説明

長寿命、高効率、および高ルーメン維持の街路照明ランプ

ランプが放電容器と放電容器内に延びる電極とを備えている。ランプはさらに、容器内に密閉されたイオン化可能な充填物を備えている。充填物は不活性ガスとハロゲン化物成分とを含んでいる。ハロゲン化物成分は、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化タリウムと、ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、ハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含んでいる。ハロゲン化希土類(RE)は、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ネオジウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。充填物は、Na/RE比として8≦Na/RE≦48を定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放電ランプに関し、より具体的には、透明なセラミック・アーク・チャンバ材料で作られた高輝度放電(HID)メタルハライドランプに関する。HIDランプは街路照明に特定の用途が見られるが、見方を選べば、ルーメン効率およびルーメン維持について同じ問題に直面する関連する放電ランプ環境に用途が見られる場合があることが分かる。
【背景技術】
【0002】
高輝度放電(HID)ランプは、比較的小さい光源から大光量を発生させることができる高効率ランプである。これらのランプは、多くの用途で広く用いられている。たとえば、ほんの少しだけ例を挙げると、幹線および道路の照明、大きな会場たとえば競技場の照明、建物、商店、工業用建物、およびプロジェクタの投光照明である。用語「HIDランプ」を用いて種々の種類のランプが示される。これらには、水銀灯、メタルハライドランプ、およびナトリウム・ランプが含まれる。特に、メタルハライドランプは、高レベルの明るさを比較的低コストで必要とする領域で広く用いられている。HIDランプは他のランプとは異なっている。なぜならば、それらが機能する環境は、高温高圧での動作を長期間に渡って必要とするからである。また、それらの用法およびコストのために、これらのHIDランプは、耐用寿命が比較的長いとともに均一レベルの明るさおよび色の光を発生させることが望ましい。原理的には、HIDランプは交流(AC)電源または直流(DC)電源のどちらとでも動作することができるが、実際には、ランプは通常、AC電源によって駆動される。
【0003】
放電ランプからの光の発生は、蒸気充填材料(たとえば、希ガス、ハロゲン化金属、水銀からなる混合物)を、2つの電極間を通る電気アークを用いてイオン化することによって行なわれる。電極および充填材料は、半透明または透明な放電容器内に密閉される。放電容器は、電圧が印加された充填材料の圧力を維持するとともに、放出光が放電容器を通過できるようにしている。充填材料(「ドーズ」としても知られている)からは、電気アークによって励起されることに応じて、所望のスペクトル・エネルギー分布が発せられる。たとえば、ハロゲン化物からは、光特性(たとえば、色温度、演色、および発光効率)の幅広い選択が得られるスペクトル・エネルギー分布が発せられる。
【0004】
現在の技術では、放電容器内の電極を分離している距離とチャンバの直径との比率が4未満の場合には、アークと放電チャンバ壁の間でのナトリウムの相対存在量が原因でこのようなナトリウムが発生した光放射を吸収する作用が大きくなる。吸収は、ナトリウムの吸収線が可視光のピーク値付近にあるために起きる。さらに加えて、比率が5未満の場合には、ランプを水平位置で動作させたときに、アーク放電チャンバ内に形成されるアークは、その蒸発したチャンバ成分の浮力によって実質的に上方に曲がってしまう。アークは上方に曲がると、アーク放電チャンバ壁のより近くにくるため、その付近の壁の温度が上がる。このような温度増加が原因で、水平方向で動作させたときにランプの動作寿命は短くなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、アスペクト比が4.0未満および動作電圧が110未満で、より高い効率およびより良好な色性能を実現するランプは、当業者にとっては明らかではないであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
予想外に、本発明では、当初に約110ルーメン/ワット(LPW)を超え、12,000時間において少なくとも約80%のルーメン維持であり、演色評価数(Ra)が約65を超え、水銀の存在量が約5mg未満であることが達成されている。これらの利益は、約2.5よりも大きく約4.0よりも小さいアスペクト比と、約10よりも大きく約40よりも小さいナトリウムと希土類との比と、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カルシウム、ハロゲン化タリウム、およびハロゲン化ランタンのドーズ組成物と、タングステン酸素循環との組み合わせを通して実現される。
【0007】
