわかっていない場合には、操作しようとする場合にコントロールしようとする金融市場指数、スポーツイベント又は他の予測不能なイベントを特定することはできない。
【0031】
さらに、乱数生成装置が故障し、これにより、マシーンが動作不能になるという問題は解消される。故障する乱数生成装置は「マシーン内部」に存在しないためである。
【0032】
プレーヤーが賭け(又は賭けの一部)に勝つために必要となる金融市場指数又はイベント結果を知っている場合(及びシステムが、おそらく金融市場指数又はイベント結果が終了する前に、プレーヤーにそのことを通知又は表示可能である場合)、プレーヤーはゲーム結果が「固定」されておらず、賭けに勝つチャンスが実際にあるということを確認することができる。この感覚は、そのプレイを楽しむことに有用となりうる。金融市場指数又はスポーツイベントなどのイベントの進行の結果を視聴(聴取)することは、おそらくスポーツイベントの少なくとも一部(終了部分など)又は当該指数の現在値を提示したときでされ、賭けが公平であると理解されることを保証するのに有用である。指数やイベントは、リアルタイムに、又はほぼリアルタイムにユーザに表示されるようにしてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、ユーザは、金融市場指数をどのように選択するか、又は何れのスポーツイベントの結果を選択するかについてスキルと判断を実行することによって、賭けの結果に影響を与えることが可能であるかもしれない。ユーザは、複合的な賭けの一部となりうる金融市場指数、スポーツイベント、参加者、その結果/発注又はこれら何れかの組み合わせを選択するよう構成されるユーザ選択入力手段を操作することが可能であるかもしれない。あるいは、本システムは、おそらくユーザ入力なしに当該選択を実行するかもしれない。
【0034】
賭け又はゲームは、近い将来に知られることとなる結果を有する賭けの一部を選択することによって、認識された価値に加えて時間的に延長されるかもしれない。利用可能なスポーツイベントとそれらのタイミングのデータベースが存在してもよく、システムプロセッサによってアクセス可能であり、時間により更新されるようにしてもよい。
【0035】
本発明の実施例は、同一の非ランダムであって予測不能な入力ソースが複数のシステム又はマシーンに入力又は賭けオプションを提供することを可能にする。これは、それぞれ購入する必要がある複数の独立した乱数生成装置を有し、マシーン製造時に設置し、それらの完全性がまだ妥協されていないことを保証する定期的にチェックすることと比較して、コストと検証ロジスティックを節約することが可能である。
【0036】
いくつかのシナリオでは、ローカルな規制が、乱数生成装置を禁止するが、本発明を有するシステムは許可される。
【0037】
いくつかの実施例では、ユーザは、おそらくどれが選択可能である利用可能な入力ソースであったか知ることによって、どの外部入力ソース(金融市場指数など)が賭けに影響を及ぼすのに使用されるか選択することが可能であるかもしれない。これは、コントロールの感覚やスキルの重要性を向上させ、ユーザの経験の娯楽値を高めるかもしれない。
[詳細な説明]
図1は、1以上のインタフェース20と通信ネットワーク30とを用いて中央コントローラ50に接続されたクライアント10を有するシステム5の一実施例を示す。中央コントローラ50はさらに、1以上のイベント生成装置60に接続される。一般に、システム5は、賭けベース金融商品76の生成、取引及び決済を提供する。
【0038】
金融商品76は、1以上の確率的イベントの結果に関して行われる賭けから導かれる。金融商品76を生成するための基礎として利用可能な確率的イベントのタイプは、多数存在する。例えば、従来の多数の形式のギャンブルイベントは、金融商品76の対象となるかもしれない。これらのイベントは、従来、賭けをする人がスロットマシーンの回転、ルーレットゲームの結果、クラップスゲーム、ビンゴゲーム、ブラックジャックの手持ち、競馬レースの結果などに基づく賭けなど、1つの中間的又は最終的な結果に対して1つの賭けを行う「1回限り(one−off)」のイベントからなるかもしれない。本発明は、そのすべてが導出された金融商品76を構成するのに利用可能な、デイリーダブルレースの賭けやスポーツパーレイ(parlay)やティーザ(teaser)賭けなど、結果の組み合わせの追跡を要する既知の賭けは多数あるため、純粋に「1回限り」のイベントに対する賭けから金融商品76を導くことに限定されるものではないということに留意されたい。
【0039】
さらに、他の多数のイベントは、金融市場、テレビショー及び天候に係るイベントを含む金融商品76の基礎を構成するかもしれない。例えば、金融市場に関して、イベントは、所定の期間の終了中又は終了の際、又は1以上の関連する取引の後、金融市場指数と一般に呼ばれる金融市場指数、証券又は他の商品の動き又は価値に関するものであるかもしれない。これらのイベントの結果は、例えば、ダウ工業平均(DJIA)やFTSE(Financial Times Stock Exchange)などの特定の金融市場指数が、以降の数秒間、数分間、数時間又は他の所定の期間の間、又は1以上の関連する取引の後に、上昇するか下降するかに関するものであるかもしれない。この指数は、最も近い整数値に四捨五入されてもよく(例えば、平均値9,314.62は、9,315に丸められる)、整数値により取引され、インデックスが同じレベルに留まる場合、賭けをした人はロス又はタイとみなすことが可能である。
【0040】
特定の実施例では、金融市場指標の動きは、色づけされた矢印(赤、緑、黄色など)などのシンボルを使用して、金融商品の買い手又は売り手に係る電子画面上にグラフィック表示されてもよい。各シンボルは、関連する金融市場指標の値が、直近の所定期間中又は直近の関連する取引後に下降したか(赤の下降矢印など)、上昇したか(緑の上昇矢印など)、又は変化がなかったか(黄色の水平方向の矢印など)を示すことが可能である。何れか適切な数字及びシンボルの組み合わせは、金融市場指数の値の動きの履歴の適切な部分を表すよう合成することができる。金融商品76は、金融市場指数の動き又はそれに関するグラフィック表示に係る基礎となる賭けに基づくものであってもよい。例えば、基礎となる賭けは、あるシリーズのすべてのシンボルが赤、緑又は黄色の矢印の1つであり、これらのシンボルが、ある数の赤、緑及び黄色の矢印又はそれらの組み合わせ若しくは順序となり、シリーズのあるシンボルが赤、緑又は黄色の矢印の1つとなり、次のシンボルが赤、緑又は黄色の矢印の1つとなることが可能である。
【0041】
これらのイベントの他の結果は、当該指数の値が所定の期間の終了時又は直近の関連する取引後に、奇数又は偶数となるか否かに関するものであるかもしれない。さらなる結果は、当該指数の値が所定の期間の終了時又は直近の関連する取引後に、ある数の範囲内に属するか否かに関するものであるかもしれない。これらのイベント及び結果は、移転可能な金融商品76の基礎を構成する。金融市場の動き又は値及びそれから導出される移転可能な金融商品76について賭けることは、固定されたオッズの払戻、スプレッド賭け払戻又は他の形式の払戻に基づくものとすることが可能である。
【0042】
賭けはさらに、所定の期間中における複数の金融市場の動き又は値に基づくものであってもよい。この賭けは、メモリ72に格納され、プロセッサ70によって処理されてもよく、そのそれぞれが以下において詳細に説明され、その後、金融商品76を生成するのにいくつかの実施例で使用される。例えば、賭け又は基礎となる賭けは、複数の賭け要素を含むものであってもよい。第1の賭け要素は、DJIAの値など第1の金融市場指数の値が、次の10秒間など第1の所定の期間において上昇又は下降するか否か示すものであってもよい。第2の賭け要素は、NASDAQの値など第2の金融市場指数の値が、第2の所定の期間に上昇又は下降するか否か示すものであってもよい。この賭けはまた、他の金融市場指数(例えば、FTSE、S&P500、ニューヨーク証券取引所の値又は他の何れか適切な金融市場指数など)の値が所定の期間中に上昇又は下降するか否か示すさらなる賭け要素から構成されてもよい。あるいは、さらなる賭け要素は、同じ金融市場指数の値が異なる所定の期間において上昇又は下降するか否か示すものであってもよい。
【0043】
この賭けの結果は、各種賭け要素の結果に基づき決定される。例えば、第1の賭け要素の結果は、第1の金融市場指数の値が所定の期間において上昇又は下降したか少なくとも部分的に基づくものである。第1の賭け要素が、DJIAが10秒間の終了時に上昇すると示し、実際にDJIAが10秒間の終了時に上昇した場合、第1の賭け要素の結果は当たりとなる。第2の賭け要素の結果は、第2の金融市場指数の値が、所定の期間に上昇又は下降したか否かに少なくとも部分的に基づくものである。第2の賭け要素が、NASDAQが10秒間の終了時に下降すると示し、実際にNASDAQが10秒間の終了時に下降した場合、第2の賭け要素の結果もまた当たりとなる。一実施例では、金融市場指数の値が所定の期間の終了時に変化がない場合、関連する賭け要素の結果はロスとみなされる。さらなる賭け要素の結果もまた同様に決定されるかもしれない。
【0044】
複数の金融市場指数の値に基づくこれらの賭けはさらに、この値のある桁が所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか否かに基づくものであってもよい。例えば、第1の賭け要素は、DJIAの値などの第1の金融市場指数の値の最後の桁などの特定の桁が、次の10秒間などの第1の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか否かを示すものであってもよい。第2の賭け要素は、NASDAQの値などの第2の金融市場指数の値の最後の桁などの特定の桁が、第2の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか否かを示すものであってもよい。この賭けはまた、他の金融市場指数(例えば、FTSE、S&P500、ニューヨーク証券取引所の値又は他の何れか適切な金融市場指数など)のある桁が、所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか否か示すさらなる賭け要素から構成されてもよい。あるいは、さらなる賭け要素は、同じ金融市場指数が異なる所定の期間の終了時において奇数又は偶数であるか否か示すものであってもよい。
【0045】
この賭けの結果は、各種賭け要素の結果に基づき決定される。例えば、第1の賭け要素の結果は、第1の金融市場指数の最後の桁が所定の期間の終了時において奇数又は偶数であったか否かに少なくとも部分的に基づくものである。第1の賭け要素が、DJIAの最後の桁が10秒間の終了時に奇数であると示し、実際にDJIAの最後の桁が10秒間の終了時に奇数であった場合、第1の賭け要素の結果は当たりとなる。第2の賭け要素の結果は、第2の金融市場指数の最後の桁が、所定の期間の終了時において奇数又は偶数であるか否かに少なくとも部分的に基づくものである。第2の賭け要素が、NASDAQの最後の桁が10秒間の終了時に偶数であると示し、実際にNASDAQが10秒間の終了時に偶数であった場合、第2の賭け要素の結果もまた当たりとなる。さらなる賭け要素の結果もまた同様に決定されるかもしれない。
