説明

録画再生装置

【課題】録画再生装置において、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合に、ダビングしたテレビジョン番組の光ディスク間の繋ぎ目での違和感をなくす。
【解決手段】録画再生装置であるHDD付きBDレコーダは、ダビング対象番組Tを複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合、1枚目の光ディスクには、ダビング対象番組Tの最初P1から、ダビング可能な最大容量をダビングし、2枚目の光ディスクには、1枚目の光ディスクにダビングした最後の部分を含むように一部重複させて、1枚目の光ディスクにダビングした最後の位置P2より所定時間S(例えば10秒)戻った位置P3から、ダビング可能な最大容量をダビングする。2枚目の光ディスクへのダビング対象番組Tの記録範囲R2の最初の所定時間S分は、1枚目の光ディスクへのダビング対象番組Tの記録範囲R1の最後の所定時間S分と重複する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン番組を録画し、録画したテレビジョン番組を再生する録画再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビジョン番組を録画し、録画したテレビジョン番組を再生する録画再生装置がある。このような録画再生装置は、テレビジョン番組を、録画再生装置に内蔵されている例えばハードディスクなどの内部記録媒体に録画するようになっている。また、このような録画再生装置において、内部記録媒体に録画したテレビジョン番組を、録画再生装置に装着/取外しされる外部記録媒体である光ディスクにダビングすることができるものがある。
【0003】
ところで、テレビジョン番組を光ディスクにダビングするとき、ダビングしようとするテレビジョン番組であるダビング対象番組の容量が、1枚の光ディスクの記録可能容量を超える場合がある。このような場合、ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングすることになる。
【0004】
従来の録画再生装置では、ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合、1枚目の光ディスクにダビング対象番組の途中までをダビングすると共に、2枚目の光ディスクにダビング対象番組の途中からダビングし、2枚目の光ディスクへのダビング対象番組の途中からのダビングについては、1枚目の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組の最後の位置の続きからダビングするようになっている。また、ダビング対象番組のダビングが3枚以上の光ディスクに亘る場合には、3枚目以降の光ディスクへのダビングについても、2枚目の光ディスクへのダビングと同様に、直前の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組の最後の位置の続きからダビングするようになっている。このように、従来の録画再生装置においては、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合、2枚目以降の光ディスクには、直前の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組の最後の位置の続きからダビングするようになっている。
【0005】
一方、シーンを分割して複数の光ディスクにダビングする場合、各光ディスクに、合計何枚構成の何枚目の光ディスクであるかという情報を付加すると共に、他の光ディスクにダビングするシーンのダイジェスト部分を記録するようにした記録装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、複数の光ディスクにシーンを分割してダビングする場合、顔が映っていない位置でシーンを分割するようにした情報記録再生装置が知られている(例えば特許文献2参照)。また、ハードディスクに録画されている多数の番組の中から、同じ系統の複数番組(連続番組)を一連の番組として関連付け、それら関連付けた複数の番組を光ディスクにダビングするようにした記録再生装置が知られている(例えば特許文献3参照)。また、ハードディスクに記録されている画像データを複数の光ディスクに分割してダビングする場合、画像データの送信状況を表示するようにした記録制御システムが知られている(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−140603号公報
【特許文献2】特開2010−21813号公報
【特許文献3】特開2007−288248号公報
【特許文献4】特開2010−3333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の録画再生装置においては、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合、2枚目以降の光ディスクには、直前の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組の最後の位置の続きからダビングされる。すなわち、これら複数の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組を再生する場合、直前の光ディスク(例えば1枚目の光ディスク)からの再生を終えて、次の光ディスク(例えば2枚目の光ディスク)からの再生を開始すると、直前の光ディスクから再生したテレビジョン番組の最後の位置の続きから、テレビジョン番組が再生される。
