説明

鉄筋網の製造方法と、その装置

【課題】縦筋、横筋の搬入や、鉄筋網の搬出が容易である上、結束能率を最大に向上させることが出来る鉄筋網の製造方法とその装置を提供する。
【解決手段】縦筋Rxを案内する複数本のガイド11と、ガイド11の前方に配置する前後2列の結束機12と、後列の結束機12の結束位置Nに横筋Ryを供給する搬送装置20とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の縦筋と、それを横切る複数の横筋との各交差部を結束して形成する平面状の鉄筋網を製作するに有用な鉄筋網の製造方法と、その装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材としての鉄筋コンクリートスラブは、補強用の鉄筋網をコンクリートに埋設して製作され、この場合の鉄筋網を能率よく製造するための製造装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
従来の鉄筋網の製造装置は、たとえば複数の縦筋と横筋とを交差させて平面的に保持する枠状の位置決め治具と、位置決め治具の上方を縦筋と平行に移動するガーダと、ガーダ上を横筋と平行に移動するサドルと、サドル上に昇降可能に搭載する結束機とを備えている。すなわち、ガーダとサドルとを介して結束機を縦方向、横方向に任意に移動させ、位置決め治具上の縦筋、横筋の各交差部を結束して鉄筋網を作ることができる。なお、結束機は、結束方向が互いに90°異なる2台1組を使用することにより、たとえば各横筋上の互いに隣接する各交差部の結束方向を逆方向にして鉄筋網の安定性を高めるものとする。また、枠状の位置決め治具に代えて、専用の縦方向、横方向の配筋装置を介し、大形の鉄筋架台上に縦筋、横筋を自動的に交差させて配筋する同様のシステムも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−218470号公報
【特許文献2】特開平11−36589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、鉄筋網を形成する結束前の縦筋、横筋は、それぞれの全部を互いに交差させてあらかじめ配筋し、その上方に結束機を縦横に移動させながら各交差部を順次結束して行くのであるから、結束前の縦筋、横筋の搬入や、結束後の鉄筋網の搬出が煩雑である上、結束能率が悪く、結束能率を向上させることが容易でないという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、複数本の縦筋の進行方向を横切るようにして前後2列の結束機を配置することによって、縦筋、横筋の搬入や、鉄筋網の搬出が容易である上、結束能率を最大に向上させることができる鉄筋網の製造方法と、その装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、一平面内に平行に配列して長さ方向に前進させる複数本の縦筋の進行方向を横切るようにして前後2列の結束機を配置し、各列の結束機は、それぞれ縦筋の奇数番目、偶数番目に対応させるとともに、縦筋の進行方向に対して結束方向を逆方向に傾け、縦筋を一斉に前進させて、横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに後列の結束機を一斉に作動させて縦筋、横筋の交差部を結束し、縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達すると、前列の結束機を一斉に作動させて縦筋、横筋の交差部を結束し、以下同様の動作を繰り返すことをその要旨とする。
【0008】
なお、縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達すると同時に横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに、前列、後列の結束機を一斉に作動させることができ、縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達する前に横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに後列の結束機を一斉に作動させることができる。
【0009】
第2発明(請求項4に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、縦筋を個別に案内して一平面内に平行に進行させる複数本のガイドと、ガイドの前方を横切るようにして前後2列に配置する結束機と、後列の結束機の結束位置に横筋を供給する搬送装置とを備えてなり、各列の結束機は、それぞれガイドの奇数番目、偶数番目に対応させ、ガイドの延長方向に対して結束方向を逆方向に傾けることをその要旨とする。
【0010】
なお、各ガイドは、左右に移動設定可能とし、各結束機は、左右に移動設定可能とし、前列の結束機は、一括して前後に移動設定可能とすることができ、各結束機は、結束用のワイヤのリールを着脱自在に保持するリールスタンドとともに、左右に移動設定可能なスライドベース上に搭載することができ、各リールと各結束機との間には、ワイヤ引出し用の共通のローラを上下に平行移動させることができる。
【0011】
