説明

鉄触媒による芳香族化合物の製造方法

【課題】液晶化合物またはその合成中間体として有用な芳香族化合物の製造方法の提供。
【解決手段】式Iと式IIで示される化合物のジアミン化合物および三価の鉄触媒存在下に反応させる式IIIで示される芳香族化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塩を触媒とすることにより、主に液晶化合物および液晶化合物の合成原料として有用な芳香族化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年携帯電話等の普及に伴い、低消費電力、軽量で良好な表示特性を有する液晶表示素子が注目されている。
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、BTN(Bistable twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PM(passive matrix)はスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。
【0003】
これらの素子は、適切な物性を有する組成物を含有する。素子の特性を向上させるには、この組成物が適切な物性を有するのが好ましい。組成物の成分である化合物に必要な一般的物性は、次のとおりである。(1)化学的な安定性と物理的な安定性。(2)高い透明点。透明点は、液晶相−等方相の転移温度である。(3)液晶相の低い下限温度。液晶相は、ネマチック相、スメクチック相などを意味する。(4)小さな粘度。(5)適切な光学異方性。(6)適切な誘電率異方性。大きな誘電率異方性を有する化合物は、大きな粘度を有することが多い。(7)大きな比抵抗。
【0004】
その素子に使用される液晶組成物は、使用温度範囲をカバーできる良好な液晶表示温度範囲を有する化合物が好ましい。広範囲な液晶温度領域を有する液晶化合物としては6員環構造をいくつか直列に結合させたものが物理、化学的安定性および要求される液晶特性を同時に達成できる点で良好であり、以前から液晶表示素子に使用される液晶組成物の構成要素として用いられている。一方1995年頃から末端にフルオロベンゼン、クロロベンゼン等のハロゲン化フェニル基を有する化合物が多用されるようになってきた。これはこれらの母骨格であるシクロヘキシル(エチル)ベンゼン構造が現状使用されているTN方式の液晶表示素子の構成成分として良好な特性、すなわち広い液晶相温度範囲並びに低い粘性を特徴とするものであったからである。さらにこれらの骨格の化合物は主として使用されているリタデーションを容易に達成できる光学的異方性値を有し、高速な応答を可能にする大きな弾性定数比を有していることが理由である。
【0005】

【0006】
さらに、最近では末端にアルケニル基を有するシクロヘキシル(エチル)ベンゼン等の分子末端にアルケニルを有する化合物は最近ではカラーモニター用のTFT液晶組成物において、相溶性が良好で粘性が低く、組成物の透明点を低下させないなどの利点を持つことから多く用いられるようになってきている。


【0007】
これらシクロヘキシル(エチル)ベンゼン骨格を有する化合物の製造方法としては対応するシクロヘキサノンまたはシクヘキシルアセトアルデヒドとアリールグリニャール試薬を反応させて得られるベンジルアルコール誘導体を脱水してシクロヘキセン誘導体またはシクヘキシルビニル誘導体とし、これを水素化する方法が工業的に用いられている。この方法は水素化によって分解またはその他の官能基へ変換される置換基を有している基質を使用する場合にはきわめて不利である。すなわちクロロブロモベンゼンより調整されたグリニャール試薬や分子末端にアルケニルを有するシクロヘキサンノンを用いる場合には目的物が直接得られないので保護基を使用する必要がある。
【0008】
一方シクロヘキサン環とベンゼン環あるいはシクロヘキシルエチル基とベンゼン環を直接反応させてシクロヘキシルベンゼンあるいはシクロヘキシルエチルベンゼンを合成する触媒的な手法は実用化のレベルには至っていない。
【0009】
従来、アルキル基を有する芳香族化合物の位置選択的な合成方法として、ニッケルまたはパラジウム触媒存在下に、アルキル有機金属試薬とハロゲンアリールまたはアリールスルホン酸エステルとをカップリング反応させる方法が知られている。(Hayashi, T.; Konishi, M.; Kobori, Y.,; Kumada, M.; Higuchi, T.;Hirotsu, K., J.Am.Chem. Soc. 1984,106,158-163, Ogasawara, M.; Yoshida, K.,; Hayashi, T. Organometallics, 2000, 19, 1567-1571, Doherty, S.; Knight, J.; Robins, E.G.; Scanlan, T.H.;Champkin, P.A.Clegg, W.J.Am Soc. 2001, 123, 5110-5111).
