説明

開封用切込ライン付箱形容器

【課題】 従来、目的とする切込ラインに沿って開封することが困難で、途中から蓋体が千切れてしまう恐れがあった蓋開口部を、予め施した切込ラインに沿って容易に開口することができる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【解決手段】 箱形容器20の蓋体10に開蓋切断方向に沿って連結部Hとガイド切込Oとが交互に連なるガイド切込ラインLを設けると共に、ガイド切込ラインLの側部に開封片14を形成し、前記ガイド切込Oに、くの字状に枝切込部Rを設けると共に前記枝切込部とガイド切込との間に連結部Dを設け、該連結部Dをガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向って中央部分では小さく末端部分では大きくなるように間隔を変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋開口部を予め施した切込ラインに沿って容易に開口することができる開蓋用切込ライン付箱形容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋開口部を予め施した切込ラインに沿って開口することができる開蓋用切込ライン付箱形容器は従来から広く知られている(特許文献1〜3参照。)。
【0003】
これら開蓋用切込ライン付箱形容器は、いずれも大きな天板部が蓋体となっており、側板に設けた切り離し開封片を持って引き上げると、開封力の作用方向にほぼ沿って蓋体の周囲に予め設けた比較的大きな切込からなる切込ラインに沿って蓋体を開封することができるように構成してある。
【0004】
切込ラインも、くの字状不連続切込(特許文献1参照。)、Y字状不連続切込(特許文献2参照。)或いは、長尺の切込と短尺の切込を混用したもの(特許文献3参照。)等が用いられている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−185733
【特許文献2】特開平9−43780
【特許文献3】特開平10−218167
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の切込ラインは、開封力の作用方向に沿って設けてあると共に、それを施した天板や側板の紙質に起因して、例えば、段ボール用紙やボール紙のような厚紙や板紙からなる、比較的硬質で板状を維持し易い箱形容器に施したものであるから、切込ラインに沿って連結部と切込が比較的大きな間隔で大きく設けてあり、簡単に破り取りやすい紙質に適したものであった。
【0007】
しかしながら、食料品等を収容する箱形容器は、小型で外周表面に食欲をそそるような調理イメージ等の美しい印刷を施し、調理方法、品質表等を表示して展示すると共に、外部から簡単に悪戯されない堅牢さも必要とする関係上、比較的上質な破れ難い紙質やコーティングを施した箱形容器が採用されていると共に、開封用の切込ラインも箱の縁部に沿って比較的小さく開封しにくい位置に設けてあった。
【0008】
従って、従来の連結部と切込が比較的大きくそれぞれの間隔を大きく設けた切込ラインでは、切込が不連続となる連結部分で切込ラインの連続性が失われ、目的とする切込ラインに沿って開封することが困難になり、途中から蓋体が千切れてしまう恐れがあった。また、連結部を小さくすると切込が大きい分だけ開封は容易であるが破れやすくなる課題があった。
【0009】
また、連結部と切込とが交互にミシン目状に連なる比較的強靱な細目切込ラインを設けたものでは、連結が強固で容易に破れにくい反面、細目切込ラインに交差する方向の開蓋力によって、切込ラインから外れた交差方向に蓋片部が切断して破れてしまう傾向があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、請求項1に記載のように、箱形容器の蓋開口部の蓋体と箱体との境界の折り曲げ線に中央部分を残して両方向にガイド切込と連結部が交互に連なるガイド切込ラインを設けると共に、前記中央部分の側部にガイド切込ラインから離れてU字状又は円弧状の開封片用切込ラインにより開封片を形成してなる開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記ガイド切込ラインのガイド切込に、くの字状に枝切込部を設けると共に前記枝切込部とガイド切込との間に連結部を設け、該枝切込部とガイド切込の間の連結部をガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では小さく末端部分では大きくなるように間隔を変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0011】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では大きく末端部分では小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0012】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分から末端部分に向かって順次に小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0013】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