【0046】
さらなる他の例では、複数の金融市場指数の値に基づく賭けがさらに、当該値の特定の桁が所定の期間の終了時にある数の範囲内に属するか否かに基づくものであってもよい。何れか適切な数字及び数字の組み合わせが、所与の賭けに対する数の範囲を構成するのに利用可能である。例えば、1つの賭けは、0〜1、2〜3、4〜5、6〜7及び8〜9の5つの数の範囲に基づき構成することが可能である。他の例では、ある賭けは、0〜3、4〜6及び7〜9の3つの範囲に基づき構成することが可能である。さらなる他の例では、ある賭けは、0〜4及び5〜9の2つの数の範囲に基づき構成することが可能である。さらに、ある数は何れの範囲からも除外されてもよく、また必要に応じて複数の範囲に含まれてもよい。これらの範囲は単なる例示である。
【0047】
2つの範囲に基づく賭けについては、例えば、第1の賭け要素は、DJIAの値などの第1の金融市場指数の値の最後の桁などの特定の桁が、次の10秒間などの第1の所定の期間の終了時に0〜4の第1の範囲又は5〜9の第2の範囲にあるか否かを示すものであってもよい。第2の賭け要素は、NASDAQの値などの第2の金融市場指数の値の最後の桁などの特定の桁が、第2の所定の期間の終了時に0〜4の第1の範囲又は5〜9の第2の範囲にあるか否かを示すものであってもよい。この賭けはまた、他の金融市場指数(例えば、FTSE、S&P500、ニューヨーク証券取引所の値又は他の何れか適切な金融市場指数など)の特定の桁が、所定の期間の終了時に0〜4の第1の範囲又は5〜9の第2の範囲にあるか否かを示すさらなる賭け要素を有するようにしてもよい。あるいは、このさらなる賭け要素は、同じ金融市場指数が、所定の期間の終了時に0〜4の第1の範囲又は5〜9の第2の範囲にあるか否かを示すものであってもよい。本例は各賭け要素に対して同一の範囲(0〜4、5〜9など)を使用したが、異なる賭け要素について使用される範囲の何れかの部分が、本開示の範囲から逸脱することなく同一又は異なるものであってもよいということは理解されるべきである。さらに、第1の賭け要素は、第1の数値の範囲の1つ(2つの範囲の1つなど)に基づくものであってもよく、他の賭け要素は、他の何れかの個数の範囲の1つに基づくものであってもよい(3つの範囲の1つなど)。
【0048】
当該賭けの結果は、各種賭け要素の結果に基づき決定される。例えば、第1の賭け要素の結果は、第1の金融市場指数の最後の桁が、所定の期間の終了時に第1の範囲0〜4又は第2の範囲5〜9にあったか否かに少なくとも部分的に基づくものである。第1の賭け要素が、DJIAの最後の桁が10秒間の終了時に0〜4の第1の範囲にあることを示し、実際にDJIAの最後の桁が10秒間の終了時に第1の範囲0〜4にあった場合、第1の賭け要素の結果は当たりとなる。第2の賭け要素の結果は、第2の金融市場指数の最後の桁が、所定の期間の終了時に第1の範囲0〜4又は第2の範囲5〜9にあったか否かに少なくとも部分的に基づくものである。第2の賭け要素が、NASDAQの最後の桁が10秒間の終了時に5〜9の第2の範囲にあることを示し、実際にDJIAの最後の桁が10秒間の終了時に第2の範囲5〜9にあった場合、第2の賭け要素の結果は当たりとなる。さらなる賭け要素の結果もまた同様に決定されるかもしれない。
【0049】
上述した具体例による賭けの各タイプについて、第2の賭け要素の所定の期間は、第1の賭け要素の所定の期間と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。所定の期間は、賭け要素の一部又はすべてに対して、賭け自体によって指定されてもよい。第2の賭け要素はまた、第1の賭け要素と同じ金融市場指数に関連付けされてもよい。何れかの賭け要素に対する金融市場指数のソースはまた、賭け自体によって指定されてもよい。
【0050】
上記3つの例のそれぞれの結果は、以下のルールに従って決定されるかもしれない。各賭け要素の結果が当たりである場合、全体の賭けの結果も当たりとなる。賭け要素の何れかの結果が外れである場合、全体の賭けの結果は外れとなる。あるいは、全体の賭けの結果は、所定数の賭け要素の結果が当たりと決定された場合、当たりとみなすことが可能である。この実施例では、賭けに対して決定される払戻は、当たりと決定された賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づく。この払戻はまた、当該賭けに係る賭け金に基づく。
【0051】
特定の実施例では、上述した1以上の賭けは、金融商品76を構成するのに使用される基礎となる賭けから構成されてもよい。このような実施例では、金融商品76は、所与の賭けの賭け要素の少なくとも一部の結果、又は金融商品76を構成する複数の賭けの全体の賭けの結果に従って変動する点数に少なくとも部分的に基づく価格から構成される。このとき、金融商品76は、確定された価格に従って当事者間で移転されるかもしれない。価格、点数及び移転を含む金融商品76のさらなる詳細が、以下に与えられる。
【0052】
テレビショーに関する他の例では、イベントは、現実に基づいたテレビショーの第1の参加者が、ショーに留まるため、ショーから排除されるため、又はショーに関与するため、結婚のためのショーの第2の参加者を選択するか否かに関するものであってもよい。他の例では、イベントは、ショーの視聴者による投票に関して、ある参加者のパフォーマンスに関するものであってもよい。特に、イベントは、ある参加者が所定の投票期間中に視聴者によって最大又は最小の投票を受け取るか、ある参加者が所定の投票期間中に視聴者による投票数又はパーセンテージを受け取るか、第1の参加者が所定の投票期間中に第2の参加者より多くの投票又は少ない投票を受け取るか、又はショーにおいて事件、出来事又はハプニングが行われるべきかに関する投票に関するものであってもよい。他の例では、イベントは、ゲームショーの参加者が問題に正しく解答し、賞金を獲得し、又はショーで成功又は不成功するか否かに関するものであってもよい。従って、金融商品76の基礎を構成可能なイベントは、何れかのイベント又はイベントの連結であり、その結果は、命題が評価されている時間において不確定である。
【0053】
金融商品76は、多数の形式をとりうる。例えば、金融商品76は、紙の商品、電子商品、又は基礎となる賭けの所有権を表す他の有形的、仮想的若しくは概念的な実施例であってもよい。時間の経過により、商品76の価値(又は知覚される価値)は、商品76の基礎を構成する複数のイベントの一部の結果、又は賭けのポジションの結果に影響を及ぼしうる他の関連するイベントの結果を含む多数の要因に基づき変動するかもしれない。ここでの「価値」とは、一般に商品76のコントロール又は利益を想定するため、興味のある買い手が意欲的な売り手に支払う金額を主として含むものと定義される。この定義の範囲外の絶対的な「価値」の決定は、本発明の実現に対して必要でない。
【0054】
金融商品76の価値は、「ポイントシステム」に従ってそれの基礎となるイベントの結果を追跡するようにしてもよく、これにより、プラス又はマイナスのポイントが各種イベント結果に割り当てられ、イベントに対する全体的なポイントの値は、イベントの進行に従って更新される。例えば、「ポイント」は、スロットマシーンのリール、ルーレットのホイールの多数の回転又はカジノ施設にある偶然性の他のゲームに基づき、以降の賭けに対して生成されるかもしれない。ある金融商品76は、複数の異なるタイプのイベントに基づくものであるため、金融商品76の価値は「混合された」ポイント値を追跡するかもしれない。例えば、混合されたポイント値βは、2以上の変数nとpの数学的関数(β=an+bp)に基づくものとすることが可能である。ここで、nは、第1のタイプの基礎となるイベント(スロットマシーンを引くことなど)の結果に基づくサブポイントであり、pは、第2のタイプの基礎となるイベント(ルーレットの回転など)の結果に基づくサブポイントである。
【0055】
さらに、金融商品76は、システム5を用いて購入、売却、交換又は移転されるかもしれない。例えば、金融商品76は、インターネット及び/又は各種無線接続を介し電子取引及びプラットフォームを通じて取引されるかもしれない。金融商品76はまた、紙の証明書、スルートークン、スマートカード、電光掲示板、バーチャルウォレット又は口座、所有ポジション又は他の形式の貨幣交換を追跡、取引、換金及び証明するための他の何れか既知のシステムを利用して、取引することが可能である。従って、システム5及びそれに係る方法は、賭けを確立するのに使用されるだけでなく、本質的にこれらの賭けにおいて市場を生成するこのような賭けを実現する金融商品76に関する取引を容易にするのに利用可能である。金融商品76の移転は、クライアント10の間で、クライアント10とハウス、プラットフォーム、ブックメーカー又はシステム5の他のマーケットメーク参加者との間で行われるかもしれない。例えば、金融商品76は、初期的にはシステム5のマーケットメーク参加者によって確定され、クライアント10に移転されるかもしれない。その後、金融商品76は、クライアント10の間で、又はシステム5のマーケットメーク参加者と、金融商品76の決済前に移転されるかもしれない。
【0056】
クライアント10は、金融商品76に実現される賭けを発注し、金融商品76を取引及び決済することが可能なシステム5の各種ユーザである。クライアント10はまた、システム5の各種ユーザによって用いられる装置を参照するかもしれない。これらの装置の具体例として、コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、キオスク、POS(Point Of Sale)端末、又はシステム5の各種要素からの情報を表示及び通信可能な他の何れかの装置があげられる。
【0057】
インタフェース20は、システム5の他の要素にアクセスするため、クライアント10に対してポータルを提供する。一実施例では、インタフェース20は、無線ネットワーク21、テレビネットワーク22(ケーブル、衛星、クローズド回路など)、インターネット、他のローカル又はワイドエリアネットワーク23、又はカジノギャンブル施設24から構成される。何れか適切な個数のインタフェース20及びインタフェース20の組み合わせが、使用、トラフィック、アーキテクチャ及び他の点に従って、システム5において実現されてもよい。
【0058】