しかしながらこの方法によれば複雑な構造を有するホスフィン配位子の添加が必須であり、かつ第二級アルキル基の構造によっては第二級アルキル基から第一級アルキル基への異性化を伴い、目的生成物を高収率で得ることができないという問題が有った。また、ニッケル触媒またはパラジウム触媒という毒性の高いあるいは高価な触媒が必要であると言う問題があり、大量合成への応用ができないという問題があった。
【0010】
また、ハロゲン化アルキルまたはアルキルスルホン酸エステルと芳香族有機金属試薬からアルキル基を有する芳香族化合物を製造する方法としてジエン配位子存在かパラジウムを触媒としてハロゲン化アルキルまたはアルキルスルホン酸エステルと芳香族マグネシウム試薬をクロスカップリングさせる方法(Terao, J.; Naitoh, Y.; Kuniyasu, H.; Kambe, N. Chem Lett.200332,890-891)やジエン配位子存在下、銅やニッケルを触媒としてハロゲン化アルキルと芳香族マグネシウム試薬を触媒的にクロスカップリングさせる方法(Terao, J.; Ikumi, A.; Kuniyasu, H.;Kambe, N. J.Am.Chem.Soc.2003,125 5649-5647)
も知られている。
【0011】
そのほかにもトリシクロヘキシルホスフィンなどの嵩高いホスフィン配位子存在下、パラジウム触媒によるハロゲン化アルキルと芳香族亜鉛化合物、芳香族スズ化合物または芳香族珪素化合物との触媒的なカップリング反応(Zhou, J.; Fu, G.C. J.Am.Chem. Soc. 2003,125,12527-12530, Tang, H.; Menzel, K.; Fu, G.C. Angew. Chem., Int. Ed. 2003,42-5079-5082, Lee, J.-Y.; Fu, G.C. J.Am.Chem. Soc. 2003,125,5616-5617)も知られている。
しかしながらこれらの方法によって第二級アルキル基を導入する場合、脱離反応などの副反応によりアルケンが生じ、目的化合物が低収率でしか精製しないため、第二級アルキル置換基を有する芳香族化合物の合成には適用できないという問題があった。
また第二級ハロゲン化アルキルと芳香族有機金属化合物からアルキル基を有する芳香族化合物を製造する方法として、ニッケル触媒を用いた芳香族ホウ素化合物を第二級ハロゲン化アルキルと触媒的にクロスカップリング反応させるという方法も知られている、Zhou, J.; Fu, G.C. J. Am. Chem. Soc. 2004,126,1340-1341)。この方法によれば種々の第二級アルキル置換基を有する芳香族化合物が合成可能であるが、やはり毒性の高いニッケル触媒を用いねばならないなどの問題点は解決されていない。
【0012】
また、触媒として廉価であり、かつ低毒性の鉄触媒を用いた方法としてハロゲン化アリールあるいはハロゲン化アルケニル等の不飽和有機ハロゲン化物あるいはアリルリン酸エステル等の求電子剤と、芳香族あるいはアルキルマグネシウム試薬、亜鉛試薬、またはマンガン試薬とをクロスカップリング反応させるという方法が知られている。(Furstner, A.; Leiter, A. Angew. Chem., Int. Ed. 2002,41,609-612, Furstner, A.; Leiter, A.; Mendez, M.; Krause, H. J.Am.Chem.Soc. 2002,124,13856-13863, US 2003/0220498)。
この方法で第二級アルキルマグネシウム試薬とハロゲン化アリールから第二級アルキル置換基を有する芳香族化合物を合成することは可能である。しかしながら第二級アルキルマグネシウム試薬調整時にカルボニル基、シアノ基など多くの官能基が共存できないことに加えて、収率が50〜60%と低く、汎用の方法とはならない、また、この方法での反応条件下でハロゲン化アルキルと芳香族マグネシウム試薬を用いた場合、脱離反応等の副反応により、オレフィンの生成が優先し、目的生成物は低収率でしか生成しないという問題があった。
【0013】
また触媒量のN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を配位子として有する鉄錯体触媒を用いてハロゲン化アルキルと芳香族マグネシウム試薬とのカップリング反応を行う方法が知られている(Martin, R.; Furstner, A. A. Angew. Chem., Int. Ed. 2004,43,3955-3957) しかしながら、この方法によればハロゲン化アルキルとして塩化物、フッ化物を用いた場合には全く反応が進まないという問題があった。
【0014】
さらに触媒として三価の鉄アセチルアセトナートと錯体を用い、ジアミン配位子を使用せずに溶媒をテトラヒドロフラン(THF)からジエチルエーテルに変えた以外は上記と同様の方法でカップリング反応を行う方法も知られている。(Nagano, T.; Hayashi, T. Org. Lett. 2004, 6 ,1297-1299)。しかしながら、この方法においてもハロゲン化アルキルとして、塩化物、フッ化物を用いた場合には全く反応が進行しないという問題点が有った。のみならず、収率は一般に低く、実用的方法とはいえない。
このため、大量合成が可能であり、かつ安全性の高い方法で多種多様なシクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルエチルベンゼン等の芳香族化合物を高収率で得る方法が望まれていた。
【0015】
従来の製造方法は、下記の文献などに開示されている。
【非特許文献1】Angew. Chem., Int. Ed. 2004,43,3955-3957
