説明

針無注射器

【課題】ガス圧力により薬液吸入・噴射が行なえ、薬液注射量の定量性の高い針無注射器を提供する。
【解決手段】シリンダボディ4内に連通孔4bを有する隔壁4cを形成し、後端にキャップ41を螺着して形成されるガス室4eには内周面を摺動移動する受圧ピストン52、前記隔壁4cの前方のガス室4dには内周面を摺動移動するボール押さえ65を配設する。給排切替部7によりガス室4dの給排気を行い、ガス供給切替部8によりガス室41aとガス室4eの給排気を行なう。ノズルホルダ3を前進させて薬液バイアルBから薬液Yを吸入した後、レバー71を引いてガス室4dに高圧ガスGを供給し、ボール押さえ65を前進させ、ラッチを解除して、受圧ピストン52を前進させて薬液Yを噴射する。再度薬液バイアルBから薬液Yを吸入するには、ガス室4eに高圧ガスGを供給し、ガス室41aの高圧ガスGを排気し、受圧ピストン52を後退させて行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノズルの噴射孔から吸入した一定量の薬液、または、ノズル内に充填されている薬液を、ガス圧駆動のピストンで押圧してジェット噴射し注射を行なう針無注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
針無注射器はその先端部の噴射孔から一定量吸入したノズル内の薬液、またはあらかじめノズル内に充填されている薬液をピストンで押し出し、噴射孔からジェット噴射することにより、薬液を患者(人間以外の動物も含む)に注入する注射器である。すなわち、針無注射器による注射は注射針を使用しないため、針刺し事故の防止、先端恐怖症の患者に使用が容易等の利点があり、例えば糖尿病患者自身が日常的にインシュリンを自己注射する場合にも用いられている。また、遺伝子薬の導入等にも使用され、針有り注射器と比べて薬効が高い等の発表もされている。
【0003】
従来の針無注射器においては、一般に図9に示すような構造のノズル101内のピストン102を圧縮バネ103を動力源として高速前進させるタイプものが多用されている(特許文献1参照)。針無注射器は噴射孔101aを有するノズル101が組み込まれた前側グリップ104と、ピストン102を連結したピストンロッド105をラッチまたは解除するラッチ機構106とラッチを解除して注射を行なう注射ボタン107を組み込んだ後側グリップ108をネジ部109で螺合させて構成される。前記ピストンロッド105の前方部にはネジ部110が設けられて圧縮力を調節して薬液の噴射力を調節するためのナット111が螺合され、さらにその先端にはフランジリング112が一体的に固定され、前記ナット111と後側グリップ108の後方内壁間にピストンロッド105を通して圧縮バネ103が取り付けられている。
【0004】
上記針無注射器の後側グリップ108を回転して前進させると、ラッチ機構106にはピストンロッド105をラッチして圧縮バネ103を圧縮し、この圧縮力によりピストンロッド105に前進方向の運動力が付勢される。この状態で薬液バイアル(図示省略)にノズル101を接触させて後側グリップ108を後退させて薬液を吸入する。そして注射部位にノズル101を押し当てたままで注射ボタン107を押してピストンロッド105のラッチを解除すると、圧縮バネ103は伸長してピストン102が前進し薬液が注射される。
【特許文献1】特開2000−233021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の針無注射器は上記のように構成されているが、注射を行なう都度圧縮バネを圧縮してピストンロッドを後側グリップにラッチする操作を必要とし、その操作には面倒でかつ力のいる労力が必要とされる。特に、同じ量の薬液を繰り返し注射する作業を行なう場合には、その使用者に大きな肉体的負担が強いられる。また、強力な圧縮バネを使用するため、注射時の衝撃による振動や衝撃音が発生し取り扱いが難しいという問題があった。
【0006】
