開口プローブ及びその使用方法
開口プローブであって、特に患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを検出するための開口プローブ、及び、それを使用する方法。開口プローブは、患者の肛門に挿入するための本体と、直腸状態及び肛門周囲のまたは直腸の感覚の少なくとも1つを測定するための検出装置と、患者の直腸状態の測定の少なくとも1つ、及び、患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを生成するための出力装置とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年7月23日に出願の米国仮特許出願番号第61/271,606号の優先権を請求するものであり、その主題は参照により全体として本願明細書に引用したものとする。
【0002】
本発明は一般に開口プローブに関するものであり、そのようなプローブの使用のための方法と同様に、特に診断手順において用いられる直腸プローブに関するものである。
【背景技術】
【0003】
脳の拡張部として、神経根は、骨盤内器官及び下肢へ/から伝達信号を送受信する。図1は、横断面で示される馬尾(中心脊髄管で脊髄の基部から延長する束の神経)を有する脊椎骨、及び、中心脊髄管を出て、脊椎骨の両側で椎間穴を通って延びる2つの神経根のおおよその上面図を示す。脊髄及び馬尾は中心脊髄管を通って脊柱に沿って垂直に走り、一方で神経根は、隣接した脊椎骨間で脊髄及び馬尾の中で分岐し、椎間穴を通って延びる。
【0004】
馬尾症候群は、腰椎または腰仙脊柱の重度の神経圧搾がある状態であり、仙骨根は機能しなくなり、患者は腸及び膀胱を制しきれなくなる。他の馬尾症候群の発現は、サドル麻酔、または、関連する脱力またはしびれ感を有して下肢に放射状に広がる痛みである。しかしながら、馬尾症候群の特質は、動脈円錐下の重度な神経圧搾であり、腸及び膀胱制御の明らかな損失につながる。これにより、膀胱膨張からの激痛により尿閉する及び排尿することができない、または、彼または彼女が認識せずに排尿または排便してしまう腸及び膀胱制御の明らかな損失が引き起こされる可能性がある。サドル麻酔が多くの場合存在するという事実はまた、患者にそのような偶発症候が生じるのを認識させない。
【0005】
腰痛は一般的なものであり、通常、手術をしない治療によって解消する。しかしながら、狭窄または神経圧搾がある場合に、患者は、多くの場合、圧搾されている神経の配置にしたがい下肢に放射状に広がる激痛を経験する。患者はまた、脱力、しびれ感、及び/または、歩くまたは立つのが難しい、刺すような痛みを経験する。これらの場合において、患者の神経性症状を軽減するため、圧搾されているまたは圧壊した神経の圧力を取り除く除圧手術の形の外科的処置が必要とされる。
【0006】
しかしながらこれにもかかわらず、狭窄、または、神経圧搾の場合でさえも、本当の外科的緊急事態でない。一般に手術を急ぐ必要性は感じられず、腰椎脊柱において外科的に神経圧搾を治療する適切な機会は、患者の生活の質が容認できない点に到達した時、及び、すべての合理的な手術をしない治療が失敗した時である。手術が腰椎神経要素の圧力を下げるために実行される場合、成功率は、85〜90%の範囲で、神経性症状が素晴らしく改善される。2年以上にわたりその状態が存在する時点までに成功率の低下が注目されたことはなく、これらの場合でさえも、低下はおよそ10%のみある。したがって、状態が2年以上にわたり存在する場合、成功率は、まだ75〜80%の範囲にある。このように、患者は概して、狭窄のための手術が、彼または彼女が実行する準備ができて、それを望むと考える時の「生活の質」の問題であるように教えられる。
【0007】
しかしながら、外科的緊急事態と考えられる1つの腰椎状態は、馬尾症候群である。馬尾症候群は比較的珍しく、狭窄の場合の1〜2%未満に含まれる。しかしながら存在する場合には、本当の外科的緊急事態であり、緊急ベースで実行されない手術は、成功率及び術後機能の劇的な減少につながることが分かった。腸及び膀胱を制御する能力を回復することは普遍的に非常に重要であるものとして受け入れられていて、手術は、患者にこの重要な機能を回復する最高の可能性を与えるものとされる。アンらによる「Spine」1999年(Ahn et al.,Spine,1999)による最近の研究は、除圧手術が48時間以内に実行される場合、これは、患者に80%の範囲で腸及び膀胱制御の回復の最高の可能性を提供することを示した。除圧手術を実行するため48時間を越えて待機した場合、成功率は、およそ50〜60%に下がる。{Ahn UM, Ahn NU,Buchowski, JM,Garrett,ES, Sieber, A.N, Kostuik JP,「椎間板ヘルニアに付随する馬尾症候群:外科的結果のメタ分析」、Spine (Phila., Pa., 1976). 2000 Jun 15; 25(12): 1515−22.} したがって、馬尾症候群は、本当の外科的緊急事態であると考えられる。
【0008】
馬尾症候群の原因は、巨大な椎間板ヘルニア、重症脊髄狭窄、脊椎すべり症、または、重症神経圧搾を引き起こす腫瘍または感染症のようないかなる腫瘤を含むが、これらに限定されるものではない。しかしながら、原因に関係なく、共通のつながりは、腸及び膀胱制御を損失させるような仙骨根の遮断を引き起こす重症神経圧搾が動脈円錐の下にあるということである。
【0009】
最も一般的な馬尾症候群の原因は、馬尾に過剰な圧搾を生じる椎間板ヘルニアである。馬尾症候群は、すべての椎間板ヘルニアのおよそ1〜2%の発生率で比較的まれである。馬尾症候群の結果は多くの場合、痛みを伴いかつ多数の衰弱化効果を有するということで非常に深刻である。これらは、麻痺、性的機能不全、及び、不妊(女性の)であり得る、腸及び膀胱失禁、脚部脱力、歩行異常、痛みを伴う知覚異常、尿閉、泌尿生殖器欠損、臀部、(女性の)膣のしびれ感、神経性膀胱機能不全、神経障害性の痛みを含み、生命維持障害を含む。馬尾症候群はまれな発生であるが、腰椎脊髄狭窄及び椎間板ヘルニアは非常に一般的であるので、いかなる医師もこの状態に直面し得る。
【0010】
これは緊急状況であると考えられるので、「見落とされた」馬尾症候群により、多くの訴訟が提起されてきた。上記したように、狭窄または神経圧搾が存在する場合であっても、馬尾症候群は、腸及び膀胱の機能の損失がある場合にのみ、存在する。個人が馬尾症候群であるかを決定する特質はしかしながら、患者の主観的な病訴に基づかず、むしろ直腸検査に基づくものである。概して臨床医は、手袋をはめた指を肛門に挿入し、主観的に、状態、随意収縮及び肛門周囲の知覚を測定する。しかしながら、これらは主観的な測定であり、通常の状態及び随意収縮があるべきものに関する客観的な測定はない。加えて、臨床医の経験に基づいて、異なる意見が生成され得る。さらに、馬尾症候群が比較的まれであるので、多くの臨床医は、正常状態が減弱するまたは不在である本当に異常な直腸試験の経験を有しない。例えば、患者が最小のまたは少しも肛門の正常状態を有しない場合であっても、患者は、一緒に臀筋を押すことができ、本当は存在しない場合にも正常状態または随意収縮があるような外観を与えることができる。
【0011】
肛門周囲のまたは直腸の感覚は、例えば、患者の左右の肛門周囲の領域に適用される安全ピンからの針刺激のような刺激または複数の刺激を患者の肛門周囲のまたは直腸領域に適用することにより、臨床医によっても測定される。肛門周囲の針刺激に応答して患者によって報告される感覚の減少または欠如により、患者が馬尾症候群のリスクにさらされていることが臨床医に示される。肛門周囲の感覚は、多くの場合試験するのが困難である。患者には痛みがあり、通常非常に非協力的である。さらに、患者は、医者が肛門部に接近できるように横向きに回転しなければならない。患者の協力なしで、適切に患者を正しい体位にすることは困難である。例えば痴呆症を患っている患者のような患者は、肛門周囲の感覚が減少しているか、または、ないかに関して表すことができない。したがって、肛門周囲の感覚は、しばしば測定されない。神経病学的機能があるかどうか決定する特質は運動及び感覚の両方の検査を含むので、これは問題がある。さらに、従来の肛門周囲の感覚の針刺激試験も、様々な欠陥を有する。そのような欠陥は、安全ピンで肛門周囲の領域に接近し、安全ピンで肛門周囲の領域に穿刺する時に適切な力を加える難しさを含むが、これに限定されるものではない。
【0012】
このように、馬尾症候群は、比較的まれな状態である。それは、通常、腰仙脊柱の管の中の大きな占拠性病変に関連する。上記のように、馬尾症候群は、腰の痛み、座骨神経痛、下肢感覚の運動損失及び、腸及び膀胱の機能不全によって特徴付けられるが、この状態を定め、本当の外科的緊急事態としてそれを区切るのは腸及び膀胱機能の損失である。
【0013】
馬尾症候群の最初の症候及び症状は潜行性であり、会陰のサドル麻酔、尿閉、しびれ感、両側性の下肢の痛み及び脱力を含む。医師の一次的かつ緊急事態治療下にある多数の患者が腰痛及び座骨神経痛を有し、馬尾症候群がまれであるので、馬尾症候群は多くの場合、見落される。腰椎疾患の頻度の多さ、及び、馬尾症候群が全体的にまれなことであるため、臨床医がこの状態を見落すのは一般によくあることである。
【0014】
馬尾症候群が腰椎疾患において少数であるが、一般の腰椎疾患の全体的な頻度を考慮すると、この状態が合理的な頻度で発生し、いかなる医師によっても直面され得る。したがって、馬尾症候群は、すべての医師に知られているべきであり、さらにそれが見落とされた場合、受け入れがたい訴訟手続きになる状態であると考えられる。この状態を見落として、この問題の緊急の外科的治療を遅延させる医師のための治療の基準を以下で検討する。
【0015】
そのような従来のスクリーニング技術及び不適当に診断した場合の結果のひどさにおけるこれら及び他の欠陥により、医師は、重症神経圧搾を規定することによりこの状態を規定するため、通常MRI(磁気共鳴イメージング)スキャンまたは(MRIを受けることができない患者において)CT骨髄造影像に依存する。しかしながら、馬尾症候群はまれであり、そのような手順は、特に緊急治療室の状況において数時間の後に指示される場合に高価でかつ扱いにくい。馬尾症候群がまれであると認められるので、馬尾症候群の通常の検査のために開発された実用的なプローブは存在せず、この症候群の発生を見落とす結果となっていた。馬尾症候群の見落としが起こり、外科的処置が遅延した場合、腸及び膀胱機能不全の回復の成功率は、かなり減少する。これはまた、医療過誤訴訟からの巨大な裁定額と同様に、不幸でかつ高価な治療につながるものである。
【0016】
したがって、馬尾症候群を診断するプローブ及びプローブを使用する方法を提供することが望ましい。通常の肛門/直腸の状態の客観的な測定を可能にするプローブは、特に緊急治療室の環境における馬尾症候群の規定に関して、腰の痛みまたは神経性症状患者の医療診断を提供する際に大きな利点を有する。さらに、限定的な官能評価の実行を可能にするプローブもまた、大きな利点を有する。そのようなプローブは、患者と同様に臨床医にとってもより衛生的であると考えられ、この恐ろしい状態が患者に存在しないかどうかを確実にするより限定的な方法を提供するような、より客観的な測定を提供する。比較的安価に製造可能であり、使用の後、使い捨て可能であり、馬尾症候群を検出する際に信頼性が高いようなプローブが開発される場合、特に有益である。
【0017】
馬尾症候群また、動物において、特に犬、とりわけダックスフントにおいても発生する。ダックスフントが人間において軟骨発育不全症を引き起こすのと同じ遺伝性疾患で苦しむので、彼らは、成人中期に到達する時の先天的に小さな脊髄管により、軟骨発育不全症患者が概して患う重症の脊髄狭窄を患う。最も一般的な症状は、特に背部、一方または両方の後脚または尾部の痛みである。しかしながら、動物は症状を報告することができないので、狭窄が重症であるかどうか決定するのは、しばしば困難である。犬が完全に失禁状態になり、下肢機能が失われるまで、病気は通常進行する。下肢麻痺がこれらの犬において頻繁に発生するので、ダックスフント専用の車椅子が製造されている。現在、反射の検査、神経学的試験、及び、骨髄造影像(すなわち、色素を注入して、X線の単純写真を実行する)の実行により診断される。しかしながら、命令に従うことができない犬の神経病学的検査を実行するのは困難であり、反射は、重症狭窄が存在することを決定する際の感度及び特性が乏しい。さらに、脊髄造影は痛みを伴い、関連するリスクを有し、高価かつ侵襲的であり、このように日常の識別のためには不良なツールである。その切迫したまたは有意な神経病学的危殆化が発生していると飼主及び獣医が警告されて、重症狭窄及び神経病学的機能の損失が一般的である年齢に到達した時でも、肛門部の検査は、これらの犬の日常ベースでは概して実行されない。本明細書において開示される発明が人間及び動物に使われ得るので、本明細書において使用される「患者」という語は、人間及び動物の両方に適用される。
【0018】
脊髄円錐または脊髄自体で生じている外部圧搾もまた、腸及び/または膀胱機能の変化または損失を引き起こすこともまた注目されるべきである。したがって、馬尾の圧搾が、外部神経圧搾から生じる腸及び/または膀胱機能の損失の最もよくある原因である一方で、医師もまた、神経軸においてより激しい圧搾が同様に腸及び/または膀胱機能の変質につながる可能性があることを認識しなければならない。本出願では、外部神経圧搾が、馬尾症候群、脊髄円錐症候群または脊髄圧搾のような腸または膀胱機能の変質につながるいかなる状態も「馬尾症候群」と呼ばれる。
【0019】
多くの医師が認識しなければならない健康の問題は、泌尿器症状及び前立腺ガンを示す可能性がある通常の形状の男性前立腺の肥大及び変化である。通常実行される第1の試験である第1の検査は、デジタル直腸検査である。この検査において、医師は手袋をはめた指を直腸に挿入し、直腸の次に前立腺の部分に触れる。この検査により、医師は前立腺のサイズ及び状態の一般的な認識が与えられる。これは主観的な試験であり、試験を適用している人によってその精度が決まる。さらに試験がなされるべきかどうかは決定する最初の試験であるが、試験の省略、または、試験結果の誤った判断は、恐ろしい結果につながる可能性がある。前立腺ガンが生じた疑いがある場合、プローブが、前立腺で音波を導くための直腸に挿入される。音波のエコーパターンは、ディスプレイスクリーン上に前立腺の画像を形成し、腫瘍があるか否かを示す。腫瘍が疑われる場合、顕微鏡検査のために前立腺膜組織を取り除く生検が、通常用いられる。これと同じ状態は、多くの動物の雄にもあてはまる。
【0020】
多くの装置は、専門の筋肉機能を測定するために開発されてきた。米国特許第5,452,719号(Eismanら、1995)において、独立した筋運動データを提供して、肛門管群の異なる筋肉の相互作用及び共調運動を明らかにするための電極が議論される。それは、狭い時間分解能内での別々の筋肉群の動作を使用する。それは、管の遠位の筋肉から筋運動信号を受けるために絶縁性支持体の外側表面に配置される一対の電極と、データを肛門部の管の遠位及び近位部分に提供するため、管の近位の筋肉から筋運動信号を受ける第1の電極から間隔を置かれる第2の電極との使用を含む。米国特許第5,533,515号(Collerら、1996)は、括約筋の内側表面または内腔の他の部分によって固体プローブの外側表面に適用される収縮圧力の測定及びマッピングのための固体プローブを含む括約筋筋収縮計に関するものである。次に米国特許第7,485,099号(Benderev、2009)を参照すると、この特許は、特定の容量を維持するまたは一般に拡張した状態を維持するように膜を支持する材料を保つ風船のような袋を開示し、圧力の閾値分量がその袋に適用される場合、外科医が移植組織、膜組織、吊り包帯または移植片を配置できるように折り畳み式である。米国特許公開番号第2009/0082702A1号(Folkertsら、2009)は、患者の皮膚上の電極からの電気応答が分析のために識別されるように、球海綿体筋の筋肉を刺激し、刺激時間を識別する電気機械プローブに関するものである。反射が陰核または陰茎の機械的な刺激を経た会陰部の球海綿体筋の表面筋肉の活性化から誘発される時の球海綿体筋反射応答を測定するための識別システムが、開示される。結果として生じる反射の測定は、球海綿体筋の異常を検出するために用いることができる。米国特許第7,678,064号(Kuban、2010)において、患者の体を加圧し、患者が感知する最も低い加圧量及び/または患者が耐えることができる最も高い加圧量を決定することによって、患者の主張する触覚の感度を検出する装置が開示される。前述の特許のいずれも、馬尾症候群を決定するシステム、または、前述の症候群が存在するまたはそれが存在するリスクがあるかどうかを迅速かつ正確に決定するための装置を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定する装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかをごく普通に決定する装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを迅速かつ容易に決定するプローブを提供することである。
【0024】
本発明の追加の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを迅速かつ容易に決定するプローブを提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかをごく普通に決定するプローブを提供することである。