が段階的に小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0014】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0015】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込とガイド切込との間の連結部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が大きくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0016】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインを箱形容器の表側と裏側の両側に設け、それぞれのガイド切込ラインの側部に開封片を形成してなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0017】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1乃至7のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封切込ラインと最初のガイド切込の枝切込との間に、ガイド切込ラインLに沿って、比較的小さな補助切込Sを設けて、開封時に開封切込ラインから補助切込Sを介して枝切込に円滑に切り開くことができるようにしてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供しようとするものである。
【0018】
また、本発明は、箱形容器の蓋開口部の蓋体に開蓋切断方向に沿って連結部とガイド切込とが交互に連なるガイド切込ラインを設けると共に、ガイド切込ラインの側部に開封片用切込ラインにより開封片を形成し、前記開封片用切込ラインを前記ガイド切込ラインのガイド切込に連結する位置に設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封片用切込ラインの開封用切込を前記ガイド切込ラインのガイド切込に直接連結して設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封片用切込ラインの開封用切込の延長線が前記ガイド切込ラインのガイド切込に交差するように連結して設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込の長さをライン長手方向に沿って等間隔に設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込をライン長手方向に沿って長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込をライン長手方向に沿って最初は大きくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込の連結部をライン長手方向に沿って最初は小さくなるように間隔を変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込をライン長手方向に沿って最初は大きくなるように長さを変えると共に、ガイド切込の連結部をライン長手方向に沿って最初は小さくなるように間隔を変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0026】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封用切込ラインを円弧状に設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0027】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封用切込ラインを直線状に設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0028】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封用切込ラインが連結部と開封用切込からなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【0029】
また、本発明は、上記の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込を屈曲して設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器を提供するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る開蓋用切込ライン付箱形容器によれば、箱形容器の蓋開口部の蓋体と箱体との境界の折り曲げ線に中央部分を残して両方向にガイド切込と連結部が交互に連なるガイド切込ラインを設けると共に、前記中央部分の側部にガイド切込ラインから離れてU字状又は円弧状の開封片用切込ラインにより開封片を形成してなる開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記ガイド切込ラインのガイド切込に、くの字状に枝切込部を設けると共に前記枝切込部とガイド切込との間に連結部を設け、該枝切込部とガイド切込の間の連結部をガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では小さく末端部分では大きくなるように間隔を変えて設けてなる構成を有することにより、連結部により付与したガイド切込の強度を最初の中央部で弱く両側で強くすることができ、切込ラインに沿って蓋開口部の連結状態を強固に維持し、且つ、開蓋時において最初に大きな力を要するところに小さな連結部を配して切込ラインに沿った開封力を軽減して全体としてほぼ均等な開蓋力で滑らかに開蓋できるようにすることができる効果がある。
