説明

銀イオン送達プラットフォーム

本発明は、哺乳類の子宮の月経過多症を治療するのに有益な銀イオン支承担持体であって、組織を壊死させる量の銀イオンを支承する、生理不活性、可撓性の担持体、例えばコイルを備える銀イオン支承担持体に関する。子宮内膜に銀イオンが送達され、これが子宮内膜組織の壊死を引き起こす。子宮腔内に残存する銀イオンは、例えばカテーテルによって子宮に送達された塩化ナトリウムで中和されることができ、担持体は子宮から回収されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年9月2日に許可された、本出願と同じ出願人による米国特許第7,419,687号明細書に関連する。
【0002】
本発明は、一般的に組織壊死剤を送達するプラットフォームに関する。より具体的には、本発明は、月経過多症の治療のために、硝酸銀などの銀イオン放出化合物を付着させて支承する、組織を焼灼する量の銀イオンを哺乳類の子宮内膜へと送達するのに適した、可撓性コイルまたは螺旋状物などに関する。
【背景技術】
【0003】
多量出血(月経過多症)の不妊化処置の治療および癌の治療で有益な哺乳類の子宮内膜を壊死させる装置および方法が当該技術分野で知られている。このような壊死技法では温熱療法および低温療法が利用されており、典型的にはそれらは、治療される組織に熱または冷たさを直接的または間接的に加えるものである。
【0004】
温熱療法および低温療法とは別に、月経過多症の治療、不妊化の達成、ガン治療のために人体に焼灼性化学薬品を塗布する方法も知られている。局所破壊剤として焼灼性化学薬品を使用することも試みられてきたが、安全性と様々な薬剤の送達の制御とに対する懸念、ならびに例えば、眼で見ずに特定の固形化学薬品を配置するなどの塗布方法による他の欠点への懸念によって、焼灼性化学薬品の使用も制限されている。例えば、Babcock,W.によって「Chemical Hysterectomy」(Obstet.&Gyn.誌(1924年)第7号、693頁)で述べられているように、無月経を誘発し、不妊を引き起こし、腫瘍を治療するために塩化亜鉛飽和溶液に浸漬したガーゼ片を子宮壁に塗布が利用されていることが報告されている。しかしながらこの処置はいくつかの欠点を有している。ガーゼ片の塗布は眼で見ないで行う作業なのである。塩化亜鉛に浸漬されたガーゼは、医師が、子宮腔がガーゼで一杯になったと感じるまで子宮内に詰め込まれる。ガーゼ片は所定時間定位置に置かれてから取り除かれる。焼灼剤のガーゼ片を子宮腔に送達し、そこから取り除くことは必然的に、感染と膣壁への接触との相当なリスクを伴い、治療のターゲットではない膣および他の組織を焼灼剤が損傷する可能性がある。したがって、この方法を使用して成功するには充分な技能と経験が必要であることから、この処置は、高度な訓練を受けた医療従事者に診てもらえる女性だけに処置の利用が限定される。
【0005】
卵管を化学的に壊死させることによる化学的不妊手術で使用するために、硝酸銀、塩化亜鉛、および硫酸銅などの焼灼剤の使用が研究されてきた。しかしながら、Richart,R.によって「Female Transcervical Sterilization」(Harper&Row出版(1983年)第3章)で述べられているように、硝酸銀の塗布によって広範囲の卵管の壊死が達成されたときでも、卵管のかなりの部分が開いたままとなっていた。焼灼剤の持続性のための組成物が使用されたときも、許容できない副作用を回避するには、焼灼剤の放出に対する制御が不充分であることが判明した。さらに、酸やアルカリなどの強い焼灼剤を使用すれば、同等に強い中和剤を同時に使用することが必要となり、これも使用するにはリスクを伴う。またこのような薬剤の使用によって、医者は、患者の子宮および卵管で焼灼剤の中和を滴定するという困難な立場に立たされる。
【0006】
Neuwirthは月経過多症を治療するための特に効果的な方法を述べている。これは、硝酸銀含有ペーストを子宮腔に投与し、ペーストを子宮腔内に分配するものである。米国特許第6,197,351号明細書、米国特許第6,187,346号明細書、米国特許第6,165,492号明細書、および米国特許第5,891,457号明細書を参照されたい。それらの関連する開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。硝酸銀は子宮内膜の壊死を引き起こし、これが月経過多症に関連付けられる子宮の過剰出血を停止させる。治療後、焼灼性硝酸銀は、通常は生理食塩水である塩化ナトリウム溶液を、子宮腔に投与することによって効果的に中和される。塩化ナトリウムは硝酸銀と反応して不溶性(非焼灼性)塩化銀を形成する。次いで塩化銀は、子宮内に存在する緩んだ壊死組織と共に子宮の外に流される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,197,351号明細書