【0008】
このため、複数の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組を再生したとき、ユーザは、直前の光ディスクから再生されるテレビジョン番組の最後の部分と、次の光ディスクから再生されるテレビジョン番組の最初の部分とが、一連のものであるという感覚を得難い。つまり、従来の録画再生装置においては、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングした場合、ダビングしたテレビジョン番組の光ディスク間の繋ぎ目で、ユーザに違和感を与えることになる。なお、上述した特許文献1乃至特許文献4に開示の内容を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合に、ダビングしたテレビジョン番組の光ディスク間の繋ぎ目での違和感をなくすことができる録画再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン番組を装置本体に内蔵の内部記録媒体に録画し、録画したテレビジョン番組を再生する録画再生装置において、内部記録媒体に録画されているテレビジョン番組を、装置本体に装着/取外しされる外部記録媒体である光ディスクにダビングする番組ダビング手段を備え、番組ダビング手段は、ダビングしようとするテレビジョン番組であるダビング対象番組を光ディスクにダビングするときに、該ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合、1枚目の光ディスクにダビング対象番組の途中までをダビングすると共に、2枚目の光ディスクにダビング対象番組の途中からダビングし、2枚目の光ディスクへのダビング対象番組の途中からのダビングについては、1枚目の光ディスクにダビングした最後の部分を含むように一部重複させてダビングするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の録画再生装置において、番組ダビング手段は、2枚目の光ディスクへのダビング対象番組の途中からのダビングについては、1枚目の光ディスクにダビングした最後の位置より、所定時間戻った位置からダビングするものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1に記載の録画再生装置において、番組ダビング手段は、1枚目の光ディスクへのダビング対象番組の途中までのダビングについては、ダビング可能な最大容量をダビングするものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1に記載の録画再生装置において、ユーザによりダビング対象番組が選択されたときに、該ユーザにより選択されたダビング対象番組のダビングに必要な光ディスクの枚数を示した必要枚数画面を表示する必要枚数画面表示手段をさらに備え、番組ダビング手段は、必要枚数画面表示手段による必要枚数画面の表示後、ユーザによりダビングを実行するための操作がされると、ユーザにより選択されたダビング対象番組をダビングするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び請求項2の発明によれば、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合に、2枚目の光ディスクへのダビングについては、1枚目の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組の最後の部分を含むように一部重複してダビングされる。すなわち、これら複数の光ディスクにダビングしたテレビジョン番組を再生する場合、1枚目の光ディスクからの再生を終えて、2枚目の光ディスクからの再生を開始すると、1枚目の光ディスクから再生したテレビジョン番組の最後の部分を含むように一部重複して、テレビジョン番組が再生される。これにより、ユーザは、1枚目の光ディスクから再生されるテレビジョン番組の最後の部分と、2枚目の光ディスクから再生されるテレビジョン番組の最初の部分とが、一連のものであるという感覚を得易い。従って、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合に、ダビングしたテレビジョン番組の光ディスク間の繋ぎ目での違和感をなくすことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、テレビジョン番組を複数の光ディスクに分割してダビングする場合に、1枚目の光ディスクへのダビングについては、ダビング可能な最大容量がダビングされる。従って、光ディスクに無駄な空き容量が発生しないようにすることができ、光ディスクの容量を有効に利用することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、ユーザがテレビジョン番組をダビングしようとするとき、テレビジョン番組のダビングに必要な光ディスクの枚数を示した必要枚数画面が表示される。従って、ユーザは、この必要枚数画面を見ることによって、ダビングに必要な光ディスクの枚数を前もって把握することができ、ダビング作業を手際良く行うことが可能となり、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るHDD付きBDレコーダの概略構成を示す電気的ブロック構成図。
