説明

鉄道用プラットホーム模型

【課題】より良好に照明具合の雰囲気を演出することが可能な鉄道用プラットホーム模型を提供することである。
【解決手段】屋根部とホーム部とを柱模型で接続した鉄道用プラットホーム模型において、前記屋根部側に設けられた導体と、前記導体から供給される電流によって発光する発光体と、前記発光体の前記ホーム部側に設けられ、前記発光体からの光を前記ホーム部側に導く導光板とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道模型における鉄道用プラットホーム模型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、玩具の1つとして鉄道模型がある(例えば特許文献1参照)。この鉄道模型の1つとして鉄道用プラットホーム模型が用いられている。鉄道用プラットホーム模型には、照明器具が取り付けられるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−320177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鉄道模型の愛好家からは、より良好に照明具合の雰囲気を演出できる模型が望まれている。これは、鉄道模型のみならず、自動車模型、船舶模型、航空機模型等の様々な模型についても同様である。
【0005】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、より良好に照明具合の雰囲気を演出することが可能な鉄道用プラットホーム模型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鉄道用プラットホーム模型は、上述の目的を達成するために、屋根部とホーム部とを柱模型で接続した鉄道用プラットホーム模型において、前記屋根部側に設けられた導体と、前記導体から供給される電流によって発光する発光体と、前記発光体の前記ホーム部側に設けられ、前記発光体からの光を前記ホーム部側に導く導光板とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る鉄道用プラットホーム模型においては、より良好に照明具合の雰囲気を演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る鉄道用プラットホーム模型の実施の形態を示す断面構成図。
【図2】図1に示す第1の遮光板、発光体を備えた導体および導光板の具体例を示す斜視図。
【図3】図2に示す照明対象部と一体化した導光板を照明対象部側からみた斜視図。
【図4】図1に示す導体の端部に接続部品を嵌め込むための凹部を設けた例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る鉄道用プラットホーム模型の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(構成)
図1は本発明に係る鉄道用プラットホーム模型の実施の形態を示す断面構成図である。
【0010】
鉄道用プラットホーム模型1は、屋根部2、第1の遮光板3、発光体4を備えた導体5、導光板6、第2の遮光板7、照明対象部8、非照明対象部9、柱模型10、ホーム部11、導線12および電源13を備えている。
【0011】
屋根部2とホーム部11とは、単一又は複数の柱模型10で接続される。屋根部2のホーム部11側には導体5が設けられ、導体5のホーム部11側の所望の位置には単一または複数の発光体4が備えられる。そして、発光体4は、導体5から供給される電流によって発光するように構成される。発光体4としては、例えば、電球やLED (Light Emitting Diode)を用いることができるが、LEDを発光体4とすれば、狭い空間に容易に設置することができる。
【0012】
さらに、導体5のホーム部11側には、導光板6が発光体4に接触または近接して設けられる。そして、発光体4からの光が導光板6によってホーム部11側に導かれるように構成される。導光板6としては、アクリル板などが知られている。
【0013】
また、導体5と屋根部2との間には第1の遮光板3が設けられ、導光板6のホーム部11側には第2の遮光板7が設けられる。第2の遮光板7は、発光体4から導光板6を経由した照明光がホーム部11側の所望の位置を照らすことができるような形状とされる。このため、第2の遮光板7には切欠きや溝が設けられる。換言すれば、発光体4から導光板6を経由してホーム部11側の所望の位置に向かう照明光を遮る位置に第2の遮光板7が設けられる。
【0014】
第2の遮光板7で光路が遮られない導光板6のホーム部11側の所望の位置には、導光性を有する照明対象部8が設けられる。例えば、照明対象部8も導光板で構成することができる。従って、導光板6と照明対象部8とは一体に形成してもよい。一方、第2の遮光板7のホーム部11側の所望の位置には、非照明対象部9が設けられる。換言すれば、発光体4から導光板6を経由した照明光によって明るくすべき部品は、照明対象部8として導光板6に接触して設けられる。照明対象部8の例としては、蛍光灯模型、案内板模型、駅名表示板模型が挙げられる。一方、照明光の影響を与えたくない部品は、非照明対象部9として第2の遮光板7に接触して設けられる。
【0015】
ただし、鉄道用プラットホーム模型1に要求される雰囲気に応じて第1の遮光板3や第2の遮光板7を省略しても良い。
【0016】
図2は図1に示す第1の遮光板3、発光体4を備えた導体5および導光板6の具体例を示す斜視図であり、図3は図2に示す照明対象部8と一体化した導光板6を照明対象部8側からみた斜視図である。
