開閉装置、及び、これを用いた建築構造体
【課題】開閉操作が容易で、安価に製造し得え、且、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供する。
【解決手段】開閉装置3を構成するベース部4において、一対の支持部41、41は、互いに間隔L41を隔てて向かい合っている。曲軸体5は、両端50が一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられている。主アーム部51は、両端50のそれぞれを中心として回転運動(R1又はR2)する。連結アーム部52は、両端50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径D51を決定する。開閉装置3は、支柱7と、シート体8と組み合わされて建築構造体1を構成する。支柱7は、間隔L41内に配置されている。シート体8は、一端81が主アーム部51に取り付けられ、支柱7を開閉可能に覆っている。
【解決手段】開閉装置3を構成するベース部4において、一対の支持部41、41は、互いに間隔L41を隔てて向かい合っている。曲軸体5は、両端50が一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられている。主アーム部51は、両端50のそれぞれを中心として回転運動(R1又はR2)する。連結アーム部52は、両端50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径D51を決定する。開閉装置3は、支柱7と、シート体8と組み合わされて建築構造体1を構成する。支柱7は、間隔L41内に配置されている。シート体8は、一端81が主アーム部51に取り付けられ、支柱7を開閉可能に覆っている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置、及び、これを用いた建築構造体に関する。本発明に係る開閉装置を用いた「建築構造体」には、農業用温室やテントなどの仮設建築物の他、庇や屋根など建築物の一部が含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル型の農業用温室(トンネル型温室)を用いた農作物の栽培が行われている。一般にトンネル型温室は、アーチ状に湾曲させた複数の支柱を、畝の長さに沿って間隔を隔てて設置し、設置した支柱にシート体を被せることにより構成される。トンネル型温室は、シート体の内側にトンネル状の内部空間を有するから、例えば畝に設置することにより、作付けされた農作物を、気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護することができる。
【0003】
ところで、この種のトンネル型温室は、トンネル内が高温化および高湿化しやすいから、農作物の育成上、適宜トンネル内の換気を行うことが重要となる。トンネル型温室の換気作業について、特許文献1には、シート体の一端縁(裾部分)を上方にたくし上げ、支柱に掛け止める止め具が開示されている。
【0004】
他方、特許文献1の開示内容では、農作業従事者に過大な労働負担が掛かる点で問題がある。すなわち、トンネル型温室は、畝の長さに沿って設けられるものであるから、通常、トンネル型温室の長さは数mから数十mにも達する。しかも、シート体は、裾部分が地表面に位置するため、農作業従事者は、換気作業を行う際に長時間の中腰姿勢を強いられる。特に、農作業従事者の高齢化が進む今日では、労働負担を軽減し、且、作業効率を向上しうることが求められている。
【0005】
上述した要請に応えるものとして、特許文献2には、アーチ状の支柱と、シート体と、シート支持杆と、駆動ロープと、ロープ巻取杆と、ハンドルとから構成されるトンネル開閉装置が開示されている。シート体は、アーチ状の支柱を被覆し、裾部分がシート支持杵によって支持されている。駆動ロープは、シート支持杆を牽引する。
【0006】
確かに、特許文献2のトンネル開閉装置によると、農作業作業者は、ハンドルを操作してロープ巻取杆に駆動ロープを巻き取ることにより、シート支持杆に支持されているシート体の裾部分を一連にたくし上げることができる。
【0007】
しかし、特許文献2に係るトンネル開閉装置の構成において、シート支持杆の長さは、畝の長さに沿って予め決定されているから、例えば、季節ごとに作付けされる農作物が変わり、覆うべき作付け面積が変わった場合、シート支持杆を交換しない限り、作付け面積の変更に追従することができない。
【0008】
また、特許文献2のトンネル開閉装置では、部品点数が多い分だけ製造コスト高となるから、農業従事者は、その導入に当たって過大な経済的負担を強られることとなる。しかも、部品点数が多い分だけ、故障等の不具合が発生する危険が高まり、導入後にも定期的な保守点検が必要となるから、維持管理費用が掛かることとなる。
【0009】
さらに近年、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園などの進展に伴い、数m程度の小規模なトンネル型温室に対する市場の要請が高まっている。これに対し、そもそも、特許文献2に係るトンネル開閉装置は、専業農家など一定以上の規模で行われる農作業に用いられることを想定した構造となっており、小規模なトンネル型温室に用いた場合には、コスト高となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−189334号公報
【特許文献2】特開2008−092836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの課題は、安価に製造し得る開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの課題は、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明に係る開閉装置は、ベース部と、曲軸体とを含む。ベース部は、一対の支持部を有しており、一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っている。曲軸体は、主アーム部と、連結アーム部とを有し、両端が一対の支持部に軸回転可能に取り付けられている。主アーム部は、両端のそれぞれを中心として回転運動する。連結アーム部は、両端のそれぞれと、主アーム部とを連結し、主アーム部の回転半径を決定する。
【0015】
本発明に係る開閉装置は、少なくとも1つの支柱と、シート体と組み合わされることにより、農業用温室、テント、又は、建築物の庇部分もしくは屋根部分などの建築構造体を構成するために用いられる。本発明に係る建築構造体を構成する支柱は、一対の支持部の間隔内に配置されている。シート体は、一端が主アーム部に取り付けられ、支柱を開閉可能に覆っている。
【0016】
上述したように、本発明に係る建築構造体を構成する開閉装置において、ベース部を構成する一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っているから、該間隔内に、農作物などの被覆対象物を配置することができる。しかも、一対の支持部の間隔は、被覆対象物の寸法に応じて適宜設定することが可能であるから、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置を提供することができる。
【0017】
曲軸体は、両端が、ベース部を構成する一対の支持部に軸回転可能に取り付けられているから、一対の支持部を設置した状態で、曲軸体のみを軸回転させることが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置を提供することができる。
【0018】
主アーム部は、両端のそれぞれを中心として回転運動する。この構造によると、主アーム部にシート体の一端を取り付け、曲軸体を軸回転させることにより、該シート体の一端を一連に持ち上げ、又は、引き下ろすことが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0019】
連結アーム部は、曲軸体の両端のそれぞれと、主アーム部とを連結し、主アーム部の回転半径を決定する。すなわち、主アーム部は、曲軸体を軸回転させたとき、両端を中心とし、且、連結アーム部の長さ寸法を回転半径とする円弧状の軌跡を描きながら回転する。この構成によると、例えば支柱を円弧状に湾曲させ、一対の支持部の間隔に配置した場合に、連結アーム部の長さ寸法を適宜調節することにより、主アーム部を、該支柱の外側で回転させることができる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0020】
本発明に係る開閉装置は、さらに弾性部材を含み、弾性部材は、曲軸体と、ベース部との間に設けられ、主アーム部が一方向に回転したとき、曲軸体に対して、主アーム部の回転方向とは逆方向に反発力を生じさせる、との構成を有することができる。この構成によると、例えば、農業用温室内の換気作業において、主アーム部に取り付けられているシート体の一端を持ち上げたとき、弾性部材は、主アーム部に対して押し下げる方向に反発力を生じさせる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
(2)安価に製造し得る開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
(3)具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0022】
本発明の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【図2】図1の建築構造体の一部を省略して示す斜視図である。
【図3】図2の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【図4】図2の骨組体の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図2の骨組体の操作方法を示す左側面図である。
【図6】図5に示した工程の後の状態を示す図である。
【図7】本発明のもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【図8】図7の建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図9】図7及び図8の建築構造体について操作方法を示す左側面図である。
【図10】図9に示した工程の後の状態を示す図である。
【図11】図10に示した工程の後の状態を示す図である。
【図12】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の側面図である。
【図13】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図である。
【図14】図13の骨組体の一部を抜き出して示す断面図である。
【図15】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図16】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図である。
【図17】図16の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【図18】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図19】図18の骨組体の一部を抜き出して示す平面図である。
【図20】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図20において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。また、図1乃至図20の説明において、建築構造体(1)の高さ方向、及び、ベース部(4)の厚み方向は、それぞれ一致するから、全て符号Tに統一して示す。同様に、建築構造体(1)の幅方向、及び、支持部(41)の長さ方向は、それぞれ一致するから、全て符号Wに統一して示す。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る建築構造体の斜視図である。また、図2は図1の建築構造体の一部(骨組体)を省略して示す斜視図、図3は図2の骨組体の分解構造を示す斜視図、図4は図2の骨組体の一部を拡大して示す斜視図である。本発明に係る開閉装置を用いた「建築構造体」には、農業用温室やテントなどの仮設建築物の他、庇や屋根など開閉可能な建築物の一部が含まれる。
【0026】
図1の建築構造体1は、所謂トンネル栽培に用いられる農業用温室(トンネル型ビニールハウス)を最小単位で示したものであって、骨組体2と、シート体8とを含む。骨組体2は、開閉装置3(図2乃至図4)と、支柱7との組み合わせによって、建築構造体1の基礎的な骨組み部分を構成するものである。以下、図2乃至図4を参照して、骨組体2の構造を説明する。
