説明

鉱物繊維含有材料の製造方法、及び、その方法により製造される材料

本発明は、鉱物繊維含有複合材を製造するための方法、及び、その方法により製造される新規鉱物繊維含有材料に関する。本発明は、また、本発明の方法を実施するのに適した装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物繊維含有複合材を製造する方法、及び、その方法により製造される新規鉱物繊維含有材料に関する。本発明は、また、本発明の方法を実施するのに適した装置に関する。
【0002】
本発明は、鉱物繊維と結合剤との混合物を圧縮し、硬化することによって、多くの場合に4mm〜25mmの厚さを有するプレスボードとして製造される、鉱物繊維含有材料に特に関する。これらのボードは、一般に、例えば170kg/m〜1000kg/mのような、120kg/m〜1000kg/mの密度を有し、建築物外側の保護外装仕上材として、又は、防音/吸音天井若しくは壁パネルとして使用することができる。
【背景技術】
【0003】
以前は、これらの製品は、鉱物綿と結合剤との組み合わせを混合及び形成工程に付し、続いて、形成された混合物を圧縮及び硬化工程に付して所望の密度にすることによって製造されていた。結合剤は、一般に、鉱物綿に乾燥結合剤として添加されるか、又は、繊維形成及び収集工程において結合剤を含ませた未硬化の鉱物綿が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第2,682,085号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような製品は、技術的及び経済的に成功しているが、本発明者たちは、改善の余地があることを見出した。具体的には、本発明者たちは、従来技術の方法の問題の1つとして、使用される混合及び形成工程は、混合物の中に幾つかの鉱物綿の凝縮ボールを形成する、又は、少なくとも凝縮鉱物綿を開放しない傾向を有することを見出した。更に、従来技術で使用される方法は、混合物から凝縮鉱物綿を除去するための手段を何も含まないので、最終製品において不均一な分布が生じてしまう。
【0006】
製品の特定の領域が高い密度で鉱物繊維を有すると、同様に、その領域が高い濃度で結合剤も有する結果となりうる。製品が鉱物綿及び結合剤の不均一な分布を有することは、数々の理由から問題となりうる。
【0007】
第1には、その製品において、結合剤が十分に硬化されていない領域がありうることである。このことは、パネルの全体的な強度及び剛性を減少する。
【0008】
第2には、成分の不均一な分布があると、吸音天井又は壁パネルの音響特性を損なう可能性があることである。
【0009】
第3には、この種類のパネルはパネルの表面が目に見える用途において一般に使用されるので、パネルが見て美しいものであることが重要である。パネル内の不均一な分布は、表面に望ましくない一貫性のなさをもたらしうる。多くの量の結合剤が小さな領域に集中すると、製品の表面にスポットを生じる結果となりうる。
【0010】
幾つかの場合において、パネルの表面は塗装されるが、結合剤が十分に硬化されていない成分又は領域の不均一な分布は、塗装が表面全体にわたって均一にはなじまないという結果をもたらしうる。
【0011】
更に、幾つかの製品において、とりわけ建築物外側の外装仕上材として使用されるものにおいて、十分な強度及び剛性を製品に与えるために、これまでは、相対的に多量の結合剤を使用する必要があった。多量の結合剤が必要とされる一因は、圧縮する前の混合物に凝縮鉱物綿が存在したパネル領域において結合剤が不必要に高濃度で存在するので、一部の結合剤が無駄になることにある。上述のように、硬化が不完全になりやすいということもあり、この結合剤の完全な利点は製品に反映されない。
【0012】
製品に多量の結合剤を配することは、高価であり、製品の耐火性を低減しうる。したがって、もっと少ない量の結合剤を使用して、匹敵する強度及び剛性を有するパネルを提供することが望ましい。
【0013】
したがって、本明細書の目的の一つは、改善された強度及び剛性又は減少された結合剤又はその両方を有する、上述の種類の鉱物繊維含有材料を形成する方法を提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、均質であり、成分がより均一に分布している上述の種類の鉱物繊維含有材料を形成する方法を提供することである。より一貫した均一な外観の表面を有する鉱物繊維含有材料を製造する方法を提供することも、また、本発明の目的である。
【0015】
米国特許第2,682,085号は、鉱物綿繊維のようなもろい繊維を洗浄し開繊する装置を開示している。この多少古い従来技術(1949年出願)は、繊維を開繊し、洗浄することによって粒子及び汚れを除去する比較的複雑な方法及び装置を提示している。繊維は、繊維の束又は塊として装置に供給される。開繊し、洗浄した後、繊維は、軽量で綿毛状の低密度フェルトの層又は織布の形態で収集される。
【0016】
米国特許第2,682,085号の目的は、軽い綿毛状の低密度フェルトの織布を形成するために繊維を洗浄し、開繊することである。剛性パネルを形成することについては、この文献では考察されておらず、また、建築物の外装仕上材として又は天井若しくは壁パネルとして使用される種類の、圧縮及び硬化パネルの強度、剛性又は任意の他の特性に関連して、繊維を解きほぐし、空気流に浮遊させる利点は一切示唆されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、繊維を分離し、原材料を混合する装置の概略図である。
【図2】図2は、更なる解きほぐし装置の概略図である。
【図3】図3は、曲げ強さを示すグラフである。