【図2】同HDD付きBDレコーダのテレビジョン番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合の、1枚目の光ディスク及び2枚目の光ディスクへのダビング対象番組の記録範囲を示す図。
【図3】同HDD付きBDレコーダの動作を示すフローチャート。
【図4】同HDD付きBDレコーダの番組ダビング動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態による録画再生装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による録画再生装置であるHDD付きBDレコーダの構成を示す。HDD付きBDレコーダ1は、テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン番組を録画、録音し、録画、録音したテレビジョン番組を再生する装置である。HDD付きBDレコーダ1は、外部装置90を接続して使用するようになっており、再生したテレビジョン番組の映像、音声を外部装置90によって出力するようになっている。このHDD付きBDレコーダ1は、録画、録音したテレビジョン番組を外部記録媒体である光ディスク30にダビング(コピー)する機能を備えている。
【0019】
HDD付きBDレコーダ1は、チューナ11と、HDD12と、光ディスクドライブ13と、出力切換部14と、OSD処理部15と、リモコン16と、リモコン受信部17と、HDD付きBDレコーダの動作を制御する制御部(番組ダビング手段、必要枚数画面表示手段)18等を備える。
【0020】
チューナ11は、制御部18による制御のもと、受信周波数がテレビジョン信号の放送チャンネルに対応する周波数に設定されることにより、その放送チャンネル(その周波数)のテレビジョン信号をアンテナ1aを介して受信する。
【0021】
テレビジョン信号には、映像信号(テレビジョン番組の映像を表わす信号)、音声信号(テレビジョン番組の音声を表わす信号)、番組情報信号(テレビジョン番組に関する番組情報を表わす信号)等が含まれている。テレビジョン番組に関する番組情報には、番組のタイトル(題名)、番組のジャンル、及び番組の放送日時等の各種情報が含まれている。
【0022】
チューナ11は、制御部18による制御のもと、受信したテレビジョン信号を復調、復号処理して、受信したテレビジョン信号から、映像信号、音声信号、及び番組情報信号を生成する。
【0023】
HDD12は、内部記録媒体であるハードディスク20を内蔵しており、制御部18による制御のもと、チューナ11により生成された映像信号、音声信号、番組情報信号等を含む各種信号をハードディスク20に記録する。また、HDD12は、制御部18による制御のもと、ハードディスク20に記録されている映像信号、音声信号、番組情報信号等を含む各種信号を読出す。
【0024】
光ディスクドライブ13は、外部記録媒体であるDVD、BD(ブルーレイディスク)等の光ディスク30が装着/取外しされるようになっており、制御部18による制御のもと、HDD12によりハードディスク20から読出された映像信号、音声信号、番組情報信号等を含む各種信号を光ディスク30に記録する。また、光ディスクドライブ13は、制御部18による制御のもと、光ディスク30に記録されている映像信号、音声信号、番組情報信号等を含む各種信号を読出す。
【0025】
出力切換部14は、制御部18による制御のもと、映像信号及び音声信号の供給経路を切換える。すなわち、出力切換部14は、制御部18による制御のもと、チューナ11により生成された映像信号及び音声信号、HDD12によりハードディスク20から読出された映像信号及び音声信号、光ディスクドライブ13により光ディスク30から読出された映像信号及び音声信号、のうちのいずれかを選択的に出力する。
【0026】
OSD処理部15は、制御部18による制御のもと、メニュー画面等の各種映像をOSD表示するために、出力切換部14から出力された映像信号を加工処理し、その加工処理後の映像信号を出力する。また、OSD処理部15は、制御部18による制御のもと、出力切換部14から出力された映像信号を加工処理しないときには、出力切換部14から出力された映像信号をそのまま出力する。出力切換部14から出力された音声信号、及びOSD処理部15から出力された映像信号は、外部装置90に供給される。
【0027】
外部装置90に映像信号及び音声信号が供給されることにより、その映像信号及び音声信号による映像及び音声が外部装置90によって出力(その映像信号による映像が外部装置90のディスプレイ91に表示されると共に、その音声信号による音声が外部装置90のスピーカ92から出力)される。
【0028】
