説明

鏡面機能を有する液晶ディスプレー

【課題】 光透過率を向上し、且つ全体厚さを増加せず、光学効率を向上する効果を達成可能な、鏡面機能を有する液晶ディスプレーを提供する。
【解決手段】 多数の画素11を有する液晶ディスプレーモジュール1を含む。液晶ディスプレーモジュール1の一面には液晶ディスプレーモジュール1の光源として使用される発光素子12が設けられ、他面には透明基板2が設けられ、透明基板2の液晶ディスプレーモジュール1から遠ざかる一面には穴開性反射薄膜21が設けられている。穴開性反射薄膜21は、各画素11の表示する光線を透過可能とするために、液晶ディスプレーモジュール1の各画素11に対応する箇所に穴211が別々に開けられている。穴211が別々に開けてあるので、液晶ディスプレーモジュール1が表示するときの光透過率を向上し、且つ全体厚さを増加せず電力を節約するという前提で、光学効率を向上する効果を達成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡面機能を有する液晶ディスプレーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一部の液晶ディスプレーは特別なニーズにより、鏡面機能を有することが要求される。図5は、情報表示可能な車内用バックミラーを示す。車内用バックミラーのレンズ81の一面に光半分透過可能な反射薄膜82を設置し、且つレンズ81の後ろに一発光ディスプレー83を設置することにより、平常時にレンズ81が外部の光線を反射して一つの鏡になる。発光ディスプレー83が発光するときに、一部の光線が光半分透過可能な反射薄膜82を透過し、表示の目的を達成することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般の液晶形態の発光ディスプレー83は、液晶ディスプレーモジュール831と、背光モジュール832とを含むので、発光ディスプレー83が発光するときには、背光モジュール832を光源とし、その発生した光線は液晶ディスプレーモジュール831の特性により、約半分だけの光線が前記液晶ディスプレーモジュール831を透過可能である。光半分透過可能な反射薄膜82がその一部の光線を吸収するので、液晶ディスプレーモジュール831を透過した光線の約半分だけの光線が光半分透過可能な反射薄膜82を透過可能となる。すなわち、背光モジュール832で発生した光線のうちの25%だけが光半分透過可能な反射薄膜82を透過可能である。図6に示すように、表示するときには発光効率が良くないので、より明るい背光モジュール832を使用することが必要になり、そうすると、消耗電力が大幅に増加する。このような構造を自動車に設置する際は、自動車は発電機を有するので、大した問題に成らない。しかしこのような構造を携帯式装置(例えば、携帯電話、PDAやノートブック)に設置する際は、消耗電力が多いので、上記装置の使用可能な時間が短くなり、且つより明るい背光モジュール832を使用することにより上記装置が過熱するという問題があった。
【0004】
また、もう一種類の液晶ディスプレーは、切替式ディスプレーを追加し(例えば、TN-LCD)、電子回路を通じて前記切替式ディスプレーのオン、オフを制御する。切替式ディスプレーをオンにするときには外部の光線を反射することにより鏡面効果を発生する。切替式ディスプレーをオフにするときには、内部の液晶ディスプレーモジュールで発生した光線がそれを透過しディスプレーになる。しかしながら、このような構造を有する液晶ディスプレーは、全体構造が厚くて、構造が複雑であることにより製造コストが高いので、携帯式電子装置に適用できなく、消耗電力も多い。
【0005】
したがって本発明の目的は、液晶ディスプレーモジュールが表示するときの光透過率を向上し、且つ全体厚さを増加せず、電力を節約できる前提で、光学効率を向上する効果を達成可能な、鏡面機能を有する液晶ディスプレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため本発明の請求項に記載の鏡面機能を有する液晶ディスプレーは、多数の画素を有する液晶ディスプレーモジュールを含む。液晶ディスプレーモジュールの一面には液晶ディスプレーモジュールの光源として使用される発光素子が設けられている。液晶ディスプレーモジュールの他面には透明基板が設けられ、透明基板の液晶ディスプレーモジュールから遠ざかる一面には穴開性反射薄膜が設けられている。穴開性反射薄膜は、各画素の表示する光線を透過可能であるために、液晶ディスプレーモジュールの各画素に対応する箇所では穴が別々に開けられている。
【0007】