【図4】図4は、老化曲げ強さを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によると、上記で考察された目的は、鉱物繊維含有材料を製造する方法であって、
収集織布の形態で、出発材料の総重量の90〜99重量%の量の鉱物繊維を準備する工程、
出発材料の総重量の1〜10重量%の量の結合剤を準備する工程、
繊維の収集織布を解きほぐし工程に付す工程、
繊維を一次空気流に浮遊させる工程、
解きほぐし工程の前、間又は後に、結合剤を鉱物繊維と混合することによって、鉱物繊維と結合剤との混合物を形成する工程、
鉱物繊維と結合剤との混合物を収集する工程、及び、
混合物を圧縮及び硬化することによって、170kg/m〜1000kg/mのような120kg/m〜1000kg/mの密度を有する凝固複合材を提供する工程
を含む方法によって達成される。
【0019】
この方法を使用して、新規鉱物繊維含有材料を製造することができる。
【0020】
上記の割合は、出発材料の乾燥重量に基づいている。
【0021】
上記に定義された本発明の方法により、汎用的で費用効率の高い鉱物繊維含有複合材の製造方法が達成される。材料が圧縮される密度を調整することによって、特別な目的に合わせて製造される、多様な異なる複合材を製造することができる。
【0022】
更に、鉱物繊維を繊維解きほぐし工程に付すことによって、凝縮鉱物繊維は開放され、鉱物繊維及び結合剤は、製造される材料中に、より均一に分布することを見出した。このように材料における均質性を増加させることによって、一般的に、従来技術の材料と比べて機械的強度のレベルを増加させることができる。
【0023】
材料における繊維及び結合剤の均一な分布は、材料の防音性に対して望ましい効果も有する。
【0024】
更に、本発明の方法により製造される材料は、単一材料の全体にわたって美観及び特性の一貫している点に関して有利である。
【0025】
本発明の複合材は、均質性がもたらされたことによって、木材と同様に機械加工可能であることも見出された。「機械加工可能」とは、鋸及び形削り盤、例えば溝切り機、表面フライスなどの通常の木材成形機械により、複合材を機械加工できることであると理解される。
【0026】
本発明の方法により製造される材料は、主に建築用の材料として多様な用途を有する。特に、製品はパネルの形態でありうる。一般に、製品は、機械的安定性及び均一な表面仕上、並びに絶縁性が重要である用途に使用される。幾つかの用途において、パネルを吸音天井又は壁パネルとして使用することができる。他の用途において、パネルを建築物の絶縁性外装仕上材として使用することができる。
【0027】
好ましくは、複合材はパネルの形態である。好ましくは、パネルの厚さは4〜25mmである。幾つかの実施態様において、とりわけパネルが建物の外装仕上材として使用される場合、パネルの厚さは、好ましくは4〜12mm、より好ましくは5〜10mm、最も好ましくは6〜8mmである。代替的な実施態様において、とりわけパネルが壁又は天井の絶縁パネルとして使用される場合、パネルの厚さは、好ましくは12〜25mm、より好ましくは15〜23mm、最も好ましくは18〜21mmである。
【0028】
本発明の方法に使用される鉱物繊維の正確な量は、適切な耐火性、適切な断熱及び/又は吸音値、並びに価格の制限を維持し、同時に、適切な用途に応じた適切なレベルの凝集を維持するように選択される。多量の繊維は、材料の耐火性を増加し、吸音性及び断熱性を増加し、価格を制限するが、材料の凝集を減少する。このことは、下限の90重量%が、絶縁性及び耐火性があまり重要ではない場合、一部の複合材に有利でありうる良好な凝集及び強度、並びに妥当なだけの絶縁性及び耐火性を有する材料をもたらすことを意味する。絶縁性及び耐火性が特に重要な場合、繊維の量を上限の99重量%に増加することができるが、これは、妥当なだけの凝集性をもたらす。大部分の用途では、適切な組成には、90〜97重量%又は91〜95重量%の繊維量が含まれる。最も一般的には、繊維の適切な量は92〜94重量%である。
【0029】
結合剤の量も、望ましい凝集、強度及び費用+火に対する反応及び断熱値のような特性に基づいて選択される。下限の1重量%は、強度及び凝集の低い複合材をもたらすが、これは一部の用途には妥当であり、比較的低価格であり、潜在的に良好な断熱性及び防音性があるという利点を有する。高い機械的強度が必要な用途では、上限の10重量%までのようなより多い量の結合剤が使用されるべきであるが、これは得られる製品の価格を上昇させ、更に、火に対する反応は、結合剤の選択によっては多くの場合にあまり好ましくない。大部分の用途では、適切な組成には、3〜10重量%又は5〜9重量%の結合剤の量が含まれる。最も一般的には、結合剤の適切な量は6〜8重量%である。
【0030】
本発明により使用される鉱物繊維(人造ガラス繊維又はMMVFとしても知られている)は、ガラス繊維、セラミック繊維又は岩石繊維を含む任意の鉱物繊維でありうるが、好ましくは岩石繊維が使用される。岩綿繊維は、一般に、少なくとも3%の酸化鉄及び10〜40%のアルカリ土類金属(酸化カルシウム及び酸化マグネシウム)の含有量を、鉱物綿の他の通常の酸化物構成成分と共に有する。これらは、シリカ;アルミナ;アルカリ金属(酸化ナトリウム及び酸化カリウム)であり、これらは通常低量で存在し、チタニア及び他の微量酸化物も含まれうる。繊維の直径は、従来のとおりに、多くの場合に3〜20ミクロン、特に5〜10ミクロンである。
【0031】
好ましくは、鉱物繊維と結合剤とは、出発材料の総重量の少なくとも96%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは実質的に全てを一緒に形成する。
【0032】