リモコン16は、HDD付きBDレコーダ1の電源のオン/オフ、テレビジョン番組の放送チャンネルの選択、テレビジョン番組の録画、録画した番組の再生、録画した番組のダビング等、HDD付きBDレコーダ1の各種動作を指示するためにユーザにより操作され、その操作内容を示す操作信号を送信する。リモコン受信部17は、リモコン16から送信された操作信号を受信して、リモコン16の操作内容を示すリモコン受信信号を出力する。
【0029】
制御部18は、リモコン受信部17から出力されるリモコン受信信号に基いて、ユーザによるリモコン16の操作内容を判断し、ユーザによるリモコン16の操作を受けて、HDD付きBDレコーダ1の各種動作を制御する。制御部18は、HDD付きBDレコーダ1の動作を制御するためのプログラムや各種データを記憶しており、それらプログラムや各種データに基いて、HDD付きBDレコーダ1の各種動作を制御する。
【0030】
制御部18は、HDD付きBDレコーダ1の各種動作として、番組録画動作、番組再生動作、番組ダビング動作、OSD表示動作を制御する。
【0031】
番組録画動作とは、テレビジョン放送局から放送されているテレビジョン番組をハードディスク20に録画、録音する動作である。番組録画動作では、制御部18は、テレビジョン放送局から放送されているテレビジョン番組のテレビジョン信号をチューナ11により受信させ、そして、チューナ11により生成された映像信号及び音声信号をHDD12によりハードディスク20に記録させることにより、テレビジョン放送局から放送されているテレビジョン番組をハードディスク20に録画、録音する。このとき、制御部18は、ハードディスク20に録画、録音した番組を管理するために、チューナ11により生成された番組情報信号、及び録画、録音した番組の容量を示す番組容量情報を、録画、録音した番組と対応付けて、HDD12によりハードディスク20に記録させる。
【0032】
番組ダビング動作とは、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組を光ディスク30にダビング(コピーにより録画、録音)する動作である。番組ダビング動作では、制御部18は、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組の映像信号及び音声信号をHDD12により読出させ、そして、読出された映像信号及び音声信号を光ディスクドライブ13により光ディスク30に記録させることにより、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組を光ディスク30にダビングする。このとき、制御部18は、光ディスク30にダビングした番組を管理するために、ダビングした番組の番組情報信号を、ダビングした番組と対応付けて、光ディスクドライブ13により光ディスク30に記録させる。
【0033】
番組再生動作とは、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組を再生する動作である。番組再生動作では、制御部18は、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組の映像信号及び音声信号をHDD12により読出させ、そして、読出された映像信号及び音声信号を外部装置90に供給するように、出力切換部14における映像信号及び音声信号の供給経路を切換えることにより、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組を再生する。再生されたテレビジョン番組の映像は、外部装置90のディスプレイ91に表示され、再生されたテレビジョン番組の音声は、外部装置90のスピーカ92から出力される。
【0034】
OSD表示動作とは、ユーザに対するメッセージや操作案内等の各種映像を外部装置90にOSD表示する動作である。OSD表示動作では、制御部18は、各種映像をOSD表示するように、OSD処理部15において映像信号を加工処理させることにより、各種映像を外部装置90にOSD表示する。
【0035】
また、制御部18は、HDD付きBDレコーダ1の各種動作として、番組リスト表示動作、必要枚数画面表示動作を制御する。
【0036】
番組リスト表示動作とは、再生するテレビジョン番組、又はダビングするテレビジョン番組をユーザに選択させるために、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組の番組リストを表示する動作である。制御部18は、ユーザにより再生指示又はダビング指示がなされると、番組リスト表示動作を行って、番組リストを表示する。再生指示及びダビング指示は、リモコン16を操作することによって行われる。番組リスト表示動作では、制御部18は、番組リストをOSD表示動作によって外部装置90に表示する。このとき、制御部18は、番組リストとして、例えば、ハードディスク20に録画、録音されているテレビジョン番組のタイトル(題名)、放送日時、ジャンルから成るリストを表示する。制御部18は、ユーザにより再生指示又はダビング指示がなされると、番組リスト表示動作を行って、番組リストを表示する。
【0037】