【0027】
図2乃至図4の骨組体2において、開閉装置3は、ベース部4と、曲軸体5と、弾性部材6とを含む。ベース部4は、平面からみて矩形状の枠体で構成されており、長手方向Lに延びる長辺と、長手方向Lに直交する幅方向Wに延びる短辺とを有し、面内に高さ方向Tに貫通する貫通部分40を有している。ベース部4は、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、ベース部4は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。
【0028】
ベース部4は、一対の支持部41、41と、一対の連結部43、43とを有している。一対の支持部41、41は、曲軸体5を支持するものであって、長手方向Lに間隔L41を隔てて、互いに平行する関係で向かい合っている。一対の支持部41、41は、ベース部4の短辺を構成している。
【0029】
一対の支持部41、41は、一対の軸受け部410を有し、その長さ方向(W)でみた中間部分が高さ方向Tに突出し、突出部分411を構成している。図2乃至図4の突出部分411は、長さ方向(W)でみた支持部41の中央において高さ方向Tに突出している。
違う言葉で表現すれば、突出部分411は、支持部41において、連結アーム部52の回転半径(D51)に沿った方向でみた中央において高さ方向Tに突出している。
【0030】
軸受け部410は、中空部を有する筒状体、又は、パイプ状体であって、金属材料で構成されている。軸受け部410は、突出部分411の表面において、長手方向Lに沿って配置され、配置された状態で一端が支持部41の長辺から貫通部分40の側に突出し、且、突出部分411の表面に溶接されている。
【0031】
一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41と交差する位置において、幅方向Wに間隔L43を隔てて、互いに平行する関係で向かい合っている。一対の連結部43、43は、ベース部4の長辺を構成している。一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41を連結するものであって、長手方向Lの端部近傍の表面に、一対の支持部41、41の端部が溶接されている。
【0032】
さらに、一対の連結部43、43は、複数の支柱受け部44を有している。支柱受け部44は、有底筒状体であって、開口部45が高さ方向Tに向いた状態で、連結部43の表面上に立設されている。複数の支柱受け部44は、相互に所定の間隔L44を隔て、長手方向Lに沿って等配されている。支柱受け部44は、支柱7を保持するものであるから、間隔L44は、この種のトンネル型ビニールハウスを構成する支柱7の配置態様に応じて適宜調節することができる。一例として、間隔L44は、300mm程度が好ましい。
【0033】
一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41の端部が固定された箇所から端部までが、長手方向Lに張り出す部分430を構成している。この張出部分430の長さ寸法L430は、間隔L44の半分程度(150mm程度)となっている。この構造によると、連設部分で間隔L44が乱れることなく、複数の建築構造体(1)を長手方向Lに連接することができる。
【0034】
曲軸体5は、複数の屈曲箇所を有する細棒であり、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、曲軸体5は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。
【0035】
曲軸体5は、一対の端部50、50と、主アーム部51と、連結アーム部52とを有している。一対の端部50、50は、長手方向Lでみて一点鎖線で示す直線a上に重なっている。違う言葉で表現すれば、曲軸体5は、一対の端部50、50を回転軸aとして軸回転することができる。
【0036】
主アーム部51は、長手方向Lでみた曲軸体5の中間部分であって、一対の端部50、50と平行し、長手方向Lの両端が2つの屈曲箇所を介して一対の端部50、50のそれぞれに連続している。主アーム部51は、端部50を軸回転させたとき、端部50を中心として回転運動(R1又はR2)する。違う言葉で表現すれば、主アーム部51は、曲軸体5が軸回転するとき、一対の端部50、50のそれぞれを中心とする円の円弧上をスイング移動(R1又はR2)する。
【0037】
連結アーム部52は、端部50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径(D51)を決定する。連結アーム部52は、端部50と、主アーム部51とを接続する2つの屈曲箇所の間にあらわれている。すなわち、曲軸体5は、少なくとも、端部50と連結アーム部52との接続部分、及び、連結アーム部52と主アーム部51との接続部分にそれぞれ屈曲箇所を有するクランクシャフト状の屈曲構造となっている。
【0038】
曲軸体5は、一対の支持部41、41と交差する方向(L)に伸びており、一対の端部50、50が、一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられている。曲軸体5は、一対の端部50、50が、ベース部4の内側から外側に向かって、軸受け部410に差し込まれている。
【0039】
弾性部材6は、曲軸体5と、ベース部4との間に設けられ、主アーム部51が一方向に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向(R1)とは逆方向(R2)に反発力(F)を生じさせる。図2乃至図4の弾性部材6は、所謂ねじりコイルばねであって、軸受け部410の外面に巻装され、巻装された状態で外部に導出されている一端61が支持部41に掛け止められ、他端62が連結アーム部52に掛け止められている。弾性部材6は、曲軸体5に対して、端部50を中心とする円の円弧(C)上に沿って主アーム部51をスイング移動させる反発力(F)を付与する。もっとも、弾性部材6は、所定の方向へ反発力を付与するために取り付けられるものであるから、必ずしもねじりコイルばねに限定するものではない。例えば、弾性部材6は、板ばね等を用いて構成することができる。
【0040】
支柱7は、一対の支持部41、41の間隔L41内に配置されている。支柱7は、この種のトンネル型ビニールハウスにおいて周知の構成部分であるから、以下、簡単に説明する。支柱7は、通常、可撓性、又は、弾性のある細棒が用いられる。一例として、支柱7は、金属材料や、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)の他、竹などを用いて構成することができる。支柱7は、円弧(アーチ)状に湾曲され、両端70、70が、開口部45を通じて支柱受け部44に差し込まれることにより、間隔L41内に配置されている。図2乃至図4の支柱7は、間隔L41内において、複数が所定の間隔L44で連設されている。
【0041】
再び図1を参照して説明する。図1の建築構造体を構成するシート体8は、一端縁(裾部分)81が主アーム部51に取り付けられ、他端縁82がベース部4に取り付けられている。より詳細に説明すると、シート体8は、裾部分81が長手方向Lに沿って延びる筒状に成形されており、筒状の内部に主アーム部51が挿通されている。端的に言えば、シート体8は、裾部分81が主アーム部51に巻装されている。シート体8の他端縁82は、一対の連結部43、43の一方において、その長辺に沿って折り返され、該連結部43の底面に、接着剤などを用いて固定されている(図9乃至図12参照)。
【0042】
図1の建築構造体1は、シート体8が複数の支柱7を開閉可能に覆っており、覆った状態で、トンネル状の内部空間10が構成されている。内部空間10は、アーチ状に湾曲された複数の支柱7によって、その内部に区画され、さらに支柱7の外面がシート体8で覆われることにより、シート体8の内面に画定される。
【0043】
シート体8の具体的な構成は、建築構造体(1)の用途に応じて適宜決定することができる。例えば、建築構造体(1)が、図1乃至図4のようにトンネル型ビニールハウスとして用いられる場合、シート体8は、保温性、保温性の観点から、通常、PVCをフィルム状に成形したポリ塩化ビニルフィルムで構成される。
【0044】
ところで、「ビニールハウス」は、もともと「PVCを用いた農業用温室」と言う意味を含むものである。しかし、近年、耐候性、耐紫外線、通気性、透湿防水性などの観点から、シート体8には、農業用ポリレフィン系フィルム(POフィルム)や、フッ素樹脂のフィルム(硬質フィルム)が用いられるようになっている。そこで、本明細書において「ビニールハウス」とは、広く「骨組体(2)を、合成樹脂フィルム等で構成したシート体(8)で覆うことにより構成される仮設建築物」を意味し、必ずしPVCを用いたものに限定しない。さらに、図1乃至図4からは必ずしも明らかではないが、建築構造体(1)が、テントである場合や、庇や屋根など建築物の一部である場合、シート体(8)には布地などを用いることができる。
【0045】
図1の建築構造体1は、シート体8を開閉操作するためのハンドル部80を有している。ハンドル部80は、紐状体であって、一端が主アーム部51に結合されている。この構成によると、ハンドル部80の操作時に生じる引き上げ力は主アーム部51に掛かるから、シート体8を破損することなく、裾部分81を開閉させることができる。上述したようにハンドル部80は、曲軸体5を操作するためのものであるから、必ずしも紐状体に限定されるものではない。例えば、ハンドル部80としてロッド(棒状体)を用いることもできるし、さらにはハンドル部80を取り付けず、手で曲軸体5を直接持ち上げてもよい。
【0046】
図5及び図6は、図2の骨組体の操作方法を示す左側面図である。図5に示すように、骨組体2を構成する一対の支持部41、41のそれぞれは、突出部分411が高さ方向Tに突出し、断面視V字形状になっている。違う言葉で表現すれば、支持部41は、側面からみて突出部分411を頂点とする二等辺三角形形状となっており、一点鎖線で示す両端部分を結んだ線a1と、突出部分411との間に高低差Gが生じている。
【0047】
支持部41の高低差Gは、支柱7のアーチ構造を考慮したものである。すなわち、支柱7が、FRP等の高弾性材料で構成されている場合、湾曲させたときに描かれるアーチ形状は、側面から見て正確な半円形の円弧状とはならず、高さ方向Tに突出した半楕円形の円弧状となる。図5の支柱7のアーチ形状は、短軸と、長軸とを有する半楕円形状であって、短軸は支柱7の両端を結んだ線a1上にあらわれ、長軸は支柱7の中間部分を通り短軸に直交する線a2上にあらわれる。従って、もし仮に、線a1上に曲軸体5の回転軸aとなる端部50を配置した場合、主アーム部51は、円弧状の軌跡Cが線a2上で支柱7に交差し、スイング移動が阻害される不具合が生じる。そこで図5の骨組体2は、曲軸体5の回転軸aを、高低差Gの分だけ高さ方向Tに移動させることにより、主アーム部51の軌跡Cを、支柱7の外側に配置するものである。
【0048】
弾性部材6は、図5に示す状態(閉状態)を基準として、主アーム部51が一方向R1に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fを生じさせる。弾性部材6は、強風などにより主アーム部51が不正に移動しないよう、図5に示す状態(閉状態)において、曲軸体5に対して逆方向R2に反発力Fを付与していることが好ましい。
【0049】
図6は、図5に示した工程の後の状態(開状態)を示す図である。図5に示す閉状態から、例えばハンドル部(80)を引き上げることにより、一点鎖線で示した円弧状の軌跡Cに沿って、主アーム部51を一方向R1に回転させることができる。図5で説明したように、曲軸体5は、回転軸aが高低差Gの分だけ高さ方向Tに引き上げられているから、主アーム部51の軌跡Cが支柱7の外側に配置し、幅方向Wの一端から他端まで主アーム部51を円滑にスイング移動させることができる。
【0050】
図7は本発明のもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図、図8は図7の建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。また、図9乃至図11は、図7及び図8の建築構造体について操作方法を示す左側面図である。
【0051】
まず、図7及び図8の実施形態は、複数の建築構造体1、1を用いて構成される農業用温室の最小単位を示すものであって、複数の建築構造体1、1と、継ぎ目シート83と、端部シート84とを組み合わせることにより、一体的な内部空間10が構成されている。耕作地の畝に作付けされた農作物9は、シート体8と、継ぎ目シート83と、端部シート84とによって覆われている。
【0052】
