説明

開閉接点構造

【課題】各開閉接点において、ベース種類を増やすことなく、固定側複合加締め部と可動側複合加締め部とを同じ厚さ寸法にして、a接点、b接点の数の入れ替えを可能にした。
【解決手段】固定側支持部34の板厚と可動側支持部38の板厚とが同寸法であり、バネ取付部34Aの深さ寸法が固定バネ35の板厚から可動バネ39の板厚を減じた値であり、バネ取付部34Aに固定バネ35を沿わせて加締め用突起部34Bを加締め用穴部39Bに挿入し、加締め用突起部34Bを加締めることで固定側複合加締め部34Fとし、可動支持部38の面部に可動バネ39を沿わせて加締め用突起部38Bを加締め用穴部39Bに挿入し、加締め用突起部38Bを加締めることで可動側複合加締め部38Fを構成して、固定側複合加締め部34Fと可動側複合加締め部38Fとを同じ厚さ寸法にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の開閉接点を備えた多極型の電磁リレーなどに使用される開閉接点構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多極型の電磁リレーにおいては、複数の開閉接点、例えば、6極の開閉接点を一パッケージにしているものがあり、開閉接点の構成はa接点とb接点とであり、6極の開閉接点の内の5極がa接点で1極がb接点で構成されるし、また、4極の開閉接点を一パッケージにした場合になると、3極がa接点で1極がb接点で構成される等である。このような多極型の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えるようにしている。なお、a接点は、固定端子を、例えば右に、可動端子を左にそれぞれ対向配置した開閉接点であるとすると、b接点では、固定端子を左に、可動端子を右にそれぞれ対向配置した開閉接点である。
【0003】
電磁リレーは年々小型化していて、各開閉接点を開閉作動させる作動力(吸引力)を発生する電磁石ブロックも小型化を余儀なくされており、小さい作動力(吸引力)で各開閉接点を開閉作動させるために、各開閉接点の可動端子の可動バネと固定端子の固定バネの板厚を変えており、固定バネに対して可動バネは、その板厚が薄くしてある。
【0004】
また、電磁リレーにおける各開閉接点では、それぞれの固定端子及び可動端子の端子支持部の配置が複雑になされるために、図32に示すように、固定端子300では、これの端子支持部301に固定バネ302をカシメピン303で加締めて取付けて、この加締め部分を複合加締め部分300Fとし、また、図33に示すように、可動端子304では、これの端子支持部305に可動バネ306をカシメピン307で加締めて取付けて、この加締め部分を複合加締め部分304Fにしている。
【0005】
この場合、固定端子300の端子支持部301の板厚と可動端子304の端子支持部305の板厚とが同じであり、固定バネ302に対して可動バネ304は、その板厚を薄くしているために、固定端子300側の複合加締め部分300Fと可動端子304側の複合加締め部分304Fに厚さ寸法の違いが生じることになる。また、電磁リレーの特性上等、組立て性能の観点から、複合加締め部分300F、304Fをカバーの圧入取付部(いずれも図示せず)に圧入するという構造にしてある。
【0006】
従来の、この種の電磁リレーとしては、樹脂成形されたカバーの上に、電磁石ブロック及び可動ブロックを縦姿勢で組み付けると共に、複数の開閉接点を、隔壁を挟んで前後2列に左右に並列装備して、各開閉接点における固定端子と可動端子とをカバーに圧入して端子足部をカバーの面部から突設したものが知られている(特許文献1参照)。
【0007】
また、従来の、この種の電磁リレーとしては、ハウジングの内部を隔壁で縦方向(例えば、上下方向)に二つの開閉接点収容部に区画し、上段の開閉接点収容部に、固定端子と可動端子とからなる開閉接点を、固定端子の固定バネ及び可動端子の可動バネが隔壁に対して平行状態にして、それぞれ二組配置し、固定端子と可動端子とをカバーに圧入して固定端子足部と可動端子足部をカバーから突出させ、また、下段の開閉接点収容部に、固定端子と可動端子とからなる開閉接点を、固定端子の固定バネ及び可動端子の可動バネが隔壁に対して平行状態にして、それぞれ二組配置し、固定端子と可動端子とをカバーに圧入して固定端子足部と可動端子足部をカバーから突出させる構成にしたものがある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平2000−285782号公報
【特許文献2】特開平11−273530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、従来の電磁リレーにおける各開閉接点では、固定端子300側の複合加締め部分300Fと可動端子304側の複合加締め部分304Fに厚さ寸法の違いが生じ、複合加締め部分300F、304Fをカバーの圧入取付部に圧入する構造をとっているために、上記したように、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えるようにするには、圧入構成の異なるカバーが複数必要になり、製作コストが嵩むという問題点があった。
【0009】
また、電磁リレーにおける各開閉接点において、固定端子300の端子支持部301の板厚と可動端子304の端子支持部305の板厚を変えて、固定端子300側の複合加締め部分300Fと可動端子304側の複合加締め部分304Fに厚さ寸法を同じにするという考えもあるが、板厚を変えた端子支持部301,305は、一定の板厚のリードフレームを打ち抜き加工して作製することが出来ず、固定端子300の端子リード部専用のリードフレームと、可動端子304の端子リード部専用のリードフレームとが必要になり、リードフレームのそれぞれを、別個の加工設備に供給して加工する必要があった。
【0010】
また、固定端子300及び可動端子304を作製するに際して、固定端子300の構成部品は、端子支持部301、固定バネ302、カシメピン303及び固定接点308の4個になり、また、可動端子304では、端子支持部305、可動バネ306、カシメピン307及び可動接点309の4個になる。
【0011】