必要枚数画面表示動作とは、テレビジョン番組を光ディスク30にダビングするときに、ダビング対象番組(ダビングしようとするテレビジョン番組)のダビングに必要な光ディスク30の枚数を示した必要枚数画面を表示する動作である。制御部18は、ユーザによりダビング対象番組が選択(すなわち、ユーザによるダビング指示を受けて番組リストを表示しているときに、ユーザにより番組リストの中からテレビジョン番組が選択)されたときに、必要枚数画面表示動作を行って、必要枚数画面を表示する。ダビング対象番組の選択は、リモコン16を操作することによって行われる。必要枚数画面表示動作では、制御部18は、必要枚数画面をOSD表示動作によって外部装置90に表示する。このとき、制御部18は、必要枚数画面として、例えば「BD−Rなら1枚必要です、DVD−Rなら3枚必要です」といったように、ダビングに必要な光ディスク30の枚数を光ディスク30の種類毎に示した画面を表示する。制御部18は、各種の光ディスク30(例えば、BD−R、DVD−R)の記憶容量を記憶しており、ユーザにより選択されたダビング対象番組の容量(ハードディスク20に記憶されている)と各種の光ディスク30の記憶容量とに基いて、光ディスク30の種類毎に、ユーザにより選択されたダビング対象番組のダビングに必要な光ディスク30の枚数を算出して、必要枚数画面を表示する。
【0038】
制御部18は、必要枚数画面を表示後(必要枚数画面を表示しているとき)、ユーザによりダビングを実行するための操作(本実施形態では、光ディスク30の挿入)がされると、番組ダビング動作を行って、ユーザにより選択されたダビング対象番組を光ディスク30にダビングする。
【0039】
制御部18は、ダビング対象番組を光ディスク30にダビングするとき、ダビング対象番組の容量が1枚の光ディスク30の記録可能容量を超える場合、すなわち、ダビング対象番組のダビングに必要な光ディスク30が複数枚に亘る場合には、ダビング対象番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする。
【0040】
ダビング対象番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合、制御部18は、以下のようにして、各光ディスク30にダビング対象番組をダビングする。
【0041】
すなわち、ダビング対象番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合、1枚目の光ディスク30にダビング対象番組の途中までをダビングすると共に、2枚目の光ディスク30にダビング対象番組の途中からダビングする。そして、1枚目の光ディスク30へのダビング対象番組の途中までのダビングについては、ダビング対象番組の最初から、ダビング可能な最大容量をダビングする。また、2枚目の光ディスク30へのダビング対象番組の途中からのダビングについては、1枚目の光ディスク30(直前の光ディスク30)にダビングしたダビング対象番組の最後の部分を含むように一部重複させて、ダビング可能な最大容量をダビングする。すなわち、2枚目の光ディスク30へのダビング対象番組の途中からのダビングについては、1枚目の光ディスク30(直前の光ディスク30)にダビングしたダビング対象番組の最後の位置より所定時間S(例えば10秒)戻った位置から、ダビング可能な最大容量をダビングする。
【0042】
ダビング対象番組のダビングが3枚以上の光ディスク30に亘る場合には、3枚目以降の光ディスク30へのダビングについても、2枚目の光ディスク30へのダビングと同様にダビングする。すなわち、ダビング対象番組のダビングが3枚以上の光ディスク30に亘る場合には、3枚目以降の光ディスク30へのダビングについても、直前の光ディスク30にダビングしたダビング対象番組の最後の部分を含むように一部重複させて、直前の光ディスク30にダビングしたダビング対象番組の最後の位置より所定時間S(例えば10秒)戻った位置から、ダビング可能な最大容量をダビングする。
【0043】
このように、制御部18は、ダビング対象番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合、1枚目の光ディスク30に、ダビング対象番組の最初から、ダビング可能な最大容量をダビングし、2枚目以降の光ディスク30に、直前の光ディスク30にダビングしたダビング対象番組の最後の位置より所定時間S(例えば10秒)戻った位置から、ダビング可能な最大容量をダビングする。最後の光ディスク30には、ダビング対象番組の最後までがダビングされる。
【0044】
図2は、ダビング対象番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合の、1枚目の光ディスク30及び2枚目の光ディスク30へのダビング対象番組の記録範囲を示す。
【0045】
ダビング対象番組Tを上述のようにして複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合、1枚目の光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲R1は、ダビング対象番組Tの最初P1から、1枚目の光ディスク30にダビング可能な最大容量に相当する位置P2までとなる。
【0046】