複数の建築構造体1、1のそれぞれは、図1乃至図6を参照して説明したものでなり、ベース部4の貫通部分40に農作物9が露出するよう配置されている。複数の建築構造体1、1は、互いの張出部分430をつき合わせることにより、長手方向Lに沿って連接されている。張出部分430の長さ寸法L430は、間隔L44(例えば300mm)を基準として、その半分程度の寸法(例えば150mm)で決定されているから、連設部分で間隔L44が乱れることなく、複数の建築構造体1、1を長手方向Lに連接することができる。
【0053】
継ぎ目シート83、及び、端部シート84は、シート体8と同一の材料で構成することができる。継ぎ目シート83は、隣接する建築用構造体1、1の連設部分に取り付けられ、内部空間10を密閉し、保温効果を高めるため、必要に応じて取り付けられるものである。同様に、端部シート84も、内部空間10を密閉し、保温効果を高めるため、長手方向Lでみた建築用構造体1の他端に必要に応じて取り付けられるものである。
【0054】
建築構造体1の使用数および連結数は、保護対象である農作物9の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して適宜増減することができる。建築構造体1の使用数および連結数が増えた場合、その分だけ増えた連結部分には、適宜、継ぎ目シート83が設置されることは言うまでもない。
【0055】
次に、図7及び図8の建築構造体1の換気作業のための操作方法について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、内部空間10が閉状態となっており、畝に作付けした農作物9が、シート体8によって気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護されている。支柱7の少なくとも一つには、止め具71が取り付けられている。止め具71は、クリップ状の把持部710を有しており、支柱7の周りを回転可能に取り付けられている。図9の止め具71は、主アーム部51のスイング移動を阻害しないよう、把持部710が支柱7の内側に向けられている。
【0056】
トンネル内はシート体8によって保温性、保湿性が高められている結果、トンネル内が適正範囲を超えて高温化および高湿化しやすい傾向にあるから、トンネル内の換気をこまめに行うことが重要となる。図10は、図9に示した工程の後の状態を示す図であって、農作業従事者は、例えば手でハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が端部50を回転軸aとして回転R1し、主アーム部51とともにシート体8の裾部分81が、引き上げられ、裾部分81の停止位置に応じて、内部空間10が外部に開放される。図10の開状態において、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向(R1)とは逆方向R2に反発力Fが生じている。従って、農作業従事者は、例えばハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が逆方向R2に回転し、自動的に内部空間10を閉じることができる。他方、図9の状態から止め具71を回転させ、その把持部710を支柱7の外側に向けることにより、把持部710に主アーム部51が突き当たり、主アーム部51の回転が規制される結果、図10の開状態が維持される。
【0057】
図11は、図10に示した工程の後の状態を示す図であって、幅方向Wで見た支柱7の一端から他端まで連続して主アーム部51を回転R1させることにより、内部空間10を完全に外部に開放することができる。図11の開状態を維持するには、止め具71を支柱7の他端まで移動させるか、又は、支柱7の他端付近に別途止め具71を配置しておけばよい。
【0058】
図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、以下の効果を奏することができる。まず、開閉装置3を構成するベース部4において、一対の支持部41、41は、互いに間隔L41を隔てて向かい合っているから、間隔L41内に農作物9を配置することができる。ここで、間隔L41は畝の長さに応じて適宜設定することが可能であり、且、支持部41の長さ寸法は畝の幅に応じてを適宜調節することが可能であるから、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3を提供することができる。
【0059】
建築構造体1は、シート体8によって画定される内部空間10を有しているから、内部空間10において、畝に作付けした農作物9を配置することにより、気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護することができる。
【0060】
ところで、内部空間10は、シート体8によって保温性、保湿性が高められている結果、適正範囲を超えて高温化および高湿化しやすい傾向にあるから、内部空間10の換気をこまめに行うことが重要となる。ここで開閉装置3を構成する曲軸体5は、両端50が、一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられているから、例えば、一対の支持部41、41を畝に設置した状態で、曲軸体5のみを、ベース部4とは別に回転(R1又はR2)させることが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3を提供することができる。
【0061】
主アーム部51は、曲軸体5を端部50で軸回転させたとき、端部50を中心として回転運動(R1又はR2)する。この構造によると、主アーム部51をシート体8の裾部分81に取り付け、回転R1又はR2させることにより、裾部分81を一連に持ち上げ、又は、引き下ろすことが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0062】
連結アーム部52は、端部50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径D51を決定する。すなわち、主アーム部51は、曲軸体5を軸回転させたとき、端部50を中心とし、且、連結アーム部52を回転半径D51とする円弧状の軌跡Cを描きながら回転(R1又はR2)する。この構成によると、例えば支柱7を円弧状に湾曲させ、間隔L41に配置した場合に、連結アーム部52の長さ寸法を適宜調節することにより、主アーム部51を、該支柱7の外側で回転(R1又はR2)させることができる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0063】
開閉装置3を構成する弾性部材6は、曲軸体5と、ベース部4との間に設けられ、主アーム部51が一方向R1に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fを生じさせる。この構成によると、強風などによる主アーム部51の不正回転を弾性部材6の反発力Fによって規制することができる。
【0064】
また、農作業従事者は、ハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が端部50を回転軸aとして軸回転し、裾部分81が、主アーム部51とともに引き上げられ(R1)、裾部分81の停止位置に応じて、内部空間10が外部に開放される。しかも、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fが生じているから、ハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が自動的に逆方向R2に回転し、再び内部空間10が閉じられる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0065】
開閉装置3を構成するベース部4は、枠体であるから、接地面積が広くなる。従って、地表面GL等に設置された状態で姿勢が安定するから、長期間、適当に使用し続けることができる。また、ベース部4が枠状である構造によると、支柱7やシート体8が取り付けられた状態で、一体的に持ち運ぶことができる。従って、運搬作業、及び、施工作業の効率が向上する。
【0066】
建築構造体1は、開閉装置3、支柱7、シート体8の組立構造であるから、使用時に迅速に組み立て、不使用時には分解して保管することができる。従って、保管コストを低減することができる。
【0067】
従来、この種のトンネル型ビニールハウスの換気作業について、シート体(8)の裾部分(81)を上方にたくし上げ、たくし上げた裾部分(81)の束を止め具で支柱(7)に掛け止めることが一般であった。しかし、この種のトンネル型ビニールハウスは、畝の長さ寸法に追従して設けられるものであるから、通常、トンネル型ビニールハウスの長さ寸法は、数十mから数百mにも達する。しかも、裾部分(81)は、地表面(GL)に位置するため、農作業従事者が上記した換気作業を行うに当たっては、長時間の中腰姿勢を強いられることとなり、労働負担が大きいという問題があった。
【0068】
これに対し、図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、例えば、農作業従事者がハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が軸回転し、裾部分81が主アーム部51とともに引き上げられ(R1)、内部空間10が外部に開放される。しかも、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fが生じているから、ハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が自動的に逆方向R2に回転し、再び内部空間10が閉じられる。従って、農作業従事者の労働負担を軽減することができる。
【0069】
また、従来、この主のトンネル型ビニールハウスの換気作業について、被覆シートの一側部(袖部分)をシート支持杵によって支持し、ロープ巻取杆に駆動ロープを巻き取ることにより、シート支持杆に支持されている被覆シートの裾部分(81)を一連にたくし上げるトンネル開閉装置が知られている。しかし、上述した機構では、部品点数が多い分だけ製造コスト高となるから、導入に当たって、農業従事者に過大な経済的負担を強いることとなる。しかも、部品点数が多い分だけ、故障等の不具合が発生する危険が高まり、導入後にも定期的な保守点検が必要となるから、維持管理費用コスト高を招く。また、例えばシート支持杆の長さ寸法は、通常、畝の長さ寸法に追従して決定されているから、農作物9の作付け数が変わったとしても、シート支持杆を交換しない限り、トンネル型ビニールシートにおける開閉領域の長さ寸法を調節することができない。
【0070】
これに対し、図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、開閉装置3は、一対の支持部41、41と、弾性部材6と、曲軸体5の組み合わせにより構成されているから、部品点数が少ない分だけ、製造コストを低減することができる。また、開閉装置3は、少ない部品点数で構成されているから、その分だけ、故障の危険が低減される。従って、維持管理コストを低減することができる。
【0071】
ところで、近年、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園などの進展に伴い、数十cmm〜数m程度の小規模なトンネル型ビニールハウスが増加しており、この種の小規模なトンネル型ビニールハウス、及び、その開閉装置(3)に対する市場の要請が高まっている。図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3を構成する一対の連結部43、43は、表面に複数の支柱受け部44を有している。この構成によると、支柱7は連結部43、43上において支柱受け部44によって支持されている。違う言葉で表現すれば、図1乃至図11の実施形態によると支柱7を土に刺さなくてもトンネル栽培を行うことができるから、図12に示すように建築構造体1をベランダなどに設置し、鉢植え等の育成に用いることができる。従って、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園に適した建築構造体1を提供することができる。
【0072】
図13は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図、図14は図13の骨組体の一部を抜き出して示す断面図である。
【0073】
図13及び図14の骨組体2は、ベース部4が枠体ではない点、及び、支柱7の端部70につば具72(図14参照)が取り付けられている点を除いて、図1乃至図12の実施形態と同一の基本的構成を有している。以下、相違点を中心に、説明する。
【0074】
図13の骨組体2において、支持部41は、一対の連結部43、43と交差する関係で、両端が、一対の連結部43、43の中間部分に溶接されている。違う言葉で表現すれば、図13の骨組体2は、一対のベース部4a,4bを有しており、一対のベース部4a,4bのそれぞれは、平面からみてH字形状となっている。