【0031】
また、本発明は、請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では大きく末端部分では小さくなるように長さを変えて設けてなる構成を有することにより、ガイド切込ラインに交差する方向の開蓋力によって、切込ラインから外れた交差方向に蓋片部が切断した場合等に、枝切込部によって開蓋時において最初に大きな力を要する開封片用切込ラインに近いところに大きな枝切込を配してガイド切込ラインから大きく外れるのを接続させ、外れる距離が小さくなるに開封片用切込ラインから離れたところは小さい枝切込で円滑に開蓋できるようにすることができる効果がある。
【0032】
従って、箱形容器の搬送、展示、保管時等において、ガイド切込ラインがその連結部の連結力によって蓋開口部を開蓋しないように維持すると共に、開蓋時には、開封片の開封片用切込ラインに連結するガイド切込によってガイド切込ラインに沿って迅速、円滑、容易に開蓋部を切断することができるから、ガイド切込ラインに交差する方向の開蓋力によっても、ガイド切込ラインから外れた交差方向に蓋片部が切断するようなことがなくなり、安心して開蓋することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明に係る開蓋用切込ライン付箱形容器の容器本体20は、図1に記載の展開図において、折り曲げ線a,b,c,dに沿って同じ方向にほぼ直角に折り曲げた表裏箱片1,2が向かい合い、側部箱片3と向かい合うように折り曲げた糊代箱片5の上に側部箱片4を重ねて貼り付け、次いで側部箱片3,4の下の折り曲げ片8,9を折り曲げ線j,mに沿って内側に折り曲げてから、折り曲げ線e,gに沿って内側に折り曲げた片箱片7の上に底箱片6を重ね合わせて貼り付け、図2に記載の底付容器を成形すると共に、内容物を収納後に、側部箱片3,4の上の折り曲げ片12,13を折り曲げ線i,kに沿って内側に折り曲げてから、折り曲げ線f,hに沿って内側に折り曲げた上箱片11の上に蓋箱片10を重ね合わせて貼り付けて図3に記載のように容器本体20を組み立てたものである。
【0034】
本発明に係る開蓋用切込ライン付箱形容器によれば、箱形の容器本体20の裏箱片2と上箱片11との折り曲げ線hには蓋開口部として、連結部Hと複数個のガイド切込O1,O2,O3,O4・・・・が交互に連なるガイド切込ラインLを設けてある。
【0035】
食料品等を収容する箱形容器の容器本体20は、小型で各箱片1,2,3,4,6,10の外周表面に食欲をそそるような調理イメージ等の美しい印刷を施し、調理方法、品質表等を表示して展示すると共に、外部から簡単に悪戯されない堅牢さも必要とする関係上、比較的上質な破れ難い紙質やコーティングを施した紙質の箱材料が採用されていると共に、開封用の連結部H及とガイド切込O1,O2,O3,O4・・・・からなるガイド切込ラインLも箱の一縁部に沿って目立たない開封しにくい折り曲げ線hに沿って設けてある。
【0036】
また、本発明の容器本体20では、図5に記載のように、折り曲げ線hの中央部分h0に連続して裏箱片2の上辺中央部に、U字状に示した開封片用切込ラインPを設けて、開封片14を箱片2から上箱片11に連なる形で切断することによって、連続的にガイド切込ラインLに沿って図4に記載のように開蓋することができるように構成してある。
【0037】
図4に記載のように、箱蓋片10の内側に上蓋片11が一体に貼り付いており、開封片14を持って上蓋片11を裏蓋片2から切り離すと、同時に箱蓋片10を開蓋することができる。開口蓋部の切り口には、図4に示すように、逆V字状に尖った連結部とU字状に凹陥した開封片用切込とが交互に連なる開封片用切込ラインPの切断面Sが残されることとなる。
【0038】
また、図4に記載のように、容器本体20の底部側に折り曲げ線gに開封片用切込ラインPを含めて開封用のガイド切込ラインLを設け、底部側を開蓋するように構成することも勿論可能である
【実施例1】
【0039】
図1〜図5に記載の実施例の場合、開封片用切込ラインPは、基本的には、細目の連結部と細目の切込とがミシン目状に連なる細目の開封用切込ラインPからなるが、隣り合う細目切込が連続する長さの複数個の大形の切込からなる切込ラインPを設けたものであっても良い。
【0040】
折り曲げ線hの中央部分h0には、切込は設けて無くても良く、開封片14と上蓋片11とは一体に連結している。
【0041】
また、折り曲げ線hの中央部分h0を除く折り曲げ線hに沿っては、全体に、中央部分から離れるに従って寸法の小さくなる複数個のガイド切込O1,O2,O3,O4・・・・からなるガイド切込ラインLを設けてある。
【0042】
また、中央部分の開封片用切込ラインPと最初のガイド切込O1とは切断部15により直接連結して設けてあり、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、同時に切断部15が破れて引き続くガイド切込O1,O2,O3,O4,O5に沿って順次にガイド切込ラインLが切断することとなる。
【0043】
この場合、ガイド切込ラインLのガイド切込O1,O2,O3,O4,O5を長手方向に沿って開封片用切込ラインPに近い最初の部分は大きく遠い離れた部分は小さくなるように長さを変えて設けてなる構成にすることにより、中央から末端に向かって切込ラインに沿って連結状態を徐々に強くなるように蓋開口部の連結状態を維持し、密封使用状態で箱の角部が破れにくくすると共に、開蓋時においては大きな開蓋力の必要な開蓋初めは容易に破れるようにして破り方向をガイド切込ラインLに沿って確実に設定することができ、その後は、ほぼ均等な開蓋力によって確実に開蓋することができる。
【0044】
なお、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5の寸法は実施例のように徐々に小さくすることが好ましいが、例えば、最初の2個のガイド切込O1,O2の寸法は同じで、ガイド切込O3,O4,O5の寸法はそれより小さい2段階に変化する設定、又は3段階以上に変化する設定にすることも勿論可能である。
【0045】
図5に記載の実施例の場合、中央部分の開封片用切込ラインPと最初のガイド切込O1とは連続して設けてあり、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、同時にガイド切込O1が開いて、以下O2,O3,O4,O5に沿って順次にガイド切込ラインLが切断することとなり、開封片用切込ラインPとこれに交差して連結するガイド切込ラインLとを確実に連続して切断するように構成してある。
【0046】
この場合、中央部分の開封片用切込ラインPと最初のガイド切込O1とは、開封片用切込ラインP上の開封片用切込で連続するように設けてある。
【実施例2】
【0047】
図6に記載の実施例の場合、中央部分の開封片用切込ラインPの末端部P1と、ガイド切込ラインLとは離れて設けてあると共に、最初のガイド切込O1とは交差する位置に設けてある。即ち、最初のガイド切込O1は、折り曲げ線hの中央部分h0に沿って、開封片用切込ラインPの末端部P1の内側にまで食い込んで設けてあり、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、末端部P1がその延長線上にあるガイド切込O1に直ちに接続して、以下O2,O3,O4,O5に沿って順次に連結部Hが切断することとなり、開封片用切込ラインPとこれに交差するガイド切込ラインLとを確実に連続して切断するように構成してある。
【0048】
この場合、中央部分の開封片用切込ラインPの末端部P1と最初のガイド切込O1とは、開封片用切込ラインP上の延長線で連結し連続するように設けてあっても良い。
【0049】
なお、図6に記載の実施例の場合、図5の場合と同様に、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5は長手方向に沿って最初は大きく両側は小さくなるように長さを変えて設けてなる構成にしてある。
【実施例3】
【0050】
図7に記載の実施例の場合、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5は長手方向に沿って同じ大きさに設けてあるが、連結部Hは最初は小さく徐々に大きくなるように長さを変えて設けてなる構成にしてあり、図5又は図6の実施例と同様に、開蓋時においては大きな開蓋力の必要な開蓋初めは連結部Hが容易に破れるようにして破り方向をガイド切込ラインLに沿って確実に設定することができ、その後は、ほぼ均等な開蓋力によって確実に開蓋することができるように構成してある。
【0051】
なお、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5の連結部Hの寸法は実施例のように徐々に大きくすることが好ましいが、例えば、最初の2個のガイド切込O1,O2の連結部の寸法は同じで、ガイド切込O3,O4,O5の寸法はそれより大きく2段階に変化する設定、又は3段階以上に変化する設定にすることも勿論可能である。
【実施例4】
【0052】
また、図8に記載の実施例の場合、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5は長手方向に沿って最初は大きく末端は小さく設けてあると共に、連結部Hは最初は小さく末端は大きくなるように長さを変えて設けてなる構成にしてあり、図5又は図6の実施例と比較して、開蓋時において大きな開蓋力の必要な開蓋初めはガイド切込と連結部が容易に破れるようにして破り方向をガイド切込ラインLに沿って確実に設定することができ、その後は、ほぼ均等な開蓋力によって確実に開蓋することができるように構成してある。
【0053】
図9の実施例の場合、ガイド切込ラインLのガイド切込O1,O2,O3,O4をガイド切込ラインLの長手方向に沿って個々に長く等間隔に設けてあり、ガイド切込ラインLに沿って均等な強靱性で蓋開口部の連結状態を維持し、且つ、開蓋時においては均等な開蓋力によって開蓋することができるように構成してある。
【実施例5】
【0054】