鉱物繊維含有材料における有機繊維の存在は、火に対する材料の耐性を低減し、材料の絶縁性を低減する。したがって、好ましくは、出発材料は5%未満の有機繊維を含む。より好ましくは、出発材料は有機繊維を実質的に含まない。
【0033】
本明細書で使用されるとき、用語「収集織布」は、表面に一緒に収集された任意の鉱物繊維を含むことが意図され、すなわちこれらはもはや空気により飛沫同伴されておらず、例えば顆粒、房又は再循環織布廃棄物である。
【0034】
収集織布は、コンベアベルト上へ繊維の収集により形成され、重ね継ぎ、そうでなければ凝固することなく出発材料として提供される一次織布でありうる。あるいは、収集織布は、一次織布を重ね継ぎ、そうでなければ凝固して形成された二次織布でありうる。好ましくは、収集織布は一次織布である。
【0035】
一つの実施態様において、解きほぐし工程は、低い相対空気流のダクトから高い相対空気流のダクトへ鉱物繊維の織布を供給することを含む。この実施態様において、最初に高い相対空気流のダクトに入った繊維が織布の次の繊維から引き離されるので、解きほぐしが生じると考えられる。この種類の解きほぐしは、製品において材料の不均一な分布をもたらしうる凝縮塊ではなく、むしろ開繊房を生じるのに特に有効である。
【0036】
好ましくは、高い相対空気流の速度は、20m/s〜150m/s又は30m/s〜120m/sである。より好ましくは、40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである。高い相対空気流は一次空気流と別でありうるが、より一般的には、一次空気流を供給する。
【0037】
好ましくは、低い相対空気流と高い相対空気流の速度の差は、少なくとも20m/s、より好ましくは少なくとも40m/s、最も好ましくは少なくとも50m/sである。
【0038】
本明細書で使用されるとき、用語「空気流」は、地球の大気に存在する割合のガスを含む空気流のみならず、任意の適切な割合の任意の適切なガス流も含むように、広義に理解されるべきである。
【0039】
特に好ましい実施態様によると、解きほぐし工程は、縦軸周りを回転し、外周表面から突出しているスパイクを有する少なくとも1つのローラーに収集織布を供給する工程を含む。この実施態様において、回転ローラーは、一般的に、少なくとも部分的には高い相対空気流にも寄与する。多くの場合、ローラーの回転は、高い相対空気流の唯一の供給源である。
【0040】
幾つかの実施態様において、少なくとも2つのローラーが存在する。これらのローラーは同時又は連続的に稼働することができる。
【0041】
ローラーは、任意の適切な大きさでありうるが、好ましい実施態様では、ローラーは、スパイクの最外点に基づいて20cm〜80cm、より好ましくは30cm〜70cmの直径を有する。さらにより好ましくは、直径は40cm〜60cm、最も好ましくは45cm〜55cmである。
【0042】
ローラーは、任意の適切な速度で回転することができる。大部分の実施態様では、ローラーの適切な回転速度は、500rpm〜5000rpm、好ましくは1000rpm〜4000rpm、より好ましくは1500rpm〜3500rpm、最も好ましくは2000rpm〜3000rpmである。
【0043】
ローラーの寸法及び回転速度は、ローラーの外周に所定の速度をもたらすように選択することができる。一般に、高速はより効果的な解きほぐし工程をもたらすが、これは、使用される鉱物繊維の織布の種類及びローラーの正確な形態によって左右される。大部分の実施態様において、ローラーのスパイクの最外点が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの速度で動くことが適している。
【0044】
ローラーは、好ましくは、実質的に円筒状チャンバ内に位置する。チャンバは入口を有し、その中を通って鉱物繊維及び場合により結合剤がローラーに供給される。チャンバは出口も有し、その中を通って解きほぐされた鉱物繊維及び結合剤が排出される。好ましくは、これらは、出口を通る一次空気流により排出される。
【0045】
好ましい実施態様において、鉱物繊維及び場合により結合剤は、上方からローラーに供給される。解きほぐされた鉱物繊維及び場合により結合剤が、ローラーの外周の下部からローラーの横方向に放出されることも好ましい。最も好ましい実施態様において、鉱物繊維は、放出される前にローラーによりおよそ180°で運ばれる。
【0046】
ローラーは、好ましくはチャンバの大部分を占める。好ましくは、スパイクの先端は、実質的に円筒状のチャンバの湾曲壁から10cm未満、より好ましくは7cm未満、最も好ましくは4cm未満のところにある。このことは、ローラーにより作り出された空気流が、空気流及びスパイクそれ自体によりも大きく、全体的な繊維の解きほぐしであることをもたらす。
【0047】
好ましくは、鉱物繊維は上方からローラーに供給される。
【0048】
解きほぐされた繊維は、一般に、一次空気流によりローラーから放出される。幾つかの実施態様において、ローラーは一次空気流に寄与する。別の実施態様において、ローラーは一次空気流の唯一の供給源である。
【0049】
本発明によると、繊維は一次空気流に浮遊される。空気流により浮遊することの利点は、不要な粒子又は集塊をふるい分けできることである。そのような粒子は、例えば、繊維の玉及びいわゆるチューインガムのような、繊維に正確に開放されなかった綿のとりわけ重たい大きな塊のような集塊である。
【0050】
一次空気流は、一般に乱流がないことはない。好ましい実施態様において、一次空気流に有意な乱流が存在し、そのことによって房の開繊を促進し、不要な粒子及び集塊をふるい分けすることができる。本発明のよると、一次空気流のその供給源での速度は、好ましくは20m/s〜150m/s、より好ましくは30m/s〜120m/s、さらにより好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである。