【0026】
またさらに別の本発明の目的は、ごく普通に、迅速かつ有効な方法で、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定することである。
【0027】
なおさらなる追加の本発明の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定するため、患者の直腸の状態を測定するプローブを提供することである。
【0028】
さらなる本発明の目的は、患者が肛門周囲の感覚を有するかどうかを容易かつ迅速に決定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブの供給である。
【0029】
追加の他の本発明の目的は、適当な深さで、患者の直腸の状態を決定し、患者が肛門周囲の感覚を有するかどうか決定し、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0030】
さらに追加の本発明の目的は、患者の直腸温を測定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0031】
追加の本発明の目的は、便の潜血試験を可能にするように、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0032】
さらに別の本発明の目的は、患者の肛門周囲の及び/または直腸の感覚を決定するため、その刺激/複数の刺激物質が患者によって受容されるかどうか確認するように患者に様々な肛門周囲及び/または直腸の刺激/複数の刺激を引き起こして、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0033】
追加の本発明の目的は、一以上の測定をして、それらの測定を意味がある形で検査官が利用できるような装置を提供するため、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0034】
また本発明の目的は、プローブの容易な挿入及び引抜きを可能にする構造で患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0035】
本発明の別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを容易に、効果的に及び経済的に決定する方法を提供することである。
【0036】
本発明のまたさらなる目的は、患者が馬尾症候群であるかをごく普通に決定するための方法を提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、開口部を定めている表面によって及ぼされる圧力を決定するため、患者の開口部へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0038】
本発明の別の目的は、男性患者の前立腺の解剖学的地形をごく普通に決定するためのプローブを提供することである。「解剖学的地形」は、(それが肥大しているかどうか確認するために)前立腺の大きさ、または、例えば前立腺ガンに関係するような不規則性を指す。
【0039】
本発明のさらなる目的は、患者が馬尾症候群のリスクを有するか、及び、前立腺の不規則性及び/または肥大を有するかどうかを決定するため、男性患者の直腸の組み合わされた検査をするためのプローブを提供することである。
【0040】
さらにまた別の目的は、プローブが患者の前立腺に地形信号を生成し、前立腺の地形を示す信号の前立腺の地形の影響を測定するための(プローブの一部として、または、プローブから離れた)地形指示装置を含む、男性患者の肛門に挿入するためのプローブを提供することである。
【0041】
好ましい実施態様はまた、患者の直腸の状態を別々に及び独立して測定し、肛門周囲の感覚を決定するための別々のプローブを含む。
【0042】
これらの及び他の目的は、以下の説明から及び添付の請求の範囲から決定される。
【0043】
前述の目的は、患者の肛門への挿入のためのプローブの供給によって、本発明の好ましい実施形態によって達成される。プローブは、患者の直腸の状態を測定するための特徴、及び、患者が肛門周囲及び/または直腸の感覚を有するかどうか決定するため、患者の肛門周囲の部分または直腸領域へ肛門周囲及び/または直腸に与える刺激/複数の刺激を適用するための構造を有する。本明細書において「肛門周囲」という語が使われるところで、「肛門周囲」は、「または直腸」を含むものとして定められる;同様に、本明細書において「直腸」という語は、「直腸」が、「または肛門周囲」を含むものとして定められる。直腸の状態は、休止している状態及び随意収縮の一方または両方を含み、以下にそのように使われる。直腸の状態は、括約筋の力または圧力の測定を通常指すが、「直腸機能」と呼ばれる状態の測定のための電荷を指すこともできる。ここで使用されるように、直腸の状態は、直腸機能を含む。直腸の状態及び肛門周囲の感覚の決定により、患者の検査官が、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定することができる。構造は、作動中及び静止した状態間で患者が肛門周囲の感覚、直腸温、便の潜血の存在を有するかどうか決定し、理解できる形状で検査官に測定値を伝えるための装置を配置するようにプローブの患者の肛門への挿入の深さを確立するため、プローブに接続されて有効に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
発明の動作と共に、目的及び効果は、以下の図と関連して、以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解される。図面の説明は以下の通りである:
【0045】
【図1】腰椎の上面図、馬尾及び2つの出ている神経根の断面図を示す脊柱の断面図である。
【図2】直腸の断面図である。
【図3】本発明の第1の好ましい実施形態による馬尾症候群の発生を検出するためのプローブの斜視図である。
【図4】患者の肛門部の筋肉に加えられる圧力または力を測定するためのセンサを有する図3に示されるプローブの側面図である。
【図5】図3及び4に示されるプローブの出力信号に反応する遠隔指示器またはコンピュータに接続される図3及び4に示されるプローブの側面図である。
【図6】遠隔指示器またはコンピュータへの無線接続を有している図3〜5のプローブの側面図である。
【図7】ハンドルを有している図3〜5に示されるプローブの側面図である。
【図8】プローブの本体に着脱自在に固定されるハンドルを有している図3〜6に示されるプローブの側面図である。
【図9】馬尾症候群を検出するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置を有しているプローブを示す本発明の好ましい実施形態の変形例の側面図である。
【図10A】第1の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図3〜5で示すプローブの側面図である。
【図10B】第2の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図10Aで示すプローブの側面図である。
【図11】本発明の好ましい実施形態の変形例により肛門周囲の感覚装置及び位置指示器を有する図3〜5、10A及び10Bで示すプローブの上面図である。
【図12A】第1の位置において肛門周囲の感覚装置を有している本発明の好ましい実施形態の他の変形例によるプローブの側面図である。
【図12B】第2の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図11Aに示されるプローブの側面図である。
【図13】診断用要素及び温度計を有する本発明の好ましい実施形態によるプローブの側面図である。
【図14】不規則性検出器及び温度計を有するプローブの本発明の好ましい実施形態の他の変形例の側面図である。
【図15】診断用要素、不規則性検出器及び温度計と同様に患者の肛門部の筋肉に加えられる圧力または力を測定するセンサ、及び、肛門周囲の感覚装置を有しているプローブを示す本発明の好ましい実施形態のさらに別の変形例の上面図である。
【図16】本発明の好ましい実施形態によるハンドルを有しているプローブが中に挿入された直腸の断面図である。
【図17】本発明の好ましい実施形態によるプローブ本体から取り除かれているハンドルを中に有しているプローブを有する直腸の断面図である。
【図18】概略的な形状における直腸状態のプローブの好ましい実施態様の基本的な形状の側面図である。
【図19】概略的な形状における肛門周囲の感覚プローブの本発明の好ましい実施形態の基本的な形状の側面図である。
【図20】本発明の好ましい形態の有効な構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明が本明細書において記載される好ましい実施態様に関して記載される一方、本発明がそのような実施態様に制限されないことは明らかである。したがって、本明細書における実施態様の説明は、単に本発明の解説用であり、発明の範囲を制限する意図を有しない。
【0047】
図2は、患者の直腸11の解剖学的組織を示す。直腸11は、成人のヒトの大腸の10から15センチメートルで、わずかな部分である(この範囲は小児及び様々な種類の動物で変化する)。直腸壁の内側の内臓平滑筋層の末端の厚みは、一緒に肛門括約筋14を構成する外部の肛門括約筋13によって囲まれる内肛門括約筋12を形成する。(本明細書において以下に「肛門部の筋肉14」とも呼ぶ)。男性の前立腺はドーナツの形をしていて、恥骨の後ろで、ちょうど直腸の前で、まさに膀胱の下にある。それは、尿道の周りを包む。前立腺の外面の壁は、デジタル直腸検査を経て触診することができる。
【0048】
図3及び4で示す本発明の好ましい実施形態において、プローブ10は、一般に本体15、センサ20及び指示器25を含む。プローブ10は、内肛門括約筋12、外肛門括約筋13または肛門部の筋肉14に加えられる圧力及び/または力(以下に、本明細書において「圧力及び/または力」という句は「圧力」と呼ぶ)を測定するためにセンサ20を患者35の肛門30に挿入する。指示器25は、医師、臨床医、看護士または他の医療検査官(本明細書において集合的に「検査官」と呼ぶ)に圧力を表示することができる。圧力は、平方インチ当たりのポンドのように実際の測定された圧力である、または、圧力が閾値を満たすまたは上回るまたはそれ未満であるかを示し、閾値は、患者が馬尾症候群であるかどうかを示すことができる。患者35の肛門30に関して本明細書において記載されるが、プローブ10が、周囲の膜組織によってプローブ10に加えられる圧力を測定するためヒトまたは動物(すなわち患者)のいかなる開口部にも使われると理解される。さらに、肛門部の筋肉14によって加えられる圧力の測定に関して本明細書において記載されるが、プローブ10が、内肛門括約筋12または外肛門括約筋13またはこれらの筋肉のいかなる組合せによっても加えられる圧力を測定するために使われると理解される。
【0049】
図3及び4に示すように、本体15は、第1または前方端部40、及び、第2または後方端部45を備える。本質的に円柱状にまたは指のように示されるが、本体15は、肛門30に第1端部40の挿入を可能にするいかなる形状も有する。添付の図で示す本体15は、10から20mmの範囲で直径D及び20から200mmの範囲で長さLを有する、細長い魚雷形の形状を有する。本体15は、検査官にプローブ10の所望の挿入深さを示すための一以上の標識47を備える。非制限的な例において、標識47は、肛門30への本体15の過挿入を防ぐのに十分な長さ分、本体15から本質的に垂直に外側に延長する図3で示す突出部49である。図3に示すように、挿入LMIの最大の長さである本体15の部分は、数字17によって示される。長さLMIは5から10mmまでの範囲であるべきであるが、上記の長さLのようにこれも変化する。これらの範囲は、プローブ10が使われる意図を有する患者35のタイプにより、もちろん変化することができる。(プローブ10が様々な患者35において使われる場合、D、L及びLMIの異なる範囲を有する一組のプローブ10が存在してもよい。)
【0050】
本体15は、金属、ポリマー、可塑物、複合材及びその混合物で構成されると理解される。非制限的な例において、本体15は、従来技術において周知の殺菌手順を受けることができるいかなる材料であってもよい。保護用外装またはコンドーム(図16及び17の外装83参照)が、本体15の再利用を可能にするように本体15の無菌性を維持するために提供されるとも理解される。その上に挿入される本体15または外装表面またはコンドームの表面は、肛門またはそれが挿入されるその他の開口部の表面を刺激するまたは傷つけるべきではない。
【0051】
センサ20は、肛門部の筋肉14によってプローブ10に加えられる圧力を測定する。センサ20は、機械センサ、電気センサ、空気圧センサ及びその組合せを含むがこれらに限らず圧力を測定することができるいかなるセンサまたは変換器であってもよい。非制限的な例において、センサ20は、ばね式センサである。本体15内に位置するように示されるが、センサ20は、本体15上のまたは中に位置し、本体15またはそのいかなる部分の全長に沿って延長すると理解される。先に説明したように、センサによってモニタされる圧力は、閾値を満たすか、それを上回るか否かである。
【0052】
検査官は、例えば、挿入の間、引抜いた時、または、患者35が検査室から出た後の実時間のように一以上の形状において圧力データを受信する。図3に示すように、指示器25は、肛門部の筋肉14によって加えられる圧力を表示するためのプローブ10に備えられる。指示器25は、機械式、デジタル、液圧、空気式または視覚的(圧力の変化、または、圧力範囲の変化で、強度または色において変化することができる照明、または、プローブ10の挿入の期間の後、閾値が満たされるまたは満たされない場合に点灯する警報光)または同種のものであると理解される。
【0053】
そのようなデータまたはその部分またはその減少は記録される、または、有線または無線ネットワークを通じて通信される、または、その代わりに、搭載されたプローブ10それ自身に蓄積される、または、同時にいくつかの方法で記録されるまたは通信されると理解される。非制限的な例において、最も図5によく示されるように、プローブ10は、コード50を経て(または、無線で実行されて)(例えばコンピュータ46上の)遠隔指示器25に接続される。したがって、データは、患者35の医療記録の一部として自動的に保存される。最も図6によく示されるように、プローブ10は、データをコンピュータ46及び/または指示器25に伝えるため、無線送信機55(例えば無線周波数識別または「RFID」タグ)を備える。
【0054】
しかしながら、電池の動力が使われているかによって、及び、場外のコンピュータがデータを受信するために使われているかによってプローブ10は、制御盤を必要とするまたは必要としないと理解される。プローブ10は、コードを経て電力を供給される、または、それ自身の電池または電源をその中(図示せず)に有すると理解される。プローブ10は使用後、例えば、データ抽出、プローブ殺菌/洗浄またはプローブ再装填のためドッキングステーション(図示せず)に挿入が可能であると理解される。プローブ10は、電力がプローブの動作のために必要な場合、電力のいくつかの供給源であり得るので、プローブ10は、電池が使われる場所として病院の緊急治療室または電気伝達から離れた場所において使うことができる。
【0055】
図7に示すように、プローブ10は、検査官による肛門30への挿入及び肛門30からの本体15の除去を容易にするためのハンドル65を備える。ハンドル65は、人間工学的に形成され、金属、ポリマー、複合材及びその混合物を含むがこれに限らない適切な材料でできている。ハンドル65は、本体15の孔によって受容されるようにそれへ取り付けられる軸81を有する。軸81の近くの矢印は、ハンドル65が本体15からの除去のために移動されなければならない方向を示す。非制限的な例において、ハンドル65は、ハンドル65が再利用され得るように従来技術において周知の殺菌手順を受けることが可能である。ハンドル65はまた、取り外し可能な外装(例えば図16及び17に示される外装83)によりカバーされ、もちろんプローブ10を使用している検査官は通常、衛生用手袋を使用する。
【0056】
最も図8によく示されるように、ハンドル65は、着脱自在に本体15に固定される。例えば、本体15が挿入されて肛門30から引抜かれた後、本体15は処分するためにハンドル65から分離される。ハンドル65はそれで清潔にされ、再利用されると理解される。ハンドル65がコンピュータ構成要素及び指示器(例えばその中の指示器25)を有するので、再利用のためにハンドル65を保存することは、通常経済的である。本体15は使い捨てであっても、または、再利用のために清潔にされてもよい。もちろんある例では、本体及びハンドルは処分されてもよい。ハンドル65は、着脱自在にラッチ、クランプ、ピン等で本体15に固定される。非制限的な例において、ハンドル65は、本体15からハンドル65を分離するために動かされるトリガーまたはボタン68を備える。本体15及びハンドル65が着脱自在に取り付けられる正確な位置を確立するため、本体15及びハンドル65においてボール及び容器構造がそこに存在してもよい。
【0057】
