説明

鍼灸診断、按摩診断、簡略化のためのシステム

【課題】従来、鍼灸、按摩の診断には多大な時間がかけられていた。診断結果より、症状にあわせた経穴の位置を決め、経穴に、鍼灸、按摩等の刺激を加えるわけだが、経穴の位置の確定には専門的な知識と、多くの経験を要した。非熟練者でも、経穴の位置の確定および治療法を、容易に確定することができる、システムを提供する。
【解決手段】あらかじめ経穴の位置、病状と経穴の関係、および過去の臨床事例、参考施術等経穴判別に関するさまざまなデータをデータベース内に保存しておく。患者が問診表を入力し、データベースに送信することにより、患者の症状、タイプ、および過去の治療内容にそった、経穴の位置、参考施術、過去の臨床事例等の表示をコンピューターが提供する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューターを用いた、鍼灸医療、按摩医療の診断方法、及びその診断方法を実行するコンピューターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の経穴の判別、治療法は、治療者の経験と、書物等によるデジタルデータ化されていない情報に依存されている。また、過去の治療例は、特殊な場合を除きデータ蓄積されないため、治療例を参照することが困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術では、デジタルデータ化されていない情報に依存するため、経穴の判別に時間がかかる。かつ非熟練者は経験が乏しいため、正確に経穴および経絡を判別することが難しい。また過去の治療例などデジタルデータの蓄積がなされていない。さらに、治療方法は単一的な内容であり、より効果に期待がもてる、複合的な治療方法の確立が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
患者のタイプ、病状によって、経穴、経絡の位置、治療方法を判断するためのデータ17、たとえば、鍼灸、按摩に関する書籍、施術例、臨床事例等、経穴判別、症状と経穴の関係など、治療法の判別に必要なデータを、データベース8および、データベース9に保存しておく。経穴の判別以外にも、治療の手段、すなわち鍼灸治療が適しているか、マッサージ治療が適しているか、もしくは、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法などが適しているか判別するためのデータも、データ17に含む。さらに、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった複合的な治療の治療内容を判別するために必要なデータもデータ17には含む。
患者は問診表4を入力し、データベース21へ基本情報を登録し、コンピューター2はその情報を解析する。アプリケーションを利用し解析されるわけだが、その解析の方法には、いくつか種類がある。その一例が、点数を用いた解析方法である。
各質問の答えに対応した点数の合計およびその点数の分布から、タイプを確定する方法、アプリケーションがそれである。
そのほかに、点数と面積を用いて図形を作成し、その図形の形から、ユーザーのタイプを確定する方法、アプリケーションがある。そのアプリケーションは、図7を用いて説明する。まず、質問に対応した項目を作る。判定の精度と項目の数は比例するわけだが、ここでは説明の簡略化のために項目数が4つとする。各項目は41、42、43、44とする。問診表の質問の答えより、項目に点数が加えられる。
ここではユーザー72を用いて説明を行う。かりにおこりっぽい性格である場合は41に五ポイント、髪のつやがよい場合は、42に一ポイントと、舌の状態が、白みがかっている場合は43に二ポイント、血圧が高い場合は44に四ポイントといった具合である。最終的に図形45が出来上がるわけだが、この図形の形から、タイプを判別するわけである。正方形に限りなく近い人は、Aタイプ、面積は広いが、形がおかしい人はBタイプといった具合である。AタイプやBタイプにもいくつも種類があり、厳密に同じタイプの人間は存在しえない。しかしながら、ある程度タイプが似ている場合は、自分と同じタイプの人間の治療例などを参考にすることなどもできる。その場合は禁忌に気をつける必要がある。禁忌のタイプなどを設定することで、リスクを回避することが可能である。
基本的に、これらのタイプの判別はコンピューターがデータに基づいて行われるわけだが、どうしても判別がつかない場合は、専門家にその判別をゆだねる。その結果、判別するためのデータが、コンピューター2は増えていくわけである。さらに、正確性を求めるために、問診表4の内容は変更が加えられる可能性もあり、また、コンピューター2に格納されている判別のためのデータにも、変更が加えられる可能性が極めて高い。