【0075】
図13のつば具72は、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、つば具72は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。図14のつば具72は、棒状部73と、鍔部74とを有する。棒状部73は、パイプ状体、又は、筒状体であって、中空部720と、開口部75と、底部76と、水抜き孔77とを有している。底部76は、高さ方向Tでみて開口部45とは反対側に形成されている。中空部720は、棒状部73の内面と、底部76の内面によって画定され、開口部45によって外部に開口している。水抜き孔77は、底部76に開口し、底部76を高さ方向T(厚み方向)に貫通している。
【0076】
鍔部74は、高さ方向Tでみた棒状部73の一端側において、開口部45が開口する表面を構成している。鍔部74は、好ましくは、棒状部73と一体的に成形されている。図13及び図14から必ずしも明らかではないが、鍔部74は、棒状部73の平面形状を拡大した相似形に構成されており、縦断面(図14)でみて、棒状部73の外周面よりも幅方向(又は径方向)Wに突出した構造となっている。
【0077】
つば具72は、支柱7の両端部70にそれぞれ取り付けられている。つば具72は、この種のトンネル型ビニールハウスに用いられるアーチ状の支柱7において、その端部70に取り付けられることにより、地表面GLに対する支柱7の差込距離を所定の範囲L70に規制し、複数の支柱7のそれぞれを均一なアーチで設置するために用いられる。
【0078】
つば具72を構成する鍔部74は、棒状部73の外面よりも径方向に突出しているから、棒状部73を地表面GLに差し込んだ場合、その下面が地表面GLに接触することにより、地中に対する棒状部73の差込距離が規制される。他方、つば具72は、底部76によって中空部720の高さ寸法が決定されているから、端部70を底部76に突き当たるまで差し込むことにより、地表面GLに対する差込距離L70が規制される。従って、図13の建築構造体1において、間隔L41内に、複数の支柱7を配置するあたり、長手方向Lに隣接する支柱7を同一のアーチ形状で設置することができる。
【0079】
複数の支柱7は、両端70につば具72が取り付けられた状態で、間隔L41内に間隔を隔てて配置されている。支柱7の設置数、及び、曲軸体5の長さ寸法は、保護対象である農作物の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して適宜増減することができる。
【0080】
図15は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。図15の実施形態は、複数の建築構造体1、1を用いて構成される農業用温室の最小単位を示すものである。複数の建築構造体1、1のそれぞれは、図13及び図14を参照して説明したものでなる。
【0081】
図13乃至図15の実施形態によっても、図1乃至図12を参照して説明した利点を奏することができる。さらに、図13乃至図15の骨組体2は、一対のベース部4a,4bを有することにより、一対の支持部41、41が互いに分離されている。この構造によると、保護対象である農作物9の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して、一対の支持部41、41の配置位置を決定することができる。従って、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0082】
ところで、図13乃至図15の実施形態では、支柱7と、一対のベース部4a,4bとは、直接的な結合関係になく、複数の支柱7を個々に地中に差し込むこととなる。このような差し込み作業によると、各支柱7のアーチ形状にばらつきが生じる。その結果、例えば、一部に所定の高さ寸法を超えて突出する支柱7がある場合、該支柱7に主アーム部51が接触し、曲軸体5の回転が阻害される恐れがある。
【0083】
上述した不具合を回避するため、図13乃至図15の実施形態では、支柱7の両端につば具72を設けることにより、地表面GLに対する支柱7の両端の差込距離L70が一定に保たれる。その結果、複数の支柱7を同一のアーチ形状で設置することが可能となるから、一部の支柱7に主アーム部51が接触し、曲軸体5の回転(R1、R2)が阻害される不具合は生じない。従って、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0084】
図16は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図、図17は図16の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【0085】
図16及び図17の骨組体2は、ベース部4が枠体である点を除いて、図13乃至図15の実施形態と同一の基本的構成を有している。更に言えば、図16及び図17の骨組体2は、図1乃至図12の実施形態と、図13乃至図15の実施形態とを組み合わせた構成となっている。以下、相違点を中心に、説明する。
【0086】
図16及び図17の骨組体2において、一対の連結部43、43は、複数の支柱受け孔46を有している。支柱受け孔46は、連結部43を厚み方向(T)に貫通している。複数の支柱受け孔46は、所定の間隔(L44)を隔て、長手方向Lに沿って連設されている。支柱受け孔46は、つば具72及び支柱7を保持するものであるから、隣接する支柱受け孔46の間隔は、この種のトンネル型ビニールハウスを構成する支柱7の配置態様に応じて適宜調節することができる。一例として、間隔は300mm程度が好ましい。
【0087】
図16及び図17の実施形態によると、図1乃至図15を参照して説明した利点を奏することができる。図16及び図17の実施形態では、一対の連結部43、43に、予め所定の間隔で支柱受け孔46が形成されているから、複数の支柱7を正確な間隔で取り付けることができる。従って、支柱7の設置作業を効率よく行うことができる。
【0088】
さらに、図16及び図17の実施形態では、一対の連結部43、43に対して、その表面側につば具72が配置され、鍔部74の下面が、連結部43の表面に接触する関係で挿通されている。この構成によると、建築構造体(1)を地表面(GL)に設置したとき、ベース部4がつば具72によって、あたかも釘で打ちつけたように地表面GLに固定されるから、例えば、曲軸体5の回転時にベース部4が浮き上がったり、強風で揺動するような不具合は生じない。従って、建築構造体1の設置姿勢が安定し、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0089】
図18は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図、図19は図18の骨組体の一部を抜き出して示す平面図である。
【0090】
図18の骨組体2は、開閉装置3を構成するベース部4、及び、曲軸体5の構造について、図1乃至図11の実施形態、及び、図16及び図17の実施形態とは異なる特徴を有している。以下、相違点を中心に、説明する。
【0091】
図18及び図19のベース部4は、長手方向Lでみた一組の支持部41、41の間に、第3の支持部42を有している。第3の支持部42は、支持部41と同一の構成を有し、両端が一対の連結部43、43に溶接されている。
【0092】
図18及び図19の曲軸体5は、3つの軸部材(5a,5ba,5b)の組み合わせ構造を有している。端的に言えば、図18及び図19の曲軸体5は、図1乃至図17の曲軸体5を、主アーム部51の中間部分で切断し、第1〜第3の曲軸体5a,5ba,5bに分割したものであって、主アーム部51の切断部分を第2の曲軸体5bで連結した構造になっている。もっとも、図18及び図19の第1〜第3の曲軸体5a〜5cは、それぞれ個別に製造しうることは明白である。
【0093】
第2の曲軸体5bは、長さ方向の一端が差込端54を構成し、他端が連結端55を構成し、長手方向Lの中間部分が連結アーム部52を構成している。第2の曲軸体5bを構成する連結アーム部52は、一端が屈曲箇所を介して差込端54に連続している。差込端54は、第3の支持部42に取り付けられている軸受け部410に軸回転可能に結合される。
【0094】
第1、第3の曲軸体5a,5cのそれぞれを構成する主アーム部51は、その突合せ端に嵌合用孔部56を有している。第2の曲軸体5bは、連結端55の両端が、嵌合用孔部56に差し込まれることにより、第1、第3の曲軸体5a,5cを連結する。第2の曲軸体5bを構成する連結アーム部52は、他端が、連結端55の中間部分に対し、直交する関係で結合している。端的に説明すると、第2の曲軸体5bは、連結アーム部52の他端部分が、平面から見てT字形状となっている。
【0095】
図18及び図19の実施形態によると、図1乃至図11、及び、図16及び図17を参照して説明した利点を奏することができる。さらに図18及び図19の実施形態は、一対の支持部41、41の間に第3の支持部42を有し、且、第3の支持部42に対応する第2の曲軸体5bを有している。この構造によると、建築構造体1の長さ寸法が長くなったとしても、その中間部分に適宜、第3の支持部42を追加して補強することが可能であるから、中間部分でシート体8のたるみが発生する不具合を回避することができる。
【0096】
しかも、第3の支持部42に対応する第2の曲軸体5bを有している構造によると、建築構造体1の長さ寸法が長くなり、長手方向Lの両端部分に取り付けられる弾性部材6の反発力Fだけでは、反発力Fが不十分となったとしても、その中間部分に適宜、第2の曲軸体5bを追加して補強することが可能である。その結果、曲軸体5の全長に亘って、均一且充分な反発力Fを確保し、安定した開閉動作をさせることが可能となる。従って、図18及び図19の実施形態によると、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0097】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。そもそも本発明に係る開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1の特徴の一つは、主アーム部51が、連結アーム部52を回転半径D51とする円弧状の軌跡Cを描きながら回転する点にある。上述した構造を有する開閉装置3は、図1乃至図19を参照して説明した農業用温室以外にも、開閉可能な断面円弧状の覆いを有する建築構造体1に広く用いることができる。例えば、図20に示すように四隅に支柱47を配することにより、テントなどの仮設建築物のほか、庇や屋根など建築物の一部に用いることができる。
【0098】
また、本発明に係る開閉装置3は、ハウス栽培用ビニールハウスの屋根部分に用いることもできる。さらに、トンネル状の内部空間10を人が立って通行できる寸法まで拡大することにより、例えば、ゴルフ場において各ホールの移動路に沿って一時的に設置する雨よけとして用いることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 建築構造体
2 骨組体
3 開閉装置
4 ベース部
41 一対の支持部
411 突出部分
43 一対の連結部
44 支柱受け部
5 曲軸体
50 一対の端部
51 主アーム部
52 連結アーム部
6 弾性部材
7 支柱
8 シート体
L 長手方向
L41 一対の支持部の間隔
T 高さ方向
R1 主アーム部の回転方向(一方向)
R2 主アーム部の回転方向とは逆方向
F 反発力
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置、及び、これを用いた建築構造体に関する。本発明に係る開閉装置を用いた「建築構造体」には、農業用温室やテントなどの仮設建築物の他、庇や屋根など建築物の一部が含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル型の農業用温室(トンネル型温室)を用いた農作物の栽培が行われている。一般にトンネル型温室は、アーチ状に湾曲させた複数の支柱を、畝の長さに沿って間隔を隔てて設置し、設置した支柱にシート体を被せることにより構成される。トンネル型温室は、シート体の内側にトンネル状の内部空間を有するから、例えば畝に設置することにより、作付けされた農作物を、気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護することができる。
【0003】
ところで、この種のトンネル型温室は、トンネル内が高温化および高湿化しやすいから、農作物の育成上、適宜トンネル内の換気を行うことが重要となる。トンネル型温室の換気作業について、特許文献1には、シート体の一端縁(裾部分)を上方にたくし上げ、支柱に掛け止める止め具が開示されている。
【0004】
