説明

鉄道模型用走行装置

【課題】1つの台枠に少なくとも2つの車軸を配置し、軸間距離が長い場合でも小さい半径のカーブを走行可能な鉄道模型用走行装置を提供する。
【解決手段】1つの台枠に少なくとも2の車軸3a,4a,5aが軸支された鉄道模型用走行装置であって、台枠2の車軸5aを軸支する軸孔21e,22eを走行方向に長い長孔に形成し、車軸5aをカーブに応じて傾き可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道模型用走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大きな動輪径を有するC型、D型の蒸気機関車や旧型のF級大型電気機関車においては、線路の曲線区間を通過するときに動輪がレールに乗り上がる現象を抑えるため、機関車の先頭部をいち早く曲線方向に向かせるように最先端部(動輪の前方位置)に小さい径の車輪を配置して曲線区間を円滑に走行できるようになっている。
このような機関車の最先端部に位置する小径の車輪は、動輪を先導するという意味から先輪又は先導輪と称し、1軸又は2軸の先輪を支持する台車を先台車と称している。先輪は、上記作用の他機関車の総重量の適正な配分を行う役割も担っている。また、機関車によっては動輪の後に先輪と同様の小径の車輪(従輪と称する)を備えた1軸又は2軸の従台車を配置したものもある。この従輪も機関車の総重量の適正な配分を行う役割も担っている。そして、模型機関車も出来るだけ実機に近い構造としている。
【0003】
ところで、鉄道模型の線路のレイアウトは一般にエンドレスに構成されており、必ず半円状の曲線区間が含まれている。更に、レイアウトに応じて半円よりも小さい曲線区間やS字状の曲線区間(以下単に「カーブ」という)も含まれている。従って、上述したような大型の模型機関車でもこれらの種々のカーブを円滑に走行し得ることが必要とされている。特に、軌間が9mmの所謂Nゲージは小さい半径のカーブを出来る限り円滑に走行することが要求される。
【0004】
そこで、1軸の先台車の場合は首振り可能に支持し、2軸の先台車又は従台車の場合は回動可能に支持している。或いは、台車の枠(以下「台枠」という)の幅を狭くして車軸を走行方向に対して横方向に摺動(以下「横動」という)させるようにしたり、場合によっては外観を犠牲にして車輪のフランジを無くしたりして小さい半径のカーブを走行可能とする工夫がなされている。
【0005】
小さい半径のカーブを走行可能な走行装置として、少なくとも2軸の台車であって、前後の車輪の各車軸を支持する左右の台車フレームと、L形をなし、水平部が車体フレームの下面に当接して支持すると共に水平面内で回動可能に取り付けられ、垂直部が軸、ねじにより夫々台車フレームの各上部中央を垂直面内で揺動可能に軸支する左右の回動支持部材とからなる構成とし、小さい半径のカーブを良好に走行可能とすると共にレールの状態が悪い場合でも車輪がレール面から浮き上がることを防止するようにした台車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
或いは台車間距離が長く、ボディ裾部がスカート状に台車上面に被っている鉄道模型車両において、台車外枠を台車に着脱自在とし、又は台車外枠を台車に回転スライド自在として、台車とボディ裾部との干渉を解消し、小半径の急カーブを通過自在とした車両が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−325674号公報(3−5頁、図3)
【特許文献2】特開2004−147743号公報(4−5頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、機関車の構造によっては先輪や従輪の車軸の横動だけでは小さい半径のカーブを走行することができずに脱輪してしまうものがある。また、構造上先台車や従台車を回動させたり、先輪や従輪のフランジを無くしたりすることができない場合もある。
例えば、軸配置が「1B1」或いは「B1」等のリヤータンク式蒸気機関車において、1つの先輪の車軸と2つの動輪の車軸と1つの従輪の車軸を1つの主台枠に配置せざるを得ない場合(軸配置1B1)、或いは2つの動輪の車軸と1つの従輪の車軸を1つの主台枠に配置せざるを得ない場合(軸配置B1)であって、かつ先輪の車軸から従輪の車軸までの軸間距離が長い場合、或いは動輪の車軸から従輪の車軸までの軸間距離が長い場合である。
【0008】
このような構造の機関車においては、先輪や従輪の台枠を動輪の主台枠と分けて配置することが出来ない。特に、蒸気機関車においては複数の動輪を連結する連結棒や、シリンダと主動輪とを連結するクロスヘッド及び主連棒等が取り付けられており、且つこれら複数の動輪が一体的に動くために動輪の車軸を横動させることが出来ない。このため先輪や従輪の車軸を横動させるだけでは小さい半径のカーブに対応することができない。また、先輪や従輪のフランジをなくすることは機能的にも外観的にも好ましく無い。
【0009】
また、特許文献1及び特許文献2に記載されている台車は、何れも2軸の台車で、且つボギー台車として使用されるものであり、上述したような1つの主台枠であって軸配置が「1B1」、「B1」等のリヤータンク式蒸気機関車の走行装置には適用することはできない。
一方、上述した軸配置が[B1]の実機の蒸気機関車は、小さい半径のカーブが多い森林鉄道等において現在でも使用されており、これに応じて模型の蒸気機関車においても出来る限り小さい半径のカーブ(好ましくはR150mm以下)を走行可能であることが要望されている。
【0010】
しかしながら、上述したような軸配置が「1B1」や[B1]等のリヤータンク式蒸気機関車に対して小型のNゲージにおいては有効な手段が見出せないのが現状である。このため、線路のレイアウトはどうしても大きな半径のカーブとせざるを得ずリアル性に乏しくなる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、1つの台枠に少なくとも2つの車軸を配置し、軸間距離が長い場合でも小さい半径のカーブを走行可能な鉄道模型用走行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係る鉄道模型用走行装置は、
1つの台枠に少なくとも2つの車軸が軸支された鉄道模型用走行装置であって、
前記台枠の前記車軸を軸支する軸孔を走行方向に長い長孔に形成し、前記車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴としている。
1つの台枠に少なくとも2つの車軸を配置し、この台枠の軸孔を車両の走行方向に長い長孔とすることにより、カーブを走行する際に走行方向に対してカーブに応じて車軸を傾かせることができる。これにより、1つの台枠に軸間距離が長い車軸を配置した構造の走行装置においても小さい半径のカーブを走行することが可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る鉄道模型用走行装置は、請求項1に記載の鉄道模型用走行装置において、
前記台枠は前記車軸を走行方向に対して横方向に摺動可能に軸支することを特徴としている。
車軸を走行方向に対して横方向に摺動(横動)可能とし、カーブを走行する際にカーブに応じて内側に車輪を横動させ、更に車軸を走行方向に対してカーブに応じて傾かせる。これにより、走行装置はより小さい半径のカーブを走行することが可能となる。
【0013】
また、本発明の請求項3に係る鉄道模型用走行装置は、請求項1又は請求項2に記載の鉄道模型用走行装置において、
前記台枠は複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸が配置され、前記従輪の車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴としている。
1つの台枠に複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸を配置した場合、動輪の車軸と従輪の車軸との間の軸間距離が長くなる。走行装置は、カーブを走行する際に従輪の車軸が走行方向に対してカーブに応じて傾くと共に横方向にカーブの内側に摺動(横動)する。これにより、走行装置は小さい半径のカーブを走行することが可能となる。特に、複数の動輪が連結された蒸気機関車の走行装置に適用することにより、小さい半径のカーブを円滑に走行することが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項4に係る鉄道模型用走行装置は、請求項1又は請求項2に記載の鉄道模型用走行装置において、
前記台枠は1つの先輪の車軸と複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸が配置され、前記先輪の車軸及び/又は従輪の車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴としている。
【0015】
1つの台枠に1つの先輪の車軸と複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸を配置した場合、構造上先輪の車軸と従輪の車軸との間の軸間距離が長くなる。そこで、カーブを走行する際に先輪の車軸と従輪の車軸の両方、又は何れか一方の車軸を走行方向に対してカーブに応じて傾かせる。更に、先輪の車軸及び/又は従輪の車軸を台枠に対して横方向に摺動(横動)させて前輪及び/又は従輪をカーブに応じて当該カーブの内側に摺動させる。従って、先輪の車軸と従輪の車軸との軸間距離が長い軸配置が「1C1」、「1B1」等の構造の蒸気機関車、或いは動輪の車軸と従輪の車軸との軸間距離が長い軸配置が「B1」の構造の蒸気機関車の走行装置に適用することにより、小さいカーブを良好に走行させることが可能となる。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る鉄道模型用走行装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の鉄道模型用走行装置において、前記車軸は駆動軸であることを特徴としている。
