説明

銅錯体イミダゾール及び誘導体を用いたガス発生

イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つの銅II錯体を含む化合物は、ガス発生組成物に用いるために提供される。関連して燃焼速度増進ガス発生組成物は、そのような銅錯体含有化合物に加えて、また窒素含有非アジ化物系燃料を含む。点火性、燃焼速度及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択された少なくとも1つの側面において、そのような銅錯体含有化合物を非アジ化物系ガス発生組成物に添加することにより、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼性能を改良する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、概略、自動車膨張式拘束系に含まれるエアバッグ緩衝材のような膨張式装置を膨張させる膨張ガスを形成するためのような、ガス発生に用いるための物質に関する。特に、本発明は、イミダゾールまたはイミダゾール誘導体の銅錯体を含む物質に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス発生物質は、種々の異なる事情において、有用である。そのような組成物についての重要な使用は、自動車膨張式拘束エアバッグ緩衝材の動作においてである。
【0003】
衝突の場合においてのように、車両が急な減速に遭うときに、ガスで膨張または伸張される、例えば、「エアバッグ緩衝材」のような、緩衝材またはバッグを用いて、車両に乗っている人を防御することは、良く知られている。そのような系において、エアバッグ緩衝材は、通常、空間要求条件を最小にするために膨張していない折り畳まれた状態で収容される。そのような系は、車両の急な減速を検出し、系の起動を電気的にひき起こすために、典型的に、また、車両のフレーム構造または車体上あるいはフレーム構造または車体に取り付けられた1つ以上のセンサーを含む。系の作動時に、数ミリ秒以下で、緩衝材は、通例「インフレータ」と呼ばれる装置により生成または供給されるガスで、膨張または伸張されることを開始する。実際には、そのようなエアバッグ緩衝材は、望ましくは、乗っている人と、ドア、ステアリングホイール、計器板などのような車両内部の一定の部品との間の車両内の位置に、乗っている人が車両内部のそのような部品に強く衝突することを防止または回避するために、配置される。結果として、殆ど即時のガス発生が、一般的に、そのような膨張式拘束装置の有効な動作のために、所望され、必要とされる。
【0004】
種々のガス発生組成物は、これまで、車両乗員膨張式拘束系において用いるために提案された。通例、自動車膨張式拘束エアバッグ緩衝材の膨張において利用されるガス発生組成物は、これまで、最も典型的にアジ化ナトリウムを用いるか、または、アジ化ナトリウムを主成分としている。そのようなアジ化ナトリウム系組成物は、起爆で、通常、窒素ガスを生成または形成する。アジ化ナトリウム及び一定の他のアジ化物の使用が、工業規格、指針、及び標準に従っていた一方で、そのような使用は、潜在的に、そのようなガス発生物質の安全で有効な取扱、供給、及び廃棄に関係するような潜在的な関心を含むかまたは高めることがありうる。したがって、さらに改良された安全及び/又は有効性を有する代替ガス発生物質の継続する必要性が存在している。特に、作動時に反応して車両安全拘束装置を膨張させる膨張ガスを形成または生成する、無アジ化物燃料物質及びそのための酸化剤からなるような代替ガス発生剤の必要性が存在している。
【0005】
この必要性のゆえに、重要な努力は、自動車エアバッグインフレータにおいてアジ化ナトリウムを使用することを最小にすることまたは回避することに向けられた。そのような努力により、非アジ化物系燃料及び酸化剤の種々の組合せが、ガス発生組成物用に、提案された。これらの非アジ化物系燃料は、一般的に、アジ化ナトリウムに比較して、製造し、使用するために、望ましくは毒性がより少なく、それゆえに、より容易に廃棄することが可能であり、従って、少なくとも部分的に、一般大衆により、より許容されるとわかった。さらに、炭素、水素、窒素、及び酸素原子からなる非アジ化物系燃料は、典型的には、燃焼時に、すべてのガス生成物を生ずる。当業者により認識されるであろうように、高い窒素及び水素含有量と低い炭素含有量とを有する燃料は、それらの比較的高いガス産出量(ガス発生物質の100グラム当り生成したガスのモルによって測定されるような)のために、一般的に、そのような膨張式拘束用途に用いるために誘引的である。
【0006】
当該分野において知られ、ガス発生組成物に通例用いられる多くの酸化剤は、酸素を含んだアニオンの金属塩(例えば、硝酸塩、塩素酸塩、及び過塩素酸塩のような)または金属酸化物である。不利なことに、燃焼時に、そのような酸化剤の金属成分は、典型的には、最後に固体になり、したがって、それから実現可能な相対ガス収率を減少する。結果的に、特にガス発生配合物中のそのような酸化剤の量は、典型的には、配合物のガス産出量または収率に影響を及ぼす。しかし、酸素が燃料物質に均質混合される場合に、そのような酸化剤のより少ない相対量が必要とされ、配合物のガス産出量は、増加されることが可能である。
【0007】
低毒性及び高ガス産出量に加えて、好ましいガス発生物質は、望ましくは、熱安定性であり(すなわち、望ましくは、概略160℃超過の温度においてのみ分解する)、湿分についての低親和性を有し、調製及び/又は製造するために比較的費用がかからない。
【0008】
さらに、上記確認された望ましい性質及び特性に加えて、自動車膨張式拘束用途に使用するガス発生物質は、十分に反応性でなければならず、そのため、その反応の適当な開始で、結果ガスを生成または発生する反応が十分に急速であり、そのため、該当する膨張式エアバッグ緩衝材が所望の衝撃保護を関連する車両乗員に提供するように適当に膨張する。一般に、ガス発生組成物の燃焼速度は、下記の方程式(1)により表すことができる。
=k(P) (1)
式中、
=燃焼速度(一次)
k=定数
P=圧力
n=圧力巾指数、
ただし、圧力巾指数は、燃焼速度対圧力の対数−対数プロットにより引かれた一次回帰線の勾配である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
硝酸グアニジン(CH)は、多くの上記確認された望ましい燃料性質を有し、自動車エアバッグ産業において広く利用されている非アジ化物である。例えば、硝酸グアニジンは、商業的に入手可能、比較的安価、無毒性であり、高い窒素、水素、及び酸素量と低い炭素量のため、すぐれたガス産出量を提供し、噴霧乾燥を許容するために十分な熱安定性を有する。不利なことに、硝酸グアニジンは、所望されるであろう燃焼速度より低いことが欠点である。したがって、1つ以上の上述の課題または欠点をより効果的に克服する可能性がある無アジ化物ガス発生物質の必要性及び需要が存続している。
【0010】
共同にメンデンホール(Mendenhall)に与えられ、2003年4月22日に発行され、その開示がここで引用により完全に組み入れられる米国特許第6550808号明細書は、概略、望ましくは、硝酸グアニルウレア(ジシアンジアミジン及びアミジノウレアとしても知られる)を包含するかまたは含むガス発生組成物に関する。特に、硝酸グアニルウレアは、有利に、そのような燃料成分を含むガス発生物質に比較的高い装填密度を許容するほどに比較的高い理論密度を有する。さらに、硝酸グアニルウレアは、硝酸グアニルウレア216℃の熱分解温度を有することにより証明されるように、すぐれた熱安定性を示す。加えて、硝酸グアニルウレアは、その他の点では同様の硝酸グアニジンを含むガス発生剤に比較すると、より冷たい燃焼ガス発生組成物を生ずるような大きい負の生成熱(すなわち、−880cal/グラム)を有する。
【0011】
しかるに、ガス発生物質において、硝酸グアニルウレアの包含または使用は、アジ化ナトリウムまたは他の類似するアジ化物物質の包含または使用にたよることを最小にするかまたは回避することが可能であり、改良された燃焼速度を提供し、原価、商業的な入手可能性、低毒性、良い熱安定性、及び、湿分についての低親和性に関係するような1つ以上の問題、欠点、または限定を克服する一方で、ガス発生配合物の燃焼速度のいっそうさらなる改良が、特別の用途について、所望されるかまたは要求される可能性がある。
【0012】
塩基性硝酸銅(Cu(NO・3Cu(OH))(本明細書において、表記「BCN」または「bCN」という場合がある。)は、望ましくは酸化剤としてのその使用またはガス発生組成物包含を提供するほどに、例えば、高いガス産出量、密度、及び熱安定性、並びに比較的低い原価を含む種々の望ましい性質または特性を有するかまたは示す。そのような塩基性硝酸銅または関係する物質の使用は、その開示がここで引用により完全に組み入れられる、バーンズ(Barnes)他、1997年3月4日に発行された米国特許第5608183号明細書、バーンズ(Barnes)他、1997年6月3日に発行された米国特許第5635688号明細書、及び、メンデンホール(Mendenhall)他、2000年11月7日に発行された米国特許第6143102号明細書を含む種々の特許の主題であった。
【0013】
実際には、概略、膨張式拘束系のインフレータが所定の質量流量で膨張ガスを提供または供給可能であることは、所望されるかまたは必要とされる。ガス発生組成物の燃焼で生ずるガス質量流量は、典型的には、燃焼を受けるガス発生剤の表面積と、その燃焼速度との関数である。不利なことに、そのようなガス発生組成物において塩基性硝酸銅のより多く、より広まった使用についての制限は、塩基性硝酸銅含有ガス発生組成物が、望ましくなく低いまたは緩い燃焼速度を示す可能性があるかまたはさもなければそれに関連したことである。実際には、そのようなガス発生組成物に関連した標準または典型的な燃焼速度は、より速い燃焼速度が必要とされず所望されないそれらの用途にそのようなガス発生組成物を使用することを制限するように影響を及ぼす可能性がある。例えば、そのような低い燃焼速度または緩い燃焼速度は、膨張ガスのより即時のガス発生または提供が必要とされるかまたは所望される種々の側面衝撃用途に不適当である可能性がある。
【0014】
いくつかのインフレータ用途について、比較的低い燃焼速度を示すガス発生配合物は、ガス発生物質を比較的大きい反応表面積を有する形状または形態で提供するほどにガス発生物質の形状または形態の寸法を減少することにより、少なくとも部分的に、補償されることが可能である。しかし、実際には、例えば、タブレットのようなガス発生物質形状または形態が再現性よく製造されることができる最小寸法に対する実用限度が存在する。さらに、増加された燃焼速度は、より高いインフレータ性能を要求する特定の用途について、必要とされる可能性がある。
【0015】
ガス発生物質の他の、多くの場合に重要または臨界性能特性は、燃焼速度圧力感受性である。一般に、減少されたまたはより低い燃焼速度圧力感受性を示す物質または配合物は、そのような物質及び配合物が、該当する物質または配合物が異なる圧力条件の下で反応するときの減少された性能変動に導くことが可能であるので、望ましい。
【0016】
まだ、さらに、種々の非アジ化物系ガス発生配合物の一般的な欠点は、そのような配合物が点火し難い傾向を示す可能性があることである。自動車膨張式拘束系に使用されるインフレータ装置は、通例、ガス発生配合物の所望の点火及び本来の機能を提供するかまたは生ずるために、点火系列の形態のような、比較的複雑で大抵費用のかかる点火系を含むかまたは組み込む。結果的に、点火系列の大きさを削減または減少する能力は、自動車膨張式拘束系の重要で可能な費用節約を表す。
【0017】
したがって、例えば、点火性、燃焼速度、及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択されるような少なくとも1つの側面において、ガス発生組成物、特に非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼性能を改良する方法または手法の必要性及び需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の概括的な目的は、火工品組成物用の物質を提供することである。
【0019】
本発明のより特定の目的は、上述した課題の1つ以上を克服するものである。
【0020】
本発明の概括的な目的は、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つの銅II錯体を含む化合物により、少なくとも部分的に、達成することができる。
【0021】
概略、従来技術は、例えば、点火性、燃焼速度、及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択されるような少なくとも1つの側面において、ガス発生組成物、特に非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼性能を改良する、所望されるように有効な方法または手法を提供しない。
【0022】
1つの実施形態に応じて、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つの銅II錯体を含む化合物に加えて、また、窒素含有非アジ化物系燃料と酸化剤を含む、燃焼速度増進ガス発生組成物が提供される。
【0023】
以下により細大もらさず説明されるように、ある望ましい実施形態に応じて使用する特定の窒素含有非アジ化物系燃料物質は、硝酸グアニジン、ニトログアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸ジアミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、硝酸グアニルウレア、テトラゾール、ビテトラザオール、アゾジカルボンアミド、及び、それらの混合物からなる群から選択された有機燃料である。さらに、ある望ましい実施形態に応じて使用する特定の酸化剤は、望ましくは、硝酸アルカリ金属、過塩素酸アルカリ金属、硝酸アルカリ土類金属、過塩素酸アルカリ土類金属、塩基性硝酸金属、硝酸金属アムミン、金属酸化物、金属水酸化物、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、及び、それらの混合物からなる群から選択される。
【0024】
他の側面に応じて、点火性、燃焼速度及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択された少なくとも1つの側面において、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼性能を改良する方法が提供される。1つのそのような方法に従って、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つの銅II錯体を含む化合物は、非アジ化物系ガス発生組成物に添加される。より特殊の実施形態において、非アジ化物系ガス発生組成物の点火性を増加する方法、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度を増加する方法、及び、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度圧力感受性を少なくする方法が、提供される。
【0025】
ここで使用されるように、特定の組成物、成分、または物質を「燃料」というときは、CO2、H2O、及びN2に完全燃焼するために十分な酸素が概略ない化学物質をいうと理解されるべきである。
【0026】
相応じて、特定の組成物、成分、または物質を「酸化剤」というときは、概略、CO2、H2O、及びN2に完全燃焼するために十分である以上の酸素を有する化学物質をいうと理解されるべきである。
【0027】
ここでの燃料または酸化剤を「主」というときは、概略、最大濃度または相対量で存在するそれぞれの燃料または酸化剤をいうと理解されるべきである。
【0028】
他の目的及び利点は、当業者に、添付の特許請求の範囲及び図面と共に考慮される以下の詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、自動車膨張式拘束系のエアバッグ緩衝材のような膨張式要素の膨張に使用されるガス発生組成物においてまたはガス発生組成物として、より特別には、例えば、点火性、燃焼速度及び燃焼速度圧力感受性のような1つ以上の側面において、そのような物質の使用の性能の向上または改良に使用するような物質を提供する。本発明の1つの特別の側面に従って、少なくとも1つの窒素含有非アジ化物系燃料と、塩基性硝酸銅のような酸化剤とを含む燃焼速度増進ガス発生組成物が提供される。
【0030】
以下により細大もらさず説明されるように、そのようなガス発生組成物または配合物質は、望ましくは、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導体の銅II錯体であるかまたはそれを含む化合物である。本発明の実施に使用する化合物の特定の例としては、ビスイミダゾール、ビスニトロイミダゾール、水酸化イミダゾール、水酸化ニトロイミダゾール、イミダゾールニトロイミダゾール、及び、それらの混合物の銅II錯体が挙げられる。
【0031】
当業者でここに提供された教示により導かれるものは、そのような化合物が、種々の化学反応及び関連する処理機構で、それにより、またはそれによって、形成または生成されうることを認識するであろう。本発明の範囲内の数個の代表的反応は、次のとおり、
(1) Cu(OH)2 + 2C3H3N3O2(4−ニトロイミダゾール)→
Cu(C3H2N3O2)2(銅IIビス−4−ニトロイミダゾール) + 2H2O;
(2) Cu(OH)2 + C3H3N3O2(4−ニトロイミダゾール)→
Cu(C3H2N3O2)(OH)(銅IIビス−4−水酸化ニトロイミダゾール) + H2O;
(3) Cu(OH)2 + 2C3H3N2(イミダゾール)→Cu(C3H2N2)2(銅IIビスイミダゾール) + 2H2O;
(4) Cu(OH)2 + C3H3N2(イミダゾール)→
Cu(C3H2N2)(OH)(銅II水酸化イミダゾール) + H2O;
(5) Cu(OH)2 + C3H3N2(イミダゾール) + C3H3N3O2(4−ニトロイミダゾール)→
Cu(C3H2N2)(C3H2N3O2)(銅IIイミダゾール4−ニトロイミダゾール) + 2H2O、
である。
本発明は、また、同種の生成反応を用いるが、そこで、硫酸銅の代わりに、全部または一部分、酸化第二銅及び塩基性炭酸銅のいずれかまたは両方のような銅化合物を利用する処理を予想し、包含する。当業者でここに提供される教示により導かれるものは、異性体2−ニトロイミダゾールまたは異性体の混合物が利用可能であることを認識するであろう。
【0032】
少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質の記載された銅II錯体は、自動車膨張式拘束系のインフレータ装置に含まれることが可能である火工品組成物として利用可能である。代替的に、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質の記載された銅II錯体は、点火薬組成物、自己点火組成物、またはガス発生組成物のような火工品組成物に、及び、補燃料のような添加成分を追加的に含むことが可能であるものに使用することが可能である。典型的に、本発明のそのような銅錯体含有組成物は、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質の主題銅II錯体を概略1〜概略30組成重量パーセント、含むことが可能である。
【0033】
しかるに、本発明のより広い実施は、必ずしも、特別または特定のガス発生配合物、特にアジ化物燃料がないガス発生配合物または組成物と組み合わせてまたはそれと共に、イミダゾールまたはイミダゾール誘導体のそのような銅錯体を均質混合または使用することに限定されず、本発明は、1つ以上の窒素含有有機化合物及び窒素含有有機化合物の1つ以上の遷移金属錯体のいずれかまたは両方と、一次酸化剤としての塩基性銅硝酸塩とからなる主燃料成分を含むガス発生配合物において、特別の有益または実用性を有すると考えられる。ある望ましい実施形態に応じて、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質のそのような銅II錯体は、点火性、燃焼速度及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択された少なくとも1つの側面において、望ましくは、そのような非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼特性を改良するように働くことができる。例えば、1つの望ましい実施形態に応じて、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質のそのような銅II錯体の望ましい包含は、少なくとも望ましくは、非アジ化物系ガス発生組成物の点火性を増加することができる。他の望ましい実施形態に応じて、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質のそのような銅II錯体の望ましい包含は、少なくとも望ましくは、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度を増加することができる。他の望ましい実施形態に応じて、少なくとも1つのイミダゾールまたはイミダゾール誘導化合物または物質のそのような銅II錯体の包含は、少なくとも望ましくは、非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度圧力感受性を少なくすることができる。
【0034】
当業者でここに提供された教示により導かれるものは、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質のそのような銅II錯体の包含がない同じ配合物に比較して、本発明は、望ましくは、結果として生ずる配合物が点火性及び/又は燃焼速度の望ましい増加、同様にまたは代替的に、燃焼速度圧力感受性の望ましい増加を示すために十分な量の、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つのそのような銅II錯体の包含によって実施することができる。望ましい実施形態に応じて、ガス発生配合物は、銅錯体化合物を概略1組成重量パーセントと概略30組成重量パーセントの間で含むかまたは包含する。
【0035】