典型的な実施形態においては、ランプが放電容器と放電容器内に延びる電極とを備えている。容器はさらに、容器内に密閉されるイオン化可能な充填物を含んでいる。イオン化可能な充填物は、少なくとも不活性ガスおよびハロゲン化物充填物を含んでいる。ハロゲン化物充填物は、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化タリウムと、ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ネオジウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含む。
【0008】
本発明の一実施形態においては、前述の組み合わせには、希土類成分としてハロゲン化ランタンが含まれている。
【0009】
本発明によれば、放電管のアスペクト比は、2.0<EA/Di<4.8を満たし、ここで、EA=電極間の距離、およびDi=放電容器の内径である。
【0010】
本発明の別の実施形態においては、充填物中のハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類とのモル比は、8≦Na/RE≦48を満たす。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態においては、ランプを形成する方法が提供される。本方法には、放電容器を用意することであって、放電容器の内部にイオン化充填物が密閉され、この充填物は不活性ガスとハロゲン化物成分とを含む、用意することが含まれる。ハロゲン化物成分は、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化タリウムと、ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、およびネオジウムからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含む。本方法にはさらに、放電容器内に電極を配置して、電極に電圧が印加されることに応じて充填物に電圧を印加することが含まれる。本発明は任意の特定の製造方法または処理に限定されないことが理解され得る。
【0012】
本発明によるランプによって実現される主な利益は、アスペクト比(AR)と壁面負荷との組み合わせによる高効率である。
【0013】
本発明によるランプによって実現される別の利益は、ドーズ組成物および放電容器に加えられるそのドーズの量による高効率である。
【0014】
本発明によるランプのさらに別の利益は、タングステンが放電容器の半透明壁上に堆積することを防止するタングステンハロゲン壁洗浄サイクルの形成による高ルーメン維持率である。
【0015】
また本発明によるランプのさらに他の利益は、電極チップ(EA)間の長い分離距離を維持することによる高ルーメン維持率であり、大きな割合の半透明セラミック壁がわずかな堆積タングステンも受けないため、壁が黒色化することが軽減されている。
【0016】
本発明によるランプのさらに別の利益は、放電容器に加えられるドーズ組成物およびドーズ重量による長寿命である。
【0017】
本発明によるランプのさらに他の特徴および利益は、以下の詳細な説明を読んで理解することによって、より明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】典型的な実施形態によるHIDランプの断面図である。
【図2】典型的な実施形態によるアスペクト比対ルーメン/ワット(LPW)の理論上のプロットを例示する図である。
【図3】典型的な実施形態により酸素源として0.025mgのWO3を用いた場合のタングステン種の溶解度対温度の理論上のプロットを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明では、約2.0よりも大きく約4.8よりも小さいアスペクト比と、ハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類との比が約8よりも大きく約48よりも小さいハロゲン化物成分を含むイオン化可能な充填物と、酸素循環と、の組み合わせを示すランプが提供される。このランプによって、現時点で利用可能な他の同様のランプよりも高い効率および良好な色性能を有する高輝度放電ランプが提供される。
【0020】
典型的な実施形態の態様は、放電容器と放電容器内に延びる電極とを備えるランプに関する。ランプはさらに、容器内に密閉されるイオン化可能な充填物を含んでいる。イオン化可能な充填物は不活性ガスおよびハロゲン化物成分を含んでいる。ハロゲン化物成分は、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化タリウムと、ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ネオジウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含む。
【0021】
典型的な実施形態によって、110ルーメン/ワット(LPW)および12,000時間において80%ルーメン維持を伴う白色光で高演色評価数(Ra)のランプが提供される。その結果、街路照明用途において、メタルハライドランプが高圧ナトリウム(HPS)ランプと競合することができる。これらのメタルハライドランプは、街路照明用途には限定されずに、それらの高いRaおよび白色光によって、都市美化照明および都市照明にも適用されるであろうことが理解され得る。
【0022】