【特許文献2】米国特許第6,187,346号明細書
【特許文献3】米国特許第6,165,492号明細書
【特許文献4】米国特許第5,891,457号明細書
【特許文献5】米国特許第3,250,271号明細書
【特許文献6】米国特許第3,957,042号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Babcock,W.著、「Chemical Hysterectomy」、Obstet.&Gyn.誌、1924年、第7号、693頁
【非特許文献2】Richart,R.著、「Female Transcervical Sterilization」、Harper&Row出版、1983年、第3章
【非特許文献3】Remington著、「Remington’s Pharmaceutical Science」、Mack Publishing Co.出版、1970年、第14版、1650〜1653頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
硝酸銀をペーストとして送達するには、Neuwirth氏によって述べられるとおり、ペーストが、卵管などの焼灼の必要のない組織と長時間接触しないことを確実にするためにある程度の注意が必要である。したがって、子宮内膜の化学的焼灼を実施するために、硝酸銀をより正確に子宮腔に送達する改良型の担体が求められている。本発明はこのような改良型送達用担体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
例えば月経過多症の治療などで使用する、組織を壊死させるのに適した硝酸銀などの銀イオン放出化合物用の送達用担体が、組織を壊死させる量の硝酸銀を支承する、女性患者の子宮腔内に導入するように構成された、可撓性の生理適合性のプラットフォームを備える。好ましい実施形態では、送達用担体は、通常は螺旋状の構成を有する、組織を壊死させる量の銀イオン放出固形組成物を支承する、生理適合性の、中空の可撓性コイルを備える。プラットフォームはポリマーなどの任意の生理適合性物質から作製されることができる。銀イオン放出固形組成物は水溶性無機銀塩、水溶性有機銀塩、および類似の水溶性酸化剤であることができる。好ましい水溶性無機銀塩は硝酸銀である。硝酸銀は実質的に純粋な硝酸銀として、生理耐容性結合剤または希釈剤と組み合わされた硝酸銀として投与されることができる。好ましい水溶性の有機銀塩は、酢酸銀などであり、単独で、または生理耐容性結合剤または希釈剤と組み合わせて用いられる。適切な結合剤には、例えばポリビニルピロリドンなど、生理耐容性合成ポリマー結合剤、ポリサッカライド結合剤、ゼラチン、などが含まれる。希釈剤には硝酸カリウムなどの他の水溶性塩が含まれることができる。
【0011】
好ましい、通常は螺旋状のコイルは、約2ミリメートルから約10ミリメートル、より好ましくは約6ミリメートルから約8ミリメートルの範囲の外径を有する。コイルを形成する中空のシャフトまたは管の外径は約4ミリメートルを超えないことが好ましい。
【0012】
コイルは、好ましくは子宮内膜に対して少なくとも約20ミリグラム、より好ましくは約25ミリグラム/cmから約150ミリグラム/cm、より好ましくは子宮内膜に対して約50ミリグラム/cmから約100ミリグラム/cmの硝酸銀、酢酸銀などの銀イオン放出化合物を含む組成物を担持する。
【0013】
銀イオン放出組成物を担持する生理適合性プラットフォームは、哺乳類の子宮の月経過多症の治療に有益である。コイルは延された形態で子宮内に導入され、導入後にその通常の螺旋状の形態に戻る。銀イオンは子宮内膜に送達され、子宮内膜の組織の壊死を引き起こすと同時に、コイルが定位置にある状態で子宮マッサージにより筋子宮筋の一部の壊死を引き起こす。その後、子宮腔内に残存する銀イオンは、カテーテルによって子宮に送達される通常は塩化ナトリウム溶液によって中和されることができる。その後コイルは機械的除去または類似の手段によって子宮から回収される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】硝酸銀含有組成物を外側表面上に塗覆して有する中空コイルの平面図である。
【図2】図1の中空コイルの面2−2による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、用語「壊死」およびその文法的変形例は組織内の細胞の死を意味する。用語「化学的壊死」およびその文法的変形例は、焼灼性化学薬品との接触から生じる壊死を意味する。本発明の送達用担体の物質または化学成分に関連して、本明細書および添付請求項で使用されている用語「生理不活性」および「生理耐容性」は、物質または化学成分が、患者の子宮腔内に存在するとき、患者に不利な生理的反応を生み出さないことを意味する。不利な生理的反応には、例えば、アレルギー反応および他の全身性反応と、硝酸銀に起因しない局所炎症などが含まれる。