【非特許文献2】Org. Lett. 2004, 6 ,1297-1299
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、上記した従来技術が有する課題を解消し、精製が可能で、転化率の高い、液晶化合物または液晶化合物の合成中間体として有用な芳香族化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ジアミン化合物および鉄触媒を用いることにより、下記式Iで示される脱離基を有する化合物と下記式IIで示される有機金属化合物から、高選択的かつ高収率で、下記式IIIで示される芳香族化合物を簡便に製造する方法を見いだし、本発明を完成した。また、本発明の製造方法による生成物は通常工業的に用いられる蒸留等の操作によって容易に単離精製が可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の長所は、精製が可能で、転化率の高い、液晶化合物または液晶化合物の合成中間体として有用な芳香族化合物の製造方法であることである。本発明の製造方法を用いることにより、液晶化合物または液晶化合物の合成原料として有用な芳香族化合物を簡便に、高選択的かつ高収率で製造することができる。本方法は通常用いられている方法と比較して副生成物が少ない点においても優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
すなわち、本発明は式Iで示される化合物と式IIで示される化合物との2種の化合物をジアミンおよび鉄塩触媒存在下に反応させることを特徴とする式IIIで示される芳香族化合物の製造方法である。
【0020】
本発明は、下記の項などである。
[1] 式Iで示される化合物と式IIで示される化合物との2種の化合物をジアミン化合物および鉄触媒存在下に反応させることを特徴とする式IIIで示される芳香族化合物の製造方法。

【0021】
(式中、環Aは独立して、1,4−フェニレン、一つ以上の−Hが−Fで置き換えられた1,4−フェニレン、一つ以上の−CH=が−N=で置き換えられた1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、一つまたは連続しない二つの−CH−が−O−または−S−で置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、または1,4−シクロヘキセニレンであり;Rは−Hまたは炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよく;Zは独立して、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Xはアリールスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシまたは1つ以上の−Hが−Fで置き換えられたアルキルスルホニルオキシであり;nは0〜3の整数であり、mは0または2であり;
MはLi、MgBr、MgCl、ZnBr、ZnCl、SnCl、またはSnBrであり;L、LおよびLは独立して−Hまたは−Fであり;Rは−H、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル、または式IIaで示される基であり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよい。)
【0022】


(式中、Gは単結合、−CHCH−、−CHO−または−OCH−であり;LおよびLは独立して−Hまたは−Fであり;Rは−H、ハロゲン、または炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよい。)
【0023】
[2] 式Iにおいて、環Aが独立して、モノフルオロ−1,4−フェニレン、ジフルオロ−1,4−フェニレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Rが−H、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルであり;Zが独立して単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;nは0〜2の整数であり;
式IIにおいて、L、LおよびLは独立してHまたはFであり;Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニル、または式IIaで示される基であり;
式IIaにおいて、Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルである、
項[1]記載の芳香族化合物の製造方法。
【0024】
[3] 式Iにおいて、環Aが1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Rが−H、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜16のアルケニルであり;Zが独立して単結合または−CHCH−であり;nは0または1であり;
式IIにおいて、MがLi、MgBr、MgCl、ZnBr、またはZnClであり;Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニル、または式IIaで示される基であり;
式IIaにおいて、Rが−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルである、
項[1]記載の芳香族化合物の製造方法。
【0025】