図9で示す変形例において、プローブ10は、感覚検査を提供するため、肛門部の筋肉14に沿って肛門30及び/または膜組織の内部及び/または外側を囲む肛門周囲の領域を係合するための感覚装置70(以下に「装置70」)を備える。図9の突出部として示されるが、装置70は、肛門部の筋肉14に沿って肛門周囲の領域及び/または膜組織を係合することが可能ないかなる形状及び構成であると理解される。解説用の例は、一以上の隆起、窪み、溝、針、ピン、温度要素及びその組合せを含むが、これらに限定されるものではない。装置70は、本体15に固定されるまたは一体であり、金属、可塑物、ゴム、複合材などを含むがこれらに限らずいかなる材料からも作成される。装置70は、下記のように他の方法で作動することもできる。
【0058】
装置70の変形例は、図10A及び10Bに示す装置70Aである。解説用の例において、装置70Aは、図10Aで示す第1の(非係合)位置から、図10Bで示す第2の(係合)位置に移動可能である。第2の位置にある場合、装置70Aは、患者35の肛門周囲の領域と係合することが可能であると理解される。スイッチ、トリガー、ボタン等のアクチュエータ72は、装置70を第1の位置から第2の位置へ移動するために提供され、及び/またはその逆も同じである。非制限的な例において、装置70(及び70A)は、アクチュエータ72の操作により肛門周囲の領域に所定の圧力量を加えるために調整される。非制限的な例において、装置70(及び70A)は、例えば、肛門30から本体15の引抜きを容易にするため、(例えば挿入後の所定の期間の後)自動的に第2の位置から第1の位置に戻る。
【0059】
図10A及び10Bにおいて、本体15から外へ本質的に垂直に延長するものとして示されるが、装置70は、本体15からいかなる角度でも外側に延長されると理解される。非制限的な例において、装置70は、図12Aで示す第1の(非係合)位置から、図12Bで示す第2の(係合)位置に第1端部40の方へ本体15から外側へ延長される。本質的に直線の形状であるように示されるが、装置70は、様々な形状において提供される。非制限的な例において、例えば、装置70は、患者35の肛門周囲の領域との係合を容易にするために湾曲する。
【0060】
装置70の加熱または冷却に応答して患者35により報告される感覚の減少または欠如により、患者35が馬尾症候群のリスクにさらされていることが検査官に知らされる。非制限的な例において、装置70は、温度感覚検査に用いられる温度要素である。温度要素は、本体15に固定されるまたは一体であり、加熱及び/または冷却することができる。プローブ10は、プローブ10が電気的に駆動される場合に装置70を作動するために、電源(図示せず)に接続される、または、電池(図示せず)を収容すると理解される。温度感覚検査の非制限的な例において、プローブ10は、患者35の(肛門周囲の領域及び/または肛門部の筋肉14を含むがこれらに限らず)膜組織に装置70を接触させるため、患者35の直腸11に隣接してまたはその中に挿入される。装置70は、所望の温度まで加熱または冷却するため、例えば、ボタンまたはスイッチ(図示せず)で動かされる。装置70が例えば、動物にも使われるように肛門周囲の筋肉が反応を起こすことができる電気信号、温度信号、または、痛みを伴う刺激/複数の刺激(または、以下に刺激/複数の刺激と呼ばれる他のいかなる刺激/複数の刺激)を発することができるので、流体圧装置もまた本発明の範囲内である。
【0061】
患者35は、装置70の加熱または冷却に応答して患者35が感覚を感知した場所を検査官に示す。本体15上の装置70の位置を示すための位置指示器75(図11)は、患者35が正しく位置を識別したかを検査官に確かめる(例えば、両側の感覚を試験するため、刺激/複数の刺激が肛門周囲のまたは直腸領域の右または左に感知される)。
【0062】
図11に示すように、プローブ10は、検査官に装置70の位置を示すための位置指示器75を備え、一方でプローブ10は肛門30に挿入される。矢印として示されるが、位置指示器75は、いかなる印、照明等であってもよいと理解される。
【0063】
図13で示す実施態様において、プローブ10は、便の潜血試験を含むがこれに限らない診断用試験のための本体15上にまたはその中に診断用要素80(以下に「診断部80」と呼ぶ)を備える。非制限的な例において、診断用要素80は、便グアヤク試験を実行するために、グアヤク脂(綴りでguaiacまたはguiack)で被覆される薄膜に取り付けられる基板(例えば紙)である。第1端部40上の、または、その近くの本体15に固定されるように示されるが、診断部80は、本体15上またはその中のどこにでも固定されると理解される。診断部80は、本体15と一体であるとも理解される。
【0064】
便グアヤク試験の非制限的な例において、プローブ10は、その中に存在する便と診断用要素80を接触させるために患者35の直腸11に挿入される。引抜かれると、診断用要素80は、酸化剤(例えば過酸化物)と接触する。血液が便のサンプルにおいて存在する場合、血液を含んでいる便の内容と診断用要素80上の酸化剤とを混合することで、グアヤク脂は可視色に変わる。そのような試験は、例えば、消化性潰瘍、または、ガンのような悪性病変を表す胃腸管の失血を検出するために用いられる。図示していないが、診断用要素80は例えば、使用前の汚染からの診断部80を保護するため、取り外し可能なカバーを備えると理解される。
【0065】
図14で示す実施態様において、プローブ10は、例えば前立腺の疾患を示す前立腺の不規則性及び/または肥大のような不規則性及び肥大を検出するための肥大及び/または不規則性センサ90を備える。他の不規則性も同様に検出され得る。肥大及び/または不規則性センサ90は、本体15に固定するまたは本体15と一体である。肥大及び/または不規則性センサ90はまた、前立腺の地形センサとも呼ばれる。「不規則性」という語は、以下に不規則性及び/または肥大を意味する。前立腺の地形センサ90は、男性患者の前立腺を物理的に係合するためのいかなる装置でもあり、前立腺の不規則性及び/または肥大、それらのエコー、それゆえに前立腺の形状またはサイズを測定する装置での音、光、または、異なる波長の他の波動の排出を測定するために前立腺を係合する一種の感触装置、バルーンである。
【0066】
図4〜9、10A、10B、12A、12B及び13〜15に示すように、プローブ10は、患者35の体温を測定する温度計95を備える。温度計95は、本体15に固定される、または、一体である。従来技術において周知のいかなる温度計もプローブ10で使用されると理解される。温度指示器(図示せず)は、温度計95で測定した温度を検査官に指示するために提供される。温度指示器は、温度を表示するためのプローブ10上で提供される。温度指示器は機械的、デジタルまたはそれと同類のものであり、温度は有線または無線ネットワーク上で記録または通信され、または、その代わりに搭載されたプローブ10自体に蓄積すると理解される。警報(図示せず)は、温度を計測するのを検査官に示すために提供される。
【0067】
図15で示す実施態様において、プローブ10は、センサ20、装置70、診断部80及び不規則性検出器90を備える。しかしながら、プローブ20は、センサ20、装置70、診断部80及び不規則性検出器90のみで、または、そのいかなる組合せにおいても提供されると理解される。
【0068】
プローブ10を参照すると、図3〜9、10A、10B、11、12A、12B及び15〜17においてプローブ10がどのように使用されるかの例が後述される。使用において、本体15は、前述した(及び、図16及び17に示された)ように、コンドームまたは外装83によってカバーされ、ゲルによってなめらかにされる。検査官は、プローブ10(または、提供される場合、ハンドル65)の第2端部45を保ち、本体15を患者35の肛門30に(または、隣接して)挿入する。
【0069】
直腸または肛門周囲の状態の検査は、図4〜8及び15〜17に示すようにプローブ10によって実行される。最もよく図16及び17に示されるように、本体15は、肛門部の筋肉14によって及ぼされる圧力をセンサ20が測定可能な深さに患者35の肛門30へ挿入される。挿入の所望の深さは、例えば、標識47で、または、多くの標識47が提供される場合に選択された深さでプローブ10に目にみえて示される。非制限的な例において、患者35の肛門部の筋肉14によって及ぼされる圧力は、(肛門部の筋肉14が伸縮しない一方で)安静時、及び/または肛門部の筋肉14が患者35によって伸縮して(または、伸縮することを試みる)測定される。結果として生じる圧力データは、指示器25に表示される。肛門部の筋肉14によって加えられる圧力が異常である場合、患者35は、馬尾症候群のさらなる診断用試験または治療を受ける。
【0070】
肛門周囲の感覚検査は、図9、10A、10B、11及び15〜17に示すようにプローブ10によって実行される。最もよく図16〜17に示されるように、本体15は、装置70が患者35の肛門周囲の領域と係合することができる深さに患者35の肛門30へ挿入される。挿入の所望の深さは例えば、標識47でプローブ10に目にみえて示される。しかしながら、本体15は、肛門周囲の感覚検査を実行するために肛門30に挿入される必要はない。非制限的な例において、装置70は、第1端部40が本質的に肛門30に隣接して配置される場合、装置70が患者35の肛門周囲の領域と係合することができるように本体15上で(またはその中に)配置される。肛門周囲の領域の装置70との係合に応答して患者35によって報告される感覚の減少または欠如により、患者が馬尾症候群であるリスクにさらされていることが検査官に示される。患者35は、肛門周囲の領域と装置70との係合に応答して、検査官に患者35が感覚を感知した場所を示す。位置指示器75は、患者35が正しく場所を識別したか(例えば、右または左、上または下)どうか決定するため、装置70が係合する肛門周囲の領域の場所を検査官に確かめる。
【0071】
図17は、ハンドル65が取り除かれて、肛門30に挿入されたプローブ10を示す。しかしながら、実際は、ハンドル65は、肛門30から本体15が引抜かれる後まで、本体15から取り除かれない。本体15が取り除かれると、外装83は本体15から取り除かれ、本体15及びハンドル65は再利用のために清潔にされる。
【0072】
馬尾症候群を診断するために直腸の状態の測定に特に使われる本発明の好ましい実施形態は、概略的に図18に示される。その基本的な形状において、本発明のプローブ110は、本体115の対向端部で第1または前方端部140、及び、第2または後方端部145を有する。本体115は、本体115が挿入される患者35の肛門30の直腸状態をモニタするための直腸状態センサ120を有する。センサ120は、患者35が馬尾症候群を有するかまたは馬尾症候群が存在するリスクがあるかどうかを決定する。上記したように、直腸の状態を測定するために利用できる多くのタイプのセンサ120が存在する。本体115は、肛門30への本体115の効果的な挿入のための様々なタイプであり得る。それは、挿入される肛門30による適当な挿入のための、さまざまな形状、効果的な挿入のためのさまざまな程度の硬度、及び、肛門30の通路に従うような適切な柔軟性を有することができる。直腸状態センサ120は、直腸状態をモニタするのに適切に位置するように配置されなければならず、これは肛門30への本体115の挿入の分量によって、部分的に決定され得る。
【0073】
本発明の一態様による発明の他のプローブ210は図19に示され、本体215、第1または前方端部240、第2または後方端部245、及び、肛門周囲の感覚センサ270を含む。肛門周囲の感覚センサ270は、反応(音声または筋肉反応によって)があるかどうか決定するため、肛門30を囲んでいる肛門周囲の領域の部分に刺激/複数の刺激が適用される。肛門周囲の感覚センサによって、馬尾症候群でない人が、温度の変化(例えば500°Fのような冷たい温度)、pHの変化、健常な肛門周囲の領域をもつ患者によって感じられるのに十分強い電荷を検出するまたは反応する(または、この点に関しては自分の意見を述べることができない人または動物において反応を生成する)例えば、針刺激、力、圧力また、他の突出部の衝撃(上記したように、作動位置から静止位置まで移動されるべきである)、または、他のいくつかの刺激/複数の刺激のような、及び/または、無損傷の肛門周囲の及び/または直腸検知器官などによって一般に検出される他のいかなる刺激/複数の刺激のように、肛門周囲の領域に触知できる現象が生じる。本体215の特徴は、本体115のものと同様である。
【0074】
患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかどうか直腸の状態を決定する力または圧力は、成人のヒトで0から5mmHgまでの範囲であると予想される。適切な電荷もまた、括約筋に電荷を与えて、適切な情報を得るため、電極と同様に直腸状態を測定するのに適用され得る。患者の直腸状態の閾値の圧力または力は患者の年齢、性別、大きさ、特定の人種ら、及び、患者が動物である(同様に動物でも変化し得る)といった因子によって決めることができる。本発明のプローブによって決定されて使われる正確な閾値を得るため、統計学的に信頼性が高い群の各々のタイプの患者で可能な患者に評価試験が実行されるべきである。これが決定されると、本発明のプローブはそれにより決められ、本発明のプローブは、通常経済的な方法で速くかつ正確な結果を出すためにごく普通に用いることができる。本発明のプローブは、比較的使い勝手が良く、必ずしも外科医または他の医師である必要はないが、資格のある看護士または他の健康管理スペシャリストである、かなり熟練した実務家によって管理され得る。プローブ自体は、公知の製造法を用いて経済的な方法で作成され得る。プローブは衛生的に包装され、それらの全部または一部は使い捨てである、または、再利用のための衛生的な洗浄を受けることができる。本発明の直腸状態試験は客観的であり、試験の間、患者が正確に状態を説明することができない、または、まったくコミュニケーションができない場合であっても、正確に管理され得る。本発明のプローブの日常的な使用は、馬尾症候群の排除に効果があり、同様にこのことにより提起される訴訟を減少または排除することへの長い道のりにつながる。
【0075】
プローブ110及び210は、使用後、使い捨てであり、保護用カバーでカバーすることができ、上記したようにハンドルを有する。ハンドルまたはプローブ110及び/または210は、使い捨てである、または、全体的あるいは部分的に再使用可能であり得る。
【0076】
都合よく、直腸状態センサ120及び肛門周囲の感覚センサ270は、同じ本体115または215であり得るが、これは、本発明に必ずしも必要なものではない。図18及び図19は、センサ120及び270は、別々のプローブ110及び210にあり指示器のような特定の部分が共有されるが、互いに独立して作動することを示す。
【0077】
上述のように、センサ120及び270が適切に肛門30に位置する場合、プローブ110及び210は最も効果的である。これは、それぞれの深さセンサ147及び247として、図18及び19に示されるいかなる深さ指示センサによっても実行され得る。上記のように、標識または他のいかなる深さを定めている特徴が存在し得る。
【0078】
図20は、本発明の好ましい実施形態のバーションの動作を示している概略図である。あるバージョンの検出装置は直腸状態を検出して、入力信号に対応して出力信号を生成することができる出力装置に入力信号を伝える変換装置(変換器であってもよい)に物理的、電気的または化学的信号を伝える。出力信号は、直腸状態の値、測定される直腸状態が馬尾症候群の存在またはそれが存在するリスクを示す状態またはその下にある場合に起動させられる警報、例えば直腸の状態、可聴信号等の値で色が変化する照明から適切に着色された信号を示す電子回路表示装置であり得る。図20に示される装置は、一種の動力計として機能する及び作動することができる。
【0079】
本明細書における考察はヒト患者での本発明のプローブの使用に主に関するものであったが、動物でも同様に使うことができる。同じ考察は、先行する項目にも適用される。
【0080】
例えば馬尾症候群及び前立腺の地形のような、本発明による測定のいずれかでの様々な通常の値は、公知であり、様々な測定技術を使用して展開され得る。関係する患者のタイプによって決まるさまざまな閾値であるこれらの値は、本発明により本明細書において記載されるプローブのために使用される基準値として使われ得る。
【0081】
特定の実施態様または複数の実施態様に関してこのプローブ10が図と共に記載されたが、本明細書及び添付の図面を読み込むと、多くの代替物、修正及び変形が作成されることは当業者に明らかである。加えて、示された一以上のいくつかの実施態様のみに関して、特定の特徴が上記される一方、そのような特徴は、与えられたまたは特定の適用のために要求されるまたは好都合であるように、他の実施態様の一以上の他の特徴と結合される。したがって、本発明は、すべてのそのような代替物、修正、変形及び組合せを受け入れる意図を有する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年7月23日に出願の米国仮特許出願番号第61/271,606号の優先権を請求するものであり、その主題は参照により全体として本願明細書に引用したものとする。
【0002】
本発明は一般に開口プローブに関するものであり、そのようなプローブの使用のための方法と同様に、特に診断手順において用いられる直腸プローブに関するものである。
【背景技術】
【0003】