通信ネットワーク30は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク(インターネットなど)、無線ネットワーク、又はシステム5の各種クライアント10と中央コントローラ50との間でデータを転送する他の何れかのタイプのネットワークの何れか適切な個数及び組み合わせから構成されてもよい。通信ネットワーク30のすべて又は一部は、専用ネットワークであってもよい。ネットワーク30を介したデータの転送は、ネットワーク30と、最終的にはクライアント10に通信されるデータ40と、中央コントローラ50に通信されるデータ42による双方向の転送を含むものであってもよい。クライアント10に通信されるデータ40は、各種ポジションに対する価格、金融商品76の更新された価値、合計賭け数、払戻、スプレッド、オーバー/アンダー、範囲、又は金融商品76に係る他の何れかの情報などの情報を含むかもしれない。クライアント10から中央コントローラ50に通信されるデータ42は、クライアント10から送信されるあら端賭け発注、状態情報に対するリクエスト、又は金融商品76に対する取引情報などの情報を含むかもしれない。
【0059】
中央コントローラ50は、メインフレーム、接続されたワークステーションの系列、又は他の何れか適切な計算環境及びアーキテクチャとして実現可能であって、メモリに接続されるプロセッサ70から構成される。プロセッサ70は、ここに記載される金融商品76を生成、取引及び決済するための各種特徴及び機能を実行するため、ソフトウェアアプリケーション74を実行する。メモリ72は、ソフトウェアアプリケーション74、金融商品76の各種具体化、及び金融商品76に係る情報78を格納する。中央コントローラ50は、スロットマシーン、ルーレットのホイール、ブラックジャックテーブル又は他の何れか適切なカジノゲームアプリケーション、株式市場、債券市場又は他の何れか適切な金融市場、レースのトラック(馬、犬、自動車など)又は金融商品76の基礎となるイベントの何れか他の適切な生成装置を含むイベント生成装置60に接続される。イベント生成装置60は、中央コントローラ50が金融商品76に対する基礎を構成するイベントの出現に係る情報を取得することを可能にする各種タイプのモニタリングインタフェース62に関連付けされてもよい。以下の例はあるタイプのイベント生成装置60、すなわち、スロットマシーンに関して説明されるが、システム5が何れか適切なタイプ、個数及び組み合わせのイベント生成装置60に関して動作するということは理解されるべきである。
【0060】
プロセッサ70は、ライブ又はシミュレートされたカジノ施設にある実際のスロットマシーンから情報を収集するようにしてもよい。これらのスロットマシーンは、本発明に従って、ユーザによってプレイされてもよいし、又はランダム化された「バーチャルスロット」として自動的に動作するようにしてもよい。各「プル」の後のスロットマシーンの最終的な各リールポジションの結果は、異なるタイプのモニタリングインタフェース62を用いて中央コントローラ50に転送されても良い。例えば、マシーンは、各種手動又は自動化された技術を介してビデオから推定されたデータ及びライブビデオを介し記録されてもよい。あるいは、そして効果的には、スロットマシーン自体は、各プルイベントの結果を中央コントローラ50に電気的に送信するモニタリング装置と一体化されてもよい。
【0061】
ポイントが他のスキルや偶然のゲームの結果によって部分的に規定される本発明の他の実施例では、結果を記録する方法は、必要に応じて、結果の手動による入力と共に、類似の電子モニタリング及び送信装置を有するようにしてもよい。ポイントの基礎としてのブラックジャックなどの例では、カードの値は、カードテーブルに固定されたビデオ監視カメラに関する自動形状及び文字認識によって記録されてもよい。既知の光学文字及び形状認識ソフトウェアと共に、セキュリティのためのカジノのビデオモニタリングの普及は、本発明の結果収集ステップの自動化に対する多くの機会を提供する。
【0062】
特に、その結果が上述した実施例においてポイント値を決定するのに用いられるスロットマシーンは、必ずしも同一施設内に存在している必要はない。例えば、スロットマシーンの一部がある施設に存在し、他の一部が地理的に離れた任意数の他の施設に存在するようにしてもよい。さらに、本発明のシステム及び方法は、何れかの個数のスロットマシーンに限定されるものではなく、多数の異なる施設に存在する数百又は数千のスロットマシーンの結果をモニタリングするよう構成されてもよい。スロットマシーンは、例えば、カジノ、空港、レース場又は他の何れか適切な場所などの任意数及び組み合わせの施設に配置されてもよい。
【0063】
中央コントローラ50のメモリ72は、各種イベントの結果と、発注された各種の賭けに関する情報とを格納するようにしてもよい。例えば、メモリ72は、あるカジノ又は組み合わされたカジノグループに対するスロットマシーンの結果を格納するのに利用可能である。メモリ72はまた、各金融商品76に係る情報78を格納する。図2を参照して詳細に説明される情報78は、FIN(Financial Instrument Number)82、特定の商品76の対象となるイベント84の説明、指定された期間86及び特定の商品76により確定されたポイントポジション88(及び/又は価格)を含むようにしてもよい。これらのフィールド(及び他のもの)は、本発明の範囲内で多数の方法により規定されるかもしれない。例えば、期間86は、金融商品76のクロージング又は精算日を表すかもしれないし、又は将来におけるある不確定な日に完了されるイベントに基づくものであってもよい。
【0064】
図3のフローチャート90において、金融商品76を生成、取引及び決済するための方法の一実施例が示される。ステップ92において、実行は開始され、金融商品76が、商品76の対象となるイベント、商品76の期間、及び現在のハウスポジションに関して金融商品76によって実現されるポイントポジションなどの多数の要因に基づき生成される。金融商品76に実現されるポイントポジションは、基礎となるイベントの初期的なポイントポジションから構成され、金融商品76の初期値を決定する際に考慮されてもよい。金融商品76は、決定された価格によりハウスから第1クライアント10に移転される。
【0065】
金融商品76の期間中、ステップ94に実行が移行し、ハウスは、イベントの結果に基づきハウスポイントを定期的に更新するため、金融商品76の基礎となるイベントをモニタリングする。ハウスポイントは、様々な基礎となるイベントの結果に従って増加又は減少し、これにより、金融商品76の価値に影響を及ぼす。このような情報は、システム5のクライアント10に配信され、これにより、クライアント10は、自分の金融商品76の変動した価値を通知され、さらに自分の変動した評価に基づき、クライアント10の間で商品76の取引が促進される。
【0066】
ステップ96において、おそらく関連する「市場」の内部で設定された価格に基づき、第1クライアント10から第2クライアント10への金融商品76の売却が促進される。この取引は、ある商品のオファー価格とビッド価格がマッチングされる技術に従って行われるかもしれず、売却が処理される。図3では商品76の1つの取引のみしか示されていないが、商品76は、それの期間中及びそれの最終的な清算前には何回でも移転可能であるということが理解されるべきである。クライアント10は、任意の時点及び金額に対して金融商品76を売買可能であり(当該時点に金融商品76の当該額の支払をしようとする相手が利用可能であると仮定すると)、ロスを限定し、又は利益を固定するため、予め設定された損切り及び売却注文を確定することが可能である。金融商品76の価値がクライアントの信用が完全に拡張されたレベルまで到達すると、クライアントは、自動的な売り注文を通じて、自分のポジションを自動的に手仕舞うかもしれない。
【0067】
ステップ98において、基礎となるイベントの期間が満了すると、金融商品76は、金融商品76に実現されるイベントの賭けポジション及び基礎となるイベントの結果に基づき、金融商品76の現在の所有者とハウスとの間で決済される。クライアント10に対する不足額がハウスによって支払われ、あるいは逆に、クライアント10によるハウスに対する不足額が、ハウスに支払われるかもしれない。支払側と受け取り側及び支払金額の決定は、期間満了時のハウスポイントの最終的な値又は最終ポイントカウントと(金融商品76において説明されるような)、金融商品76において確定される初期的なポイントポジション又は初期値との間の関係に従って行われるようにしてもよい。フローチャート90に示されるステップの一部又はすべては、例えば、中央コントローラ50のプロセッサ70がソフトウェアプリケーション74を実行することを含むシステム5の要素によって実行されるかもしれない。
【0068】
ここでは、「ハウス」(ゲームが自らのゲームエリアにおいてプレイされることに基づき、金融商品76を生成するため本発明を実現可能なカジノなど)の観点からシステム5及びそれに関連する方法が説明されたが、本発明は、ハウスによる実現に限定されるものではない。例えば、任意の主体が、所与のトラックの競馬レースの公知の結果などに基づく、又はAmerican Idol、The Bachelor、他の現実に基づくテレビショーなど、何れかの娯楽イベント又はショー、賭けイベント、スポーツイベントのテレビ放映された結果に基づく金融商品76を構成することによって(又はその取引及び決済のためのプラットフォーム又はシステムを提供することによって)、本発明を実現することが可能である。
【0069】
さらに、本発明がハウスによって実現されると仮定しても、ハウスがプレーヤーに対する「相手」又は銀行として完全又は部分的なポジションをとるか、又は適切な相手が市場において利用可能でないとき、プレーヤーに関するカウンターポジションをとることによって「マーケットメーカー」として機能しようとする場合を除いて、ハウスは特定の結果に対するそれのポイント設定の「正確さ」に必ずしも心配する必要ないということが認識されるべきである(実際、何れかの結果に割り当てられるポイント値は、必ずしもこのような結果の「実際の」統計的確率を予測することに関連する、又は予測しようとするものとしてみなされる必要はない)。ハウスが完全又は部分的なリスクベースのポジションをとったり、又はマーケットメーカーとして機能しているケースでは、ある結果の(統計的及び/又は認識された)確率を少なくとも認識することを所望し、少なくともポイント値の設定に関して、これらの確率を考慮することを所望するであろう。
【0070】
本発明を実現するハウス又は他の主体が、各結果に関して設定されるポイントから導かれる金融商品76への「エクイティ(equity)」参加者でない場合には(すなわち、ブックメーカー/リスクベースポジション保持者として機能しない)、このような主体は、あるポイント値の精度又は統計的「現実主義(realism)」を心配する必要はない。類似関係が、例えば、商品先物などに見つけられ、そこでは、金が現在から6ヶ月で1オンス2,000ドルなどで取引されるという命題に基づき、ポジションを構成することが可能である。これが商品市場の実際に起こりうる結果の現実的でない「予測」として認識されても、そのような命題は規定され、買い手と売り手は、そのような結果の(明らかにかけ離れた非現実的な)予測に基づき取引し、これにより、自分のビッドを割り引くかもしれない。
