説明

金銭取扱い装置

【課題】不要な初期化処理を省略して、顧客の待ち時間を短縮させることができる金銭取扱い装置を提供する。
【解決手段】この自動券売機1は、紙幣及び硬貨による金銭処理により、券を自動的に払い出す自動券売機1であって、可動部を有しない電気系及び制御系ユニット20を初期化する第1の初期化手段21と、可動部を有する機械系ユニット22を初期化する第2の初期化手段23と、人体が接近したことを検知する人感センサ25と、人感センサ25が人体を検知しない時間を計時する計時手段26と、機械系ユニット22を露出させる開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する自己保持型センサ(開閉記憶部)27と、電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを省エネモードに移行させる制御手段24と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機、両替機、金銭払出装置、精算機等の金銭取扱い装置の改良に関し、特に長時間操作されない場合に省エネモードに移行する機能を備えた金銭取扱い装置の初期化動作を効率的に実施する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動券売機等の自動販売機、両替機、金銭払出装置、精算機等の金銭取扱い装置は、金属製の筐体内に機械部品、電気部品、電子部品等を収容した構成を備えている。特に、紙幣を扱う金銭取扱い装置の場合は、紙幣を搬送するためのベルト、或いはローラといった搬送系が存在する。この搬送系は、紙幣を正確に搬送しなければならないため、各部が細かく調整されている。従って、始業時等における電源投入時に電気系の初期化処理と並んでベルトやローラ等の機械系の動作チェックを初期化処理として行っている。しかし、電気系の初期化処理は瞬時にして終了するが、機械系の初期化処理にはそれなりの長い時間を要する。また、近年は、省エネのため、客待ちの状態では各部ユニットの電源をOFFするため、新たな客を検知して電源が再投入される度に、機械系の初期化処理を行わなければならず、使用可能となるまで客を待たせるといった問題が発生する。そのため、これまでは、省エネモードへ移行しても機械系ユニットについては電源をOFFにすることができず、十分な省エネ効果が得られなかった。
この初期化動作についての従来技術として特許文献1には、客待ちの状態では省エネモードとするため、内部ユニットの電源をOFFし、待機状態で客を検知して電源が再投入されると、各ユニットは初期化処理を行って取引が実行される自動販売機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−211137公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、硬貨の重力を利用して、硬貨が通過するルートを上から下に流れるように構成して硬貨の検出や真贋検知を行なうため、硬貨を駆動する駆動手段を特に必要とせず、初期化処理は電気系だけであるので、瞬時に完了して速やかに取引可能となる。しかし、紙葉類を搬送するベルトやローラといったメカニズムがないため紙幣を取り扱うことがでず、使用者から見た場合、利便性に欠けるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、機械系ユニットの内部を露出させる開口部の開閉状態を記憶する扉センサを備えることにより、省エネモードから電源が起動されたときに、扉が開放されたことを扉センサにより検知して、機械系の初期化処理を行うことにより、不要な初期化処理を省略して、顧客の待ち時間を短縮させることができる金銭取扱い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを収容した筐体と、前記機械系ユニットの内部を露出するために該機械系ユニット、又は筐体に形成した開口部と、該開口部を開閉する扉と、を備えた金銭取扱い装置であって、前記電気系及び制御系ユニットを初期化する第1の初期化手段と、前記機械系ユニットを初期化する第2の初期化手段と、人体が接近したことを検知する人感センサと、該人感センサが人体を検知しない時間を計時する計時手段と、前記機械系ユニットの内部を露出させる前記開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する開閉記憶部と、電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを省エネモードに移行させる制御手段と、を備え、前記人感センサが人体を検知しない時間が所定時間に達したことを前記計時手段が計時すると、前記制御手段は、前記省エネモードに移行し、前記人感センサが人体を検知すると前記省エネモードを解除して前記第1の初期化手段により前記電気系及び制御系ユニットを初期化すると共に、前記開閉記憶部が前記開口部が開放されたことを記憶している場合は、前記第2の初期化手段により前記機械系ユニットを初期化し、前記開閉記憶部が前記開口部が開放されたことを記憶していない場合には、前記第2の初期手段により前記機械系ユニットを初期化しないことを特徴とする。