また、搬送装置からの横筋は、受け部材を介して前後方向に位置決めし、左右のプッシャを介してセンタリングし、クランパを介して縦筋上に拘束してもよい。
【発明の効果】
【0012】
かかる第1発明の構成によるときは、縦筋の進行方向を横切るようにして配置する前後2列の結束機は、それぞれ縦筋の奇数番目、偶数番目に対応しており、縦筋の進行方向に対して結束方向が逆方向に傾いている。そこで、縦筋を一斉に前進させ、縦筋上に横筋を供給して後列の結束機を一斉に作動させることにより、縦筋上の横筋と縦筋との各交差部のうち、縦筋の1本おきに対応する半数を一挙に結束し、つづいて、後列の結束機によって結束済みの横筋を前列の結束機の結束位置に前進させて前列の結束機を一斉に作動させ、縦筋上の横筋と縦筋との各交差部の残りの半数を一挙に結束すると、縦筋上の各横筋と縦筋との交差部の全部を結束することができる。また、このとき、横筋上の各交差部は、交互に結束方向が逆方向であり、以下同様の動作を繰り返すことにより、鉄筋網を完成させることができる。
【0013】
すなわち、第1発明によれば、全部の縦筋を一斉に前進させながら、横筋の供給動作、各列の結束機による結束動作を繰り返すことにより、結束前の縦筋、横筋の搬入と、結束後の鉄筋網の搬出とを同時に円滑に実現することができる。また、前後2列の結束機を各列ごとに一斉に作動させて各横筋と縦筋との交差部の全部の結束を完了させることができ、鉄筋網を製作する際の結束能率を最大に向上させることができる。なお、各列の結束機は、それぞれ縦筋の本数の半数相当の台数を用意するものとする。
【0014】
前列、後列の結束機を一斉に作動させると、各列の結束機を別に作動させる場合に比して、サイクルタイムをさらに短縮することができる。ただし、このとき、各列の結束機は、鉄筋網上の横筋のピッチに合致するように前後方向の間隔をセットすることにより、縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達するタイミングと、横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達するタイミングとを合致させるものとする。
【0015】
縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達する前に後列の結束機の結束位置に到達する横筋の装着位置に対して横筋を供給し、後列の結束機を作動させて結束すれば、各列の結束機の前後方向の間隔より小さいピッチで横筋を縦筋上に結束して行くことができ、各列の結束機の間隔として機械的に実現可能な最小寸法より小さい横筋のピッチを鉄筋網上に実現することができる。
【0016】
第2発明の構成によるときは、複数本のガイドは、それぞれ縦筋を個別に案内するから、たとえば各ガイド内の縦筋の後端を一挙に押すことにより、全部の縦筋を一斉に正しく長さ方向に前進させることができる。そこで、ガイドの前方の前後2列の結束機と、後列の結束機の結束位置に横筋を供給する搬送装置とを組み合わせることにより、第1発明を円滑に実施し、第1発明の効果を実現することができる。各列の結束機は、それぞれガイドの奇数番目、偶数番目に対応するとともに、ガイドの延長方向に対して結束方向を逆方向に傾けることにより、各横筋と縦筋との交差部のうち、縦筋の1本おきに相当する半数ずつを逆方向に結束し、以下同様の動作を繰り返して鉄筋網を完成させることができるからである。
【0017】
各ガイド、各結束機をそれぞれ左右に移動設定可能とすることにより、縦筋のピッチを任意に設定することができる。なお、各ガイドは、手動設定可能としてもよく、自動設定可能としてもよい。各結束機についても同様である。また、各ガイド、各結束機は、互いに独立に移動設定してもよく、前者の奇数番目、偶数番目に後者が対応するように、互いに連動させて移動設定してもよい。一方、前列の結束機は、一括して前後に移動設定することにより、後列の結束機との間隔を任意に設定し、横筋のピッチを任意に設定することができる。
【0018】
各結束機は、結束用のワイヤのリール用のリールスタンドとともにスライドベース上に搭載すると、左右に移動設定しても、リールとの相対位置関係が変動せず、ワイヤをリールから常に円滑に引き出すことができる。
【0019】
ワイヤ引出し用の共通のローラは、各リールと各結束機との間に下降させることにより、複数のスライドベース上の複数のリールから所定長さの結束用のワイヤを一挙に引き出すことができる。ただし、ワイヤ引出し用のローラは、水平ローラであり、ローラの下降時に結束機側からのワイヤの戻りを阻止するために、たとえばワンウェイクラッチを有するクランプ機能付きのガイドホイールを各スライドベース上に設け、ガイドホイールを介してワイヤを結束機に導くものとする。
【0020】
搬送装置からの横筋は、縦筋上の横筋の装着位置に供給するに際し、受け部材を介して位置決めし、プッシャを介してセンタリングし、クランパを介して拘束することにより、縦筋上に正確に位置決めして結束し、高精度の鉄筋網を作ることができる
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】全体構成側面図
【図2】全体構成後面図
【図3】全体構成平面図
【図4】要部拡大構成説明図(1)
【図5】要部拡大構成説明図(2)
【図6】要部拡大構成説明図(3)