[4] 式Iにおいて、Xがメタンスルホニルオキシ、パラトルエンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシである項[1]〜[3]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0026】
[5] 鉄触媒が鉄塩または鉄錯体である項[1]〜[4]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0027】
[6] 鉄触媒が鉄塩である項[1]〜[4]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0028】
[7] ジアミン化合物がテトラアルキルエチレンジアミン、テトラアルキルプロピレンジアミン、テトラアルキルエチレンジアミンの金属塩錯体、およびテトラアルキルプロピレンジアミンの金属塩錯体から選ばれる1つ以上である項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0029】
[8] ジアミン化合物がテトラメチルエチレンジアミンおよび/またはその金属塩錯体である項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0030】
[9] ジアミン化合物がテトラメチルエチレンジアミンの金属塩錯体である項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【0031】
式IにおけるR、式IIにおけるR、および式IIaにおけるRは、−H、ハロゲンまたは炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよい。R、RおよびRのアルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、およびペンタデシル等の直鎖状アルキル、並びに2−メチルブチル、2−オクチル、および3,3−ジメチルノニル等の分岐アルキルが挙げられる。
【0032】
一つまたは連続しない二つ以上の−CH−が−CH=CH−および−O−で置き換えられてもよいアルキルの例としては、2−プロペニルオキシおよび2−ブテニルオキシ等のアルケニルオキシ、並びにビニルオキシメチルおよび3−ブテニルオキシメチル等のアルケニルオキシアルキルが挙げられる。一つ以上の−Hが−Fで置き換えられてもよいアルキルの例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,2−トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロプロピル、4,4,6,6−テトラフルオロブチルおよび3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクチル等のフルオロアルキルが挙げられる。
【0033】
一つ以上の−Hが−Fで置き換えられ、同時に、一つまたは連続しない二つ以上の−CH−が−O−で置き換えられてもよいアルキルの例としては、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシおよびパ−フルオロヘキシルオキシ等のフルオロアルコキシが挙げられる。一つ以上の−Hが−Fで置き換えられ、同時に、一つまたは連続しない二つ以上の−CH−が−CH=CH−で置き換えられてもよいアルキルの例としては、2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルおよび4,4−ジフルオロ−3−ブテニル等のフルオロアルケニルが挙げられる。
ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素が挙げられる。
【0034】
式IにおけるXは、ハロゲン、アリールスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシまたは1つ以上の−Hが−Fで置き換えられたアルキルスルホニルオキシである。Xがアリールスルホニルオキシの例としては、ベンゼンスルホニルオキシおよびパラトルエンスルホニルオキシ等が挙げられる。アルキルスルホニルオキシの例としては、メタンスルホニルオキシ等が挙げられる。1つ以上の−Hが−Fで置き換えられたアルキルスルホニルオキシの例としては、フルオロメタンスルホニルオキシ、ジフルオロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、フルオロエタンスルホニルオキシ、トリフルオロエタンスルホニルオキシ、パーフルオロエタンスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0035】
環A、としては1,4−フェニレン、2−フルオロー1,4−フェニレン、2、3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル等が挙げられる。
【0036】
本発明で用いる鉄触媒としては二価または三価のものが好ましい。二価の鉄塩としては、酢酸鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、フッ化鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、鉄フタロシアニン(II)、硫酸鉄(II)、硫化鉄(II)、等が好ましく、三価の鉄塩としては鉄、酢酸鉄(III)、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、フッ化鉄(III)、シュウ酸鉄(III)、鉄フタロシアニン(III)、硫酸鉄(III)、硫化鉄(III)、硝酸鉄(III)等が好ましい。
【0037】