図1を参照して、典型的なHIDランプ10の断面図を示す。ランプは、放電容器または発光管12を備え、放電容器12は内部チャンバ14を画定している。放電容器12は壁16を有している。壁16は、セラミック材料(たとえばアルミナ)または他の好適な光透過性材料によって形成しても良い。典型的な放電容器14は、単一成分として形成される高温耐性のある光透過性材料によって形成される。放電容器14には、必要に応じて、UVまたは赤外線反射コーティングをコーティングしても良い。典型的なランプ10は高輝度放電(HID)ランプであっても良い。高輝度放電(HID)ランプは、動作ワット数が、少なくとも約45W、一実施形態においては、少なくとも約200W(たとえば、最大で約250W)である。ランプには、電流が、AC電力源が接続された回路(図示せず)によって供給される。ランプは、低周波矩形波電子バラスト上で動作するようにデザインしても良い。代替的に、ランプは電磁バラスト上で動作しても良い。
【0023】
イオン化可能な充填物18を内部チャンバ14内に密閉する。電極20、22(タングステンで形成しても良い)を放電容器の対向する端部に配置して、電極に電流が印加されたときに充填物に電圧を印加する。2つの電極20および22には通常、交流を、導体24、26を介して(たとえば、バラスト(図示せず)から)供給する。電極20、22のチップ28、30は、アーク間隙を画定する距離EAだけ離間に配置されている。当然のことながら、他の既知の電極材料を代替的に用いても良い。
【0024】
ランプ10にパワー供給されたとき(ランプへの電流の流れを示す)、電位差が2つの電極の両端に形成される。この電位差によって、電極のチップ28、30間の間隙に渡ってアークが生じる。アークによって、電極チップ28、30間の領域内にプラズマ放電が発生する。可視光が発生して、壁16を通ってチャンバ14から出て行く。
【0025】
電極はランプ動作中に加熱され、タングステンがチップ28、30から蒸発する傾向がある。蒸発したタングステンの一部は、壁16の内部表面32上に堆積する場合がある。再生サイクルがないと、堆積したタングステンによって、壁黒色化が生じて可視光の透過が低くなる場合があり、最終的にランプ耐用寿命が短くなる。
【0026】
電極チップ離隔距離EAは、電極チップ28、30間の距離である。ランプ軸Xに沿って測定した50W実施形態の場合のEAは、たとえば約8mm〜約15mm、たとえば約8mm〜約12mm、一実施形態においては約10mmとすることができる。70Wランプ実施形態の場合は、ランプ軸Xに沿って測定したEAは、たとえば約10mm〜約15mm、たとえば約10mm〜約14mm、一実施形態においては約11mmとすることができる。100W実施形態の場合は、ランプ軸Xに沿って測定したEAは、たとえば約13mm〜約24cm、たとえば約13mm〜約20mm、一実施形態においては、約13.5mmとすることができる。150Wランプ実施形態の場合は、ランプ軸Xに沿って測定したEAは、たとえば約15mm〜約25mm、たとえば約15mm〜約22mm、一実施形態においては約19mmとすることができる。
【0027】
発光管径Diは、電極28、30間の領域で測定した発光管の内径である。たとえば、50W実施形態の場合のDiについては、Diは、たとえば約3.5mm〜約4mm、たとえば約3.6mm〜約4.0mm、一実施形態においては約3.8mmとすることができる。たとえば、70W実施形態の場合は、Diは、たとえば約3.5mm〜約5mm、たとえば約3.8mm〜約4.9mm、一実施形態においては約4.25mmとすることができる。たとえば、100W実施形態の場合は、約4.2mm〜約6.0mm、たとえば約4.6mm〜約5.8mm、一実施形態においては約5.45mmである。たとえば、150W実施形態の場合は、Diは、たとえば約5mm〜約7mm、たとえば約5.5mm〜約7.0mm、一実施形態においては約6.3mmとすることができる。
【0028】
本発明によれば、ランプとして、アスペクト比ARが、本明細書で述べる充填物およびドーセージ要求とともに、予想外の性能優位性を示すものが提供される。アスペクト比(EA/Di)は、電極チップ離隔距離EAを内部発光管径Diで割った比率として規定される。一実施形態においては、本発明による放電管のアスペクト比は、たとえば2.0<EA/Di<4.8を満たし、別の実施形態においては、2.5<EA/Di<4.0を満たす。
【0029】
ルーメン(lm)は、本明細書で用いる場合、光束のSi単位、知覚される光力を測定したものを指す。光源から1カンデラの光度が1ステラジアンの立体角内に放出された場合、その立体角内に放出された全光束が1ルーメンである。言い換えれば、等方的な1カンデラ光源からは、正確に4πルーメンの全光束が放出される。ルーメンは、放出された可視光の総「量」を測定したものと考えることができる。ランプの出力を、ルーメン/ワット(LPW)の表現で規定することができる。
【0030】
本発明による典型的なランプは、12,000時間の動作において約80%のルーメン維持を示す。たとえば、一実施形態においては、ランプは、電子バラストを用いて100時間において110ルーメン/ワットを示す。このランプは、12,000時間の動作において少なくとも約80ルーメン/ワット(LPW)、1つの特定の実施形態においては少なくとも約88LPWを示す。別の実施形態では、ランプとして、電磁バラストを使用して100時間において少なくとも約105LPWを示すものは、次に12,000時間の動作において少なくとも約80LPWを示し、また1つの特定の実施形態では、12,000時間の動作において少なくとも約84LPWを示す。