この場合、接点加締めや、固定側支持部301及び可動側支持部305のカット、挿入、圧入の段階で金型が異なることから、固定端子300及び可動端子304の部品を個別に供給しており、設備台数が増加するという問題点があった。
【0012】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、その目的とするところは、各開閉接点において、固定側複合加締め部と可動側複合加締め部とを同じ厚さ寸法にして、a接点、b接点の数の入れ替えを可能にし、端子取付部材の個数の減少による製作コストの低減に寄与する開閉接点構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明に係る開閉接点構造は、固定端子と可動端子とで構成された開閉接点を有し、固定端子の固定側支持部に固定バネを接合した固定側複合接合部と、可動端子の可動側支持部に、固定バネの板厚寸法より小さい板厚寸法の可動バネを接合した可動側複合接合部とを端子取付部材の圧入取付部への圧入部にした開閉接点構造であって、固定側複合接合部と可動側複合接合部とが同じ厚さ寸法になるようにしたものである。
【0014】
かかる構成により、各開閉接点において、固定側複合接合部と可動側複合接合部とが同じ厚さ寸法にしてあるために、端子取付部材の圧入取付部を同じ形状にすることで、例えば、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えするような場合、a接点、b接点の数を入れ替えすることが可能になり、端子取付部材の個数が低減できて製作コストを安価にすることができる。ここで、端子取付部材としては、例えば、ベースが該当する。
【0015】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、固定側支持部の面部に段差部を形成し、この段差部に固定バネを接合して固定側複合接合部を形成するようにしたものである。
【0016】
かかる構成により、段差部に固定バネを接合して固定側複合接合部を構成することで、この固定側複合接合部と可動側複合接合部とを同じ厚さ寸法にすることができる。
【0017】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、段差部に固定バネを加締めにより固着して固定側複合接合部としての固定側複合加締め部を形成するようにしたものである。
【0018】
かかる構成により、各開閉接点において、固定側複合加締め部と可動側複合加締め部とが同じ厚さ寸法にしてあるために、端子取付部材の圧入取付部を同じ形状にすることで、例えば、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えするような場合、a接点、b接点の数を入れ替えすることが可能になり、端子取付部材の個数が低減できて製作コストを安価にすることができる。
【0019】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、段差部に加締め用突起部を設け、固定バネに加締め用穴部を設けて、段差部に固定バネを沿わせて加締め用突起部を加締め用穴部に挿入し、加締め用突起部を加締めることで固定側複合加締め部を形成するようにしたものである。
【0020】
かかる構成により、段差部に固定バネを沿わせて加締め用突起部を加締め用穴部に挿入し、加締め用突起部を加締めることで固定側複合加締め部を構成することで、この固定側複合加締め部と可動側複合加締め部とを同じ厚さ寸法にすることができる。
【0021】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、段差部と加締め用突起部とは一体に成形加工されているものである。
【0022】
かかる構成により、別部品としてのカシメピンが不要になって、カシメピンの供給や、固定側支持部(可動側支持部)及び固定バネ(可動バネ)への挿入が不必要になるために、これらの作業に要する金型等が無くなり、設備台数を軽減させることができる。
【0023】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、段差部に固定バネを溶接により固着して固定側複合接合部を形成するようにし、可動端子の可動側支持部に可動バネを溶接により固着して可動側複合接合部を形成するようにしたものである。
【0024】
かかる構成により、段差部に固定バネを溶接により固着して固定側複合接合部を構成することで、この固定側複合接合部と可動側複合接合部とを同じ厚さ寸法にすることができる。ここで、溶接とは、例えば、レザー溶接、スポット溶接等が該当する。
【0025】
また、本発明に係る開閉接点構造は、上記した本発明に係る開閉接点構造において、固定側支持部の板厚と可動側支持部の板厚とが同寸法であり、段差部の深さ寸法が固定バネの板厚から可動バネの板厚を減じた値である。
【0026】
かかる構成により、固定側支持部の板厚と可動側支持部の板厚とが同寸法であることで、一つのリードフレームで固定側支持部と可動側支持部とを打ち抜き加工することができ、加工工数が低減できて、製作コストを削減することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る開閉接点構造によれば、各開閉接点において、固定側複合接合部と可動側複合接合部とが同じ厚さ寸法になり、端子取付部材の圧入取付部を同じ形状にすることで、例えば、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えするような場合、端子取付部材においてa接点、b接点の数を入れ替えることが可能になり、端子取付部材の個数が低減できて製作コストを安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1に、本発明に係る開閉接点構造を有する電磁リレーの斜視図を示し、また、図2に、その下面側から見た斜視図を示し、図3に、その分解状態の斜視図を示す。なお、本発明の実施の形態の説明にあたって、便宜上、前後方向、左右方向及び上下方向を図示のように設定する。
【0030】
