説明

閉鎖型消火ヘッド

【課題】感熱体を支持する支持体が消火剤の放射分布に影響を与えず、支持体が感熱体から力を負荷されても容易に変形しない閉鎖型消火ヘッドを提供すること。
【解決手段】閉鎖型消火ヘッド1は、放出口101を有する消火ヘッド本体10と、放出口101に対して離接自在に圧接されるピップキャップ11と、ピップキャップ11を支持する感熱体15と、感熱体15を支持するガード枠12と、消火ヘッド本体10によって支持され、ガード枠12を支持するボール13とを備え、ガード枠12の一部を消火ヘッド本体10より外側に突出させ、ガード枠12の突出方向と略直交するいずれの方向に対して、感熱体15の一部をガード枠12から外部に露出させ、感熱体15が変形していない状態では、ボール13は感熱体15により消火ヘッド本体10から支持され、ガード枠12はボール13に支持され、感熱体15が変形した状態では、ボール13等は消火ヘッド本体10から離脱自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災発生による熱を感知して消火剤を放出する閉鎖型消火ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、火災発生時に当該火災に起因する熱を感知すると放出口から消火剤や水を放出する閉鎖型消火ヘッドが用いられている。閉鎖型消火ヘッドは、消火剤等の供給管に接続されており、当該供給管を介して消火剤槽や消火水槽或いは水道管から消火剤等の供給を受ける。火災が発生していない通常時は、グラスバルブやヒュージブルリンクといった感熱体によって弁体が放出口に圧接されることで当該放出口が閉鎖されており、火災発生時にはこれらの感熱体が変形、あるいは、分解して弁体が放出口から離脱することにより、当該放出口が開放され、消火剤等が放出される。このような閉鎖型消火ヘッドにおいては、感熱体を支持するためのフレームが閉鎖型消火ヘッドの本体と一体に設置されている。フレームは、放出口の近傍から感熱体と当該フレームとの当接部に向かって延設されている。また、放出口から放出された消火剤等を拡散させるための拡散板が、フレームにおける放出口に対向する位置に設けられている。
【0003】
また、水や水噴霧による消火が困難な油火災等の消火を目的とする閉鎖型消火ヘッドとして、泡沫消火剤を使用する閉鎖型消火ヘッドも提案されている。この閉鎖型消火ヘッドにおいては、消火剤を適切に発泡させるために消火剤の放出口を取り囲むように発泡用ネットが配置され、この発泡用ネットの外部を囲むようにしてガード枠が延設されている。放出口に圧接されている弁体は、発泡用ネットを貫通して当該発泡用ネットの外側まで延設された弁棒部材に支持されている。この弁棒部材は感熱体に支持されており、感熱体はガード枠によって支持されている(例えば、特許文献1参照。)。感熱体が火災発生時の熱を感知して変形あるいは分解した場合には、発泡用ネットに設けられた軸受に挿通されている弁棒部材が当該軸受に沿ってスライドし、これに伴って弁体が放出口から離脱することにより、放出口から消火剤が放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フレームが閉鎖型消火ヘッドの本体と一体に設置されている上述の構造においては、消火剤が放出口から放出された際に、フレームによって消火剤の放射が阻害され、当該消火剤の放射分布に偏りが生じる可能性があった。
【0006】
さらに、発泡用ネットの外部を囲むようにして延設されているガード枠によって、感熱体、弁棒部材、及び、弁体を支持する構造については、次のような問題があった。
【0007】
(1)ガード枠の撓み
上述の構造では、消火剤の内圧によって弁体に負荷された力は、弁棒部材及び感熱体を介して、ガード枠に対する曲げモーメントとして作用する。この曲げモーメントによってガード枠が撓み、当該ガード枠における感熱体の支持点に変位が生じると、弁体と放出口との間に隙間が発生するため、消火剤の漏れの原因となっていた。また、このような変位を抑制するためには、ガード枠に作用する曲げモーメントに耐え得るように当該ガード枠の剛性を大幅に向上させなければならず、ガード枠の断面の拡大やH型の断面の採用、あるいはガード枠の本数の増加等の必要があり、コスト上昇の要因となっていた。
【0008】
(2)感熱体の保護
また、上述の構造では、ガード枠は発泡用ネットの外側を囲うように延設されているものであって、発泡用ネットの直下に配置されている感熱体の側方に沿って配置されているものではないため、当該感熱体を保護する機能を有していなかった。このため、当該閉鎖型消火ヘッドの設置作業やメンテナンス作業を実施する際に誤って感熱体を損傷してしまう可能性があった。また、感熱体の側方を保護するためのガードを別に設ける場合は更なるコスト上昇の要因となっていた。
【0009】
(3)構造の大型化によるコスト上昇
また、発泡用ネットの外部を囲むことのできる大型のガード枠が必要であるため、コストが高くなっていた。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、(1)感熱体を支持する支持体が消火剤の放射分布に影響を与えず、(2)支持体が感熱体から力を負荷されても容易に変形せず、(3)感熱体が支持体によって確実に保護され、(4)小型化によってコストの低減が可能な閉鎖型消火ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の閉鎖型消火ヘッドは、消火剤を放出する放出口を有する消火ヘッド本体と、前記放出口に対して離接自在に圧接される弁体と、所定の温度にて変形するものであって、変形していない状態において前記弁体を直接的又は間接的に支持する感熱体と、変形していない状態における前記感熱体を支持する支持体と、前記消火ヘッド本体によって支持され、前記支持体を支持する連係体と、を備え、前記支持体の一部が前記消火ヘッド本体よりも外側に突出するように、前記支持体を前記消火ヘッド本体に配置し、前記支持体の一部の突出方向と略直交するいずれの方向に対しても、前記支持体によって遮られることなく、前記感熱体の一部が前記支持体から外部に露出するように、前記感熱体を前記支持体に配置し、前記感熱体が変形していない状態では、前記連係体は、前記感熱体によって直接的又は間接的に前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持され、前記支持体は、当該連係体によって支持され、前記支持体が、前記連係体によって前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持され、前記感熱体が変形した状態では、前記連係体、及び、前記支持体は、前記消火ヘッド本体から離脱自在であること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の閉鎖型消火ヘッドは、請求項1に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記支持体の一部を、側面略U字状に形成し、略U字状である前記支持体の一部によって形成された内部空間に、前記感熱体を配置し、前記感熱体の一部を、前記支持体の一部における前記略U字状の側面に対して略平行な平面に略直交する方向に沿って、当該支持体の一部よりも外側に突出させること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の閉鎖型消火ヘッドは、請求項1又は2に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記消火ヘッド本体は、前記放出口の開口面に直交する方向を長軸方向とする略円筒体であって当該放出口の周縁から延設されたフレームを備え、当該フレームの内周には段差部が設けられており、前記弁体は、当該弁体の外周に設けられた鍔状の掛止部を備え、前記感熱体が変形し当該弁体が前記放出口から離脱した状態では、前記段差部によって当該掛止部が掛止され、前記フレームの外周に固定される略円板状のデフレクタを備えること、を特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の閉鎖型消火ヘッドは、請求項1から3のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記連係体は略球体であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の閉鎖型消火ヘッドは、請求項1から4のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記感熱体はグラスバルブであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の閉鎖型消火ヘッドは、請求項1から5のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記弁体は、当該弁体と前記放出口との間隙を密閉するために当該放出口と当該弁体との間に配置されたOリングと、前記放出口の周縁と当該弁体との間に配置され、前記感熱体が変形していない状態において当該弁体と当該放出口の周縁とに当接して弾性力を及ぼすコイルスプリングと、を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の閉鎖型消火ヘッドによれば、感熱体が変形していない状態では、連係体によって支持体が支持されているので、当該支持体によって感熱体及び弁体を支持することができ、当該弁体によって放出口を閉鎖することができる。