解析結果にも基づいて、患者の症状、タイプ、禁忌、および過去の治療内容にそった、経穴の位置、参考施術、過去の臨床事例の表示、ここでいう治療法5を、コンピューターが提供する。
タイプが確定すれば、そこから症状を加え、アプリケーション33がデータベースより治療法を検索する。
ユーザー72というユーザーは、タイプD、症状はのぼせ症、禁忌Cとする。その場合、鍼灸治療は何々の経穴に鍼をうつ、生薬療法の場合は防風15グラム当帰10グラムを煎じて、7日間服用する、薬草療法の場合葉はチャービル15グラムとライラック20グラムを煎じて5日間服用する、温泉療法の場合は有馬温泉がよいといった例、薬膳料理療法の場合はあわびのスープが有効といった例、薬酒療法の場合は、クコ酒が効果あるといった例、ビタミン療法の場合は、ビタミンAが不足しているといった例、以上の治療方法をアプリケーション33がデータベースより検索してきて、禁忌Cに適応される治療法を削除し示提示する。
ユーザー72にもっとも適当の治療例、例えば、鍼灸治療は何々の経穴に鍼をうち、生薬療法で防風15グラム当帰10グラムを煎じて、7日間服用するなど、もっとも効果が期待できる治療例を複合的に紹介することもできる。
請求項1の診断方法によって、治療法5に基づいて行った治療6は、ユーザー1および治療者3は、報告10、報告11、報告12を介しデータベース23へ、保存ができ、また、治療歴はデータベース22へ保存がされ、新しい臨床データとして、データベース9へ蓄積、さらに、問診表4を介し、データベース21に登録された、ユーザーの基本情報など、必要に応じて、データを引き出す機能を備える。
上記にも示したように、治療法5の内容は鍼灸療法、按摩療法、経穴の判別が必要の際の治療方法以外に、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった治療を複合的に示すことを可能とした機能を備え、治療法5に必要な治療院、温泉施設の紹介、および機器、食材、薬、酒、ビタミン剤、温泉の素、漢方薬等、の販売、紹介を可能とする機能を備える。
さらに、治療法5の表示をビジュアル的に表示することによって、非熟練者にも容易に、行うことができる機能を備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、従来、鍼灸の診断、按摩の診断には多大な時間がかけられていたのが、本システムを利用することにより、症状にあわせた治療法を、容易に確定する機能を備えるため、診断を簡略化することができる。
また、新たな臨床事例をデータベース9へ蓄積する機能を備えるため、より多様な病状に対応していくことができる。さらに、患者の過去の治療歴、ユーザー登録情報を参照する機能を備えるため、リピーターユーザーに対し、よりよい治療法5を施すことが可能となる。
治療法5の内容は、鍼灸の診断、按摩の診断等に限らず、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬種療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった、複数の治療法を示すため、複合的な治療が可能となり、効果の増大が期待される。また、請求項5にある機能を利用することによって、ユーザーの利便性を高める効果も期待がもてる。
また、非熟練者もビジュアル的に表示される機能を利用することによって、治療法を容易に理解し、治療を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施例が形態を示す。
【実施例1】
【0007】
本発明の実施の形態を図面(図1、図2、図3、図4)に基づいて説明する。
図1は本発明実施の形態の一例を示すものである。
ユーザー1は、問診表4を介してコンピューター2へ、自分の症状を送信する。なお問診表4を送信するための手段は、インターネット、電話、手紙、FAX等、あらゆる伝達システムを用いることが可能である。
コンピューター2には、あらかじめ経穴と病状の関係、経穴の位置、治療法方を判断するためのデータ17、いわゆる治療法5の判別に関するデータを、データベース8に保存しておく。データ17は必要に際して、追加で保存することも可能である。ここでいうデータベースとはハードディスクを用いたものだが、デジタル記憶が可能なメディア、その他機器を用いることができる。