脳の拡張部として、神経根は、骨盤内器官及び下肢へ/から伝達信号を送受信する。図1は、横断面で示される馬尾(中心脊髄管で脊髄の基部から延長する束の神経)を有する脊椎骨、及び、中心脊髄管を出て、脊椎骨の両側で椎間穴を通って延びる2つの神経根のおおよその上面図を示す。脊髄及び馬尾は中心脊髄管を通って脊柱に沿って垂直に走り、一方で神経根は、隣接した脊椎骨間で脊髄及び馬尾の中で分岐し、椎間穴を通って延びる。
【0004】
馬尾症候群は、腰椎または腰仙脊柱の重度の神経圧搾がある状態であり、仙骨根は機能しなくなり、患者は腸及び膀胱を制しきれなくなる。他の馬尾症候群の発現は、サドル麻酔、または、関連する脱力またはしびれ感を有して下肢に放射状に広がる痛みである。しかしながら、馬尾症候群の特質は、動脈円錐下の重度な神経圧搾であり、腸及び膀胱制御の明らかな損失につながる。これにより、膀胱膨張からの激痛により尿閉する及び排尿することができない、または、彼または彼女が認識せずに排尿または排便してしまう腸及び膀胱制御の明らかな損失が引き起こされる可能性がある。サドル麻酔が多くの場合存在するという事実はまた、患者にそのような偶発症候が生じるのを認識させない。
【0005】
腰痛は一般的なものであり、通常、手術をしない治療によって解消する。しかしながら、狭窄または神経圧搾がある場合に、患者は、多くの場合、圧搾されている神経の配置にしたがい下肢に放射状に広がる激痛を経験する。患者はまた、脱力、しびれ感、及び/または、歩くまたは立つのが難しい、刺すような痛みを経験する。これらの場合において、患者の神経性症状を軽減するため、圧搾されているまたは圧壊した神経の圧力を取り除く除圧手術の形の外科的処置が必要とされる。
【0006】
しかしながらこれにもかかわらず、狭窄、または、神経圧搾の場合でさえも、本当の外科的緊急事態でない。一般に手術を急ぐ必要性は感じられず、腰椎脊柱において外科的に神経圧搾を治療する適切な機会は、患者の生活の質が容認できない点に到達した時、及び、すべての合理的な手術をしない治療が失敗した時である。手術が腰椎神経要素の圧力を下げるために実行される場合、成功率は、85〜90%の範囲で、神経性症状が素晴らしく改善される。2年以上にわたりその状態が存在する時点までに成功率の低下が注目されたことはなく、これらの場合でさえも、低下はおよそ10%のみある。したがって、状態が2年以上にわたり存在する場合、成功率は、まだ75〜80%の範囲にある。このように、患者は概して、狭窄のための手術が、彼または彼女が実行する準備ができて、それを望むと考える時の「生活の質」の問題であるように教えられる。
【0007】
しかしながら、外科的緊急事態と考えられる1つの腰椎状態は、馬尾症候群である。馬尾症候群は比較的珍しく、狭窄の場合の1〜2%未満に含まれる。しかしながら存在する場合には、本当の外科的緊急事態であり、緊急ベースで実行されない手術は、成功率及び術後機能の劇的な減少につながることが分かった。腸及び膀胱を制御する能力を回復することは普遍的に非常に重要であるものとして受け入れられていて、手術は、患者にこの重要な機能を回復する最高の可能性を与えるものとされる。アンらによる「Spine」1999年(Ahn et al.,Spine,1999)による最近の研究は、除圧手術が48時間以内に実行される場合、これは、患者に80%の範囲で腸及び膀胱制御の回復の最高の可能性を提供することを示した。除圧手術を実行するため48時間を越えて待機した場合、成功率は、およそ50〜60%に下がる。{Ahn UM, Ahn NU,Buchowski, JM,Garrett,ES, Sieber, A.N, Kostuik JP,「椎間板ヘルニアに付随する馬尾症候群:外科的結果のメタ分析」、Spine (Phila., Pa., 1976). 2000 Jun 15; 25(12): 1515−22.} したがって、馬尾症候群は、本当の外科的緊急事態であると考えられる。
【0008】
馬尾症候群の原因は、巨大な椎間板ヘルニア、重症脊髄狭窄、脊椎すべり症、または、重症神経圧搾を引き起こす腫瘍または感染症のようないかなる腫瘤を含むが、これらに限定されるものではない。しかしながら、原因に関係なく、共通のつながりは、腸及び膀胱制御を損失させるような仙骨根の遮断を引き起こす重症神経圧搾が動脈円錐の下にあるということである。
【0009】
最も一般的な馬尾症候群の原因は、馬尾に過剰な圧搾を生じる椎間板ヘルニアである。馬尾症候群は、すべての椎間板ヘルニアのおよそ1〜2%の発生率で比較的まれである。馬尾症候群の結果は多くの場合、痛みを伴いかつ多数の衰弱化効果を有するということで非常に深刻である。これらは、麻痺、性的機能不全、及び、不妊(女性の)であり得る、腸及び膀胱失禁、脚部脱力、歩行異常、痛みを伴う知覚異常、尿閉、泌尿生殖器欠損、臀部、(女性の)膣のしびれ感、神経性膀胱機能不全、神経障害性の痛みを含み、生命維持障害を含む。馬尾症候群はまれな発生であるが、腰椎脊髄狭窄及び椎間板ヘルニアは非常に一般的であるので、いかなる医師もこの状態に直面し得る。
【0010】
これは緊急状況であると考えられるので、「見落とされた」馬尾症候群により、多くの訴訟が提起されてきた。上記したように、狭窄または神経圧搾が存在する場合であっても、馬尾症候群は、腸及び膀胱の機能の損失がある場合にのみ、存在する。個人が馬尾症候群であるかを決定する特質はしかしながら、患者の主観的な病訴に基づかず、むしろ直腸検査に基づくものである。概して臨床医は、手袋をはめた指を肛門に挿入し、主観的に、状態、随意収縮及び肛門周囲の知覚を測定する。しかしながら、これらは主観的な測定であり、通常の状態及び随意収縮があるべきものに関する客観的な測定はない。加えて、臨床医の経験に基づいて、異なる意見が生成され得る。さらに、馬尾症候群が比較的まれであるので、多くの臨床医は、正常状態が減弱するまたは不在である本当に異常な直腸試験の経験を有しない。例えば、患者が最小のまたは少しも肛門の正常状態を有しない場合であっても、患者は、一緒に臀筋を押すことができ、本当は存在しない場合にも正常状態または随意収縮があるような外観を与えることができる。
【0011】
肛門周囲のまたは直腸の感覚は、例えば、患者の左右の肛門周囲の領域に適用される安全ピンからの針刺激のような刺激または複数の刺激を患者の肛門周囲のまたは直腸領域に適用することにより、臨床医によっても測定される。肛門周囲の針刺激に応答して患者によって報告される感覚の減少または欠如により、患者が馬尾症候群のリスクにさらされていることが臨床医に示される。肛門周囲の感覚は、多くの場合試験するのが困難である。患者には痛みがあり、通常非常に非協力的である。さらに、患者は、医者が肛門部に接近できるように横向きに回転しなければならない。患者の協力なしで、適切に患者を正しい体位にすることは困難である。例えば痴呆症を患っている患者のような患者は、肛門周囲の感覚が減少しているか、または、ないかに関して表すことができない。したがって、肛門周囲の感覚は、しばしば測定されない。神経病学的機能があるかどうか決定する特質は運動及び感覚の両方の検査を含むので、これは問題がある。さらに、従来の肛門周囲の感覚の針刺激試験も、様々な欠陥を有する。そのような欠陥は、安全ピンで肛門周囲の領域に接近し、安全ピンで肛門周囲の領域に穿刺する時に適切な力を加える難しさを含むが、これに限定されるものではない。
【0012】
このように、馬尾症候群は、比較的まれな状態である。それは、通常、腰仙脊柱の管の中の大きな占拠性病変に関連する。上記のように、馬尾症候群は、腰の痛み、座骨神経痛、下肢感覚の運動損失及び、腸及び膀胱の機能不全によって特徴付けられるが、この状態を定め、本当の外科的緊急事態としてそれを区切るのは腸及び膀胱機能の損失である。
【0013】
馬尾症候群の最初の症候及び症状は潜行性であり、会陰のサドル麻酔、尿閉、しびれ感、両側性の下肢の痛み及び脱力を含む。医師の一次的かつ緊急事態治療下にある多数の患者が腰痛及び座骨神経痛を有し、馬尾症候群がまれであるので、馬尾症候群は多くの場合、見落される。腰椎疾患の頻度の多さ、及び、馬尾症候群が全体的にまれなことであるため、臨床医がこの状態を見落すのは一般によくあることである。
【0014】
馬尾症候群が腰椎疾患において少数であるが、一般の腰椎疾患の全体的な頻度を考慮すると、この状態が合理的な頻度で発生し、いかなる医師によっても直面され得る。したがって、馬尾症候群は、すべての医師に知られているべきであり、さらにそれが見落とされた場合、受け入れがたい訴訟手続きになる状態であると考えられる。この状態を見落として、この問題の緊急の外科的治療を遅延させる医師のための治療の基準を以下で検討する。
【0015】
そのような従来のスクリーニング技術及び不適当に診断した場合の結果のひどさにおけるこれら及び他の欠陥により、医師は、重症神経圧搾を規定することによりこの状態を規定するため、通常MRI(磁気共鳴イメージング)スキャンまたは(MRIを受けることができない患者において)CT骨髄造影像に依存する。しかしながら、馬尾症候群はまれであり、そのような手順は、特に緊急治療室の状況において数時間の後に指示される場合に高価でかつ扱いにくい。馬尾症候群がまれであると認められるので、馬尾症候群の通常の検査のために開発された実用的なプローブは存在せず、この症候群の発生を見落とす結果となっていた。馬尾症候群の見落としが起こり、外科的処置が遅延した場合、腸及び膀胱機能不全の回復の成功率は、かなり減少する。これはまた、医療過誤訴訟からの巨大な裁定額と同様に、不幸でかつ高価な治療につながるものである。
【0016】
したがって、馬尾症候群を診断するプローブ及びプローブを使用する方法を提供することが望ましい。通常の肛門/直腸の状態の客観的な測定を可能にするプローブは、特に緊急治療室の環境における馬尾症候群の規定に関して、腰の痛みまたは神経性症状患者の医療診断を提供する際に大きな利点を有する。さらに、限定的な官能評価の実行を可能にするプローブもまた、大きな利点を有する。そのようなプローブは、患者と同様に臨床医にとってもより衛生的であると考えられ、この恐ろしい状態が患者に存在しないかどうかを確実にするより限定的な方法を提供するような、より客観的な測定を提供する。比較的安価に製造可能であり、使用の後、使い捨て可能であり、馬尾症候群を検出する際に信頼性が高いようなプローブが開発される場合、特に有益である。
【0017】
馬尾症候群また、動物において、特に犬、とりわけダックスフントにおいても発生する。ダックスフントが人間において軟骨発育不全症を引き起こすのと同じ遺伝性疾患で苦しむので、彼らは、成人中期に到達する時の先天的に小さな脊髄管により、軟骨発育不全症患者が概して患う重症の脊髄狭窄を患う。最も一般的な症状は、特に背部、一方または両方の後脚または尾部の痛みである。しかしながら、動物は症状を報告することができないので、狭窄が重症であるかどうか決定するのは、しばしば困難である。犬が完全に失禁状態になり、下肢機能が失われるまで、病気は通常進行する。下肢麻痺がこれらの犬において頻繁に発生するので、ダックスフント専用の車椅子が製造されている。現在、反射の検査、神経学的試験、及び、骨髄造影像(すなわち、色素を注入して、X線の単純写真を実行する)の実行により診断される。しかしながら、命令に従うことができない犬の神経病学的検査を実行するのは困難であり、反射は、重症狭窄が存在することを決定する際の感度及び特性が乏しい。さらに、脊髄造影は痛みを伴い、関連するリスクを有し、高価かつ侵襲的であり、このように日常の識別のためには不良なツールである。その切迫したまたは有意な神経病学的危殆化が発生していると飼主及び獣医が警告されて、重症狭窄及び神経病学的機能の損失が一般的である年齢に到達した時でも、肛門部の検査は、これらの犬の日常ベースでは概して実行されない。本明細書において開示される発明が人間及び動物に使われ得るので、本明細書において使用される「患者」という語は、人間及び動物の両方に適用される。
【0018】
脊髄円錐または脊髄自体で生じている外部圧搾もまた、腸及び/または膀胱機能の変化または損失を引き起こすこともまた注目されるべきである。したがって、馬尾の圧搾が、外部神経圧搾から生じる腸及び/または膀胱機能の損失の最もよくある原因である一方で、医師もまた、神経軸においてより激しい圧搾が同様に腸及び/または膀胱機能の変質につながる可能性があることを認識しなければならない。本出願では、外部神経圧搾が、馬尾症候群、脊髄円錐症候群または脊髄圧搾のような腸または膀胱機能の変質につながるいかなる状態も「馬尾症候群」と呼ばれる。
【0019】
多くの医師が認識しなければならない健康の問題は、泌尿器症状及び前立腺ガンを示す可能性がある通常の形状の男性前立腺の肥大及び変化である。通常実行される第1の試験である第1の検査は、デジタル直腸検査である。この検査において、医師は手袋をはめた指を直腸に挿入し、直腸の次に前立腺の部分に触れる。この検査により、医師は前立腺のサイズ及び状態の一般的な認識が与えられる。これは主観的な試験であり、試験を適用している人によってその精度が決まる。さらに試験がなされるべきかどうかは決定する最初の試験であるが、試験の省略、または、試験結果の誤った判断は、恐ろしい結果につながる可能性がある。前立腺ガンが生じた疑いがある場合、プローブが、前立腺で音波を導くための直腸に挿入される。音波のエコーパターンは、ディスプレイスクリーン上に前立腺の画像を形成し、腫瘍があるか否かを示す。腫瘍が疑われる場合、顕微鏡検査のために前立腺膜組織を取り除く生検が、通常用いられる。これと同じ状態は、多くの動物の雄にもあてはまる。
【0020】
多くの装置は、専門の筋肉機能を測定するために開発されてきた。米国特許第5,452,719号(Eismanら、1995)において、独立した筋運動データを提供して、肛門管群の異なる筋肉の相互作用及び共調運動を明らかにするための電極が議論される。それは、狭い時間分解能内での別々の筋肉群の動作を使用する。それは、管の遠位の筋肉から筋運動信号を受けるために絶縁性支持体の外側表面に配置される一対の電極と、データを肛門部の管の遠位及び近位部分に提供するため、管の近位の筋肉から筋運動信号を受ける第1の電極から間隔を置かれる第2の電極との使用を含む。米国特許第5,533,515号(Collerら、1996)は、括約筋の内側表面または内腔の他の部分によって固体プローブの外側表面に適用される収縮圧力の測定及びマッピングのための固体プローブを含む括約筋筋収縮計に関するものである。次に米国特許第7,485,099号(Benderev、2009)を参照すると、この特許は、特定の容量を維持するまたは一般に拡張した状態を維持するように膜を支持する材料を保つ風船のような袋を開示し、圧力の閾値分量がその袋に適用される場合、外科医が移植組織、膜組織、吊り包帯または移植片を配置できるように折り畳み式である。米国特許公開番号第2009/0082702A1号(Folkertsら、2009)は、患者の皮膚上の電極からの電気応答が分析のために識別されるように、球海綿体筋の筋肉を刺激し、刺激時間を識別する電気機械プローブに関するものである。反射が陰核または陰茎の機械的な刺激を経た会陰部の球海綿体筋の表面筋肉の活性化から誘発される時の球海綿体筋反射応答を測定するための識別システムが、開示される。結果として生じる反射の測定は、球海綿体筋の異常を検出するために用いることができる。米国特許第7,678,064号(Kuban、2010)において、患者の体を加圧し、患者が感知する最も低い加圧量及び/または患者が耐えることができる最も高い加圧量を決定することによって、患者の主張する触覚の感度を検出する装置が開示される。前述の特許のいずれも、馬尾症候群を決定するシステム、または、前述の症候群が存在するまたはそれが存在するリスクがあるかどうかを迅速かつ正確に決定するための装置を提供しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定する装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかをごく普通に決定する装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを迅速かつ容易に決定するプローブを提供することである。
【0024】
本発明の追加の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを迅速かつ容易に決定するプローブを提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかをごく普通に決定するプローブを提供することである。
【0026】
またさらに別の本発明の目的は、ごく普通に、迅速かつ有効な方法で、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定することである。
【0027】
なおさらなる追加の本発明の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定するため、患者の直腸の状態を測定するプローブを提供することである。
【0028】
さらなる本発明の目的は、患者が肛門周囲の感覚を有するかどうかを容易かつ迅速に決定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブの供給である。
【0029】
追加の他の本発明の目的は、適当な深さで、患者の直腸の状態を決定し、患者が肛門周囲の感覚を有するかどうか決定し、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0030】