他方、特許文献1の開示内容では、農作業従事者に過大な労働負担が掛かる点で問題がある。すなわち、トンネル型温室は、畝の長さに沿って設けられるものであるから、通常、トンネル型温室の長さは数mから数十mにも達する。しかも、シート体は、裾部分が地表面に位置するため、農作業従事者は、換気作業を行う際に長時間の中腰姿勢を強いられる。特に、農作業従事者の高齢化が進む今日では、労働負担を軽減し、且、作業効率を向上しうることが求められている。
【0005】
上述した要請に応えるものとして、特許文献2には、アーチ状の支柱と、シート体と、シート支持杆と、駆動ロープと、ロープ巻取杆と、ハンドルとから構成されるトンネル開閉装置が開示されている。シート体は、アーチ状の支柱を被覆し、裾部分がシート支持杵によって支持されている。駆動ロープは、シート支持杆を牽引する。
【0006】
確かに、特許文献2のトンネル開閉装置によると、農作業作業者は、ハンドルを操作してロープ巻取杆に駆動ロープを巻き取ることにより、シート支持杆に支持されているシート体の裾部分を一連にたくし上げることができる。
【0007】
しかし、特許文献2に係るトンネル開閉装置の構成において、シート支持杆の長さは、畝の長さに沿って予め決定されているから、例えば、季節ごとに作付けされる農作物が変わり、覆うべき作付け面積が変わった場合、シート支持杆を交換しない限り、作付け面積の変更に追従することができない。
【0008】
また、特許文献2のトンネル開閉装置では、部品点数が多い分だけ製造コスト高となるから、農業従事者は、その導入に当たって過大な経済的負担を強られることとなる。しかも、部品点数が多い分だけ、故障等の不具合が発生する危険が高まり、導入後にも定期的な保守点検が必要となるから、維持管理費用が掛かることとなる。
【0009】
さらに近年、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園などの進展に伴い、数m程度の小規模なトンネル型温室に対する市場の要請が高まっている。これに対し、そもそも、特許文献2に係るトンネル開閉装置は、専業農家など一定以上の規模で行われる農作業に用いられることを想定した構造となっており、小規模なトンネル型温室に用いた場合には、コスト高となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−189334号公報
【特許文献2】特開2008−092836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの課題は、安価に製造し得る開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの課題は、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明に係る開閉装置は、ベース部と、曲軸体とを含む。ベース部は、一対の支持部を有しており、一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っている。曲軸体は、主アーム部と、連結アーム部とを有し、両端が一対の支持部に軸回転可能に取り付けられている。主アーム部は、両端のそれぞれを中心として回転運動する。連結アーム部は、両端のそれぞれと、主アーム部とを連結し、主アーム部の回転半径を決定する。
【0015】
本発明に係る開閉装置は、少なくとも1つの支柱と、シート体と組み合わされることにより、農業用温室、テント、又は、建築物の庇部分もしくは屋根部分などの建築構造体を構成するために用いられる。本発明に係る建築構造体を構成する支柱は、一対の支持部の間隔内に配置されている。シート体は、一端が主アーム部に取り付けられ、支柱を開閉可能に覆っている。
【0016】
上述したように、本発明に係る建築構造体を構成する開閉装置において、ベース部を構成する一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っているから、該間隔内に、農作物などの被覆対象物を配置することができる。しかも、一対の支持部の間隔は、被覆対象物の寸法に応じて適宜設定することが可能であるから、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置を提供することができる。
【0017】
曲軸体は、両端が、ベース部を構成する一対の支持部に軸回転可能に取り付けられているから、一対の支持部を設置した状態で、曲軸体のみを軸回転させることが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置を提供することができる。
【0018】
主アーム部は、両端のそれぞれを中心として回転運動する。この構造によると、主アーム部にシート体の一端を取り付け、曲軸体を軸回転させることにより、該シート体の一端を一連に持ち上げ、又は、引き下ろすことが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0019】
連結アーム部は、曲軸体の両端のそれぞれと、主アーム部とを連結し、主アーム部の回転半径を決定する。すなわち、主アーム部は、曲軸体を軸回転させたとき、両端を中心とし、且、連結アーム部の長さ寸法を回転半径とする円弧状の軌跡を描きながら回転する。この構成によると、例えば支柱を円弧状に湾曲させ、一対の支持部の間隔に配置した場合に、連結アーム部の長さ寸法を適宜調節することにより、主アーム部を、該支柱の外側で回転させることができる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0020】
本発明に係る開閉装置は、さらに弾性部材を含み、弾性部材は、曲軸体と、ベース部との間に設けられ、主アーム部が一方向に回転したとき、曲軸体に対して、主アーム部の回転方向とは逆方向に反発力を生じさせる、との構成を有することができる。この構成によると、例えば、農業用温室内の換気作業において、主アーム部に取り付けられているシート体の一端を持ち上げたとき、弾性部材は、主アーム部に対して押し下げる方向に反発力を生じさせる。従って、開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)開閉操作が容易な開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
(2)安価に製造し得る開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
(3)具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置、及び、これを用いた建築構造体を提供することができる。
【0022】
本発明の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【図2】図1の建築構造体の一部を省略して示す斜視図である。
【図3】図2の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【図4】図2の骨組体の一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】図2の骨組体の操作方法を示す左側面図である。
【図6】図5に示した工程の後の状態を示す図である。
【図7】本発明のもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【図8】図7の建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図9】図7及び図8の建築構造体について操作方法を示す左側面図である。
【図10】図9に示した工程の後の状態を示す図である。
【図11】図10に示した工程の後の状態を示す図である。
【図12】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の側面図である。
【図13】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図である。
【図14】図13の骨組体の一部を抜き出して示す断面図である。
【図15】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図16】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図である。
【図17】図16の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【図18】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。
【図19】図18の骨組体の一部を抜き出して示す平面図である。
【図20】本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図20において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。また、図1乃至図20の説明において、建築構造体(1)の高さ方向、及び、ベース部(4)の厚み方向は、それぞれ一致するから、全て符号Tに統一して示す。同様に、建築構造体(1)の幅方向、及び、支持部(41)の長さ方向は、それぞれ一致するから、全て符号Wに統一して示す。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る建築構造体の斜視図である。また、図2は図1の建築構造体の一部(骨組体)を省略して示す斜視図、図3は図2の骨組体の分解構造を示す斜視図、図4は図2の骨組体の一部を拡大して示す斜視図である。本発明に係る開閉装置を用いた「建築構造体」には、農業用温室やテントなどの仮設建築物の他、庇や屋根など開閉可能な建築物の一部が含まれる。
【0026】
図1の建築構造体1は、所謂トンネル栽培に用いられる農業用温室(トンネル型ビニールハウス)を最小単位で示したものであって、骨組体2と、シート体8とを含む。骨組体2は、開閉装置3(図2乃至図4)と、支柱7との組み合わせによって、建築構造体1の基礎的な骨組み部分を構成するものである。以下、図2乃至図4を参照して、骨組体2の構造を説明する。
【0027】
図2乃至図4の骨組体2において、開閉装置3は、ベース部4と、曲軸体5と、弾性部材6とを含む。ベース部4は、平面からみて矩形状の枠体で構成されており、長手方向Lに延びる長辺と、長手方向Lに直交する幅方向Wに延びる短辺とを有し、面内に高さ方向Tに貫通する貫通部分40を有している。ベース部4は、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、ベース部4は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。
【0028】
ベース部4は、一対の支持部41、41と、一対の連結部43、43とを有している。一対の支持部41、41は、曲軸体5を支持するものであって、長手方向Lに間隔L41を隔てて、互いに平行する関係で向かい合っている。一対の支持部41、41は、ベース部4の短辺を構成している。
【0029】
一対の支持部41、41は、一対の軸受け部410を有し、その長さ方向(W)でみた中間部分が高さ方向Tに突出し、突出部分411を構成している。図2乃至図4の突出部分411は、長さ方向(W)でみた支持部41の中央において高さ方向Tに突出している。
違う言葉で表現すれば、突出部分411は、支持部41において、連結アーム部52の回転半径(D51)に沿った方向でみた中央において高さ方向Tに突出している。
【0030】
軸受け部410は、中空部を有する筒状体、又は、パイプ状体であって、金属材料で構成されている。軸受け部410は、突出部分411の表面において、長手方向Lに沿って配置され、配置された状態で一端が支持部41の長辺から貫通部分40の側に突出し、且、突出部分411の表面に溶接されている。
【0031】
一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41と交差する位置において、幅方向Wに間隔L43を隔てて、互いに平行する関係で向かい合っている。一対の連結部43、43は、ベース部4の長辺を構成している。一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41を連結するものであって、長手方向Lの端部近傍の表面に、一対の支持部41、41の端部が溶接されている。
【0032】
さらに、一対の連結部43、43は、複数の支柱受け部44を有している。支柱受け部44は、有底筒状体であって、開口部45が高さ方向Tに向いた状態で、連結部43の表面上に立設されている。複数の支柱受け部44は、相互に所定の間隔L44を隔て、長手方向Lに沿って等配されている。支柱受け部44は、支柱7を保持するものであるから、間隔L44は、この種のトンネル型ビニールハウスを構成する支柱7の配置態様に応じて適宜調節することができる。一例として、間隔L44は、300mm程度が好ましい。
【0033】