コンピューター2にユーザー1に治療歴がある場合は、データベース22、過去の報告がある場合はデータベース23を保存されている。コンピューター2は、ユーザー1の問診表の内容を、ユーザーの基本情報として、データベース21へ保存し、データベース8、データベース9をベースとしてプログラム7を用いてコンピューター処理し、治療者3へ治療法5を送信する。治療法5は、インターネット、電話、手紙、FAX等、あらゆる伝達システムを用いることが可能である。
治療者3は治療法5に示されたデータに基づいて、ユーザー1へ治療6を行う。治療法5の内容は、おもに経穴の判別、治療方法、過去の治療例といった内容であるが、鍼灸治療、按摩治療に限らず、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった複合的な治療を示すことも可能である。以上あげた、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった複合的の治療法を示すには、問診表4の診断結果を基に示すことが可能である。問診表4の診断結果は、おおまかに、虚証、実証、虚実証といった3つの証に分類され、症状の進行具合の表裏を判別し、それらに個人の各データを加え吟味したものである。それらの判別、解析方法は実施例13を参照するものとする。ユーザーのタイプが決まれば、タイプと症状をあわせ、コンピューター2がデータベースより、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法の治療内容を検索する。
ユーザーのタイプから禁忌の療法もあることが考えられる。その判別をするために必要な機能をコンピューター2は備えており、実行することが可能である。
治療後、ユーザー1は改善の状況をコンピューター2に直接、報告10することが可能であるし、治療者の対し報告12を行うこともできる。治療者は行った治療をデータベースサーバー2へ報告11することもできうる。なお報告10、報告11、および報告12は、インターネット、電話、手紙、FAX等、あらゆる伝達システムを用いることが可能である。
改善の状況の報告をうけることによって、コンピューター2は、新たなデータをデータベース9内データベース23に蓄積することができ、治療の多様性と正確性を増すことが可能となる。
なぜかというと、図3を用いて治療の一例を説明する。例えば、過去に報告を受けたユーザーと酷似した体格、病状、タイプの持ち主である、ユーザー13がいたとする。ユーザー13の治療に際、データベース9に格納されているユーザーの報告23は、治療例14として過去の治療歴22とともに、参照することが可能である。それをうけた治療者24およびユーザー13は、その例を参照することにより、より正確性が高い治療25へと結びつけることが可能となるためだ。上記はユーザー13が他人の情報を利用し治療を行った例だが、自分自身の治療歴を参照にしながら、治療の簡略化および正確性を図ることも可能である。図4を用いて説明を加えておく。
たとえば、ユーザー14は治療院16へ来院し、診断を受けたとする。診断結果の後、治療院16はユーザー14に対して、カード15を発行する。正確にはアクセス29を介して、コンピューター2が発行することとなる。このカード15は、コンピューター2へ容易にアクセスすることができるための情報が組み込まれている。そのため、ユーザー14は、来院のたびに診断を受ける必要がなく、カード15を掲示するだけで、治療者はユーザー14の治療歴およびタイプを判別することができるため、診断を簡略化することが可能となるわけだ。ユーザー14は、治療院に来院することなく、インターネット等を介して、治療歴にアクセス28することも可能である。なお、カード15は、IDナンバーであったり、免許証であったり、情報を引き出すことが可能な情報端末であれば、なんでもよく、ここではより理解をしやすくするために、カードであると述べた。アクセス28を介して、でコンピューター2へアクセスしたのち、データベース9内に格納されているデータベース21、自己のユーザー基本情報は、体重の変化や、体調の変化などに応じ、新たに変更用の問診表を介し、変更することも可能である。なお、アクセス28およびアクセス29は、インターネット、電話、手紙、FAX等、あらゆる伝達システムを用いることが可能である。
【実施例2】
【0008】
実施例1は治療者がいる場合においての説明である。以下、治療者が遠隔地にいる、なにかの都合で治療者がいない場合、もしくは治療を受けたくない場合において、治療法の判別が必要となった際の利用例を、図5を用いて説明する。
図5より、ユーザー26は問診表4を介してコンピューター2へ、自分の症状を送信する。なお問診表4を送信するための手段は、インターネット、電話、手紙、FAX等、あらゆる伝達システムを用いることが可能である。
その結果、コンピューター2より治療法5が送信される。コンピューター2は治療法5の送信とともに、ユーザー26へカード27を送信する。なお、カード27は、IDナンバーであったり、免許証であったり、情報を引き出すことが可能な情報端末であれば、なんでもよく、ここではより理解をしやすくするために、カードであると述べた。ユーザー26は、そのカード27を用いることによって、容易にコンピューター2へアクセスすることが可能となり、遠隔地であっても、本システムを利用することが可能となる。
【実施例3】
【0009】
医療器具、健康用品、健康食材等の販売促進のためにも本システムを活用することが可能である。治療法5の内容を実行するために必要な機器等の販売、もしくは治療院、治療者を紹介できる。その方法の一例として、インターネットを利用した場合、治療法5から、機器等の販売先、もしくは治療院、治療者への紹介先へ容易にリンクさせればよい。インターネット以外にも、封書、電話、FAX等の方法を用いることも可能である。
【実施例4】
【0010】
本システム利用者の健康状態を、本システムを利用することによって、健康状態の管理を行うことが可能である。問診表4を介して送られるデータは、データベースに保存されているので、自分の健康状態の変遷を確認することによって、健康状態を管理することができる。自分の健康状態が本システムの治療法5に基づいて改善された場合は、その詳細データを保存することによって、再度、健康状態が悪化した場合に、保存したデータを参照することも可能である。
また、本システム利用者の健康状態が悪化した場合、治療院以外に、病院等へ紹介することも可能であるため、大病を未然に防ぐことも可能となる。
健康状態は、本システムが管理しているため、健康状態に合わせた、機器の販売、もしくは治療院、治療者への紹介などを行うことも可能である。
【実施例5】
【0011】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかに生薬療法を示すができ、その実行が可能である。生薬療法とは、健康状態に合わせ、生薬を配合する治療である。
配合するためのデータは、データ17に含まれており、それを実行するための機能をコンピューター2は備えており、問診表4から得られるデータには、中国医学の四診である、望診、聞診、問診、切診(蝕診)に対応する質問が含まれており、かつ八網に対応する質問もあり、生薬の配合を容易にすることができる。
生薬は、効果が認められる生薬類を示すことができ、それらの生薬はデータベース8に格納されており、その効能についてのデータも含まれる。
生薬単品を用いた療法ももちろん可能であり、俗に言う和漢療法であり。和漢療法の効果を示すデータもデータベース8に格納されており、治療法の判別を実行することがコンピューター2は可能である。
示された生薬が手に入らないユーザーのために、生薬の販売先もしくは取得方法等を示すことも可能である。
その実施例をこれから説明する。
ユーザーは問診表4を介してコンピューター2へ自己情報を伝える。その情報をコンピューター2が解析しユーザーのタイプを確定し、治療法をユーザーへ伝える。治療法の中で、生薬療法がもっとも適当である場合、その旨をユーザーに伝える。さらに、そのために必要な生薬の配合をユーザーに伝え、それを実行するための手段を示すことが可能である。手段とはすなわち、専門家へ紹介することであったり、生薬の販売先を紹介する方法であったりする。
ユーザーはその配合内容に基づいて、生薬を配合、もしくは購入し、治療内容にのっとり服薬する。服薬した生薬のデータを保存することによって、今後の治療に役立てることが可能となる。
【実施例6】
【0012】
本システムは、教育、研究に利用することが可能である。コンピューター2より送信される治療法5のデータをビジュアル表示することが可能である。つまり、経穴の位置を人間の体上に表すことにより、利用者は多人数へ効率よく理解してもらうことが可能となる。ビジュアル表示することにより、体上の経穴の位置をすべて表示することによって、経絡の流れを示すことも可能となる。
本システムはビジュアル表示以外も、経穴の位置を示す機能として、文字で表現することも可能である。
であるために、本システムが示す治療法を利用し、多人数を相手に説明の必要を迫られる、教育者、研究者、もしくはそれ以外の人間は、本システムを利用し、効率的に説明をすることができるのである。
【実施例7】
【0013】
治療者が患者に対して治療方法を説明する際に、治療法5の内容をビジュアル表示することが可能である。患者はビジュアル表示を受けることによって、自分のどの部分にどのような治療を行うか、事前に知ることが可能となるため、治療に対して理解を深めることができる。