さらに追加の本発明の目的は、患者の直腸温を測定するように患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0031】
追加の本発明の目的は、便の潜血試験を可能にするように、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0032】
さらに別の本発明の目的は、患者の肛門周囲の及び/または直腸の感覚を決定するため、その刺激/複数の刺激物質が患者によって受容されるかどうか確認するように患者に様々な肛門周囲及び/または直腸の刺激/複数の刺激を引き起こして、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0033】
追加の本発明の目的は、一以上の測定をして、それらの測定を意味がある形で検査官が利用できるような装置を提供するため、患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0034】
また本発明の目的は、プローブの容易な挿入及び引抜きを可能にする構造で患者の肛門へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0035】
本発明の別の目的は、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを容易に、効果的に及び経済的に決定する方法を提供することである。
【0036】
本発明のまたさらなる目的は、患者が馬尾症候群であるかをごく普通に決定するための方法を提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、開口部を定めている表面によって及ぼされる圧力を決定するため、患者の開口部へ挿入するためのプローブを提供することである。
【0038】
本発明の別の目的は、男性患者の前立腺の解剖学的地形をごく普通に決定するためのプローブを提供することである。「解剖学的地形」は、(それが肥大しているかどうか確認するために)前立腺の大きさ、または、例えば前立腺ガンに関係するような不規則性を指す。
【0039】
本発明のさらなる目的は、患者が馬尾症候群のリスクを有するか、及び、前立腺の不規則性及び/または肥大を有するかどうかを決定するため、男性患者の直腸の組み合わされた検査をするためのプローブを提供することである。
【0040】
さらにまた別の目的は、プローブが患者の前立腺に地形信号を生成し、前立腺の地形を示す信号の前立腺の地形の影響を測定するための(プローブの一部として、または、プローブから離れた)地形指示装置を含む、男性患者の肛門に挿入するためのプローブを提供することである。
【0041】
好ましい実施態様はまた、患者の直腸の状態を別々に及び独立して測定し、肛門周囲の感覚を決定するための別々のプローブを含む。
【0042】
これらの及び他の目的は、以下の説明から及び添付の請求の範囲から決定される。
【0043】
前述の目的は、患者の肛門への挿入のためのプローブの供給によって、本発明の好ましい実施形態によって達成される。プローブは、患者の直腸の状態を測定するための特徴、及び、患者が肛門周囲及び/または直腸の感覚を有するかどうか決定するため、患者の肛門周囲の部分または直腸領域へ肛門周囲及び/または直腸に与える刺激/複数の刺激を適用するための構造を有する。本明細書において「肛門周囲」という語が使われるところで、「肛門周囲」は、「または直腸」を含むものとして定められる;同様に、本明細書において「直腸」という語は、「直腸」が、「または肛門周囲」を含むものとして定められる。直腸の状態は、休止している状態及び随意収縮の一方または両方を含み、以下にそのように使われる。直腸の状態は、括約筋の力または圧力の測定を通常指すが、「直腸機能」と呼ばれる状態の測定のための電荷を指すこともできる。ここで使用されるように、直腸の状態は、直腸機能を含む。直腸の状態及び肛門周囲の感覚の決定により、患者の検査官が、患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかを決定することができる。構造は、作動中及び静止した状態間で患者が肛門周囲の感覚、直腸温、便の潜血の存在を有するかどうか決定し、理解できる形状で検査官に測定値を伝えるための装置を配置するようにプローブの患者の肛門への挿入の深さを確立するため、プローブに接続されて有効に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
発明の動作と共に、目的及び効果は、以下の図と関連して、以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解される。図面の説明は以下の通りである:
【0045】
【図1】腰椎の上面図、馬尾及び2つの出ている神経根の断面図を示す脊柱の断面図である。
【図2】直腸の断面図である。
【図3】本発明の第1の好ましい実施形態による馬尾症候群の発生を検出するためのプローブの斜視図である。
【図4】患者の肛門部の筋肉に加えられる圧力または力を測定するためのセンサを有する図3に示されるプローブの側面図である。
【図5】図3及び4に示されるプローブの出力信号に反応する遠隔指示器またはコンピュータに接続される図3及び4に示されるプローブの側面図である。
【図6】遠隔指示器またはコンピュータへの無線接続を有している図3〜5のプローブの側面図である。
【図7】ハンドルを有している図3〜5に示されるプローブの側面図である。
【図8】プローブの本体に着脱自在に固定されるハンドルを有している図3〜6に示されるプローブの側面図である。
【図9】馬尾症候群を検出するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置を有しているプローブを示す本発明の好ましい実施形態の変形例の側面図である。
【図10A】第1の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図3〜5で示すプローブの側面図である。
【図10B】第2の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図10Aで示すプローブの側面図である。
【図11】本発明の好ましい実施形態の変形例により肛門周囲の感覚装置及び位置指示器を有する図3〜5、10A及び10Bで示すプローブの上面図である。
【図12A】第1の位置において肛門周囲の感覚装置を有している本発明の好ましい実施形態の他の変形例によるプローブの側面図である。
【図12B】第2の位置において肛門周囲の感覚装置を有している図11Aに示されるプローブの側面図である。
【図13】診断用要素及び温度計を有する本発明の好ましい実施形態によるプローブの側面図である。
【図14】不規則性検出器及び温度計を有するプローブの本発明の好ましい実施形態の他の変形例の側面図である。
【図15】診断用要素、不規則性検出器及び温度計と同様に患者の肛門部の筋肉に加えられる圧力または力を測定するセンサ、及び、肛門周囲の感覚装置を有しているプローブを示す本発明の好ましい実施形態のさらに別の変形例の上面図である。
【図16】本発明の好ましい実施形態によるハンドルを有しているプローブが中に挿入された直腸の断面図である。
【図17】本発明の好ましい実施形態によるプローブ本体から取り除かれているハンドルを中に有しているプローブを有する直腸の断面図である。
【図18】概略的な形状における直腸状態のプローブの好ましい実施態様の基本的な形状の側面図である。
【図19】概略的な形状における肛門周囲の感覚プローブの本発明の好ましい実施形態の基本的な形状の側面図である。
【図20】本発明の好ましい形態の有効な構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明が本明細書において記載される好ましい実施態様に関して記載される一方、本発明がそのような実施態様に制限されないことは明らかである。したがって、本明細書における実施態様の説明は、単に本発明の解説用であり、発明の範囲を制限する意図を有しない。
【0047】
図2は、患者の直腸11の解剖学的組織を示す。直腸11は、成人のヒトの大腸の10から15センチメートルで、わずかな部分である(この範囲は小児及び様々な種類の動物で変化する)。直腸壁の内側の内臓平滑筋層の末端の厚みは、一緒に肛門括約筋14を構成する外部の肛門括約筋13によって囲まれる内肛門括約筋12を形成する。(本明細書において以下に「肛門部の筋肉14」とも呼ぶ)。男性の前立腺はドーナツの形をしていて、恥骨の後ろで、ちょうど直腸の前で、まさに膀胱の下にある。それは、尿道の周りを包む。前立腺の外面の壁は、デジタル直腸検査を経て触診することができる。
【0048】
図3及び4で示す本発明の好ましい実施形態において、プローブ10は、一般に本体15、センサ20及び指示器25を含む。プローブ10は、内肛門括約筋12、外肛門括約筋13または肛門部の筋肉14に加えられる圧力及び/または力(以下に、本明細書において「圧力及び/または力」という句は「圧力」と呼ぶ)を測定するためにセンサ20を患者35の肛門30に挿入する。指示器25は、医師、臨床医、看護士または他の医療検査官(本明細書において集合的に「検査官」と呼ぶ)に圧力を表示することができる。圧力は、平方インチ当たりのポンドのように実際の測定された圧力である、または、圧力が閾値を満たすまたは上回るまたはそれ未満であるかを示し、閾値は、患者が馬尾症候群であるかどうかを示すことができる。患者35の肛門30に関して本明細書において記載されるが、プローブ10が、周囲の膜組織によってプローブ10に加えられる圧力を測定するためヒトまたは動物(すなわち患者)のいかなる開口部にも使われると理解される。さらに、肛門部の筋肉14によって加えられる圧力の測定に関して本明細書において記載されるが、プローブ10が、内肛門括約筋12または外肛門括約筋13またはこれらの筋肉のいかなる組合せによっても加えられる圧力を測定するために使われると理解される。
【0049】
図3及び4に示すように、本体15は、第1または前方端部40、及び、第2または後方端部45を備える。本質的に円柱状にまたは指のように示されるが、本体15は、肛門30に第1端部40の挿入を可能にするいかなる形状も有する。添付の図で示す本体15は、10から20mmの範囲で直径D及び20から200mmの範囲で長さLを有する、細長い魚雷形の形状を有する。本体15は、検査官にプローブ10の所望の挿入深さを示すための一以上の標識47を備える。非制限的な例において、標識47は、肛門30への本体15の過挿入を防ぐのに十分な長さ分、本体15から本質的に垂直に外側に延長する図3で示す突出部49である。図3に示すように、挿入LMIの最大の長さである本体15の部分は、数字17によって示される。長さLMIは5から10mmまでの範囲であるべきであるが、上記の長さLのようにこれも変化する。これらの範囲は、プローブ10が使われる意図を有する患者35のタイプにより、もちろん変化することができる。(プローブ10が様々な患者35において使われる場合、D、L及びLMIの異なる範囲を有する一組のプローブ10が存在してもよい。)
【0050】
本体15は、金属、ポリマー、可塑物、複合材及びその混合物で構成されると理解される。非制限的な例において、本体15は、従来技術において周知の殺菌手順を受けることができるいかなる材料であってもよい。保護用外装またはコンドーム(図16及び17の外装83参照)が、本体15の再利用を可能にするように本体15の無菌性を維持するために提供されるとも理解される。その上に挿入される本体15または外装表面またはコンドームの表面は、肛門またはそれが挿入されるその他の開口部の表面を刺激するまたは傷つけるべきではない。
【0051】
センサ20は、肛門部の筋肉14によってプローブ10に加えられる圧力を測定する。センサ20は、機械センサ、電気センサ、空気圧センサ及びその組合せを含むがこれらに限らず圧力を測定することができるいかなるセンサまたは変換器であってもよい。非制限的な例において、センサ20は、ばね式センサである。本体15内に位置するように示されるが、センサ20は、本体15上のまたは中に位置し、本体15またはそのいかなる部分の全長に沿って延長すると理解される。先に説明したように、センサによってモニタされる圧力は、閾値を満たすか、それを上回るか否かである。
【0052】
検査官は、例えば、挿入の間、引抜いた時、または、患者35が検査室から出た後の実時間のように一以上の形状において圧力データを受信する。図3に示すように、指示器25は、肛門部の筋肉14によって加えられる圧力を表示するためのプローブ10に備えられる。指示器25は、機械式、デジタル、液圧、空気式または視覚的(圧力の変化、または、圧力範囲の変化で、強度または色において変化することができる照明、または、プローブ10の挿入の期間の後、閾値が満たされるまたは満たされない場合に点灯する警報光)または同種のものであると理解される。
【0053】
そのようなデータまたはその部分またはその減少は記録される、または、有線または無線ネットワークを通じて通信される、または、その代わりに、搭載されたプローブ10それ自身に蓄積される、または、同時にいくつかの方法で記録されるまたは通信されると理解される。非制限的な例において、最も図5によく示されるように、プローブ10は、コード50を経て(または、無線で実行されて)(例えばコンピュータ46上の)遠隔指示器25に接続される。したがって、データは、患者35の医療記録の一部として自動的に保存される。最も図6によく示されるように、プローブ10は、データをコンピュータ46及び/または指示器25に伝えるため、無線送信機55(例えば無線周波数識別または「RFID」タグ)を備える。
【0054】
しかしながら、電池の動力が使われているかによって、及び、場外のコンピュータがデータを受信するために使われているかによってプローブ10は、制御盤を必要とするまたは必要としないと理解される。プローブ10は、コードを経て電力を供給される、または、それ自身の電池または電源をその中(図示せず)に有すると理解される。プローブ10は使用後、例えば、データ抽出、プローブ殺菌/洗浄またはプローブ再装填のためドッキングステーション(図示せず)に挿入が可能であると理解される。プローブ10は、電力がプローブの動作のために必要な場合、電力のいくつかの供給源であり得るので、プローブ10は、電池が使われる場所として病院の緊急治療室または電気伝達から離れた場所において使うことができる。
【0055】
図7に示すように、プローブ10は、検査官による肛門30への挿入及び肛門30からの本体15の除去を容易にするためのハンドル65を備える。ハンドル65は、人間工学的に形成され、金属、ポリマー、複合材及びその混合物を含むがこれに限らない適切な材料でできている。ハンドル65は、本体15の孔によって受容されるようにそれへ取り付けられる軸81を有する。軸81の近くの矢印は、ハンドル65が本体15からの除去のために移動されなければならない方向を示す。非制限的な例において、ハンドル65は、ハンドル65が再利用され得るように従来技術において周知の殺菌手順を受けることが可能である。ハンドル65はまた、取り外し可能な外装(例えば図16及び17に示される外装83)によりカバーされ、もちろんプローブ10を使用している検査官は通常、衛生用手袋を使用する。
【0056】
最も図8によく示されるように、ハンドル65は、着脱自在に本体15に固定される。例えば、本体15が挿入されて肛門30から引抜かれた後、本体15は処分するためにハンドル65から分離される。ハンドル65はそれで清潔にされ、再利用されると理解される。ハンドル65がコンピュータ構成要素及び指示器(例えばその中の指示器25)を有するので、再利用のためにハンドル65を保存することは、通常経済的である。本体15は使い捨てであっても、または、再利用のために清潔にされてもよい。もちろんある例では、本体及びハンドルは処分されてもよい。ハンドル65は、着脱自在にラッチ、クランプ、ピン等で本体15に固定される。非制限的な例において、ハンドル65は、本体15からハンドル65を分離するために動かされるトリガーまたはボタン68を備える。本体15及びハンドル65が着脱自在に取り付けられる正確な位置を確立するため、本体15及びハンドル65においてボール及び容器構造がそこに存在してもよい。
【0057】
図9で示す変形例において、プローブ10は、感覚検査を提供するため、肛門部の筋肉14に沿って肛門30及び/または膜組織の内部及び/または外側を囲む肛門周囲の領域を係合するための感覚装置70(以下に「装置70」)を備える。図9の突出部として示されるが、装置70は、肛門部の筋肉14に沿って肛門周囲の領域及び/または膜組織を係合することが可能ないかなる形状及び構成であると理解される。解説用の例は、一以上の隆起、窪み、溝、針、ピン、温度要素及びその組合せを含むが、これらに限定されるものではない。装置70は、本体15に固定されるまたは一体であり、金属、可塑物、ゴム、複合材などを含むがこれらに限らずいかなる材料からも作成される。装置70は、下記のように他の方法で作動することもできる。
【0058】
装置70の変形例は、図10A及び10Bに示す装置70Aである。解説用の例において、装置70Aは、図10Aで示す第1の(非係合)位置から、図10Bで示す第2の(係合)位置に移動可能である。第2の位置にある場合、装置70Aは、患者35の肛門周囲の領域と係合することが可能であると理解される。スイッチ、トリガー、ボタン等のアクチュエータ72は、装置70を第1の位置から第2の位置へ移動するために提供され、及び/またはその逆も同じである。非制限的な例において、装置70(及び70A)は、アクチュエータ72の操作により肛門周囲の領域に所定の圧力量を加えるために調整される。非制限的な例において、装置70(及び70A)は、例えば、肛門30から本体15の引抜きを容易にするため、(例えば挿入後の所定の期間の後)自動的に第2の位置から第1の位置に戻る。
【0059】
図10A及び10Bにおいて、本体15から外へ本質的に垂直に延長するものとして示されるが、装置70は、本体15からいかなる角度でも外側に延長されると理解される。非制限的な例において、装置70は、図12Aで示す第1の(非係合)位置から、図12Bで示す第2の(係合)位置に第1端部40の方へ本体15から外側へ延長される。本質的に直線の形状であるように示されるが、装置70は、様々な形状において提供される。非制限的な例において、例えば、装置70は、患者35の肛門周囲の領域との係合を容易にするために湾曲する。
【0060】
装置70の加熱または冷却に応答して患者35により報告される感覚の減少または欠如により、患者35が馬尾症候群のリスクにさらされていることが検査官に知らされる。非制限的な例において、装置70は、温度感覚検査に用いられる温度要素である。温度要素は、本体15に固定されるまたは一体であり、加熱及び/または冷却することができる。プローブ10は、プローブ10が電気的に駆動される場合に装置70を作動するために、電源(図示せず)に接続される、または、電池(図示せず)を収容すると理解される。温度感覚検査の非制限的な例において、プローブ10は、患者35の(肛門周囲の領域及び/または肛門部の筋肉14を含むがこれらに限らず)膜組織に装置70を接触させるため、患者35の直腸11に隣接してまたはその中に挿入される。装置70は、所望の温度まで加熱または冷却するため、例えば、ボタンまたはスイッチ(図示せず)で動かされる。装置70が例えば、動物にも使われるように肛門周囲の筋肉が反応を起こすことができる電気信号、温度信号、または、痛みを伴う刺激/複数の刺激(または、以下に刺激/複数の刺激と呼ばれる他のいかなる刺激/複数の刺激)を発することができるので、流体圧装置もまた本発明の範囲内である。
【0061】
患者35は、装置70の加熱または冷却に応答して患者35が感覚を感知した場所を検査官に示す。本体15上の装置70の位置を示すための位置指示器75(図11)は、患者35が正しく位置を識別したかを検査官に確かめる(例えば、両側の感覚を試験するため、刺激/複数の刺激が肛門周囲のまたは直腸領域の右または左に感知される)。
【0062】
図11に示すように、プローブ10は、検査官に装置70の位置を示すための位置指示器75を備え、一方でプローブ10は肛門30に挿入される。矢印として示されるが、位置指示器75は、いかなる印、照明等であってもよいと理解される。
【0063】
図13で示す実施態様において、プローブ10は、便の潜血試験を含むがこれに限らない診断用試験のための本体15上にまたはその中に診断用要素80(以下に「診断部80」と呼ぶ)を備える。非制限的な例において、診断用要素80は、便グアヤク試験を実行するために、グアヤク脂(綴りでguaiacまたはguiack)で被覆される薄膜に取り付けられる基板(例えば紙)である。第1端部40上の、または、その近くの本体15に固定されるように示されるが、診断部80は、本体15上またはその中のどこにでも固定されると理解される。診断部80は、本体15と一体であるとも理解される。
【0064】
便グアヤク試験の非制限的な例において、プローブ10は、その中に存在する便と診断用要素80を接触させるために患者35の直腸11に挿入される。引抜かれると、診断用要素80は、酸化剤(例えば過酸化物)と接触する。血液が便のサンプルにおいて存在する場合、血液を含んでいる便の内容と診断用要素80上の酸化剤とを混合することで、グアヤク脂は可視色に変わる。そのような試験は、例えば、消化性潰瘍、または、ガンのような悪性病変を表す胃腸管の失血を検出するために用いられる。図示していないが、診断用要素80は例えば、使用前の汚染からの診断部80を保護するため、取り外し可能なカバーを備えると理解される。
【0065】
図14で示す実施態様において、プローブ10は、例えば前立腺の疾患を示す前立腺の不規則性及び/または肥大のような不規則性及び肥大を検出するための肥大及び/または不規則性センサ90を備える。他の不規則性も同様に検出され得る。肥大及び/または不規則性センサ90は、本体15に固定するまたは本体15と一体である。肥大及び/または不規則性センサ90はまた、前立腺の地形センサとも呼ばれる。「不規則性」という語は、以下に不規則性及び/または肥大を意味する。前立腺の地形センサ90は、男性患者の前立腺を物理的に係合するためのいかなる装置でもあり、前立腺の不規則性及び/または肥大、それらのエコー、それゆえに前立腺の形状またはサイズを測定する装置での音、光、または、異なる波長の他の波動の排出を測定するために前立腺を係合する一種の感触装置、バルーンである。
【0066】
図4〜9、10A、10B、12A、12B及び13〜15に示すように、プローブ10は、患者35の体温を測定する温度計95を備える。温度計95は、本体15に固定される、または、一体である。従来技術において周知のいかなる温度計もプローブ10で使用されると理解される。温度指示器(図示せず)は、温度計95で測定した温度を検査官に指示するために提供される。温度指示器は、温度を表示するためのプローブ10上で提供される。温度指示器は機械的、デジタルまたはそれと同類のものであり、温度は有線または無線ネットワーク上で記録または通信され、または、その代わりに搭載されたプローブ10自体に蓄積すると理解される。警報(図示せず)は、温度を計測するのを検査官に示すために提供される。
【0067】
図15で示す実施態様において、プローブ10は、センサ20、装置70、診断部80及び不規則性検出器90を備える。しかしながら、プローブ20は、センサ20、装置70、診断部80及び不規則性検出器90のみで、または、そのいかなる組合せにおいても提供されると理解される。
【0068】
プローブ10を参照すると、図3〜9、10A、10B、11、12A、12B及び15〜17においてプローブ10がどのように使用されるかの例が後述される。使用において、本体15は、前述した(及び、図16及び17に示された)ように、コンドームまたは外装83によってカバーされ、ゲルによってなめらかにされる。検査官は、プローブ10(または、提供される場合、ハンドル65)の第2端部45を保ち、本体15を患者35の肛門30に(または、隣接して)挿入する。
【0069】
直腸または肛門周囲の状態の検査は、図4〜8及び15〜17に示すようにプローブ10によって実行される。最もよく図16及び17に示されるように、本体15は、肛門部の筋肉14によって及ぼされる圧力をセンサ20が測定可能な深さに患者35の肛門30へ挿入される。挿入の所望の深さは、例えば、標識47で、または、多くの標識47が提供される場合に選択された深さでプローブ10に目にみえて示される。非制限的な例において、患者35の肛門部の筋肉14によって及ぼされる圧力は、(肛門部の筋肉14が伸縮しない一方で)安静時、及び/または肛門部の筋肉14が患者35によって伸縮して(または、伸縮することを試みる)測定される。結果として生じる圧力データは、指示器25に表示される。肛門部の筋肉14によって加えられる圧力が異常である場合、患者35は、馬尾症候群のさらなる診断用試験または治療を受ける。
【0070】
肛門周囲の感覚検査は、図9、10A、10B、11及び15〜17に示すようにプローブ10によって実行される。最もよく図16〜17に示されるように、本体15は、装置70が患者35の肛門周囲の領域と係合することができる深さに患者35の肛門30へ挿入される。挿入の所望の深さは例えば、標識47でプローブ10に目にみえて示される。しかしながら、本体15は、肛門周囲の感覚検査を実行するために肛門30に挿入される必要はない。非制限的な例において、装置70は、第1端部40が本質的に肛門30に隣接して配置される場合、装置70が患者35の肛門周囲の領域と係合することができるように本体15上で(またはその中に)配置される。肛門周囲の領域の装置70との係合に応答して患者35によって報告される感覚の減少または欠如により、患者が馬尾症候群であるリスクにさらされていることが検査官に示される。患者35は、肛門周囲の領域と装置70との係合に応答して、検査官に患者35が感覚を感知した場所を示す。位置指示器75は、患者35が正しく場所を識別したか(例えば、右または左、上または下)どうか決定するため、装置70が係合する肛門周囲の領域の場所を検査官に確かめる。
【0071】
図17は、ハンドル65が取り除かれて、肛門30に挿入されたプローブ10を示す。しかしながら、実際は、ハンドル65は、肛門30から本体15が引抜かれる後まで、本体15から取り除かれない。本体15が取り除かれると、外装83は本体15から取り除かれ、本体15及びハンドル65は再利用のために清潔にされる。
【0072】
馬尾症候群を診断するために直腸の状態の測定に特に使われる本発明の好ましい実施形態は、概略的に図18に示される。その基本的な形状において、本発明のプローブ110は、本体115の対向端部で第1または前方端部140、及び、第2または後方端部145を有する。本体115は、本体115が挿入される患者35の肛門30の直腸状態をモニタするための直腸状態センサ120を有する。センサ120は、患者35が馬尾症候群を有するかまたは馬尾症候群が存在するリスクがあるかどうかを決定する。上記したように、直腸の状態を測定するために利用できる多くのタイプのセンサ120が存在する。本体115は、肛門30への本体115の効果的な挿入のための様々なタイプであり得る。それは、挿入される肛門30による適当な挿入のための、さまざまな形状、効果的な挿入のためのさまざまな程度の硬度、及び、肛門30の通路に従うような適切な柔軟性を有することができる。直腸状態センサ120は、直腸状態をモニタするのに適切に位置するように配置されなければならず、これは肛門30への本体115の挿入の分量によって、部分的に決定され得る。
【0073】
本発明の一態様による発明の他のプローブ210は図19に示され、本体215、第1または前方端部240、第2または後方端部245、及び、肛門周囲の感覚センサ270を含む。肛門周囲の感覚センサ270は、反応(音声または筋肉反応によって)があるかどうか決定するため、肛門30を囲んでいる肛門周囲の領域の部分に刺激/複数の刺激が適用される。肛門周囲の感覚センサによって、馬尾症候群でない人が、温度の変化(例えば500°Fのような冷たい温度)、pHの変化、健常な肛門周囲の領域をもつ患者によって感じられるのに十分強い電荷を検出するまたは反応する(または、この点に関しては自分の意見を述べることができない人または動物において反応を生成する)例えば、針刺激、力、圧力また、他の突出部の衝撃(上記したように、作動位置から静止位置まで移動されるべきである)、または、他のいくつかの刺激/複数の刺激のような、及び/または、無損傷の肛門周囲の及び/または直腸検知器官などによって一般に検出される他のいかなる刺激/複数の刺激のように、肛門周囲の領域に触知できる現象が生じる。本体215の特徴は、本体115のものと同様である。
【0074】
患者が馬尾症候群であるかまたはそのリスクを有するかどうか直腸の状態を決定する力または圧力は、成人のヒトで0から5mmHgまでの範囲であると予想される。適切な電荷もまた、括約筋に電荷を与えて、適切な情報を得るため、電極と同様に直腸状態を測定するのに適用され得る。患者の直腸状態の閾値の圧力または力は患者の年齢、性別、大きさ、特定の人種ら、及び、患者が動物である(同様に動物でも変化し得る)といった因子によって決めることができる。本発明のプローブによって決定されて使われる正確な閾値を得るため、統計学的に信頼性が高い群の各々のタイプの患者で可能な患者に評価試験が実行されるべきである。これが決定されると、本発明のプローブはそれにより決められ、本発明のプローブは、通常経済的な方法で速くかつ正確な結果を出すためにごく普通に用いることができる。本発明のプローブは、比較的使い勝手が良く、必ずしも外科医または他の医師である必要はないが、資格のある看護士または他の健康管理スペシャリストである、かなり熟練した実務家によって管理され得る。プローブ自体は、公知の製造法を用いて経済的な方法で作成され得る。プローブは衛生的に包装され、それらの全部または一部は使い捨てである、または、再利用のための衛生的な洗浄を受けることができる。本発明の直腸状態試験は客観的であり、試験の間、患者が正確に状態を説明することができない、または、まったくコミュニケーションができない場合であっても、正確に管理され得る。本発明のプローブの日常的な使用は、馬尾症候群の排除に効果があり、同様にこのことにより提起される訴訟を減少または排除することへの長い道のりにつながる。
【0075】
プローブ110及び210は、使用後、使い捨てであり、保護用カバーでカバーすることができ、上記したようにハンドルを有する。ハンドルまたはプローブ110及び/または210は、使い捨てである、または、全体的あるいは部分的に再使用可能であり得る。
【0076】
都合よく、直腸状態センサ120及び肛門周囲の感覚センサ270は、同じ本体115または215であり得るが、これは、本発明に必ずしも必要なものではない。図18及び図19は、センサ120及び270は、別々のプローブ110及び210にあり指示器のような特定の部分が共有されるが、互いに独立して作動することを示す。
【0077】
上述のように、センサ120及び270が適切に肛門30に位置する場合、プローブ110及び210は最も効果的である。これは、それぞれの深さセンサ147及び247として、図18及び19に示されるいかなる深さ指示センサによっても実行され得る。上記のように、標識または他のいかなる深さを定めている特徴が存在し得る。
【0078】
図20は、本発明の好ましい実施形態のバーションの動作を示している概略図である。あるバージョンの検出装置は直腸状態を検出して、入力信号に対応して出力信号を生成することができる出力装置に入力信号を伝える変換装置(変換器であってもよい)に物理的、電気的または化学的信号を伝える。出力信号は、直腸状態の値、測定される直腸状態が馬尾症候群の存在またはそれが存在するリスクを示す状態またはその下にある場合に起動させられる警報、例えば直腸の状態、可聴信号等の値で色が変化する照明から適切に着色された信号を示す電子回路表示装置であり得る。図20に示される装置は、一種の動力計として機能する及び作動することができる。
【0079】
本明細書における考察はヒト患者での本発明のプローブの使用に主に関するものであったが、動物でも同様に使うことができる。同じ考察は、先行する項目にも適用される。
【0080】
例えば馬尾症候群及び前立腺の地形のような、本発明による測定のいずれかでの様々な通常の値は、公知であり、様々な測定技術を使用して展開され得る。関係する患者のタイプによって決まるさまざまな閾値であるこれらの値は、本発明により本明細書において記載されるプローブのために使用される基準値として使われ得る。
【0081】
特定の実施態様または複数の実施態様に関してこのプローブ10が図と共に記載されたが、本明細書及び添付の図面を読み込むと、多くの代替物、修正及び変形が作成されることは当業者に明らかである。加えて、示された一以上のいくつかの実施態様のみに関して、特定の特徴が上記される一方、そのような特徴は、与えられたまたは特定の適用のために要求されるまたは好都合であるように、他の実施態様の一以上の他の特徴と結合される。したがって、本発明は、すべてのそのような代替物、修正、変形及び組合せを受け入れる意図を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の直腸状態及び肛門周囲のまたは直腸の感覚で構成される群の少なくとも1つを決定するためのプローブであって、該患者の肛門に挿入するための本体と、該患者の直腸状態を表す因子の少なくとも1つ及び該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを検出するために該本体と有効に接続される検出装置と、該患者の直腸状態の測定の少なくとも1つ及び該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを生成するために該検出装置と有効に接続される出力装置とを含む、プローブ。
【請求項2】
前記検出装置が前記患者の直腸の状態を検出し、前記出力装置が該患者の直腸の状態の値の指示信号を生成するために該検出装置に応答する、該患者の直腸状態を決定するための請求項1記載のプローブ。
【請求項3】
前記患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうか決定するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置をさらに含む、請求項2記載のプローブ。
【請求項4】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置は、前記患者が突出部の係合を感じているかどうかを決定するために、該患者の該肛門周囲の表面と係合するように前記本体から延長している突出部を含む、請求項3記載のプローブ。
【請求項5】
前記本体は縦軸を有し、前記突出部は該縦軸に直角に延長する、請求項3記載のプローブ。
【請求項6】
