説明

銅材の製造方法及び銅材

【課題】安価で、軟化温度の低く、かつ導電率の高い無酸素銅材の製造方法及び銅材を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る銅材の製造方法は、上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造する方法において、上記上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段に貯溜された無酸素銅溶湯にNbを添加し、無酸素銅溶湯中に含まれるNbの割合を0.0006〜0.06重量%に調整するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅材の製造方法に係り、特に、無酸素銅材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、銅線を含む各種線材の多くは、連続鋳造圧延法により形成される。先ず、シャフト炉で溶解させた溶湯がSCR方式、又はコンチロッド(登録商標)方式の連続鋳造手段に供給され、鋳造バーが得られる。次に、その鋳造バーは連続鋳造手段に連結された熱間圧延手段に供給され、所定の外径に圧延される。その後、圧延材が冷却され、荒引き線が得られる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
連続鋳造圧延法は、溶解工程、鋳造工程、及び熱間圧延工程の各ラインが連続しており、荒引き線の製造法としては効率的で、生産性に優れた方法である。得られた荒引き線は、その後、冷間伸線工程、焼きなまし工程に供され、最終製品(例えば銅線)が得られる。この銅線の構成材の一つにタフピッチ銅がある。タフピッチ銅は、スクラップ銅と電気銅を混ぜたものを利用することができるため、原料コストが安価である。また、タフピッチ銅は、無酸素銅と比べて酸素含有量が多いため、必然的に、無酸素銅と比べて酸化した不純物の含有量が多くなるという特徴がある。また、無酸素銅の製法として、溶銅湯面に配した鋳型内で溶銅を凝固させて上方に連続的に引上げる上方引上連続鋳造法(アップキャスト法)などがある。この無酸素銅は、近年モータ用のマグネットワイヤにも使用されるようになってきた。
【0004】
【特許文献1】特開平6−240426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、銅線製造の焼きなまし工程において、連続焼きなましを行う(冷間伸線工程と焼きなまし工程を連続的に行う)ことで、工業生産性を向上させることができる。しかし、この場合、被焼きなまし材の軟化温度が高いと、焼きなまし工程に時間がかかると共に、焼きなまし工程の生産速度に冷間伸線工程の生産速度を合わせる必要があり、銅線の生産性が阻害される。また、被焼きなまし材の軟化温度が高いと、焼きなましに要する熱エネルギーが増大し、製品コストの上昇を招いてしまう。よって、被焼きなまし材の軟化温度の低下が図られている。
【0006】
銅材の軟化温度を低下させるには、銅母材中に含まれる不純物元素を除去し、Cu純度を高めることが必要とされる。不純物元素を除去する方法としては、例えば、溶湯原料の選定(高純度のものを使用)、溶湯の酸化精錬、還元精錬などがある。しかしながら、この不純物元素を除去する方法は、コストが非常にかさむ方法である。このため、溶湯原料にタフピッチ銅を用いた場合、この方法は経済的に極めて不利であり、工業的に適した方法とは言えなかった。さらに、近年では、マグネットワイヤの接続溶接時にガスのボイドが生じ難い無酸素銅の要求があり、この点ではタフピッチ銅は適さない。
【0007】
一方、銅材の軟化温度を低下させる他の方法として、銅母材中に含まれる不純物元素の内、ある元素の濃度をより低くすればよいことが知られている。ここで言うある元素の1つとして、Cuに固溶した状態で存在する硫黄(S)や鉛(Pb)などがある。このCu中に固溶したSやPbの濃度を低減させるべく、銅の溶湯に真空脱ガス処理を施したり、鋳造後の銅バーに特定温度で熱処理を施すなどの方策が試みられている。しかし、従来のこれらの方策では、SやPbの濃度を十分に低減させることができないため、銅材の軟化温度を十分に低下させることができなかった。さらに、近年HEV車の普及により、モータの高効率化の点から、マグネットワイヤの導体には高い導電率が求められている。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、安価で、軟化温度の低く、かつ導電率の高い無酸素銅材の製造方法及び銅材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明に係る銅材の製造方法は、上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造する方法において、上記上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段に貯溜された無酸素銅溶湯にNbを添加し、無酸素銅溶湯中に含まれるNbの割合を0.0006〜0.06重量%に調整するものである。
【0010】
また、本発明に係る銅材の製造方法は、上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造する方法において、上記上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段に貯溜された無酸素銅溶湯に、NbとTi、Zr、Hf、V、Ta、Fe、B、Ca、Mg、又はミッシュメタルから選択される少なくとも1種の金属又は合金とを添加し、無酸素銅溶湯中に含まれる各金属又は合金の割合を0.0006〜0.06重量%に調整するものである。
【0011】
一方、本発明に係る銅材は、前述した各銅材の製造方法を用いて製造された銅材であって、半軟化温度が115℃以下のものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安価で、軟化温度の低く、かつ導電率の高い無酸素銅材を得ることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適一実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の好適一実施の形態に係る銅材の製造方法は、上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造するものである。
【0015】
具体的には、先ず、上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段(例えば、溶解炉など)に貯溜された無酸素銅溶湯に、Nbが添加される。この時、無酸素銅溶湯中に含まれるNbの割合が0.0006〜0.06重量%となるように、その添加量が調整される。このNbは、Sとの親和力が大きな金属(以下、硫黄親和性金属という)である。添加されるNbは、Nbの単体又はそのNbを含む合金の単体のいずれであってもよい。
【0016】
次に、Nbを含む無酸素銅溶湯を、溶銅湯面に配した鋳型から上方に引上げて凝固させ、無酸素銅の荒引き材(例えば、荒引き線)を連続的に製造する。その後、荒引き材に、適宜、冷間減面加工を施して最終線径とし、半軟化温度が115℃以下の銅材(例えば、銅線)が得られる。この銅材に焼きなまし処理を施したものが、最終製品となる。ここで言う半軟化温度とは、60分間加熱した後の銅材の引張強度が加熱前の銅材の引張強度の半分になる時の温度のことである。
【0017】
また、ここで言う無酸素銅とは、10ppm以下の酸素含有量で、かつ不可避的不純物を含む純銅のことを意味する。
【0018】
硫黄親和性金属含有量(Nb含有量)を0.0006〜0.06重量%、好ましくは0.0006〜0.055重量%、より好ましくは0.001〜0.05重量%と規定したのは、Nb含有量が0.0006重量%未満だと、銅母材に固溶しているSとNbが十分に反応せず、軟化温度を低下させる効果が十分に得られないためである。一方、Nb含有量が0.06重量%を超えると、銅材に固溶するNbの固溶量が多くなりすぎて、銅材の軟化温度が逆に上昇し、所望の半軟化温度が得られないためである。
【0019】
また、半軟化温度を115℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下と規定したのは、半軟化温度が115℃以上だと、銅材の軟化温度の低減効果が十分でないためである。
【0020】
ここで、本実施の形態に係る銅材の軟化温度が大幅に低下する理由は、次のように考えられる。
【0021】
通常の無酸素銅には10ppm前後のSが固溶しており、このSが銅材の軟化温度を上昇させる大きな因子といわれている。そこで、本実施の形態に係る製造方法では、鋳造直前の無酸素銅溶湯にNbを所定の割合で添加している。このNbが無酸素銅溶湯に固溶しているSと反応することで、Sが硫化物(例えば、NbS)として析出し、Sの固溶量が減少される。また、Nbは、無酸素銅溶湯が凝固、再結晶する際の核となることから、これによって、無酸素銅の再結晶生成エネルギーを低くすることができる。これらの複合効果により、銅材の軟化温度を大幅に低下させることができると考えられる。
【0022】
本実施の形態に係る製造方法に用いる荒引き材及び最終的に得られる銅材の形態は、減面加工によって形成可能なものであれば特に限定するものではなく、例えば、線状、板状、又は条状などのいずれであってもよい。
【0023】
次に、本実施の形態に係る銅材の作用を説明する。
【0024】
通常、荒引き材に冷間減面加工を施し、伸延、伸線させてなる銅線は、加工硬化によって高硬度な線材(例えば、硬銅線)となっている。このため、通常の硬銅線に焼きなましを行う際、特にアニーラー焼きなましを行う際は、高温、長時間の熱処理が必要となる。
【0025】
しかしながら、本実施の形態に係る製造方法により得られた銅材は、銅材の原料となる無酸素銅溶湯にNbを、その含有量が0.0006〜0.06重量%となるように添加している。
【0026】