【0006】
金銭取扱い装置は、最初の電源投入時に電気系及び機械系が異常なく動作するか否かを事前にチェックしたり、各部を初期状態にリセットするために、初期化処理が行われる。例えば、電気系であれば、ソフトが異常ないかをチェックするために、テストプログラムを起動させたり、カウンタやメモリをリセットする。また、表示部がある場合はその動作も確認する。更に、紙幣等の搬送系の動作をチェックするために、機械系を駆動させて、ベルトやローラの動作状態を確認する。また、金銭取扱い装置は、所定の時間を経過しても客が操作しない場合は、装置の必要な部分以外の電源を落として、省エネを図っている。そして、客が接近するとその省エネモードを解除して、販売が可能なモードに移行させるために、全ての電源を投入する。このとき、電気系の初期化処理は瞬時に完了するが、機械系の初期化処理には、それなりの時間を要するため、その間、客を待たせることになる。そこで本発明では、機械系ユニットを露出させる開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する開閉記憶部と備え、省エネモードを解除して第1の初期化手段により電気系及び制御系ユニットを初期化すると共に、開閉記憶部が開口部が開放されたことを記憶していない場合には、第2の初期手段により機械系ユニットを初期化しない。これにより、不要な初期化処理を省略して、顧客の待ち時間を短縮させることができる。
【0007】
請求項2は、前記制御手段は、前記第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化した後、前記開閉記憶部を前記開口部が開放されたことを記憶していない状態にリセットすることを特徴とする。
1度でも扉が開閉されるとそれを扉センサが検知して、開閉記憶部はその状態を記憶する構成である。従って、省エネモードが解除されて開閉記憶部が開放状態を記憶している場合は、機械系ユニットに接触した可能性があるので、第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化する。これにより、人の接触により機械系ユニットが異常になったか否かを事前に確認することができる。
【0008】
請求項3は、前記制御手段は、前記自動販売機を省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても前記人感センサが人体を検知しない場合、前記扉センサの開閉状態の如何に拘わらず前記第2の初期化手段により前記機械系ユニットを初期化することを特徴とする。
機械系ユニットには、ベルトやローラといった、経時で変化する部品によって構成されている。従って、長時間に亘って装置が再起動されない場合、例えば、夏季の炎天下で装置内の温度が上昇してベルトとローラとの粘着度が上昇して、起動時に正常に動作しないことも考えられる。そこで本発明では、省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても人感センサが人体を検知しない場合、扉センサの開閉状態の如何に拘わらず第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化する。これにより、経時的に変化した状態を初期状態に近づけることができる。
【0009】
請求項4は、前記開閉記憶部は、自己保持型スイッチにより構成されていることを特徴とする。
扉の開放を検知するために、一般的にセンサが使用される。しかし、扉が閉止される元の状態に戻ってしまい、開放されたことを後で確認することができない。そこで本発明では、自己保持型スイッチを使用して、1度でも扉が開放されると、その状態をメカ的に保持しておく。これにより、省エネモードでの電力消費を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機械系ユニットの内部を露出させる開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する扉センサを備え、省エネモードを解除して第1の初期化手段により電気系及び制御系ユニットを初期化すると共に、扉センサの記憶状態に基づいて第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化するか否かを判断するので、不要な初期化処理を省略して、顧客の待ち時間を短縮させることができる。