本発明に係る鏡面機能を有する液晶ディスプレーによれば、基板に設けた穴開性反射薄膜は、各画素の表示する光線を透過可能とするために、液晶ディスプレーモジュールの各画素に対応する箇所では穴が別々に開けてあるので、液晶ディスプレーモジュールが表示するときの光透過率を向上し、且つ全体厚さを増加せず電力を節約するという前提で、光学効率を向上する効果を達成可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1から図4に示すように、本発明の実施例による鏡面機能を有する液晶ディスプレーは、多数の画素11を有する液晶ディスプレーモジュール1を含む。液晶ディスプレーモジュール1の一面には液晶ディスプレーモジュール1の光源として使用される発光素子12が設けられている。液晶ディスプレーモジュール1の他面には透明基板2が設けられ、透明基板2の液晶ディスプレーモジュール1から遠ざかる一面には穴開性反射薄膜21が設けられている。穴開性反射薄膜21は、各画素11の表示する光線を透過可能とするために、液晶ディスプレーモジュール1の各画素11に対応する箇所に穴211が別々に開けられている。
【0009】
図3に示すように、本発明の実施例による液晶ディスプレーモジュール1がオフにするときには、発光素子12は発光せず、外部の光線が透明基板2に投射するときに光線が穴開性反射薄膜21に反射され、鏡状態になる。本実施例に係る液晶ディスプレーモジュール1をオンにするときには、発光素子12で発生した光線が液晶ディスプレーモジュール1を透過しする。液晶ディスプレーモジュール1の各画素11が表示するときに透過した光線は各穴211を経由して穴開性反射薄膜21を透過し、図4に示すように、光線の透過率が増加する。実験結果によれば、本実施例に係る鏡面機能を有する液晶ディスプレーは、一般の配置で、液晶ディスプレーモジュール1がオンにするときに、その明るさは65cd/m2になることが可能で、従来のもののようにより明るい背光モジュール832を使用することが必要ないので、良い表示効果を達成することが可能となる。
【0010】
よって、基板2に設けた穴開性反射薄膜21には、各画素11の表示する光線を透過可能とするために、液晶ディスプレーモジュール1の各画素11に対応する箇所では穴211が別々に開けてあるので、液晶ディスプレーモジュール1が表示するときの光透過率を向上し、且つ全体厚さを増加しなくて電力を節約するという前提で、光学効率を向上する効果を達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例による鏡面機能を有する液晶ディスプレーを示す構造概略図である。
【図2】本発明の実施例による鏡面機能を有する液晶ディスプレーに係る穴開性反射薄膜の一部の平面図である。
【図3】本発明の実施例による鏡面機能を有する液晶ディスプレーが外部の光線に照られて鏡になることを示す概略図である。
【図4】本発明の実施例による鏡面機能を有する液晶ディスプレーで、各画素で発生する光線が穴開性反射薄膜の各穴を通過することを示す概略図である。
【図5】従来の情報表示可能な車内用バックミラーの構造を示す概略図である。
【図6】従来の情報表示可能な車内用バックミラーの使用状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0012】
1 液晶ディスプレーモジュール、2 透明基板、11 画素、12 発光素子、21 穴開性反射薄膜、211 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する液晶ディスプレーモジュールを備え、前記液晶ディスプレーモジュールの一面には前記液晶ディスプレーモジュールの光源として使用される発光素子が設けられ、前記液晶ディスプレーモジュールの他面には透明基板が設けられ、前記透明基板の液晶ディスプレーモジュールから遠ざかる一面には穴開性反射薄膜が設けられ、前記穴開性反射薄膜は、各画素の表示する光線を透過可能であり、前記液晶ディスプレーモジュールの各画素に対応する箇所には穴が別々に開けられていることを特徴とする鏡面機能を有する液晶ディスプレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−47566(P2006−47566A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226867(P2004−226867)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(501029319)勝華科技股▲分▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】