【0031】
図2は、100Wランプの場合のアスペクト比(AR)対ルーメン/ワット(LPW)を、実験データから得た統計モデルに基づいて示したプロットである。図2では、最大LPWとして約113を、アスペクト比が約2.8において示している。ランプに対するEAは約15.66mmであり、Diは約5.45mmであった。したがって、最大LPWは、アスペクト比が4.0未満で生じている。
【0032】
本明細書で用いる場合、「発光管壁面負荷」(WL)は、発光管電力(ワット)を発光管表面積(mmの2乗)で割ったものである。WLを計算する目的で、表面積は全内部表面積であり、発光管電力は、電極電力を含む全発光管電力である。本発明によれば、WLは≦35W/cm2とすることができる。一実施形態においては、壁面負荷は、約20〜35W/cm2であり、たとえば約31W/cm2である。一般的に、充填物および壁面負荷は、外壁温度として少なくとも約1100K(たとえば、1100〜1525K)を維持するのに十分である。
【0033】
本発明によるランプのより高い効率は、1つの典型的な実施形態においては、アスペクト比(AR)と壁面負荷(WL)との組み合わせによって実現される。アスペクト比が長すぎる(すなわち>4.0である)と、壁面負荷が低く、ハロゲン化金属添加剤の蒸気圧が不十分な場合がある。逆に、アスペクト比が短すぎる(すなわち<2.5である)と、壁面負荷が高く、ハロゲン化金属添加剤の蒸気圧が高くなってルーメンが低下する場合がある。
【0034】
さらに図1を参照して、内部空間14は、ランプの動作電圧および維持可能な壁面負荷と相応する体積を有している。たとえば、50Wランプの場合、体積は、約0.125cm3〜約0.17cm3、たとえば約0.15cm3であっても良い。たとえば、70Wランプの場合、体積は、約0.16cm3〜約0.26cm3、たとえば約0.20cm3であっても良い。たとえば、100Wランプの場合、体積は、約0.26cm3〜約0.54cm3、たとえば約0.40cm3であっても良い。たとえば、150Wランプの場合、体積は、約0.5cm3〜約0.9cm3、たとえば約0.7cm3であっても良い。
【0035】
イオン化可能な充填物18には、不活性ガス、遊離水銀(Hg)、ハロゲン化物成分、および有効酸素源が含まれている。充填物18の成分およびそれらの対応する量は、壁面32に堆積した任意のタングステンとの反応およびその除去を行なうための壁面32における有効酸素が得られるように選ぶ。ハロゲン化物成分は、ハロゲン化希土類を含んでおり、さらに、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、およびIIIa族のハロゲン化物(インジウムまたはタリウム)の中の1または複数種を含んでいても良い。動作時には、電極20、22によって電極のチップ28、30間にアークが発生し、アークによって充填物がイオン化されて、放電空間内にプラズマが発生する。発生した光の放射特性は、主に、充填材料の成分、電極両端の電圧、チャンバの温度分布、チャンバ内の圧力、およびチャンバの形状に依存する。充填物についての以下の説明では、特に断らない限り、成分の量は、放電容器内に最初に密閉された(すなわち、ランプの動作前の)量を指す。
【0036】
不活性ガス(バッファ・ガスとしても知られている)は、たとえばアルゴン、キセノン、クリプトン、またはそれらの組み合わせであっても良く、また充填物中に、内部チャンバ14の約2〜20マイクロモル/立方センチメートル(μmol/cm3)で存在していても良い。バッファ・ガスは、ランプ動作の初期段階中に光を発生させるための出発ガスとして機能しても良い。一実施形態においては、CMHランプに適したものとして、ランプにArを充填する。別の実施形態においては、XeまたはArにKr85を少量添加したものを用いる。放射性のKr85によって、ランプの開始を助けるイオン化が得られる。冷却充填圧力は約60〜300トールであっても良いが、それより高い冷却充填圧力を除外するものではない。一実施形態においては、冷却充填圧力として少なくとも約120トールを用いる。別の実施形態においては、冷却充填圧力として最大で約240トールを用いる。圧力が高すぎる(すなわち、約300トールを超える)と、開始が危うくなる場合がある。圧力が低すぎる(すなわち、約60トール未満である)と、ランプの寿命に渡ってルーメン低下が大きくなる可能性がある。
【0037】
水銀ドーズは、発光管体積の約2〜15mg/cm3で存在していても良い。水銀重量は、選択したバラストから電力を引き出すための所望の発光管動作電圧(Vop)が得られるように調整する。
【0038】
ハロゲン化物成分は、発光管体積の約5〜約80mg/cm3、たとえば約10〜60mg/cm3で存在していても良い。ハロゲン化物ドーズと水銀との比率は、重量で表現して、たとえば、約1:1〜約10:1とすることができる。ハロゲン化物成分中のハロゲン化物はそれぞれ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびそれらの組み合わせから選択することができる。一実施形態においては、ハロゲン化物はすべてヨウ化物である。ヨウ化物の場合、ランプ寿命が長くなる傾向がある。なぜならば、発光管および/または電極の腐食が、充填物中にヨウ化物成分を用いた場合に、そうでなくて同様の塩化物または臭化物成分を用いた場合よりも、小さいからである。ハロゲン化物化合物は通常、化学量論的関係に相当するように取り入れられる。