ここで、硫黄親和性金属であるNbは、酸素との反応性が強い金属であるため、大気中の酸素と容易に反応して酸化する。よって、タフピッチ銅溶湯にNbを添加してから実際に鋳造に供するまでの時間が長いと、Nbが大気に晒される時間が長くなり、Nbが多量に酸化されて添加ロスとなる。そこで、Nbと大気中の酸素との反応を抑制することが重要となる。本実施の形態に係る製造方法において、Nbを銅溶湯中に添加する望ましいタイミングは鋳造直前である。また、Nbの添加形態は、Nb金属の単体を、直接、添加してもよいが、銅母材と合金化させたものを添加することが好ましい。これによって、前述したようにNbの酸化を抑制することができる。また、添加量の秤量ばらつきを抑制することができ、延いてはNb含有量の精度を高めることができる。
【0027】
以上のような製造方法によって得られた銅材は、タフピッチ銅を用い、従来の方法で製造した無酸素銅材(以下、従来の銅材という)と比較して軟化温度が低くなる(例えば、半軟化温度が110℃以下となる)。このため、本実施の形態の銅材は、より低い温度で十分な焼きなましを行うことができる。よって、アニーラー焼きなましを行う際、本実施の形態の銅材は、従来の銅材と比較して、より低い温度で、かつ、短時間で焼きなましを行うことが可能となる。その結果、銅材の生産性が向上すると共に、銅材製造に要するエネルギーの削減も可能となる。
【0028】
本実施の形態の銅材は、接続溶接性に優れる無酸素銅で構成されており、かつ、その軟化温度が従来の銅材よりも大幅に低いことから、最終製品の製造コストが安価となり、その工業的価値が非常に高い銅材である。
【0029】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0030】
前実施の形態に係る銅材の製造方法においては、硫黄親和性金属としてNbのみを用いるものであった。
【0031】
これに対して、本発明の他の好適一実施の形態に係る銅材の製造方法は、硫黄親和性金属として、Nbの他に少なくとも1種の金属を用いるものである。言い換えると、本実施の形態に係る銅材の製造方法は、前実施の形態に係る銅材の製造方法において硫黄親和性金属として添加されるNbの一部を、他の金属で置き換えたものである。この本実施の形態に係る銅材の製造方法は、無酸素銅溶湯中に添加する硫黄親和性金属が複種類であることを除けば、前実施の形態に係る銅材の製造方法と同じである。よって、前実施の形態に係る製造方法と相違する点のみを、以下に述べる。
【0032】
本実施の形態に係る銅材の製造方法では、上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段(例えば、溶解炉など)に貯溜された無酸素銅溶湯に、NbとTi、Zr、Hf、V、Ta、Fe、B、Ca、Mg、又はミッシュメタルから選択される少なくとも1種の金属(又は合金)とが添加される。この時、無酸素銅溶湯中に含まれるNbと少なくとも1種の金属(又は合金)の割合が0.0006〜0.06重量%となるように、その添加量が調整される。この少なくとも1種の金属(又は合金)も、Nbと同様に硫黄親和性金属である。添加されるNbと少なくとも1種の金属(又は合金)は、Nb単体と少なくとも1種の金属単体の混合体や、Nbを含む合金と少なくとも1種の金属を含む合金の混合体のいずれであってもよい。
【0033】
本実施の形態に係る製造方法で得られた銅材においても、前実施の形態に係る製造方法で得られた銅材と同様の作用効果が得られる。
【0034】
また、本実施の形態の銅材と前実施の形態の銅材において、Nbの含有量が同じ場合、硫黄親和性金属の添加量がやや多くなる分、本実施の形態の銅材の方が、前実施の形態の銅材よりも軟化温度がやや高くなる。しかし、銅材の耐熱性については、本実施の形態の銅材の方が、前実施の形態の銅材よりも良好となる。これは、Nbと共に添加される少なくとも1種の金属が、無酸素銅溶湯に固溶しているSと反応し、銅材の軟化温度を低くすることに寄与すると共に、銅材の耐熱性を高めることにも寄与するためである。
【0035】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【0036】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
アップキャスト方式の上方引上連続鋳造装置を用い、無酸素銅からなる直径φ8mmの荒引き線を製造した。荒引き線の構成材は、無酸素銅溶湯に硫黄親和性金属を所定の割合で添加したものである。この荒引き線に冷間減面加工、焼きなまし処理を適宜繰り返して施し、直径φ0.5mmの銅線を作製した(試料1〜試料17)。
【0038】
試料1については、硫黄親和性金属を無添加とした(比較例1)。
【0039】
試料2〜6については、硫黄親和性金属としてそれぞれNbのみを添加した。
Nbを0.006重量%含有させたものを(実施例1)、
Nbを0.012重量%含有させたものを(実施例2)、
Nbを0.04重量%含有させたものを(実施例3)、
Nbを0.06重量%含有させたものを(実施例4)、
Nbを0.0005重量%含有させたものを(比較例2)とした。
【0040】
試料7〜16については、硫黄親和性金属としてそれぞれNb+αの計2種を添加した。
0.012Nb+0.003Ti(2種合計が0.015重量%)含有させたものを(実施例5)、
0.012Nb+0.006Zr(2種合計が0.018重量%)含有させたものを(実施例6)、
0.012Nb+0.01Hf(2種合計が0.022重量%)含有させたものを(実施例7)、
0.012Nb+0.03V(2種合計が0.042重量%)含有させたものを(実施例8)、
0.012Nb+0.02Ta(2種合計が0.032重量%)含有させたものを(実施例9)、
0.012Nb+0.003Fe(2種合計が0.015重量%)含有させたものを(実施例10)、
0.012Nb+0.002B(2種合計が0.014重量%)含有させたものを(実施例11)、
0.012Nb+0.002Ca(2種合計が0.014重量%)含有させたものを(実施例12)、
0.012Nb+0.002Mg(2種合計が0.014重量%)含有させたものを(実施例13)、
0.012Nb+0.002MM(ミッシュメタル;2種合計が0.014重量%)含有させたものを(実施例14)とした。
【0041】
試料17は、連続鋳造圧延方式(SCR方式)を用いてタフピッチ銅からなる荒引線φ8mmを製造した。荒引き線の構成材は、無酸素銅溶湯に硫黄親和性金属であるTiを0.003重量%添加したものである。この荒引き線に冷間伸線加工、焼きなまし処理を適宜繰り返して施し、直径φ0.5mmの銅線を製作したものである(従来例1)。
【0042】
実施例1〜14、比較例1、2及び従来例1の各銅線を用いて軟化試験を行い、軟化特性の評価を行った。その結果を表1に示す。ここで、軟化特性の評価は、半軟化温度を用いて行った。また、各銅線については、完全焼きなまし処理(銅線の強度がそれ以上に低下しないところまで軟化させる処理)を行い、導電率の測定も実施した。
【0043】
【表1】

【0044】
表1に示すように、実施例1〜14の各銅線は、いずれも硫黄親和性金属の含有量が0.0006〜0.06重量%の範囲であり、本発明に係る銅線の製造方法を満足していた。実施例1〜14の各銅線の半軟化温度はいずれも115℃以下(74〜115℃)であり、硫黄親和性金属(Nb)が無添加の比較例1の各銅線の半軟化温度(135℃)と比較すると、20℃以上(約20〜61℃)も半軟化温度が低下していた。実施例4の銅線の半軟化温度が115℃であることから、硫黄親和性金属の含有量の上限が0.06重量%であることが確認できる。特に、実施例1〜3,5〜14の各銅線は、半軟化温度が96℃以下であるのでより好ましい。
【0045】
これに対して、比較例2の銅線は、Nb含有量が0.0005重量%と少なすぎるため、銅線の軟化温度を低下させる効果が十分でなく、Nb無添加の比較例1の銅線と比較して半軟化温度の低下は14℃だけであった(121℃)。
【0046】
各銅線の完全焼きなまし処理後の導電率は、半軟化温度の低い本実施例1〜14は101.5%IACS以上であったが、半軟化温度の高い比較例1、2は、101.5%IACS未満であった。また、試料である銅線と銅線の先端同士を突合わせしTIG溶接したところ、従来例の銅線の場合には銅中にボイドが形成されたが、本発明の実施例1〜14及び比較例1、2にはボイドが認められなかった。
【0047】
以上より、荒引き線の構成材である無酸素銅溶湯に硫黄親和性金属を所定の割合で添加し、その無酸素銅溶湯を上方引上連続鋳造装置に供給して銅線を製造することで、銅線の軟化温度を大幅に低下させることができ、かつ、導電率も高くでき、更に溶接時に導体中のボイドは発生せず、接続信頼性が大幅に向上することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造する方法において、
上記上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段に貯溜された無酸素銅溶湯にNbを添加し、無酸素銅溶湯中に含まれるNbの割合を0.0006〜0.06重量%に調整することを特徴とする銅材の製造方法。
【請求項2】
上方引上連続鋳造装置を用いて無酸素銅溶湯から直接、銅材を製造する方法において、
上記上方引上連続鋳造装置の溶湯貯溜手段に貯溜された無酸素銅溶湯に、NbとTi、Zr、Hf、V、Ta、Fe、B、Ca、Mg、又はミッシュメタルから選択される少なくとも1種の金属又は合金とを添加し、無酸素銅溶湯中に含まれる各金属又は合金の割合を0.0006〜0.06重量%に調整することを特徴とする銅材の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の製造方法を用いて製造された銅材であって、半軟化温度が115℃以下であることを特徴とする銅材。

【公開番号】特開2008−254023(P2008−254023A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98963(P2007−98963)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】