上記確認されたように、そのようなガス発生組成物は、望ましくは、少なくとも1つの非アジ化物系窒素含有燃料化合物を含むかまたは包含する。実際には、望ましくは、そのようなガス発生組成物は、車両膨張式安全拘束用途に適した、概略1組成重量パーセント〜概略90組成重量パーセントの非アジ化物系窒素含有燃料化合物を包含することが可能である。望ましい実施形態に応じて、望ましくは、好適な非アジ化物系窒素含有燃料化合物は、硝酸グアニジン、ニトログアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸ジアミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、硝酸グアニルウレア、テトラゾール、ビテトラザオール、アゾジカルボンアミド、及び、それらの混合物、の1つ以上のような有機燃料であることが可能である。特別の非アジ化物系窒素含有燃料化合物は、硝酸グアニジンと硝酸コバルトIII ヘキサミンを包含する。そのようなガス発生組成物に硝酸グアニジンを使用することの望ましさは、概略、原価、安定性(例えば、熱安定性)、有効性、及び、相溶性(例えば、他の標準または有用ガス発生組成物との、例えば、相溶性)に関係するような因子の組合せに基づく。
【0036】
以下に細大もらさず説明されるように、1つの特に望ましい実施形態に応じてガス発生組成物は、概略5〜概略60組成重量パーセントの硝酸グアニジンを含み、及び、他の特に望ましい実施形態に応じて、概略1〜概略30組成重量パーセントの相対量で存在する硝酸グアニジンと、概略1〜概略70組成重量パーセントの相対量で存在する硝酸コバルトIII ヘキサミンとを含む。
【0037】
所望される場合に、本発明に従って、組成物は、有利に、最大概略70組成重量パーセントの量の追加の酸化剤を含むことが可能である。望ましい好適なそのような酸化剤物質としては、硝酸アルカリ金属、過塩素酸アルカリ金属、硝酸アルカリ土類金属、過塩素酸アルカリ土類金属、塩基性硝酸金属、硝酸金属アムミン、金属酸化物、金属水酸化物、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、及び、それらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、望ましい追加の酸化剤は、塩基性銅硝酸塩のような塩基性金属硝酸塩を含む。
【0038】
本発明に従う、押出処理に適したガス発生組成物は、望ましくは、また、結合剤成分を含む。有利に、結合剤成分は、ガス発生組成物に、それによりガス発生組成物が押出適性である十分な凝集特性を与えるために有効な高分子結合剤物質である。ある望ましい実施形態に応じて押出適性のガス発生組成物は、望ましくは、そのような高分子結合剤成分を概略1〜概略20組成重量パーセント、包含するかまたは含むことになる。
【0039】
好適な結合剤物質の例としては、セルロース系誘導体、天然ガム、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、シリコーン、及び、それらの2つ以上の組合せを挙げることができる。より特別には、好適なセルロース系誘導体結合剤物質としては、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、及び、それらの2つ以上の組合せを挙げることが可能である。好適な天然ガム結合剤物質としては、グアール、キサン、アラビク、及び、それらの2つ以上の組合せを挙げることが可能である。当業者でここに提供された教示により導かれるものは、さらに、より低温で燃焼する組成物、時には「より冷たい燃焼」物質といわれる組成物を生ずるかまたは形成する上記のセルロース系誘導体結合剤のような、結合剤物質の均質混合は、有利に、種々の用途について選ばれることができることを認識するであろう。
【0040】
当業者でここに提供された教示に導かれるものは、押出処理によって調製されたそのようなガス発生組成物は、望ましくは、それに関連して必要とされる室容積を減少するかまたは最小にするように望ましくは働くことが可能である増加または最大装填密度を示すことができることを認識するであろう。そのような押出ガス発生組成物は、さらに望ましくは、より高圧条件で容易に燃焼することが可能であり、従って、例えば、COx及びNOxの一般形式を有するような不完全な燃焼生成物の生成または収率を減少するかまたは最小にするように働くことができる。
【0041】
主題組成物に含まれる物質または配合剤の1つ以上は、特別の配合物において、多数の役割または機能にかなうことが可能である。例えば、結合剤物質は、また、典型的に、上記定義されたような燃料成分として効くまたは機能することができる。したがって、主題組成物に含むことが可能な特別の物質についての特定範囲限界は、概略、少なくとも一部が、どのような他の特別の物質が特定の組成で含まれているのかに依存する。主題組成物に含むことが可能な特別の物質についてのそのような特定範囲限界は、当業者でここに提供された教示に導かれるものにより、難なく、確認可能である。
【0042】
スラグ形成剤、流動助剤、可塑剤、粘度調整剤、プレス助剤、分散助剤、または、粘液剤のような追加的な添加剤は、また、処理を容易にするためにまたは増進した特性を提供するために、火工品組成物に含まれることが可能である。例えば、本発明に従って火工品組成物は、酸化アルミニウムのような金属酸化物化合物のようなスラグ形成剤を含むことが可能である。概略、そのような添加剤は、主題組成物に、概略1〜概略5組成重量パーセントを超えない量で含まれることが可能である。そのような添加剤は、典型的には、1つ以上の金属酸化物物質であり、望ましいそのような添加剤が二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、及び、それらの組合せのような金属酸化物を含む。
【0043】
イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質の少なくとも1つの銅II錯体を含む化合物の生成のための上記確認された処理反応は、該当するガス発生配合物の噴霧乾燥処理より前に、混合タンクのような処理容器においてのような現場製造に導くものである。例えば、噴霧乾燥混合タンクのような処理容器は、水を装入されることができる;共に、イミダゾール、4−ニトロイミダゾール、または他の所望のイミダゾール誘導体と、選択された銅化合物(例えば、水酸化第二銅)とが反応容器内容物に添加されてスラリーを形成する;スラリーの温度は、そのとき、190°F(88℃)の温度においてのように平衡され、反応が完了するまで(近似的に1時間)そこで保持されることができる。燃料、酸化剤、スラグ形成助剤等のような他の所望のガス発生組成物配合剤は、反応混合物に添加することができ、結果として生ずるスラリーは、ノズルまでポンプ輸送されて噴霧乾燥される。ブレンディング、加圧、点火薬塗布等のようなさらなる処理工程は、標準手順によって実行することができる。
【0044】
認識されるであろうように、本発明に応じてガス発生組成物は、種々の異なる構造、集成装置、及び系統に関連して、組み込み、利用し、または、実施することができる。典型として、図1は、参照数字14により概略表示される膨張式車両乗員安全拘束系が位置調整された内部12を有する車両を図解する。認識されるであろうように、本発明の理解に必要がない一定の標準要素は、図解及び把握を容易にする目的のために、図1から省略または除去されている。
【0045】
車両乗員安全拘束系14は、膨張式車両乗員拘束材20、例えば、膨張式エアバッグ緩衝材のためのハウジングを形成する、口を開いた反応キャニスター16と、概略参照数字22により表示され、関連する乗員拘束材の膨張のための膨張ガスを発生または供給する装置とを含む。上記確認されたように、そのようなガス発生装置は、一般に、「充満器」といわれる。
【0046】
本発明に従い、上述したように、充満器22は、ある量のガス発生組成物を含む。充満器22は、また、当該分野において知られるような、ガス発生組成物に点火により通じてガス発生組成物の燃焼を開始する点火器を含む。認識されるであろうように、充満装置の特定構造は、本発明のより広い実施の限定を形成せず、そのような充満装置は、当該分野においてまた知られるように、様々に構成することができる。
【0047】
実際には、望ましい配置時のエアバッグ緩衝材20は、車両の前部に向かう方向、すなわち、図1において視られる右に向かう方向の乗員の動きを拘束することにより、車両乗員24の保護を提供する。
【0048】
本発明は、本発明の実施にかかわる種々の側面を図解または模擬する以下の実施例に関して、さらに詳細に説明される。発明の精神に収まるすべての変化が保護されることが所望されること、したがって、本発明がこれらの実施例により限定されると解釈されないことは、理解されるべきである。
【実施例】
【0049】
本発明に従って銅II錯体を含む、例えば、選択的に、銅IIビス−4−ニトロイミダゾール、銅IIイミダゾール、及び、水酸化銅IIイミダゾール、それぞれを含むガス発生組成物は、調製され、類似の、しかし本発明による銅II錯体を含まない比較ガス発生組成物に対して試験された。
【0050】
実施例1〜4及び比較例1
これらの試験において、下記の表1に示されたガス発生組成物のそれぞれの100グラムバッチは、水性スラリーで混合し、オーブン乾燥することにより調製された。
【表1】

表中、
bCN=塩基性硝酸銅、
GN=硝酸グアニジン、
CC−1=銅IIビス−4−ニトロイミダゾール、
CC−2=銅IIイミダゾール、及び、
CC−3=水酸化銅IIイミダゾール、
である。
これらのガス発生組成物は、次に、それぞれ、円柱に加圧成形された(直径0.5インチ)。円柱のそれぞれの長さは、測定され、記録された。
【0051】
実施例1〜4及び比較例1のガス発生組成物から形成された円柱は、それぞれ、次に、以下の試験領域を用いて試験された。
試験される特定のガス発生組成物円柱の一方の端面は、1つのマスキングテープで覆われ、円柱の他の表面は、点火を抑制するポリマーを塗布された。円柱は、次に、直立に1リットルステンレス鋼容器中に配置された。ニクロム線が、覆われていない端面に接触して円柱の上部をわたって配置され、2つの電極に接続された。点火火薬の少ない装填量は、円柱の点火を促進するためにニクロム線の上に配置された。試験タンクは、封止されて、不活性ガス(例えば、窒素)で900psiに加圧された。電流が電極を通過し、円柱が点火された。ガス発生剤は、線状に燃焼し、ガスを生成して試験タンクの圧力を増加した。タンク圧力は、読取られて、ミリ秒間隔で記録された。圧力対時間のプロットは、ガス発生剤燃焼の開始及び終止を示した。燃焼のために必要とされた時間で除された円柱の長さは、燃焼速度の測定値を提供した。この実験は、1350、2000、及び、3000psiにおいて繰り返され、対数平均圧力に対する対数燃焼速度のプロットは、勾配=n及びy切片=bを有する直線を生ずる。2つのパラメーターの推定は、以下の方程式:
燃焼速度(インチ/秒)=kP
式中、P=psiにおいての圧力、
n=勾配、
k=定数=10
b=y切片、
により、任意の圧力においての燃焼速度の計算を許容する。
【0052】
下記の表2は、上記確認された燃焼速度方程式(1)のr、n、及びkについて得られた値、並びに、密度(これらのガス発生組成物のそれぞれについて測定される)、及び、マーティン・マリエッタ(Martin Marietta)によりコンパイラーで作られた、商業的に利用可能なソフトウェアプログラム「PEP1」(推進評価プログラム)を用いた各事例において計算されたこれらのガス発生組成物のそれぞれについてのガス収率、を識別する。
【表2】

表中、
(3000)=3000psiでのインチ/秒(ips)においての燃焼速度、
n=上記確認された燃焼速度方程式(1)においての圧力巾指数、
ただし、圧力巾指数は、x軸に沿う圧力の対数対y軸に沿う燃焼速度の対数のプロットの勾配であり、
k=上記確認された燃焼速度方程式(1)においての定数、
密度=(g/cc)においての測定された密度、及び、