駆動軸に固定される車輪は駆動輪であり、駆動軸を走行方向に対してカーブに応じて傾かせることにより、駆動輪をカーブに応じて傾けさせることができる。これにより、走行装置は駆動力を有して小さい半径をより円滑に走行することが可能となる。
【0017】
また、本発明の請求項6に係る鉄道模型用走行装置は、請求項3又は請求項4に記載の鉄道模型用走行装置において、前記複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸にそれぞれ駆動力が付与されることを特徴としている。
走行装置は、複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸にそれぞれ駆動力を付与して動輪と従輪を駆動輪とすることにより、駆動力が増大し、これに伴い牽引力が増大する。特に、構造上機関車の総重量が偏り、動輪側に加わる重量(荷重)が従輪側に加わる重量(荷重)に比べて小さい(軽い)場合、従輪の駆動力により動輪の空転を防止することが可能である。更に、走行装置は、従輪の駆動軸を走行方向に対してカーブに応じて傾けて走行可能とすることにより、大きな牽引力で小さい半径のカーブを走行することが可能である。そして、これに伴い線路のレイアウトの自由度が大きくなり、複雑なレイアウトを構成がすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、1つの台枠に少なくとも2つの車軸が軸支された台枠の前記車軸を軸支する軸孔を走行方向に長い長孔に形成して前記車軸をカーブに応じて傾き可能としたことにより、カーブを走行する際に走行方向に対してカーブに応じて車軸を傾かせることができ、軸間距離が長い台枠の走行装置においても小さい半径のカーブを走行することが可能となる。そして、これに伴い線路のレイアウトの自由度が大きくなり、複雑なレイアウトを構成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る鉄道模型用走行装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係わる走行装置を適用したNゲージの蒸気機関車の概略を示す側面図である。蒸気機関車1は、例えば周知のボールドウィン「B1」リヤータンク式の小型の蒸気機関車で、主台枠2と、主台枠2に軸支された大径の2つの動輪3,4及び小径の1つの従輪5と、主台枠2の先端部に配置されたシリンダブロック6、主台枠2上に配置されたボイラ7、運転室(キャブ)8、リヤータンク9等により構成されている。以下、動輪3を第1動輪3、動輪4を第2動輪4と称する。
【0020】
尚、図1において第1動輪3と第2動輪4とを連結する連結棒、シリンダブロック6と第2動輪4とを連結するクロスヘッド及び主連棒等は、図面の煩雑を避けるために省略してある。
このタイプの蒸気機関車1は、ボイラ7の径が細く且つ短く、煙突10及び蒸気ドーム11がボイラ7に比して大きく、運転室8及びリヤータンク9もボイラ7の径に比して幅広で大きい形状をなしている。そして、ボイラ7と運転室8とリヤータンク9は一体的に構成されている。
【0021】
そして、シリンダブロック6及び第1動輪3と第2動輪4の上方位置にボイラ7が配置され、第2動輪4と従輪5との間に運転室8が配置され、従輪5の上方位置から後側にリヤータンク9が配置されている。そして、運転室8とリヤータンク9内の従輪5の上方位置に駆動用のモータ15が配置されている。
模型蒸気機関車においては、機関車の総重量の適正な配分を行うために一般に運転室からボイラ内にかけて駆動用のモータを搭載して動輪を駆動する構成とされている。しかしながら、図1に示す蒸気機関車1は、ボイラ7の径が細いために運転室8からボイラ7内にかけて駆動用のモータを配置することができない。このため、運転室8とリヤータンク9内に駆動用のモータ15を搭載している。
【0022】
また、第1動輪3と第2動輪4との軸間距離L1が約13mm、第2動輪4と従輪5との軸間距離L2が約21mmであり、第1動輪3と従輪5との軸間距離L(=L1+L2)が約34mmとなる。即ち、第1動輪3と従輪5との軸間距離L(固定軸間距離L)が長い。更に、第2動輪4と従輪5との軸間距離L2が第1動輪3と第2動輪4との軸間距離L1よりも長い構造となっている。
【0023】
図2は、図1に示す蒸気機関車1の主台枠2の分解斜視図を示す。主台枠2は、左右2枚の板台枠21,22と床板23とにより構成されている。これらの板台枠21,22,床板23は、導電性を有し且つ強度を有すると共にハンダ付けが可能な金属板例えば真鍮板により形成されている。左側の板台枠21は、前後両端部の上部21a,21bが右側の板台枠22側に水平に略L字形状に折曲されて右側の板台枠22、床板23の取付部とされている。そして、板台枠21の前後両端部の上部21a,21bの側部に右側の板台枠22の前後両端の上部が夫々絶縁ブッシュ25及び絶縁ワッシャ26を介してねじ27により電気的に絶縁されて固定される。
【0024】