【0017】
鉄道用プラットホーム模型1の各構成要素は、接着剤、ネジ、凹部と凸部との勘合など任意の接合手段や固定手段によって接合または固定させることができる。
【0018】
また、導体5は、導線12を介して電源13と接続される。導体5に電源13からの電流を供給するための導線12を柱模型10の内側を経由して配線すれば、より実物を模擬した鉄道用プラットホーム模型1とすることができる。
【0019】
さらに、鉄道用プラットホーム模型1は、接続部品14により他の鉄道用プラットホーム模型1Aと結合させることができる。接続部品14は、望ましくはピンや板状部材等の導体で構成され、発光体4を設けた導体5と接触可能な位置に設けられる。この場合、導体5の端部には、接続部品14を嵌め込むための凹部5Aが設けられる。これにより、他の鉄道用プラットホーム模型1Aが、発光体4を設けた導体5を備える場合であっても、電源13からの電流を他の鉄道用プラットホーム模型1Aの導体5に接続部品14を通じて供給することができる。
【0020】
図4は、図1に示す導体5の端部に接続部品14を嵌め込むための凹部5Aを設けた例を示す斜視図である。
【0021】
一般に、鉄道車両模型は線路から電流を供給することができる。このため、複数の鉄道車両模型を連結させても各鉄道車両模型に線路から電流を供給させることができる。これに対して、鉄道用プラットホーム模型は、鉄道車両模型の長さに応じて、その長さを調節できるようにすることが望ましいが、線路からの電流供給ができない。そこで、接続部品14を導体で構成することにより、結合した複数の鉄道用プラットホーム模型の全体の長さを調節可能にしつつ、結合される各鉄道用プラットホーム模型に容易に電流を供給することができる。すなわち、電流供給用の配線数や電源13の数を減らすことができる。
【0022】
また、ピンや板状部材等の接続部品14を隣接する導体5の凹部5Aに嵌め込む接続構造とすることにより、鉄道用プラットホーム模型1の端部から不自然に接続部材がはみ出すことを回避させることができる。ただし、鉄道用プラットホーム模型1を接続するために公知の接続構造を採用してもよい。
【0023】
そして、このように構成された鉄道用プラットホーム模型1を線路模型の横に配置し、鉄道模型を走らせたり、停車させたりすることにより楽しむことができる。
(効果)
【0024】
従来の鉄道用プラットホーム模型では、発光体からの光によってホーム部側が直接照らされていたため、良好な雰囲気を作り出すことができなかった。これに対して、上述した鉄道用プラットホーム模型1では、照明用の発光体4からの光が導光板6を経由して間接的にホーム部11側に照らされる。このため、より現実に近く良好な雰囲気を作り出すことができる。また、遮光板を設けたり、導光性を有する照明対象部8を導光板6と一体的に設けることによって、光の四方への散乱を回避させ、照明を行いたい部分を選択的かつ効果的に照らすことができる。これにより、より実物に近い雰囲気を演出することが可能となる。
【0025】
さらに、鉄道用プラットホーム模型1同士を接続するための接続部品14を導体とし、かつ接続部品14を凹部5Aに嵌め込む構造とすることにより、不自然な形状の少ない鉄道用プラットホーム模型1を構成することができる。
(変形例)
【0026】
第1の遮光板3に代えて反射板を設けてもよい。反射板を設ければ、発光体4から屋根部2に向かう光をホーム部11に反射させることができる。このため、発光体4からの光をホーム部11側の照明用に有効利用することができる。加えて、明るい雰囲気を演出する場合に効果的である。また、遮光板に限らず塗装等の遮光手段を用いることもできる。さらに、導光板6を設けずに発光体4からの光を導光板で構成された照明対象部8を通じてホーム部11側を照らすようにしてもよい。
【0027】
また、鉄道用プラットホーム模型1と同様な構成により、鉄道模型、自動車模型、船舶模型、航空機模型等の乗り物の模型はもちろん、乗り物の模型とともに用いられる建築物の模型や乗り物の模型とともに用いられない建築物の模型も構成することができる。すなわち、模型に発光体および導光板を設け、発光体から導光板を経由した光を照明用に用いることができる。また、模型に必要に応じて遮光板を設けることにより、照明具合を調整することができる。
【符号の説明】
【0028】
1、1A 鉄道用プラットホーム模型
2 屋根部
3 第1の遮光板
4 発光体
5 導体
5A 凹部
6 導光板
7 第2の遮光板
8 照明対象部
9 非照明対象部
10 柱模型
11 ホーム部
12 導線
13 電源
14 接続部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根部とホーム部とを柱模型で接続した鉄道用プラットホーム模型において、
前記屋根部側に設けられた導体と、
前記導体から供給される電流によって発光する発光体と、
前記発光体の前記ホーム部側に設けられ、前記発光体からの光を前記ホーム部側に導く導光板と、
を備える鉄道用プラットホーム模型。
【請求項2】
前記導光板の屋根部側およびホーム部側の少なくとも一方に遮光手段を設けた請求項1記載の鉄道用プラットホーム模型。
【請求項3】
前記導光板のホーム部側に導光性を有する照明対象部を設けた請求項1または2記載の鉄道用プラットホーム模型。
【請求項4】
前記導体の端部に他の鉄道用プラットホーム模型との接続部品を嵌め込むための凹部を設けた請求項1記載の鉄道用プラットホーム模型。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate