説明

銅線の絶縁被膜の剥離方法及び治具

【課題】 銅線と絶縁被膜を導体径の許容差内に維持し、能率よくかつ確実に剥離する。
【解決手段】 銅線の絶縁被膜を刃物による切削加工により削り落とし、銅線の絶縁被膜を剥離できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅線の絶縁被膜を刃物による剥離する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、銅線と絶縁被膜の剥離は溶剤による除去処理がなされていた。その理由は、銅線の絶縁被膜の剥離において銅線の導体径を許容差内に維持し、剥離することは容易では無いと見られていたためである。
【0003】
一般に刃物を回転させて銅線と絶縁被膜を剥離する方法があるが、極めて細径である銅線では被膜層の一部を導体径の許容差内で長手方向に剥離することは容易ではなく、作業性が悪い。
【特許文献1】特開2002−199536
【特許文献2】特開平11−150824
【発明の開示】

【発明が解決しようとている課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、銅線と絶縁被膜を導体径の許容差内を維持し剥離することである。
【問題を解決するための手段】
本発明は、(図1)開閉自在に連結した(図2)内周刃2枚で絶縁被膜剥離治具を構成したこと。上記の内周刃に銅線の導体径にあわせた刃先を介在させ、当該内周刃をバネによって押さえて絶縁被膜に食い込ませながらその一部を長手方向に削り取る。
【発明の効果】
本発明により、銅線と絶縁被膜の剥離には動力や剥離溶剤を使うことは無くなり省資源を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1に示すように、固定用バネ3で保持した刃物1を用いて銅線4を案内板2に通して位置決めを行い刃物移動による切削加工により銅線と絶縁被膜を剥離する。図中の矢印は刃物の移動方向を示す。
【実施例1】
【0006】
内径0.495mmの刃物を用いて、0種銅線の最大仕上げ外径0.598mmで導体径許容差0.50±0.01mmを切削加工して絶縁被膜を剥離した。絶縁被膜は剥離されて分離した銅線の導体径は0.495mmであった。
【実施例2】
【0007】
内径0.70mmの刃物を用いて、2種銅線の最大仕上げ外径0.812mmで導体径0.70±0.02を切削加工して絶縁被膜を剥離した。絶縁被膜は剥離されて分離した銅線の導体径は0.7mmであった。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明により銅線の絶縁被膜の剥離は剥離溶剤や動力を使わず可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】銅線と絶縁被膜の切削加工を説明する図
【図2】刃物の説明図
【符号の説明】
【0010】
1 刃物
2 銅線の案内板
3 刃物の固定用バネ
4 銅線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅線の絶縁被膜を刃物による切削加工により削り落として、銅線の絶縁被膜を剥離することを特徴とする銅線の絶縁被膜の剥離治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−116882(P2007−116882A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330788(P2005−330788)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(502321607)有限会社三南合金工業所 (3)
【Fターム(参考)】