この電磁リレーは、図3に示すように、左右に長く前後に幅狭く樹脂成形されたカバー1と、このカバー1上に配置される端子取付部材であるベース2と、このベース2に上下二段に亘って組付けられる本発明に係る開閉接点構造Aと、ベース2の長手方向である左右方向に直線往復移動可能な開閉接点切換え用の移動体としてのカード5と、カバー1の長手方向の一方の側端部である左端部に組付けられる電磁石ブロック6と、カバー1に対して垂直方向である上下方向に沿う支点を中心に回動自在に支持され且つ電磁石ブロック6に対向配備されたカード駆動用の可動ブロック7と、カバー1に対して上方から外嵌装着されるケース8を備えている。
【0031】
本発明に係る開閉接点構造Aは多極型の上、下段の開閉接点3,4を備えており、ベース2と上、下段の開閉接点3,4とで端子ユニットUを構成している。
【0032】
上、下段の開閉接点3,4は、図8に示すように、左右方向(カード5の移動方向)に沿って並列であって、二段目の開閉接点である上段の開閉接点3としては、3極の接点、すなわち、左右に並列された第1,第3、第5接点3A,3B、3Cであり、左端の第1接点3Aは1組の常閉回路(常閉接点)(b接点)を構成し、中央および右端の接点、すなわち,第3,第5接点3B,3Cが2組の常開回路(常開接点)(a接点)を構成している。また、一段目の接点である下段の開閉接点4としては、3極の接点、すなわち、左右に並列された第2,第4、第6接点4A,4B、4Cであり、3組の常開回路(a接点)を構成している。
【0033】
図8及び図9に示すように、上段の開閉接点3の第1接点3Aは第1固定端子20Aと第1可動端子21Aとで構成してあり、第3接点3Bは第3固定端子20Bと第3可動端子21Bとで構成してあり、第5接点3Cは第5固定端子20Cと第5可動端子21Cとで構成してある。
【0034】
また、図8及び図23に示すように、下段の開閉接点4における第2接点4Aは第2固定端子22Aと第2可動端子23Aとで構成してあり、第4接点4Bは第4固定端子22Bと第4可動端子23Bとで構成してあり、第6接点4Cは第6固定端子22Cと第6可動端子23Cとで構成してある。
【0035】
また、図10乃至図12に示すように、第1接点3Aでは、その第1固定端子20Aは、固定側支持部34と、この固定側支持部34に加締めにより固定された固定バネ35と、この固定バネ35の先端部に固着された固定接点36を有しており、固定側支持部34の先側に固定端子足部37が設けてある。なお、図10では、第1可動端子21Aの可動接点40は、固定接点36に対して離して表示してある。
【0036】
この場合、図13及び図14に示すように、固定側支持部34の内面34aには、固定側支持部34の他の部分より肉厚の薄い深さ寸法hが0.13mmの段差部であるバネ取付部34Aが形成してあり、このバネ取付部34Aの面部には上下に加締め用突起部34Bが突設してある。また、図15に示すように、固定バネ35の基部には取付部35Aが形成してあって、この取付部35Aには上下に加締め用穴部35Bが形成してある。
【0037】
そして、バネ取付部34Aに取付部35Aを沿わせて加締め用突起部34Bを加締め用穴部35Bに挿入し、加締め用突起部34Bを加締めることで固定側支持部34に固定バネ35が取付けてあって、図10乃至図12に示すように、圧入部であり且つ固定側複合接合部としての固定側複合加締め部34Fが形成してある。
【0038】
また、図17に示すように、第1接点3Aの第1可動端子21Aは、可動側支持部38と、この可動側支持部38に加締めにより固定された可動バネ39と、この可動バネ39の先端部に固着された可動接点40を有しており、可動側支持部38の先側に可動端子足部41が設けてある。
【0039】
この場合、図17及び図18に示すように、可動側支持部38の内面38aにはバネ取付部38Aが形成してあり、このバネ取付部38Aの面部には上下に加締め用突起部38Bが突設してある。また、図18に示すように、可動バネ39の基部には取付部39Aが形成してあって、この取付部39Aには上下に加締め用穴部39Bが形成してある。
【0040】
そして、バネ取付部38Aに取付部39Aを沿わせて加締め用突起部38Bを加締め用穴部39Bに挿入し、加締め用突起部38Bを加締めることで可動側支持部38に可動バネ39が取付けてあって、図17に示すように、圧入部であり且つ可動側複合接合部としての可動側複合加締め部38Fを形成している。
【0041】
上記したように、固定側支持部34の板厚(t1=0.5mm)(図13参照)と可動側支持部38の板厚(t2=0.5mm)(図18参照)とが同寸法であり、段差部であるバネ取付部34Aの深さ寸法hが固定バネ35の板厚(t3=0.25mm)(図16参照)から可動バネ39の板厚(t4=0.12mm)(図18参照)を減じた値であり、バネ取付部34Aの深さ寸法hが0.13mmにしてあるために(図14参照)、第1固定端子20Aの固定側支持部34で固定バネ35の取付部35Aを加締めた固定側複合加締め部分34Fの厚さ寸法(t5=0.62mm)(図11参照)は、第1可動端子21Aの可動側支持部38で可動バネ39の取付部39Aを加締めた可動側複合加締め部38Fの厚さ寸法(t6=0.62mm)(図17参照)と同じになっている。
【0042】
また、図19に示すように、第3接点3Bの第3固定端子20Bは、固定側支持部24と、この固定側支持部24に加締めにより固定された固定バネ25と、この固定バネ25の先端部に固着された固定接点26を有しており、固定側支持部24の先側に固定端子足部27が設けてある。
【0043】
この場合、図21に示すように、固定側支持部24の内面24aには、固定側支持部24の他の部分より肉厚の薄い深さ寸法hが0.13mmの段差部であるバネ取付部24Aが形成してあり、このバネ取付部24Aの面部には上下に加締め用突起部24Bが突設してある。また、固定バネ25の基部には取付部25Aが形成してあって、この取付部25Aには上下に加締め用穴部25Bが形成してある。
【0044】
そして、図20に示すように、バネ取付部24Aに取付部25Aを沿わせて加締め用突起部24Bを加締め用穴部25Bに挿入し、加締め用突起部24Bを加締めることで固定側支持部24に固定バネ25が取付けてあって、圧入部であり且つ固定側複合接合部としての固定側複合加締め部24Fを形成している。
【0045】