上記のような圧縮バネ方式の針無注射器の問題点を改良する注射器として、高圧ガスをピストンロッドの駆動動力源とする針無注射器も実用化されているが、高圧ガスを通す弁を開いてからピストンロッドにガス圧が掛かり始めるため、ピストンロッドの動き出しが遅く、薬液をスムーズに皮膚に貫通させるガス圧に達するまでの時間内に薬液が漏れてしまい、薬液注射量の定量性を低下させるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の針無注射器は、上記の目的を達成するため、受圧部を有するピストンで押圧して薬液を付勢させ、ノズルからジェット噴射させて皮下注射を行なう針無注射器において
、前記ノズルを有するノズルホルダと、前記ノズルホルダと接続され、前後に連通する連通孔を有する隔壁を有し、前記隔壁を介して、前記ピストンを収容する第1及び第2のシリンダ部位を形成すると共に、前記第2のシリンダ部位が前記ピストン受圧部を収容するシリンダボディと、前記第1のシリンダ部位に配設され、加圧された状態の前記ピストンをラッチすると共に、受圧部を備え、前記受圧部の加圧による移動によってラッチ解除を行なうラッチ機構と、前記シリンダボディに配設され、前記第1のシリンダ部位に高圧ガスを供給、排気するための第1のガス流路と、高圧ガス源からの高圧ガスの前記第1のガス流路への供給非供給及び第1のガス流路からの排気を切り替える第1のガス切替手段とを備えたものである。
【0008】
さらに、第2のシリンダ部位であって前記隔壁と前記ピストンの隔壁側の受圧部間に高圧ガスを供給、排気するための第2のガス流路と、高圧ガス源からの高圧ガスの前記第2のガス流路への供給非供給及び第2のガス流路からの排気を切り替える第2のガス切換手段とを備えたものである。
【0009】
また、本発明によるラッチ機構は、ピストンに形成された外周溝と、この外周溝にはまり込むラッチボールと、当該ラッチボールを収容して軸方向に移動可能なラッチボール受けと、前記第1のシリンダ部に密着して摺動移動し、前記ラッチボールの外周溝からの抜け出しを防止するボール押さえと、このボール押さえに一端を当接する圧縮バネと、その他端を当接するバネストッパとを備え、圧縮バネの押圧によるボール押さえの移動によるピストンのラッチ及び前記隔壁の前方へ供給する高圧ガスの押圧によるピストンのラッチ解除を行なうものである。
【0010】
本発明による第1のガス切替手段は、シリンダボディ下部に配設されるグリップ内に形成される段差付中空孔と、この段差付中空孔の中間部と前記隔壁の前方のガス室を連結するガス流路と、後部寄りに外周溝を形成しその前方にシールパッキンを嵌着し、後端に前記段差付中空孔に当接して高圧ガスの流路を遮断するストップ弁を固着したロッドと、前記段差付中空孔の後端に螺着されるキャップと、このキャップと前記ストップ弁間に介設される圧縮バネと、前記ロッドを押圧して前記ガス室に対する高圧ガスの供給、非供給、排気を切換える切替レバーとを備え、前記第2のガス切替え手段が高圧ガス供給の状態では、前記切替レバーを引いてロッドを押圧することにより、高圧ガスを前記隔壁の前方のガス室に供給し、受圧部への加圧により前記ボール押さえを前進させて前記ピストンを発進させ、前記切替レバーを放してロッドを戻すことにより前記ガス室への高圧ガスの供給を遮断し、前記第2のガス切替え手段が高圧ガス排気の状態では、前記切替レバーを引いてロッドを押圧することにより、前記ガス室から高圧ガスを排気するものである。
【0011】
本発明による第2のガス切替手段は、シリンダボディ下部に配設されるグリップ内に間隔を設けて並設した3個の内周溝を有する中空孔と、前方の内周溝と前記隔壁の後方のガス室を連結するガス流路と、中間部の内周溝に高圧ガスを供給するガス供給口と、後方の内周溝を介してピストン受圧部後部の高圧ガスを排気する隙間と、受圧部後部のガス室に高圧ガスの供給、非供給、排気を行なう流路接続口と、前記段差付中空孔の後部ガス室に高圧ガスの供給、排気を行なう流路接続口と、2箇所に広径段差部を並設し、その広径段差部にシールパッキンを嵌着し、前記中空孔に内挿されるロッドと、前記ロッドを押圧して前記ガス室への高圧ガスの供給を遮断し、室内ガスを放出する切替レバーとを備え、前記切替レバーを引いて前記ガス室内の高圧ガスを放出し、前記受圧部後部のガス室に高圧ガスを供給し、前記ロッドを後方より押し込むことにより、前記隔壁の後方のガス室に高圧ガスを供給し、前記受圧部後部の室内ガスを排気するものである。
【発明の効果】
【0012】