また、火災発生による熱を感知して感熱体が変形した場合には、連係体が消火ヘッド本体から離脱し、これに伴って連係体による支持を失った支持体も消火ヘッド本体から離脱する。これにより、支持体が消火剤の放射範囲内に存在しなくなるので、当該支持体が消火剤の放射分布に影響を及ぼすことを回避することができ、消火剤を均一に放射させることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の閉鎖型消火ヘッドによれば、略球体である連係体によって消火ヘッド本体と支持体とを連係しているので、感熱体が変形した場合には連係体を転動させて容易に消火ヘッド本体から離脱させることができ、支持体、押圧体を消火ヘッド本体からスムーズに脱落させることができる。
【0019】
また、請求項5に記載の閉鎖型消火ヘッドによれば、感熱体としてグラスバルブを用いているので、火災発生によって閉鎖型消火ヘッドの周囲温度が所定の温度に到達した場合には当該グラスバルブが破裂する。これにより、グラスバルブによって支持されている連係体を火災発生時に確実に消火ヘッド本体から脱落させることができ、さらに支持体、弁体を閉鎖型消火ヘッドから脱落させて、放出口から消火剤を放出させることができる。
【0020】
また、請求項6に記載の閉鎖型消火ヘッドによれば、弁体はOリング及びコイルスプリングを備えているので、感熱体が変形していない状態では、Oリングを放出口の内周面に圧接することによって当該放出口を密閉することができる。また、Oリングが放出口の内周面に圧接されていれば、弁体が放出口の開口面に直交する方向に沿って移動しても放出口の密閉が保持されるので、閉鎖型消火ヘッドの組み立て作業における弁体の設置精度要求を緩和することができ、製造コストを削減することができる。さらに、感熱体が変形し、支持体が消火ヘッド本体から脱落することによって弁体が当該支持体から支持されなくなった場合には、コイルスプリングの弾性力によって弁体をスムーズに放出口から離脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係る閉鎖型消火ヘッドの外観図であり、図1(a)が閉鎖型消火ヘッドの正面図、図1(b)が閉鎖型消火ヘッドの側面図、図1(c)が閉鎖型消火ヘッドの底面図である。
【図2】図1(b)におけるA−A断面を示した側断面図である。
【図3】放出口から消火剤が放出された場合における、閉鎖型消火ヘッド1の断面及び消火剤の放射範囲を概略的に示した断面図である。
【図4】本実施の形態2に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図であり、図4(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの断面図、図4(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの断面図である。
【図5】本実施の形態3に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図であり、図5(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの断面図、図5(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの断面図である。
【図6】本実施の形態4に係る閉鎖型消火ヘッドの外観図であり、図6(a)が閉鎖型消火ヘッドの正面図、図6(b)が閉鎖型消火ヘッドの側面図、図6(c)が閉鎖型消火ヘッドの底面図である。
【図7】図6(b)におけるB−B断面を示した側断面図であり、図7(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッド1の断面図、図7(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッド1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る閉鎖型消火ヘッドの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る閉鎖型消火ヘッドは、火災発生による熱を感知して消火剤を放出させることを目的とするものである。
【0024】
各実施形態に係る閉鎖型消火ヘッドの設置対象は任意であり、例えば工場施設やビル等の大規模な建物内や地下街、あるいは、一般住宅の台所等にも設置することができる。
【0025】
各実施の形態に係る閉鎖型消火ヘッドの特徴の一つは、概略的に、感熱体を支持する支持体が当該閉鎖型消火ヘッドの本体とは別体に設けられており、この支持体と閉鎖型消火ヘッドの本体とを連係して当該支持体を支持するための連係体が設けられている点にある。連係体は、感熱体が変形をしていない状態では当該感熱体によって直接的又は間接的に閉鎖型消火ヘッドの本体から離脱不能に支持されているが、感熱体が変形した状態では閉鎖型消火ヘッドの本体から離脱する。従って、火災発生による熱を感知して感熱体が変形した場合には、連係体が閉鎖型消火ヘッドの本体から離脱し、これに伴って連係体による支持を失った支持体も閉鎖型消火ヘッドから離脱する。これにより、支持体が消火剤の放射分布に影響を及ぼすことを回避することができ、消火剤を均一に放射させることができる。
【0026】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
【0027】
〔実施の形態1〕
まず実施の形態1について説明する。この形態は、連係体を備えた基本的な形態である。
【0028】
(閉鎖型消火ヘッドの構成)
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図1は実施の形態1に係る閉鎖型消火ヘッドの外観図であり、図1(a)が閉鎖型消火ヘッドの正面図、図1(b)が閉鎖型消火ヘッドの側面図、図1(c)が閉鎖型消火ヘッドの底面図である。また、図2は図1(b)におけるA−A断面を示した側断面図である。図1及び図2に示すように、閉鎖型消火ヘッド1は、消火ヘッド本体10、ピップキャップ11、ガード枠12、ボール13、プッシュリング14、感熱体15、及び、デフレクタ16を備えている。
【0029】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−消火ヘッド本体10)
消火ヘッド本体10は閉鎖型消火ヘッド1の基礎となる部分であり、接続部100、放出口101、及び、フレーム102を備えている。接続部100は、当該閉鎖型消火ヘッド1に対して消火剤が流入する部分であって、図示しない消火剤の供給管に接続されている。接続部100の外周は、例えば、管用テーパねじとして形成され、消火剤の供給管に対してねじ込み接続される。放出口101は、供給管から接続部100に流入した消火剤が放出される開口部である。放出口101の形状は任意であるが、例えば、円形の開口部として形成されている。フレーム102は、後述するボール13及びデフレクタ16を支持するものである。フレーム102は、放出口101の開口面に直交する第1の方向を長軸方向とする略円筒体であって、放出口101の周縁から延設されている。フレーム102の円筒壁には、消火剤を放出口101の開口面と平行な面内に均一に放射させるための開口部である放射路103が複数穿設されている。また、フレーム102の内周には、後述するボール13を支持するための段差部104が設けられている。なお、消火ヘッド本体10におけるフレーム102の固定方法は任意であり、放出口101の外周に設けたねじ部に対してフレーム102を螺合させて固定してもよく、あるいは、消火ヘッド本体10と一体にフレーム102を設けてもよい。
