説明

釣銭機及び入金管理システム

【課題】商品券を含めた入金額をPOS端末へ出力できる釣銭機。
【解決手段】釣銭機10は、入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末20と連動し、外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部214と、前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部201と、前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部206と、前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部216と、機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセット207と、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の合計金額のデータを付加して前記POS端末へ出力する出力部C2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品券を入金できる釣銭機及び売上金額と商品券を含む入金額とを照合する入金管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小売店等において、顧客は現金による支払いだけでなく、商品券による支払いを行うことがある。商品券を取り扱う釣銭機として、商品券処理モードにおいて機内に取り込んだ商品券の枚数を計数し、商品券を出金リジェクト部に収納する釣銭機が知られている(例えば特許文献1参照)。商品券の額面価格は、係員により制御端末機(POSレジスタ)に手入力される。
【0003】
商品券は、営業終了後に現金と共に回収される。回収された現金及び商品券は、後方の出納室に設置された入金機に入金される。そして、入金機への入金額と、POSレジスタで管理している売上金額(又は釣銭機への入金額)とが照合される。
【0004】
しかし、上述したような従来の釣銭機は、商品券の情報として、商品券の計数枚数のみをPOSレジスタへ出力する。つまり、POSレジスタが管理している商品券の金額情報は係員が手入力したものであり、さらに、従来のPOSレジスタは、現金と商品券の金額情報を区別することなく処理していたので、POSレジスタは、釣銭機内に保管されていた商品券についての詳細かつ正確な情報を把握していなかった。そのため、照合作業を正確に行うことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−213493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、商品券を含めた入金額をPOS端末へ出力できる釣銭機、及び売上金額と商品券を含む入金額とを正確に照合できる入金管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による釣銭機は、入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の合計金額のデータを付加して前記POS端末へ出力する出力部と、を備えるものである。
【0008】
本発明の一態様による釣銭機は、入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、前記識別部により識別計数された貨幣及び商品券についての額面別枚数のデータを前記POS端末へ出力する出力部と、ものである。
【0009】
本発明の一態様による釣銭機においては、前記出力部は、前記商品券の額面を、複数種類の貨幣の額面に分割して、前記額面別枚数のデータを作成することが好ましい。
【0010】
本発明の一態様による釣銭機は、入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の額面別枚数のデータを付加して前記POS端末へ出力する出力部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の一態様による釣銭機は、入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の合計金額のデータを付加して前記POS端末へ出力するか、又は、前記識別部により識別計数された貨幣及び商品券についての額面別枚数のデータを前記POS端末へ出力するか、又は、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の額面別枚数のデータを付加して前記POS端末へ出力するかの出力フォーマットの切り替えを行う出力部と、を備えるものである。
【0012】
本発明の一態様による釣銭機においては、前記出力部は、前記POS端末との連動に応じた前記出力フォーマットを自動判別し、前記出力フォーマットの切り替えを行うことが好ましい。
【0013】
本発明の一態様による入金管理システムは、前記釣銭機と、前記釣銭機から貨幣及び商品券の入金データを取得するPOS端末と、前記POS端末から前記入金データを受け取り、前記入金データと、前記回収カセット内の貨幣及び商品券の合計金額との照合を行う照合部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商品券を含めた入金額を釣銭機からPOS端末へ出力できる。また、売上金額と商品券を含む入金額とを正確に照合できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る入金管理システムの概略構成図である。