【0016】
本発明は、月経過多症を患う患者の子宮内膜を壊死させるために、硝酸銀などの銀イオン源を子宮腔に送達するのに適した生理耐容性プラットフォームを提供する。送達プラットフォームは、固形銀イオン源を支承する可撓性、可塑性の担持体を備える。固形の銀イオン源は担持体にしっかりと固着するが、担持体は、子宮の湿潤な子宮内膜と接触すると即座に銀イオン支承組成物を放出する。固形銀イオン源は担持体の外部表面上に塗覆されることができ、または担持体の多孔質もしくは窪み付きの表面内に少なくとも部分的に存在することができる。
【0017】
コイルは、子宮腔内に受けられる医療器具に対する合衆国食品医薬品局の要件などの政府の規制上の要件を満たす、可撓性である、任意の生理適合性物質から作製されることができる。コイルはポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテートコポリマーなどの生理不活性ポリマーで作製されることができる。コイルは穿孔性、多孔性、または非多孔性であることができる。コイル内に穿孔または溝が存在すると、コイルによって担持される硝酸銀などの銀イオン放出化合物の充填量を増加させることができる。可撓性コイルの表面内に、追加量の銀イオン源、例えば硝酸銀結晶などを中に保持するために、空洞または穴が設けられることができる。
【0018】
銀イオン送達に適した他の例示的なプラットフォームの構成に、子宮内膜と接触するための比較的大きな表面積を実現する子宮内器具(IUD)がある。これにはLippesの米国特許第3,250,271号明細書に示されたLippes’ Loop、Krzaklewskiらの米国特許第3,957,042号明細書に示された間隙IUD、Saf−T−コイルなどがある。Lippesの米国特許第3,250,271号明細書および米国特許第3,957,042号明細書は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
本発明の銀イオン送達プラットフォームは当該技術分野で知られている多様な方法によって製造されることが可能である。例えば、実質的に純粋な硝酸銀などの溶解硝酸銀組成物、または硝酸銀と約25重量パーセント以下の硝酸カリウム、好ましくは約20重量パーセント以下の硝酸カリウム、より好ましくは約5重量パーセント以下の硝酸カリウムなどの希釈剤との混合物がプラットフォームに塗布されることができる。溶解硝酸銀組成物は噴霧によって、例えば溶解硝酸銀組成物をビーズの流動床上に噴霧することによってプラットフォーム上に付着されることもできる。純粋硝酸銀は約212°Cの温度で溶解する。溶解硝酸銀組成物が送達プラットフォーム、好ましくはコイル上に付着されるとき、プラットフォームは、硝酸銀組成物の溶解点よりも高い軟化温度または溶解点を有する。あるいは、硝酸銀結晶または粒が熱可塑性送達プラットフォームの軟化された表面上に包埋されることもできる。
【0020】
あるいは、本発明を実施する銀イオン送達プラットフォームを提供するために、例えば硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、過マンガン酸銀などの水溶性無機銀塩、または例えば酢酸銀、乳酸銀一水和物などの水溶性有機銀塩などの銀イオン源を結合剤と一緒に含む水溶性組成物がプラットフォーム上に付着され、乾燥されることができる。水溶性組成物は、Neuwirthの米国特許第6,197,351号明細書で述べられるような濃厚結合剤(例えばデキストランなど)を含有するペーストまたは流体であることができる。同明細書の関連する開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。他の適切な結合剤には、子宮内調剤で使用するのに適したグレードである限り、合成ポリマー結合剤および濃厚剤(例えばポロキサマポリマー、カルボマーポリマー、ポリビニルピロリドンなど)、ゼラチン、硬化ゼラチン、ポリサッカライド(例えばデキストラン、微結晶セルロース、メチルセルロース、キサンガム、グアガムなど)、類似の濃厚剤および結合剤などの任意の生理耐容性結合剤が含まれる。薬剤学的に許容可能な結合剤、担持体、希釈剤、崩壊剤などが、「Remington’s Pharmaceutical Science」(Mack Publishing Co.(1970)第14版、1650〜1653頁)に述べられている。その関連する開示内容は、関係する限り参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