本針無注射器は、始めからピストンにガス圧がかかっているので、ラッチ解除後の動き出しが早くなり、皮膚を貫通するまでのガス圧が早く到達するので薬液の漏れも少なくなる。またピストン駆動用の圧縮バネを使用しないので、低いガス圧で注射が可能となる。
また、外部から供給される高圧ガスを動力源として用いるので、ガス圧を変えるだけで噴射力を変えることができ、噴射力の調整範囲が広く取れ、広い用途に用いることができる。
さらに、本針無注射器は、薬液吸入も高圧ガスを動力源として行なえるので、注射の都度前側、後側グリップを操作して圧縮バネを圧縮し薬液を吸入する操作が省略され、特に同じ薬液量を繰り返し注射する場合に労力を省略できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の針無注射器の実施例を図面を参照しながら以下に説明する。図1は本発明の実施例による針無注射器1の構成を示す正面図(A)、A−B断面図(B)、背面図(C)およびA−C断面図(D)である。
【0014】
本発明の針無注射器1は、図1に示すように薬液を吸入し、この薬液を噴射する噴射孔2aと吸入した薬液を貯留しておく中空孔2bを形成したノズル2を先端部に螺着すると共に、軸方向の中空孔3aと後部外周面におねじ3bを形成したノズルホルダ3と、該ノズルホルダ3と螺合させるためのめねじ4aを先端内周面に形成すると共に中心部に連通孔4bを有する隔壁4cを形成する。
【0015】
その前後部をシリンダにしてガス室4dおよびガス室4eとして使用し、後端にキャップ41をねじ42により螺着したシリンダボディ4と、前記ノズルホルダ3とシリンダボディ4に貫設される薬液押圧具5と、該薬液押圧具5を前記シリンダボディ4にラッチさせるためのラッチ機構部6と、ラッチ状態、ラッチ状態の解除を行なうための高圧ガスの供給、非供給、排気を切替える給排切替部7と、高圧ガスの供給先(給排切替部7、ガス室4e、41a)を切り替えるガス供給切替部8を内設し、前記シリンダボディ4の下部に螺着されるグリップ9から構成されている。薬液噴射の動力源として使用する高圧ガスGは、チューブ10を介し継手11に供給される。
【0016】
前記薬液押圧具5は、パッキン51を嵌合してガス室4e内壁に密着して摺動移動する受圧ピストン52と、パッキン53を嵌合してノズル2の中空孔2b内壁に密着して摺動移動するピストン54と、これらを連結すると共にストッパ55を挿着し外周溝56aを形成したピストンロッド56を連結して構成される。
【0017】
前記ラッチ機構部6は、複数個のラッチボール61と、軸方向に貫通すると共に先端外周面におねじ6aとその後方に各ラッチボール61を円周方向に移動させる貫通孔63aを形成し、ピストンロッド56との間をシールするパッキン63Aと隔壁4cとの間をシールするパッキン63Bを嵌合し、ねじ62によりシリンダボディ4に螺着されるボール受け63と、ピストンロッド56の外周上に形成された外周溝56aと、パッキン64とパッキン64Aを嵌合して前記ガス室4dの内壁に密着して摺動移動するボール押さえ65と、このボール押さえ65に後方への付勢力を与える圧縮バネ66とその一端を当接させるバネストッパ67から構成される。
【0018】
前記給排切替部7は、薬液の噴射または吸入の切替操作を行なうレバー71と、パッキン72を嵌着しストップ弁75を螺着し、前記レバー71に連動して高圧ガスのガス室4dへの吸入または排気動作を切り替えるための外周溝73aを形成し、前記グリップ9内に形成された段差付中空孔9f内を進退する給排気ロッド73と、前記段差付中空孔9fの一端を密閉するキャップ74と、該キャップ74と前記ストップ弁75間に介在する圧縮バネ76と、前記ガス室4dと段差付中空孔9f間に連通する流路9b、9cから構成される。
【0019】
前記ガス供給切替部8は、高圧ガスの供給方向の切替操作を行なうレバー81と、前記グリップ9内に段差付貫通孔として形成されたガス給排室8aと、該ガス給排室8aに挿入され、パッキン82a、82b、82c、82dを嵌着し、前記レバー81と連動して後退し、後端を押すことにより前進してガス供給方向の切替を行なう供給方向切替ロッド82と、前記ガス給排室8aと前記ガス室4eとを連結する流路9d、9eから構成される。
【0020】