【0030】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ピップキャップ11)
ピップキャップ11は、放出口101に圧接されて当該放出口101を閉鎖するためのものであり、特許請求の範囲における弁体に対応している。ピップキャップ11は、フレーム102の内周側において、第1の方向とピップキャップ11の長軸方向とが略一致する方向に沿って、放出口101に圧接される。ピップキャップ11の構成や形状は任意であるが、例えば、図2に示したように、ピップキャップ本体110、スプリングシール111、及び、掛止部112を備えている。ピップキャップ本体110は略円筒体であり、当該ピップキャップ本体110の一端には放出口101に挿入される略半球状の頂部113が設けられている。スプリングシール111は、通常時は放出口101の周縁部に圧接され当該放出口101を密閉し、火災発生時はその弾性力によってピップキャップ11を放出口101から離脱させるものであり、特許請求の範囲におけるシール部材と弾性体とを一体とした、略円錐形状の板バネに対応している。このスプリングシール111は、ピップキャップ本体110の外周において頂部113に隣接する部分に設けられている。スプリングシール111の材料や構成は任意であるが、例えば、金属製の略円錐形状の板バネを樹脂でコーティングすることにより、シーリング性を有した板バネとしてスプリングシール111を形成することができる。掛止部112は、ピップキャップ本体110の外周においてスプリングシール111に隣接して設けられた鍔体である。掛止部112は、後述する感熱体15が変形していない状態では、後述するガード枠12によって支持され、感熱体15が変形してピップキャップ11が放出口101から離脱した状態では、フレーム102の段差部104によって掛止される。また、掛止部112の外周とフレーム102の内周とは、所定の間隔を隔てて配置され、相互に非接触に配置されている。
【0031】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ガード枠12)
ガード枠12は、後述する感熱体15を支持して当該感熱体15を後述するプッシュリング14に向かって押圧するとともに、ピップキャップ11を放出口101に対して押圧するものであり、特許請求の範囲における支持体に対応している。ガード枠12は、ガード枠本体120、掛止孔121、及び、インプレスねじ122を備えている。ガード枠本体120は、フレーム102の内周側において当該ガード枠本体120の長軸方向が第1の方向と略一致するように配置されており、放出口101側の端部でピップキャップ11の掛止部112に当接して当該ピップキャップ11を支持し、放出口101と反体側の端部で感熱体15を支持している。また、ガード枠本体120の長軸方向と感熱体15の長軸方向とが略一致しており、感熱体15の側方においてガード枠本体120が当該感熱体15に沿うように配置されている。掛止孔121は、ガード枠12の側面において、当該ガード枠12の長軸方向と略直交する方向に穿設された開口部であり、後述するボール13が当該掛止孔121に対して嵌込される。ここで、掛止孔121の周縁におけるガード枠12の肉厚はボール13の直径よりも小さくなるように形成されている。これにより、ガード枠12がボール13によって掛止されている状態において、掛止孔121からボール13の一部分を突出させられるので、当該ボール13をフレーム102の段差部104及び後述するプッシュリング14の当接部141と当接させることができる。インプレスねじ122は、感熱体15の取り付け時に当該感熱体15とプッシュリング14との間隔を調整するとともに、感熱体15に当接して当該感熱体15をプッシュリング14に向かって押圧するものであり、ガード枠12の下端に形成された孔部に対して上下動自在に螺合されている。
【0032】
なお、ガード枠12の具体的な形状は任意であるが、例えば、図2に示すように、ガード枠本体120を略円筒体120aと略U字体120bとを結合した形状として形成することができる。この場合、略円筒体120aの端面がピップキャップ11の掛止部112と当接している。また、略円筒体120aの円筒壁に掛止孔121が穿設されている。さらに、略U字体120bの底部に挿入されたインプレスねじ122によって感熱体15が支持されている。
【0033】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ボール13)
ボール13は、後述するプッシュリング14によってフレーム102の内周に対して押圧され、当該フレーム102の段差部104において支持されることによって、フレーム102とガード枠12との間を連係して当該ガード枠12を支持するものであり、特許請求の範囲における連係体に対応している。ボール13の形状は任意であるが、略球体としてボール13を形成してもよく、あるいは、略円筒体としてボール13を形成してもよい。なお、ボール13と他の構成要素との連係の詳細については後述する。
【0034】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−プッシュリング14)
プッシュリング14は、後述する感熱体15によって支持され、ボール13に当接して当該ボール13をフレーム102の内周に対して押圧するためのものであり、特許請求の範囲における押圧体に対応している。プッシュリング14は、略円筒体として形成され、当該略円筒の長軸方向が第1の方向に沿うようにフレーム102の内周側に配置されており、底部140、及び、当接部141を備えている。底部140は、感熱体15が嵌合される凹部であり、プッシュリング14の両端部のうち放出口101と反対側の端部に設けられている。当接部141は、後述するボール13に当接する部分であり、プッシュリング14の外周において、放出口101から離れるに従って外径が拡大する略円錐体として形成されている。
【0035】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−感熱体15)
感熱体15は、火災が発生していない常温の環境下では、プッシュリング14に嵌合されて当該プッシュリング14をボール13に対して押圧している。火災発生による熱を感知した場合は、当該感熱体15が変形することにより、ガード枠12、ボール13、及び、プッシュリング14を消火ヘッド本体10から離脱させ、これに伴ってピップキャップ11を放出口101から離脱させ当該放出口101を開放させる。なお、感熱体15の具体的な形状は任意であるが、例えば図1に示すような略円筒体として形成され、放出口101側の端部はプッシュリング14に嵌合され、放出口101と反対側の端部はガード枠12によって支持されている。また、感熱体15の具体的な構成は任意であるが、例えば、揮発性の液体を封入したガラス容器であるグラスバルブを用いることができる。この場合、グラスバルブに封入されている液体が所定の温度に到達すると、温度に伴って上昇した液体の圧力にグラスバルブが耐え切れずに破裂する。これにより、火災発生による熱を感知することができる。あるいは、所定の温度にて溶解し変形する合金を使用しているヒュージブルリンクを用いてもよい。
【0036】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−デフレクタ16)
デフレクタ16は、放出口101から放出され放射路103から放射された消火剤を拡散させるものである。デフレクタ16は略円板として形成されており、放出口101の開口面に対して略平行に、フレーム102に固定されている。デフレクタ16のフレーム102に対する固定方法は任意であり、例えば、デフレクタ16の中央に設けた嵌合穴160をフレーム102の外周に嵌合させ、止め輪161を用いて当該フレーム102に固定することができる。あるいは、デフレクタ16の内周及びフレーム102の外周をねじ部とし、デフレクタ16をフレーム102に螺合させることにより固定してもよい。