【0071】
図4において、システム5の一実施例の動作が示される。当該プロセスは、ユーザ1(10a)とユーザ2(10b)が(それぞれ、UとU)関係する時点Tにおいて開始される。2つのみのユーザ又はクライアント10しか示されていないが、システム5には任意の時点において多数の参加者をサポートする処理能力が備えられている。やりとりが開始されている間又は以前のある時点において、ユーザ10a及び10bは、あるタイプの資金ソースを提供するかもしれない。これは、システム5とやりとりするため、システム5に銀行口座、クレジットカード、ハウスのクレジットライン、又は他の支払能力の指標へのアクセスを提供することによって簡単に実現されるかもしれない。
【0072】
ユーザ10aと10bは、矢印217と218によって示されるような1以上の金融商品76に対する基礎として選択すべき確率的イベント210の選択を閲覧する。イベント210は、図1からイベント60に関連付けされ、一連のスポーツイベント(フットボールシーズン全体、月曜夜にプレイされるすべてのフットボールゲームなど)、ギャンブルイベント(ブラックジャックの次の100の手持ちの結果、1時間の間にルーレットの球が赤に入った回数など)、又はおそらく「ランダム」(又は予測困難/大きな乖離)なイベント又は結果(任意の日のStonehengeにおける雨量、任意の期間における市場指数の上げ下げなど)を含むかもしれない。イベント210の選択を決定し、それに対する賭けポジションを確定すると、クライアントは、このような賭けポジションを中央コントローラ50に通信する。中央コントローラ50は、各賭けポジションのパラメータを実現する金融商品76を確定し、矢印219及び220に示されるような確認メッセージを返す。
【0073】
各金融商品76がメモリ72に記録された後、矢印216に示されるように、金融商品76は、賭けられた確率的イベントの期間に対して「有効期間(live)」又はアクティブを維持する。金融商品76が、例えば、通常のNFLフットボールシーズンの結果に依存する場合、金融商品76は、約17週間は有効期間を維持する。金融商品76が、例えば、1日の間にブラックジャックのすべての手持ちにおいてプレイされるスペードのエースの数に依存する場合、金融商品は1日の有効期間を維持する。基礎となるゲーム又はイベントに関係なく、各金融商品76は、基礎となる賭けの期間に対応する市場有効期間を有するであろう。
【0074】
金融商品76の価値は、その他の市場の力(需要と供給など)の押し引きに従って、予期せぬ変化が発生するとき(例えば、スターであるクオーターバックが腕を骨折するなど)、おそらく経時的に変化するであろう。例えば、ユーザ10a(U)が、結果Oがある時点Tにおいて起こるという賭けを行い、ユーザ10b(U)が、(異なる)結果Oが時点Tにおいて起こるという賭けをした場合、それぞれは、あるイベント系列の累積的結果における賭けを有することとなる。この賭けは、システム5によって生成される移転可能な金融商品76によって実現される。この金融商品76は、このような商品に対するシステムにより生成される市場において移転可能性を維持する。すなわち、結果OにおけるUの賭けは、ある金融商品76に実現され、結果OにおけるUの賭けは、ある金融商品76に実現される。FとFは共に、システム5を用いてオープンに移転可能となる。FとFの双方の価値(さらに、市場価格)は、基礎となるイベント210の変化により変動するかもしれない。ある関連するイベント210であるEが、賭けの発注後であって賭けの決定前のある時点に起こると仮定する。EはOに対するポジティブな効果を有する場合、それはOに対してネガティブな効果を有することとなる。これは、Fの価値を引き上げ、Fの価値を引き下げることになる。
【0075】
以下において、本発明の実施例によって想定される集合のいくつかの一例となる代数的な表現が与えられる。
【0076】
【表1】


集合Gは、任意のシステムユーザ10が賭けを行うことが可能なすべての確率的なゲーム又はイベント210の集合、又はゲーム若しくはイベント210の系列を表す(「ゲーム」及び「イベント」という用語は、確率的な生起を意味するのに相互交換的に使用されることに留意されたい)。
【0077】
【数1】


となる各Gに対して、Wが存在する。集合Wは、何れか与えられたGに対して行われたすべての一意的な賭けの集合を表す。集合Wは、ユーザ又はシステムにより規定されるかもしれない。集合Oは、賭けが行われるすべての可能なイベント210に対するすべての可能な結果を表す。
【0078】
【数2】


となる各Wに対して、一意的な可能性のある結果の系列が存在する。もちろん、可能性のある結果の個数は、イベント自体の性質により変化するであろう。(すなわち、あるイベントがより多くの本来的に一意的な結果を有するに従い、可能な賭け数、従って、ユーザによって賭けられる利用可能な一意的な可能性のある結果は増大する。)例えば、ルーレットのゲームは、コイントスより多くの可能性のある賭け及び結果を提供するであろう。
【0079】
【数3】


集合Uは、様々な結果に賭けをするすべてのユーザ又はクライアント10の集合を表し、集合Kは、マスター集合である。各ユーザに対して、一意的なKが存在し、それについては、以降においてより詳細に説明される。任意のユーザUは、
【0080】
【数4】


となる任意の結果OMNに対して賭けを行うかもしれない。
【0081】
従って、ユーザは、任意の賭けWが任意の時点において発注された確率的イベントの組み合わせを観察するかもしれない。例えば、ユーザUは、当該ユーザに直接送信されるライブデータ(テキスト、画像、ビデオなど)を介し何れか与えられたカジノのルーレットテーブル(ルーレットは、集合Gに含まれる「確率的イベント」GRouletteである)を観察するようにしてもよい。その後、Uは、発注される可能性のあるすべての賭けの集合WRouletteを観察するようにしてもよい。この時点Tで、Uは、1つ(又はより多くの)一意的な結果に対して賭けをすることを選択するかもしれない。例えば、Uは、次の5時間において、ルーレットテーブルの回転の90%以上がルーレットの球が赤のルーレットのタイルに入るということに賭けるかもしれない。この結果は、O11と記すことが可能である。O11は、おそらく存在する可能性のある結果の集合内の結果であり(例示のため、あきらかにありえないことであるが)、その結果は、様々な方法により実行された特定のポジションの相対的リスクを反映しようとする支払スキームと関連するかもしれない。
【0082】
賭けが当初行われる時点Tにおいて、賭け自体は、Uがその賭けを行うため支払った金額以下の価値しかない。(当該賭けが、「ロングオッズ(long odds)」を有したとしても、すなわち、当該ポジションに関する結果が発生する場合、初期投資の複数倍の支払を提供するかもしれない。)例えば、Uが10ドルでこの賭けを行ったかもしれない。時点Tにおいて、Uは、この賭けを実現する金融商品76を他のユーザUに10ドルで売却することが可能であると考えられる。従って、当該賭けは、その価値が基礎となる確率的イベント210の経過に基づくものとなる金融商品76になった。ルーレットのホイールの100回の回転が関連する5時間の間に行われると仮定される場合、Uの賭けの市場価値は、基礎となるルーレットの回転の結果に応じて経時的に変動するかもしれない。例えば、T(賭けが行われる時点)とT(賭けをした人の勝ち負けが決定した時点、又は賭けがもはや「有効」でなくなった時点)との間の真に無限の個数の結果又は可能性のうちの3つを示す図5のグラフをとる。
【0083】
図5のグラフに関して、ある人は、可能性のある様々な結果を観察し、ユーザに対するそれらの「実質的なドル」の価値を推測するかもしれない。可能性1(
【0084】
【数5】

となるある結果OMNを単に示す)は、第1、第2、第3及び第4の時間中に、20回のルーレットの回転のうちの20回が赤に入った時系列を示す。Tにおいて、Uは、自分の賭けに勝つため、赤に入った最後の20回の回転のうち10回しか有する必要はない。Tにおいて、Tの時点で10ドルしか賭けていなかったUの賭けは、おそらくより大きな価値を有することとなる(特に、例えば、この結果の出現が500ドルの支払いをもたらすように、賭けのポジションが規定されていた場合など、賭けが高いオッズに「固定される」程度まで)。なぜなら、統計的に当該オッズは、現在はユーザに有利な状況(50%)になっているためである。ちょうど説明された一例となるオッズ及び中間結果に基づき、Tにおいて、Uは、少なくともUによって所有される金融商品76に対して、少なくとも約250ドルを支払他と考える買い手を見つけることができると予想される。本発明は、このような取引に対して対応する市場を提供する。Tにおいて、Uは、先物契約、オプション又は何れかの金融派生商品を購入を希望する他のユーザUに移転するように、金融商品76を所有又は移転するか選択可能である。従って、ルーレットのホイールの各回転の結果に対して賭けをすることなく、Uは、一連のルーレットの回転に基づく確率的なイベント210に投資し、その後、Tにおいて自分の金融商品76を購入を希望する買い手に売却する場合、利益を得ることが可能となる。図示されたグラフでは、最後の20回のルーレットの回転のうち4回しか赤に入らず、関連する5時間において合計で84回の赤のルーレットの回転となったため、TとTの間で、可能性1はUの当初の賭けの所有において賭けをした人に不利な結果となる。このような例では、Uは、TにおいてUに250ドルで売却するようアドバイスされたであろう。
【0085】
同様に、可能性2は、可能性のあるすべての結果の集合Oのうち他の可能性のある結果を示す。可能性2では、TとTの間の期間は、可能性1は開始したときほどUにとって有望なものではない。可能性2では、Tにおいて75回の赤に入ったルーレットの回転があった。このことは、Uが、最後の時間中に合計で20回のルーレットの回転のうち少なくとも15回(75%)が赤に入ることを必要とすることを意味する。このシナリオでは、Uの当初の金融商品76は、当初の投資より大きな価値を有していないかもしれない。このオッズは、統計的には当該ユーザに対して不利である(75%>50%)。当該ユーザは、前と同様に、自分の金融商品76を売却(おそらくロスして)、取引又は所持するかもしれない。しかしながら、与えられた例では、TとTの間で、20回のルーレットの回転のうち20回が赤に入り、金融商品76の所有者に当たり又は払戻を提供する。上述したように、例示のため、誇張した数及び統計的結果が選択されたが、経時的に赤と黒の回転の生起が何れかの色に大きく有利に発生することはあまり予想されない「実際の」プレイにおいてでさえ、「満期」前の金融商品76の所有者又は潜在的な購入者に対する同じ投資戦略機会及び経時的なボラティリティの同一の原理が適用されるであろう。