上記構成の針無注射器1による薬液の吸入から注射までの操作手順とその動作状態を図1〜図8を参照しながら以下に詳細に説明する。なお、図1から図8において同一の符号で示される部品は、同一の機能を有するものである。図2は、針無注射器1のレバー81を引き戻した時点での断面図(A)とその一部のL−M断面図(B)である。図3〜図7は、それぞれ針無注射器1の薬液吸入時点、薬液噴射開始時点、薬液噴射終了前時点、薬液噴射終了時点、再度の薬液吸入時点および薬液噴射前時点の動作状態を示す断面図である。なお、図中斜線部分は薬液または高圧ガスが供給されている部分を示す。
【0021】
(1)図1に示す針無注射器1のようにノズルホルダ3を回転してシリンダボディ4の先端に当接させた後、図2に示すようにレバー81を引いて供給方向切替ロッド82を後退(図面右方向に移動)させてからレバー81を放す。そして、チューブ10を介し高圧ガスGを継手11を通して供給する。
【0022】
高圧ガスGは、図2の矢印で示されるように継手11に連通するガス供給切替部8のガス給排室8aのパッキン82bとパッキン82dで密封された空間部分と、流路12、13を介して前記空間部分と連通する給排切替部7のガス室9aと、継手14、チューブ15、継手16を介して前記ガス給排室8aと連通する前記受圧ピストン52の後部のガス室41aにそれぞれ供給され、これらの室内はそれぞれ高圧状態になる。
【0023】
これにより、受圧ピストン52は前方(図面左方向)への荷重を受け、またボール受け63の貫通孔63aとピストンロッド56の外周溝56aに当接しているラッチボール61もピストンロッド56によって、貫通孔63aから押し出す方向の荷重を受けるが、圧縮バネ66の復元力を受けているボール押さえ65によって押さえられているのでピストンロッド56は、シリンダボディ4にラッチされ係着された状態になる。
【0024】
(2)図2に示された状態の針無注射器1に薬液の入った容器、例えば図3に示す薬液バイアルBをアダプタAを介して装着した後、ノズルホルダ3を必要とする薬液量に該当する所定位置まで前進方向に回転させて薬液Yを吸入する。これにより、薬液バイアルB内の薬液がノズル2内に所定量だけ吸入され薬液噴射前の準備が完了する。
【0025】
(3)注射は図4に示すようにレバー71を引いて行なう。レバー71が引かれると給排気ロッド73が後退してストップ弁75も後退して開き、ガス室9a内の高圧ガスGが、外周溝73a、流路9b、9cを通ってガス室4dに供給される。ガス室4dが高圧になると、ボール押さえ65の後部に高圧が加わりボール押さえ65は圧縮バネ66に抗して前方へ移動する。
【0026】
ラッチボール61にはピストンロッド56を介して外周溝56aから押圧力が作用するので、ラッチボール61は外周溝56aから押し出され、図5に示すようにピストンロッド56とシリンダボディ4のラッチが解除され、受圧ピストン52が高圧ガスにより受けている付勢力により、ピストンロッド56は、ストッパ55がノズルホルダ3の後部に当接するまで高速で前進し、薬液Yがノズル2の先端から噴射される。そしてレバー71を放すと、図6に示すように圧縮バネ76の復元力によって、給排気ロッド73は元の位置に移動する。この状態では、ガス室9a、ガス室4dおよびガス室41aは高圧状態になる。
【0027】
(4)薬液噴射終了時点から、再度、同量の薬液をノズル2に吸入するには、図7に示すようにノズル2の先端に薬液バイアルBを装着し、供給方向切替ロッド82を指で押して前進させる。これにより、高圧ガスGは、ガス供給切替部8、流路9d、9eを介してガス室4eに供給されると同時にガス室41aに残っていた高圧ガスGは、継手16、チューブ15、継手14を介してガス給排室8aに入り、供給方向切替ロッド82と本体の隙間9gを通って外部に排気される。これらの給排気動作によって、受圧ピストン52は後退し、薬液バイアルBからノズル2内に前回と同量の薬液Yが吸入される。なお、吸入薬液量を変える場合にはノズルホルダ3とシリンダボディ4との距離間隔を変更する。
【0028】
