説明

間欠型箱詰装置

【課題】被梱包品と添付書との梱包箱への挿入信頼性を向上し、単位時間当たりの挿入数を向上可能な間欠型箱詰装置を提供すること。
【解決手段】 短冊状の添付書をU字状にして被梱包品を包んで梱包箱に箱詰めする装置であって、梱包箱を順次移送する梱包箱移送コンベア105と、被梱包品を順次移送する被梱包品移送コンベア102とを併設し、被梱包品の挿入方向後端から被梱包品を梱包箱に押し込むプッシャ101と、両コンベア間に、被梱包品の挿入を遮蔽する位置に添付書を供給する添付書供給機104と、添付書と被梱包品移送コンベア102との間に位置し、突き当てることにより添付書に曲げグセを付ける添付書挿入板103と、プッシャ101を制御して被梱包品の挿入方向先端を添付書に当接させ、そのまま添付書と被梱包品とを梱包箱に挿入する制御部106と、を設けた間欠型箱詰装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被梱包品と添付書とを箱詰めする間欠型箱詰装置に関し、特に、医薬品とその能書のように、短冊状の細長い添付書をU字状にして被梱包品を包み、高速に箱詰めする間欠型箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば医薬業界において、錠剤を分包したPTPシートは、複数シートを積み重ねてアルミ包装紙に封入され、これが、薬剤説明書であるいわゆる能書とともに紙箱等に箱詰めされ流通している(以降では、箱詰めされる対象を被梱包品と、被梱包品を詰める箱を梱包箱と、挿入される書面を添付書と、適宜称する)。
【0003】
このような添付書は、蛇腹状に畳まれまたは押しつぶした巻紙として細長い短冊状にして、U字状に曲げて被梱包品を包むように梱包箱に収容される。
【0004】
従来から、添付書をともなう被梱包品の箱詰めについては、連続型箱詰装置と間欠型箱詰装置が存在する。いずれの箱詰装置も、被梱包品を移送する被梱包品移送コンベアと、梱包箱を移送する梱包箱移送コンベアとを並走させ、この間に添付書の供給機を設けて、プッシャにより後端から被梱包品を押して添付書を巻き込みつつ梱包箱に挿入するタイプが主流となっている。
【0005】
ここで、連続型箱詰装置の場合は、プッシャや添付書の供給機をコンベアに同期して並走させ、挿入後には回帰させる必要があるため、構造が複雑となり装置単価が高くなるという問題点があった。また、医薬品は、被梱包品、梱包箱、添付書の組合せの数が多く、また、小ロットの箱詰めが生じる場合もあり、複雑な構造に由来するロット毎の装置の条件だしの作業が煩雑となるという問題点があった。また、装置構造の複雑化にともなう大型化を招来し、ラインに制約のともなう箱詰め工場では、大型装置は好まれないという実情もある。
【0006】
一方、間欠型箱詰装置の場合は、コンベアの移送を瞬間的に停止し、このときに梱包品の挿入をおこなうため、プッシャの単純往復運動をおこなえばよく、並走機構が不要となる。同様に、添付書の並走機構も不要となるため、全体として、装置が連続型と比較してコンパクトとなり、単価も安くなるという利点を有する。また、副次的に装置の条件だしも簡便におこなうこともできる。
【0007】
しかしながら、近年、能書用紙の大型化(例えばA4からA3用紙への移行)または記載内容の多量化にともない、短冊状の添付書が相応に厚く硬くなってきている。このため、例えば、アルミ包装紙に封入されたPTPシートにより、包装紙が添付書に突き当たるときに破損が生じたり、PTPシートが傷ついたりする可能性があった。これは、医薬に限らず、添付書が被梱包品に比して硬い場合には起こりうることである。
【0008】
このため、間欠型箱詰装置は、図5に示したように、保護プレートと一体化したプッシャ構造を採用し、被梱包品を硬い添付書から保護しながら挿入を実現するものが開発されている。この装置は、また、保護プレートが添付書を梱包箱へ案内するので、添付書の挿入も確実となる。
【0009】
しかしながら、図5に示した装置では、プッシャが戻る際、保護プレートが被梱包品や添付書を連れ戻してしまう場合があるという問題点があった。