【実施例8】
【0014】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかに温泉療法を示すことができる。体の症状にあわせた温泉を紹介する機能を利用することによって、利用者を温泉地へ紹介することが可能である。さらに、利用者が温泉地へ到着した際に、マッサージ師や、鍼灸師、薬膳料理師、薬草療法、漢方薬療法を実行する人、ビタミン療法を実行する人、などを斡旋することによって、利用者に複合的な治療を行うことができる。また、温泉地へ行くことが難しいユーザーのために、温泉の基などを示すことができる。
【実施例9】
【0015】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかに薬草療法を示すことができ、本システムはこの薬草療法を実行するための治療法を提供することができる。薬草療法とは、文字どおり薬草を用いて治療する方法である。たとえば、たんぽぽの根には、利尿作用があり、腎炎などに効果があるとされており、腎炎の兆候が問診表4を介して認められるとき、治療法5を通してユーザーに示すことができる。
薬草に関するデータはデータ17に含まれているため、たんぽぽの根のほかにも、効果が認められる薬草類を示すことが可能である。それらの薬草類はデータベース8に格納されており、その効能についてのデータも含まれる。問診表4より、ユーザーの症状にあった薬草類はコンピューター2より治療法5として送信、表示される。
示された薬草類が手に入らないユーザーのために、薬草類の販売先もしくは取得方法、さらには作成方法を示すことも可能である。
【実施例10】
【0016】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかに薬膳料理療法を示すことができる。薬膳料理療法とは、文字どおり薬膳料理を用いて治療する方法である。医食同源という言葉があるように、食事は薬と同様の役目を果たすと考えられる。中国ではさかんな薬膳料理は日本ではあまり知られていない。これらの料理を紹介、またそのレシピを示すことが、コンピューター2では可能である。
問診表4より、ユーザーの症状にあった薬膳料理、薬酒はコンピューター2より治療法5として送信、表示される。示された薬膳料理、薬酒が手に入らないユーザーのために、薬膳料理の販売先もしくは取得方法、さらには作成方法を示すことも可能である。
【0017】
薬膳料理の中には、薬酒も含まれており、薬膳料理と同様、治療の効果が期待できる。その薬酒もまた、治療法5を介して紹介することができる。
薬膳料理はおもに中華料理と考えられがちだが、和食、西洋料理、その他世界各国の料理にも、薬膳料理に近いものが存在し、コンピューター2には、それらのデータも含まれている。薬膳料理、薬酒に関するデータは、データ17に含まれている。
【実施例11】
【0018】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかにビタミン療法を示すことができる。その実施例を以下説明する。
データ17には人間の体に欠かせないビタミンの情報が含まれており、問診表4によってユーザーの症状を解析した結果、特定のビタミンが不足していることが判明した場合、治療法5を介してビタミンの摂取をユーザーに知らせる。
ユーザーは治療法5の内容にのっとって不足しているビタミンを摂取する治療を行い、症状を緩和させることができる。
ビタミンの摂取を行うためには、ビタミン剤を用いるのでなく、普段の食事に気をつければ、効果が期待できる。データベース8にはビタミン療法にのっとった食事のレシピ集が格納されており、コンピューター2はそれを示すことができるため、ユーザーはそのレシピに基づいた食事療法も可能である。
ビタミン剤が手に入らないユーザーのために、ビタミン剤の販売先もしくは取得方法を示すことも可能である。
【実施例12】
【0019】
本システムは、複合的な治療法を示すため、鍼灸やマッサージ治療等の治療方法のほかに漢方薬療法を示すことができ、本システムはこの漢方薬療法を実行するための治療法を提供することができる。漢方薬療法とは、文字どおり漢方薬を用いて治療する方法である。たとえば、小柴胡湯は、腎炎などに効果があるとされており、腎炎の兆候が問診表4を介して認められるとき、治療法5を通してユーザーに示すことができる。
漢方薬に関するデータはデータ17に含まれおり、データベース8に格納されており、その効能についてのデータも含まれる。問診表4より、ユーザーの症状にあった漢方薬はコンピューター2より治療法5として送信、表示される。
示された漢方薬が手に入らないユーザーのために、薬草類の販売先もしくは取得方法、さらには作成方法を示すことも可能である。