前記本体は、前記突出部が検出されることができない静止位置で該突出部を保持し、該突出部を該静止位置から、前記患者が該本体の該患者の肛門への挿入後に該突出部を感じることができる作動位置まで変えるための装置を有する、請求項42記載のプローブ。
【請求項7】
前記患者が刺激/複数の刺激に反応したかどうか決定するため、該刺激/複数の複数の刺激を該患者の肛門の前記肛門周囲の領域に適用するための刺激/複数の刺激適用装置をさらに組み込む、請求項3記載のプローブ。
【請求項8】
前記刺激/刺激適用装置は、加熱、冷却、電流及び痛みを伴う刺激/複数の刺激からなる群から選択される刺激/複数の刺激を適用する、請求項7記載のプローブ。
【請求項9】
前記患者が正しく該患者の肛門の前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置の前記位置を示すことができるかどうか決定するため、該患者の肛門へ前記本体が挿入されると、該肛門周囲のまたは直腸の感覚装置の該位置を示す前記本体上の位置指示器をさらに含む、請求項3記載のプローブ。
【請求項10】
前記検出装置は、内肛門括約筋、外肛門括約筋、及び、肛門周囲の筋肉の少なくとも1つの圧力を検出するための圧力検出装置である、請求項2記載のプローブ。
【請求項11】
前記出力装置は、前記患者における馬尾症候群の存在または存在の可能性を表す閾値の圧力値を設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満である前記測定装置の圧力に応答して信号を生成する、請求項10記載のプローブ。
【請求項12】
前記検出装置は、該検出装置によって検出される前記直腸の状態の力を示す検出信号を発し、前記プローブは、該検出信号に対応する測定信号を生成するため、該検出装置に有効に接続される変換装置をさらに含み、前記出力装置の指示信号は、前記患者の該直腸の状態が、該患者が馬尾症候群であるまたは馬尾症候群であるリスクを有するかどうかを示す、請求項2記載のプローブ。
【請求項13】
前記検出装置は、直腸の状態、随意収縮、及び、直腸状態及び随意収縮の組合せから構成される群から選択される前記患者の肛門部の筋肉の強度の少なくとも1つの構成要素に応答する、請求項12記載のプローブ。
【請求項14】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さを示す該本体上の深さ指示構造をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項15】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さが、該患者の直腸状態の測定、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するどうかを示す少なくとも1つの因子の正確な読み込みのために十分であることを示す構造をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項16】
前記出力装置は、前記患者の肛門部の筋肉の前記強度の前記値を示すための光学ディスプレイである、請求項2記載のプローブ。
【請求項17】
前記出力装置が閾値と比較して前記肛門部の筋肉の強度を示す指示信号を生成する、請求項2記載のプローブ。
【請求項18】
前記閾値は前記患者に馬尾症候群が存在する値である、請求項17記載のプローブ。
【請求項19】
診断用試験を実行するために前記本体に取り付けられる診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項20】
前記診断部は潜血試験を実行する、請求項19記載のプローブ。
【請求項21】
前記診断部は、便グアヤク試験を実行するため、グアヤク脂で被覆されたフィルムに取り付けられた基板である、請求項19記載のプローブ。
【請求項22】
前記患者の内臓の不規則性を検出するため、前記本体と関連する不規則性センサをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項23】
前記不規則性センサは前記患者の前立腺の不規則性を検出する、請求項22記載のプローブ。
【請求項24】
前記患者の肛門への前記本体の挿入を容易にするための該本体に取り付けられるハンドルをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項25】
前記ハンドルは前記本体から着脱可能である、請求項24記載のプローブ。
【請求項26】
前記患者の直腸温度を検出するための前記本体上の温度検出装置と、該検出された温度を示すための温度出力装置とをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項27】
前記プローブの使用の間、前記本体をカバーするための、及び、該本体の使用の後、処分されるための取り外し可能な外装をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項28】
前記患者の開口部を囲んでいる膜組織によって加えられる圧力を決定するためのプローブであって、該プローブは、該開口部への挿入のための本体と、該開口部を囲んでいる該膜組織によって加えられる該圧力を検出するための検出装置と、該圧力の値を示している指示信号を生成するため、該検出装置に応答する指示装置とを含む、プローブ。
【請求項29】
前記患者の肛門周囲のまたは直腸感覚を決定するためのプローブであって、
該患者の肛門への挿入のための本体と、該患者が肛門周囲のまたは直腸感覚を有するかどうかを示すように該患者が刺激/複数の刺激に反応するかどうか決定するため、刺激/複数の刺激を該患者の肛門周囲の表面に適用するための該本体上の肛門周囲のまたは直腸の感覚装置と、を含むプローブ。
【請求項30】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置が、前記患者が突出部の係合を感じているかどうかを決定するために、該患者の該肛門周囲の表面と係合するように前記本体から延長している突出部を含む、請求項29記載のプローブ。
【請求項31】
前記本体は縦軸を有し、前記突出部は該縦軸に直角に延長する、請求項30記載のプローブ。
【請求項32】
前記本体は、静止位置において前記突出部を保持し、該本体が、該患者が該突出部を感じることができるかどうか決定するため、該患者の肛門に挿入された場合、該静止位置から作動位置への該突出部を延長するための装置を有する、請求項30記載のプローブ。
【請求項33】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置は、前記患者の肛門の肛門周囲の領域に加えられる所定の加圧量として、刺激/複数の刺激を適用する、請求項29記載のプローブ。
【請求項34】
前記刺激/複数の刺激は、前記患者の肛門周囲の表面に適用される電気信号である、請求項29記載のプローブ。
【請求項35】
前記プローブは、前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置に有効に接続される出力装置をさらに含み、該出力装置は、前記患者の前記反応が、該患者において馬尾症候群の存在または存在する可能性を反映するかどうかを示す閾値の圧力値に設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満の該反応に応答して信号を生成する、請求項33記載のプローブ。
【請求項36】
前記プローブは、前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置に有効に接続される検出装置をさらに含み、該検出装置は、前記刺激/複数の刺激に対する前記患者の前記反応の発生を示す検出信号を発し、前記プローブは、該患者が該刺激/複数の刺激に反応したかどうかを示すために該検出信号に応答する出力装置をさらに含む、請求項29記載のプローブ。
【請求項37】
前記出力装置が前記本体から離れている、請求項1記載のプローブ。
【請求項38】
前記プローブは電気的に駆動され、前記出力装置は前記本体と電気的に接触している、請求項37記載のプローブ。
【請求項39】
前記出力装置及び前記本体は電波によって有効に接触している、請求項37記載のプローブ。
【請求項40】
前記患者の肛門への前記本体の挿入、及び、該患者の肛門からの該本体の除去を容易にするため、前記本体に有効に取り付けられるハンドルをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項41】
前記ハンドルは、前記本体及び前記ハンドルの少なくとも1つを清潔にし、再利用することができるように該本体から着脱可能である、請求項40記載のプローブ。
【請求項42】
前記プローブは前記プローブを作動するためのコンピュータネットワークを含み、該コンピュータネットワークの少なくとも一部は前記ハンドルにおいて存在する、請求項41記載のプローブ。
【請求項43】
前記本体及び前記ハンドルの少なくとも1つに配置可能な外装をさらに含み、該外装は、該本体及び該ハンドルの少なくとも1つを清潔にし、再利用することができるように該本体から着脱可能である、請求項41記載のプローブ。
【請求項44】
診断用試験を実行するために前記本体上に診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項45】
便の潜血試験及び大便グアヤク試験から構成される群から選択される診断用試験を実行するために前記本体上に診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項46】
男性患者の前立腺の地形を決定するため、前記本体において組み込まれる不規則性センサをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項47】
前記本体が挿入された患者の直腸温度を決定するため、該本体上に温度指示器をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項48】
前記本体が、前記プローブの効果的な動作及び患者の快適さのために必要に応じた硬度を有する、請求項1記載のプローブ。
【請求項49】
患者の直腸状態、及び、肛門周囲のまたは直腸の感覚から構成される群の少なくとも1つを測定する方法であって、該方法は、該患者の肛門へのプローブの挿入であって、該プローブが、本体と、該患者の直腸状態の該測定、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを示す因子の少なくとも1つを検出するために該本体に組み込まれる装置と、該患者の直腸状態の少なくとも1つ、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを示すための指示器を有する出力装置とを有する挿入と、該患者の直腸状態の少なくとも1つ、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかの該出力装置からの決定と、を含む方法。
【請求項50】
前記検出装置は前記患者の直腸状態を検出し、前記出力装置は該直腸状態の値を示す信号を生成する指示器を有し、前記方法は、該直腸状態の測定を得るための該指示器の使用をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項51】
前記プローブは、刺激/複数の刺激を前記患者の肛門周囲の表面に適用するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置を有し、前記方法は、該患者が馬尾症候群であるかまたはリスクを有するかどうかを決定するため、該患者が該刺激/複数の刺激に反応したかどうかの決定をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項52】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置が、前記患者の肛門周囲の表面に刺激/複数の刺激を適用しない静止状態と、該刺激/複数の刺激を該患者の肛門周囲の表面に適用するための作動状態とを有し、前記方法は、該作動状態における該肛門周囲のまたは直腸の感覚装置への配置をさらに含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記プローブは圧力を前記患者の肛門周囲の領域に適用する装置を有し、前記方法は、該患者が馬尾症候群であるかまたはリスクを有するかどうかを決定するため、該患者が該圧力に反応したかどうかの決定をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項54】
前記プローブは、前記本体において組み込まれた診断部を有し、前記方法は、前記患者が健康問題を有するかどうか決定するために、該プローブが該患者の肛門に挿入された後、該患者が該健康問題を有するかどうかを示すための該診断部の評価をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項55】
前記プローブが、男性患者の前立腺の不規則性及び肥大を検出するための不規則性センサと、該患者が不規則なまたは肥大した前立腺を有するかどうかを示すため、該不規則性センサに有効に接続される出力とを有し、前記方法は、該患者が不規則なまたは肥大した前立腺を有するかどうかを決定するための該不規則性センサの該出力の閲覧をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項56】
前記患者の直腸状態を決定するためのプローブであって、該患者の肛門に挿入するための本体と、該患者の直腸状態の測定を検出するため、該本体に有効に接続される検出装置と、該患者の直腸状態の測定を生じる指示信号を生成するために該検出装置に有効に接続される出力装置とを含む、プローブ。
【請求項57】
前記患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを決定するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項58】
前記検出装置は、前記内肛門括約筋、前記外肛門括約筋、及び、前記肛門周囲の筋肉の少なくとも1つの圧力を検出するための圧力検出装置である、請求項56記載のプローブ。
【請求項59】
前記出力装置は、前記患者における馬尾症候群の存在または存在の可能性を表す閾値の圧力値を設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満である前記測定装置の圧力に応答して信号を生成する、請求項58記載のプローブ。
【請求項60】
前記検出装置は、該検出装置によって検出された前記直腸状態の力を表す検出信号を発し、前記プローブは、該検出信号に対応する測定信号を生成するために該検出装置に有効に接続される変換装置をさらに含み、前記出力装置の前記指示信号は、前記患者の該直腸状態が、該患者が馬尾症候群であるまたは馬尾症候群のリスクを有するかどうかを示す、請求項56記載のプローブ。
【請求項61】
前記検出装置は、直腸状態と、随意収縮と、直腸状態及び随意収縮との組合せで構成される群から選択される前記患者の肛門部の筋肉の強度の少なくとも1つの構成要素に応答する、請求項60記載のプローブ。
【請求項62】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さを示す、該本体上の深さ指示構造をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項63】
前記患者の前記直腸状態の正確な読み込みのため、該患者の肛門への前記本体の挿入の深さが十分であることを示すための構造をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項64】
前記出力装置は、前記患者の肛門部の筋肉の強度の値を示すための光学ディスプレイである、請求項56記載のプローブ。
【請求項65】
前記出力装置は、閾値と比較した前記肛門部の筋肉の強度を表す指示信号を生成する、請求項56記載のプローブ。
【請求項66】
前記閾値は馬尾症候群が前記患者に存在する値である、請求項65記載のプローブ。
【請求項1】
患者の直腸状態及び肛門周囲のまたは直腸の感覚で構成される群の少なくとも1つを決定するためのプローブであって、該患者の肛門に挿入するための本体と、該患者の直腸状態を表す因子の少なくとも1つ及び該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを検出するために該本体と有効に接続される検出装置と、該患者の直腸状態の測定の少なくとも1つ及び該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを生成するために該検出装置と有効に接続される出力装置とを含む、プローブ。
【請求項2】
前記検出装置が前記患者の直腸の状態を検出し、前記出力装置が該患者の直腸の状態の値の指示信号を生成するために該検出装置に応答する、該患者の直腸状態を決定するための請求項1記載のプローブ。
【請求項3】
前記患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうか決定するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置をさらに含む、請求項2記載のプローブ。