また、図19に示すように、第3接点3Bの第3可動端子21Bは、可動側支持部30と、この可動側支持部30に加締めにより固定された可動バネ31と、この可動バネ31の先端部に固着された可動接点32を有しており、可動側支持部30の先側に可動端子足部33が設けてある。
【0046】
この場合、図22に示すように、可動側支持部30の内面30aにはバネ取付部30Aが形成してあり、このバネ取付部30Aの面部には上下に加締め用突起部30Bが突設してある。また、可動バネ31の基部には取付部31Aが形成してあって、この取付部31Aには上下に加締め用穴部31Bが形成してある。
【0047】
そして、バネ取付部30Aに取付部31Aを沿わせて加締め用突起部30Bを加締め用穴部31Bに挿入し、加締め用突起部30Bを加締めることで可動側支持部30に可動バネ31が取付けてあって、図19に示すように、圧入部であり且つ可動側複合接合部としての可動側複合加締め部30Fを形成している。
【0048】
固定バネ25と可動バネ31では、それぞれに板厚が異なり、板厚差で0.13mm程度あるが、上記したように、バネ取付部24Aの深さ寸法hが0.13mmにしてあるために、第2固定端子20Bの固定側支持部24で固定バネ25の取付部25Aを加締めた固定側複合加締め部分24Fの厚さ寸法(t5=0.62mm)(図19参照)は、第3可動端子21Bの可動側支持部30で可動バネ31の取付部31Aを加締めた可動側複合加締め部31Fの厚さ寸法(t6=0.62mm)(図19参照)と同じになっている。
【0049】
また、図19に示すように、第5接点3Cは第5接点3Bと同構成であって、この第5接点3Cにおける第5固定端子20Cは第3固定端子20Bと同構成であり、第5可動端子21Cは第3可動端子21Bと同構成である。したがって、同じ符号を付して説明を省略するが、第5固定端子20Cの固定端子足部を27−1とし、第5可動端子21Cの可動端子足部を33−1とする。
【0050】
上記した下段の開閉接点4において、図23及び図24に示すように、第2接点4Aの第2固定端子22Aは、固定側支持部42と、固定側支持部42に加締めにより固定された固定バネ43と、この固定バネ43の先端部に固着された固定接点44を有しており、固定側支持部42の先側に固定端子足部45が設けてある。
【0051】
この場合、図27及び図28に示すように、固定側支持部42の内面42aには、固定側支持部42の他の部分より肉厚の薄い深さ寸法hが0.13mmの段差部であるバネ取付部42Aが形成してあり、このバネ取付部42Aの面部には上下に加締め用突起部42Bが突設してある。また、図26に示すように、固定バネ43の基部には取付部43Aが形成してあって、この取付部43Aには上下に加締め用穴部43Bが形成してある。
【0052】
そして、バネ取付部42Aに取付部43Aを沿わせて加締め用突起部42Bを加締め用穴部43Bに挿入し、加締め用突起部42Bを加締めることで固定側支持部42に固定バネ43が取付けてあって、図26に示すように、圧入部であり且つ固定側複合接合部としての固定側複合加締め部42Fを形成している。
【0053】
また、図29及び図30に示すように、第2接点4Aの第2可動端子23Aは、可動側支持部46と、この可動側支持部46に加締めにより固定された可動バネ47と、この可動バネ47の先端部に固着された可動接点48を有しており、可動側支持部46の先側に可動端子足部49が設けてある。
【0054】
この場合、図30に示すように、可動側支持部46の内面46aにはバネ取付部46Aが形成してあり、このバネ取付部46Aの面部には上下に加締め用突起部46Bが突設してある。また、可動バネ47の基部には取付部47Aが形成してあって、この取付部47Aには上下に加締め用穴部47Bが形成してある。
【0055】
そして、バネ取付部46Aに取付部47Aを沿わせて加締め用突起部46Bを加締め用穴部47Bに挿入し、加締め用突起部46Bを加締めることで可動側支持部46に可動バネ47が取付けてあって、図29に示すように、圧入部であり且つ可動側複合接合部としての可動側複合加締め部46Fを形成している。
【0056】
固定バネ43と可動バネ47では、それぞれに板厚が異なり、板厚差で0.13mmあるが、上記したように、バネ取付部42Aの深さ寸法hが0.13mmにしてあるために、第4固定端子22Aの固定側支持部42で固定バネ43の取付部43Aを加締めた固定側複合加締め部分42Fの厚さ寸法(t5=0.62mm)(図25参照)は、第2可動端子23Bの可動側支持部46で可動バネ47の取付部47Aを加締めた可動側複合加締め部47Fの厚さ寸法(t6=0.62mm)(図25参照)と同じになっている。
【0057】
また、図23及び図24に示すように、第4接点4B及び第6接点4Cは第2接点4Aと同構成であって、この第4接点5Bにおける第4固定端子22B及び第6接点4Cにおける第6固定端子22Cは第4固定端子22Aと同構成であり、第4可動端子23B及び第6可動端子23Cは第2可動端子23Aと同構成である。したがって、同じ符号を付して説明を省略するが、第4固定端子22Bの固定端子足部を45−1とし、第6固定端子22Cの固定端子足部を45−2とし、第4可動端子23Bの可動端子足部を49−1とし、第6可動端子23Bの可動端子足部を49−2とする。
【0058】
そして、第1〜第6可動端子21A,23A,21B,23B,21C,23Cは、それぞれの可動バネ31,39,47の先端部(自由端部)にカード係止部50を有している。
【0059】
上記したように、固定側支持部34の内面34(24,42)に深さ寸法hが0.13mmのバネ取付部34A(24A,42A)を形成し、このバネ取付部34A(24A,42A)の面部に加締め用突起部34B(38B,24B,42B)を突設するには、図31に示す段付加工と突出加工とを一つの工程により行い、固定側支持部34(24,42)の内面34a(24a,42a)にバネ取付部34A(24A,42A)と加締め用突起部34B(24B,42B)を同時に形成する。
【0060】
カバー1には、図2及び図3に示すように、その長手方向である左右方向に所定の間隔をおいて、第1固定端子貫通孔部14Aと、第3可動端子貫通孔部14Bと、第5可動端子貫通孔部14Cが形成してある。また、カバー1には、左右方向に所定の間隔をおいて、第2固定端子貫通孔部10Aと、第4固定端子貫通孔部10Bと、第6固定端子貫通孔部10Cが形成してあり、また、カバー1の内面1aには、カバー側隔壁11A,11B,11C,11D,11E,11Fが突設してあって、カバー側隔壁11Dの前端部側に第2固定端子貫通孔部10Aが位置しており、カバー側隔壁11Eの前端部側に第4固定端子貫通孔部10Bが位置しており、カバー側隔壁11Fの前端部側に第6固定端子貫通孔部10Cが位置している。