【0037】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−通常時)
次に、上述の構成を有する閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。まず、火災が発生していない通常時について説明する。
【0038】
通常時には、図2に示すように、掛止部112に当接しているガード枠12によってピップキャップ11が放出口101に向かって押圧され、当該ピップキャップ11のスプリングシール111が放出口101に対して圧接されている。このようにスプリングシール111が放出口101の周縁に圧接されることにより、放出口101が密閉されている。
【0039】
ガード枠12は、消火剤による内圧を受けているピップキャップ11によって第1の方向に沿って放出口101から離れる向きの力を受けており、当該ガード枠12の掛止孔121に当接しているボール13を放出口101から離れる向きに押圧している。
【0040】
また、感熱体15がプッシュリング14の底部140に嵌合しており、当該プッシュリング14を放出口101に向かって押圧している。感熱体15から押圧されたプッシュリング14は、当接部141においてボール13と当接し、当該ボール13を押圧している。ここで、上述のように当接部141は放出口101から離れるに従って外径が拡大する略円錐体として形成されている。従って、プッシュリング14が感熱体15によって放出口101に向かって押圧されると、ボール13は当接部141によって放出口101に向かって押圧され、且つ、フレーム102の内周に向かって押圧される。このように押圧されたボール13は、当該ボール13が嵌込されているガード枠12の掛止孔121からフレーム102の内周側に突出し、フレーム102の内周に圧接される。ここで、上述のようにボール13はガード枠12によって放出口101から離れる向きに押圧されているため、当該ボール13はフレーム102の段差部104に圧接され、当該段差部104によって支持される。
【0041】
以上のように、ボール13がプッシュリング14とフレーム102とによって支持され、ガード枠12を支持している。従って、ガード枠12がフレーム102に対して固定され、固定されたガード枠12によってピップキャップ11及び感熱体15が支持されている。
【0042】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−火災発生時)
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図3は、放出口101から消火剤が放出された場合における、閉鎖型消火ヘッド1の断面及び消火剤の放射範囲を概略的に示した断面図である。
【0043】
図3に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体15が変形すると、当該感熱体15はプッシュリング14を押圧不能となる。プッシュリング14は感熱体15から押圧されなくなると、フレーム102の内周側から脱落し、当該プッシュリング14からボール13に負荷されていた押圧力が失われる。これにより、ボール13はフレーム102の内周に対して押圧されなくなり、フレーム102から離脱し、ガード枠12の掛止孔121から脱落する。
【0044】
ボール13がフレーム102から脱落すると、掛止孔121に当接しているボール13に支持されていたガード枠12も支持を失い、フレーム102から脱落する。ピップキャップ11を放出口101に向かって押圧していたガード枠12が脱落することにより、当該ピップキャップ11はスプリングシール111の弾性力と消火剤の内圧とによって押圧され、放出口101から押し出される。放出口101から離脱したピップキャップ11は、掛止部112がフレーム102の段差部104に当接した位置で当該段差部104によって掛止される。
【0045】
ピップキャップ11の離脱に伴って放出口101から放出された消火剤は、ピップキャップ11の頂部113に当たって、あるいは、直接放射路103を通過して、デフレクタ16に当たる。デフレクタ16に当たった消火剤は、当該デフレクタ16と平行な面内に均一に分散され、閉鎖型消火ヘッド1の周囲に放射される。閉鎖型消火ヘッド1の周囲に放射された消火剤は、重力の影響を受けながら放射される。放出口101から鉛直方向下向きに消火剤が放出される場合、閉鎖型消火ヘッド1から放射された消火剤は、水平方向に拡がりながら釣鐘状に放射される。このとき、ガード枠12、ボール13、プッシュリング14、及び、感熱体15はフレーム102から既に脱落しており、消火剤の放射範囲内に存在していないため、これらの構成部品が消火剤の放射分布に影響を与える事はない。
【0046】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、感熱体15が変形していない状態では、ボール13によってガード枠12が支持されているので、当該ガード枠12によって感熱体15及びピップキャップ11を支持することができ、当該ピップキャップ11によって放出口101を閉鎖することができる。また、火災発生による熱を感知して感熱体15が変形した場合には、ボール13がフレーム102から離脱し、これに伴ってボール13による支持を失ったガード枠12もフレーム102から離脱する。これにより、ガード枠12が消火剤の放射範囲内に存在しなくなるので、当該ガード枠12が消火剤の放射分布に影響を及ぼすことを回避することができ、消火剤を均一に放射させることができる。
【0047】
また、感熱体15が変形していない状態では、感熱体15がプッシュリング14をボール13に対して押圧し、当該プッシュリング14によってボール13をフレーム102の内周に押圧しているので、フレーム102の段差部104によって当該ボール13を支持させることができる。これにより、ボール13をフレーム102に対して固定することができ、当該ボール13によってガード枠12を支持させることができる。
【0048】
また、ピップキャップ11はスプリングシール111を備えているので、感熱体15が変形していない状態では、シール性を有するスプリングシール111を放出口101の周縁に圧接することによって当該放出口101を密閉することができる。また、感熱体15が変形し、ガード枠12がフレーム102から脱落することによってピップキャップ11が当該ガード枠12から支持されなくなった場合には、スプリングシール111の弾性力によってピップキャップ11をスムーズに放出口101から離脱させることができる。さらに、シール部材と弾性体とを一体としたスプリングシール111を用いているので、構造の単純化や部品点数の削減を行うことができ、コストを低減することができる。
【0049】
また、略球体であるボール13によってフレーム102とガード枠12とを連係しているので、感熱体15が変形した場合にはボール13を転動させて容易にフレーム102から離脱させることができ、ガード枠12、プッシュリング14をフレーム102からスムーズに脱落させることができる。
【0050】
また、感熱体15としてグラスバルブを用いているので、火災発生によって閉鎖型消火ヘッド1の周囲温度が所定の温度に到達した場合には当該グラスバルブが破裂する。これにより、グラスバルブによって支持されているプッシュリング14を火災発生時に確実にフレーム102から脱落させることができ、さらにピップキャップ11、ガード枠12、ボール13を閉鎖型消火ヘッド1から脱落させて、放出口101から消火剤を放出させることができる。
【0051】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、支持体が連係体を消火ヘッド本体から離脱不能に支持している形態である。
【0052】
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図4は、本実施の形態2に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図であり、図4(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの断面図、図4(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの断面図である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0053】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ピップキャップ11)
図4に示すように、本実施の形態2に係る閉鎖型消火ヘッド1はプッシュリング14を備えていない。感熱体15はプッシュリング14ではなくピップキャップ11を支持しており、当該ピップキャップ11がボール13を支持している。ピップキャップ11は、底部114、及び、ボール支持部115を備えている。底部114は、感熱体15が嵌合される凹部であり、ピップキャップ本体110の両端部の内、頂部113と反対側の端部に設けられている。ボール支持部115は、第1の方向を長軸方向とする略円筒体であって、掛止部112に隣接しピップキャップ本体110を外囲するように設けられている。また、ピップキャップ本体110の外周とボール支持部115の内周とは所定の間隔を隔てて設置されている。ボール支持部115の円筒壁には支持孔116が穿設されており、ボール13が当該支持孔116に対して嵌込される。ここで、支持孔116の周縁におけるボール支持部115の肉厚はボール13の直径よりも小さくなるように形成されている。これにより、ボール支持部115がボール13を支持している状態において、支持孔116からボール13の一部分を突出させられるので、当該ボール13を後述するガード枠12の段差部123及びフレーム102の段差部104と当接させることができる。
【0054】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ガード枠12)
実施の形態1と異なり、本実施の形態2においてはガード枠12はピップキャップ11に当接していない。ガード枠12は、感熱体15を支持して当該感熱体15をピップキャップ11に向かって押圧するとともに、ボール13に当接して当該ボール13をフレーム102の内周に対して押圧するためのものであり、段差部123を備えている。段差部123は、ガード枠本体120における放出口101側の端部の外周において、放出口101から離れるに従って外径が縮小する略円錐体として形成されている。
【0055】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−通常時)
次に、上述の構成を有する閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。まず、火災が発生していない通常時について説明する。
【0056】
通常時には、図4(a)に示すように、感熱体15がピップキャップ本体110の底部114に嵌合しており、ピップキャップ11を放出口101に向かって押圧している。感熱体15によって押圧されたピップキャップ11は、支持孔116において当該支持孔116に嵌込されたボール13と当接し、当該ボール13を支持している。
【0057】
放出口101に対して圧接され消火剤による内圧を受けているピップキャップ11は、感熱体15を放出口101から離れる方向に押圧している。ピップキャップ11から押圧された感熱体15は、当該感熱体15を支持しているガード枠12に対して第1の方向に沿って放出口101から離れる向きの力を負荷する。感熱体15から力を負荷されたガード枠12は、段差部123においてボール13と当接し、当該ボール13によって支持される。ここで、上述のように段差部123は放出口101から離れるに従って外径が縮小する略円錐体として形成されている。従って、ガード枠12が感熱体15によって放出口101から離れる向きの力を加えられると、ボール13はガード枠12の段差部123によって放出口101から離れる向きに押圧され、且つ、フレーム102の内周に向かって押圧される。このように押圧されたボール13は、当該ボール13が嵌込されているピップキャップ11の支持孔116からフレーム102の内周側に突出し、フレーム102の段差部104に圧接され、当該段差部104によって支持される。
【0058】
以上のように、ボール13がピップキャップ11とフレーム102とによって支持され、ガード枠12を支持している。従って、ガード枠12がフレーム102に対して固定され、固定されたガード枠12によって感熱体15が支持され、感熱体15によってピップキャップ11が支持されている。
【0059】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−火災発生時)
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図4(b)に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体15が変形すると、ピップキャップ11は放出口101に向かって当該感熱体15から押圧されなくなる。従って、ピップキャップ11は、スプリングシール111の弾性力と消火剤の内圧とによって放出口101から押し出される。放出口101から離脱したピップキャップ11は、掛止部112がフレーム102の段差部104に当接した位置で当該段差部104によって掛止される。ピップキャップ11の放出口101からの離脱に伴い、ピップキャップ11の支持孔116に嵌込されているボール13は、当該支持孔116によって放出口101から離れる方向に押圧される。通常時は、上述のようにボール13はガード枠12の段差部123によってフレーム102の内周に向かって押圧され、フレーム102の段差部104によって支持されているが、火災発生時は、ガード枠12に対して放出口101から離れる向きに力を加えていた感熱体15が変形することにより、当該ガード枠12がボール13をフレーム102の内周に向かって押圧する押圧力が小さくなっている。従って、ボール13は、ガード枠12による押圧力を上回る力で支持孔116の周縁部によって押圧され、フレーム102から離脱し、当該支持孔116からも脱落する。このようにしてボール13がフレーム102から脱落すると、段差部123においてボール13に支持されていたガード枠12も支持を失い、フレーム102から脱落する。
【0060】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、感熱体15が変形していない状態では、ガード枠12がボール13をフレーム102の内周に押圧しているので、フレーム102の段差部104によって当該ボール13を支持させることができる。これにより、ボール13をフレーム102に対して固定することができ、当該ボール13によってガード枠12を支持させることができる。
【0061】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、Oリングとコイルスプリングとを備えた形態である。
【0062】
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図5は、本実施の形態3に係る閉鎖型消火ヘッドの側断面図であり、図5(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッドの断面図、図5(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッドの断面図である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0063】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−ピップキャップ11)
本実施の形態3では、ピップキャップ11は、Oリング117及びコイルスプリング118を備えている。Oリング117は、通常時において放出口101とピップキャップ11との間隙を密閉するためのものである。Oリング117は、ピップキャップ11の頂部113の外周に設けられた溝に嵌合されて設置されており、ピップキャップ11を放出口101に嵌込した場合に、当該Oリング117が放出口101の内周面に当接するように配置されている。コイルスプリング118は、火災発生時に感熱体15が変形した場合に、その弾性力によってピップキャップ11を放出口101から離脱させるためのものである。コイルスプリング118は、掛止部112と放出口101との間において頂部113を外囲するように配置されている。