【0051】
一次空気流は、好ましくはふるい分けチャンバに入る。ふるい分けチャンバにおいて、一次空気流内の乱流は、高密度粒子をチャンバの底にふるい分けし、房の開繊を促進することを可能にする。
【0052】
繊維の全体的なふるい分けを実施するために、ふるい分けチャンバにおける繊維の平均滞留時間が少なくとも0.5秒、より好ましくは少なくとも2秒又はさらには少なくとも3秒であるように装置を配置することが好ましい。
【0053】
しかし、通常は、ふるい分けチャンバにおける繊維の平均滞留時間が10秒を越える必要はない。より一般的には、平均滞留時間は7秒未満、最も一般的には、平均滞留時間は5秒未満である。
【0054】
使用される場合、ふるい分けチャンバ内の周囲温度は、一般的に20℃〜100℃、より一般的に30℃〜70℃である。温度は、外気温度、すなわち冬の冷気及び夏の熱気によって左右されうる。100℃までの高温を、ふるい分けチャンバにおいて結合剤の早期硬化を提供するために使用することができる。
【0055】
特定の実施態様において、結合剤は特定の条件下で乾燥、固まる又は硬化する材料である。便宜上、これら及び類似の工程を本明細書において「硬化」と呼ぶ。好ましくは、これらの「硬化」工程は、非可逆的であり、凝集複合材料をもたらす。
【0056】
無機はもとより有機の結合剤も用いることができる。有機結合剤が好ましい。更に、乾燥結合剤はもとより液状結合剤も使用することができる。結合剤材料の特定の例には、フェノールホルムアルデヒド結合剤、尿素ホルムアルデヒド結合剤、フェノール尿素ホルムアルデヒド結合剤、メラミンホルムアルデヒド結合剤、縮合樹脂、アクリレート及び他のラテックス組成物、エポキシポリマー、ケイ酸ナトリウム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレンポリマーのホットメルトなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
実施態様において、乾燥結合剤が使用される。任意の適切な乾燥結合剤を使用することができるが、フェノールホルムアルデヒド結合剤を使用することが好ましく、それはこの種類の結合剤が容易に入手可能であり、効率的であることが実証されているからである。幾つかの場合において混合が容易であり、更に器具を維持する必要性が低いので、乾燥結合剤を使用することが有利でありうる。更に、結合剤は比較的安定しており、貯蔵可能である。
【0058】
代替的な実施態様によると、液状結合剤が使用される。液状結合剤は、乾燥結合剤と比較して低価格であるという利点を有し、多くの場合、乾燥結合剤と比較して、液状結合剤を使用することにより結合剤の量を低減することが可能である。結合剤の量の低減は、更に、火に対する複合材のより良好な反応をもたらす。任意の適切な液状結合剤を使用することができるが、フェノールホルムアルデヒド結合剤を使用することが好ましく、それはこの種類の結合剤が容易に入手可能であり、効率的であることが実証されているからである。
【0059】
結合剤を解きほぐし工程の前、間又は後に鉱物繊維と混合することができる。幾つかの実施態様において、とりわけ結合剤が液状の場合、結合剤を解きほぐし工程の前に繊維と混合することが好ましい。特に、繊維は、液状結合剤を含有する未硬化の収集織布の形態でありうる。
【0060】
乾燥結合剤が使用される場合、これを、例えば解きほぐし工程の前に鉱物繊維の収集織布と予備混合することができる。更なる混合は、解きほぐし工程の間及び後に生じうる。あるいは、それを一次空気流に別個に供給し、一次空気流において混合することができる。
【0061】
鉱物繊維及び結合剤は、一次空気流に浮遊しているとき、幾つかの実施態様では、一次空気流と異なる方向の更なる空気流に付される。このことは、一次空気流に更なる乱流を生じることを助け、これは混合、ふるい分け及び房の開繊を助ける。通常、一次空気流は概して横方向であり、更なる空気流は概して上向きである。幾つかの実施態様において、複数の更なる空気流が提供される。
【0062】
好ましくは、更なる空気流は、1〜20m/s、より好ましくは1〜13m/s、さらにより好ましくは2〜9m/s、最も好ましくは3〜7m/sの速度を有する。
【0063】
鉱物繊維と結合剤との混合物は、任意の適切な手段により一次空気流から収集される。一つの実施態様において、一次空気流は、下端部が開放されているサイクロンチャンバの最上部に向けられ、混合物はサイクロンチャンバの下端部から収集される。
【0064】
代替的な実施態様において、一次空気流は、空気流が通過すると混合物を捕らえる有孔表面を通して向けられる。
【0065】
好ましくは、鉱物繊維と結合剤との混合物は、混合物が一次空気流に浮遊された後であるが、混合物が圧縮及び硬化される前に、更なる繊維解きほぐし工程に付される。
【0066】
更なる解きほぐし工程は、前記に記載された解きほぐし工程の好ましい特徴のいずれかを有することができる。
【0067】
特に好ましい方法において、鉱物繊維と結合剤との混合物は、好ましくはサイクロンチャンバにおいて一次空気流から取り出されて、外周表面に突出しているスパイクを有する回転ローターに供給される。更なる解きほぐし手段のローラーは、収集織布が最初に供給されうるローラーに関して上述の特徴のいずれかを有することができる。
【0068】
鉱物繊維と結合剤との混合物は、好ましくは更なる解きほぐし工程から形成チャンバに放出される。
【0069】