また、床板23は、板台枠21の後端部の上部21b上に位置決め載置されてハンダ付けにより固定される。床板23は、板台枠21と電気的に導通して固定され、且つ板台枠22と電気的に絶縁される。そして、床板23の前側中央位置に形成されたモータ収容箱23a内に駆動用のモータ15が水平に且つ回転軸15aが前方に所定の長さ突出して収容され、回転軸15aの先端部に駆動用のウォーム16が固定される。
【0025】
駆動用のモータ15は、一方の端子が図示しないリード線を介して板台枠21又は床板23にハンダ付けされて電気的に接続され、他方の端子が図示しないリード線を介して板台枠22にハンダ付けされて電気的に接続される。そして、この床板23上に図1に示すように駆動用のモータ15を収容するように運転室8とリヤータンク9が載置され、ウォーム16が運転室8の前部に位置する。
【0026】
図2に示すように左右の板台枠21,22の略中央部から前側位置に第1動輪3、第2動輪4の車軸3a,4aを回転自在に軸支する軸孔21c,21d,22c,22dが形成されており、後端部近傍位置に従輪5の車軸5aを回転自在に軸支する軸孔21e,22eが形成されている。そして、軸孔21c,21d,22c,22dは、図3に示すように車軸3a,4aと同様の円形(真円)に形成されている。左右の第1動輪3、第2動輪4の車軸3a,4aは、その外周面が軸孔21c,21d,22c,22dの内周面に摺接しながら回転して左右のレールからこれら左右の車軸3a,4aを介して板台枠21,22に集電可能とされている。
【0027】
一方、従輪5の軸孔21eは、図3に示すように第2動輪4の車軸4aと従輪5の車軸5aとの前記軸間距離L2(図1参照)における斜線で示す真円の車軸5aに対して走行方向(前後方向)に沿って矢印Aで示す後側又は矢印A’で示す前側に夫々僅かに長い長孔とされている。即ち、軸孔21eは、斜線で示す真円の軸孔5aの中心位置に対して走行方向の後側に距離δ1ずれた位置(L2+δ1)、及び走行方向の前側に距離δ2ずれた位置(L2−δ2)にそれぞれ中心位置を有する長孔とされている。軸孔22eについても同様である。これにより、後述するように従輪5の車軸5aが走行方向に対してカーブに応じて傾くことが可能となる。尚、距離δ1,δ2については後述する。
【0028】
そして、左右の従輪5の車軸5aは、外周面が軸孔21e,22eの内周面の後側又は前側の略半円周部分に摺接しながら回転可能とされている。即ち、従輪5の車軸5aは、車両の前進時(図3の矢印A’方向)に外周面が軸孔21e,22eの後側の略半円形状の内周面に摺接して回転し、車両の後進時(図3の矢印A方向)に外周面が軸孔21e,22eの前側の略半円形状の内周面に摺接して回転する。そして、第1動輪3、第2動輪4と同様に左右のレールから左右の車軸5aを介して板台枠21,22に集電可能とされている。
【0029】
図2に示すように第1動輪3の車軸3aは、円筒形状をなしており、中央部分で左右に分割されている。そして、中央部にギヤ31が挟持されて取り付けられる。ギヤ31は、左右両側面の中心位置に一体に形成された回転軸31aが左右の第1動輪3の車軸3aに圧入される。ギヤ31は、プラスチックス等の絶縁性を有する合成樹脂部材により形成されており、左右の第1動輪3は、当該ギヤ31により電気的に完全に絶縁され且つ機械的に一体に固定される。
【0030】
左右の第1動輪3は、車軸3aを板台枠21,22の軸孔21c、22cに外側から挿通し、更に車軸スペーサ30を挿通し、円筒状の車軸3a内にギヤ31の両側の回転軸31aを圧入させてギヤ31に一体に固定する。そして、第1動輪3は、板台枠21,22の軸孔21c,22cに回転自在に軸支される。また、第1動輪3は、ギヤ31の両側の車軸3aに車軸スペーサ30が介在されていることにより左右方向(横方向)の移動(横動)が規制される。
【0031】
第2動輪4、及び従輪5も第1動輪3と同様に中央部分で左右に分割されており、図4に示すように中央部にギヤ31と同様に絶縁性を有するギヤ32,33が取り付けられて左右の第2動輪4、及び従輪5が電気的絶縁され且つ機械的に一体に固定される。また、第2動輪4のギヤ32の両側の車軸4aにも前記車軸スペーサ30と同様の車軸スペーサが装着され、第1動輪3と同様に第2動輪の横方向の移動が規制される。尚、従輪5のギヤ33の両側の車軸5aには前記車軸スペーサが取り付けられていない。これにより、左右のレールから左右の第1動輪3、第2動輪4及び従輪5から左右の板台枠21,22に集電可能とされる。尚、以後ギヤ31,32,33を軸ギヤ31,32,33と称する。
【0032】
左側の板台枠21には図3に示すように軸孔21c,21d,21e間の所定の位置に駆動用のモータ15の駆動力を第1動輪3、第2動輪4、及び従輪5の軸ギヤ31,32,33に伝達するためのギヤを回転自在に軸支する軸孔21f〜21j、21k,21m,21nが設けられている。そして、図2に示すように軸孔21fにウォームギヤ(ウォームホイール)34とギヤ35がシム51、カラー52、大ギヤ軸53を介してねじ61により回転自在に軸支される。ウォームギヤ34とギヤ35は一体に形成され、且つギヤ35はウォームギヤ34よりも小径とされている。そして、ウォームギヤ34が前記ウォーム16と噛合する。尚、ウォームギヤ34と一体に形成されたギヤ35を以後駆動ギヤ35と称する。