【0086】
最後に、可能性3は、2時間以内にUの金融商品76が価値がなくなる可能性のある結果を示す。第1の時間(T)において、5回の赤に入ったルーレットの回転がある。第2の時間(T)において、7回の赤に入ったルーレットの回転がある。これは、最初の40回のルーレットの回転のうち合計で12回が赤に入ったこととなる。Tまでに、100回の回転の期間中の残りの回転において、赤に入るルーレットの回転が90回に到達することは不可能である。
【0087】
従って、システムは、このようなすべての商品76の移転を促進するための市場及び新規な金融商品76を生成する。各クライアント10は、各種手段を通じて自分の賭けをヘッジし、これに応じて市場変動に対応し、適切であると考えられる何れかの方法により自分の金融商品76を自由に交換又は移転することが可能である。
【0088】
金融商品の具体例
システム5のある実施例では、金融商品76は、スロットマシーンを引くことに基づくものであるかもしれない。リールの各回転に対して、コンピュータ装置は、システム5にリンクした各スロットマシーンの各リール上の「ペイライン(pay line)」に関して、シンボルの配置を記録するのに利用可能である。例えば、従来のスロットマシーンでは、「ペイライン」は、リールの表示の中間の水平方向のバーによって表されるかもしれない。各ポジションには、ポイントシステムに従って対応する数値が与えられているかもしれない。例えば、ペイライン上のチェリーは0を表し、当該ラインの1ライン上のチェリーは+1を表し、当該ラインの1ライン下のチェリーは−1を表すかもしれない。また、ペイライン上のオレンジは3を表し、ペイラインの1ライン上のオレンジは5を表し、ペイラインの1ライン下のオレンジは1を表すかもしれない。ペイライン上にシンボルがない場合は−3を表し、ペイラインの1ライン上にシンボルがない場合には−1を表し、ペイレインの1ライン下にシンボルがない場合には−5を表すかもしれない。可能性のある各結果に割り当てられるポイント値は(例えば、ペイラインの1ライン下にシンボルがない場合には「−5」など)、ある命題の構成において任意に選択することが可能である。ある商品76に対する命題を構成するのに、本発明を実現する主体は、ある結果の推定される「実際の」オッズを考慮することは求められないが、通常は考慮するかもしれない。例えば、あるポジションにおけるオレンジに割り当てられるポイント値は(しかしながら、必要ではないが)、各スロットマシーンのリールのオレンジの相対的な分布を反映する。
【0089】
本発明は、金融商品76の自由な取引を提供するため、様々な結果に対するポイント値のランダムな割当てが可能であると認識されても、効率的な市場は依然として生成される。なぜなら、市場参加者はある結果に対するポイント値は「低すぎる」又は「高すぎる」値に固定されているか自由に評価し(各ケースにおいて、このような結果の実際の又は認識された数学的オッズに対して)、このような結果に完全に又は部分的に依存した成功を有するポジションの参加のために支払をすることを希望する金額を増大(又は減少)させうるためである。
【0090】
各スロットマシーンは、各イベント210の結果の進行中の合計を記録及び維持する中央コントローラ50にリンクされるかもしれない。進行中の集計は、施設に接続されたホテルの部屋のクローズド回路のテレビ又はインターネットなどを介して、施設(カジノ又は他の施設)と共に他の場所において表示されてもよい。スロットマシーンは1以上の場所において顧客に使用され、ポイントはリアルタイムに変動するため、ポイントの表示は、リアルタイムに又は所定の間隔により更新されるかもしれない。この更新された表示は、市場参加者が商品76の価値を決定し、取引を行うことが可能な価格ガイドラインを提供することが可能である。各人は、関連する金融商品76を売り買いすることによって、ポイントがより高く又はより低くなるかについて賭けをするようにしてもよい。金融商品76の価値は、ポイント自体に直接結びつけられ、ポイントと同調して上下に変動するかもしれない。
【0091】
金融商品76の取引は、スロットマシーン自体、キオスク、賭け窓口、他の場所を含む施設内の各場所において、先払いされたATMタイプのカード、スマートカード、又は確定された信用を表す他のカードを利用することによって行うことが可能である。本発明はまた、カジノのホテルの部屋において、インターネットを介して、電話を介してなど施設外の取引を容易にするかもしれない。ATMカード、スマートカード及び電子取引の開始及び取引を追跡するための他の既知の方法が、1つのポイントで複数のプレーヤーに、又は複数のポイントの複数のポジションに関して1人のプレーヤーに対する複数の取引を記録及び追跡するのに利用可能である。
【0092】
ポイントの状態に関するデータ、それの取引履歴及び複数のクライアント10の間の価値が、集中的に利用可能なこのような情報(例えば、ハウスが本発明を実現している場合にはハウスの目的のため)と共に、各市場参加者(例えば、バーチャルプライベートネットワーク又はセキュア(又は非セキュア)なインターネットサーバに分散された端末などを介し)へのアクセスによって、メモリ72に格納及び集中的に表示することが可能である(例えば、ウェブサーバ又は中央コンピュータを利用することよって)。このような情報へのリモートアクセスのためのデータセキュリティ及び完全性の準備は、セキュアなインターネット通信のための128ビットSSLプロテクションなどの既知のセキュリティ及び暗号化プロトコルに従って提供されるかもしれない。
【0093】
複数の「ポイント」が、回転ベースに生成されるかもしれない。例えば、スロットマシーンの新たな各回転は、新たなポイントを開始するものとしてみなされるかもしれず、投資家は回転ベースによる複数のポイントの何れか(又はいくつか)に関するポジションをとるかもしれない。ポイント(及び関連する金融商品76)のコンピュータ化された追跡は、口座管理ソフトウェア及びプラットフォームを利用して容易に提供可能である。クライアント10はある金融商品76においてあるポジションを有している間、施設にいる必要がないため、何時でもどこからでもスロットマシーン(又はスロットマシーンの取引の結果に基づくポジション)に対して実質的に賭けをすることが可能である。
【0094】
本発明による様々な実施例では、このポイントは、制限のない期間に対しては1日24時間連続的に管理され、又は発行されたすべての金融商品76が決済され、その後に新たなポイントがスタートした後に、所定の時間制限を有するようにしてもよい。例えば、ポイント(point0day)は、1月1日の正午に確定することが可能であり、他のポイント(poinnt0week)が同時に確定することが可能である。ここで、point0dayは、24時間の予め固定された期間を有し、point0weekは、1週間ちょうどの予め固定された期間を有する。従って、所定の「決済日」は、各ポイントに対して知られている。point0dayの決済日は、1月2日の正午であり、point0weekの決済日は、1月8日の正午となる。
【0095】
あるポイントに係る金融商品76の「決済」又は「結果」は、いくつかのユーザによりカスタマイズ可能な方法により規定することが可能である。しばしば、それは予め規定される。シンプルな例をとるため(金融商品76の価値がルーレットのホイールの複数の回転によって規定され、「赤」が−1、「黒」が+1、「緑」が0によるポジションに基づき)、決済日のポイントが正である場合、当該ポイントにおける「黒」又はロングポジション(positionlong)の所有者は、ある金額の金銭を獲得するであろう。ある実施例では、この金額は、初期的な賭け金に等しい金額、金融商品76の基礎となるイベントに対して設定されたオッズに従って変動する金額、又はスプレッド賭けに従って変動する金額など、所定の金額とすることが可能である。「ショート」と「ロング」の両方のポジションを構成することが可能であるため、このシンプルな一例となるポジションはまた、決済日のポジションが負であった場合、「ロング」ポジションの所有者は投資についてロスとなるが、「「ショート」であった主体はこのような負のポイントに基づき勝つということを与えることが可能である。「ポジション」は、いくつかの方法、例えば、ドルによる単位価値、シェア、チップ又は投資家がプレイにおいて所有する金額(又はポジション結果又はペイオフにおける比例的なシェア)を反映することが可能な比例的な他の参加単位などにより規定されるかもしれない。
【0096】
上記パラグラフは、「当たり」と「外れ」のポイント所有者に対するほぼ等しい統計的なオッズを反映した1:1のペイオフなどとして構成された「ペイオフ(payoff)」によるバイナリ形式のポイントを仮定している。もちろん、異なる統計的オッズを反映するため、特定のポイントのポジションに対して「ペイオフ」を構成することも可能である。例えば、ポイントが1日の間のルーレットゲームの「緑」の結果の回数(すなわち、アメリカのルーレットでは「0」又は「00」)として規定されるポジション(positiongree+90)が構成された場合、ポイントが決済日において、例えば、90より大きかった場合、当該ポジションの「ロング」のプレーヤーは、自分のポジション価格の50倍を獲得し、当該ポイントが決済日に、例えば、90未満であった場合、ロングプレーヤーは、当該ポジションにおいて自分の初期投資をロスするように、ペイオフが構成可能である。
【0097】
本発明はまた、「スプレッド賭け(spread betting)」のコンセプトによる利用に容易に適応することが可能である。このような実施例では、例えば、最もシンプルな赤/黒により規定されるルーレットのポイントに基づき、point0dayにおいて初期ポジションにXドル支払った「ロング」の投資家は、初期的なポイント値より大きな(又は小さな)ポイント(決済日の)の差額に基づき、決済日にXドルより増分的に大きな(又は小さな)金額を受け取るであろう。従って、ポジションの投資家は、実際のポイント結果が統計的に予測可能な「予測された」結果から乖離する程度に比例して(所定の制限まで、又は無制限に)利益(又は損失)を得る。従って、金融商品76の決済時において、「ロング」の投資家は、決済時における初期ポイント値の超える各ポイントに対してXドルのペイオフを受け取り、逆に、決済時における初期ポイント値を下回る各ポイントに対してXドルの損失となる。
【0098】
金融商品76はまた、所有者へのペイオフが純粋な「所定の」ペイオフでも純粋な「スプレッド賭け」ペイオフでもないが、部分的又は全体的にパリミューチュアルなペイオフである本発明に従って構成されてもよい。ここでは、ある結果における金融商品76の所有者は、部分的又は完全に支払われ、イベント又は命題及びそれのすべての各種結果に対して賭けられた合計金額の比例した分割に基づき、各ポジションを選んだポジション所有者数を反映して分割される。