(5)次に図8に示すようにレバー71を引いて注射準備を完了する。レバー71が引かれると、給排気ロッド73が後退し、ガス室4dに残っていた高圧ガスGが流路9c、流路9b、外周溝73a、図2(B)に示す流路12、13を順次通過して図7のガス供給切替部8に至り、図6の場合と同様にガス室4d内の高圧ガスが排気される。この排気により、ガス室4d内が減圧し、圧縮バネ66の復元力によってボール押さえ65が後退する。したがってラッチボール61がピストンロッド56の外周溝56aに嵌合し、ピストンロッド56はシリンダボディ4にラッチされ、レバー71を放すことにより図3に示す状態と同様、再度の注射準備が完了する。
【0029】
またあらかじめ、薬液Yの入ったノズル2を準備しておき、注射毎に別のノズル2に交換して注射を行なう場合の手順は以下のように行なう。
図2に示した手順の状態でノズル2は取り付けず、図3に示した状態のノズルホルダ3を前方方向へ移動させた状態でノズル2を装着する。注射を行なった後、図2の状態に戻したときに別のノズル2と交換する。
【産業上の利用可能性】
【0030】
高圧ガスを動力源として、ノズルの噴射孔から一定量の薬液を吸入し、噴射させて注射を行なう針無注射器に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例による針無注射器の正面図(A)、噴射・吸入切替部を含む縦断断面図(B)、背面図(C)およびガス供給切替部を含む縦断断面図(D)ある。
【図2】薬液バイアル装着前の時点の針無注射器の縦断断面図(A)とその一部L−M断面図(B)である。
【図3】薬液吸入した時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図4】薬液噴射開始時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図5】薬液噴射終了前の時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図6】薬液噴射終了時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図7】再度の薬液吸入時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図8】再度の薬液噴射前の時点の針無注射器の縦断断面図である。
【図9】従来の針無注射器の構成例を示す縦断断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 針無注射器
2 ノズル
2a 噴射孔
2b 中空孔
3 ノズルホルダ
3a 中空孔
3b おねじ
4 シリンダボディ
4a めねじ
4b 連通孔
4c 隔壁
4d ガス室
4e ガス室
41 キャップ
41a ガス室
42 ねじ
5 薬液押圧具
51 パッキン
52 受圧ピストン
53 パッキン
54 ピストン
55 ストッパ
56 ピストンロッド
56a 外周溝
6 ラッチ機構部
6a おねじ
61 ラッチボール
62 ねじ
63 ボール受け
63A パッキン
63B パッキン
63a 貫通孔
64 パッキン
64A パッキン
65 ボール押さえ
66 圧縮バネ
67 バネストッパ
7 給排切替部
71 レバー
72 パッキン
73 給排気ロッド
73a 外周溝
74 キャップ
75 ストップ弁
76 圧縮バネ
8 ガス供給切替部
8a ガス給排室
81 レバー
82 供給方向切替ロッド
82a パッキン
82b パッキン
82c パッキン
82d パッキン
9 グリップ
9a ガス室
9b 流路
9c 流路
9d 流路
9e 流路
9f 段差付中空孔
9g 隙間
10 チューブ
11 継手
12 流路
13 流路
14 継手
15 チューブ
16 継手
101 ノズル
101a 噴射孔
102 ピストン
103 圧縮バネ
104 前側グリップ
105 ピストンロッド
106 ラッチ機構
107 注射ボタン
108 後側グリップ
109 ネジ部
110 ネジ部
111 ナット
112 フランジリング
A アダプタ
B 薬液バイアル
G 高圧ガス