【0039】
ハロゲン化物成分のハロゲン化希土類は、任意的な酸素源との反応によって安定酸化物を形成することがないように、すなわち不安定酸化物を形成するように、種類および濃度が選択されるものである。この意味は、ランプ動作中に有効酸素が充填物中に存在できるようにするということである。不安定酸化物を形成する典型的なハロゲン化希土類としては、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジウム(Nd)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、およびそれらの組み合わせのハロゲン化物が挙げられる。充填物のハロゲン化希土類は、一般的な形式REX3を有することができる。ここで、REは、La、Pr、Nd、Sm、およびCeから選択され、Xは、Cl、Br、およびI、ならびにそれらの組み合わせから選択される。ハロゲン化希土類は、充填物中に、たとえば約0.3〜約13μmol/cm3の全濃度で存在していても良い。この群からの典型的なハロゲン化希土類は、ハロゲン化ランタンである。ハロゲン化ランタンは、充填物中のハロゲン化物の少なくとも約2%のモル濃度で、たとえば、充填物中のハロゲン化物の少なくとも約2モル%で存在していても良い。一実施形態においては、充填物は、この限られた群からのハロゲン化希土類のみを、ヨウ化ナトリウム、カルシウムヨウ化物、およびタリウムヨウ化物と組み合わせて、含んでいても良い。したがって、ランプ充填物には他のハロゲン化希土類が実質的に無い。その意味は、他のすべてのハロゲン化希土類の存在量は、総量で約0.01μmol/cm3以下ということである。特に、充填物には、以下の希土類元素のハロゲン化物が無い。すなわち、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、およびイットリウムである。安定酸化物を形成する他のハロゲン化物も充填物中には存在しない。たとえばスカンジウムハロゲン化物およびマグネシウムハロゲン化物である。
【0040】
ハロゲン化アルカリ金属は、存在する場合には、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、およびセシウム(Cs)のハロゲン化物、ならびにそれらの組み合わせから選択しても良い。1つの特定の実施形態においては、ハロゲン化アルカリ金属にはハロゲン化ナトリウムが含まれる。充填物のハロゲン化アルカリ金属は一般的な形式AXを有することができる。ここで、Aは、Na、K、およびCsから選択され、Xは上記で規定した通りであり、ならびにそれらの組み合わせである。ハロゲン化アルカリ金属は、充填物中に、たとえば約10〜約300μmol/cm3の全濃度で存在していても良い。
【0041】
ハロゲン化アルカリ土類金属は、存在する場合には、カルシウム(Ca)、およびストロンチウム(Sr)のハロゲン化物、ならびにそれらの組み合わせから選択しても良い。充填物のハロゲン化アルカリ土類金属は、一般的な形式MX2を有することができる。ここで、Mは、CaおよびSrから選択され、Xは上記で規定した通りであり、ならびにそれらの組み合わせである。1つの特定の実施形態においては、ハロゲン化アルカリ土類金属にはハロゲン化カルシウムが含まれる。ハロゲン化アルカリ土類金属は、充填物中に、たとえば約3〜約100μmol/cm3の全濃度で存在していても良い。
【0042】
IIIa族のハロゲン化物は、存在する場合には、タリウム(Tl)およびインジウム(In)のハロゲン化物から選択しても良い。1つの特定の実施形態においては、IIIa族のハロゲン化物にはハロゲン化タリウムが含まれる。充填物のIIIa族のハロゲン化物は、一般的な形式TIXまたはInX3を有していても良い。ここで、Xは上記で規定した通りである。IIIa族のハロゲン化物は、充填物中に、たとえば約0.15〜15.0μmol/cm3の全濃度で存在していても良い。
【0043】
一実施形態においては、充填物には、69〜76モル%のハロゲン化ナトリウム、18.0〜21.5モル%のハロゲン化カルシウム、2.0〜7.5モル%のハロゲン化希土類、および1.0〜3.5モル%のハロゲン化タリウムが含まれる。
【0044】
一実施形態においては、充填物中のハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類とのモル比は、8≦Na/RE≦48を満たし、ここで、Na=充填物中のハロゲン化希土類のモルであり、Re=充填物中のハロゲン化希土類のモルである。
【0045】
別の実施形態においては、充填物中のハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類とのモル比は、10≦Na/RE≦36を満たす。
【0046】
演色評価数(CRI)は、基準に対して個々の色を示すランプの能力を表示するものである。この値は、ランプのスペクトル分布を、基準(通常は黒体)と、同じ色温度において比較することから得られる。14の特殊演色評価数(Ri、ここでi=1〜14)があり、これらによって、標準的な色タイルを照明するために用いたときの光源の演色が規定される。平均演色評価数(Ra)は、0〜100の等級で表現される最初の8つの特殊演色評価数(非飽和色に対応する)の平均値である。特に断りのない限り、演色は、本明細書ではRaの観点で表現する。演色評価数は、少なくとも50、いくつかの実施形態では、少なくとも55、特定の実施形態では、約65以上とすることができる。