一対の連結部43、43は、一対の支持部41、41の端部が固定された箇所から端部までが、長手方向Lに張り出す部分430を構成している。この張出部分430の長さ寸法L430は、間隔L44の半分程度(150mm程度)となっている。この構造によると、連設部分で間隔L44が乱れることなく、複数の建築構造体(1)を長手方向Lに連接することができる。
【0034】
曲軸体5は、複数の屈曲箇所を有する細棒であり、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、曲軸体5は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。
【0035】
曲軸体5は、一対の端部50、50と、主アーム部51と、連結アーム部52とを有している。一対の端部50、50は、長手方向Lでみて一点鎖線で示す直線a上に重なっている。違う言葉で表現すれば、曲軸体5は、一対の端部50、50を回転軸aとして軸回転することができる。
【0036】
主アーム部51は、長手方向Lでみた曲軸体5の中間部分であって、一対の端部50、50と平行し、長手方向Lの両端が2つの屈曲箇所を介して一対の端部50、50のそれぞれに連続している。主アーム部51は、端部50を軸回転させたとき、端部50を中心として回転運動(R1又はR2)する。違う言葉で表現すれば、主アーム部51は、曲軸体5が軸回転するとき、一対の端部50、50のそれぞれを中心とする円の円弧上をスイング移動(R1又はR2)する。
【0037】
連結アーム部52は、端部50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径(D51)を決定する。連結アーム部52は、端部50と、主アーム部51とを接続する2つの屈曲箇所の間にあらわれている。すなわち、曲軸体5は、少なくとも、端部50と連結アーム部52との接続部分、及び、連結アーム部52と主アーム部51との接続部分にそれぞれ屈曲箇所を有するクランクシャフト状の屈曲構造となっている。
【0038】
曲軸体5は、一対の支持部41、41と交差する方向(L)に伸びており、一対の端部50、50が、一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられている。曲軸体5は、一対の端部50、50が、ベース部4の内側から外側に向かって、軸受け部410に差し込まれている。
【0039】
弾性部材6は、曲軸体5と、ベース部4との間に設けられ、主アーム部51が一方向に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向(R1)とは逆方向(R2)に反発力(F)を生じさせる。図2乃至図4の弾性部材6は、所謂ねじりコイルばねであって、軸受け部410の外面に巻装され、巻装された状態で外部に導出されている一端61が支持部41に掛け止められ、他端62が連結アーム部52に掛け止められている。弾性部材6は、曲軸体5に対して、端部50を中心とする円の円弧(C)上に沿って主アーム部51をスイング移動させる反発力(F)を付与する。もっとも、弾性部材6は、所定の方向へ反発力を付与するために取り付けられるものであるから、必ずしもねじりコイルばねに限定するものではない。例えば、弾性部材6は、板ばね等を用いて構成することができる。
【0040】
支柱7は、一対の支持部41、41の間隔L41内に配置されている。支柱7は、この種のトンネル型ビニールハウスにおいて周知の構成部分であるから、以下、簡単に説明する。支柱7は、通常、可撓性、又は、弾性のある細棒が用いられる。一例として、支柱7は、金属材料や、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)の他、竹などを用いて構成することができる。支柱7は、円弧(アーチ)状に湾曲され、両端70、70が、開口部45を通じて支柱受け部44に差し込まれることにより、間隔L41内に配置されている。図2乃至図4の支柱7は、間隔L41内において、複数が所定の間隔L44で連設されている。
【0041】
再び図1を参照して説明する。図1の建築構造体を構成するシート体8は、一端縁(裾部分)81が主アーム部51に取り付けられ、他端縁82がベース部4に取り付けられている。より詳細に説明すると、シート体8は、裾部分81が長手方向Lに沿って延びる筒状に成形されており、筒状の内部に主アーム部51が挿通されている。端的に言えば、シート体8は、裾部分81が主アーム部51に巻装されている。シート体8の他端縁82は、一対の連結部43、43の一方において、その長辺に沿って折り返され、該連結部43の底面に、接着剤などを用いて固定されている(図9乃至図12参照)。
【0042】
図1の建築構造体1は、シート体8が複数の支柱7を開閉可能に覆っており、覆った状態で、トンネル状の内部空間10が構成されている。内部空間10は、アーチ状に湾曲された複数の支柱7によって、その内部に区画され、さらに支柱7の外面がシート体8で覆われることにより、シート体8の内面に画定される。
【0043】
シート体8の具体的な構成は、建築構造体(1)の用途に応じて適宜決定することができる。例えば、建築構造体(1)が、図1乃至図4のようにトンネル型ビニールハウスとして用いられる場合、シート体8は、保温性、保温性の観点から、通常、PVCをフィルム状に成形したポリ塩化ビニルフィルムで構成される。
【0044】
ところで、「ビニールハウス」は、もともと「PVCを用いた農業用温室」と言う意味を含むものである。しかし、近年、耐候性、耐紫外線、通気性、透湿防水性などの観点から、シート体8には、農業用ポリレフィン系フィルム(POフィルム)や、フッ素樹脂のフィルム(硬質フィルム)が用いられるようになっている。そこで、本明細書において「ビニールハウス」とは、広く「骨組体(2)を、合成樹脂フィルム等で構成したシート体(8)で覆うことにより構成される仮設建築物」を意味し、必ずしPVCを用いたものに限定しない。さらに、図1乃至図4からは必ずしも明らかではないが、建築構造体(1)が、テントである場合や、庇や屋根など建築物の一部である場合、シート体(8)には布地などを用いることができる。
【0045】
図1の建築構造体1は、シート体8を開閉操作するためのハンドル部80を有している。ハンドル部80は、紐状体であって、一端が主アーム部51に結合されている。この構成によると、ハンドル部80の操作時に生じる引き上げ力は主アーム部51に掛かるから、シート体8を破損することなく、裾部分81を開閉させることができる。上述したようにハンドル部80は、曲軸体5を操作するためのものであるから、必ずしも紐状体に限定されるものではない。例えば、ハンドル部80としてロッド(棒状体)を用いることもできるし、さらにはハンドル部80を取り付けず、手で曲軸体5を直接持ち上げてもよい。
【0046】
図5及び図6は、図2の骨組体の操作方法を示す左側面図である。図5に示すように、骨組体2を構成する一対の支持部41、41のそれぞれは、突出部分411が高さ方向Tに突出し、断面視V字形状になっている。違う言葉で表現すれば、支持部41は、側面からみて突出部分411を頂点とする二等辺三角形形状となっており、一点鎖線で示す両端部分を結んだ線a1と、突出部分411との間に高低差Gが生じている。
【0047】
支持部41の高低差Gは、支柱7のアーチ構造を考慮したものである。すなわち、支柱7が、FRP等の高弾性材料で構成されている場合、湾曲させたときに描かれるアーチ形状は、側面から見て正確な半円形の円弧状とはならず、高さ方向Tに突出した半楕円形の円弧状となる。図5の支柱7のアーチ形状は、短軸と、長軸とを有する半楕円形状であって、短軸は支柱7の両端を結んだ線a1上にあらわれ、長軸は支柱7の中間部分を通り短軸に直交する線a2上にあらわれる。従って、もし仮に、線a1上に曲軸体5の回転軸aとなる端部50を配置した場合、主アーム部51は、円弧状の軌跡Cが線a2上で支柱7に交差し、スイング移動が阻害される不具合が生じる。そこで図5の骨組体2は、曲軸体5の回転軸aを、高低差Gの分だけ高さ方向Tに移動させることにより、主アーム部51の軌跡Cを、支柱7の外側に配置するものである。
【0048】
弾性部材6は、図5に示す状態(閉状態)を基準として、主アーム部51が一方向R1に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fを生じさせる。弾性部材6は、強風などにより主アーム部51が不正に移動しないよう、図5に示す状態(閉状態)において、曲軸体5に対して逆方向R2に反発力Fを付与していることが好ましい。
【0049】
図6は、図5に示した工程の後の状態(開状態)を示す図である。図5に示す閉状態から、例えばハンドル部(80)を引き上げることにより、一点鎖線で示した円弧状の軌跡Cに沿って、主アーム部51を一方向R1に回転させることができる。図5で説明したように、曲軸体5は、回転軸aが高低差Gの分だけ高さ方向Tに引き上げられているから、主アーム部51の軌跡Cが支柱7の外側に配置し、幅方向Wの一端から他端まで主アーム部51を円滑にスイング移動させることができる。
【0050】
図7は本発明のもう一つの実施形態に係る建築構造体の斜視図、図8は図7の建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。また、図9乃至図11は、図7及び図8の建築構造体について操作方法を示す左側面図である。
【0051】
まず、図7及び図8の実施形態は、複数の建築構造体1、1を用いて構成される農業用温室の最小単位を示すものであって、複数の建築構造体1、1と、継ぎ目シート83と、端部シート84とを組み合わせることにより、一体的な内部空間10が構成されている。耕作地の畝に作付けされた農作物9は、シート体8と、継ぎ目シート83と、端部シート84とによって覆われている。
【0052】
複数の建築構造体1、1のそれぞれは、図1乃至図6を参照して説明したものでなり、ベース部4の貫通部分40に農作物9が露出するよう配置されている。複数の建築構造体1、1は、互いの張出部分430をつき合わせることにより、長手方向Lに沿って連接されている。張出部分430の長さ寸法L430は、間隔L44(例えば300mm)を基準として、その半分程度の寸法(例えば150mm)で決定されているから、連設部分で間隔L44が乱れることなく、複数の建築構造体1、1を長手方向Lに連接することができる。
【0053】
継ぎ目シート83、及び、端部シート84は、シート体8と同一の材料で構成することができる。継ぎ目シート83は、隣接する建築用構造体1、1の連設部分に取り付けられ、内部空間10を密閉し、保温効果を高めるため、必要に応じて取り付けられるものである。同様に、端部シート84も、内部空間10を密閉し、保温効果を高めるため、長手方向Lでみた建築用構造体1の他端に必要に応じて取り付けられるものである。
【0054】
建築構造体1の使用数および連結数は、保護対象である農作物9の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して適宜増減することができる。建築構造体1の使用数および連結数が増えた場合、その分だけ増えた連結部分には、適宜、継ぎ目シート83が設置されることは言うまでもない。
【0055】
次に、図7及び図8の建築構造体1の換気作業のための操作方法について、図9乃至図11を参照して説明する。図9は、内部空間10が閉状態となっており、畝に作付けした農作物9が、シート体8によって気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護されている。支柱7の少なくとも一つには、止め具71が取り付けられている。止め具71は、クリップ状の把持部710を有しており、支柱7の周りを回転可能に取り付けられている。図9の止め具71は、主アーム部51のスイング移動を阻害しないよう、把持部710が支柱7の内側に向けられている。
【0056】
トンネル内はシート体8によって保温性、保湿性が高められている結果、トンネル内が適正範囲を超えて高温化および高湿化しやすい傾向にあるから、トンネル内の換気をこまめに行うことが重要となる。図10は、図9に示した工程の後の状態を示す図であって、農作業従事者は、例えば手でハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が端部50を回転軸aとして回転R1し、主アーム部51とともにシート体8の裾部分81が、引き上げられ、裾部分81の停止位置に応じて、内部空間10が外部に開放される。図10の開状態において、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向(R1)とは逆方向R2に反発力Fが生じている。従って、農作業従事者は、例えばハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が逆方向R2に回転し、自動的に内部空間10を閉じることができる。他方、図9の状態から止め具71を回転させ、その把持部710を支柱7の外側に向けることにより、把持部710に主アーム部51が突き当たり、主アーム部51の回転が規制される結果、図10の開状態が維持される。