【0099】
さらに、ポイントのさらなるポジションは、投資家が「予測された」ポイント結果からの大きな乖離から利益(又は損失)を得ることを可能にするため、予め規定することが可能である。従って、ポイントが赤と黒の結果の合計の比率(事前的には、ほぼ1:1になると予想される)によって規定されるシンプルなルーレットの具体例では、さらなるポジション(position0dayblack+150)は、決済日においてポイント有効期間中に赤の結果より黒の結果が150回多くなる命題に基づき規定することが可能である。position0dayblack+150に対する「ペイオフ」は、所定の値として(例えば、当該ポイントにおけるロングポジションの各参加単位に対して10ドルの1つのペイオフなど)、又は「スプレッド賭け」ベースにより決定することが可能である。(position0dayblack+150におけるロングポジションの「ペイオフ」は固定されたドル又は他の値(例えば、ポジションの各参加単位に対して10ドルなど)に関して規定される場合、投資家は、そのようなポジションに対して事前的に支払うことを希望する金額を割り引くことを予想することが可能である。
【0100】
しかしながら、金融商品76の認識される価値は、経時的にしばしば大きく変動する。position0dayblack+150における金融商品76に関する上記例をとるため、決済日におけるペイオフが、各参加単位に対して10ドルとして予め固定されている場合、ポイントのまさに開始時に、投資家はpoint0dayが決済日において+150を大きく下回り(赤の結果が−1だけポイントを増分し、黒の結果が+1だけ増分する場合)、すなわち、0に近づくという予想に基づき、position0dayblack+150の1単位に対して実質的に10ドル未満しか支払わないと予想することが可能である。しかしながら、point0dayの開始に続く23時間において、point0の瞬間的な値が+175であった場合(黒が、point0dayのこれまでの期間中に175回だけ赤を上回ったため)、投資家は、position0dayblack+150の1単位に対して10ドルに近い金額を支払う可能性があり、さらなる1時間においてpoint0dayがクローズされると、point0dayは依然として+150以上となる確率が大きかったと信じる。
【0101】
本発明は、プラットフォームを介し効果的にリアルタイムに金融商品76における取引の準備を可能にする。投資家はまた、金融商品76の競争的な取引又は追跡のため、サブグループに加入することが可能であり、当該サブグループは、ハウスによって、本発明によるサービスの集中された提供者によって、又は関連のある若しくは関連のない第3者の各種運営サービスを通じて、「コミュニティー」又は「リーグ」として運営することが可能である。これに関して、ポイント値及びポジション結果のハウス、他の提供者又は追跡者が、実際にはポイントのポジションに関してすべての投資家又はプレーヤーを管理していなくても、ハウス又は他の提供者は、ポジションの投資家のコミュニティー、リーグ又はリモートプレーヤーによる利用のため、集中化された統計的サービス、リサーチサービス、履歴ポジションデータ、口座管理及びポジションの取引のための決済サービスなどの1以上を提供することが可能である。
【0102】
現在の価格及び結果を含む他の取引情報が、ウェブサイトや株価表示器に掲示され、新聞に公表され、テレビやラジオ局を介し配信することが可能であり、これにより、施設にいないプレーヤーは、自らの金融商品76の進行を追跡することが可能となる。株価データをリアルタイム又はほぼリアルタイムに送信するのに通常利用されるすべての方法は、本発明により生成される金融商品76の現在の評価に関する情報を送信するのに利用可能である。
【0103】
本発明の他の実施例では、プレーヤーがあるイベントの結果に関して賭けをしようとすることが可能な(又はプレーヤーが、あるイベントの実際の結果が当該プレーヤーがポジションをとった結果と一致する近さに基づき、比例的に価値をゲイン又はロスするかもしれない)各種カジノゲーム又は他の命題に対するポジションに関して、取引及び投資が促進されるかもしれない。従って、本発明は、多数のカジノゲーム(例えば、ルーレット、キーノー、クラップス、ポーカー又は他のカードゲームなど)に関する回転に基づく取引ポジションだけでなく、複数の参加者が不確定な結果を有するイベントグループに関してポジションをとることが可能な他の命題(例えば、ある金融市場イベントの結果又は価値など)に対して容易に適応することが可能である。
【0104】
従って、本発明は、無数のタイプの賭けに従って利用可能である。これらの賭けは、以下に限定されるものではないが、何れかのオッズレシオの「ストレートな「固定されたオッズ」の賭け、スプレッド賭け、固定されたオーバー/アンダー賭け及び範囲の賭けを含むかもしれない。この賭けは、例えば、ある有限の期間中、又は組み合わされた複数のカジノのルーレットの結果などに関して行うことが可能である。
【0105】
本発明の他の実施例では、パリミューチュアルや他の賭け命題の現在対象となっているが、取引可能なポイントベース賭け命題の対象となりうる複数の参加者を有することが可能な競馬レースや他の一般的なスポーツイベントに関して、金融商品76を生成するため、システム及び方法が利用可能である。金融商品76は、一連の競馬レースの結果のある側面に関してあるポジションを確立するため多数の方法により利用可能であり、これらの商品76に実現されるポジションは、ここで説明される他の商品76の何れかと同様にして取引可能である。
【0106】
本発明によるシステム及び方法の一実施例では、与えられたレースの馬は、いくつかのグループ、最も簡単には2つのグループに分割されるかもしれない。グループへの分割は、推定される各スキルレベルに関するハウスによるアクティブなハンディキャップと、グループの各馬のレースに優勝する確率に基づき、又は他の何れかの方法によってランダムな数学的基礎に対して実行されるかもしれない。1つのレースにおいて馬が2つのグループに分割される例では、第1のグループは、例えば、「+1」のグループなどに指定され、第2のグループは、例えば、「−1」のグループに指定される。従って、投資家が何れのサイドに対するポジションをとりうるポイントが、生成される。競馬レースのオッズは、典型的にはレースの開始まで変動するため、金融商品76は、与えられたグループの馬の一部又はすべての認識されたオッズが上下するに従って、取引又は購入することが可能である。複数のレースの実施例では、金融商品76に実現され、参加者によって取引可能な回転の命題の賭けを生成するのに、経時的に金融商品を取引する機会は、もちろんより拡がることとなる。組み合わすことが可能なレースのレース数(離れた場所におけるレースを含む)、又は馬のグループ分けが分割可能な各種方法に対する制限は本来的には存在しない。
【0107】
本発明におけるポジションを対象とした命題に対する「勝ち負け」/ペイオフはまた、いくつかの方法により測定することが可能である。例えば、ポイントに関する「1着」のポジションは、単に該当するレースにおける1頭の優勝した馬を含む馬のグループに対応することが可能であり、あるいは当該レースにおいて上位3着のポジション(ウィン、プレース及びショー)でゴールした馬を含むグループとして規定することも可能である。
【0108】
本発明の上記特徴はまた、純粋な当事者間の賭けに対して用いることが可能であり、そこでは、システムは、単にあるポイントについて正反対のポジションをとろうとする、又はこのようなポジションにより取引しようとする各投資家をマッチングするための市場として機能する(それの清算機能について少額のサービス料を徴収するハウスによって)。ハウスによって提供されるポイント設定及びポジション売却機構又はオプションは、ハウスが所望されるような「リスク回避的」又は「リスク許容的」(すなわち、ハウス自身の資金の一部又はすべてを未知のリスクに基づく結果に対するプレイおよび対象に積極的に関与させること)なものとなることを可能にするため、広範な方法により変化させることが可能である。
【0109】
本発明の他の実施例では、移転可能な金融商品76が、それの対象が現実の金融商品となりうるさらなる他のタイプの賭けを実現するよう生成可能である。例えば一実施例では、ハウスは、ダウ工業平均(DJIA)などの株式のグループ又は特定の株式の終値に基づくポイント値を確定するかもしれない。賭けをする人は、数日、数ヶ月又は数年間のDJIAの終値に関して当該ポイントに対するポジションをとるかもしれない。賭けをした人の関連する金融商品76の価値は、DJIAの変動とポイント値の以降の変動により変化する。それの対応する商品76を介した当該ポジションは、クライアント10の間で取引及び移転されるかもしれない。当該ポジションの価値は、DJIAにリストされた株式に変動に従って変動し、「ロング」ポジションを実現する金融商品76の所持者は、DJIAの値が精算時においてハウスによる所定のポイント値より高い場合には、ペイオフを受け取るように、ペイオフが構成されるかもしれない。さらに、金融商品76は、ハウスにより設定されたポイントポジションに関して有利なポイントポジションを実現する場合、商品76は、おそらくそれの購入時より高い価値を有することとなり、各賭けをする人の間で金融商品76の取引、売却又は他の移転においてこのようなより高い価値を見込むことができる。他の実施例は、世界中の金融市場の無数にある他の面に基づく金融派生商品76を生成するため、本発明の範囲内で使用可能である。
【0110】
当業者によって理解されるように、本発明は、ここに説明されるタイプの金融商品76に限定されるものではなく、各種カジノゲーム、スポーツイベント、金融市場又は不確定な結果(天気、選挙結果など)を有する他の何れかのイベントに従って実現されてもよい。
【0111】
さらに、本発明は、特に金融商品76がインターネットやワールドワイドウェブを介し電子的に取引されるシステム(又は電話オペレータ又はコンピュータ化されたIVRU(Interactive Voice Response Unit)がクライアントにより供給された情報のコンピュータ化された入力を実行する電話コールセンターに関して)による広範なコンピュータ化された実現形態と両立可能であり、これにより、賭けをする市場へのグローバルかつ24時間のリアルタイムによるアクセスが、適切にセキュア処理された形式により可能にされる。
【0112】
当業者は、特定の実施例及び好適な実施例の上記説明が単なる例示であり、以下に記載される請求項によってのみ限定される本発明の趣旨及び範囲を限定するものではないということを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の一実施例による賭けベースの金融商品の生成、取引及び決済のためのシステムのブロック図を示す。
【図2】図2は、賭けベースの金融商品について格納される情報を示す。