そして、2枚目の光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲R2は、1枚目の光ディスク30(直前の光ディスク30)にダビングしたダビング対象番組Tの最後の位置P2より所定時間S(例えば10秒)戻った位置P3から、2枚目の光ディスク30にダビング可能な最大容量に相当する位置P4まで(但し、2枚目の光ディスク30が最後の光ディスク30である場合、すなわち、ダビング対象番組Tを2枚の光ディスク30に分割してダビングする場合には、ダビング対象番組Tの最後まで)となる。
【0047】
従って、2枚目の光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲R2の最初の所定時間S(例えば10秒)分は、1枚目の光ディスク30(直前の光ディスク30)へのダビング対象番組Tの記録範囲R1の最後の所定時間S(例えば10秒)分と重複することになる。
【0048】
また、ダビング対象番組Tのダビングが3枚以上の光ディスク30に亘る場合には、3枚目以降の各光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲は、直前の光ディスク30にダビングしたダビング対象番組Tの最後の位置より所定時間S(例えば10秒)戻った位置から、ダビング可能な最大容量に相当する位置まで(但し、最後の光ディスク30については、ダビング対象番組Tの最後まで)となる。
【0049】
従って、ダビング対象番組Tのダビングが3枚以上の光ディスク30に亘る場合には、2枚目以降の光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲の最初の所定時間S(例えば10秒)分は、直前の光ディスク30へのダビング対象番組Tの記録範囲の最後の所定時間S(例えば10秒)分と重複することになる。
【0050】
上記必要枚数画面表示動作では、制御部18は、このような記録範囲の重複を加味したうえで、ダビング対象番組のダビングに必要な光ディスク30の枚数を算出して、必要枚数画面を表示する。
【0051】
図3は、上記HDD付きBDレコーダ1の動作フローチャートを示す。ユーザによりダビング指示がなされると(#1でYES)、制御部18は、番組リスト表示動作を行って、番組リストを表示する(#2)。そして、ユーザによりダビング対象番組が選択されると(#3でYES)、制御部18は、必要枚数画面表示動作を行って、必要枚数画面を表示する(#4)。
【0052】
その後、ユーザにより光ディスク30が挿入されると(すなわち、ユーザによりダビングを実行するための操作がされると)(#5でYES)、制御部18は、番組ダビング動作を行って、ユーザにより選択された(#3で選択された)ダビング対象番組をダビングする(#6)。
【0053】
図4は、上記番組ダビング動作のフローチャートを示す。番組ダビング動作において、ユーザにより選択された(上記#3で選択された)ダビング対象番組の容量が、挿入されている(上記#5で挿入された)光ディスク30の記録可能容量を超えない場合には(#11でNO)、制御部18は、挿入されている光ディスク30に、ダビング対象番組の最初から、ダビング対象番組の最後までをダビングする(#12)。そして、制御部18は、ファイナライズ処理を行って、番組ダビング動作を終了する。
【0054】
また、番組ダビング動作において、ユーザにより選択されたダビング対象番組の容量が、挿入されている光ディスク30の記録可能容量を超える場合には(#11でYES)、制御部18は、挿入されている光ディスク30に、ダビング対象番組の最初から、ダビング可能な最大容量をダビングする(#13)。そして、制御部18は、ファイナライズ処理を行った後、次の光ディスク30の挿入を促す(例えば「次の光ディスクを挿入してください」のメッセージをOSD表示動作によって表示する)。
【0055】
その後、次の光ディスク30が挿入されると(#14でYES)、制御部18は、挿入されている光ディスク30に、直前に挿入されていた光ディスク30にダビングしたダビング対象番組の最後の位置より所定時間(例えば10秒)戻った位置から、ダビング可能な最大容量をダビングする(#15)。
【0056】
ここで、ダビング対象番組の最後までをダビング完了していなければ(すなわち、そのときに挿入されている光ディスク30に、ダビング対象番組の最後までをダビングできていなければ)(#16でNO)、制御部18は、ファイナライズ処理を行った後、次の光ディスク30の挿入を促し、上記#14以降の処理を繰り返す。
【0057】
そして、ダビング対象番組の最後までをダビング完了すれば(すなわち、そのときに挿入されている光ディスク30に、ダビング対象番組の最後までをダビングできていれば)(#16でYES)、制御部18は、ファイナライズ処理を行って、番組ダビング動作を終了する。
【0058】
このような構成のHDD付きBDレコーダ1によれば、テレビジョン番組を複数枚の光ディスク30に分割してダビングする場合に、2枚目以降の光ディスク30へのダビングについては、直前の光ディスク30にダビングしたテレビジョン番組の最後の部分を含むように一部重複してダビングされる。すなわち、これら複数の光ディスク30にダビングしたテレビジョン番組を再生する場合、直前の光ディスク30(例えば1枚目の光ディスク30)からの再生を終えて、次の光ディスク30(例えば2枚目の光ディスク30)からの再生を開始すると、直前の光ディスク30から再生したテレビジョン番組の最後の部分を含むように一部重複して、テレビジョン番組が再生される。これにより、ユーザは、直前の光ディスク30から再生されるテレビジョン番組の最後の部分と、次の光ディスク30から再生されるテレビジョン番組の最初の部分とが、一連のものであるという感覚を得易い。従って、テレビジョン番組を複数の光ディスク30に分割してダビングする場合に、ダビングしたテレビジョン番組の光ディスク30間の繋ぎ目での違和感をなくすことができる。