更なる解きほぐし工程を受けてから、鉱物繊維と結合剤との混合物は収集、圧縮及び硬化される。好ましくは、混合物は、下方に位置する吸引手段を有する有孔コンベアベルトに収集される。
【0070】
本発明の好ましい方法において、収集された、結合剤と鉱物繊維との混合物は、硬化及び圧縮される前に剥ぎ取られる。
【0071】
方法をバッチプロセスで実施することができるが、実施態様によると、方法は、一次又は二次鉱物綿織布を繊維分離工程に供給する鉱物綿製造ラインで実施され、これは、広範囲の密度で好ましい機械的特性及び断熱性を有する複合材をもたらす、特に費用効率が高く汎用的な方法を提供する。
【0072】
特別な実施態様によると、方法は鉱物綿製造ラインにおけるオンラインプロセスとして実施される。
【0073】
鉱物繊維と結合剤との混合物が収集されると、圧縮及び硬化されて、所望の密度の材料が製造される。
【0074】
硬化及び圧縮の圧力、温度及び保持時間は、とりわけ使用される結合剤の種類によって左右される。
【0075】
本発明の態様は、本発明の方法により得られる鉱物繊維含有材料に関する。
【0076】
材料は、好ましくは実質的に均質である。
【0077】
文言「実質的に均質」とは、複合材がミリメートル規模で均質であること、すなわち顕微鏡において例えば1mmの領域は混合物の他の試料と(実質的に)同一であることを理解するべきである。
【0078】
本発明は、また、
空気により飛沫同伴される繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
繊維に結合剤を供給するための結合剤供給装置と、
繊維形成装置から繊維を受け取るように配置されている第1収集機と、
収集機を通じて吸引することによって、繊維を織布として収集機上に収集するための吸引装置と、
織布を解きほぐして、解きほぐされた繊維を提供するための解きほぐし装置と、
解きほぐし装置に織布を供給するための織布供給装置と、
浮遊させるために、解きほぐされた鉱物繊維に一次空気流を供給するための空気供給装置と、
解きほぐされた鉱物繊維及び結合剤を収集するための第2収集機と、
収集された解きほぐされた鉱物繊維及び結合剤を、圧縮するためのプレスと
を含む、本発明の方法を実施するのに適した装置に関する。
【0079】
鉱物繊維形成装置は、この目的に適した任意の装置であることができ、例えばカスケード紡績機又は紡績カップである。装置の好ましい実施態様において、鉱物繊維形成装置はカスケード紡績機である。それぞれの場合において、鉱物溶融物が供給され、繊維が装置の遠心分離作用の実施により製造される。
【0080】
結合剤供給手段は、結合剤を鉱物繊維に供給する。これは、第2収集機の前の任意の地点に位置することができるが、好ましくは繊維形成装置と第1収集機の間に位置する。別の実施態様において、結合剤供給手段は、第1収集機と第2収集機の間に位置する。別の好ましい実施態様において、結合剤供給手段は、第1収集機と解きほぐし手段の間に位置する。
【0081】
結合剤供給手段を、液状結合剤を供給する又は乾燥結合剤を供給するように適合させることができる。
【0082】
第1収集機は、好ましくは連続稼働第1コンベアベルトの形態である。ベルトは空気透過性である。繊維は一次織布をベルトの上に形成する。吸引手段が第1収集機の後ろに位置して、収集機を介した空気流の通過を可能にする。
【0083】
装置は、場合により、当業者に既知のいずれかの方法により一次織布を処理する手段を含むことができる。例えば、装置は、一次織布を更なる連続稼働コンベアベルト上に重ね継ぎして二次鉱物繊維織布を形成するための、振り子ベルトを含むことができる。
【0084】
好ましい実施態様において、第1収集機は、入口ダクトにつながるコンベアベルトの形態である。入口ダクトは、上縁部に運搬ローラーを有して、入口ダクトを通る鉱物繊維の移動を助けることができる。
【0085】
第1収集機と解きほぐし装置の間に、幾つかの実施態様では実質的に垂直のダクトがある。多くの場合、実質的に垂直のダクトはその上端部よりもその下端部が狭くなっている。
【0086】
装置は、一次又は二次織布を解きほぐして解きほぐされた繊維を形成する、解きほぐし手段を含む。一つの実施態様において、解きほぐし装置は、一次又は二次織布を運ぶ第1ダクト及び第1ダクトに接合する第2ダクトを有する。この実施態様において、解きほぐし装置は、第1ダクトに存在するよりも速い速度で空気流を第2ダクトに供給する手段を含む。
【0087】
特に、解きほぐし手段は、本発明の方法に関して記載されたローラーの形態でありうる。方法に関して記載されたローラーの好ましい又は任意の特徴のいずれかが、本発明の第1新規装置にも等しく当てはまる。
【0088】
更に、第1装置は、ローラーを収容する円筒状チャンバを含むことができる。本発明の方法に関して記載された円筒状チャンバの特徴のいずれかが、本発明の第1装置に関しても等しく当てはまる。
【0089】
本発明の装置は、一次空気流を供給する供給手段も必要とする。この空気供給手段を解きほぐし装置の一部として形成することができる。例えば、第1ダクトに存在するより高速で空気流を第2ダクトに供給する手段は、一次空気流の供給源でもありうる。
【0090】
ローラーが、空気流に浮遊した解きほぐされた鉱物繊維の流れを作り出すように、第1空気流それ自体を生じる手段として作用することも可能である。
【0091】
この装置において、更なる空気流供給手段が存在して、更なる空気流を一次空気流に供給することができる。
【0092】
本発明の装置は、好ましくは、本発明の方法に関して記載されたふるい分けチャンバを含む。更なる空気流供給手段は、存在する場合、好ましくはふるい分けチャンバの下端部に位置し、ふるい分けチャンバ内で空気の流れを上向きに供給するように配置される。一次空気流供給手段は、好ましくはふるい分けチャンバの側部に位置し、チャンバを横方向に横断する空気流を供給するように配置される。