【0057】
図11は、図10に示した工程の後の状態を示す図であって、幅方向Wで見た支柱7の一端から他端まで連続して主アーム部51を回転R1させることにより、内部空間10を完全に外部に開放することができる。図11の開状態を維持するには、止め具71を支柱7の他端まで移動させるか、又は、支柱7の他端付近に別途止め具71を配置しておけばよい。
【0058】
図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、以下の効果を奏することができる。まず、開閉装置3を構成するベース部4において、一対の支持部41、41は、互いに間隔L41を隔てて向かい合っているから、間隔L41内に農作物9を配置することができる。ここで、間隔L41は畝の長さに応じて適宜設定することが可能であり、且、支持部41の長さ寸法は畝の幅に応じてを適宜調節することが可能であるから、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3を提供することができる。
【0059】
建築構造体1は、シート体8によって画定される内部空間10を有しているから、内部空間10において、畝に作付けした農作物9を配置することにより、気温や地温の低下、風雨、霜、露などの外界の悪天候から保護することができる。
【0060】
ところで、内部空間10は、シート体8によって保温性、保湿性が高められている結果、適正範囲を超えて高温化および高湿化しやすい傾向にあるから、内部空間10の換気をこまめに行うことが重要となる。ここで開閉装置3を構成する曲軸体5は、両端50が、一対の支持部41、41に軸回転可能に取り付けられているから、例えば、一対の支持部41、41を畝に設置した状態で、曲軸体5のみを、ベース部4とは別に回転(R1又はR2)させることが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3を提供することができる。
【0061】
主アーム部51は、曲軸体5を端部50で軸回転させたとき、端部50を中心として回転運動(R1又はR2)する。この構造によると、主アーム部51をシート体8の裾部分81に取り付け、回転R1又はR2させることにより、裾部分81を一連に持ち上げ、又は、引き下ろすことが可能となる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0062】
連結アーム部52は、端部50と主アーム部51とを連結し、主アーム部51の回転半径D51を決定する。すなわち、主アーム部51は、曲軸体5を軸回転させたとき、端部50を中心とし、且、連結アーム部52を回転半径D51とする円弧状の軌跡Cを描きながら回転(R1又はR2)する。この構成によると、例えば支柱7を円弧状に湾曲させ、間隔L41に配置した場合に、連結アーム部52の長さ寸法を適宜調節することにより、主アーム部51を、該支柱7の外側で回転(R1又はR2)させることができる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0063】
開閉装置3を構成する弾性部材6は、曲軸体5と、ベース部4との間に設けられ、主アーム部51が一方向R1に回転したとき、曲軸体5に対して、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fを生じさせる。この構成によると、強風などによる主アーム部51の不正回転を弾性部材6の反発力Fによって規制することができる。
【0064】
また、農作業従事者は、ハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が端部50を回転軸aとして軸回転し、裾部分81が、主アーム部51とともに引き上げられ(R1)、裾部分81の停止位置に応じて、内部空間10が外部に開放される。しかも、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fが生じているから、ハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が自動的に逆方向R2に回転し、再び内部空間10が閉じられる。従って、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いたビニールハウスを提供することができる。
【0065】
開閉装置3を構成するベース部4は、枠体であるから、接地面積が広くなる。従って、地表面GL等に設置された状態で姿勢が安定するから、長期間、適当に使用し続けることができる。また、ベース部4が枠状である構造によると、支柱7やシート体8が取り付けられた状態で、一体的に持ち運ぶことができる。従って、運搬作業、及び、施工作業の効率が向上する。
【0066】
建築構造体1は、開閉装置3、支柱7、シート体8の組立構造であるから、使用時に迅速に組み立て、不使用時には分解して保管することができる。従って、保管コストを低減することができる。
【0067】
従来、この種のトンネル型ビニールハウスの換気作業について、シート体(8)の裾部分(81)を上方にたくし上げ、たくし上げた裾部分(81)の束を止め具で支柱(7)に掛け止めることが一般であった。しかし、この種のトンネル型ビニールハウスは、畝の長さ寸法に追従して設けられるものであるから、通常、トンネル型ビニールハウスの長さ寸法は、数十mから数百mにも達する。しかも、裾部分(81)は、地表面(GL)に位置するため、農作業従事者が上記した換気作業を行うに当たっては、長時間の中腰姿勢を強いられることとなり、労働負担が大きいという問題があった。
【0068】
これに対し、図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、例えば、農作業従事者がハンドル部80を引き上げることにより、主アーム部51が軸回転し、裾部分81が主アーム部51とともに引き上げられ(R1)、内部空間10が外部に開放される。しかも、曲軸体5には、弾性部材6により、主アーム部51の回転方向R1とは逆方向R2に反発力Fが生じているから、ハンドル部80を手放すだけで、反発力Fに従って主アーム部51が自動的に逆方向R2に回転し、再び内部空間10が閉じられる。従って、農作業従事者の労働負担を軽減することができる。
【0069】
また、従来、この主のトンネル型ビニールハウスの換気作業について、被覆シートの一側部(袖部分)をシート支持杵によって支持し、ロープ巻取杆に駆動ロープを巻き取ることにより、シート支持杆に支持されている被覆シートの裾部分(81)を一連にたくし上げるトンネル開閉装置が知られている。しかし、上述した機構では、部品点数が多い分だけ製造コスト高となるから、導入に当たって、農業従事者に過大な経済的負担を強いることとなる。しかも、部品点数が多い分だけ、故障等の不具合が発生する危険が高まり、導入後にも定期的な保守点検が必要となるから、維持管理費用コスト高を招く。また、例えばシート支持杆の長さ寸法は、通常、畝の長さ寸法に追従して決定されているから、農作物9の作付け数が変わったとしても、シート支持杆を交換しない限り、トンネル型ビニールシートにおける開閉領域の長さ寸法を調節することができない。
【0070】
これに対し、図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1によると、開閉装置3は、一対の支持部41、41と、弾性部材6と、曲軸体5の組み合わせにより構成されているから、部品点数が少ない分だけ、製造コストを低減することができる。また、開閉装置3は、少ない部品点数で構成されているから、その分だけ、故障の危険が低減される。従って、維持管理コストを低減することができる。
【0071】
ところで、近年、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園などの進展に伴い、数十cmm〜数m程度の小規模なトンネル型ビニールハウスが増加しており、この種の小規模なトンネル型ビニールハウス、及び、その開閉装置(3)に対する市場の要請が高まっている。図1乃至図11を参照して説明した開閉装置3を構成する一対の連結部43、43は、表面に複数の支柱受け部44を有している。この構成によると、支柱7は連結部43、43上において支柱受け部44によって支持されている。違う言葉で表現すれば、図1乃至図11の実施形態によると支柱7を土に刺さなくてもトンネル栽培を行うことができるから、図12に示すように建築構造体1をベランダなどに設置し、鉢植え等の育成に用いることができる。従って、個人が趣味で行う家庭菜園やベランダ菜園に適した建築構造体1を提供することができる。
【0072】
図13は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図、図14は図13の骨組体の一部を抜き出して示す断面図である。
【0073】
図13及び図14の骨組体2は、ベース部4が枠体ではない点、及び、支柱7の端部70につば具72(図14参照)が取り付けられている点を除いて、図1乃至図12の実施形態と同一の基本的構成を有している。以下、相違点を中心に、説明する。
【0074】
図13の骨組体2において、支持部41は、一対の連結部43、43と交差する関係で、両端が、一対の連結部43、43の中間部分に溶接されている。違う言葉で表現すれば、図13の骨組体2は、一対のベース部4a,4bを有しており、一対のベース部4a,4bのそれぞれは、平面からみてH字形状となっている。
【0075】
図13のつば具72は、機械的強度の観点から金属材料で構成されている。もっとも、つば具72は、耐候性、耐腐食性の観点から、合成樹脂材料、繊維強化プラスチック(FRP)などで構成することもできる。図14のつば具72は、棒状部73と、鍔部74とを有する。棒状部73は、パイプ状体、又は、筒状体であって、中空部720と、開口部75と、底部76と、水抜き孔77とを有している。底部76は、高さ方向Tでみて開口部45とは反対側に形成されている。中空部720は、棒状部73の内面と、底部76の内面によって画定され、開口部45によって外部に開口している。水抜き孔77は、底部76に開口し、底部76を高さ方向T(厚み方向)に貫通している。
【0076】
鍔部74は、高さ方向Tでみた棒状部73の一端側において、開口部45が開口する表面を構成している。鍔部74は、好ましくは、棒状部73と一体的に成形されている。図13及び図14から必ずしも明らかではないが、鍔部74は、棒状部73の平面形状を拡大した相似形に構成されており、縦断面(図14)でみて、棒状部73の外周面よりも幅方向(又は径方向)Wに突出した構造となっている。
【0077】
つば具72は、支柱7の両端部70にそれぞれ取り付けられている。つば具72は、この種のトンネル型ビニールハウスに用いられるアーチ状の支柱7において、その端部70に取り付けられることにより、地表面GLに対する支柱7の差込距離を所定の範囲L70に規制し、複数の支柱7のそれぞれを均一なアーチで設置するために用いられる。
【0078】
つば具72を構成する鍔部74は、棒状部73の外面よりも径方向に突出しているから、棒状部73を地表面GLに差し込んだ場合、その下面が地表面GLに接触することにより、地中に対する棒状部73の差込距離が規制される。他方、つば具72は、底部76によって中空部720の高さ寸法が決定されているから、端部70を底部76に突き当たるまで差し込むことにより、地表面GLに対する差込距離L70が規制される。従って、図13の建築構造体1において、間隔L41内に、複数の支柱7を配置するあたり、長手方向Lに隣接する支柱7を同一のアーチ形状で設置することができる。
【0079】
複数の支柱7は、両端70につば具72が取り付けられた状態で、間隔L41内に間隔を隔てて配置されている。支柱7の設置数、及び、曲軸体5の長さ寸法は、保護対象である農作物の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して適宜増減することができる。
【0080】
図15は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図である。図15の実施形態は、複数の建築構造体1、1を用いて構成される農業用温室の最小単位を示すものである。複数の建築構造体1、1のそれぞれは、図13及び図14を参照して説明したものでなる。
【0081】
図13乃至図15の実施形態によっても、図1乃至図12を参照して説明した利点を奏することができる。さらに、図13乃至図15の骨組体2は、一対のベース部4a,4bを有することにより、一対の支持部41、41が互いに分離されている。この構造によると、保護対象である農作物9の作付面積、又は、畝の長さ寸法に追従して、一対の支持部41、41の配置位置を決定することができる。従って、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0082】