【図7】要部拡大動作図
【図8】要部拡大構成説明図(4)
【図9】要部拡大構成説明図(5)
【図10】要部拡大構成説明図(6)
【図11】鉄筋網の要部構成説明図
【図12】動作フローチャート
【図13】要部動作説明図(1)
【図14】要部動作説明図(2)
【図15】結束順序説明図(1)
【図16】結束順序説明図(2)
【図17】結束順序説明図(3)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0023】
鉄筋網の製造装置は、縦筋Rx 用のガイド11、11…と、前後2列に配置する結束機12、12…と、横筋Ry を供給する搬送装置20、20とを備えてなる(図1〜図3)。ただし、図1、図3の左、右をそれぞれ前、後といい、図2の左、右、図3の下、上をそれぞれ左、右というものとする。そこで、図3には、後列、前列にそれぞれ4台、3台の結束機12、12…が図示されている。
【0024】
ガイド11、11…は、後部の枠形の固定フレーム31の中間部に水平の一平面内に並設されている(図1、図2)。後列の結束機12、12…は、それぞれ対応するリールスタンド13とともに個別のスライドベース14に搭載され、スライドベース14、14…は、固定フレーム31内の共通のスライドレール14a、14a上に左右に移動自在に設置されている。前列の結束機12、12…は、それぞれ対応するリールスタンド13とともに個別のスライドベース14に搭載され、スライドベース14、14…は、前部の固定フレーム32に組み込む移動フレーム33上の共通のスライドレール14a、14a上に左右に移動自在に設置されている。
【0025】
前後2列の結束機12、12…、リールスタンド13、13…、スライドベース14、14…は、交互に対向するように配置されており(図1、図3)、前列のスライドベース14、14…用の移動フレーム33は、前後に移動可能である。すなわち、前列の結束機12、12…は、移動フレーム33を介し、一括して前後に移動設定可能である。
【0026】
ガイド11、11…は、後端を揃えて、長短の2種類が共通のスライドレール11c上に交互に配列されている(図3、図4)。ただし、図4(A)、(B)は、それぞれガイド11を含む要部拡大後面図、要部拡大側面図である。
【0027】
長短のガイド11、11の前端は、それぞれ前列、後列の対応する結束機12の近傍にまで伸びている。したがって、各列の結束機12、12…は、それぞれガイド11、11…の1本おきに対応し、ガイド11、11…の奇数番目、偶数番目に対応している。なお、各ガイド11は、前後に長いガイド本体11aの後端にガイド片11bを付設している。ガイド本体11aは、縦筋Rx を収納して案内し得る上部開放の逆台形溝を有し、ガイド片11bは、ガイド本体11aの逆台形溝と同形の溝を介して上方に開く2本爪のフォーク状に形成されている。
【0028】
ガイド11、11…用のスライドレール11cは、固定フレーム31を左右に横切る水平の支持材11d上に敷設されている。各ガイド11は、ロックハンドル11eを解放することにより、スライドレール11cに沿って左右に移動可能であり、ロックハンドル11eを介して任意の位置に固定可能である。すなわち、各ガイド11は、左右に移動設定可能である。
【0029】
前後2列の結束機12、12…は、ガイド11、11…の前方を横切るようにして配置されている(図1、図3)。
【0030】
後列の結束機12、12…は、それぞれ対応するガイド11の延長方向に対して斜め45°に傾け、対応するスライドベース14の前端部に搭載されており、対応するリールスタンド13は、スライドベース14の後端部に設置されている。一方、前列の結束機12、12…は、それぞれ対応するガイド11の延長方向に対して逆方向に斜め45°に傾け、対応するスライドベース14の後端部に搭載され、対応するリールスタンド13は、スライドベース14の前端部に設置されている。そこで、以下、後列の結束機12、リールスタンド13、スライドベース14について説明する(図5)。ただし、図5(A)、(B)は、それぞれスライドベース14を含む要部上面図、要部側面図である。
【0031】
結束機12は、たとえばマックス株式会社製の鉄筋結束機RB−399を使用し、外部からの電気信号に基づき、外部電源により駆動するものとする。結束機12は、上向きのフック12a、カールガイド12bの間に鉄筋を挿入し、リールスタンド13上のリールW1 からの結束用のワイヤWを介して結束することができる。そこで、図5(A)、(B)において、符号Nは、結束機12の結束位置を示す。結束機12は、昇降用のシリンダ12cを介し、スイング用のシリンダ12d、ワイヤW用のワイヤガイド12eとともにスライドベース14上の台座14aに搭載されている。
【0032】
リールスタンド13は、ワイヤWのリールW1 を回転自在に保持することができる。リールW1 は、ボス付きの補助フランジ13a、13aによって挟み込み、リールスタンド13は、図示しないベアリングを介して補助フランジ13a、13aのボスを回転自在、着脱自在に支持する。なお、リールスタンド13には、補助フランジ13aを制動する手動のブレーキ13b、リールW1 からのワイヤWを引き通すワイヤガイド13cが付設されており、スライドベース14には、ロックハンドル14bが付設されている。そこで、スライドベース14は、ロックハンドル14bを解放してスライドレール14a、14a上を左右に移動させることができ、結束機12は、リールスタンド13上のリールW1 とともにスライドベース14を介して左右に移動設定可能である。