【0093】
存在する場合、更なる空気流供給手段は、固形材料の進入を防止するためにその開口部にわたって配置されている細目金網を有することができる。
【0094】
ふるい分けチャンバの下端部には、好ましくは重量ペレット又は凝縮繊維が落下する排出開口部がある。
【0095】
好ましい実施態様において、鉱物繊維及び結合剤は、一方が一次空気流に浮遊して一緒にふるい分けチャンバに入る。次に混合物は吹き上げられて、チャンバの下端部に位置する更なる空気供給手段により更に混合される。次に混合物は、ふるい分けチャンバの上端部にある取出ダクトを通じてふるい分けチャンバから出る。
【0096】
取出ダクトは最終的に第2収集機につながっている。収集機は、その後ろに吸引手段が位置する有孔ベルトの形態でありうる。
【0097】
あるいは、収集手段は、鉱物繊維と との混合物を一次空気流から分離することができるサイクロンチャンバを含むことができる。この実施態様において、サイクロンチャンバは下端部に開口部を有し、その中を通って混合物が放出され、同時に空気流が上端部のダクトを通って取り出される。サイクロンチャンバは、その下端部よりも大きな直径をその上端部に有する。
【0098】
一つの実施態様において、混合物は、サイクロンチャンバからコンベアベルトに放出される。
【0099】
好ましくは、鉱物繊維と結合剤との混合物を受け取るように位置する更なる解きほぐし装置がある。更なる解きほぐし装置は、鉱物繊維の収集織布を解きほぐす解きほぐし装置に関して記載された好ましい特徴のいずれかを有することができる。
【0100】
好ましくは、更なる解きほぐし装置は、サイクロンチャンバの下端部の開口部から鉱物繊維と結合剤との混合物を受け取るように位置する。
【0101】
好ましくは、更なる解きほぐし装置から鉱物繊維及び結合剤を受け取るように位置する形成チャンバがある。好ましくは、形成チャンバは、鉱物繊維と結合剤との混合物を収集する有孔コンベアベルトを含む。
【0102】
プレスの前に剥取手段を備えることが好ましい。装置を、剥ぎ取られた材料が再循環するように配置することができる。
【0103】
本発明の装置は、鉱物繊維と結合剤との収集混合物を圧縮及び硬化するプレスを含む。プレスは、170kg/m〜1000kg/mのような、120kg/m〜1000kg/mの密度に材料を圧縮するのに適している。一般に、プレスは、結合剤を硬化するために材料を加熱するように適合されている。
【0104】
本発明の方法に関して記載された好ましい特徴のいずれも、装置に関して等しく当てはまる。同様に、上記に開示された装置の特徴のいずれも、本発明の方法に関して等しく当てはまる。
【実施例】
【0105】
本発明を、例として図面を参照しながら以下に記載する。
図1は、繊維を分離し、原材料を混合する装置の概略図である。
図2は、上述の更なる解きほぐし装置の概略図である。
図3は、曲げ強さを示すグラフである。
図4は、老化曲げ強さを示すグラフである。
【0106】
本発明の方法の使用に適した装置を図1に見ることができ、ここでは、繊維形成装置及び収集機が鉱物繊維織布を入口ダクト1に運ぶように配置され、結合剤供給手段が結合剤を鉱物繊維及び入口ダクトへ供給するように位置され、示されている装置は、本発明の新規装置の一部を形成することもできる。
【0107】
装置は、出発材料、例えば結合剤及び鉱物繊維のために入口ダクト1を含み、特定の原材料では、装置は嵩高材料を少なくとも部分的に切断するために入口ダクト1に破砕機(示されず)を含むことができる。入口ダクトの下縁部には、出発材料を入口ダクト1の中を通して運ぶコンベア2がある。入口ダクトの上縁部では、運搬ローラー3が、出発材料を入口ダクト1の中を通して供給するのを助ける。入口ダクト1の端部には、相互に間隔を置いた第1セットの伸長要素4が、入口ダクト1の端部を横断して伸びている。これらは、出発材料の大きな部分、例えば鉱物繊維織布を分解するように機能する。幾つかの実施態様において、伸長要素4は、回転しながらその間に出発材料を引き込む回転ブラシの形態である。
【0108】
次に入口ダクトの端部を通過する出発材料は、実質的に垂直のダクト5に落下する。示されている実施態様では、相互に間隔を置いた第2セットの伸長要素6がダクトの上端部を横断して伸びている。第2セットの伸長要素は、通常、第1よりも近接した間隔で置かれている。示されている実施態様では、第2セットの伸長要素は、十分に小さい部分の鉱物繊維織布は通過するが、出発材料再循環ダクト7を通じて大きな部分を運び去ることを可能にするように回転する。
【0109】
垂直ダクト5は、一般に、その下端部が狭くなっている。示されている実施態様では、垂直ダクトの下端部は、実質的に円筒状のチャンバ9への入口8を形成する。示されているように、入口8は実質的に円筒状のチャンバ9の上部にある。使用時には、出発材料は垂直ダクト5を通過し、入口8を通過して、円筒状チャンバ9に入る。
【0110】
代替的な実施態様では、垂直ダクト5は省かれる。代わりに、供給機構が、繊維の織布を円筒状チャンバ9に直接供給するために提供される。供給機構は、例えば、コンベアベルト、並びに場合により、織布を円筒状チャンバ9に制御前進及び誘導するように配置されている1つ以上の供給ローラーを含むことができる。
【0111】
円筒状チャンバ9は、外周表面12から突出しているスパイク11を有するローラー10を収容する。図1に示されているローラー10は、図面に示されているように反時計回りに回転し、それによって出発材料が、入口8から、示されているローラー10の左側を周って運ばれ、一次空気流により横方向に放出されて、ふるい分けチャンバ14に入る。円筒状チャンバ9及びローラー10は、一緒に、解きほぐし手段を形成する。