【0047】
典型的な実施形態のより高い効率は、発光管に加えるドーズ組成物および量によって実現される。比較的低いRaを設計要求することによって、ドーズ重量を最小限に保つことができる。低いハロゲン化物ドーズ重量と、結果として生じる低いハロゲン化物蒸気圧力とによって、効率が増加する場合がある。低いRaを要求することによって、ドーズ組成物が、より多量のより効果的な種(たとえばハロゲン化ナトリウム)と、より少量のそれほど効果的でない種(たとえばハロゲン化ランタン)とに、有利に働くことができる場合がある。
【0048】
有効酸素源は、ランプの動作条件下で、酸素を、WO2X2を形成する他の充填物成分との反応に利用できるようにするものである。有効酸素源は、ランプ動作条件下では不安定な酸化物、たとえばタングステンの酸化物、遊離酸素ガス(O2)、水分、酸化モリブデン、酸化水銀、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、プラセオジムの二酸化物、またはそれらの組み合わせであっても良い。タングステンの酸化物は、一般的な式WOnmを有していても良い。ここで、nは少なくとも1であり、mは0とすることができ、Xは上記で規定した通りである。典型的な酸化タングステンには、WO3、WO2、およびタングステンオキシハライド(たとえばWO2I2)が含まれる。充填物中に存在する有効酸素源は、その有効なO2含有量の観点で表現しても良く、たとえば約0.1μmol/cm3〜、たとえば0.2〜3.0μmol/cm3、一実施形態では0.2〜2.0μmol/cm3である。理解されるように、ある特定の酸化物は、ランプ動作条件下で容易に分解して有効酸素を形成するようなことはなく、たとえば酸化セリウム(Ce23)および酸化カルシウムであり、したがって、酸素源として効果的に作用する傾向はない。一般的に、希土類元素のほとんどの酸化物(RE23)は、ランプ動作条件で安定であるため、好適な有効酸素源ではない。
【0049】
一実施形態においては、タングステン電極は部分的に酸化して酸化タングステンを形成する。たとえば、その表面上のスポットが、ランプ内に挿入される前に熱酸化して、有効酸素源となる。他の実施形態においては、粉砕した酸化タングステン(たとえば酸化タングステンチップ)を充填物中に導入しても良い。
【0050】
図3に、タングステン種の溶解度対温度に対する理論的な熱力学計算を、有効酸素源として0.025mgのWO3を充填物に加えた場合について例示する。SPWは、蒸気形態で存在するすべてのタングステン種の圧力の合計を気圧で表わしたものである。図3から分かるように、プロットは、溶解度が最も低い(たとえば、SPWが最小における)谷を通っている。この典型的な実施形態では、電極チップ温度が壁よりも谷の方に近づく(すなわちSPWがより低くなる)ように、酸化タングステン濃度を選ぶことによって、この谷を利用する。一般的に、電極チップ(または電極上で溶解度が最も低い場所ならどこでも)におけるSPWは、再生を促進するために、壁におけるSPWの90%以下でなければならない。したがって、たとえば、WO3ドーズが0.025mgで、動作中の壁温度が約1200Kで、チップ温度が約2900Kである場合には、電極チップ28、30におけるSPWは、壁32におけるSPWよりも小さい。
【0051】
種々の態様で説明したように、ランプは、目標とする信頼性またはルーメン維持を損なうことなく、光度目標を同時に満たすことができる。ランプ設計において望ましいいくつかのさらなる光度特性として、CCTおよびdCCyが挙げられる。
【0052】
相関色温度(CCT)は、黒体放射体の色度(色)が光源のそれと最も厳密に一致したときの、黒体放射体の絶対温度(ケルビン度(K)で表す)として規定される。CCTは、国際照明委員会(CIE)1960色空間における色座標(u,v)の位置から推定しても良い。この観点から、CCT定格は、光源がどのくらい「暖かい」かまたは「冷たい」かを表示するものである。数が大きいほどランプは冷たい。数が小さいほどランプは暖かい。典型的なランプは、相関色温度(CCT)として、たとえば約2700K〜約4500K、好ましくは約2900K〜約3200K、たとえば3000Kを示しても良い。たとえば、一実施形態においては、ランプは、ハロゲン化カルシウムを含む充填物を含んでいる。動作時には、ランプは、少なくとも約3000Kの相関色温度(CCT)において動作する。別の実施形態においては、ランプは、ハロゲン化ストロンチウムを含む充填物を含んでいる。動作時には、ランプは、少なくとも約4000Kの相関色温度(CCT)において動作する。本発明を、前述の実施形態によって説明してきた。しかし当然のことながら、本発明は決して、前述した特定の実施形態に限定されるものではない。充填物および温度を含む種々の変更を修正しても良い。
【0053】
dCCyは、Y軸上の色点の色度(CCY)の、基準となる黒体曲線の色度からの差である。典型的な実施形態においては、dCCyは、黒体軌跡に対して、約−0.015より大きく約+0.005より小さくても良い。また1つの特定の実施形態においては、ランプは、黒体軌跡上に直接位置しており、すなわちdCCy=0.000である。