【図2】同実施形態に係る釣銭機のブロック図である。
【図3】同実施形態に係る釣銭機の外観斜視図である。
【図4】釣銭機からPOS端末への出力データフォーマットの一例を示す図である。
【図5】釣銭機からPOS端末への出力データフォーマットの一例を示す図である。
【図6】釣銭機からPOS端末への出力データフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に本発明の実施形態に係る入金管理システムの概略構成を示す。入金管理システムは、小売店等の店舗に設けられ、釣銭機10、POS端末20、入金機30、及び店舗サーバ40を備える。
【0018】
POS端末20と連動する釣銭機10は、顧客から支払われた貨幣(紙幣、硬貨)及び商品券を取り込み、識別、計数を行い、計数結果をPOS端末20へ送信する。釣銭機10がPOS端末20へ送信する計数結果には、貨幣の額面別枚数と、商品券の合計金額とが含まれる。また、釣銭機10は、POS端末20からの釣銭出金指示に基づいて釣銭を出金する。釣銭機10の構成については後述する。
【0019】
POS端末20は、顧客が購入した商品や顧客が受けるサービスの金額が店員によって手入力されたり、商品に付されたバーコードを読み取ったりすることで、売上金額を特定する。
【0020】
POS端末20は、顧客が支払った貨幣及び商品券についての計数結果を釣銭機10から受け取り、顧客からの預かり金額を特定する。POS端末20は、確定指示が入力されると、預かり金額から売上金額を引いた釣銭額を算出し、釣銭出金指示を釣銭機10へ出力する。また、POS端末20は、売上金額、預かり金額、釣銭額等をカスタマーディスプレイ21に表示させることができる。
【0021】
POS端末20は、釣銭機10から、顧客が支払った貨幣の額面別枚数についての計数結果を受信するため、釣銭機10に収納されている貨幣の額面別枚数を管理できる。また、POS端末20は、釣銭機10から、顧客が支払った商品券の合計金額についての計数結果を受信するため、釣銭機10に収納されている商品券の合計金額を管理できる。
【0022】
従って、POS端末20は、釣銭機10に収納されている貨幣と商品券とを区別して、その金額を管理できる。POS端末20は、管理している釣銭機10内の貨幣の情報及び商品券の情報を店舗サーバ40へ出力する。
【0023】
入金機30は、例えば出納室に設置され、釣銭機10から回収された貨幣及び商品券が入金され、入金額を求める。入金機30は、例えば、貨幣入金装置と商品券入金装置の2つの装置により構成される。貨幣入金装置は、投入された貨幣を装置内に取り込み、識別、計数し、合計金額を求めるものである。
【0024】
商品券入金装置は、投入された商品券を装置内に取り込み、識別、計数し、合計金額を求めるものである。商品券には1枚毎に固有の管理番号が、OCR(Optical Character Recognition)又はMICR(Magnetic Ink Character Recognition)で印字されている。管理番号は、商品券の発行会社や券種等の情報を示すものとなっている。商品券入金装置は、管理番号を読み取り、商品券の発行会社に請求を行ってもよい。また、商品券入金装置は、投入された商品券に対して済印を押したり、穴を開けたり、半券化するなどの無効化処理を行ってもよい。
【0025】
入金機30(貨幣入金装置と商品券入金装置)は、釣銭機10から回収された貨幣についての計数結果及び商品券についての計数結果を店舗サーバ40へ出力する。
【0026】
店舗サーバ40は、POS端末20から受け取った釣銭機10内の貨幣の情報及び商品券の情報と、入金機30から受け取った計数結果とを照合する。これにより、釣銭機10から回収された貨幣及び商品券を厳正に管理することができる。
【0027】
次に、釣銭機10の構成について、図2に示すブロック図及び図3に示す外観斜視図を用いて説明する。釣銭機10は、硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1Bを有する。硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1Bは、それぞれ制御部C1、C2を有する。制御部C1、C2は互いに接続されており、制御部C2はPOS端末20にも接続されている。
【0028】
硬貨釣銭機1Aは、外部から硬貨を受け入れる硬貨受入部114、硬貨受入部114から受け入れた受入硬貨の識別計数を行う硬貨識別部101、硬貨識別部101による識別結果に応じて受入硬貨を額面別に収納する硬貨収納部106、及び機内の貨幣を外部に払い出す硬貨払出部116を備える。
【0029】
図2及び図3に示すように、硬貨釣銭機1Aは前部上面に操作表示部112を有する筐体110を備える。筐体110の前部には硬貨受入部114及び硬貨払出部116が設けられている。
【0030】
硬貨受入部114は受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機内へ取り込む。受入部114の後方には取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が延びている。
【0031】
この入金搬送部103の途中には硬貨の識別・計数を行う硬貨識別部101と、分岐部104が設けられている。分岐部104は硬貨識別部101の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の取出部116から払い出される(放出される)硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)する。