【0059】
しかも、テレビジョン番組を複数の光ディスク30に分割してダビングする場合に、1枚目の光ディスク30へのダビングについては、ダビング可能な最大容量がダビングされる。従って、光ディスク30に無駄な空き容量が発生しないようにすることができ、光ディスク30の容量を有効に利用することができる。
【0060】
また、ユーザがテレビジョン番組をダビングしようとするとき、テレビジョン番組のダビングに必要な光ディスク30の枚数を示した必要枚数画面が表示される。従って、ユーザは、この必要枚数画面を見ることによって、ダビングに必要な光ディスク30の枚数を前もって把握することができ、ダビング作業を手際良く行うことが可能となり、使い勝手が良い。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合における2枚目以降の光ディスクへのダビングについて、直前の光ディスクにダビングした最後の位置より、どれだけの時間戻った位置からダビングするのかを、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合における2枚目以降の光ディスクへのダビングについて、直前の光ディスクにダビングした最後の位置より、所定時間戻った位置からダビングすることに代えて、直前の光ディスクにダビングした最後の位置より、場面が切り替わる部分まで戻った位置からダビングするようにしてもよい。また、ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合、各光ディスクに、何枚目の光ディスクであるかを記録するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 HDD付きBDレコーダ(録画再生装置)
1a アンテナ
11 チューナ
12 HDD
13 光ディスクドライブ
14 出力切換部
15 OSD処理部
16 リモコン
17 リモコン受信部
18 制御部(番組ダビング手段、必要枚数画面表示手段)
20 ハードディスク(内部記録媒体)
30 光ディスク(外部記録媒体)
50 必要枚数画面
90 外部装置
91 ディスプレイ
92 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送局から放送されるテレビジョン番組を装置本体に内蔵の内部記録媒体に録画し、録画したテレビジョン番組を再生する録画再生装置において、
前記内部記録媒体に録画されているテレビジョン番組を、装置本体に装着/取外しされる外部記録媒体である光ディスクにダビングする番組ダビング手段を備え、
前記番組ダビング手段は、
ダビングしようとするテレビジョン番組であるダビング対象番組を光ディスクにダビングするときに、該ダビング対象番組を複数枚の光ディスクに分割してダビングする場合、
1枚目の光ディスクに前記ダビング対象番組の途中までをダビングすると共に、2枚目の光ディスクに前記ダビング対象番組の途中からダビングし、
前記2枚目の光ディスクへの前記ダビング対象番組の途中からのダビングについては、前記1枚目の光ディスクにダビングした最後の部分を含むように一部重複させてダビングする、
ことを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記番組ダビング手段は、前記2枚目の光ディスクへの前記ダビング対象番組の途中からのダビングについては、前記1枚目の光ディスクにダビングした最後の位置より、所定時間戻った位置からダビングする、
ことを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記番組ダビング手段は、前記1枚目の光ディスクへの前記ダビング対象番組の途中までのダビングについては、ダビング可能な最大容量をダビングする、
ことを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項4】
ユーザにより前記ダビング対象番組が選択されたときに、該ユーザにより選択された前記ダビング対象番組のダビングに必要な光ディスクの枚数を示した必要枚数画面を表示する必要枚数画面表示手段をさらに備え、
前記番組ダビング手段は、前記必要枚数画面表示手段による前記必要枚数画面の表示後、ユーザによりダビングを実行するための操作がされると、前記ユーザにより選択された前記ダビング対象番組をダビングする、
ことを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−113787(P2012−113787A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262894(P2010−262894)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】