図10に記載の実施例の場合、ガイド切込O1に、くの字状に枝切込部R1を設けてなる構成を有することにより、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、ガイド切込ラインLに交差する方向の開蓋力によって、該切込ラインLから外れた交差方向に蓋片部14が切断した場合に、末端部P1が枝切込部R1を介してガイド切込O1に接続して、以下O2,O3,O4,O5に沿って順次にガイド切込ラインHが切断することとなり、開封片用切込ラインPとこれに交差するガイド切込ラインLとを確実に連続して切断するように構成してある。
【実施例6】
【0055】
図11に記載の実施例の場合、先の実施例のガイド切込O1に枝切込R1を設けるだけでなく、以下O2,O4,O6に順次に枝切込R2,R3,R4を設けてあり、ガイド切込O1とO2を枝切込R2を介して連続可能とし、また、ガイド切込O2,O3とO4を枝切込R3で連続可能とせしめ、ガイド切込O4,O5とO6を枝切込R3で連続可能とせしめて、ガイド切込間の切断時にガイド切込ラインLから外れた切り口が生じた場合に、枝切込を介して円滑に切り開くことができるように構成してある。
【実施例7】
【0056】
図12に記載の実施例の場合、先の実施例のガイド切込O1の枝切込R1の大きさに比較して、以下ガイド切込O2,O3に順次に小さくした枝切込R2,R3を設けてあり、ガイド切込O1とO2を枝切込R2を介して連続可能とし、また、ガイド切込O2,O3とO4を枝切込R3で連続可能とするものであり、ガイド切込間の切断時にガイド切込ラインLから切り口が外れる距離が小さくなるに従って、小さい枝切込を設け、円滑に切り開くことができるように構成したものである。
【0057】
なお、ガイド切込O1,O2,O3,O4,O5の枝切込の寸法は実施例のように徐々に小さくすることが好ましいが、例えば、最初の2個のガイド切込O1,O2の枝切込R1,R2の寸法は同じで、ガイド切込O3,O4,O5の枝切込の寸法はそれより小さく2段階に変化する設定、又は3段階以上に変化する設定にすることも勿論可能である。
【実施例8】
【0058】
図13に記載の実施例は、図9の実施例において、中央部分の開封片用切込ラインPの末端部P1と、ガイド切込ラインLとは離れて設けてあると共に、最初のガイド切込O1の中央側の端部とは交差しないほぼ同一位置に設けてある。即ち、最初のガイド切込O1は、折り曲げ線hの中央部分h0に沿って、開封片用切込ラインPの末端部P1の幅とほぼ一致する位置に設けてあり、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、末端部P1が直にガイド切込O1に接続して、以下O2,O3,O4,O5に沿って順次にガイド切込ラインLが切断することとなり、開封片用切込ラインPとこれに交差するガイド切込ラインLとを確実に連続して切断するように構成してある。
【実施例9】
【0059】
図14に記載の実施例は、図13の実施例と同様に、中央部分の開封片用切込ラインPの末端部P1と、ガイド切込ラインLとは離れて設けてあると共に、最初のガイド切込O1の中央側の端部とは交差しないほぼ同一位置又は交差する位置に設けてある。
【0060】
折り曲げ線hの中央部分h0に沿って、開封片用切込ラインPが広い角度の円弧を描いて設けてあり、末端部P1が鋭角的な角度で最初のガイド切込O1に交差して設けてあり、指先でU字状の開封片14の底片部から開封片14を切り取るとき、末端部P1が鋭角的にガイド切込ラインL方向に向かって直にガイド切込O1に接続して、以下O2,O3,O4,O5に沿って順次にガイド切込ラインLが切断することとなり、開封片用切込ラインPとこれに交差するガイド切込ラインLとを確実に連続して切断するように構成してある。
【実施例10】
【0061】
図15に記載の実施例は、ガイド切込O1,O2,O3,O4がほぼ平行に傾斜して設けてあり、これに対応して各ガイド切込間の連結部Hも傾斜している。この図示の実施例では、各ガイド切込は、開封片用切込ラインPに対して向かい合う方向に傾斜して設けて、開封片の切込ラインPによる切り開き方向に連結部Hが傾斜して円滑に連結部Hが切断するように構成してあるが、各ガイド切込を反対に反り返るように傾斜して設けることも勿論可能である。
【実施例11】
【0062】
図16に記載の実施例は、各ガイド切込O1,O2,O3,O4がほぼ水平に平行する切込を中央で屈曲した切込で連結する形状からなり、それぞれのガイド切込がほぼ水平なガイド切込ラインに沿って配置してあり、各ガイド切込間の連結部Hも開封片の切込ラインPによる切り開き方向に傾斜して円滑に連結部Hが切断するように構成してある。
【実施例12】
【0063】
図17に記載の実施例は、各ガイド切込O1,O2,O3,O4が、開封片用切込ラインPに向かってほぼ平行に傾斜する切込を中央でほぼ水平をなす直線的な切込で連結する形状からなり、それぞれのガイド切込がほぼ水平なガイド切込ラインに沿って配置してあり、各ガイド切込間の連結部Hも開封片の切込ラインPによる切り開き方向に傾斜して円滑に連結部Hが切断するように構成してある。
【実施例13】
【0064】
図18に記載の実施例は、各ガイド切込O1,O2,O3が、ほぼ水平をなす直線的な切込の末端部に開封片用切込ラインPに向かって傾斜する切込を設けた形状からなり、それぞれのガイド切込がほぼ水平なガイド切込ラインに沿って配置してあり、各ガイド切込間の連結部Hは開封片の切込ラインPによる切り開き方向に傾斜して円滑に連結部Hが切断するように構成してある。
【実施例14】
【0065】
