説明

鈴構造樹脂粒子の製造方法

【課題】 樹脂からなる殻体の空孔中に核微粒子が内包された鈴構造樹脂粒子を容易に製造できる鈴構造樹脂粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 モノマー成分と重合開始剤とを含有するモノマー溶液中に、モノマー溶液と不溶な極性溶液中に核微粒子が分散した核微粒子分散液を添加、攪拌して、モノマー溶液中に核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を調製する一次乳化工程と、モノマー溶液中に核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を、モノマー溶液と不溶な極性溶液中に添加、攪拌して、核微粒子分散液を内包するモノマー溶液からなる液滴が、モノマー溶液と不溶な極性溶液中に分散した乳化液を調製する二次乳化工程と、モノマー成分を重合して、核微粒子分散液を内包する樹脂粒子を得る重合工程と、核微粒子分散液を内包する樹脂粒子から、内包されている極性溶液を除去して鈴構造樹脂粒子を得る乾燥工程とを有する鈴構造樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂からなる殻体の空孔中に核微粒子が内包された鈴構造樹脂粒子を容易に製造することができる鈴構造樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、振動を吸収したり、音を吸収したりする目的に用いる制振材や遮音板として、鈴構造体が注目されている。鈴構造体とは、殻体の空孔内に、該殻体よりも小さな核微粒子が内包された構造体を意味する。このような鈴構造体に振動や音を照射した場合、入射した運動エネルギーが殻体の空孔内での核微粒子の運動に変換され、消費されることから、極めて高い効率で振動や音を減衰させることができる。例えば、特許文献1には、このような鈴構造体を含む遮音板が記載されている。
【0003】
特許文献1では、多孔質の板状体の空孔中に核微粒子を配置しているが、例えば、鈴構造を有する粒子(鈴構造粒子)を用いれば、適当なバインダーに鈴構造粒子を懸濁させ塗工することにより、容易に制振性や遮音性が付与された部材を製造することができる。
特許文献2には、中空部を有する殻と、前記中空部に外から入射する運動エネルギーを吸収する核とを有する鈴構造粒子が開示されている。
【0004】
このような鈴構造粒子を製造する方法としては、例えば、特許文献2には、殻と核との間に昇華特性又は蒸発特性を有する中間材を設けて、前記中間材を所定の温度に加熱して前記殻外に昇華又は蒸発させ、前記殻の内部であって前記殻と前記核との間に空間を形成する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では昇華特性又は蒸発特性を有する中間材の取扱いが困難であり、工程を特殊な条件下で行う必要があるという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】特開平9−226035号公報
【特許文献2】特開2000−148156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑み、樹脂からなる殻体の空孔中に核微粒子が内包された鈴構造樹脂粒子を容易に製造することができる鈴構造樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モノマー成分と重合開始剤とを含有するモノマー溶液中に、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に核微粒子が分散した核微粒子分散液を添加、攪拌して、前記モノマー溶液中に前記核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を調製する一次乳化工程と、前記モノマー溶液中に前記核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に添加、攪拌して、前記核微粒子分散液を内包するモノマー溶液からなる液滴が、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に分散した乳化液を調製する二次乳化工程と、前記モノマー成分を重合して、前記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子を得る重合工程と、前記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子から、内包されている極性溶液を除去して鈴構造樹脂粒子を得る乾燥工程とを有する鈴構造樹脂粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法は、モノマー成分と重合開始剤とを含有するモノマー溶液中に、上記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に核微粒子が分散した核微粒子分散液を添加、攪拌して、前記モノマー溶液中に前記核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液(いわゆるW/O型エマルジョン:以下、一次乳化液ともいう)を調製する一次乳化工程を有する。
【0009】
上記モノマー成分は、重合することにより得られる鈴構造樹脂粒子の殻部分を構成するものである。
上記モノマー成分としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;エチレン、プロピレン、ブタジエン;アクリル系モノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、アクリル系モノマーを用いた場合には、比較的親水性が高く広い用途に応用可能な鈴構造樹脂粒子が得られることから好ましい。
【0010】
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、ジメチルアミノメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0011】
また、上記アクリル系モノマーとしては、多官能のものも用いることができる。多官能アクリル系モノマーを用いた場合には、得られる鈴構造樹脂粒子の機械的強度が向上する。上記多官能アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
上記重合開始剤としては特に限定されず、用いるモノマー成分の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤;レドックス開始剤等が挙げられる。