ガス収率=(モル/100g)においての計算されたガス収率、
である。
【0053】
実施例5及び比較例2
これらの試験において、実施例1〜4及び比較例1に関して上述したものと同様に、下記の表3に示されたガス発生組成物のそれぞれの100グラムバッチは、水性スラリーで混合し、オーブン乾燥することにより調製された。
【表3】

表中、
bCN=塩基性硝酸銅、
GN=硝酸グアニジン、及び、
CC−1=銅IIビス−4−ニトロイミダゾール、
である。
【0054】
比較例2及び比較例5のそれぞれのガス発生配合物は、次に、円柱にプレス成形され、実施例1〜4及び比較例2に関して上述したように、試験された。
【0055】
下記の表4は、上記確認された燃焼速度方程式(1)のr、n、及びkについて得られた値、並びに、これらのガス発生組成物の密度及びガス収率を識別し、各事例において密度及びガス収率は、マーティン・マリエッタ(Martin Marietta)によりコンパイラーで作られ、上記参照された商業的に利用可能なソフトウェアプログラム「PEP1」(推進評価プログラム)を用いて計算された。
【表4】

表中、
(3000)=3000psiでのインチ/秒(ips)においての燃焼速度、
n=上記確認された燃焼速度方程式(1)においての圧力巾指数、
ただし、圧力巾指数は、x軸に沿う圧力の対数対y軸に沿う燃焼速度の対数のプロットの勾配であり、
k=上記確認された燃焼速度方程式(1)においての定数、
密度=(g/cc)においての計算された密度、及び、
ガス収率=(モル/100g)においての計算されたガス収率、
である。
【0056】
実施例6
この試験において、実施例5のガス発生配合物(上記確認された)は、タブレットに形成され、これらのガス発生タブレットの性能が評価された。この試験において、これらのガス発生タブレットの40グラムは、適当に原型駆動インフレータ装置に装入された。原型インフレータ装置は、圧力変換器を装備されたインフレータ排出受タンクに合わされ、それらにより得られたタンク圧力対時間性能は、圧力変換器及び関連データ採集系によって記録された。
【0057】
実施例5のガス発生配合物のガス発生タブレットを含む原型インフレータ装置で具現されたタンク圧力対時間性能は、図2に示される。タンクにおいての初期圧力の時間は、点火性の尺度として採用された。
【0058】
結果の議論
表2及び表4中のデータにより示されるように、本発明によるイミダゾールまたはイミダゾール誘導体の銅錯体を含むそれらの配合物について、そのような銅錯体物質がない同じまたは同様の配合物に比較して、燃焼速度(すなわち、「r(3000)」)は、増加し、圧力感受性(すなわち、「n」)は、減少した。
【0059】
図2に示される圧力対時間図形は、許容点火遅れが、0.5gほど少量の補助点火物質で得られたことを示す。より詳細には、「点火性」の一般に適用される定義を用いて、そこへ特定装置が点火するタンクにおいて圧力が初めに観測される(すなわち測定可能である)までの時間に関して、銅IIビス−4−ニトロイミダゾールの効果は、実施例1、4及び5のそれぞれの配合物において明らかであり、そこへ装置が点火するタンクにおいて圧力が初めに観測される(すなわち、測定可能である)までの時間量について、4ミリ秒未満の時間が、一般に、「よい」点火性の尺度として用いられるので、効果は、塩基性硝酸銅及びヘキサミン硝酸コバルトIII (すなわち、実施例5)を含む配合物において、最も著しかった。
【0060】
したがって、アジ化物系火工品組成物の潜在的な課題または欠点の少なくともいくつかを克服する一方、ここで説明された銅II錯体イミダゾール及び誘導物質がない同様または同じ組成物と比較して、十分且つ望ましく増加または増進された燃焼速度を提供するかまたは生ずることが可能である非アジ化物系または無アジ化物ガス発生物質または組成物が、提供される。さらに、主題ガス発生組成物の少なくとも特定の実施形態は、押出生産に、特に用いられて好適であり、したがって、代替の経済的で有効なガス発生剤生産手法を新規に提供するかまたは容易にすることができる。
【0061】
ここで好適に実例により開示されたこの発明は、特にここで開示されていない任意の要素、部品、工程、成分、または配合剤の不在において、実施可能である。
【0062】
前述の詳細な説明において、この発明は、それらのある望ましい実施形態に関して説明され、多くの詳細が、図解の目的のために、示された一方で、本発明は、追加的な実施形態を許すこと、及び、ここで説明された一定の詳細は、本発明の基本原理からそれることなく、相当に変更可能であることは、当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】1つの望ましい実施形態に応じた、車両内部のエアバッグモジュール部品からのエアバッグ緩衝材の配置を図解する簡略な、部分的に切り離された図である。
【0064】
【図2】1つの実施形態に応じてガス発生組成物のタブレットを適当に装填された原型インフレータ装置を用いた実施例6において実現された時間の関数としてのタンク圧力性能を描いたグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イミダゾール及びイミダゾール誘導体の群から選択された物質についての少なくとも1つの銅II錯体を含む、ガス発生組成物に用いる化合物。
【請求項2】
該化合物は、ビス−イミダゾール、ビス−ニトロイミダゾール、水酸化イミダゾール、水酸化ニトロイミダゾール、イミダゾール、ニトロイミダゾール、及び、それらの混合物の銅II錯体を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
該銅錯体は、銅IIビス−イミダゾールを含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