鉄触媒が鉄錯体である場合には配位子としてはカルボニル、ハロゲン原子、シッフ塩基、ポリアミン、ジメチルホルムアミド等が好ましい。これら鉄錯体の具体例としては一価のカルボニル鉄錯体[FeCp(CO)2]2、二価の中性シッフ塩基錯体(2,6-Bis[1-(2,6-dialkylmethylphenylimino)ethyl]pyridine iron(II) chloride等)、三価のカチオン性テトラミン錯体、または三価のジメチルホルムアミド錯体等を使用することができる。本発明の鉄触媒は取り扱いが容易で入手が容易な点から鉄塩であることが好ましく、特にFeClであることが好ましい。本発明による芳香族化合物の製造方法においてはアミン化合物を添加剤として用いることができる。本発明においてアミン化合物を添加することにより、副生成物の発生を低減することができる。
【0038】
使用されるアミン化合物としては3置換アミン化合物、またはジアミン化合物等が用いられるが特に二座配位子として使用可能であることが好ましく、特にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン等の一分子中にアミノ基を二つ有する化合物がより好ましい。
【0039】
本発明においてアミン化合物の量は上記式IIで示される化合物1モルに対して0.5等量〜10等量の範囲で有れば、収率が良好な点で好ましく、より好ましくは1〜3等量の範囲であり、さらにより好ましくは1〜2等量の範囲である。
【0040】
また、本発明において、アミン化合物は適切な金属塩との錯体を用いてもよく、使用される金属塩としては、ハロゲン化遷移金属、またはハロゲン化典型元素であってもよく、好ましくはハロゲン化亜鉛、ハロゲン化銅、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化ニッケル等から選択される金属塩が挙げられる。さらにはこれら金属塩のうちハロゲンとしてヨウ素である化合物を使用するのが好ましく、特に好ましいのはヨウ化亜鉛である。これら金属塩の使用量はジアミンに対して0.5〜3等量の範囲であることが好ましく、反応を阻害しない点でほぼ1等量であることがより好ましい。
これら金属塩はジアミン化合物とあらかじめ混合して錯化させておくことも可能である。
【0041】
本発明において典型的には式IIで示される芳香族有機金属化合物と上述のアミン化合物またはアミン化合物と金属塩の混合物とを式Iで示される化合物と鉄触媒とを有する溶液に添加して攪拌する。あるいは式IIで示される芳香族有機金属化合物を式Iで示される化合物と鉄触媒とアミン化合物とを有する溶液に添加して攪拌する。
【0042】
また、これらの鉄触媒は四塩化チタン、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体等のルイス酸存在下に実施することも可能である。この場合のルイス酸の添加量は鉄塩に対して0.1〜200モル%の範囲であることが好ましく、反応収率がよい点で鉄塩に対し、3〜10モル%の範囲がより好ましい。
【0043】
また、これらの鉄触媒は塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等のリチウム塩と混合して用いてもよい。この場合のリチウム塩の添加量は鉄塩に対して10〜200モル%の範囲であることが好ましく、反応収率が良い点で鉄塩に対し等モル(100モル%)程度がより好ましい。
【0044】
本発明で用いる鉄触媒の添加量は本発明の効果を妨げなければ特に制限はされないが、式Iで示される化合物に対し0.5〜200モル%の範囲であることが好ましい。より好ましくは1〜100モル%の範囲であり、さらに好ましくは5〜50モル%の範囲であり、特に好ましくは10〜30モル%の範囲である。
【0045】
本発明の製造方法で用いられる反応溶媒は、反応自体を阻害しないものであればよい。ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等の炭化水素、トルエンおよびベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および三級ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、並びにジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノン等のアミド類等の一般的な溶媒から選択して、単独でまたは複数の溶媒を混合して用いることができる。特に式IIの有機金属試薬を調整する際に用いられた溶媒をそのまま用いることが、操作を簡便にする点で好ましい。
【0046】
本発明の反応は、適切な反応温度条件にて行われることが望ましい。すなわち、−78℃から使用される溶媒の沸点の間で行われることが、操作を簡便にする点で好ましい。反応速度と副生成物の生成量とのバランスを考慮すると、−20℃から50℃の間で反応が行われるのがより好ましい。本発明の反応は大気中でも行えるが、窒素およびアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
【0047】
いずれの場合も収率を高める観点から、添加はゆっくりと実施することが好ましい。滴下の速度は反応のスケールにも依存するが、例えば式Iで示される化合物の量が50mmol程度の場合には芳香族有機金属化合物式IIの溶液を1mmol/分程度の速度で加えることが、転化率を良好にする点で好ましく、式Iでされる化合物の量が1mmol程度の場合には芳香族有機金属化合物、式IIの溶液を0.06mmol/分程度で添加することが好ましい。
【0048】