【0013】
上記モノマー溶液は、親油性乳化剤を含有することが好ましい。親油性乳化剤を含有することにより、一次乳化液の乳化安定性をより向上させることができる。上記親油性乳化剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0014】
上記モノマー溶液中における、上記親油性乳化剤の配合量としては特に限定されないが、好ましい下限はモノマー成分の合計量の0.01重量%、好ましい上限は50重量%である。0.01重量%未満であると、良好な一次乳化ができないことがあり、50重量%を超えると、ポリマー骨格内部に多数の乳化剤が混入して、得られる鈴構造樹脂粒子の強度が低下することがある。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は20重量%である。
【0015】
上記モノマー溶液は、更に、非重合性有機溶剤を含有してもよい。非重合性有機溶剤を含有することにより、得られる鈴構造樹脂微粒子の殻の空孔の大きさを調整することができる。上記非重合性有機溶剤としては特に限定されず、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。
【0016】
上記モノマー溶液中における上記非重合性有機溶剤の配合量としては特に限定されないが、モノマー成分100重量部に対する好ましい上限は400重量部である。400重量部を超えると、得られる鈴構造樹脂粒子の強度が低下することがある。より好ましい上限は100重量部である。下限については特に限定されない。
【0017】
上記核微粒子分散液は、上記モノマー溶液と不溶な極性溶液に核微粒子が分散したものである。
なお、本明細書において不溶であるとは、混合したときに完全に分離して相を形成することを意味し、互いに極微量程度溶解することはかまわない。
一次乳化工程において用いる上記モノマー溶液と不溶な極性溶液としては、上記モノマー溶液と不溶であれば特に限定されないが、水、グリセリン等のポリオール等が好適である。
【0018】
上記モノマー溶液と不溶な極性溶液は、水性重合禁止剤を含有することが好ましい。水性重合禁止剤を含有することにより、上記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に上記モノマー溶液が僅かに溶け込んだ場合にも、重合するのを抑制することができる。
上記水性重合禁止剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、塩化銅、塩化鉄、塩化チタン、ヒドロキノン等が挙げられる。
【0019】
上記核微粒子は、得られる鈴状樹脂粒子の核となるものであり、本発明の鈴構造樹脂粒子に運動エネルギーを入射したときに、その運動エネルギーを吸収する役割を有するものである。
上記核微粒子としては上記モノマー溶液と不溶な極性溶液に分散可能なものであれば特に限定されないが、例えば、ポリアクリルビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリプロピレンビーズ、カーボンブラック等の有機微粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、フライアッシュ、ガラスビーズ、ガラス粉末、タングステン粉末等の無機微粒子からなるものが好適である。なかでも、ポリアクリルビーズ、ポリスチレンビーズ、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等がより好適である。
【0020】
上記核微粒子の形状としては特に限定されないが、得られる鈴状樹脂粒子での運度が容易で、高い制振性、遮音性を発揮するためには真球状に近いことが好ましい。
上記核微粒子の粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は2000μmである。0.1μm未満であると、得られた鈴構造樹脂粒子の振動吸収性が劣化することがあり、2000μmを超えると、上記モノマー溶液に不溶な極性溶液中に安定して分散させることが困難となり、鈴構造樹脂粒子の収率が悪化することがある。
【0021】
一次乳化工程では、上記モノマー溶液中に、上記核微粒子分散液を添加し、攪拌して乳化させる。上記乳化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
得られる鈴構造樹脂粒子の中空部の大きさ等は、一次乳化工程で得られる乳化液中の核微粒子分散液からなる液滴の大きさに対応する。
図1に、上記一次乳化工程により得られた乳化液の状態を示す模式図を示した。図1に示した乳化液ではモノマー溶液からなる媒体2中に、モノマー溶液と不溶な極性溶液からなる液滴1が分散しており、更に液滴1中には核微粒子3が分散している。
【0022】
本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法は、上記モノマー溶液中に核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液(一次乳化液)を、上記モノマー溶液に不溶な極性溶液中に添加、攪拌して、上記核微粒子分散液を内包するモノマー溶液からなる液滴が、モノマー溶液に不溶な極性溶液中に分散した乳化液(いわゆるW/O/W型エマルジョン:以下、二次乳化液ともいう)を調製する二次乳化工程を有する。
【0023】
上記二次乳化工程で用いるモノマー溶液と不溶な極性溶液としては、上記一次乳化工程で用いるものと同様のものを用いることができ、上記一次乳化工程で用いるものと同じであっても異なっていてもよい。
また、上記乳化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
【0024】
図2に、上記二次乳化工程により得られた分散液の状態を示す模式図を示した。図2に示した分散液ではモノマー溶液と不溶な極性溶液からなる媒体4中に、モノマー溶液からなる液滴2が分散しており、モノマー溶液からなる液滴2は、モノマー溶液と不溶な極性溶液1を内包しており、更に、モノマー溶液と不溶な極性溶液1中には核微粒子3が分散している。
【0025】
本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法は、上記モノマー成分を重合して、上記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子を得る重合工程を有する。
重合工程により、モノマー成分が重合されて、鈴構造樹脂粒子の殻の部分が形成される。上記重合の方法としては特に限定されず、モノマー成分や重合開始剤の種類により適宜最適な方法を選択すればよいが、通常は、加熱することが好ましい。
【0026】