【0032】
正常硬貨等の機内に収納される硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送される。硬貨収納部106は硬貨を額面別に収納し、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に貨幣を収納する。
【0033】
出金搬送部108は硬貨収納部106に収納された硬貨を取り出して、硬貨払出部116へ搬送する。また、分岐部104から案内された硬貨を硬貨払出部116へ搬送する。
【0034】
硬貨釣銭機1Aの制御部C1は、操作表示部112を介して回収指示が入力されると、硬貨収納部106に収納されている硬貨をすべて硬貨払出部116から払い出すように各部を制御する。硬貨払出部116から払い出された硬貨は店員等により回収され、入金機30へ運ばれる。回収指示は、額面毎に所定枚数の硬貨を硬貨収納部106に残しておく残置回収指示とすることもできる。POS端末20が回収指示を出力し、制御部C2を介して制御部C1に与えるようにしてもよい。
【0035】
次に、紙幣釣銭機1Bの構成を説明する。紙幣釣銭機1Bは、外部から紙幣/商品券を受け入れる受入部214、受入部214から受け入れた紙幣/商品券の識別計数を行う識別部201、識別部201による識別結果に応じて紙幣を額面別に収納する収納部206、及び機内の紙幣/商品券を外部に払い出す払出部216を備える。
【0036】
図2及び図3に示すように、紙幣釣銭機1Bは、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、受入部214、収納部206、払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207が、周回搬送部203aの外周を取り囲むように配置されている。
【0037】
また、受入部214、各収納部206、払出部216、出金リジェクト部204、及び回収カセット207と、周回搬送部203aとの間を接続する紙幣の接続搬送部203bがそれぞれ形成されている。周回搬送部203aには、通過する紙幣/商品券の識別・計数を行う識別部201が設けられている。
【0038】
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣/商品券の搬送経路を切り替える経路切替部(図示せず)が周回搬送部203aに沿って配置されている。
【0039】
図2及び図3に示すように、筐体210の前面には受入部214の受入口214aと、払出部216の取出口216aとが設けられている。回収カセット207は筐体210に対して着脱自在に取り付けられている。また、筐体210の前部上面に操作表示部212が設けられている。
【0040】
受入部214は受入口214aに挿入された紙幣/商品券を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203a側へ繰り出す。各収納部206は、識別部201の識別結果に基づいて紙幣を額面別に収納する。また、識別部201により識別された商品券は回収カセット207に収納される。払出部216は、各収納部206から取り出された紙幣を取出口216aより放出する。
【0041】
出金リジェクト部204は、収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により識別部201で識別のできない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、受入部214から取り込まれた紙幣/商品券のうち、汚損等により識別部201で識別のできない紙幣/商品券はリジェクト紙幣/リジェクト商品券として払出部216に返却される。
【0042】
紙幣釣銭機1Bの制御部C2は、操作表示部212を介して回収指示が入力されると、収納部106に収納されている紙幣をすべて回収カセット207へ搬送し、収納するように各部を制御する。回収カセット207は店員等により回収され、入金機30へ運ばれる。回収指示は、額面毎に所定枚数の紙幣を収納部106に残しておく残置回収指示とすることもできる。POS端末20が制御部C2へ回収指示を出力するようにしてもよい。
【0043】
次に、釣銭機10の釣銭出金時の動作について説明する。POS端末20は、図示しない商品情報読み取り部等から読み取った商品情報に基づいて、商品取引により生じた売上金額を算出する。商品情報や商品の金額を店員が手入力してもよい。
【0044】
顧客が貨幣及び商品券を用いて支払いを行うと、店員は、硬貨を硬貨釣銭機1Aに投入し、紙幣及び商品券を紙幣釣銭機1Bに投入する。制御部C1は硬貨識別部101による計数結果を制御部C2へ出力する。制御部C2は、識別部201による紙幣及び商品券の計数結果と、制御部C1から受け取った硬貨の計数結果をPOS端末20へ出力する。
【0045】
図4に、制御部C2(制御部C2に含まれる出力部)からPOS端末20への出力データのデータフォーマットの一例を示す。DLEは、伝送制御拡張を意味するコードが設定される。STXは、テキストの開始を意味するコードが設定される。Lはデータ長が設定される。
【0046】
データ部には、図4に示すように、10000円紙幣の計数枚数、5000円紙幣の計数枚数、2000円紙幣の計数枚数、1000円紙幣の計数枚数、500円硬貨の計数枚数、100円硬貨の計数枚数、50円硬貨の計数枚数、10円硬貨の計数枚数、5円硬貨の計数枚数、及び1円硬貨の計数枚数を有する貨幣の額面別枚数のデータに、商品券の計数金額(合計金額)のデータが付加されて格納される。