【0033】
図2乃至図4に示すように軸孔21gには駆動ギヤ35と第2動輪4の軸ギヤ32とに噛合するギヤ36がシム51、小ギヤ軸54、ねじ62を介して回転自在に軸支される。軸孔21h,21i,21jにはシム55、小ギヤ軸54と同様の図示しない小ギヤ軸、ねじ62を介してギヤ37,38,39が回転自在に軸支される。ギヤ37は第2動輪4の軸ギヤ32と噛合し、ギヤ38はギヤ37と噛合し、ギヤ39はギヤ38と第1動輪3の軸ギヤ31とに噛合する。これにより、駆動ギヤ35の駆動力が第2動輪4及び第1動輪3に伝達される。
【0034】
また、軸孔21k,21m,21nには前記ギヤ36〜38と同様に図示しないシム、小ギヤ軸54と同様の小ギヤ軸及びねじを介して図4に示すようにギヤ41,42,43が回転自在に軸支されている。ギヤ41は駆動ギヤ35と噛合し、ギヤ42はギヤ41と噛合し、ギヤ43はギヤ41と従輪5の軸ギヤ33と噛合する。これにより駆動ギヤ35の駆動力が従輪5に伝達される。そして、従輪5が第1動輪3、第2動輪4と共に駆動輪として機能する。
【0035】
尚、駆動ギヤ35から第2動輪4、第1動輪3に駆動力を伝達するギヤ(アイドルギヤ)36、37,38,39を第1ギヤ列40と称し、駆動ギヤ35から従輪5に駆動力を伝達するギヤ(アイドルギヤ)41,42,43を第2ギヤ列44と称する。そして、1つの駆動ギヤ35により全輪、即ち第1のギヤ列40を介して第1動輪3と第2動輪4を、第2のギヤ列44を介して従輪5を駆動する。また、図2において図面の煩雑を避けるために軸ギヤ32,33、第1ギヤ列40のギヤ37〜39、第2ギヤ列44のギヤ41〜43を省略してある。
【0036】
そして、第1ギヤ列40のギヤ36,37,38,39、及び第2ギヤ列44のギヤ41,42,43を左側(一側)の板台枠21に片持で支持し、右側(他側)の板台枠22と離隔させてこれら左右の板台枠21と22とを電気的に完全に絶縁している。
尚、第1ギヤ列40において軸ギヤ32と軸ギヤ31を3個の小さいギヤ37〜39により連結しており、第2ギヤ列44の駆動ギヤ35と従輪5の軸ギヤ33とを3個の小さいギヤ41〜43により連結しているが、それぞれ1個のギヤで連結するようにしても良い。しかしながら、1個のギヤを使用する場合にはギヤ径が大きくなり、第1ギヤ列40に適用した場合にはボイラ7と干渉する虞がある。また、第2のギヤ列44に適用した場合、床板23や駆動用のモータ15等に干渉してしまう。従って、何れのギヤ列においてもアイドルギヤを1個にすることは実質的に困難である。
【0037】
また、軸ギヤ31〜33は同じサイズのギヤを使用しており、第1ギヤ列40のギヤ36〜39と第2ギヤ列44のギヤ41〜43も同じサイズのギヤを使用している。尚、軸ギヤ31〜33とギヤ36〜39、41〜43のサイズは異なっている。これにより、使用するギヤの種類を少なくすることができ、部品の管理が容易となる。
ところで、軌間9mmのNゲージの模型車両においては左右の車輪の内法が約7.5mmとされている。因みに本発明において左右の板台枠21,22からなる主台枠2は、外法が約5.5mm、内法が約4.5mmに設定されている。また、軸ギヤ31〜33の長さが約2mmとされており、第1動輪3、第2動輪4の軸ギヤ31,32の左右両側に装着する車軸スペーサ30の幅が約1.0mmとされている。従って、第1動輪3及び第2動輪4は、横動が約0.5mm程度に規制されている。
【0038】
第1動輪3と第2動輪4の横動が規制されている理由は、蒸気機関車1は、前述したように第1動輪3と第2動輪4とが図示しない連結棒で連結されており、更にシリンダブロック6と第2動輪4とが図示しないクロスヘッド及び主連棒により連結されており、第1動輪3と第2動輪4が一体的に挙動するためである。
一方、従輪5にはこのような規制がなく車軸スペーサの幅分(約2mm)だけ左右に横動可能である。更に、本発明では前述したように従輪5の軸孔21e,22eを走行方向に僅かに長い長孔とし、第1動輪3との軸間距離L(=L1+L2)が長い従輪5の車軸5aを走行方向に対してカーブに応じて傾き(傾動)可能としている。即ち、従輪5の車軸5aを横動可能且つ走行方向に対してカーブに応じて傾き可能として第1動輪3からの軸間距離の長い従輪5が脱輪することなくより小さい半径のカーブを走行可能としたものである。
【0039】
そして、従輪5を駆動輪として円滑に回転させるためには、車軸5aが左右に最大位置まで横動した位置、即ち軸ギヤ33の左右の側面が対向する左右の板台枠21又は22の内面と当接する位置においても軸ギヤ33がギヤ43と噛合することが必要不可欠である。更に、車軸5aが走行方向に対して前後方向に最大に傾斜した状態においてもギヤ43と軸ギヤ33との噛合が確保され、且つ深く噛み込み過ぎずに円滑に噛合することが必要不可欠である。
【0040】
図2及び図5に示すようにウォーム16と噛合するウォームギヤ34は主台枠2の略中心線上に位置しており、駆動ギヤ35は主台枠2の中心線から板台枠21側にウォームギヤ34の板厚分ずれて配置されている。また、従輪5の軸ギヤ33は主台枠2の中心線上に位置している。