【0010】
そこで、図6に示したように、プッシャと保護プレートとを分離し、プッシャによる被梱包品の挿入完了までに保護プレートを初期位置(待機位置)に帰還させる箱詰装置も開発されている。
【0011】
しかしながら、現実の箱詰装置では、被梱包品の挿入性を向上させるために、被梱包品移送コンベアには、被梱包品の姿勢を保持させる案内板(規制体)が設けられていたり、バケット構造が採用されている。
【0012】
このため、保護プレートは、規制体との干渉を避けるため、被梱包品移送コンベアより更に手前に引き戻した位置を初期位置とする必要があるか、上に回避動作をおこなわせる必要がある。
【0013】
一般的に、間欠型箱詰装置においては、いかに停止時間を短くして単位時間当たりの箱詰め数を多くするかが最も大きな評価指標となっている。従って、保護プレートの初期位置がコンベアから離れれば離れるほど、ストローク長の増大にともなう時間ロスが発生するという問題点があった。また、保護プレートに回避動作をさせる場合であっても、構造が複雑化し、かつ、回避時間が必ず必要になるという問題点が存在する。
【0014】
すなわち、従来では、添付書をともなう被梱包品の箱詰めをおこなう間欠型箱詰装置は、挿入信頼性を確保しようとすると、箱詰め効率が低減するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平11−255220号
【特許文献2】特開平05−338619号
【特許文献3】特開平11−130023号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、被梱包品と添付書との梱包箱への挿入信頼性を向上し、単位時間当たりの挿入数を向上可能な間欠型箱詰装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の間欠型箱詰装置は、短冊状の添付書をU字状にして被梱包品を包み、添付書と被梱包品とをともに梱包箱に箱詰めする間欠型箱詰装置であって、開口した梱包箱を、被梱包品の挿入方向に配向して載置しつつ挿入方向に垂直な方向に間欠的に順次移送する梱包箱移送コンベアと、梱包箱移送コンベアに併設し、被梱包品の挿入方向の延伸線上に梱包箱が位置するように被梱包品を間欠的に順次移送するとともに、被梱包品の挿入姿勢ずれを規制する規制体を有する被梱包品移送コンベアと、被梱包品移送コンベアをはさんで梱包箱移送コンベアに対向する位置に固定され、被梱包品の挿入方向後端から被梱包品を梱包箱に押し込んで挿入するプッシャと、梱包箱移送コンベアと被梱包品移送コンベアとの間の、被梱包品の挿入を遮蔽する位置であって短冊の長辺が梱包箱開口口の縦辺または横辺と平行となるように添付書を順次供給する添付書供給機と、添付書供給機により供給される添付書と被梱包品移送コンベアとの間に位置し、突き当てることにより添付書に曲げグセを付ける突当体と、突当体により添付書に曲げグセが付いた後、プッシャを制御して被梱包品の挿入方向先端を添付書に当接させ、そのまま添付書と被梱包品とを梱包箱に挿入する制御部と、を設けたことを特徴とする。
【0018】
すなわち、請求項1にかかる発明は、添付書に厚みがあっても被梱包品の添付書への突き当て衝撃を緩和して被梱包品の破損を防止する。加えて、コンベア間に突当体を位置させるので、従来の保護プレートのストローク長にともなうまたは規制体との干渉回避動作にともなう時間ロスをなくすことができ、被梱包品と添付書との梱包箱への挿入数を向上させることが可能となる。
【0019】
なお、短冊状とは、紙が蛇腹状または押しつぶされた巻紙状となって、細長く畳まれた状態を意味する。U字状とは、必ずしも折り目なく曲げられていることに限定されず、この意味において、V字状や、コ字状も含まれる。すなわち、被梱包品の上面、下面および前面を含んだ(または、左側面、右側面および前面を含んだ)3面を囲む形状であれば特に限定されない。
【0020】