【0064】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−通常時)
次に、上述の構成を有する閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。まず、火災が発生していない通常時について説明する。
【0065】
通常時には、図5(a)に示すように、ピップキャップ11の頂部113の外周に設置されているOリング117が、放出口101の内周面に圧接されることにより、放出口101が密閉されている。また、ピップキャップ11がガード枠12によって放出口101に向かって押圧され、掛止部112と放出口101との間でコイルスプリング118が圧縮されている。
【0066】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−火災発生時)
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図5(b)に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体15が変形すると、ピップキャップ11は放出口101に向かって当該感熱体15から押圧されなくなる。従って、ピップキャップ11は、コイルスプリング118の弾性力と消火剤の内圧とによって放出口101から押し出される。この場合、Oリング117と放出口101の内周面との摩擦力がピップキャップ11の放出口101からの離脱に対する抵抗力として作用するが、コイルスプリング118の弾性力及び消火剤の内圧による力の和と比較して当該摩擦力は十分に小さいため、ピップキャップ11は放出口101からスムーズに離脱する。
【0067】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、ピップキャップ11はOリング117及びコイルスプリング118を備えているので、感熱体15が変形していない状態では、Oリング117を放出口101の内周面に圧接することによって当該放出口101を密閉することができる。また、Oリング117が放出口101の内周面に圧接されていれば、ピップキャップ11が第1の方向に沿って移動しても放出口101の密閉が保持されるので、閉鎖型消火ヘッド1の組み立て作業におけるピップキャップ11の設置精度要求を緩和することができ、製造コストを削減することができる。さらに、感熱体15が変形し、ガード枠12がフレーム102から脱落することによってピップキャップ11が当該ガード枠12から支持されなくなった場合には、コイルスプリング118の弾性力によってピップキャップ11をスムーズに放出口101から離脱させることができる。
【0068】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、網体を備えた形態である。上述のように、網体を備えた従来の閉鎖型消火ヘッドにおいては、網体の外部を囲むように延設されている支持体が撓むことにより、弁体と放出口との間に隙間が生じ、消火剤の漏れが発生するという問題があった。また、支持体は感熱体の保護機能を有していないため、作業時に感熱体を損傷する可能性があるという問題、あるいは、構造の大型化によりコストが上昇するという問題もあった。本実施の形態4に係る閉鎖型消火ヘッドは、これらの課題を解決するものである。
【0069】
まず、閉鎖型消火ヘッドの構成を説明する。図6は、本実施の形態4に係る閉鎖型消火ヘッドの外観図であり、図6(a)が閉鎖型消火ヘッドの正面図、図6(b)が閉鎖型消火ヘッドの側面図、図6(c)が閉鎖型消火ヘッドの底面図である。また、図7は図6(b)におけるB−B断面を示した側断面図であり、図7(a)は通常時における閉鎖型消火ヘッド1の断面図、図7(b)は消火剤放出時における閉鎖型消火ヘッド1の断面図である。なお、実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0070】
(閉鎖型消火ヘッドの構成−スクリーン17)
スクリーン17は、放出口101から放出された消火剤を通過させて発泡させるためのものであり、特許請求の範囲における網体に対応している。スクリーン17は略ドーム状に形成され、放出口101及びデフレクタ16を囲繞するように消火ヘッド本体10に固定されている。また、スクリーン17には、フレーム102が挿通される挿通穴170が設けられており、フレーム102の内周側に配置されているガード枠12が、当該挿通穴170を貫通してスクリーン17の内部から外部に延設されている。なお、スクリーン17を構成する材料は任意であり、例えば、金属網を用いてもよく、あるいは、エッチング加工を施して微細な穴を多数設けた金属薄板を用いてもよい。
【0071】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−通常時)
次に、上述の構成を有する閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。まず、火災が発生していない通常時について説明する。
【0072】
通常時には、図7(a)に示すように、ピップキャップ11はガード枠12によって放出口101に対して圧接されており、ガード枠12はボール13によって支持されている。この状態においては、消火剤の内圧によってピップキャップ11に負荷された力Cは、ピップキャップ11からガード枠12に伝達される。ガード枠12に伝達された力はボール13に伝達される。ボール13に伝達された力は、当該ボール13を支持しているプッシュリング14及びフレーム102に伝達される。この内、プッシュリング14に伝達された力は、当該プッシュリング14を支持している感熱体15に伝達され、さらに、当該感熱体15を支持しているガード枠12に伝達される。
【0073】
ここで、感熱体15からガード枠12に伝達される力Dは、ガード枠12に対して第1の方向に作用する。ガード枠12はフレーム102の内周側においてボール13によって支持されており、第1の方向に沿って延設されている。すなわち、ガード枠12が延設されている方向に沿って感熱体15からガード枠12に対して力が負荷されているため、負荷された力はガード枠12に対する曲げモーメントとしてではなく引っ張り力として作用している。
【0074】
また、ガード枠12の延設方向と感熱体15の長軸方向とが略一致しており、感熱体15の側方においてガード枠12が当該感熱体15に沿うように配置されているため、当該ガード枠12が感熱体15を保護する機能を果たしている。
【0075】
(閉鎖型消火ヘッドの作用−火災発生時)
次に、火災が発生した場合における閉鎖型消火ヘッド1における作用について説明する。図7(b)に示すように、火災発生による熱を感知して感熱体15が変形すると、プッシュリング14、ボール13、ガード枠12がスクリーン17に妨げられることなくフレーム102から脱落する。また、これに伴ってピップキャップ11が放出口101から離脱し、フレーム102の段差部104によって掛止される。
【0076】
放出口101から放出された消火剤は、ピップキャップ11の頂部113及びデフレクタ16に当たることによって、デフレクタ16と平行な面内に均一に分散され、スクリーン17に向かって放射される。消火剤はスクリーン17を通過する際に発泡し、スクリーン17から閉鎖型消火ヘッド1の周囲に向かって放射される。
【0077】
(実施の形態4の効果)
このように実施の形態4によれば、感熱体15からガード枠12に負荷された力は、ガード枠12に対して曲げモーメントとしてではなく引っ張り力として作用する。従って、同等の剛性を有するガード枠12に対して曲げモーメントが作用する場合と比較すると、ガード枠12での感熱体15の支持点における変位を著しく低減することができる。これにより、感熱体15に支持されているプッシュリング14、プッシュリング14に支持されているボール13、ボール13に支持されているガード枠12、及び、ガード枠12に支持されているピップキャップ11のフレーム102に対する変位を低減することができ、容易にスプリングシール111と放出口101との間の密閉を保ち、消火剤の漏れを抑制することができる。また、ガード枠12の構造の小型化をすることができ、コストを低減することができる。