ところで、図13乃至図15の実施形態では、支柱7と、一対のベース部4a,4bとは、直接的な結合関係になく、複数の支柱7を個々に地中に差し込むこととなる。このような差し込み作業によると、各支柱7のアーチ形状にばらつきが生じる。その結果、例えば、一部に所定の高さ寸法を超えて突出する支柱7がある場合、該支柱7に主アーム部51が接触し、曲軸体5の回転が阻害される恐れがある。
【0083】
上述した不具合を回避するため、図13乃至図15の実施形態では、支柱7の両端につば具72を設けることにより、地表面GLに対する支柱7の両端の差込距離L70が一定に保たれる。その結果、複数の支柱7を同一のアーチ形状で設置することが可能となるから、一部の支柱7に主アーム部51が接触し、曲軸体5の回転(R1、R2)が阻害される不具合は生じない。従って、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0084】
図16は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の一部の斜視図、図17は図16の骨組体の分解構造を示す斜視図である。
【0085】
図16及び図17の骨組体2は、ベース部4が枠体である点を除いて、図13乃至図15の実施形態と同一の基本的構成を有している。更に言えば、図16及び図17の骨組体2は、図1乃至図12の実施形態と、図13乃至図15の実施形態とを組み合わせた構成となっている。以下、相違点を中心に、説明する。
【0086】
図16及び図17の骨組体2において、一対の連結部43、43は、複数の支柱受け孔46を有している。支柱受け孔46は、連結部43を厚み方向(T)に貫通している。複数の支柱受け孔46は、所定の間隔(L44)を隔て、長手方向Lに沿って連設されている。支柱受け孔46は、つば具72及び支柱7を保持するものであるから、隣接する支柱受け孔46の間隔は、この種のトンネル型ビニールハウスを構成する支柱7の配置態様に応じて適宜調節することができる。一例として、間隔は300mm程度が好ましい。
【0087】
図16及び図17の実施形態によると、図1乃至図15を参照して説明した利点を奏することができる。図16及び図17の実施形態では、一対の連結部43、43に、予め所定の間隔で支柱受け孔46が形成されているから、複数の支柱7を正確な間隔で取り付けることができる。従って、支柱7の設置作業を効率よく行うことができる。
【0088】
さらに、図16及び図17の実施形態では、一対の連結部43、43に対して、その表面側につば具72が配置され、鍔部74の下面が、連結部43の表面に接触する関係で挿通されている。この構成によると、建築構造体(1)を地表面(GL)に設置したとき、ベース部4がつば具72によって、あたかも釘で打ちつけたように地表面GLに固定されるから、例えば、曲軸体5の回転時にベース部4が浮き上がったり、強風で揺動するような不具合は生じない。従って、建築構造体1の設置姿勢が安定し、開閉操作が容易な開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0089】
図18は本発明の更にもう一つの実施形態に係る建築構造体の内部構造を示す正面断面図、図19は図18の骨組体の一部を抜き出して示す平面図である。
【0090】
図18の骨組体2は、開閉装置3を構成するベース部4、及び、曲軸体5の構造について、図1乃至図11の実施形態、及び、図16及び図17の実施形態とは異なる特徴を有している。以下、相違点を中心に、説明する。
【0091】
図18及び図19のベース部4は、長手方向Lでみた一組の支持部41、41の間に、第3の支持部42を有している。第3の支持部42は、支持部41と同一の構成を有し、両端が一対の連結部43、43に溶接されている。
【0092】
図18及び図19の曲軸体5は、3つの軸部材(5a,5ba,5b)の組み合わせ構造を有している。端的に言えば、図18及び図19の曲軸体5は、図1乃至図17の曲軸体5を、主アーム部51の中間部分で切断し、第1〜第3の曲軸体5a,5ba,5bに分割したものであって、主アーム部51の切断部分を第2の曲軸体5bで連結した構造になっている。もっとも、図18及び図19の第1〜第3の曲軸体5a〜5cは、それぞれ個別に製造しうることは明白である。
【0093】
第2の曲軸体5bは、長さ方向の一端が差込端54を構成し、他端が連結端55を構成し、長手方向Lの中間部分が連結アーム部52を構成している。第2の曲軸体5bを構成する連結アーム部52は、一端が屈曲箇所を介して差込端54に連続している。差込端54は、第3の支持部42に取り付けられている軸受け部410に軸回転可能に結合される。
【0094】
第1、第3の曲軸体5a,5cのそれぞれを構成する主アーム部51は、その突合せ端に嵌合用孔部56を有している。第2の曲軸体5bは、連結端55の両端が、嵌合用孔部56に差し込まれることにより、第1、第3の曲軸体5a,5cを連結する。第2の曲軸体5bを構成する連結アーム部52は、他端が、連結端55の中間部分に対し、直交する関係で結合している。端的に説明すると、第2の曲軸体5bは、連結アーム部52の他端部分が、平面から見てT字形状となっている。
【0095】
図18及び図19の実施形態によると、図1乃至図11、及び、図16及び図17を参照して説明した利点を奏することができる。さらに図18及び図19の実施形態は、一対の支持部41、41の間に第3の支持部42を有し、且、第3の支持部42に対応する第2の曲軸体5bを有している。この構造によると、建築構造体1の長さ寸法が長くなったとしても、その中間部分に適宜、第3の支持部42を追加して補強することが可能であるから、中間部分でシート体8のたるみが発生する不具合を回避することができる。
【0096】
しかも、第3の支持部42に対応する第2の曲軸体5bを有している構造によると、建築構造体1の長さ寸法が長くなり、長手方向Lの両端部分に取り付けられる弾性部材6の反発力Fだけでは、反発力Fが不十分となったとしても、その中間部分に適宜、第2の曲軸体5bを追加して補強することが可能である。その結果、曲軸体5の全長に亘って、均一且充分な反発力Fを確保し、安定した開閉動作をさせることが可能となる。従って、図18及び図19の実施形態によると、具体的な設置条件に対して容易に追従しうる開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1を提供することができる。
【0097】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。そもそも本発明に係る開閉装置3、及び、これを用いた建築構造体1の特徴の一つは、主アーム部51が、連結アーム部52を回転半径D51とする円弧状の軌跡Cを描きながら回転する点にある。上述した構造を有する開閉装置3は、図1乃至図19を参照して説明した農業用温室以外にも、開閉可能な断面円弧状の覆いを有する建築構造体1に広く用いることができる。例えば、図20に示すように四隅に支柱47を配することにより、テントなどの仮設建築物のほか、庇や屋根など建築物の一部に用いることができる。
【0098】
また、本発明に係る開閉装置3は、ハウス栽培用ビニールハウスの屋根部分に用いることもできる。さらに、トンネル状の内部空間10を人が立って通行できる寸法まで拡大することにより、例えば、ゴルフ場において各ホールの移動路に沿って一時的に設置する雨よけとして用いることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 建築構造体
2 骨組体
3 開閉装置
4 ベース部
41 一対の支持部
411 突出部分
43 一対の連結部
44 支柱受け部
5 曲軸体
50 一対の端部
51 主アーム部
52 連結アーム部
6 弾性部材
7 支柱
8 シート体
L 長手方向
L41 一対の支持部の間隔
T 高さ方向
R1 主アーム部の回転方向(一方向)
R2 主アーム部の回転方向とは逆方向
F 反発力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、曲軸体とを含む開閉装置であって、
前記ベース部は、一対の支持部を有しており、
前記一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っており、
前記曲軸体は、主アーム部と、連結アーム部とを有し、両端が前記一対の支持部に軸回転可能に取り付けられており、
前記主アーム部は、前記両端のそれぞれを中心として回転運動し、
前記連結アーム部は、前記両端のそれぞれと、前記主アーム部とを連結し、前記主アーム部の回転半径を決定する、
開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載された開閉装置であって、
前記一対の支持部のそれぞれは、中間部分が高さ方向に突出しており、
前記曲軸体の前記両端は、前記突出部分に軸回転可能に取り付けられている、
開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された開閉装置であって、さらに弾性部材を含み、
前記弾性部材は、前記曲軸体と、前記ベース部との間に設けられ、前記主アーム部が一方向に回転したとき、前記曲軸体に対して、前記主アーム部の回転方向とは逆方向に反発力を生じさせる、
開閉装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された開閉装置であって、
前記ベース部は、枠状であり、前記一対の支持部と、一対の連結部とを有しており、
前記一対の連結部は、一面に支柱受け部を有し、前記一対の支持部と交差する位置において、互いに間隔を隔てて向かい合っている、
開閉装置。
【請求項5】
開閉装置と、少なくとも1つの支柱と、シート体とを含む建築構造体であって、
前記開閉装置は、請求項1乃至4の何れかに記載されたものでなり、
前記支柱は、前記一対の支持部の前記間隔内に配置されており、
前記シート体は、一端が前記主アーム部に取り付けられ、前記支柱を開閉可能に覆っている、
建築構造体。
【請求項6】
請求項5に記載された建築構造体であって、農業用温室、テント、又は、建築物の一部の何れか1つである、
建築構造体。
【請求項1】
ベース部と、曲軸体とを含む開閉装置であって、
前記ベース部は、一対の支持部を有しており、
前記一対の支持部は、互いに間隔を隔てて向かい合っており、
前記曲軸体は、主アーム部と、連結アーム部とを有し、両端が前記一対の支持部に軸回転可能に取り付けられており、
前記主アーム部は、前記両端のそれぞれを中心として回転運動し、
前記連結アーム部は、前記両端のそれぞれと、前記主アーム部とを連結し、前記主アーム部の回転半径を決定する、
開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載された開閉装置であって、
前記一対の支持部のそれぞれは、中間部分が高さ方向に突出しており、
前記曲軸体の前記両端は、前記突出部分に軸回転可能に取り付けられている、
開閉装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された開閉装置であって、さらに弾性部材を含み、
前記弾性部材は、前記曲軸体と、前記ベース部との間に設けられ、前記主アーム部が一方向に回転したとき、前記曲軸体に対して、前記主アーム部の回転方向とは逆方向に反発力を生じさせる、
開閉装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された開閉装置であって、
前記ベース部は、枠状であり、前記一対の支持部と、一対の連結部とを有しており、
前記一対の連結部は、一面に支柱受け部を有し、前記一対の支持部と交差する位置において、互いに間隔を隔てて向かい合っている、
開閉装置。
【請求項5】
開閉装置と、少なくとも1つの支柱と、シート体とを含む建築構造体であって、
前記開閉装置は、請求項1乃至4の何れかに記載されたものでなり、
前記支柱は、前記一対の支持部の前記間隔内に配置されており、
前記シート体は、一端が前記主アーム部に取り付けられ、前記支柱を開閉可能に覆っている、
建築構造体。
【請求項6】
請求項5に記載された建築構造体であって、農業用温室、テント、又は、建築物の一部の何れか1つである、
建築構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−100561(P2012−100561A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250011(P2010−250011)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(510295826)有限会社 清正発條 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(510295826)有限会社 清正発條 (1)
【Fターム(参考)】
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