【図3】図3は、賭けベースの金融商品の生成、取引及び決済のための方法の一実施例を示す。
【図4】図4は、動作について本発明の一実施例を示す機能的なブロック図を示す。
【図5】図5は、1つの該当する賭けの最中に生じる可能性のある3つの可能性のある結果をグラフを示す(ルーレットの回転を扱う)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数の値が第1の所定の期間に上下するか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数の値が第2の所定の期間に上下するか示す第2賭け要素とを有する賭けを受け付けるステップと、
前記第1金融市場指数の値が前記第1の所定の期間に上下したかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第2金融市場指数の値が前記第2の所定の期間に上下したかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定するステップと、
から構成されることを特徴とする賭け方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記第1金融市場指数の値が前記第1の所定の期間に変化しない場合、前記第1の賭け要素は外れであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、さらに、
当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、
前記賭けはさらに、第3金融市場指数の値が第3の所定の期間に上下するか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果を決定するステップはさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものとなる、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法であって、さらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭けの要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定するステップと、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数の値が第1の所定の期間に上下するか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数の値が第2の所定の期間に上下するか示す第2賭け要素とを有する賭けを格納するよう動作可能なメモリと、
前記メモリに接続されるプロセッサと、
を有する賭けシステムであって、
前記プロセッサは、
前記第1金融市場指数の値が前記第1の所定の期間に上下したかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定し、
前記第2金融市場指数の値が前記第2の所定の期間に上下したかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定し、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定する、
よう動作可能であることを特徴とする賭けシステム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムであって、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項12記載のシステムであって、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項12記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数の値が前記第1の所定の期間に変化しない場合、前記第1の賭け要素は外れであることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項12記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項12記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項12記載のシステムであって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項12記載のシステムであって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項12記載のシステムであって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項12記載のシステムであって、
前記賭けはさらに、第3金融市場指数の値が第3の所定の期間に上下するか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果の決定はさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものとなる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項12記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭けの要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定し、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にする、
するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項23】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数のある桁が第1の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数のある桁が第2の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第2賭け要素とを有する賭けを受け付けるステップと、
前記第1金融市場指数の桁が前記第1の所定の期間の終了時に偶数又は奇数であったかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第2金融市場指数の桁が前記第2の所定の期間の終了時に偶数又は奇数であったかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定するステップと、
から構成されることを特徴とする賭け方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法であって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23記載の方法であって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23記載の方法であって、さらに、
当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項23記載の方法であって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項23記載の方法であって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項23記載の方法であって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項23記載の方法であって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項23記載の方法であって、
前記賭けは、第3金融市場指数のある桁が第3の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果を決定するステップはさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものである、
ことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項23記載の方法であって、
前記第1金融市場指数は、複数の桁を有し、
前記桁は、前記賭けによって特定される前記複数の桁の1つから構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項23記載の方法であって、さらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭け要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定するステップと、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項34】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数のある桁が第1の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数のある桁が第2の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第2賭け要素とを有する賭けを格納するよう動作可能なメモリと、
前記メモリに接続されるプロセッサと、
から構成される賭けシステムであって、
前記プロセッサは、
前記第1金融市場指数の桁が前記第1の所定の期間の終了時に偶数又は奇数であったかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定し、
前記第2金融市場指数の桁が前記第2の所定の期間の終了時に偶数又は奇数であったかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定し、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定する、