本発明の製造方法では、通常の化学操作で用いられる方法により、反応終了後の反応系から生成物を単離することができる。たとえば、反応液に水を加えて未反応の式IIで示される有機金属試薬を失活させた後、有機溶媒で反応系から抽出することができる。反応生成物は必要に応じて再結晶、蒸留、シリカゲルクロマトグラフィー等の精製操作を単独またはこれらを組み合わせて行うことによって、より純度の高い状態にすることもできる。あるいは反応生成物を精製することなく官能基を変換し、より精製が容易な化合物に変換した後上述した精製操作を単独またはこれらを組み合わせて行うことにより望ましい化合物を得ることもできる。
【0049】
本発明の原料である式Iの化合物は、対応するアルコール誘導体から第四版・実験化学講座(社団法人日本化学会編・丸善出版社)等に記載された、一般的に知られた簡便な方法で合成できる。すなわち、Xがスルホニルオキシである化合物は、式I(X=OH)で示されるアルコールをトリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジンおよびジメチルアミノピリジン等のアミン系塩基存在下に置換スルホニルクロリドまたはスルホン酸無水物と反応させることによって高収率で合成される。
【0050】
本発明の原料である式Iおよび式IIの有機金属化合物は、対応する式II(M=ハロゲン)のハロゲン化物を一般的な手法に基づいて金属マグネシウム、金属リチウム等と反応させることによって調製される。あるいはこれらのハロゲン化物をアルキルリチウム等の溶液で処理することによって調製される。調製された有機金属化合物をさらに金属交換反応によって異種金属に変換することによっても調製される。式IIの試薬は調製後単離することなく、調製された溶液のまま次の反応に用いることが、操作を簡便にする点で好ましい。そのため、式IIの試薬の調製は、芳香族化合物の合成反応を阻害しない溶媒を用いて行うことが好ましい。すなわち、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタン等の炭化水素、トルエンおよびベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよび三級ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、並びにジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノン等のアミド類等の一般的な溶媒から選択して、単独でまたは複数の溶媒を混合して用いて、式IIの試薬を調製することが好ましい。
【実施例】
【0051】
実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中に記載の生成物のNMRスペクトルはVarian社製Mercury VX300MHzを用い、TMSを内部標準として測定して得られたδの値を示した。
【0052】
[実施例1]
4’−(4−フルオロフェニル)−4−ペンチルビシクロヘキシル(式IIIにおいて、R=n−C11、環A=シクロヘキシレン、Z=単結合、L=L=L=H、R=F、n=1、およびm=0)の合成

【0053】
ヨウ化亜鉛・テトラメチルエチレンジアミン錯体(326mg、0.75mmol)、ヨウ化リチウム(100mg、0.75mmol)をp−フルオロフェニルマグネシウムブロミド(1.03M,THF溶液、1.46ml、1.50mmol)に加え、0℃で20分間攪拌した。得られた懸濁液に4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル p−トルエンスルホネート(203mg、0.5mmol)を加え、塩化鉄(II)(0.1M,THF溶液、0.25ml、0.025mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を25℃、48時間攪拌し、さらに40℃で12時間攪拌した。反応終了後、溶液を飽和塩化アンモニウムにてクエンチしたのち、混合物をフロリジルパッドで濾過して減圧下に濃縮して、得られたものをシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、表題化合物(96mg、収率58%、トランス/シス=64/36)を得た。
【0054】
1H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.25-7.10 (m, 2H), 7.03-6.90 (m, 2H), 2.62 (quint, J = 6.9 Hz, 0.36H), 2.42 (tt, J = 12.3 Hz, 3.0 Hz, 0.64H), 2.05-0.75 (m, 30H).;
13C−NMR (75.5 MHz) δ 161.2 (d, J = 243 Hz, trans-isomer), 161.1 (d, J = 243 Hz, cis-isomer), 143.5 (d, J = 2.9 Hz, trans-isomer), 143.0 (d, J = 3.2 Hz, cis-isomer), 128.3 (d, J = 7.5 Hz, 2C, cis-isomer), 128.0 (d, J = 7.8 Hz, 2C, trans-isomer), 114.9 (d, J = 20.9 Hz, 2C, trans-isomer), 114.8 (d, J = 20.9 Hz, 2C, cis-isomer), 44.2 (s), 43.7 (s), 43.2 (s), 42.3 (s), 39.7 (s), 38.2 (s), 38.0 (s), 37.7 (s), 37.6 (s), 37.4 (s), 35.0 (s), 33.9 (s), 33.8 (s), 32.5 (s), 31.2 (s), 30.6 (s), 30.4 (s), 29.8 (s), 27.7 (s), 26.9 (s), 26.8 (s).