Y 薬液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受圧部を有するピストンで押圧して薬液を付勢させ、ノズルからジェット噴射させて注射を行なう針無注射器において、前記ノズルを有するノズルホルダと、前記ノズルホルダと接続され、前後に連通する連通孔を有する隔壁を有し、前記隔壁を介して、前記ピストンを収容する第1及び第2のシリンダ部位を形成すると共に、前記第2のシリンダ部位が前記ピストン受圧部を収容するシリンダボディと、前記第1のシリンダ部位に配設され、加圧された状態の前記ピストンをラッチすると共に、受圧部を備え、前記受圧部の加圧による移動によってラッチ解除を行なうラッチ機構と、前記シリンダボディに配設され、前記第1のシリンダ部位に高圧ガスを供給、排気するための第1のガス流路と、高圧ガス源からの高圧ガスの前記第1のガス流路への供給、非供給、排気を切り替える第1のガス切替手段とを備えたことを特徴とする針無注射器。
【請求項2】
請求項1記載の針無注射器において、さらに、第2のシリンダ部位であって前記隔壁と前記ピストンの隔壁側の受圧部間に高圧ガスを供給、排気するための第2のガス流路と、高圧ガス源からの高圧ガスの前記第2のガス流路と第2のシリンダ部位の後側ガス室への供給、非供給、排気を切り替える第2のガス切替手段とを備えたことを特徴とする針無注射器。
【請求項3】
前記ラッチ機構は、ピストンに形成された外周溝と、この外周溝にはまり込むラッチボールと、当該ラッチボールを収容して軸方向に移動可能なラッチボール受けと、前記第1のシリンダ部に密着して摺動移動し、前記ラッチボールの外周溝からの抜け出しを防止するボール押さえと、このボール押さえに一端を当接する圧縮バネと、その他端を当接するバネストッパとを備え、圧縮バネの押圧によるボール押さえの移動によるピストンのラッチ及び前記隔壁の前方へ供給する高圧ガスの押圧によるピストンのラッチ解除を行なうことを特徴とする請求項1及び2記載の針無注射器。
【請求項4】
前記第1のガス切替手段は、シリンダボディ下部に配設されるグリップ内に形成される段差付中空孔と、この段差付中空孔の中間部と前記隔壁の前方のガス室を連結するガス流路と、後部寄りに外周溝を形成しその前方にシールパッキンを嵌着し、後端に前記段差付中空孔に当接して高圧ガスの流路を遮断するストップ弁を固着したロッドと、前記段差付中空孔の後端に螺着されるキャップと、このキャップと前記ストップ弁間に介設される圧縮バネと、前記ロッドを押圧して前記ガス室に対する高圧ガスの供給、非供給、排気を切換える切替レバーとを備え、前記第2のガス切替え手段が高圧ガス供給の状態では、前記切替レバーを引いてロッドを押圧することにより、高圧ガスを前記隔壁の前方のガス室に供給し、受圧部への加圧により前記ボール押さえを前進させて前記ピストンを発進させ、前記切替レバーを放してロッドを戻すことにより前記ガス室への高圧ガスの供給を遮断し、前記第2のガス切替え手段が高圧ガス排気の状態では、前記切替レバーを引いてロッドを押圧することにより、前記ガス室から高圧ガスを排気することを特徴とする請求項1記載の針無注射器。
【請求項5】
前記第2のガス切替手段は、シリンダボディ下部に配設されるグリップ内に間隔を設けて並設した3個の内周溝を有する中空孔と、前方の内周溝と前記隔壁の後方のガス室を連結するガス流路と、中間部の内周溝に高圧ガスを供給するガス供給口と、後方の内周溝を介してピストン受圧部後部の高圧ガスを排気する隙間と、受圧部後部のガス室に高圧ガスの供給、非供給、排気を行なう流路接続口と、前記段差付中空孔の後部ガス室に高圧ガスの供給、排気を行なう流路接続口と、2箇所に広径段差部を並設し、その広径段差部にシールパッキンを嵌着し、前記中空孔に内挿されるロッドと、前記ロッドを押圧して前記ガス室への高圧ガスの供給を遮断し、室内ガスを放出する切替レバーとを備え、前記切替レバーを引いて前記ガス室内の高圧ガスを放出し、前記受圧部後部のガス室に高圧ガスを供給し、前記ロッドを後方より押し込むことにより、前記隔壁の後方のガス室に高圧ガスを供給し、前記受圧部後部の室内ガスを排気することを特徴とする請求項2記載の針無注射器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−247762(P2009−247762A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102068(P2008−102068)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】