よう動作可能であることを特徴とする賭けシステム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムであって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項34記載のシステムであって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項34記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項34記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項34記載のシステムであって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項34記載のシステムであって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項34記載のシステムであって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とするシステム。
【請求項42】
請求項34記載のシステムであって、
前記賭けはさらに、第3金融市場指数のある桁が第3の所定の期間の終了時に奇数又は偶数であるか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果の決定はさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項43】
請求項34記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数は、複数の桁を有し、
前記桁は、前記賭けによって特定される前記複数の桁の1つから構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項34記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭け要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定し、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にする、
よう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項45】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数のある桁が第1の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の第1の選択された範囲内にあるか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数のある桁が第2の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の第2の選択された範囲内にあるか示す第2賭け要素とを有する賭けを受け付けるステップと、
前記第1金融市場指数の桁が前記第1の所定の期間の終了時に前記選択された第1の範囲内にあったかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第2金融市場指数の桁が前記第2の所定の期間に終了時に前記選択された第2の範囲内にあったかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定するステップと、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定するステップと、
から構成されることを特徴とする賭け方法。
【請求項46】
請求項45記載の方法であって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項45記載の方法であって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項45記載の方法であって、さらに、
当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項45記載の方法であって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項45記載の方法であって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項45記載の方法であって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項45記載の方法であって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項45記載の方法であって、
前記賭けは、第3金融市場指数のある桁が第3の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の選択された第3の範囲内にあるか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果を決定するステップはさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものである、
ことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項45記載の方法であって、
前記第1金融市場指数は、複数の桁を有し、
前記桁は、前記賭けによって特定される前記複数の桁の1つから構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項45記載の方法であって、
前記選択された第1の範囲の少なくとも一部は、前記選択された第2の範囲と重複することを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項45記載の方法であって、さらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭け要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定するステップと、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項57】
金融市場指数に係る複数の結果に関する賭けであって、第1金融市場指数のある桁が第1の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の第1の選択された範囲内にあるか示す第1賭け要素と、第2金融市場指数のある桁が第2の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の第2の選択された範囲内にあるか示す第2賭け要素とを有する賭けを格納するよう動作可能なメモリと、
前記メモリに接続されるプロセッサと、
から構成される賭けシステムであって、
前記プロセッサは、
前記第1金融市場指数の桁が前記第1の所定の期間の終了時に前記選択された第1の範囲内にあったかに少なくとも部分的に基づき、前記第1賭け要素の結果を決定し、
前記第2金融市場指数の桁が前記第2の所定の期間に終了時に前記選択された第2の範囲内にあったかに少なくとも部分的に基づき、前記第2賭け要素の結果を決定し、
前記第1賭け要素と前記第2賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づき、前記賭けの結果を決定する、
よう動作可能であることを特徴とする賭けシステム。
【請求項58】
請求項57記載のシステムであって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の結果の少なくとも1つが、外れであり、
前記賭けの結果が、外れである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項59】
請求項57記載のシステムであって、
前記第1の賭け要素と前記第2の賭け要素の各結果が、当たりであり、
前記賭けの結果が、当たりである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項60】
請求項57記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、当たりと決定される賭け要素の個数に少なくとも部分的に基づき、前記賭けに対する払戻を決定するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項61】
請求項57記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数は、ダウ工業平均、NASDAQ、FTSE(Financial Times Stock Exchange)、S&P500及びNYSE(New York Stock Exchange)の少なくとも1つに関するものであることを特徴とするシステム。
【請求項62】
請求項57記載のシステムであって、
前記賭けは、前記第1の所定の期間を少なくとも特定することを特徴とするシステム。
【請求項63】
請求項57記載のシステムであって、
前記第1の所定の期間は、前記第2の所定の期間に等しいことを特徴とするシステム。
【請求項64】
請求項57記載のシステムであって、
前記賭けは、少なくとも前記第1金融市場指数のソースを指定することを特徴とするシステム。
【請求項65】
請求項57記載のシステムであって、
前記賭けは、第3金融市場指数のある桁が第3の所定の期間の終了時に複数の数値範囲の選択された第3の範囲内にあるか示す第3の賭け要素を有し、
前記賭けの結果の決定はさらに、前記第3の賭け要素の結果に少なくとも部分的に基づくものである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項66】
請求項57記載のシステムであって、
前記第1金融市場指数は、複数の桁を有し、
前記桁は、前記賭けによって特定される前記複数の桁の1つから構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項67】
請求項57記載のシステムであって、
前記選択された第1の範囲の少なくとも一部は、前記選択された第2の範囲と重複することを特徴とするシステム。
【請求項68】
請求項57記載のシステムであって、
前記プロセッサはさらに、
少なくとも前記賭けを実現し、前記賭け要素の少なくとも一部の結果に従って変化するポイントカウントに少なくとも部分的に基づく価格を有する金融商品を確定し、
前記価格に対する前記金融商品の移転を容易にする、
よう動作可能であることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−536613(P2007−536613A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511049(P2007−511049)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/015001
【国際公開番号】WO2005/109281
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)
【Fターム(参考)】