【0055】
本実施例と同様に下記の化合物も合成が可能である。
【0056】

【0057】

【0058】
本発明の製造方法を用いることにより、液晶化合物または液晶化合物の合成原料として有用な芳香族化合物を簡便に、高選択的かつ高収率で製造することができる。本方法は通常用いられている方法と比較して副生成物が少ない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示される化合物と式IIで示される化合物との2種の化合物をジアミン化合物および鉄触媒存在下に反応させることを特徴とする式IIIで示される芳香族化合物の製造方法。


(式中、環Aは独立して、1,4−フェニレン、一つ以上の−Hが−Fで置き換えられた1,4−フェニレン、一つ以上の−CH=が−N=で置き換えられた1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、一つまたは連続しない二つの−CH−が−O−または−S−で置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、または1,4−シクロヘキセニレンであり;Rは−Hまたは炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよく;Zは独立して、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Xはアリールスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシまたは1つ以上の−Hが−Fで置き換えられたアルキルスルホニルオキシであり;nは0〜3の整数であり、mは0または2であり;
MはLi、MgBr、MgCl、ZnBr、ZnCl、SnCl、またはSnBrであり;L、LおよびLは独立して−Hまたは−Fであり;Rは−H、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル、または式IIaで示される基であり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよい。)


(式中、Gは単結合、−CHCH−、−CHO−または−OCH−であり;LおよびLは独立して−Hまたは−Fであり;Rは−H、ハロゲン、または炭素数1〜15のアルキルであり、このアルキル中の一つまたは連続しない二つ以上の−CH−は−O−、−S−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、またこのアルキル中の一つ以上の−Hは−Fで置き換えられてもよい。)
【請求項2】
式Iにおいて、環Aが独立して、モノフルオロ−1,4−フェニレン、ジフルオロ−1,4−フェニレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Rが−H、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルであり;Zが独立して単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;nは0〜2の整数であり;
式IIにおいて、L、LおよびLは独立してHまたはFであり;Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニル、または式IIaで示される基であり;
式IIaにおいて、Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルである、
請求項1記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項3】
式Iにおいて、環Aが1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Rが−H、炭素数1〜15のアルキル、または炭素数1〜16のアルケニルであり;Zが独立して単結合または−CHCH−であり;nは0または1であり;
式IIにおいて、MがLi、MgBr、MgCl、ZnBr、またはZnClであり;Rは−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニル、または式IIaで示される基であり;
式IIaにおいて、Rが−H、−F、炭素数1〜15のアルキル、炭素数1〜14のアルコキシ、または炭素数1〜16のアルケニルである、
請求項1記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項4】
式Iにおいて、Xがメタンスルホニルオキシ、パラトルエンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシである請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項5】
鉄触媒が鉄塩または鉄錯体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項6】
鉄触媒が鉄塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項7】
ジアミン化合物がテトラアルキルエチレンジアミン、テトラアルキルプロピレンジアミン、テトラアルキルエチレンジアミンの金属塩錯体、およびテトラアルキルプロピレンジアミンの金属塩錯体から選ばれる1つ以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項8】
ジアミン化合物がテトラメチルエチレンジアミンおよび/またはその金属塩錯体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項9】
ジアミン化合物がテトラメチルエチレンジアミンの金属塩錯体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族化合物の製造方法。

【公開番号】特開2008−214199(P2008−214199A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49731(P2007−49731)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(596032100)チッソ石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】