該銅錯体は、銅IIビス−ニトロイミダゾールを含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
該銅錯体は、水酸化銅IIイミダゾールを含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物、
窒素含有非アジ化物系燃料、及び、
酸化剤を含む、燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項7】
該窒素含有非アジ化物系燃料は、硝酸グアニジン、ニトログアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸ジアミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、硝酸グアニルウレア、テトラゾール、ビテトラザオール、アゾジカルボンアミド、及び、それらの混合物からなる群から選択された有機燃料である、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項8】
該窒素含有非アジ化物系燃料は、硝酸コバルトIII ヘキサミンである、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項9】
該酸化剤は、硝酸アルカリ金属、過塩素酸アルカリ金属、硝酸アルカリ土類金属、過塩素酸アルカリ土類金属、塩基性硝酸金属、硝酸金属アムミン、金属酸化物、金属水酸化物、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、及び、それらの混合物からなる群から選択された、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項10】
該酸化剤は、塩基性硝酸銅を含む、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項11】
該銅錯体は、概略1組成重量パーセントと概略30組成重量パーセントの間の相対量で存在する、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項12】
さらに、該ガス発生組成物を押出可能にするために有効な高分子結合剤物質を含む、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項13】
該高分子結合剤物質は、概略1〜概略20組成重量パーセントの相対量で存在し、該高分子結合剤物質は、セルロース系誘導体、天然ガム、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、シリコーン、及び、それらの2つ以上の組合せの群から選択された、請求項12に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項14】
該窒素含有非アジ化物系燃料は、概略5〜概略60組成重量パーセントの相対量で存在する硝酸グアニジンであり、
該酸化剤は、概略30〜概略70組成重量パーセントの相対量で存在する塩基性硝酸銅であり、及び、
該銅錯体は、概略1組成重量パーセントと概略30組成重量パーセントの間の相対量で存在する、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項15】
該窒素含有非アジ化物系燃料は、概略1〜概略30組成重量パーセントの相対量で存在する硝酸グアニジンと概略1〜概略70組成重量パーセントの相対量で存在する硝酸コバルトIII ヘキサミンとを含み、
該酸化剤は、概略10〜概略70組成重量パーセントの相対量で存在する塩基性硝酸銅であり、及び、
該銅錯体は、概略1組成重量パーセントと概略30組成重量パーセントの間の相対量で存在する、請求項6に記載の燃焼速度増進ガス発生組成物。
【請求項16】
点火性、燃焼速度及び燃焼速度圧力感受性からなる群から選択された少なくとも1つの側面において非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼性能を改良する方法であって、請求項1の化合物を該非アジ化物系ガス発生組成物に添加することを含む方法。
【請求項17】
該化合物は、十分な量で添加され、それによって該組成物は、該銅錯体を概略1組成重量パーセント〜概略30組成重量パーセント含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
非アジ化物系ガス発生組成物の点火性を増加する方法であって、請求項1の化合物を該非アジ化物系ガス発生組成物に添加することを含む方法。
【請求項19】
非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度を増加する方法であって、請求項1の化合物を該非アジ化物系ガス発生組成物に添加することを含む方法。
【請求項20】
非アジ化物系ガス発生組成物の燃焼速度圧力感受性を少なくする方法であって、請求項1の化合物を該非アジ化物系ガス発生組成物に添加することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−530226(P2009−530226A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501486(P2009−501486)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/006785
【国際公開番号】WO2008/051274
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(597065363)オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】