そこで、図5に示すように駆動ギヤ35と噛合するギヤ41と噛合するギヤ42を主台枠2の中心線寄りに少しずらし、更にギヤ42と噛合するギヤ43を中心線寄りに少しずらして主台枠2の中心線上に位置するようにしている。これにより、図5に示すように従輪5の軸ギヤ33が主台枠2の中心線上に位置する状態、即ち直線走行する状態においてギヤ43が軸ギヤ33の中央部分で噛合することとなり、左右の従輪5に略均等な駆動力を伝達することが可能となる。
【0041】
この場合、ギヤ43を幅広にする(厚くする)ことも可能であるが、ギヤ43を余り幅広くすると後述するように車軸5aが走行方向に対して傾いたときにギヤ43に近づいた側の軸ギヤ33との噛み込みが深くなり硬くなる虞がある。また、ギヤ43を余り幅狭にする(薄くする)と車軸5aが横移動したとき或いは走行方向に対して傾いたときにギヤ43から遠ざかる側の軸ギヤ33との噛合が確保されなくなる虞がある。従って、ギヤ43の幅(厚さ)は、軸ギヤ33の略半分程度の幅(厚さ)としている。
【0042】
前述したように従輪5の車軸5aの軸孔21eを図3に斜線で示す真円の軸孔の中心位置に対して中心軸が後側方向、前側方向にそれぞれ距離δ1,δ2だけずれた長孔としている。この距離δ1,δ2は、左右の車軸5aが軸孔21e,22e内を矢印Aで示す後方に最大位置まで移動した位置(前進走行時)において1点鎖線で示す軸ギヤ33’とギヤ43との噛み合いが外れることなく確保され、且つ軸孔21e,22e内を矢印A’で示す前方に最大位置まで移動した位置(後進走行時)において2点鎖線示す軸ギヤ33”とギヤ43との噛み合いが硬くならず円滑にかみ合うように設定されている。この距離δ1,δ2は、軸ギヤ33及びギヤ43の歯高に応じて最適な値に設定すれば良く、本実施の形態ではδ1,δ2を約0.5mmに設定している。
【0043】
従って、従輪5の車軸5aは、走行方向に対して前後方向に最大に傾斜した場合、例えば左側の車軸5aの外周面が左側の板台枠21の軸孔21eの前側の半円形状の内周面に摺接し、右側の車軸5aの外周面が板台枠22の軸孔22eの後側の半円形状の内周面に摺接した状態において前後方向に約1mm傾斜することとなる。前述したように左右の従輪の内法は約7.5mmであるから車軸5aの内法も約7.5mmであり、従って、当該車軸5aが前後に1mm傾斜した場合、傾斜角が約7.5°となる。
【0044】
従って、図1に示すように第1動輪3と従輪5の軸間距離L(=L1+L2)が約34mm、第2動輪4と従輪5との軸間距離L2が約21mmと長い場合、従輪5の車軸5aが走行方向に対して横方向に最大約2mm移動し、且つ走行方向に対して最大約7.5°傾くことはカーブの走行に対して極めて有効である。これにより、主台枠2は、小さい半径のカーブを走行可能となる。
【0045】
一方、前述したように第1動輪3、第2動輪4は横動が殆ど無く、従って、軸ギヤ31,32が主台枠2の中心線上に配置され、第1のギヤ列40のギヤ36〜39が中心線から板台枠21側にずれた位置に配置されていても噛合が確保されれば特に問題は無い。即ち、図5に2点鎖線で示すように駆動ギヤ35と噛合するギヤ36と同じように板台枠21側に寄せてギヤ37〜39を配置しても良い。このようにして主台枠2が構成されている。
【0046】
ところで、従輪5は必ずしも駆動輪とする必要は無い。しかしながら、特に本実施の形態に適用した図1に示すような構造の蒸気機関車1は、ボイラ7が細く短いために軽量であり、煙突10、蒸気ドーム11が大きく多少重くても運転室8よりも前側(ボイラ7側)は軽量である。一方、運転室8及びリヤータンク9は、ボイラ7の径に比して幅広で且つ大きい形状をなし、図2に示すように主台枠2の後端部に後方に延出するように配置された大きい床板23の上に配置されている。更に、運転室8とリヤータンク9内の床板23に駆動用のモータ15が配置される。このため、運転室8とリヤータンク9側がボイラ7側に比べて重くなる。
【0047】
そして、図1に示すようにシリンダブロック6及び第1動輪3と第2動輪4の上方位置、即ち主台枠2の略中央位置から前側にボイラ7が配置され、主台枠2の略中央位置から後側の第2動輪4と従輪5との間に運転室8が配置され、従輪5の上方位置から主台枠2の後方に延出した床板23の後部までリヤータンク9が配置され、更に運転室8とリヤータンク9内の従輪5の上方位置に駆動用のモータ15が配置されている。
【0048】
このため、蒸気機関車1の総重量(荷重)の重量配分が偏り、主台枠2の前端部に多少重いシリンダブロック6が取り付けられていても主台枠2に加わる重量(荷重)は、前側よりも後側が重くなる。この結果、第1動輪3、第2動輪4に加わる重量(荷重)が小さく前進時において第1動輪3、第2動輪4が空転し易くなる。そして、これに伴い牽引力が大幅に低下する。そこで、本発明では上述したように従輪5を駆動輪として前進時における第1動輪3、第2動輪4の空転を防止すると共に牽引力を大幅に増大させるようにしている。
【0049】