【0112】
スパイクは、摩滅に対する最適な耐性のためにローラーに永久に固定されうる。例えば、スパイクをローラーの外周に配置されためくら穴に接着又は溶接することによって、スパイクを固定することができる。あるいは、スパイクは交換可能でありうる。これは、例えば、円筒壁に貫通孔を有する中空円筒であるローラーによって達成することができる。次にスパイクは、例えば、頭部を有することができ、貫通孔の内側から穴を通って挿入することができる。これによってスパイクを、破損又は摩耗した場合に交換することができる。更に、交換可能なスパイクを有することによって、スパイクのパターンを変えることが可能である。これによって、解きほぐされる異なる種類の材料の様式、例えば分離鉱物綿繊維又は液体結合剤が含浸した鉱物綿繊維の収集織布に最適化することが可能である。
【0113】
示されている実施態様では、一次空気流は、円筒状チャンバ9内のローラー10の回転により、特にローラーの外周表面と円筒状チャンバ9の湾曲壁13の間の空間を通るスパイク11及び出発材料の移動により作り出される。
【0114】
図1に示されているふるい分けチャンバ14は、排出開口部16及び更なる空気流供給手段15を含む。更なる空気流供給手段15は、その中を通って更なる空気流が供給される開口部を含む。細目金網17が更なる空気流供給手段15の開口部にわたって配置されている。これらの細目金網は、更なる空気流が通過してふるい分けチャンバ14に入ることを可能にするが、供給手段に材料が進入するのを予防することが意図される。示されている更なる空気流供給手段15は、更なる空気流を上方に向けて、ふるい分けチャンバ14の中に入れる。
【0115】
更なる空気流は、ふるい分けチャンバにおいて、解きほぐされた繊維を含有する一次空気流と接する。更なる空気流は、解きほぐされた繊維と結合剤との混合物をふるい分けチャンバ14内において上方に運ぶ効果を有する。一部のより凝縮された繊維及び鉱物材料の玉はふるい分けチャンバにおいて上方に運ばれず、下端部に落下して、排出開口部16を通る。
【0116】
解きほぐされた繊維と結合剤の所望の混合物は、ふるい分けチャンバ14の上部に運ばれ、そこには取出ダクト18が位置して、混合物をふるい分けチャンバ14から運び出す。第1空気再循環ダクト19が取出ダクト18に接合し、取出ダクト18の空気の一部を再循環して更なる空気供給手段15に戻す。
【0117】
取出ダクトはサイクロンチャンバ20につながっている。サイクロンチャンバ20は、上端部が更なる空気供給手段15につながっている第2空気再循環ダクト22を有する。フィルタ21が第2空気再循環ダクトに接合している。使用時には、フィルタ21は、任意の迷走鉱物繊維及び結合剤を第2空気再循環ダクト22から除去する。空気がサイクロンチャンバ20の上端部から取り出されると、解きほぐされた繊維と結合剤との混合物は、サイクロンチャンバ20の下端部にあるサイクロンチャンバ出口23を通って落下する。
【0118】
収集機24が、サイクロンチャンバ出口23の下方に位置する。示されている実施態様では、収集機24はコンベアの形態であり、収集された繊維及び結合剤を圧縮及び硬化装置(示されず)に運ぶ。
【0119】
図2は、場合により方法において使用することができる更なる解きほぐし装置の実施態様を示す。更なる解きほぐし装置は、図1に示されている収集機24の代わりに位置することができる。示されている更なる解きほぐし装置は、構造におけるローラー10と同じローラー25を含む。成分の混合物が上方からローラー25に供給され、形成チャンバ26の中に放出される。下端部において、形成チャンバ26は、下に吸引手段28が位置する有孔コンベアベルト27を含む。剥取機29が混合物の上部を剥ぎ取るために位置して、均一表面をもたらす。次に剥ぎ取られた材料は再循環される。
【0120】
有孔コンベアベルト27は混合物をプレス(示されず)に運ぶ。
【0121】
図3は、従来技術(RPP(ロックパネル法)と呼ばれる)により製造されたパネルと比較した、本発明により製造されたパネル(「Binos」と呼ばれる)の初期曲げ強さを示す。初期曲げ強さは、製造後であるが任意の老化の前に測定される。分かるように、本発明により製造されたパネルの曲げ強さは、従来技術により製造されたパネルと比較して改善されている。
【0122】
同様に、図4は、従来技術(RPP(ロックパネル法)と呼ばれる)により製造されたパネルと比較した、本発明により製造されたパネル(「Binos」と呼ばれる)の老化曲げ強さを例示する。老化曲げ強さは、老化した後、すなわちパネルを有害条件のサイクルに付して、パネルの通常の老化を模擬した後に測定される。分かるように、本発明により製造されたパネルの老化後の曲げ強さは、従来技術により製造されたパネルと比較してさらにより改善されている。950kg/m未満の密度では従来技術のデータがないことに留意するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物繊維含有材料を製造する方法であって、
収集織布の形態で、出発材料の総重量の90〜99重量%の量の鉱物繊維を準備する工程、
出発材料の総重量の1〜10重量%の量の結合剤を準備する工程、
前記繊維の収集織布を、解きほぐし工程に付す工程、
前記繊維を一次空気流に浮遊させる工程、
前記解きほぐし工程の前、間又は後に、前記結合剤を前記鉱物繊維と混合することによって、鉱物繊維と結合剤との混合物を形成する工程、
前記鉱物繊維と結合剤との混合物を収集する工程、及び、