【実施例13】
【0020】
コンピューター2の実行例を、図6を用いて説明する。
ユーザーより送られてきた問診表4を解析する。解析した結果ユーザーのタイプが決定する。ユーザーのタイプを解析するためには、問診表の内容を中国医学の診断方法にのっとった、四診に対応する質問を中心とする。例えば、体重、身長、体脂肪率、脈の状態、血圧、舌の状態、おなかの状態など、基本的な質問が中心となる。そのほかにも、両親の疾患や、DNAに関する質問を含み、かつ食生活、運動の状況、性格、外観など、日常生活に関する質問なども含む。
それらの情報は、問診表4を介してコンピューター2へ送られアプリケーションを利用し解析されるわけだが、その解析の方法には、いくつか種類がある。その一例が、チャート式のアプリケーションである。図8を参考にしながら、説明をしていく。
問診表の問いの答えによって、51の項より分岐し、52へたどり着く。さらに問いの答えより、53へ、54へ、55へ、最終的に56にたどり着き、タイプが決定する方法である。
その他の例として、点数を用いた解析方法である。各質問の答えに対応した点数の合計およびその点数の分布から、タイプを確定する方法、アプリケーションがそれである。
そのほかには、点数と面積を用いて図形を作成し、その図形の形から、ユーザーのタイプを確定する方法、アプリケーションがある。その方法、アプリケーションは、図7を用いて説明する。まず、質問に対応した項目を作る。判定の精度と項目の数は比例するわけだが、ここでは説明の簡略化のために項目数が4つとする。各項目は41、42、43、44とする。問診表の質問の答えより、項目に点数が加えられる。
ここではユーザー72を用いて説明を行う。かりにおこりっぽい性格である場合は41に五ポイント、髪のつやがよい場合は、42に一ポイントと、舌の状態が白みがかっている場合は43に二ポイント、血圧が高い場合は44に四ポイントといった具合である。最終的に図形45が出来上がるわけだが、この図形の形から、タイプを判別するわけである。正方形に限りなく近い人は、Aタイプ、面積は広いが、形がおかしい人はBタイプといった具合である。AタイプやBタイプにもいくつも種類があり、厳密に同じタイプの人間は存在しえない。しかしながら、ある程度タイプが似ている場合は、自分と同じタイプの人間の治療例などを参考にすることなどもできる。その場合は禁忌に気をつける必要がある。禁忌のタイプなどを設定することで、リスクを回避することが可能である。
基本的に、これらのタイプの判別はコンピューターがデータに基づいて行われるわけだが、どうしても判別がつかない場合は、専門家にその判別をゆだねる。その結果、判別するためのデータが、コンピューター2は増えていくわけである。さらに、正確性を求めるために、問診表4の内容は変更が加えられる可能性もあり、また、コンピューター2に格納されている判別のためのデータにも、変更が加えられる可能性が極めて高い。
タイプが確定すれば、そこから症状を加え、アプリケーション33がデータベースより治療法を検索する。
ユーザー72というユーザーは、タイプD、症状はのぼせ症、禁忌Cとする。その場合、鍼灸治療は何々の経穴に鍼をうつ、生薬療法の場合は防風15グラム当帰10グラムを煎じて、7日間服用する、薬草療法の場合葉はチャービル15グラムとライラック20グラムを煎じて5日間服用する、温泉療法の場合は有馬温泉がよいだとか、薬膳料理療法の場合はあわびのスープが有効だとか、薬酒療法の場合は、クコ酒が効果あるとか、ビタミン療法の場合は、ビタミンAが不足しているといった、治療方法をアプリケーション33がデータベースより検索してきて、禁忌Cに適応される治療法を削除し示すわけである。
ユーザー72にもっとも適当の治療例、例えば、鍼灸治療は何々の経穴に鍼をうち、生薬療法で防風15グラム当帰10グラムを煎じて、7日間服用するなど、もっとも効果が期待できる治療例を複合的に紹介することもできるわけである。
以上がコンピューター2の実行方法である。
【実施例14】
【0021】
本システムを利用するにあたって、ユーザーはサポートする施設、もしくは人間を活用して利用することができる。
問診表4の入力のさいに、疑問点等がある場合、サポートする人間に連絡し、その解決方法を知らせてもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態を表すシステム図
【図2】コンピューター2のシステム図
【図3】過去の治療例を参照する場合の治療の一例のシステム図
【図4】自己の過去データを活用し再診断の簡略化を図るためのシステム図
【図5】実施例5のシステム図
【図6】コンピューター2の実行図