好ましい一塗覆方法では、硝酸銀含有組成物は、硝酸銀とポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどのポリマー結合剤とを備える水溶性組成物であることができる。組成物は任意の適切な方法で可撓性コイルに塗布されることができる。組成物は、比較的滑らかな表面構造と比較的一定の厚みとを有する均一な塗覆として塗布されることが好ましい。例えば、組成物は空気圧噴霧ガンを利用することによって、浸漬によって、また類似の手段によってコイルに塗布されてもよい。噴霧は連続的なものであり、コイルが過度に湿潤(濡れ過ぎ)にならないように実質的に同時に乾燥を行うことが理想的である。
【0022】
他の好ましい実施形態では、コイル製造プロセス中に、粉末または微細結晶としての固形硝酸銀が充填物として、任意選択で発泡剤と共にポリマー溶解物に加えられることができる。次いで硝酸銀が充填されたポリマーが押し出し成形されて、硝酸銀が中に拡散された硝酸銀送達コイルを形成することができる。コイルは、ビーズが子宮内膜と接触するときにコイルの内部の硝酸銀が放出されることができるように、水膨潤性または透水性であることが好ましい。あるいは、水溶性硝酸溶液が予備形成された、多孔性、水膨潤性または透水性のポリマーコイル内に吸収されることができる。
【0023】
図1は実質的に平面の硝酸銀送達コイル10の平面図である。硝酸銀送達コイル10は、ポリプロピレンまたはポリスチレンから作製された普通は螺旋状に巻かれたヘッド部分12とシャフトなどのテール部分14とを備える。ヘッド部分12にはその遠端に拡張ノブ18が設けられることが好ましい。ポリビニルピロリドン内に拡散された硝酸銀は螺旋状に巻かれたヘッド部分12上に付着される。図2は硝酸銀送達コイル10の断面図である。これは、ヘッド部分12を、子宮腔内への導入中に一時的に伸ばすまたは真っ直ぐにする硬化ロッド(図示せず)を受け取るルーメン16を画定する中空内部を示す。
【0024】
コイル10は、治療を行う医療者によって望まれるレベルの子宮内膜の壊死を生じさせるのに充分な量の銀イオンを子宮に送達する。放出された銀イオン(Ag)は、細胞代謝にとって不可欠な、蛋白質、硫化物、塩化物などの部分と細胞内で反応し、そのようにして壊死を開始する。
【0025】
本発明の他の態様は、月経過多症を治療する方法であって、月経過多症を患う患者の子宮腔内に、組織を壊死させる量の、硝酸銀などの固形銀イオン源を支承する、コイルなどの中空、可撓性のプラットフォームを導入するステップと、銀イオン源を子宮内膜上に分配するために子宮をマッサージするステップと、プラットフォームを、子宮内膜組織を壊死させるのに充分な時間、子宮の内膜層と接触した状態に維持するステップと、子宮腔内に存在する銀イオンを中和するために生理食塩水で子宮腔を洗い流すステップと、患者の子宮からプラットフォームを任意の好都合な方法で回収するステップとを含む方法である。硝酸銀支承プラットフォームは、当該技術分野で良く知られている処置であるIUDの挿入と類似の方法で導入器を使用して、子宮腔内へと導入されることができる。
【0026】
実施例1:AgNOを支承する螺旋状コイルの準備
A.塗覆溶液の調合
約1グラムの硝酸銀を約4ミリリットルの水で溶解し、それに約0.4グラムのポリビニルピロリドン(K−120)を約4ミリリットルの水に溶かした溶液を加えることによって塗覆溶液Aが調合される。
【0027】
約8ミリリットルの塗覆溶液Aに約4ミリリットルの70%変性エタノールを加えることによって塗覆溶液Bが調合される。
【0028】
B.コイルの塗覆
(i)約5ミリメートルの直径を有する中空のポリプロピレンコイルが塗覆溶液A内に約2分間浸漬され、塗覆溶液から取り出され、周囲室温で約30分間乾燥される。
【0029】
(ii)上記(i)で述べられたコイルの表面が粗化され、次いでコイルに上記(i)で述べられた塗覆溶液Aが塗覆される。コイルの表面は、コイルをエメリーボードの下で転がすことによって拡張コイルをやすりの下で転がすことによって粗化される。
【0030】
以上の記述は例示的なものとして解釈されるべきであって、制限をするものではない。当業者は、硝酸銀支承ビーズの他の用途を含む本発明の精神および範囲のさらに他の変形例を容易に思いつく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経過多症の治療で使用する銀イオン放出化合物用の送達プラットフォームであって、女性患者の子宮腔内への導入するように寸法決めされた、組織を壊死させる量の水溶性銀イオン放出化合物を支承する、生理不活性、可撓性の担持体を備える、送達プラットフォーム。
【請求項2】
ポリマー物質で作製された中空コイルである、請求項1に記載の送達プラットフォーム。
【請求項3】
ポリマー物質が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、およびポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項4】
銀イオン放出化合物が硝酸銀であり、コイルの表面上に付着される、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項5】