また、省エネモードが解除されて扉センサが開放状態を記憶している場合は、管理者が釣銭補充などの作業で機械系ユニットの内部機構に接触した可能性があるので、第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化する。これにより、最初の電源投入時の初期化処理により機械系ユニットが正常であっても、接触による機械系ユニットの異常を事前に確認することができる。
また、省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても人感センサが人体を検知しない場合、扉センサの開閉状態の如何に拘わらず第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化するので、経時的に変化した状態を初期状態に近づけることができる。
また、自己保持型スイッチを使用して、1度でも扉が開放されると、その状態をメカ的に保持しておくので、省エネモードでの電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の自動券売機の外観を示す図である。
【図2】本発明の自動券売機の制御手段を中心とした機能を説明するための機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る自動発券機の初期化処理の動作について説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る自動発券機の初期化処理の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0013】
図1は本発明の自動券売機の外観を示す図である。この自動券売機1は、複数のアイテムに係る情報を表示するタッチパネルディスプレイ2と、選択された特定アイテムの価格に相当する金銭を投入するコイン投入口8及び紙幣挿入口5と、コイン投入と紙幣の挿入を解除するリジェクトボタン4と、つり銭がある場合に押すつり銭ボタン6と、つり銭を払出すつり銭口7と、決済された特定のアイテムに係る情報をコード化して記録した券を取り出す券取出口9と、制御ボードや電源装置等を収納する収納部10と、を備えて構成されている。また、本実施形態では、装置の初期化に関する発明であるので、図1の自動券売機の詳細な動作については説明を省略する。また、初期化とは、電気系ではカウンタのリセットやメモリ内容の消去、並びにテストプログラムの起動による動作チェックであり、機械系では、ベルトとローラの回転試験等が含まれる。
【0014】
図2は本発明の自動券売機の制御手段を中心とした機能を説明するための機能ブロック図である。
この自動券売機1は、電気系及び制御系ユニット20、並びに機械系ユニット22を収容した筐体と、各ユニットの内部を露出するための開口部と、この開口部を開閉する扉と、を備えた自動券売機1であって、電気系及び制御系ユニット20を初期化する第1の初期化手段21と、機械系ユニット22を初期化する第2の初期化手段23と、人体が接近したことを検知する人感センサ25と、人感センサ25が人体を検知しない時間を計時する計時手段26と、機械系ユニット22の内部を露出させる開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する自己保持型センサ(開閉記憶部)27と、電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを省エネモードに移行させる制御手段24と、を備えている。
【0015】
次に、本発明の自動券売機1の初期化処理の概略動作について説明する。計時手段26により人感センサ25が人体を検知しない時間が所定の時間経過したことを計時すると、制御手段24は、自動販売機1を省エネモードに移行し、人感センサ25が人体を検知すると省エネモードを解除して第1の初期化手段21により電気系及び制御系ユニット20を初期化すると共に、自己保持型センサ27が開口部が開放されたことを記憶していない場合には、第2の初期手段23により機械系ユニット22を初期化しない。
例えば、制御手段24は、自己保持型センサ27が扉の開放状態を記憶している場合は、第2の初期化手段23により当該機械系ユニット22を初期化する。
【0016】
また、制御手段24は、自動販売機1を省エネモードに移行した後、計時手段26が所定の時間を経過したことを計時しても、人感センサ25が人体を検知しない場合、扉センサ27の開閉状態の如何に拘わらず第2の初期化手段23により機械系ユニットを初期化する。