【0047】
ETXは、テキストの終了を意味するコードが設定される。BCCは、STXの次(L 32h)からETXまでの排他的論理和が設定される誤り検出用のパリティビットである。
【0048】
POS端末20は、このようなデータ信号を受け取り、顧客からの預かり金額を特定する。POS端末20は、預かり金額から売上金額を引いて釣銭額を算出し、釣銭出金指示を制御部C2へ出力する。制御部C2はこの釣銭出金指示に基づいて払出部216から釣銭紙幣が払い出されるように、紙幣釣銭機1B内の各部の制御を行う。そして、釣銭硬貨出金指示を制御部C1へ出力する。制御部C1はこの釣銭硬貨出金指示に基づいて硬貨払出部116から釣銭硬貨が払い出されるように、硬貨釣銭機1A内の各部の制御を行う。
【0049】
このように、POS端末20は、釣銭機10から貨幣の計数枚数だけでなく、商品券の計数金額を取得するため、釣銭機10内の貨幣の合計金額と商品券の合計金額とを区別して管理することができる。また、商品券の合計金額を釣銭機10(紙幣釣銭機1B)が計数するため、計数誤り等の間違いの発生を防止できる。
【0050】
また、店舗サーバ40は、POS端末20から受け取った釣銭機10内の貨幣の情報及び商品券の情報と、入金機30から受け取った計数結果とを照合し、釣銭機10から回収された貨幣及び商品券を厳正に管理することができる。
【0051】
上記実施形態において、顧客が貨幣及び商品券を用いて支払った金額を店員が計数して、POS端末20に手入力してもよい。POS端末20は手入力された預かり金額と売上金額から釣銭額を算出し、制御部C2へ釣銭出金指示を出力する。釣銭出金後、顧客が支払った硬貨が硬貨釣銭機1Aに投入され、紙幣及び商品券が紙幣釣銭機1Bに投入される。硬貨識別部101による投入硬貨の計数結果及び識別部201による投入紙幣及び商品券の計数結果が図4に示すようなデータフォーマットでPOS端末20へ出力される。POS端末20は、店員により手入力された金額と、釣銭機10から受け取った計数結果とを比較し、不一致の場合は店員に報知する。このように、釣銭出金後に貨幣及び商品券の識別、計数を行うことで、顧客に対して、速やかに釣銭を払うことができる。
【0052】
釣銭機10からPOS端末20への出力データは、図5に示すように、貨幣の額面別枚数に同じ額面の商品券の枚数を合計したデータにしてもよい。例えば、紙幣釣銭機1Bに10000円紙幣が2枚、5000円紙幣が1枚、1000円紙幣が2枚、5000円商品券が1枚、1000円商品券が2枚投入された場合、POS端末20へは、10000円紙幣2枚、5000円紙幣2枚、1000円紙幣4枚が記載されたデータが出力される。このように、紙幣の額面別枚数に、商品券の額面別枚数を加えることで、データ部の拡張が不要になるため、導入コストを削減できる。
【0053】
なお、紙幣や硬貨の額面とは異なる額面の商品券が投入された場合は、紙幣や硬貨の額面に分割して、それぞれの額面別枚数に加えるようにしてもよい。例えば、紙幣釣銭機1Bに3000円商品券が投入された場合は、POS端末20への出力データにおける2000円紙幣及び1000円紙幣の枚数をそれぞれ1枚増やす。1000円紙幣の枚数を3枚増やしてもよい。また、例えば、紙幣釣銭機1Bに706円の商品券が投入された場合は、POS端末20への出力データにおける500円硬貨の枚数を1枚、100円硬貨の枚数を2枚、5円硬貨の枚数を1枚、1円硬貨の枚数を1枚増やす。
【0054】
このようにすることで、紙幣や硬貨の額面とは異なる額面の商品券を取り扱うことができる。なお、この場合、POS端末20では、釣銭機10内の貨幣の金額と商品券の金額とを区別できないが、貨幣と商品券の合計金額については、釣銭機10で計数された正確な値を取得できる。店舗サーバ40は、この値と、入金機30からの計数結果とを照合することで、貨幣及び商品券を厳正に管理することができる。
【0055】
また、釣銭機10からPOS端末20への出力データは、図6に示すように、貨幣の額面別枚数のデータに、商品券の額面別枚数のデータを付加したものにしてもよい。これにより、釣銭機10からの出力データのサイズが大きくなるが、POS端末20は釣銭機10内の商品券のさらに詳細な情報を取得できる。店舗サーバ40は、POS端末20からこの情報を受け取り、入金機30からの計数結果と照合することで、貨幣及び商品券をさらに厳正に管理することができる。
【0056】
また、制御部C2(制御部C2に含まれる出力部)が、図4〜図6に示すデータフォーマットの少なくとも2つを切り替えて出力できるようにしてもよい。さらに、制御部C2は、釣銭機10の上位機である店舗サーバ40やPOS端末20からの要求に応じて、出力データのフォーマットの切り替えを行うようにしてもよい。また、制御部C2は、POS端末20の機種等に応じて、POS端末20との連動に適したフォーマットを自動判別して切り替えを行ってもよい。また、釣銭機10を操作してフォーマットを切り替えてもよく、具体的には、操作表示部112、212や、図示しないディップスイッチ等の操作部を介して切り替えるようにしてもよい。
【0057】
上記実施形態では、図2に示すように、釣銭機10が硬貨釣銭機1A及び紙幣釣銭機1Bを備える構成について説明したが、釣銭機10を紙幣釣銭機1Bのみで構成してもよい。
【0058】