【0078】
また、ガード枠12の延設方向と感熱体15の長軸方向とが略一致しており、感熱体15の側方においてガード枠12が当該感熱体15に沿うように配置されているので、ガード枠12によって感熱体15の側方を保護することができる。これにより、閉鎖型消火ヘッド1の取り扱い時に誤って感熱体15を破損してしまう可能性を低減できる。また、感熱体15のガードを別途設ける必要もないので、コストを低減することができる。
【0079】
このように、スクリーン17を備えた閉鎖型消火ヘッド1であっても、ガード枠12の撓みを抑制して消火剤の漏れを防ぎ、感熱体15を確実に保護し、構造を小型化することができる。
【0080】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0081】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0082】
(各実施の形態の相互の関係について)
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態1から3のいずれの閉鎖型消火ヘッドについても、実施の形態4におけるスクリーン17と組合せて、スクリーン17を備えた閉鎖型消火ヘッドを構成することができる。実施の形態2における閉鎖型消火ヘッド1と、実施の形態4におけるスクリーン17とを組み合わせた場合は、スクリーン17を備え、通常時にはガード枠12がボール13をフレーム102の内周に対して押圧している閉鎖型消火ヘッドを構成することができる。
【0083】
(感熱体15とプッシュリング14との一体化について)
実施の形態1、3、4では、感熱体15がプッシュリング14を押圧し、プッシュリング14がボール13をフレーム102の内周に対して押圧していると説明したが、感熱体15とプッシュリング14とを一体とし、感熱体15がボール13を直接押圧するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
この発明に係る閉鎖型消火ヘッドは、火災発生による熱を感知して消火剤を放出する閉鎖型消火ヘッドに適用でき、特に、感熱体を支持する支持体が消火剤の放射分布に影響を与えず、支持体が感熱体から力を負荷されても容易に変形せず、感熱体が支持体によって確実に保護され、小型化によってコストの低減が可能な閉鎖型消火ヘッドに有用である。
【0085】
(付記)
付記1に記載の警報器の閉鎖型消火ヘッドは、消火剤を放出する放出口を有する消火ヘッド本体と、前記放出口に対して離接自在に圧接される弁体と、所定の温度にて変形するものであって、変形していない状態において前記弁体を直接的又は間接的に支持する感熱体と、変形していない状態における前記感熱体を支持する支持体と、前記消火ヘッド本体によって支持され、前記支持体を支持する連係体と、を備え、前記感熱体が変形していない状態では、前記連係体は、前記感熱体によって直接的又は間接的に前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持され、前記支持体は、当該連係体によって支持され、前記感熱体が変形した状態では、前記連係体、及び、前記支持体は、前記消火ヘッド本体から離脱自在であること、を特徴とする。
【0086】
また、付記2に記載の警報器の閉鎖型消火ヘッドは、付記1に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記感熱体が変形していない状態では、前記支持体が、前記連係体を前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持すること、を特徴とする。
【0087】
また、付記3に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記1に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、変形していない状態における前記感熱体によって支持され、前記連係体を前記消火ヘッド本体に対して押圧して当該消火ヘッド本体から離脱不能とする押圧体を備えること、を特徴とする。
【0088】
また、付記4に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記1から3のいずれか一つに記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記弁体は、当該弁体と前記放出口との間隙を密閉するシール部材と、前記感熱体が変形していない状態において当該弁体と前記放出口の周縁とに当接して弾性力を及ぼす弾性体と、を備えること、を特徴とする。
【0089】
また、付記5に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記4に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記弁体は、前記シール部材と前記弾性体とを一体とした、略円錐形状の板バネを備えること、を特徴とする。
【0090】
また、付記6に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記4に記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記シール部材は、前記放出口と前記弁体との間に配置されたOリングであり、前記弾性体は、前記放出口の周縁と前記弁体との間に配置されたコイルスプリングであること、を特徴とする。
【0091】
また、付記7に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記1から6のいずれか一つに記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記連係体は略球体であることを特徴とする。
【0092】
また、付記8に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記1から7のいずれか一つに記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記感熱体はグラスバルブであることを特徴とする。
【0093】
また、付記9に記載の閉鎖型消火ヘッドは、付記1から8のいずれか一つに記載の閉鎖型消火ヘッドにおいて、前記放出口及びその近傍を囲繞するように設けられた網体を備え、前記支持体は、前記網体にて囲繞された空間の内部から外部に当該網体を貫通して延設されていること、を特徴とする。
【0094】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、感熱体が変形していない状態では、連係体によって支持体が支持されているので、当該支持体によって感熱体及び弁体を支持することができ、当該弁体によって放出口を閉鎖することができる。また、火災発生による熱を感知して感熱体が変形した場合には、連係体が消火ヘッド本体から離脱し、これに伴って連係体による支持を失った支持体も消火ヘッド本体から離脱する。これにより、支持体が消火剤の放射範囲内に存在しなくなるので、当該支持体が消火剤の放射分布に影響を及ぼすことを回避することができ、消火剤を均一に放射させることができる。
【0095】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、感熱体が変形していない状態では、支持体が連係体を消火ヘッド本体に向かって押圧し、消火ヘッド本体によって当該連係体を支持させている。これにより、連係体を消火ヘッド本体に対して固定することができ、当該連係体によって支持体を支持させることができる。
【0096】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、感熱体が変形していない状態では、感熱体が押圧体を連係体に対して押圧し、当該押圧体によって連係体を消火ヘッド本体に対して押圧しているので、消火ヘッド本体によって当該連係体を支持させることができる。これにより、連係体を消火ヘッド本体に対して固定することができ、当該連係体によって支持体を支持させることができる。