【0061】
また、カバー1の後側縁部(短手方向の一辺縁部)には、切欠き部12A,12B,12C,12Dが、カバー1の左右方向に所定の間隔をおいて形成してある。また、カバー1には、その左端部にコイル端子貫通孔部15A,15Bが形成してある。
【0062】
ベース2は、図6に示すように、上段の開閉接点3と下段の開閉接点4とを隔絶するプレート状のベース本体51を有しており、このベース本体51の前側部には移動体保持部であるカード保持部120が形成してあり、ベース本体51の左端部にはブロック取付部110が設けてある。
【0063】
ベース本体51の一方の面部である上面部51aには、第1接点装着部52Aと、第3接点装着部52Bと、第5接点装着部52Cが設けてあり、これらの第1接点装着部52A、第3接点装着部52B及び第5接点装着部52Cは二段目開閉接点装着部を構成する。また、第1接点装着部52Aと第3接点装着部52Bとは隔壁55,56により区画してあり、第3接点装着部52Bと第5接点装着部52Cとは隔壁57により区画してあり、ベース本体51における隔壁55,56間は開口部58にしてある。この開口部58の後端部には復帰ばね取付部59が形成してある。
【0064】
そして、図6に示すように、第1接点装着部52Aは第1固定端子装着部53と第1可動端子装着部54を備えており、第1固定端子装着部53と第1可動端子装着部54との間に隔壁60が設けてある。そして、第1固定端子装着部53には、圧入取付部としての端子圧入凹部61と固定端子挿入孔部62が設けてあり、第1可動端子装着部54には、圧入取付部としての端子圧入凹部63と可動端子挿入孔部64が設けてある。
【0065】
また、図6に示すように、第3接点装着部52Bは第3可動端子装着部65と第3固定端子装着部66を備えており、第3可動端子装着部65と第3固定端子装着部66との間に隔壁67が設けてある。そして、第3可動端子装着部65には、圧入取付部としての端子圧入凹部68と固定端子挿入孔部71が設けてあり、第3固定端子装着部66には、圧入取付部としての端子圧入凹部70と可動端子挿入孔部69が設けてある。
【0066】
また、第5接点装着部52Cは第5可動端子装着部72と第5固定端子装着部73を備えており、第5可動端子装着部72と第5固定端子装着部73との間には隔壁74が設けてある。そして、第5可動端子装着部72には、圧入取付部としての端子圧入凹部75と可動端子挿入孔部76とが設けてあり、第5固定端子装着部73には、圧入取付部としての端子圧入凹部77と固定端子挿入孔部78が設けてある。
【0067】
そして、端子圧入凹部61,68,75は、それぞれに右側壁部に加締め部挿入溝61a,68a,75aを有していて同構成にしてあり、端子圧入凹部63,70,77は、それぞれに左側壁部に加締め部挿入溝63a,70a,77aを有していて同構成にしてある。
【0068】
また、図7に示すように、ベース本体51の他方の面部である下面部51bには、第2接点装着部79Aと、第4接点装着部79Bと、第6接点装着部79Cが設けてある。これらの第2接点装着部79A、第4接点装着部79B及び第6接点装着部79Cは一段目開閉接点装着部を構成する。また、第2接点装着部79Aと第4接点装着部79Bとは隔壁55A,56Aにより区画してあり、第4接点装着部79Bと第6接点装着部79Cとは隔壁57Aにより区画してある。
【0069】
また、図7に示すように、第2接点装着部79Aは第2固定端子装着部82と第2可動端子装着部83を備えており、第2固定端子装着部82と第2可動端子装着部83との間には隔壁84が設けてある。そして、第2固定端子装着部82には、圧入取付部としての端子圧入凹部85が設けてあり、第2可動端子装着部83には、圧入取付部としての端子圧入凹部86が設けてある。
【0070】
また、第4接点装着部79Bは第4固定端子装着部87と第4可動端子装着部88を備えており、第4固定端子装着部87と第4可動端子装着部88との間には隔壁89が設けてある。そして、第4固定端子装着部87には、圧入取付部としての端子圧入凹部90が設けてあり、第4可動端子装着部88には、圧入取付部としての端子圧入凹部91が設けてある。
【0071】
また、第6接点装着部79Cは第6固定端子装着部92と第6可動端子装着部93を備えており、第6固定端子装着部92と第6可動端子装着部93との間には隔壁94が設けてある。そして、第6固定端子装着部92には、圧入取付部としての端子圧入凹部95が設けてあり、第6可動端子装着部93には、圧入取付部としての端子圧入凹部96が設けてある。
【0072】
そして、端子圧入凹部85,90,95とは、それぞれに左側壁部に加締め部挿入溝85a,90a,95aを有していて同構成にしてあり、端子圧入凹部86、91、96とは、それぞれに右側壁部に加締め部挿入溝86a,92a,96aを有していて同構成にしてある。
【0073】
そして、図7に示すように、ベース本体51の下面部51bには、端子挿入孔部62が開口した第1の端子保持部97と、端子挿入孔部71が開口した第2の端子保持部98と、端子挿入孔部76が開口した第3の端子保持部99が突設してあり、また、ベース本体51の下面部51bの後縁部には、端子挿入孔部64が開口した第4の端子保持部100と、端子挿入孔部69が開口し且つ保持溝部101aを有する第5の端子保持部101と、端子挿入孔部78が開口し且つ保持溝部102aを有する第6の端子保持部102と、保持溝部121aを有する第7の端子保持部121が突設してある。
【0074】
上記のように構成されたベース2において、図4に示すように、第1接点装着部52Aの第1固定端子装着部53には、第1固定端子20Aが装着してある。この場合、固定側支持部34の固定側複合加締め部34Fが端子圧入凹部61に圧入してあり、また、第1固定端子20Aの固定端子足部37が固定端子挿入孔部62に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0075】