【0033】
結束機12用の台座14a上には、支柱15aを介してワイヤW用のフランジ付きのガイドホイール15が設置されている(図5、図6)。ただし、図6(A)は、図5(A)の要部拡大図であり、図6(B)〜(C)は、それぞれ図6(A)の右側面図、左側面図、上面図である。
【0034】
ガイドホイール15には、ワンウェイクラッチ15bが付設されており、ガイドホイール15は、リールW1 からのワイヤWを結束機12に向けて送り出す方向にのみ回転可能である(図6(A)、(D)の各矢印方向)。また、ガイドホイール15には、ワイヤWをクランプするクランプ用のシリンダ15cが組み合わされており、シリンダ15cを伸長させることにより、ガイドホイール15を通過するワイヤWをクランプすることができる。ただし、図5(A)、図6(D)には、シリンダ15cの図示が省略されている。ガイドホイール15のリールスタンド13側、結束機12側には、それぞれワイヤW用のワイヤガイド15d、15eが付設されており、リールスタンド13側のワイヤガイド15dには、上下方向に長いスリット15d1 が形成されている。
【0035】
前列の結束機12、リールスタンド13、スライドベース14は、ほぼ図5、図6と前後対称に形成されている(図1)。なお、前列の結束機12、12…に対応する各ガイドホイール15用の支柱15aには、ガイド11、11…とほぼ同一レベルのガイド板15fが上向きに取り付けられている(図1、図3)。
【0036】
後部の固定フレーム31、前部の移動フレーム33には、それぞれワイヤW、W…の引出し用のローラ34と、ワイヤW、W…のガイド用のローラ35とが組み込まれている。ローラ35は、固定フレーム31または移動フレーム33に固定する両端のベアリング35a、35aを介し、リールスタンド13、13…上のリールW1 、W1 …の近傍上方を水平に横切るようにして回転自在に支持されている(図1、図2)。一方、ローラ34は、固定フレーム31または移動フレーム33内に下向きに設置する左右のシリンダ34a、34aと、シリンダ34a、34aの先端に連結するスライド部材34b、34b上のベアリング34c、34cとを介し、ローラ35とガイドホイール15、15…との間、すなわちリールW1 、W1 …と結束機12、12…との間に上下に平行移動するようにして昇降可能である(図1、図5(A)の各実線、二点鎖線)。なお、スライド部材34b、34bは、シリンダ34a、34aを伸縮させると、それぞれ図示しないスライドレールに沿って昇降する。
【0037】
各スライドベース14上において、リールW1 からの結束用のワイヤWは、ワイヤガイド13c、ローラ35、ガイドホイール15、ワイヤガイド12eを経て結束機12に供給されている。ただし、ガイドホイール15の両側には、リールW1 側、結束機12側のワイヤガイド15d、15eが配設されている。
【0038】
引出し用のローラ34は、上方の退避位置(図5(A)の実線)から下方の引出し位置(同図の二点鎖線)に下降させ、直ちに上方の退避位置に戻すことにより、対応する後列または前列のリールW1 、W1 …から、ワイヤW、W…の所定長さを一挙に繰り出して、ローラ34の下方にカテナリ状に垂下させて貯留することができる。ただし、ローラ34を下降させるときは、各ガイドホイール15上のクランプ用のシリンダ15cを一時的に伸長させてワイヤWを拘束し、結束機12側からワイヤWが引き戻されることを防止する。また、ローラ34の下降ストロークは、各結束機12による結束動作の1回分相当のワイヤWを貯留し得るように、シリンダ34a、34aの伸長ストロークを設定するものとする。
【0039】
そこで、各結束機12は、ローラ34の下に貯留されているワイヤWを使用することにより、結束動作を円滑に遂行することができる。なお、各結束機12が作動して1回分のワイヤWが消費されると、ローラ34の下の貯留量が少なくなるから(図5(A)の一点鎖線)、直ちにローラ34を下降させて上昇させ、次の1回分相当のワイヤW、W…をリールW1 、W1 …から繰り出させて次回の結束動作に備える。
【0040】
横筋Ry を供給する左右の搬送装置20、20は、前後の固定フレーム32、31の間に上下方向に配置されている(図1、図2)。各搬送装置20は、上下に長いブラケット板21の上端、下端のスプロケット22、22に巻き掛ける無端のチェーン23を備え、チェーン23、23は、共通の駆動モータ24により駆動されている。チェーン23には、横筋Ry を掛けて下向きに搬送するフック23a、23a…が付設されており、チェーン23は、スペーサ23b、23b…を介して支持する図示しないチェーンガイドに沿って、ブラケット板21と平行に上下に循環走行する。上のスプロケット22、22は、共通の駆動軸22aに固定され、駆動軸22aは、駆動用のチェーン24aを介して駆動モータ24の出力軸に連結されている。なお、図1、図2において、搬送装置20、20、共通の駆動モータ24は、前部の固定フレーム32に搭載されているが、これらの部材は、後部の固定フレーム31に搭載してもよい。
【0041】