図19に記載の実施例の場合、ガイド切込O1の先端部に枝切込R1を設けると共に、以下O2,O3,O4に順次に連結部Hを介して枝切込R2,R3,R4を設けてあり、開封切込ラインPとガイド切込O1とを枝切込R1で容易に連続するようにすると共に、ガイド切込O1とO2を枝切込R2を介して、また、ガイド切込O2とO3、O3とO4をそれぞれ枝切込R3,R4で連続可能とするものであり、枝切込R2,R3,R4とガイド切込O2,O3,O4との間に比較的小さな連結部Dを介在させることにより、ガイド切込ラインLに沿った切込にある程度の強度を付与することができるように構成してある。
【実施例15】
【0066】
図20に記載の実施例のものは、図19の実施例の枝切込R2,R3,R4とガイド切込O2,O3,O4との間に設けた連結部Dを、開封片用切込ラインPの両端切込部P1に近い連結部D1,D2の間隔をゼロを含めて小さく設定し、遠い連結部D3,D4の間隔を大きくなるように設定し、連結部Dによる強度を中央部では小さく、両側を大きくして、中央から末端に向かって切込ラインに沿って連結状態を強くなるように蓋開口部の連結状態を維持し、密封使用状態で箱の角部が破れにくくすると共に、開蓋時においては大きな開蓋力の必要な開蓋初めは容易に破れるようにして破り方向をガイド切込ラインLに沿って確実に設定することができ、その後は、ほぼ均等な開蓋力によって確実に開蓋することができるように構成してある。
【実施例16】
【0067】
図21に記載の実施例のものは、図19の実施例の開封切込ラインPとガイド切込O1の枝切込R1との間に、ガイド切込ラインLに沿って、比較的小さな補助切込Sを設けて、開封時に開封切込ラインPから補助切込Sを介して枝切込R1に円滑に切り開くことができるように構成したものである。
【実施例17】
【0068】
図22に記載の実施例のものは、図20の実施例において、開封切込ラインPの両端切込部P1と最初のガイド切込O1の枝切込R1との間に比較的広い間隔があっても、補助切込Sが、ガイド切込ラインLに沿って、開封時に開封切込ラインPから枝切込R1に橋渡しをして円滑に切り開くことができるように構成したものである。
【実施例18】
【0069】
図23に記載の実施例は、開封用切込ラインPをガイド切込ラインの近傍に沿って直線状に設けてなる構成を有することにより、ガイド切込O1に沿って幅の狭い開封片を設けることができ、指先で開封用切込ラインPを引っかけてガイド切込O1側に引くと、その両端切込部P1がガイド切込O1に接続し、ガイド切込O1,O2に沿って蓋体が切り開かれることとなる。
【実施例19】
【0070】
図24に記載の実施例は、開封用切込ラインPをガイド切込ラインの近傍に沿って直線状に設けてなる構成を有し、枝切込部R1を設けてなるガイド切込O1に沿ってより近い位置に幅の狭い開封片を設けることができ、指先で開封用切込ラインPを引っかけてガイド切込O1側に引くと、その両端切込部P1がガイド切込O1に接続し、ガイド切込O1,O2に沿って蓋体が容易に切り開かれることとなる。
【実施例20】
【0071】
図25に記載の実施例は、図の表箱片1と箱蓋片10との間に設けたガイド切込ラインLの両側に開封片用切込ラインPにより開封片14を形成してあり、開封片14をガイド切込ラインLを境に蓋体10側と容器箱体1側に設けることにより、開封片14を適宜に選択して蓋体を開封することができる。また、この場合、裏箱片2と蓋箱片11との間に、ガイド切込ラインLと開封片用切込ラインPにより開封片14を形成することも勿論可能である。
【0072】
なお、上記本発明に係る全ての実施の形態において、箱形容器は紙製の容器に限らず、合成樹脂製の容器に対しても適用可能なことは勿論である。
【0073】
また、上記実施例において、開封前の内容物を収容した箱形容器に対して、実際の容器の流通状況に対応する輸送試験、落下試験、圧縮試験等からなる強度試験を行った結果、切込を施さない箱形容器と同等の強度を維持することを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る箱形容器の一実施例の展開図。
【図2】その組立態様を示す斜視図。
【図3】その組立完成態様を示す斜視図。
【図4】その開蓋状態を示す斜視図。
【図5】その一実施例の要部の一実施例の拡大説明図。
【図6】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図7】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図8】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図9】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図10】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図11】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図12】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図13】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図14】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図15】