本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法は、上記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子から、内包されている極性溶液を除去して鈴構造樹脂粒子を得る乾燥工程を有する。
上記除去の方法としては特に限定されないが、真空乾燥等が好適である。真空乾燥により、樹脂粒子に内包された極性溶液は、樹脂からなる殻の分子の隙間や、モノマー溶液が非重合性有機溶剤を含有していた場合には、それが抜けて形成された空孔から蒸散する。
これにより、鈴構造樹脂粒子が得られる。
【0027】
図3に本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法により得られる鈴構造樹脂粒子の一例の断面図を示した。図3Aに示した例では、樹脂からなる殻体中にただ1つの核微粒子が存在し、図3Bに示した例では、樹脂からなる殻体中に複数の核微粒子が存在している。いずれの態様の鈴構造樹脂粒子も、優れた制振性や遮音性を発揮できる。
どのような態様の鈴構造樹脂粒子が得られるかは、用いるモノマー成分の種類、核微粒子の種類や大きさ、一次乳化工程における液滴の粒子径、二次乳化工程における液滴の粒子径により制御することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、樹脂からなる殻体の空孔中に核微粒子が内包された鈴構造樹脂粒子を容易に製造することができる鈴構造樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
(実施例1)
(1)核微粒子分散液の調製
塩化ナトリウムを1重量%、水溶性重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウムを0.02重量%含有するイオン交換水に、粒子径50μmの炭酸カルシウムからなる核微粒子を10重量%の濃度になるように加え、攪拌分散装置を用いて攪拌し核微粒子分散液を得た。
【0031】
(2)一次乳化液の調製
単官能アクリル系モノマーとしてメチルメタクリレート40重量部、多官能アクリル系モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート10重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25重量部及び親油性乳化剤としてグリセリンモノステアレート2重量部とを混合、攪拌してモノマー溶液を調製した。
得られたモノマー溶液に、核微粒子分散液50重量部を加え、攪拌分散装置を用いて攪拌、乳化させて一次分散液を得た。
【0032】
(3)二次乳化液の調製
分散剤としてポリビニルアルコール1重量%と、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウムを0.02重量%含有するイオン交換水300重量部中に、得られた一次分散液102.25重量部を加え、核微粒子分散液を加え、攪拌分散装置を用いて攪拌、乳化させて二次分散液を得た。
【0033】
(4)重合
攪拌機、ジャケット、還流冷却機及び温度計を備えた20L容の重合器を準備し、上記重合器内を減圧して容器内を脱酸素した後窒素雰囲気にした。この重合器内に、得られた二次分散液10Lを一括投入し、重合器を60℃まで昇温し、重合を開始した。4時間重合後、更に80℃にまで昇温し1時間熟成させた後、室温にまで冷却した。
得られたスラリーを脱水装置により脱水した後、真空乾燥して平均粒径約200μmの鈴構造樹脂粒子を得た。
【0034】
(5)構造評価
得られた鈴構造粒子をエポキシ樹脂に包埋し、切削断面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子内部に1又は数個の核微粒子の存在が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、樹脂からなる殻体の空孔中に核微粒子が内包された鈴構造樹脂粒子を容易に製造することができる鈴構造樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一次乳化工程により得られた乳化液の状態を示す模式図である。
【図2】二次乳化工程により得られた乳化液の状態を示す模式図。
【図3】本発明の鈴構造樹脂粒子の製造方法により得られる鈴構造樹脂粒子の一例の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 モノマー溶液と不溶な極性溶液からなる液滴、又は、モノマー溶液と不溶な極性溶液2 モノマー溶液からなる媒体、又は、モノマー溶液からなる液滴
3 核微粒子4 モノマー溶液と不溶な極性溶液からなる媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー成分と重合開始剤とを含有するモノマー溶液中に、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に核微粒子が分散した核微粒子分散液を添加、攪拌して、前記モノマー溶液中に前記核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を調製する一次乳化工程と、
前記モノマー溶液中に前記核微粒子分散液からなる液滴が分散した乳化液を、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に添加、攪拌して、前記核微粒子分散液を内包するモノマー溶液からなる液滴が、前記モノマー溶液と不溶な極性溶液中に分散した乳化液を調製する二次乳化工程と、
前記モノマー成分を重合して、前記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子を得る重合工程と、
前記核微粒子分散液を内包する樹脂粒子から、内包されている極性溶液を除去して鈴構造樹脂粒子を得る乾燥工程とを有する
ことを特徴とする鈴構造樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
モノマー溶液は、アクリル系モノマーを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の鈴構造樹脂粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−249150(P2006−249150A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64460(P2005−64460)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】