【図7】請求項5の図形の形を用いてユーザータイプを決定するための例図
【図8】問診表解析の実行図の一例
【符号の説明】
【0023】
1 本システムを利用するユーザー
2 コンピューター
3 本システムを利用し治療する治療者
4 問診表
5 治療法
6 治療
7 コンピューター2が本システムを実行するためのプログラム
8 治療法5を判別するための情報を格納するデータベース
9 ユーザーの情報を格納するデータベース
10 ユーザー1がコンピューター2へ行う報告
11 治療者3がコンピューター2へ行う報告
12 ユーザー1が治療者3へ行う報告
13 過去に報告を受けたユーザーとタイプが酷似しているユーザー
14 過去に報告を受けたユーザーへ行った治療例
15 治療院16より発行される情報端末
16 治療院
17 治療方法を判別するためのデータ
21 データベース9内、ユーザーの基本情報を格納するデータベース
22 データベース9内、ユーザーの治療歴を格納するデータベース
23 データベース9内、ユーザー、治療者の報告を格納するデータベース
24 治療例14を参照した、治療者
25 治療者24が行う、治療例14を参照とした治療
26 遠隔地のユーザー
27 コンピューター2よりユーザーへ発行される情報端末
28 ユーザー14がコンピューター2へアクセスするための手段
29 治療院16がコンピューター2へアクセスするための手段
31 問診表データを解析するためのアプリケーション
32 31にのっとり決定したユーザータイプ
33 データベース検索するアプリケーション
34 ユーザーの禁忌症を分別するためのアプリケーション
35 治療法の掲示
41 図形を確定するための項目
42 図形を確定するための項目
43 図形を確定するための項目
44 図形を確定するための項目
45 ユーザー72のタイプを表す図形
51 図8においての問診表の質問
52 図8においての問診表の質問
53 図8においての問診表の質問
54 図8においての問診表の質問
55 図8においての問診表の質問
56 図8においての問診表の質問結果によるタイプ
72 ユーザー例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のタイプ、病状によって、経穴の位置、治療方法を判別するためのデータ17を、あらかじめコンピューター2に保存、本システム利用者は問診表4を介しデータベース21に自分の症状およびタイプを登録、鍼灸治療、按摩治療、もしくは経穴の判別が必要の際に、治療方法、経穴の位置、経絡、過去の臨床事例、参考施術を、コンピューター2が治療法5として送信、表示する機能を特徴とした診断方法、およびそれを実行するためのコンピューター。
【請求項2】
請求項1の診断方法によって、治療法5に基づいて行った治療6を、ユーザーおよび治療者は、データベース23へ報告、保存ができ、また治療歴はデータベース22へ保存がされ、新しい臨床データとしデータベース9へ蓄積、さらに、問診表4を介し、データベース21に登録されたユーザーの基本情報などを、必要に応じて、データを引き出す機能を備え、それを実行するコンピューター。
【請求項3】
請求項1の診断方法によって、コンピューター2より送信される治療法5の内容は、鍼灸療法、按摩療法、経穴の判別が必要の際の治療方法以外に、薬草療法、温泉療法、生薬療法、薬膳料理療法、薬酒療法、ビタミン療法、漢方薬療法といった治療を示すことを可能とした機能を備え、それを実行するコンピューター。
【請求項4】
請求項1の診断方法によって、コンピューター2より発信される治療法5の内容を実行するために必要な治療者、治療院、温泉施設の紹介、および機器、食材、薬、酒、ビタミン剤、温泉の素等、漢方薬の販売、紹介を可能とする機能を備え、それを実行するコンピューター。
【請求項5】
コンピューター2は、問診表データ解析31の方法、点数を用いた解析方法である問診表の各質問の答えに対応した点数の合計およびその点数の分布から、ユーザータイプを確定する方法もしくは、図7にあるように、各項目に対応した点数より図形を作成し、その図形の形によって、ユーザータイプを確定する機能を備え、それを実行するコンピューター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−61256(P2006−61256A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244987(P2004−244987)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(304038770)
【Fターム(参考)】