また、図4に示すように、第1接点装着部52Aの第1可動端子装着部54には第1可動端子21Aが装着してある。この場合、可動側支持部38の可動側複合加締め部38Fが端子圧入凹部63に圧入してあり、また、第1可動端子21Aの可動端子足部41が可動端子挿入孔部64に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0076】
また、図4に示すように、第3接点装着部52Bの第3可動端子装着部65には第3可動端子21Bが装着してある。この場合、可動側支持部30の可動側複合加締め部30Fが端子圧入凹部69に圧入してあり、また、第3可動端子21Bの可動端子足部33が可動端子挿入孔部71に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0077】
また、図4に示すように、第3接点装着部52Bの第3固定端子装着部66には第3固定端子20Bが装着してある。この場合、固定側支持部24の固定側複合加締め部24Fが端子圧入凹部70に圧入してあり、また、第3固定端子20Bの固定端子足部27が固定端子挿入孔部69に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0078】
また、図4に示すように、第5接点装着部52Cの第5可動端子装着部72には第5可動端子21Cが装着してある。この場合、可動側支持部30の可動側複合加締め部30Fが端子圧入凹部75に圧入してあり、また、第5可動端子21Cの可動端子足部33−1が可動端子挿入孔部76に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0079】
また、第5固定端子装着部73には第5固定端子20Cが装着してある。この場合、固定側支持部24の固定側複合加締め部24Fが端子圧入凹部77に圧入してあり、また、第5固定端子20Cの固定端子足部27−1が固定端子挿入孔部78に挿入してあって、ベース2の下方に突出している。
【0080】
また、図5に示すように、第2接点装着部79Aの第2固定端子装着部82には第2固定端子22Aが装着してあり、この場合、固定側側持部42の固定側複合加締め部42Fが端子圧入凹部85に圧入してあり、また、第2固定端子22Aの固定端子足部45がベース2の下方に突出している。
【0081】
また、第2可動端子装着部83には第2可動端子23Aが装着してあり、この場合、可動側支持部46の可動側複合加締め部46Fが端子圧入凹部86に圧入してあり、第2可動端子23Aの可動端子足部49が、保持溝部101aに保持された状態でベース2の下方に突出している。
【0082】
また、第4固定端子装着部87には第4固定端子22Bが装着してあり、この場合、固定側支持部42の固定側複合加締め部42Fが端子圧入凹部90に圧入してあり、また、第4固定端子22Bの固定端子足部45−1がベース2の下方に突出している。
【0083】
また、第4可動端子装着部88には第4可動端子23Bが装着してあり、この場合、可動側支持部46の可動側複合加締め部46Fが端子圧入凹部91に圧入してあり、第4可動端子23Bの可動端子足部49−1が、保持溝部102aに保持された状態でベース2の下方に突出している。
【0084】
また、第6固定端子装着部92には第6固定端子22Cが装着してあり、この場合、固定側支持部42の固定側複合加締め部42Fが端子圧入凹部95に圧入してあり、また、第6固定端子22Cの固定端子足部45−2がベース2の下方に突出している。
【0085】
また、第6可動端子足部93には第6可動端子23Cが装着してあり、この場合、可動側支持部46の可動側複合加締め部46Fが端子圧入凹部96に圧入してあり、第6可動端子23Cの可動端子足部49−2が、保持溝部121に保持された状態でベース2の下方に突出している。
【0086】
そして、ベース本体51における隔壁56,57間の開口部58には、先端にカード係止部103Aを有する復帰ばね103が配置してあり、この復帰ばね103は復帰ばね取付部59に取付けてある。
【0087】
また、図4に示すように、ブロック取付部110には電磁石ブロック6が取付けてあるし、この電磁石ブロック6の各ヨーク108の屈曲端部側に可動ブロック7が配置してあり、可動ブロック7は、ブロック取付部110に支承された支点軸115に回動自在に支持されている。
【0088】
また、図4に示すように、ベース2のベース本体51には、カード保持部120によって、カード5が左右方向に直線スライド可能に案内保持されており、カード5には、第1〜第6可動端子21A,23A,21B,23B,21C,23Cのそれぞれの可動バネ31,39,47の先端のカード係止部50と、復帰ばね103の先端のカード係止部103Aが係止してあり、カード5の左右往復移動によって各可動バネ31,39,47が変位されて開閉接点切換えが行われるようになっている。なお、このカード5には、復帰ばね103の弾性力によって常に電磁石ブロック6側への復帰力が付与されている。
【0089】
上記したように、電磁ブロック6、可動ブロック7及びカード5を組付けた端子ユニットUは、図2に示すように、カバー1に装着してある。この場合、図2に示すように、第1の端子保持部97がカバー1の第1固定端子貫通孔部14Aに臨んでいて、この第1固定端子貫通孔部14Aに固定端子足部37が貫通しており、第2の端子保持部98がカバー1の第3可動端子貫通孔部14Bに臨んでいて、この第3可動端子貫通孔部14Bに可動端子足部33が貫通しており、第3の端子保持部99がカバー1の第5可動端子貫通孔部14Cに臨んでいて、この第5可動端子貫通孔部14Cに可動端子足部33−1が貫通してある。
【0090】
また、第4の端子保持部100がカバー1の切欠き部12Aに挿入してあり、第5の端子保持部101がカバー1の切欠き部12Bに挿入してあり、第6の端子保持部102がカバー1の切欠き部12Cに挿入してあり、また、第7の端子保持部121がカバー1の切欠き部12Dに挿入してある。
【0091】
また、第2固定端子22A、第4固定端子22B及び第6固定端子22Cのそれぞれの固定端子足部45,45−1,45−2がカバー1の第2固定端子貫通孔部10A、第4固定端子貫通孔部10B及び第6固定端子貫通孔部10Cに貫通している。