以下に主台枠2における従輪5の挙動について図6により説明する。尚、図6はレールを省略して描いてある。図1に示す蒸気機関車1が直線レールを前進する場合、従輪5の軸ギヤ33は、図6(a)に示すように従輪5の軸ギヤ33が主台枠2の略中央に位置し、左右の車軸5aの外周面が左右の板台枠21,22の軸孔21e,2eの後側の半円形状の内周面に摺接する。そして、軸ギヤ33は、図3の1点鎖線33’で示す位置まで後退するが、駆動用のギヤ43との噛合が確保される。これにより、後輪5が駆動輪として作動する。
【0050】
蒸気機関車1が比較的大きい半径のカーブ(例えば、R240mm程度)を走行する場合には、図6(b)に示すように従輪5の車軸5aがカーブの内側方向に横動する。このときも軸ギヤ33と駆動用のギヤ43との噛合が確保される。このように、比較的大きなカーブを走行する場合には従輪5の横動により走行可能である。
次に、蒸気機関車1が小さい半径のカーブ(例えば、R150mm〜R120mm程度)を走行する場合には、図6(c)に示すように従輪5の車軸5aがカーブの内側方向に最大位置まで横動すると共に、フランジ5bが図示しないレールの内側面に摺接して走行方向に対してカーブに応じて前後方向に傾斜する。このように、駆動力を有する従輪5の車軸5aが横動し且つカーブに応じて傾くことにより、非常に小さい半径のカーブを走行することが可能となる。このときも軸ギヤ33とギヤ43との噛合が円滑に確保される。
【0051】
尚、上記実施の形態では軸孔21e,22eを、真円に対して後側に距離δ1、前側にδ2だけ長い長孔としたが、これに限るものではなく、前側の距離δ2を0とし、後側の距離δ1を前側の距離δ2だけ長くしてもよく、或いは後側の距離δ1を0とし、前側の距離δ2を後側の距離δ1だけ長くしてもよい。要は軸孔21e,22eを走行方向に長い長孔として従輪5の車軸5aをカーブに応じて傾くようにすればよい。
【0052】
そして、上記何れの場合においても左右の車軸5aが軸孔21e,22e内を後側に最大位置まで移動した位置(前進走行時)において軸ギヤ33とギヤ43との噛み合いが外れることなく確保され、軸孔21e,22e内を前側に最大位置まで移動した位置(後進走行時)において軸ギヤ33とギヤ43が円滑にかみ合い、且つ車軸5aが傾斜した状態においても軸ギヤ33とギヤ43が円滑にかみ合うように設定することは勿論である。
【0053】
更に、上記実施の形態では車軸を走行方向に対してカーブに応じて傾斜させるという本願発明の技術思想を、1つの主台枠に2つの動輪と1つの従輪が配置される軸配置が「B1」の蒸気機関車の従輪に適用した場合について記述したが、これに限るものではなく、軸配置が「1B1」、「1C1」で構造上1つの主台枠に配置される先輪や従輪の車軸に適用することも可能である。また、1軸台車や2軸台車の車軸にも適用することが可能である。
【0054】
更に、旧型のF級大型電気機関車、即ちデッキが主台枠に一体に形成された第1、第2の主台枠を有し、各主台枠に3つの動輪が配置された軸配置「2CCC−CCC2」、又は「1CCC−CCC1」の車軸にも適用することが可能である。電気機関車は蒸気機関車と異なり動輪間を連結する連結棒が無ため特定の動輪、例えば第1の主台枠に配置された第1動輪〜第3動輪の車軸のうち第1動輪の車軸からの軸間距離が長い第3動輪の車軸、及び第2の主台枠に配置された第4動輪〜第6動輪の車軸うち第6動輪の車軸からの軸間距離が長い第4動輪の車軸に適用しても良い。
【0055】
或いは、第1動輪〜第6動輪の各車軸に適用しても良い。更に、第1、第2の主台枠のデッキの下に配置される先台車や従台車の車軸に適用しても良い。主台枠の外側には軸箱や砂箱やブレーキ装置等が配置されて込み入った構造の外枠が取り付けられるために車軸が僅かにずれても外観上殆ど問題無い。このようにすることにより、デッキが主台枠に一体に形成された旧型のF級大型電気機関車でも小さい半径のカーブやSカーブを良好に走行することが可能である。
【0056】
以上説明したように本発明によれば、1つの台枠に少なくとも2つの車軸を配置し、この車軸の軸孔を車両の走行方向に長い長孔として走行方向に対して傾き可能とすることにより、カーブを走行する際にカーブに応じて車軸を傾かせることができ、軸間距離が長い台枠を有する走行装置においても小さい半径のカーブを走行することが可能となる。
また、車軸を走行方向に対して横方向に摺動可能とてカーブを走行する際にカーブの内側に車輪を移動させ、更に走行方向に対してカーブに応じて傾かせることにより、走行装置をより小さい半径のカーブを走行させることが可能となる。
【0057】
また、カーブを走行する際に従輪の車軸を走行方向に対してカーブに応じて傾かせると共に、車軸を横動させて従輪をカーブの内側寄りに移動させることにより、走行装置をより小さい半径のカーブを走行させることが可能となる。
また、1つの台枠に1つの先輪の車軸と複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸を配置した台枠において、カーブを走行する際に先輪の車軸と従輪の車軸の両方、又は何れか一方の車軸を走行方向に対してカーブに応じて傾かせ、更に、先輪の車軸及び/又は従輪の車軸を横動させて前輪及び/又は従輪をカーブの内側寄りに移動させことにより、先輪の車軸と従輪の車軸との軸間距離が長い構造の走行装置においても小さいカーブを走行することが可能となる。