即ち、自動券売機1は、最初の電源投入時に電気系ユニット20及び機械系ユニット22が異常なく動作するか否かを事前にチェックするために、初期化処理が行われる。例えば、電気系ユニット20であれば、ソフトが異常ないかをチェックするために、テストプログラムを起動させる。また、表示部がある場合はその動作も確認する。更に、紙幣等の搬送系の動作をチェックするために、機械系ユニット22を駆動させて、ベルトやローラの動作状態を確認する。また、自動券売機1は、計時手段26により所定の時間を経過したことを計時しても客が接近しない場合は、装置の必要な部分以外の電源を落として、省エネを図っている。そして、客が接近するとその省エネモードを解除して、販売が可能なモードに移行させるために、全ての電源を投入する。このとき、電気系ユニット20の初期化処理は瞬時に完了するが、機械系ユニット22の初期化処理には、それなりの時間を要するため、その間、客を待たせることになる。そこで本実施形態では、機械系ユニット22の内部を露出させる開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する自己保持型センサ27を備え、省エネモードを解除して第1の初期化手段21により電気系及び制御系ユニット20を初期化すると共に、自己保持型センサ27開口部が開放されたことを記憶していない場合には、第2の初期手段23により機械系ユニット22を初期化しない。これにより、不要な初期化処理を省略して、顧客の待ち時間を短縮させることができる。
【0017】
また、扉センサ27は1度でも扉が開閉されるとそれを扉センサが検知して、自己保持型センサ27は、その状態を記憶する構成である。従って、省エネモードが解除されて自己保持型センサ27が開放状態を記憶している場合は、機械系ユニット22の内部機構に接触した可能性があるので、第2の初期化手段23により機械系ユニット22を初期化する。これにより、最初の電源投入時の初期化処理により機械系ユニット22が正常であっても、人の接触による機械系ユニット22の異常の有無を事前に確認することができる。
また、機械系ユニット22には、ベルトやローラといった、経時で変化する部品によって構成されている。従って、長時間に亘って装置が再起動されない場合、例えば、夏季の炎天下で装置内の温度が上昇してベルトとローラとの粘着度が上昇して、起動時に正常に動作しないことも考えられる。そこで本実施形態では、省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても人感センサ25が人体を検知しない場合、扉センサ27の開閉状態の如何に拘わらず第2の初期化手段23により機械系ユニット22を初期化する。これにより、経時的に変化した状態を初期状態に近づけることができる。
また、扉の開放を検知するために、一般的にセンサが使用される。しかし、扉が閉止されると元の状態に戻ってしまい、開放されたことを後で確認することができない。そこで本実施形態では、自己保持型スイッチ27を使用して、1度でも扉が開放されると、その状態をメカ的に保持しておく。これにより、省エネモードでの電力消費を抑制することができる。
【0018】
図3は本発明の第1の実施形態に係る自動発券機の初期化処理の動作について説明するフローチャートである。
まず、自動券売機のメインスイッチがONとなると、装置に電源が投入される(S1)。その結果、電気系ユニット20及び機械系ユニット22が異常なく動作するか否かを事前にチェックするために、初期化処理が行われる(S2)。例えば、電気系ユニット20であれば、ソフトが異常ないかをチェックするために、テストプログラムを起動させる。また、表示部がある場合はその動作も確認する。更に、紙幣等の搬送系の動作をチェックするために、機械系ユニット22を駆動させて、ベルトやローラの動作状態を確認する。
そして初期化処理が完了すると(S3でY)、発券が可能な駆動モードに移行する(S4)。尚、ステップS2で初期化処理を行った結果、どこかに異常が発生した場合は、その旨を表示して終了する。
装置が駆動モードに移行すると、人感センサ25は装置に人体が接近するか否かを検知する。検知しない場合は(S5でN)、タイマーをセットして所定の時間経過したかをチェックする(S8)。ステップS5で人感センサ25が人体を検知すると(S5でY)、タイマーをリセットして、発券操作を制御して取引を実行する(S6)。取引が完了すると(S7でY)、タイマーがリセットされているので、ステップS5に戻って人感センサ25の状態をチェックする。
【0019】
ここで、ステップS8でタイマーが所定の時間経過すると(S8でY)、装置を省エネモードに移行する(S9)。これにより、必要な部分以外の電源がOFFとなる。そして、人感センサ25の状態監視に移行する(S10)。
そして、ステップS10で人感センサ25により人体を検知すると(S10でY)、装置を駆動モードに移行して電源を再投入する(S11)。それにより、電気系及び制御系ユニット20を第1の初期化手段21により初期化して(S12)、自己保持型センサ27の状態をチェックする(S13)。チェックの結果、自己保持型センサ27がOFFであれば(S13でN)、ステップS5に戻る。