【0092】
そして、カバー1に対して上方から、電磁石ブロック6、可動ブロック7及びカード5を組付けた端子ユニットUを覆うようにしてケース8が着脱可能に装着してある。
【0093】
この場合、電磁石ブロック6および可動ブロック7は、この可動ブロック7の支点を中心とした支持軸115の仮想軸線が、カバー1の面部に対して、上下方向に延びるように、すなわち、カバー1に対して、倒れ姿勢で配置される一方、上、下段の開閉接点3,4を構成する第1〜第6固定端子20A,22A,20B,22B,20C,22Cの固定バネ25,35,43及び第1〜第6可動端子21A,23A,21B,23B,21C,23Cの可動バネ31,39,47も、その長手方向が、カバー1の面部に対して平行になるように、すなわち、カバー1に対して、倒れ姿勢になるように配置される。
【0094】
そして、コイル27への通電が断たれている非励磁時には、可動ブロック7は、復帰ばね103の復帰力により時計回り方向に回動しており、図4に示すように、上段の開閉接点3では、第1接点3Aが閉作動し、第3接点3B及び第5接点3Cが開作動しており、また、下段の開閉接点4では、第2接点4A、第4接点4B及び第6接点4Cのそれぞれが開作動している。
【0095】
また、コイル27へ通電された励磁時には、可動ブロック7は復帰ばね103の復帰力に抗して反時計回り方向に回動してカード5が左方にスライド移動されて上、下段の開閉接点3,4の切換えが行われて、上段の開閉接点3では、第1接点3Aが開作動し、第3接点3B、第5接点3Cが閉作動し、また、下段の開閉接点3では、第2接点4A、第4接点4B及び第6接点4Cのそれぞれが閉作動する。
【0096】
上記したように、本発明の実施の形態によれば、固定側支持部24、34,42の板厚と可動側支持部30、38,46の板厚とが同寸法であり、段差部であるバネ取付部24A、34A,42Aの深さ寸法が固定バネ25,35,43の板厚から可動バネ31,39,47の板厚を減じた値であるし、バネ取付部24A、34A,42Aに固定バネ25,35,43を沿わせて加締め用突起部24B,34B,42Bを加締め用穴部25B,35B,43Bに挿入し、加締め用突起部24B,34B,42Bを加締めることで固定側複合加締め部24F,34F,42Fとし、可動側支持部30、38,46の面部に可動バネ31,39,47を沿わせて加締め用突起部31B,38B,46Bを加締め用穴部31B,39B,47Bに挿入し、加締め用突起部31B,38B,46Bを加締めることで可動側複合加締め部30F,38F,46Fが形成してあり、固定側複合加締め部24F,34F,42Fと可動側複合加締め部30F,38F,46Fとが同じ厚さ寸法にしてあるために、ベース2の端子圧入凹部(61,68,75),(85,90,95)を同じ形状にすることで、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えするような場合、a接点、b接点の数を入れ替えが可能になり、ベース2の個数が低減できて製作コストを安価にすることができる。
【0097】
また、本発明の実施の形態によれば、固定側支持部24、34,42の板厚と可動側支持部30、38,46の板厚とが同寸法であることで、一つのリードフレームで固定側支持部24、34,42と可動側支持部30、38,46とを打ち抜き加工することができ、加工工数が低減できて、製作コストを削減することができる。
【0098】
また、本発明の実施の形態によれば、段差部であるバネ取付部24A、34A,42Aと加締め用突起部24B,34B,42Bとは段付き加工と突き出し加工とを一つの工程で行い、同時に一体に成形されることにより、別部品としてのカシメピンが不要になって、カシメピンの供給や、固定側支持部(可動側支持部)及び固定バネ(可動バネ)への挿入が不必要になるために、これらの作業に要する金型等が無くなり、設備台数を軽減させることができる。
【0099】
上記した本発明の実施の形態では、段差部であるバネ取付部24A、34A,42Aに固定バネ25,35,43を加締めにより固着して固定側複合接合部としての固定側複合加締め部24F,34F,42Fを形成するようにしたが、段差部であるバネ取付部24A、34A,42Aに固定バネ25,35,43を溶接(レザー溶接、スポット溶接等)により固着して固定側複合接合部を形成することは可能であり、また、可動側支持部30、38,46の面部に可動バネ31,39,47を溶接(レザー溶接、スポット溶接等)により接合することで可動側複合接合部を形成することは可能であって、固定側複合接合部と可動側複合接合部とを同じ厚さ寸法にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る開閉接点構造によれば、各開閉接点において、固定側複合接合部(固定側複合加締め部)と可動側複合接合部(可動側複合加締め部)とが同じ厚さ寸法にしてあるために、端子取付部材の圧入取付部を同じ形状にすることで、例えば、必要な極数の電磁リレーの開閉接点構造を実現するために、a接点、b接点の数を入れ替えするような場合、a接点、b接点の数を入れ替えが可能になり、端子取付部材の個数が低減できて製作コストを安価にすることができるという効果を有しており、複数の開閉接点を備えた多極型の電磁リレー等の開閉接点構造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】電磁リレーの斜視図である。
【図2】同電磁リレーを、その下面側から見た斜視図である。
【図3】同電磁リレーの分解状態の斜視図である。
【図4】ケース及びカバーを取外した電磁リレーの上面図である。
【図5】ケース及びカバーを取外した電磁リレーの下面図である。
【図6】ベースの上面図である。
【図7】ベースの下面図である。
【図8】本発明に係る開閉接点構造を前面側から見た斜視図である。
【図9】同開閉接点構造における上段(二段目)の開閉接点を後面側から見た斜視図である。
【図10】上段(二段目)の開閉接点における第1接点の斜視図である。
【図11】同第1接点の平面図である。
【図12】同第1接点における固定端子の斜視図である。
【図13】同第1接点における固定側支持部の斜視図である。
【図14】同固定側支持部の平面図である。