【請求項4】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置は、前記患者が突出部の係合を感じているかどうかを決定するために、該患者の該肛門周囲の表面と係合するように前記本体から延長している突出部を含む、請求項3記載のプローブ。
【請求項5】
前記本体は縦軸を有し、前記突出部は該縦軸に直角に延長する、請求項3記載のプローブ。
【請求項6】
前記本体は、前記突出部が検出されることができない静止位置で該突出部を保持し、該突出部を該静止位置から、前記患者が該本体の該患者の肛門への挿入後に該突出部を感じることができる作動位置まで変えるための装置を有する、請求項42記載のプローブ。
【請求項7】
前記患者が刺激/複数の刺激に反応したかどうか決定するため、該刺激/複数の複数の刺激を該患者の肛門の前記肛門周囲の領域に適用するための刺激/複数の刺激適用装置をさらに組み込む、請求項3記載のプローブ。
【請求項8】
前記刺激/刺激適用装置は、加熱、冷却、電流及び痛みを伴う刺激/複数の刺激からなる群から選択される刺激/複数の刺激を適用する、請求項7記載のプローブ。
【請求項9】
前記患者が正しく該患者の肛門の前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置の前記位置を示すことができるかどうか決定するため、該患者の肛門へ前記本体が挿入されると、該肛門周囲のまたは直腸の感覚装置の該位置を示す前記本体上の位置指示器をさらに含む、請求項3記載のプローブ。
【請求項10】
前記検出装置は、内肛門括約筋、外肛門括約筋、及び、肛門周囲の筋肉の少なくとも1つの圧力を検出するための圧力検出装置である、請求項2記載のプローブ。
【請求項11】
前記出力装置は、前記患者における馬尾症候群の存在または存在の可能性を表す閾値の圧力値を設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満である前記測定装置の圧力に応答して信号を生成する、請求項10記載のプローブ。
【請求項12】
前記検出装置は、該検出装置によって検出される前記直腸の状態の力を示す検出信号を発し、前記プローブは、該検出信号に対応する測定信号を生成するため、該検出装置に有効に接続される変換装置をさらに含み、前記出力装置の指示信号は、前記患者の該直腸の状態が、該患者が馬尾症候群であるまたは馬尾症候群であるリスクを有するかどうかを示す、請求項2記載のプローブ。
【請求項13】
前記検出装置は、直腸の状態、随意収縮、及び、直腸状態及び随意収縮の組合せから構成される群から選択される前記患者の肛門部の筋肉の強度の少なくとも1つの構成要素に応答する、請求項12記載のプローブ。
【請求項14】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さを示す該本体上の深さ指示構造をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項15】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さが、該患者の直腸状態の測定、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するどうかを示す少なくとも1つの因子の正確な読み込みのために十分であることを示す構造をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項16】
前記出力装置は、前記患者の肛門部の筋肉の前記強度の前記値を示すための光学ディスプレイである、請求項2記載のプローブ。
【請求項17】
前記出力装置が閾値と比較して前記肛門部の筋肉の強度を示す指示信号を生成する、請求項2記載のプローブ。
【請求項18】
前記閾値は前記患者に馬尾症候群が存在する値である、請求項17記載のプローブ。
【請求項19】
診断用試験を実行するために前記本体に取り付けられる診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項20】
前記診断部は潜血試験を実行する、請求項19記載のプローブ。
【請求項21】
前記診断部は、便グアヤク試験を実行するため、グアヤク脂で被覆されたフィルムに取り付けられた基板である、請求項19記載のプローブ。
【請求項22】
前記患者の内臓の不規則性を検出するため、前記本体と関連する不規則性センサをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項23】
前記不規則性センサは前記患者の前立腺の不規則性を検出する、請求項22記載のプローブ。
【請求項24】
前記患者の肛門への前記本体の挿入を容易にするための該本体に取り付けられるハンドルをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項25】
前記ハンドルは前記本体から着脱可能である、請求項24記載のプローブ。
【請求項26】
前記患者の直腸温度を検出するための前記本体上の温度検出装置と、該検出された温度を示すための温度出力装置とをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項27】
前記プローブの使用の間、前記本体をカバーするための、及び、該本体の使用の後、処分されるための取り外し可能な外装をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項28】
前記患者の開口部を囲んでいる膜組織によって加えられる圧力を決定するためのプローブであって、該プローブは、該開口部への挿入のための本体と、該開口部を囲んでいる該膜組織によって加えられる該圧力を検出するための検出装置と、該圧力の値を示している指示信号を生成するため、該検出装置に応答する指示装置とを含む、プローブ。
【請求項29】
前記患者の肛門周囲のまたは直腸感覚を決定するためのプローブであって、
該患者の肛門への挿入のための本体と、該患者が肛門周囲のまたは直腸感覚を有するかどうかを示すように該患者が刺激/複数の刺激に反応するかどうか決定するため、刺激/複数の刺激を該患者の肛門周囲の表面に適用するための該本体上の肛門周囲のまたは直腸の感覚装置と、を含むプローブ。
【請求項30】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置が、前記患者が突出部の係合を感じているかどうかを決定するために、該患者の該肛門周囲の表面と係合するように前記本体から延長している突出部を含む、請求項29記載のプローブ。
【請求項31】
前記本体は縦軸を有し、前記突出部は該縦軸に直角に延長する、請求項30記載のプローブ。
【請求項32】
前記本体は、静止位置において前記突出部を保持し、該本体が、該患者が該突出部を感じることができるかどうか決定するため、該患者の肛門に挿入された場合、該静止位置から作動位置への該突出部を延長するための装置を有する、請求項30記載のプローブ。
【請求項33】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置は、前記患者の肛門の肛門周囲の領域に加えられる所定の加圧量として、刺激/複数の刺激を適用する、請求項29記載のプローブ。
【請求項34】
前記刺激/複数の刺激は、前記患者の肛門周囲の表面に適用される電気信号である、請求項29記載のプローブ。
【請求項35】
前記プローブは、前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置に有効に接続される出力装置をさらに含み、該出力装置は、前記患者の前記反応が、該患者において馬尾症候群の存在または存在する可能性を反映するかどうかを示す閾値の圧力値に設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満の該反応に応答して信号を生成する、請求項33記載のプローブ。
【請求項36】
前記プローブは、前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置に有効に接続される検出装置をさらに含み、該検出装置は、前記刺激/複数の刺激に対する前記患者の前記反応の発生を示す検出信号を発し、前記プローブは、該患者が該刺激/複数の刺激に反応したかどうかを示すために該検出信号に応答する出力装置をさらに含む、請求項29記載のプローブ。
【請求項37】
前記出力装置が前記本体から離れている、請求項1記載のプローブ。
【請求項38】
前記プローブは電気的に駆動され、前記出力装置は前記本体と電気的に接触している、請求項37記載のプローブ。
【請求項39】
前記出力装置及び前記本体は電波によって有効に接触している、請求項37記載のプローブ。
【請求項40】
前記患者の肛門への前記本体の挿入、及び、該患者の肛門からの該本体の除去を容易にするため、前記本体に有効に取り付けられるハンドルをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項41】
前記ハンドルは、前記本体及び前記ハンドルの少なくとも1つを清潔にし、再利用することができるように該本体から着脱可能である、請求項40記載のプローブ。
【請求項42】
前記プローブは前記プローブを作動するためのコンピュータネットワークを含み、該コンピュータネットワークの少なくとも一部は前記ハンドルにおいて存在する、請求項41記載のプローブ。
【請求項43】
前記本体及び前記ハンドルの少なくとも1つに配置可能な外装をさらに含み、該外装は、該本体及び該ハンドルの少なくとも1つを清潔にし、再利用することができるように該本体から着脱可能である、請求項41記載のプローブ。
【請求項44】
診断用試験を実行するために前記本体上に診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項45】
便の潜血試験及び大便グアヤク試験から構成される群から選択される診断用試験を実行するために前記本体上に診断部をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項46】
男性患者の前立腺の地形を決定するため、前記本体において組み込まれる不規則性センサをさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項47】
前記本体が挿入された患者の直腸温度を決定するため、該本体上に温度指示器をさらに含む、請求項1記載のプローブ。
【請求項48】
前記本体が、前記プローブの効果的な動作及び患者の快適さのために必要に応じた硬度を有する、請求項1記載のプローブ。
【請求項49】
患者の直腸状態、及び、肛門周囲のまたは直腸の感覚から構成される群の少なくとも1つを測定する方法であって、該方法は、該患者の肛門へのプローブの挿入であって、該プローブが、本体と、該患者の直腸状態の該測定、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを示す因子の少なくとも1つを検出するために該本体に組み込まれる装置と、該患者の直腸状態の少なくとも1つ、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを示すための指示器を有する出力装置とを有する挿入と、該患者の直腸状態の少なくとも1つ、及び、該患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかの該出力装置からの決定と、を含む方法。
【請求項50】
前記検出装置は前記患者の直腸状態を検出し、前記出力装置は該直腸状態の値を示す信号を生成する指示器を有し、前記方法は、該直腸状態の測定を得るための該指示器の使用をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項51】
前記プローブは、刺激/複数の刺激を前記患者の肛門周囲の表面に適用するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置を有し、前記方法は、該患者が馬尾症候群であるかまたはリスクを有するかどうかを決定するため、該患者が該刺激/複数の刺激に反応したかどうかの決定をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項52】
前記肛門周囲のまたは直腸の感覚装置が、前記患者の肛門周囲の表面に刺激/複数の刺激を適用しない静止状態と、該刺激/複数の刺激を該患者の肛門周囲の表面に適用するための作動状態とを有し、前記方法は、該作動状態における該肛門周囲のまたは直腸の感覚装置への配置をさらに含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記プローブは圧力を前記患者の肛門周囲の領域に適用する装置を有し、前記方法は、該患者が馬尾症候群であるかまたはリスクを有するかどうかを決定するため、該患者が該圧力に反応したかどうかの決定をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項54】
前記プローブは、前記本体において組み込まれた診断部を有し、前記方法は、前記患者が健康問題を有するかどうか決定するために、該プローブが該患者の肛門に挿入された後、該患者が該健康問題を有するかどうかを示すための該診断部の評価をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項55】
前記プローブが、男性患者の前立腺の不規則性及び肥大を検出するための不規則性センサと、該患者が不規則なまたは肥大した前立腺を有するかどうかを示すため、該不規則性センサに有効に接続される出力とを有し、前記方法は、該患者が不規則なまたは肥大した前立腺を有するかどうかを決定するための該不規則性センサの該出力の閲覧をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項56】
前記患者の直腸状態を決定するためのプローブであって、該患者の肛門に挿入するための本体と、該患者の直腸状態の測定を検出するため、該本体に有効に接続される検出装置と、該患者の直腸状態の測定を生じる指示信号を生成するために該検出装置に有効に接続される出力装置とを含む、プローブ。
【請求項57】
前記患者が肛門周囲のまたは直腸の感覚を有するかどうかを決定するための肛門周囲のまたは直腸の感覚装置をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項58】
前記検出装置は、前記内肛門括約筋、前記外肛門括約筋、及び、前記肛門周囲の筋肉の少なくとも1つの圧力を検出するための圧力検出装置である、請求項56記載のプローブ。
【請求項59】
前記出力装置は、前記患者における馬尾症候群の存在または存在の可能性を表す閾値の圧力値を設定可能であり、該出力装置は、該閾値の圧力値未満である前記測定装置の圧力に応答して信号を生成する、請求項58記載のプローブ。
【請求項60】
前記検出装置は、該検出装置によって検出された前記直腸状態の力を表す検出信号を発し、前記プローブは、該検出信号に対応する測定信号を生成するために該検出装置に有効に接続される変換装置をさらに含み、前記出力装置の前記指示信号は、前記患者の該直腸状態が、該患者が馬尾症候群であるまたは馬尾症候群のリスクを有するかどうかを示す、請求項56記載のプローブ。
【請求項61】
前記検出装置は、直腸状態と、随意収縮と、直腸状態及び随意収縮との組合せで構成される群から選択される前記患者の肛門部の筋肉の強度の少なくとも1つの構成要素に応答する、請求項60記載のプローブ。
【請求項62】
前記患者の肛門への前記本体の挿入の深さを示す、該本体上の深さ指示構造をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項63】
前記患者の前記直腸状態の正確な読み込みのため、該患者の肛門への前記本体の挿入の深さが十分であることを示すための構造をさらに含む、請求項56記載のプローブ。
【請求項64】
前記出力装置は、前記患者の肛門部の筋肉の強度の値を示すための光学ディスプレイである、請求項56記載のプローブ。
【請求項65】
前記出力装置は、閾値と比較した前記肛門部の筋肉の強度を表す指示信号を生成する、請求項56記載のプローブ。
【請求項66】
前記閾値は馬尾症候群が前記患者に存在する値である、請求項65記載のプローブ。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図20】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図20】
【公表番号】特表2012−533400(P2012−533400A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521625(P2012−521625)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/002086
【国際公開番号】WO2011/011085
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512013802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/002086
【国際公開番号】WO2011/011085
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512013802)
【Fターム(参考)】
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