【0054】
前述したことを考慮して、望ましいランプ動作特性のCCT(2850K<CCT<3250K)およびdCCy(−0.015<dCCy<0.005)(典型的なセラミックメタルハライドランプのより特徴的なより冷たくてより白い光を示すランプに対応する)を実現するためには、10<Na/RE<18、および1<TlI%<3.5であると決定している。同様に、ランプ動作特性としてCCT(2550K<CCT<2850K)およびdCCy(−0.015<dCCy<0.005)(高圧ナトリウム・ランプのより特徴的なより暖かくてより黄色がかった光に対応する)を得ることが望ましい場合には、18<Na/RE<36、および1<TlI%<3.5である。
【0055】
下表Iに、種々のパワーにおいて種々の充填物を含むランプに対するNa/RE比、CCT、TlI、およびdCCyに関するデータを示す。
【0056】
【表1】

表1に示すのは、典型的なランプ実施形態に対するデータおよびパラメータである。実施例1では、最初のランプが150Wランプで、Na/RE比は36、TlI%は3%である。このランプは、CCTが3056K、dCCyが0.01で動作する。これらのパラメータであれば、このランプは、わずかに緑がかった白色のように見える光を発するであろう。
【0057】
実施例2は、別の150Wランプであるが、このランプでは、Na/RE比を18まで小さくして、TlI%を1.5%まで小さくしている。このランプは、CCTが2826K、dCCYが−.0012で動作する。このランプは、実施例1の場合よりも暖かい白色光を発生させる。
【0058】
実施例3は、さらに別の150Wランプである。この場合、Na/RE比をさらに11まで小さくして、TlI%は実施例2の場合と同様に1.5%に保っている。このランプは、CCTが3001K、dCCyが0.0008で動作する。このランプから放出される光は、実施例2の場合よりも冷たい白色光で、実施例1の場合よりも白い光である。
【0059】
前述したことに基づいて分かることは、Na/RE比およびTlI含有量を変えることによって、ランプを、CCTおよびdCCyの関数として、ある特定のエミッタンスを発生させるように適応させることができるということである。
【0060】
表Iではさらに、前述したパラメータ範囲はすべて、現在のランプ設計において同時に満たされる場合があることを示している。予想外に、このことは、ランプ信頼性またはルーメン維持に悪影響を与えることなく実現することができる。したがって、たとえば、典型的なランプのルーメン維持は、12,000時間において、たとえば1525K以下の外壁温度において、約80%またはそれよりも良好な場合がある。典型的な現在の技術のランプが示すルーメン維持は、12,000時間において65%未満である。
【0061】
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明してきた。明らかに、変更および修正が、前述した詳細な説明を読んで理解することによって、他の者に想起される。本発明を、このような変更および修正をすべて含んでいると解釈すべきであることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電容器と、
前記放電容器内に延びる電極と、
前記容器内に密閉されたイオン化可能な充填物と、を備え、
前記充填物は、少なくとも不活性ガスとハロゲン化物成分とを含み、
前記ハロゲン化物成分は、
ハロゲン化ナトリウムと、
ハロゲン化タリウムと、
ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、
ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジウム、サマリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含むランプ。
【請求項2】
前記放電管のアスペクト比は、
2.0<EA/Di<4.8を満たし、
ここで、EA=電極間の距離、およびDi=前記放電容器の内径である請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
2.5<EA/Di<4.0である請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記充填物中のハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類とのモル比は、
8≦Na/Re≦48を満たし、
ここで、Na=前記充填物中のハロゲン化ナトリウムのモル、およびRe=前記充填物中のハロゲン化希土類のモルである請求項1に記載のランプ。
【請求項5】
10≦Na/Re≦40である請求項4に記載のランプ。
【請求項6】
前記放電容器内にさらに有効酸素源を備える請求項1に記載のランプ。
【請求項7】
前記有効酸素源は分解して有効酸素を形成する請求項6に記載のランプ。
【請求項8】
前記有効酸素源は固体の金属酸化物を含む請求項6に記載のランプ。
【請求項9】
前記固体の金属酸化物はタングステンの酸化物である請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
前記固体の金属酸化物は、前記充填物中に、少なくとも0.1マイクロモルO2/cm3の濃度で存在する請求項8に記載のランプ。