前記混合物を圧縮及び硬化することによって、170kg/m〜1000kg/mのような120kg/m〜1000kg/mの密度を有する凝固複合材を提供する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記解きほぐし工程が、低い相対空気流のダクトから高い相対空気流のダクトへ、前記織布を供給する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高い相対空気流の速度が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記解きほぐし工程が、縦軸周りに回転し、外周表面から突出しているスパイクを有する少なくとも1つのローラーに、前記収集織布を供給する工程を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記ローラーが、前記スパイクの最外点に基づいて、20cm〜80cm、好ましくは30cm〜70cm、より好ましくは40cm〜60cm、最も好ましくは45cm〜55cmの直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローラーが、500rpm〜5000rpm、好ましくは1000rpm〜4000rpm、より好ましくは1500rpm〜3500rpm、最も好ましくは2000rpm〜3000rpmの速度で回転する、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記ローラーのスパイクの最外点が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの速度で動く、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記鉱物繊維が、液状結合剤を含有する未硬化の織布の形態で提供される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
一次又は二次鉱物綿織布を前記繊維解きほぐし工程に供給する鉱物綿製造ラインで実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記鉱物繊維及び結合剤が、前記一次空気流に浮遊しているとき、前記一次空気流とは異なる方向の更なる空気流に付される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記一次空気流が概して横方向であり、前記更なる空気流が概して上向きである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一次空気流が、20m/s〜150m/s、好ましくは30m/s〜120m/s、より好ましくは40m/s〜80m/s、最も好ましくは50m/s〜70m/sの初期速度を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記更なる空気流が、1〜20m/s、好ましくは1〜13m/s、より好ましくは2〜9m/s、最も好ましくは3〜7m/sの速度を有する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記結合剤が乾燥形態で提供される、請求項1〜7又は9〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記結合剤が液状形態で提供される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
有機繊維が、前記鉱物繊維及び結合剤と混合されない、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記鉱物繊維と結合剤とが、合わせて、出発材料の総重量の少なくとも96%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは実質的に全てを構成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法により得られる、鉱物繊維含有材料。
【請求項19】
鉱物繊維含有材料を製造するための装置であって、
空気により飛沫同伴される繊維の供給を行うための鉱物繊維形成装置と、
前記繊維に結合剤を供給するための結合剤供給手段と、
前記繊維形成装置から前記繊維を受け取るように配置されている第1収集機と、
前記収集機を通じて吸引することによって、前記繊維を織布として前記収集機上に収集するための吸引手段と、
前記織布を解きほぐして、解きほぐされた繊維を提供するための解きほぐし装置と、
前記解きほぐし装置に前記織布を供給するための織布供給手段と、
浮遊させるために、前記解きほぐされた鉱物繊維に一次空気流を供給するための空気供給手段と、
前記解きほぐされた鉱物繊維及び結合剤を収集するための第2収集機と、
前記収集された解きほぐされた鉱物繊維及び結合剤を、圧縮するためのプレスとを含む、装置。
【請求項20】
前記繊維及び結合剤が前記一次空気流に浮遊しているときに、前記繊維及び結合剤に、更なる空気流を向けるように位置する、更なる空気供給手段を更に含む、請求項19に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−501154(P2013−501154A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522184(P2012−522184)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061151
【国際公開番号】WO2011/012712
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(500336306)ロックウール・インターナショナル・アクティーゼルスカブ (7)
【Fターム(参考)】