【0058】
また、走行方向に対してカーブに応じて傾く車軸を駆動軸とすることにより、該駆動軸に固定される車輪が駆動輪となり、駆動輪をカーブに応じて傾けさせることができ、駆動力を有して小さい半径をより円滑に走行することが可能な走行装置を構成することができる。
また、複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸にそれぞれ駆動力を付与してこれら複数の動輪と1つの従輪を駆動輪とすることにより、駆動力が増大し、これに伴い牽引力が増大する。特に、車体の構造上動輪側に加わる機関車の重量が従輪側に加わる重量に比べて小さい(軽い)場合でも従輪の駆動力により動輪の空転を防止することが可能である。更に、駆動力を有する従輪を走行方向に対してカーブに応じて傾けて走行可能とすることにより、大きな牽引力でより小さい半径のカーブを良好に走行することが可能である。そして、これに伴い線路のレイアウトの自由度が大きくなり、複雑なレイアウトを構成がすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る鉄道模型用走行装置を適用した蒸気機関車の側面図である。
【図2】図1に示した主台枠の一部省略分解斜視図である。
【図3】図2に示した一側の主台枠の軸孔を示す図である
【図4】図2に示した主台枠の組立断面図である。
【図5】図4に示した主台枠の従輪側の一部切欠上面図である。
【図6】図5に示した従輪の挙動を示す説明図で、図6(a)は直線走行時における従輪の挙動を示し、図6(b)は大きい半径のカーブの走行時における従輪の挙動を示し、図6(c)は小さい半径のカーブの走行時における従輪の挙動を示す。
【符号の説明】
【0060】
1 蒸気機関車
2 主台枠
3 第1動輪
3a 車軸
4 第2動輪
4a 車軸
5 従輪
5a 車軸
6 シリンダブロック
7 ボイラ
8 運転室
9 リヤータンク
10 煙突
11 蒸気ドーム
15 駆動用モータ
15a 回転軸
16 ウォーム
21,22 板台枠
21a 前端上部
21b 後端上部
21c,21d,21e,22c,22d,22e 軸孔(車軸孔)
21f〜21j,21k,21m,21n 軸孔(ギヤ軸孔)
23 床板
23a モータ収容箱
25 絶縁ブッシュ
26 絶縁ワッシャ
27 ねじ
30 車軸スペーサ
31〜33 軸ギヤ
31a 回転軸
34 ウォームギヤ
35〜39、41〜43 ギヤ
40 第1ギヤ列
44 第2ギヤ列
51,55 シム
52 カラー
53 大ギヤ軸
54 小ギヤ軸
61、62 ねじ
L,L1,L2 軸間距離
δ1,δ2 従輪の軸孔の真円に対する後側及び前側へのずれの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの台枠に少なくとも2つの車軸が軸支された鉄道模型用走行装置であって、
前記台枠の前記車軸を軸支する軸孔を走行方向に長い長孔に形成し、前記車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴とする鉄道模型用走行装置。
【請求項2】
前記台枠は前記車軸を走行方向に対して横方向に摺動可能に軸支することを特徴とする請求項1に記載の鉄道模型用走行装置。
【請求項3】
前記台枠は複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸が配置され、前記従輪の車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄道模型用走行装置。
【請求項4】
前記台枠は1つの先輪の車軸と複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸が配置され、前記先輪の車軸及び/又は従輪の車軸をカーブに応じて傾き可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄道模型用走行装置。
【請求項5】
前記車軸は駆動軸であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の鉄道模型用走行装置。
【請求項6】
前記複数の動輪の車軸と1つの従輪の車軸にそれぞれ駆動力が付与されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の鉄道模型用走行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−285053(P2009−285053A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139613(P2008−139613)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(502128888)有限会社ワールド工芸 (1)
【出願人】(592088611)
【Fターム(参考)】