硝酸銀の少なくとも一部分がコイル内に含まれる、請求項4に記載の送達プラットフォーム。
【請求項6】
銀イオン放出化合物が水溶性無機銀塩である、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項7】
水溶性無機銀塩が硝酸銀である、請求項6に記載の送達プラットフォーム。
【請求項8】
水溶性無機銀塩が過塩素酸銀である、請求項6に記載の送達プラットフォーム。
【請求項9】
水溶性無機銀塩が過マンガン酸銀である、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項10】
銀イオン放出化合物が水溶性有機銀塩である、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項11】
水溶性有機銀塩が酢酸銀である、請求項10に記載の送達プラットフォーム。
【請求項12】
水溶性有機銀塩が乳酸銀一水和物である、請求項10に記載の送達プラットフォーム。
【請求項13】
銀イオン放出化合物が硝酸銀であり、少なくとも約75重量パーセントの硝酸銀を備える組成物として存在する、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項14】
銀イオン放出化合物が硝酸銀であり、少なくとも約95重量パーセントの硝酸銀を備える組成物として存在する、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項15】
硝酸銀が約5重量パーセント以下の硝酸カリウムを備える組成物として存在する、請求項14に記載の送達プラットフォーム。
【請求項16】
銀イオン放出化合物が硝酸銀であり、生理許容性結合マトリックス内に存在する、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項17】
結合マトリックスが、合成ポリマー結合剤、ゼラチン結合剤、ポリサッカライド結合剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の送達プラットフォーム。
【請求項18】
結合マトリックスがポリサッカライドである、請求項17に記載の送達プラットフォーム。
【請求項19】
ポリサッカライドがデキストランである、請求項18に記載の送達プラットフォーム。
【請求項20】
結合マトリックスが合成ポリマーである、請求項17に記載の送達プラットフォーム。
【請求項21】
合成ポリマーがポリビニルピロリドンである、請求項20に記載の送達プラットフォーム。
【請求項22】
生理不活性コイルが多孔性である、請求項2に記載の送達プラットフォーム。
【請求項23】
月経過多症を治療する方法であって、
月経過多症を患う患者の子宮腔に、組織を壊死させる量の固形銀イオン源を支承する、生理不活性、可撓性の担持体を投与するステップと、
子宮内に固形銀イオン源を分配するために子宮をマッサージし、担持体を、子宮内膜組織を壊死させるのに充分な時間、子宮内膜層と接触した状態に維持するステップと、
子宮腔内に存在する銀イオンを中和するために子宮腔を生理食塩水で洗い流すステップと、
患者の子宮から担持体を回収するステップとを備える、方法。
【請求項24】
銀イオン源が水溶性無機銀塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
銀イオン源が水溶性有機銀塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
銀イオン源が硝酸銀である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
銀イオンが子宮内膜に対して約25mg/cmから約150mg/cmの範囲内の量で投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
銀イオンが子宮内膜に対して約50mg/cmから約100mg/cmの範囲内の量で投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
担持体がコイルである、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−501214(P2012−501214A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525018(P2011−525018)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/004936
【国際公開番号】WO2010/027449
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511054411)アブレーシヨン・プロダクツ・エル・エル・シー (1)
【Fターム(参考)】