搬送装置20、20は、それぞれの上向きのフック23a、23a…が後方側を下降する方向にチェーン23、23を同期駆動する(図1の矢印K1 方向)。そこで、各フック23aが上のスプロケット22のまわりを回転するときに、図示しない供給装置から所定長さの横筋Ry を1本ずつ供給し(同図の矢印K2 方向)、搬送装置20、20の同一レベルのフック23a、23aに掛け渡すと、横筋Ry は、搬送装置20、20を介して下向きに平行移動させて搬送することができる。
【0042】
搬送装置20、20のブラケット板21、21の下端には、それぞれフック23a上の横筋Ry を外して後方側下方の受け部材26、26に受け渡すアタッチメント21aが装着されている(図2、図7)。各アタッチメント21aの下端の後向きの爪21a1 は、フック23a、23aを介して下向きに搬送される横筋Ry に対して下側から係合し、各フック23aが下のスプロケット22のまわりを回転するに従って(図7の矢印方向)、フック23aから横筋Ry を確実に脱出させることができる。
【0043】
受け部材26、26は、左右のプッシャ27、27、クランパ28、28とともに、搬送装置20、20のやや後方側下方において、後部の固定フレーム31内の水平の支持材36に装着されている(図2、図7)。なお、受け部材26、26、クランパ28、28は、搬送装置20、20の内側に配置され、プッシャ27、27は、搬送装置20、20の両外側に配置されている。
【0044】
各受け部材26は、本体ブラケット26aに対し、爪部材26bを組み合わせている(図7、図8)。ただし、図8(A)、(B)は、それぞれ受け部材26の右側面図、正面図である。
【0045】
爪部材26bは、ピン26cのまわりに上下に揺動可能であり、コイルばね26dを介して斜め上向きの定位置に付勢されている(図7、図8(A)の実線)。なお、本体ブラケット26aの片面には、取付材26fを介して磁石26eが付設されている。本体ブラケット26aの上端には、取付ねじ26h付きの取付ブラケット26gが付設されている。定位置の爪部材26bは、相対的に搬送装置20の後方側の下端をほぼ指向しており、したがって、搬送装置20、20のフック23a、23aから外れた横筋Ry は、左右の受け部材26、26の爪部材26b、26b、磁石26e、26eを介し、本体ブラケット26a、26aの前端縁に沿って前後方向に位置決めすることができる。また、爪部材26b上の横筋Ry に下向きないし前向きの力が加わると、爪部材26bは、コイルばね26dに抗して下向きに揺動してほぼ水平姿勢をとり(図8(A)の二点鎖線)、横筋Ry を僅かに下降させ、または横筋Ry を前方に相対移動可能にすることができる(同図の矢印方向)。
【0046】
なお、横筋Ry は、搬送装置20、20によって1本ずつ個別に搬送され、受け部材26、26によって位置決めされるが、受け部材26、26上の横筋Ry の位置は、後列の結束機12、12…の共通の結束位置Nに対応するものとする(図1、図3)。すなわち、搬送装置20、20は、受け部材26、26を介し、後列の結束機12、12…の結束位置Nに横筋Ry を供給することができる。
【0047】
各プッシャ27は、横向きのシリンダ27bの先端に押し部材27aを取り付けている(図9)。ただし、図9(A)、(B)は、それぞれプッシャ27の右側面図、正面図である。
【0048】
シリンダ27bは、ベースブラケット27cに固定され、ベースブラケット27cには、取付ねじ27e付きの取付ブラケット27dが固定されている。なお、シリンダ27bには、速度調整器27fが付設されている。左右のプッシャ27、27は、支持材36を介し、受け部材26、26上の横筋Ry を挟んで対峙している(図2)。そこで、プッシャ27、27は、シリンダ27b、27bを同時に一時的に伸長させることにより、押し部材27a、27aを介して横筋Ry をセンタリングすることができる。ただし、左右のプッシャ27、27は、互いに勝手違いに構成されており、図9は、左側のプッシャ27を図示している。
【0049】
各クランパ28は、下向きのシリンダ28bの先端に押し部材28aを取り付けている(図10)。ただし、図10(A)、(B)は、それぞれクランパ28の右側面図、正面図である。シリンダ28bは、ベースブラケット28cに固定され、ベースブラケット28cには、取付ねじ28e付きの取付ブラケット28dが固定されている。左右のクランパ28、28は、それぞれシリンダ28bを伸長させることにより、受け部材26、26上の横筋Ry を下向きに押圧することができる(図2)。
【0050】
かかる鉄筋網の製造装置は、たとえば図11の鉄筋網RNを製作するために、図12のフローチャートに従って作動させる。
【0051】
図11の鉄筋網RNは、ピッチPx ごとに配列する複数本の縦筋Rx 、Rx …に対し、ピッチPy ごとに横筋Ry 、Ry …を結束して構成されている。ただし、図11(A)、(B)は、それぞれ鉄筋網RNの要部平面図、要部縦断面図である。各横筋Ry は、縦筋Rx 、Rx …との各交差部を結束用のワイヤWによって結束し、縦筋Rx 、Rx …上に結束されている。また、横筋Ry 上の結束部Wa 、Wa …の結束方向は、縦筋Rx ごとに逆方向である。そこで、たとえば奇数番目の各縦筋Rx と横筋Ry との交差部は、後列の結束機12、12…により一挙に結束することができ、偶数番目の各縦筋Rx と横筋Ry との交差部は、前列の結束機12、12…により一挙に結束することができる(図3参照)。