上記実施形態において、釣銭機10は、釣銭機10の識別番号を示すコード情報を印字する印字部を備えていてもよい。印字されたコード情報は、入金機30に設けられた読取部で読み取られる。これにより、入金機30は、店舗内の複数の釣銭機10のうち、どの釣銭機10から回収された貨幣及び商品券であるかを特定し、計数結果と共に店舗サーバ40へ送信する。店舗サーバ40は、入金機30から受け取った計数結果と、対応する釣銭機10に接続されたPOS端末20から出力された情報とを照合する。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 釣銭機
20 POS端末
30 入金機
40 店舗サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、
外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、
前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、
前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、
前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、
機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、
前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の合計金額のデータを付加して前記POS端末へ出力する出力部と、
を備える釣銭機。
【請求項2】
入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、
外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、
前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、
前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、
前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、
機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、
前記識別部により識別計数された貨幣及び商品券についての額面別枚数のデータを前記POS端末へ出力する出力部と、
を備える釣銭機。
【請求項3】
前記出力部は、前記商品券の額面を、複数種類の貨幣の額面に分割して、前記額面別枚数のデータを作成することを特徴とする請求項2に記載の釣銭機。
【請求項4】
入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、
外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、
前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、
前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、
前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、
機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、
前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の額面別枚数のデータを付加して前記POS端末へ出力する出力部と、
を備える釣銭機。
【請求項5】
入力された商品情報に基づいて売上金額を算出するPOS端末と連動する釣銭機であって、
外部から投入される貨幣及び商品券を取り込む受入部と、
前記受入部により取り込まれた貨幣及び商品券を識別計数する識別部と、
前記識別部により識別計数された貨幣を額面別に収納する収納部と、
前記POS端末からの指示に基づいて釣銭を払い出す払出部と、
機内の貨幣及び商品券が回収される際に貨幣及び商品券を収納する回収カセットと、
前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の合計金額のデータを付加して前記POS端末へ出力するか、又は、前記識別部により識別計数された貨幣及び商品券についての額面別枚数のデータを前記POS端末へ出力するか、又は、前記識別部により識別計数された貨幣についての額面別枚数のデータに、前記識別部により識別計数された商品券の額面別枚数のデータを付加して前記POS端末へ出力するかの出力フォーマットの切り替えを行う出力部と、
を備える釣銭機。
【請求項6】
前記出力部は、前記POS端末との連動に応じた前記出力フォーマットを自動判別し、前記出力フォーマットの切り替えを行うことを特徴とする請求項5に記載の釣銭機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の釣銭機と、
前記釣銭機から貨幣及び商品券の入金データを取得するPOS端末と、
前記POS端末から前記入金データを受け取り、前記入金データと、前記回収カセット内の貨幣及び商品券の合計金額との照合を行う照合部と、
を備える入金管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−197740(P2011−197740A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60815(P2010−60815)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】