【0097】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、弁体はシール部材と弾性体とを備えているので、感熱体が変形していない状態では、シール部材を放出口の周縁や内周に圧接することによって当該放出口を密閉することができる。また、感熱体が変形し、支持体が消火ヘッド本体から脱落することによって弁体が当該支持体から支持されなくなった場合には、弾性体の弾性力によって弁体をスムーズに放出口から離脱させることができる。
【0098】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、シール部材と弾性体とを一体とした略円錐形状の板バネを用いているので、構造の単純化や部品点数の削減を行うことができ、コストを低減することができる。
【0099】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、弁体はOリング及びコイルスプリングを備えているので、感熱体が変形していない状態では、Oリングを放出口の内周面に圧接することによって当該放出口を密閉することができる。また、Oリングが放出口の内周面に圧接されていれば、弁体が放出口の開口面に直交する方向に沿って移動しても放出口の密閉が保持されるので、閉鎖型消火ヘッドの組み立て作業における弁体の設置精度要求を緩和することができ、製造コストを削減することができる。さらに、感熱体が変形し、支持体が消火ヘッド本体から脱落することによって弁体が当該支持体から支持されなくなった場合には、コイルスプリングの弾性力によって弁体をスムーズに放出口から離脱させることができる。
【0100】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、略球体である連係体によって消火ヘッド本体と支持体とを連係しているので、感熱体が変形した場合には連係体を転動させて容易に消火ヘッド本体から離脱させることができ、支持体、押圧体を消火ヘッド本体からスムーズに脱落させることができる。
【0101】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、感熱体としてグラスバルブを用いているので、火災発生によって閉鎖型消火ヘッドの周囲温度が所定の温度に到達した場合には当該グラスバルブが破裂する。これにより、グラスバルブによって支持されている連係体を火災発生時に確実に消火ヘッド本体から脱落させることができ、さらに支持体、弁体を閉鎖型消火ヘッドから脱落させて、放出口から消火剤を放出させることができる。
【0102】
付記に係る閉鎖型消火ヘッドは、支持体の主構造を、感熱体から当該支持体に負荷される力の方向に沿った形状としているので、感熱体から支持体に負荷された力は、支持体に対して曲げモーメントとしてではなく引っ張り力として作用する。従って、同等の剛性を有する支持体に対して曲げモーメントが作用する場合と比較すると、支持体での感熱体の支持点における変位を著しく低減することができる。これにより、感熱体に支持されている押圧体、押圧体に支持されている連係体、連係体に支持されている支持体、及び、支持体に支持されている弁体の消火ヘッド本体に対する変位を低減することができ、容易に弁体と放出口との間の密閉を保ち消火剤の漏れを抑制することができる。また、支持体の構造の小型化をすることができ、コストを低減することができる。さらに、支持体の延設方向と感熱体の長軸方向とが略一致しており、感熱体の側方において支持体が当該感熱体に沿うように配置されているので、支持体によって感熱体の側方を保護することができる。これにより、閉鎖型消火ヘッドの取り扱い時に誤って感熱体を破損してしまう可能性を低減できる。また、感熱体のガードを別途設ける必要もないので、コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 閉鎖型消火ヘッド
10 消火ヘッド本体
11 ピップキャップ
12 ガード枠
13 ボール
14 プッシュリング
15 感熱体
16 デフレクタ
17 スクリーン
100 接続部
101 放出口
102 フレーム
103 放射路
104 段差部
110 ピップキャップ本体
111 スプリングシール
112 掛止部
113 頂部
114 底部
115 ボール支持部
116 支持孔
117 Oリング
118 コイルスプリング
120 ガード枠本体
120a 略円筒体
120b 略U字体
121 掛止孔
122 インプレスねじ
123 段差部
140 底部
141 当接部
160 嵌合穴
161 止め輪
170 挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火剤を放出する放出口を有する消火ヘッド本体と、
前記放出口に対して離接自在に圧接される弁体と、
所定の温度にて変形するものであって、変形していない状態において前記弁体を直接的又は間接的に支持する感熱体と、
変形していない状態における前記感熱体を支持する支持体と、
前記消火ヘッド本体によって支持され、前記支持体を支持する連係体と、を備え、
前記支持体の一部が前記消火ヘッド本体よりも外側に突出するように、前記支持体を前記消火ヘッド本体に配置し、
前記支持体の一部の突出方向と略直交するいずれの方向に対しても、前記支持体によって遮られることなく、前記感熱体の一部が前記支持体から外部に露出するように、前記感熱体を前記支持体に配置し、
前記感熱体が変形していない状態では、前記連係体は、前記感熱体によって直接的又は間接的に前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持され、前記支持体は、当該連係体によって支持され、前記支持体が、前記連係体によって前記消火ヘッド本体から離脱不能に支持され、
前記感熱体が変形した状態では、前記連係体、及び、前記支持体は、前記消火ヘッド本体から離脱自在であること、
を特徴とする閉鎖型消火ヘッド。
【請求項2】
前記支持体の一部を、側面略U字状に形成し、
略U字状である前記支持体の一部によって形成された内部空間に、前記感熱体を配置し、
前記感熱体の一部を、前記支持体の一部における前記略U字状の側面に対して略平行な平面に略直交する方向に沿って、当該支持体の一部よりも外側に突出させること、
を特徴とする請求項1に記載する閉鎖型消火ヘッド。
【請求項3】
前記消火ヘッド本体は、前記放出口の開口面に直交する方向を長軸方向とする略円筒体であって当該放出口の周縁から延設されたフレームを備え、当該フレームの内周には段差部が設けられており、
前記弁体は、当該弁体の外周に設けられた鍔状の掛止部を備え、前記感熱体が変形し当該弁体が前記放出口から離脱した状態では、前記段差部によって当該掛止部が掛止され、
前記フレームの外周に固定される略円板状のデフレクタを備えること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の閉鎖型消火ヘッド。
【請求項4】
前記連係体は略球体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッド。
【請求項5】
前記感熱体はグラスバルブであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の閉鎖型消火ヘッド。
【請求項6】
前記弁体は、当該弁体と前記放出口との間隙を密閉するために当該放出口と当該弁体との間に配置されたOリングと、前記放出口の周縁と当該弁体との間に配置され、前記感熱体が変形していない状態において当該弁体と当該放出口の周縁とに当接して弾性力を及ぼすコイルスプリングと、を備えること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に閉鎖型消火ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−130769(P2012−130769A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−86262(P2012−86262)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2007−107639(P2007−107639)の分割
【原出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】