【0052】
なお、鉄筋網RNの各結束部Wa は、製造装置から搬出するに先き立って、縦筋Rx の下方、横筋Ry の上方への突出部分を鉄筋網RNに沿って折り曲げて変形させることが好ましく、そのためのアタッチメントを製造装置に設けることが好ましい。鉄筋網RNの実質的な厚さを薄くし、鉄筋網RNをコンクリートに埋設するとき、コンクリートの有効厚さを大きくすることができる。
【0053】
図12のフローチャートをスタートさせるに先き立って、一連の準備工程を完了させる。すなわち、縦筋Rx 、Rx …用のガイド11、11…をピッチPx に従って配列するとともに、後列の結束機12、12…を奇数番目のガイド11、11…に対応させ、前列の結束機12、12を偶数番目のガイド11、11…に対応させる(図3)。また、前列の結束機12、12…は、後列の結束機12、12…に対し、前後方向の間隔D>Py にセットする。なお、各ガイド11は、個別に左右に移動設定してピッチPx を実現し、後列、前列の各結束機12は、スライドベース14を左右に移動設定して特定のガイド11に対応させる。また、前列の結束機12、12…は、移動フレーム33を前後に移動設定して後列の結束機12、12…との間隔Dにセットする。
【0054】
さらに、各結束機12は、昇降用のシリンダ12c、スイング用のシリンダ12dの双方を短縮させて待機する(図5の後列の結束機12、図1の前列の結束機12参照)。また、各結束機12とリールW1 との間には、ローラ34を介して1回分のワイヤWを垂下させて貯留するとともに(図5の二点鎖線)、ローラ34は、上方の退避位置に戻しておく(同図の実線)。
【0055】
なお、図示しない縦筋Rx の供給装置により、後列の結束機12、12…用のリールW1 、W1 の後方に所定本数の縦筋Rx 、Rx …を整列させ、各ガイド11の後端に指向させる。その後、図示しないプッシャにより全部の縦筋Rx 、Rx …の後端を前方に押し出すことにより、縦筋Rx 、Rx …をガイド11、11…上に一斉に前進させることができる。また、搬送装置20、20のフック23a、23a…上にも順に横筋Ry 、Ry …を供給しておく。なお、前列の結束機12、12…用のリールW1 、W1 …の上方には、ガイド板15f、15f…の上縁に沿って前進する鉄筋網RNの半製品の前端を把持して前方に引き出すために、図示しないプラー装置を待機させておく。
【0056】
以上の準備工程が完了したら、縦筋Rx 、Rx …の後端のプッシャを介し、縦筋Rx 、Rx …をガイド11、11…に沿って一斉に前進させる(図12のステップ(1)、以下、単に(1)のように記す)。縦筋Rx 、Rx …の前端が後列の結束機12、12…上を通過し、縦筋Rx 、Rx …上にあらかじめ設定する横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに到達したら(2)、プッシャを停止させて縦筋Rx 、Rx …の前進を停止させるとともに(3)、搬送装置20、20を介して横筋Ry を後列の結束機12、12…の結束位置Nに対応する縦筋Rx 、Rx …上に供給し、後列の結束機12、12…を一斉に作動させて横筋Ry を奇数番目の縦筋Rx 、Rx …上に結束する。その後、奇数番目の縦筋Rx 、Rx …上に結束された横筋Ry が前列の結束機12、12…の結束位置Nに到達していないこと(4)、縦筋Rx 、Rx …上に所定本数の横筋Ry 、Ry …が結束されていないことを確認して(6)、ステップ(1)に戻って縦筋Rx 、Rx …の前進を継続する。
【0057】
つづいて、後列の結束機12、12…によって結束された横筋Ry が前列の結束機12、12…の結束位置Nに到達すると(4)、縦筋Rx 、Rx …の前進を停止させるとともに(5)、前列の結束機12、12…を一斉に作動させて横筋Ry を偶数番目の縦筋Rx 、Rx …上に結束する。その後、所定本数の横筋Ry 、Ry …が縦筋Rx 、Rx …上に結束されるまで、同様の動作を繰り返せばよい((6)、(1)〜(6))。
【0058】
なお、以上のようにして、縦筋Rx 、Rx …を間欠的に前進させながら各列の結束機12、12…を作動させて横筋Ry 、Ry …を縦筋Rx 、Rx …の前端部から順に結束して行くと、前列の結束機12、12…の前方のガイド板15f、15f…上に鉄筋網RNの半製品が前進して来る。そこで、図示しないプラー装置により鉄筋網RNの前端を把持するとともに、縦筋Rx 、Rx …の後端を押すプッシャを後方に退避させ、以後、プラー装置により鉄筋網RN、縦筋Rx 、Rx …を前進させる。
【0059】
後列の各結束機12の動作は、大むね図13のとおりである。すなわち、ガイド11に沿って縦筋Rx を前進させ、縦筋Rx に設定する横筋Ry の装着位置が後列の結束機12の結束位置Nに到達すると(図13(A))、縦筋Rx を停止させ、搬送装置20、20により横筋Ry を結束位置Nの縦筋Rx 上に供給する。そこで、左右のプッシャ27、27を一時的に作動させて横筋Ry をセンタリングし(図13(B))、クランパ28、28を作動させて横筋Ry を縦筋Rx 上に拘束する(図13(B)の二点鎖線)。
【0060】