【図15】第1接点における固定バネの斜視図である。
【図16】同固定バネの平面図である。
【図17】第1接点における可動端子の斜視図である。
【図18】同可動端子の分解状態の斜視図である。
【図19】上段(二段目)の開閉接点における第3、第5接点の斜視図である。
【図20】第3、第5接点の固定端子の斜視図である。
【図21】第3、第5接点の固定端子の分解状態の斜視図である。
【図22】第3、第5接点の可動端子の分解状態の斜視図である。
【図23】下段(一段目)の開閉接点を後面側から見た斜視図である。
【図24】下段(一段目)の開閉接点における第2、第4、第6接点の斜視図である。
【図25】同第2、第4、第6接点の平面図である。
【図26】同第2、第4、第6接点における固定端子の斜視図である。
【図27】同固定端子の固定側支持部の斜視図である。
【図28】同固定端子の固定側支持部の平面図である。
【図29】第2、第4、第6接点における可動端子の斜視図である。
【図30】同可動端子の分解状態の斜視図である。
【図31】固定側支持部の内面にバネ取付部と加締め用突起部を形成する成形加工の説明図である。
【図32】従来の開閉接点構造における固定端子の斜視図である。
【図33】従来の開閉接点構造における固定端子の斜視図である。
【符号の説明】
【0102】
U 端子ユニット
1 カバー
2 ベース(端子取付部材)
3 上段の開閉接点(二段目の開閉接点)
3A 第1接点
3B 第3接点
3C 第5接点
4 下段の開閉接点(一段目の開閉接点)
4A 第2接点
4B 第4接点
4C 第6接点
20A 第1固定端子
20B 第3固定端子
20C 第5固定端子
21A 第1可動端子
21B 第3可動端子
21C 第5可動端子
22A 第2固定端子
22B 第4固定端子
22C 第6固定端子
23A 第2可動端子
23B 第4可動端子
23C 第6可動端子
24 固定側支持部
24A バネ取付部(段差部)
24B 加締め用突起部
24F 固定側複合加締め部(圧入部)(固定側複合接合部)
25 固定バネ
25A 取付部
25B 加締め用穴部
26 固定接点
27 固定端子足部
27−1 固定端子足部
30 可動側支持部
30A バネ取付部
30B 加締め用突起部
30F 可動側複合加締め部(圧入部)(可動側複合接合部)
31 可動バネ
31A 取付部
31B 加締め用穴部
32 可動接点
33 可動端子足部
33−1 可動端子足部
34 固定側支持部
34A バネ取付部(段差部)
34B 固定側加締め用突起部
34F 固定側複合加締め部(圧入部)(固定側複合接合部)
35 固定バネ
35A 取付部
35B 加締め用穴部
36 固定接点
37 固定端子足部
38 可動側支持部
38A バネ取付部
38B 加締め用突起部
38F 可動側複合加締め部(圧入部)(可動側複合接合部)
39 可動バネ
39A 取付部
39B 加締め用穴部
40 可動接点
41A 可動端子足部
42 固定側支持部
42A バネ取付部(段差部)
42B 加締め用突起部
42F 固定側複合加締め部(圧入部)(固定側複合接合部)
43 固定バネ
43A 取付部
43B 加締め用穴部
44 固定接点
45 固定端子足部
45−1 固定端子足部
45−2 固定端子足部
46 可動側支持部
46A バネ取付部
46B 加締め用突起部
46F 可動側複合加締め部(圧入部)(可動側複合接合部)
47 可動バネ
47A 取付部
47B 加締め用穴部
48 固定接点
49 可動端子足部
49−1 可動端子足部
61 端子圧入凹部(圧入取付部)
68 端子圧入凹部(圧入取付部)
75 端子圧入凹部(圧入取付部)
85 端子圧入凹部(圧入取付部)
90 端子圧入凹部(圧入取付部)
95 端子圧入凹部(圧入取付部)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定端子と可動端子とで構成された開閉接点を有し、前記固定端子の固定側支持部に固定バネを接合した固定側複合接合部と、前記可動端子の可動側支持部に、前記固定バネの板厚寸法より小さい板厚寸法の可動バネを接合した可動側複合接合部とを端子取付部材の圧入取付部への圧入部にした開閉接点構造であって、
前記固定側複合接合部と前記可動側複合接合部とが同じ厚さ寸法になるようにしたことを特徴とする開閉接点構造。
【請求項2】
前記固定側支持部の面部に段差部を形成し、この段差部に前記固定バネを接合して前記固定側複合接合部を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の開閉接点構造。
【請求項3】
前記段差部に前記固定バネを加締めにより固着して前記固定側複合接合部としての固定側複合加締め部を形成するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の開閉接点構造。
【請求項4】
前記段差部に加締め用突起部を設け、前記固定バネに加締め用穴部を設けて、前記段差部に前記固定バネを沿わせて前記加締め用突起部を前記加締め用穴部に挿入し、前記加締め用突起部を加締めることで前記固定側複合加締め部を形成するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の開閉接点構造。
【請求項5】
前記段差部と前記加締め用突起部とは一体に成形加工されていることを特徴とする請求項4に記載の開閉接点構造。
【請求項6】
前記段差部に前記固定バネを溶接により固着して前記固定側複合接合部を形成し、前記可動側支持部に、前記可動バネを溶接により固着して前記可動側複合接合部を形成するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の開閉接点構造。
【請求項7】
前記固定側支持部の板厚と前記可動側支持部の板厚とは同寸法であり、前記段差部の深さ寸法が前記固定バネの板厚から前記可動バネの板厚を減じた値であることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかの一に記載の開閉接点構造。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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