【請求項11】
前記固体の金属酸化物は、前記充填物中に、約0.2〜3.0マイクロモルO2/cm3の濃度で存在する請求項9に記載のランプ。
【請求項12】
前記ハロゲン化希土類はハロゲン化ランタンである請求項1に記載のランプ。
【請求項13】
前記充填物には、ランタン、プラセオジム、ネオジウム、サマリウム、およびセリウムのハロゲン化物以外のすべてのハロゲン化希土類が無い請求項1に記載のランプ。
【請求項14】
前記充填物には、ホルミウム、ツリウム、ジスプロシウム、エルビウム、ルテチウム、イットリウム、イッテルビウム、テルビウム、スカンジウム、およびマグネシウムのハロゲン化物が無い請求項1に記載のランプ。
【請求項15】
前記ハロゲン化物成分は、塩化物、臭化物、ヨウ化物および、それらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載のランプ。
【請求項16】
前記ハロゲン化物成分はヨウ化物である請求項1に記載のランプ。
【請求項17】
前記充填物は、
69〜76モル%のハロゲン化ナトリウムと、
18.0〜21.5モル%のハロゲン化カルシウムと、
2.0〜7.5モル%のハロゲン化希土類と、
1.0〜3.5モル%のハロゲン化タリウムとを含む請求項1に記載のランプ。
【請求項18】
前記ランプは同時に、以下の目標、
壁面負荷が35W/cm2未満であること、
演色評価数(CRI)が少なくとも65であること、
約100時間におけるルーメン出力が少なくとも100LPWであること、
動作電圧(Vop)が110ボルト未満であること、を満たす請求項1に記載のランプ。
【請求項19】
前記ランプは同時に、以下の目標、
壁面負荷が35W/cm2未満であること、
演色評価数(CRI)が少なくとも65であること、
約100時間におけるルーメン出力が少なくとも100LPWであること、
動作電圧(Vop)が105ボルト未満であること、を満たす請求項1に記載のランプ。
【請求項20】
前記ランプはさらに、壁温度が1525K以下の場合に12,000時間において少なくとも80%のルーメン維持を満たす請求項18に記載のランプ。
【請求項21】
前記ランプはさらに、壁温度が1440K以下の場合に12,000時間において少なくとも80%のルーメン維持を満たす請求項19に記載のランプ。
【請求項22】
ハロゲン化カルシウムが前記充填物中にある請求項1に記載のランプ。
【請求項23】
動作時には、前記ランプは、少なくとも2,550Kの相関色温度(CCT)において動作する請求項22に記載のランプ。
【請求項24】
ハロゲン化ストロンチウムが前記充填物中にある請求項1に記載のランプ。
【請求項25】
動作時には、前記ランプは、相関色温度(CCT)が少なくとも4、000Kで動作する請求項24に記載のランプ。
【請求項26】
ランプを形成する方法であって、
放電容器を用意することと、
前記容器内にイオン化充填物を密閉することであって、前記充填物は、不活性ガスとハロゲン化物成分とを含み、前記ハロゲン化物成分は、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化タリウムと、ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、ランタン、セリウム、プラセオジム、およびネオジウムからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含む、密閉することと、
前記放電容器内に電極を配置して、前記電極に電圧が印加されることに応じて前記充填物に電圧を印加することとを含む方法。
【請求項27】
放電容器と、
前記放電容器内に延びる電極と、
前記容器内に密閉されたイオン化可能な充填物と、を備え、
前記充填物は、不活性ガスとハロゲン化物成分とを含み、
前記ハロゲン化物成分は、
ハロゲン化ナトリウムと、
ハロゲン化タリウムと、
ハロゲン化カルシウムおよびハロゲン化ストロンチウムのうちの少なくとも1種と、
ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハロゲン化希土類の中の少なくとも1種とを含み、
前記放電管のアスペクト比は、
2.0<EA/Di<4.8を満たし、
ここで、EA=前記電極間の距離、およびDi=前記放電容器の内径であるランプ。
【請求項28】
2.5<EA/Di<4.0である請求項27に記載のランプ。
【請求項29】
前記充填物中のハロゲン化ナトリウムとハロゲン化希土類とのモル比は、
8≦Na/Re≦48を満たし、
ここで、Na=前記充填物中のハロゲン化ナトリウムのモル、およびRe=前記充填物中のハロゲン化希土類のモルである請求項27に記載のランプ。
【請求項30】
10≦Na/Re≦40請求項27に記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−502040(P2013−502040A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524716(P2012−524716)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/041120
【国際公開番号】WO2011/019462
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】