つづいて、昇降用のシリンダ12cを伸長させて結束機12を上昇させ(図13(C))、縦筋Rx 、横筋Ry の交差部を結束機12のフック12a、カールガイド12bの間に挿入する。その後、スイング用のシリンダ12dを伸長させて結束機12を直立させ(図13(D))、結束機12を作動させることにより結束用のワイヤWを使用して交差部を結束する。このとき、引出し用のローラ34の下方に垂下して貯留されていたワイヤWがガイドホイール15、ワイヤガイド12eを経て結束機12側に引き出され、ローラ34の下に高く移動する(図13(D)の一点鎖線)。そこで、クランプ用のシリンダ15cを伸長させてワイヤWをガイドホイール15上に拘束するとともに、引出し用のローラ34を下降させることにより(図13(D)の二点鎖線)、ガイド用のローラ35を介してリールW1 からワイヤWを繰り出し、ローラ34の下方に所定長さのワイヤWを再び貯留させる。
【0061】
なお、結束動作後の結束機12は、スイング用のシリンダ12dを短縮させるとともに昇降用のシリンダ12cを短縮させて図13(A)の元位置に復帰させ、クランパ28、28は、横筋Ry の拘束を解放する。また、ローラ34は、ワイヤWの繰出しのために下降後、直ちに上方の退避位置に復帰させ、クランプ用のシリンダ15cは、ワイヤWの拘束を解除する。
【0062】
前列の各結束機12の動作は、大むね図14のとおりである。すなわち、縦筋Rx が前進し、後列の結束機12により縦筋Rx 上に結束された横筋Ry が前列の結束機12の結束位置Nに到達すると(図14(A))、縦筋Rx を停止させ、昇降用のシリンダ12cを伸長させて結束機12を上昇させ(図14(B))、縦筋Rx 、横筋Ry の交差部を結束機12のフック12a、カールガイド12bの間に挿入する。その後、スイング用のシリンダ12dを伸長させて結束機12を直立させ(図14(C))、結束機12を作動させて交差部を結束する。
【0063】
このとき、結束機12により、引出し用のローラ34の下方に貯留されていたワイヤWが消費される。そこで、クランプ用のシリンダ15c、ローラ34を使用してリールW1 からのワイヤWを繰り出してローラ34の下方に再び貯留させること、スイング用のシリンダ12dを短縮するとともに昇降用のシリンダ12cを短縮して結束機12を図14(A)の元位置に復帰させること、クランプ用のシリンダ15cによるワイヤWの拘束を解除することなどは、後列の結束機12におけると全く同様である。なお、図14(A)〜(C)に図示されているように、前列の各結束機12の前方のガイド板15fの上縁は、ガイド11からの縦筋Rx 上の横筋Ry を支持するように高さ設定されている。
【0064】
以上の説明において、後列、前列の結束機12、12…は、図示に拘らず、それぞれm台、(m−1)台としてよく、ガイド11、11…は、(2m−1)本としてよい。ただし、mは任意の整数である。
【他の実施の形態】
【0065】
鉄筋網RNにおける横筋Ry のピッチPy に対し、後列、前列の結束機12、12…の間隔D=Py に設定すると、前列の結束機12、12…と後列の結束機12、12…とを同時に作動させることができる(図15)。ただし、図15において、符号41は、縦筋Rx 、Rx …を前進させるプッシャを示す。
【0066】
すなわち、縦筋Rx 、Rx …を前進させて横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに到達すると(図15(A))、後列の結束機12、12…の結束位置Nに横筋Ry を供給するとともに、後列の結束機12、12…を作動させて横筋Ry を奇数番目の縦筋Rx 、Rx …上に結束する。つづいて、縦筋Rx 、Rx …を前進させて横筋Ry が前列の結束機12、12…の結束位置Nに到達すると(図15(B))、次の横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに同時に到達する。そこで、後列の結束機12、12…の結束位置Nに新たな横筋Ry を供給し(図15(C))、前列の結束機12、12…、後列の結束機12、12…を同時に作動させて横筋Ry 、Ry を縦筋Rx 、Rx …上に結束し、以下、同様の動作を繰り返せばよい。なお、図15(A)〜(C)の手順は、D=nPy (ただし、nは2以上の整数)の場合にもほぼ同様に適用可能である。
【0067】
鉄筋網RNの横筋Ry のピッチPy に対し、後列、前列の結束機12、12…の間隔DがPy <D<2Py のときの結束手順を図15に順じて図示すると、たとえば図16、図17のとおりである。
【0068】
プッシャ41により縦筋Rx 、Rx …を前進させて横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに到達すると(図16(A))、横筋Ry を結束位置Nに供給し、後列の結束機12、12…を作動させて横筋Ry を奇数番目の縦筋Rx 、Rx …上に結束する。その後、横筋Ry のピッチPy だけ縦筋Rx 、Rx …を前進させると(図16(B))、次の横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに到達するから、横筋Ry を供給し(図16(C))、後列の結束機12、12…により結束する。つづいて、距離d=D−Py だけ縦筋Rx 、Rx …を前進させると(図16(D))、縦筋Rx 、Rx …上の前方の横筋Ry が前列の結束機12、12…の結束位置Nに到達するから、前列の結束機12、12…により結束する。