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図16】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図17】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図18】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図19】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図20】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図21】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図22】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図23】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図24】その要部の他の実施例の拡大説明図。
【図25】その要部の他の実施例の説明図。
【符号の説明】
【0075】
1 表箱片
2 裏箱片
10 蓋箱片
11 上箱片
14 開封片
20 容器本体
h 折り曲げ線
H ガイド切込間の連結部
D 枝切込とガイド切込間の連結部
O1,O2,・・・ ガイド切込
L ガイド切込ライン
P 開封片用切込ライン
R1,R2,・・・ 枝切込部
S 補助切込

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形容器の蓋開口部の蓋体と箱体との境界の折り曲げ線に中央部分を残して両方向にガイド切込と連結部が交互に連なるガイド切込ラインを設けると共に、前記中央部分の側部にガイド切込ラインから離れてU字状又は円弧状の開封片用切込ラインにより開封片を形成してなる開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記ガイド切込ラインのガイド切込に、くの字状に枝切込部を設けると共に前記枝切込部とガイド切込との間に連結部を設け、該枝切込部とガイド切込の間の連結部をガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では小さく末端部分では大きくなるように間隔を変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項2】
請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、前記枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分では大きく末端部分では小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項3】
請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分から末端部分に向かって順次に小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項4】
請求項1に記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、枝切込部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が段階的に小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインのガイド切込を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が小さくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込とガイド切込との間の連結部を、ガイド切込ラインの中央部分から末端部分に向かう長手方向に沿って中央部分に対して末端部分が大きくなるように長さを変えて設けてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、ガイド切込ラインを箱形容器の表側と裏側の両側に設け、それぞれのガイド切込ラインの側部に開封片を形成してなる開蓋用切込ライン付箱形容器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の開蓋用切込ライン付箱形容器において、開封切込ラインと最初のガイド切込の枝切込との間に、ガイド切込ラインに沿って、比較的小さな補助切込を設けて、開封時に開封切込ラインから補助切込を介して枝切込に円滑に切り開くことができるようにしてなる開蓋用切込ライン付箱形容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−78867(P2009−78867A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311973(P2008−311973)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【分割の表示】特願2005−49075(P2005−49075)の分割
【原出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】