ステップS13で自己保持型センサ27がONであれば(S13でY)、機械系ユニット22を第2の初期化手段23により初期化する(S14)。そして、初期化が完了すると(S15でY)、自己保持型センサをリセットして(S16)、ステップS5に戻る。
【0020】
図4は本発明の第2の実施形態に係る自動発券機の初期化処理の動作について説明するフローチャートである。同じステップには同じステップ番号を付し説明を省略する。
即ち、械系ユニット22には、ベルトやローラといった、経時で変化する部品によって構成されている。従って、長時間に亘って装置が再起動されない場合、例えば、夏季の炎天下で装置内の温度が上昇してベルトとローラとの粘着度が上昇して、起動時に正常に動作しないことも考えられる。そこで本実施形態では、省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても人感センサ25が人体を検知しない場合、自己保持型センサ27の開閉状態の如何に拘わらず第2の初期化手段23により機械系ユニット22を初期化する。これにより、経時的に変化した状態を初期状態に近づけることができる。即ち、図4が図3と異なる点は、ステップS10において、人感センサ25が人体を検知しない場合、タイマーをセットして所定の時間その状態が続いた場合に(S17でY)、ステップS14に進んで機械系ユニット22を第2の初期化手段により初期化する点である。
以上、一例として自動券売機について説明したが、自動販売機、両替機、金銭払出装置、精算機等の金銭取扱い装置にも適用されることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0021】
1 自動券売機、2 タッチパネルディスプレイ、4 リジェクトボタン、5 紙幣挿入口、6 釣銭ボタン、7 釣銭口、8 コイン投入口、9 券取出口、10 収納部、20 電気系、制御系ユニット、21 第1の初期化手段、22 機械系ユニット、23 第2の初期化手段、24 制御手段、25 人感センサ、26 計時手段、27 扉センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを収容した筐体と、前記機械系ユニットの内部を露出するために該機械系ユニット、又は筐体に形成した開口部と、該開口部を開閉する扉と、を備えた金銭取扱い装置であって、
前記電気系及び制御系ユニットを初期化する第1の初期化手段と、
前記機械系ユニットを初期化する第2の初期化手段と、
人体が接近したことを検知する人感センサと、
該人感センサが人体を検知しない時間を計時する計時手段と、
前記機械系ユニットの内部を露出させる前記開口部を開閉する扉の開閉状態を記憶する開閉記憶部と、
電気系及び制御系ユニット、並びに機械系ユニットを省エネモードに移行させる制御手段と、を備え、
前記人感センサが人体を検知しない時間が所定時間に達したことを前記計時手段が計時すると、前記制御手段は、前記省エネモードに移行し、前記人感センサが人体を検知すると前記省エネモードを解除して前記第1の初期化手段により前記電気系及び制御系ユニットを初期化すると共に、前記開閉記憶部が前記開口部が開放されたことを記憶している場合は、前記第2の初期化手段により前記機械系ユニットを初期化し、前記開閉記憶部が前記開口部が開放されたことを記憶していない場合には、前記第2の初期手段により前記機械系ユニットを初期化しないことを特徴とする金銭取扱い装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の初期化手段により機械系ユニットを初期化した後、前記開閉記憶部を前記開口部が開放されたことを記憶していない状態にリセットすることを特徴とする請求項1に記載の金銭取扱い装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記自動販売機を省エネモードに移行した後、所定の時間を経過しても前記人感センサが人体を検知しない場合、前記扉センサの開閉状態の如何に拘わらず前記第2の初期化手段により前記機械系ユニットを初期化することを特徴とする請求項1に記載の金銭取扱い装置。
【請求項4】
前記開閉記憶部は、自己保持型スイッチにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の金銭取扱い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−248731(P2011−248731A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122832(P2010−122832)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)
【Fターム(参考)】