【0069】
その後、縦筋Rx 、Rx …をさらに前進させ、次の横筋Ry の装着位置が後列の結束機12、12…の結束位置Nに到達したら(図17(A))、次の横筋Ry を供給して後列の結束機12、12…により結束する(図17(B))。つづいて、距離d=D−Py だけ縦筋Rx 、Rx …を前進させて縦筋Rx 、Rx …上の横筋Ry が前列の結束機12、12…の結束位置Nに到達したら(図17(C))、前列の結束機12、12…により結束し、以下、同様の動作を繰り返せばよい。
【0070】
なお、図16(A)〜図17(C)の手順は、2Py <D、D≠nPy の場合でも、ほぼ同様に適用することができる。ただし、そのときは、前列の結束機12、12…の1回の結束動作に対し、後列の結束機12、12…の2回の結束動作を組み合わせるに代えて、3回以上の結束動作を組み合わせることが必要である。また、図15〜図17において、横筋Ry を後列の結束機12、12…の結束位置Nに供給したら、後列の結束機12、12…を作動させるに先き立って、プッシャ27、27による横筋Ry のセンタリング動作、クランパ28、28による横筋Ry の拘束動作を実行し、結束動作の完了後、クランパ28、28による横筋Ry の拘束を解除する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
この発明は、建築材としての鉄筋コンクリートスラブの他、たとえばリニアカーによる高速鉄道用や橋梁用などの土木用の鉄筋コンクリート構造物を製作するための鉄筋網を製造する用途に広く好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
RN…鉄筋網
Rx …縦筋
Ry …横筋
W…ワイヤ
W1 …リール
N…結束位置
11…ガイド
12…結束機
14…スライドベース
20…搬送装置
26…受け部材
27…プッシャ
28…クランパ
34…ローラ

特許出願人 株式会社 テイビョウ
株式会社 キャダック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一平面内に平行に配列して長さ方向に前進させる複数本の縦筋の進行方向を横切るようにして前後2列の結束機を配置し、各列の結束機は、それぞれ縦筋の奇数番目、偶数番目に対応させるとともに、縦筋の進行方向に対して結束方向を逆方向に傾け、縦筋を一斉に前進させて、横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに後列の結束機を一斉に作動させて縦筋、横筋の交差部を結束し、縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達すると、前列の結束機を一斉に作動させて縦筋、横筋の交差部を結束し、以下同様の動作を繰り返すことを特徴とする鉄筋網の製造方法。
【請求項2】
縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達すると同時に横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに、前列、後列の結束機を一斉に作動させることを特徴とする請求項1記載の鉄筋網の製造方法。
【請求項3】
縦筋上の横筋が前列の結束機の結束位置に到達する前に横筋の装着位置が後列の結束機の結束位置に到達すると、後列の結束機の結束位置に対応する縦筋上に横筋を供給するとともに後列の結束機を一斉に作動させることを特徴とする請求項1記載の鉄筋網の製造方法。
【請求項4】
縦筋を個別に案内して一平面内に平行に進行させる複数本のガイドと、該ガイドの前方を横切るようにして前後2列に配置する結束機と、後列の前記結束機の結束位置に横筋を供給する搬送装置とを備えてなり、各列の前記結束機は、それぞれ前記ガイドの奇数番目、偶数番目に対応させ、前記ガイドの延長方向に対して結束方向を逆方向に傾けることを特徴とする鉄筋網の製造装置。
【請求項5】
前記各ガイドは、左右に移動設定可能とし、前記各結束機は、左右に移動設定可能とし、前列の前記結束機は、一括して前後に移動設定可能とすることを特徴とする請求項4記載の鉄筋網の製造装置。
【請求項6】
前記各結束機は、結束用のワイヤのリールを着脱自在に保持するリールスタンドとともに、左右に移動設定可能なスライドベース上に搭載することを特徴とする請求項5記載の鉄筋網の製造装置。
【請求項7】
前記各リールと前記各結束機との間には、ワイヤ引出し用の共通のローラを上下に平行移動させることを特徴とする請求項6記載の鉄筋網の製造装置。
【請求項8】
前記搬送装置からの横筋は、受け部材を介して前後方向に位置決めし、左右のプッシャを介してセンタリングし、クランパを介して縦筋上に拘束することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか記載の鉄筋網の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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