開口した梱包箱とは、フラップが閉じられておらず被梱包品を挿入可能となっていることを意味する。対向する面(挿入方向前面)は、フラップがのり付けして閉じられていると被梱包品の過挿入を防止する点で好ましい。また、梱包箱の挿入方向への移動を抑える制止板を梱包箱移送コンベアに立設し、梱包箱の挿入方向前面をこれに当接させるようにしてもよい。
【0021】
規制体とは、いわゆる仕切板が移送方向左右に設けられている例を挙げることができるが、板に限定されず、ピン体ないし針金体を移送方向左右に列設した態様であっても良い。また、必ずしも被梱包品移送コンベアに立設ないし植設されている必要はなく、コンベア上部からあてがわれてコンベアとともなに移動する態様であっても良い。
【0022】
開口口の縦辺または横辺とは、適宜斜めに形成されうるフラップの辺でなく、製函された際の梱包箱の縦辺または横辺を意味する。すなわち、梱包箱移送コンベアの移送面が水平で梱包箱が立方体であるときに、鉛直な辺と水平な辺を意味する。換言すれば、添付書供給機が、短冊面を被梱包品の挿入方向に垂直にして添付書を縦(鉛直)に供給するまたは横(水平)に供給することを意味する。なお、添付書の供給位置は、梱包箱移送コンベア寄りであることが好ましい。
【0023】
添付書供給機により供給される添付書とは、添付書がU字状に曲げられる前の供給当初の添付書を意味する。
【0024】
請求項1にいう突当体は、必ずしも請求項2等にいう板体に限定されず、また、必ずしも梱包箱内に進入しなくてもよく、添付書に曲げグセを付けるものであれば特に限定されない。曲げグセとは、折りたたまれた添付書は、山折りもしくは谷折り部分の長辺の剛性が高いので、これによる被梱包品の衝突衝撃を緩和するためのものであって、この意味において、微視的には単数もしくは複数存在する、折れ開始点と表現することもできる。
【0025】
請求項2に記載の間欠型箱詰装置は、請求項1に記載の間欠型箱詰装置において、突当体を、梱包箱に挿入可能であって挿入方向に面が広がる板体とし、制御部は、被梱包品が添付書に当接した後、突当体とプッシャとを所定時間同速として被梱包品と添付書とを挿入する制御をおこなうことを特徴とする。
【0026】
すなわち、請求項2にかかる発明は、突当体である板体が梱包箱の中まで進入し、突当体とプッシャとが協働して挿入作業をおこなうので、被梱包品の破損防止性が一層向上する。また、添付書の挿入確実性も一層向上する。
【0027】
なお、添付書の挿入確実性と被梱包品の破損防止性の観点からは、所定位置まで突当体を先行させ、被梱包品の先端と板体先端とがほぼ揃ったときに、突当体とプッシャとを所定時間同速移動させることが好ましい。このとき、突当体の挿入速度を二段階に切り替える制御をおこなうようにしてもよい。
【0028】
突当体は、梱包箱の挿入先端付近までの長さを有するものでも良いが、添付書がある程度挿入されてU字状となれば、被梱包品の先端にかかる負荷は軽減されるので、梱包箱の中途までの長さとしてもよい。
【0029】
なお、突当体である板体は、必ずしも一枚でなくてもよい。添付書が鉛直に供給される場合には梱包箱内の上面側に一枚配置する態様が好ましいが、添付書が水平に供給される場合には、梱包箱内の挿入方向左右の側面付近に二枚配置するようにしても良い。いずれにせよ、突当体は、梱包箱内まで進入しつつ、被梱包品の挿入を妨げない位置とすることはいうまでもない。
【0030】
請求項3に記載の間欠型箱詰装置は、請求項1に記載の間欠型箱詰装置において、突当体を、梱包箱に挿入可能であって挿入方向に面が広がる板体とし、制御部は、プッシャを制御して被梱包品の挿入方向先端を添付書に当接させることに替え、突当体により添付書に曲げグセが付いた後、突当体の挿入方向先端が被梱包品の進行方向先端より所定時間先んずるようにプッシャと突当体とを制御して、被梱包品と添付書とを挿入する制御をおこなうことを特徴とする。
【0031】
すなわち、請求項3にかかる発明は、突当体である板体が梱包箱の中まで進入し、突当体とプッシャとが協働して挿入作業をおこなうので、被梱包品の破損防止性が一層向上する。また、添付書の挿入確実性も一層向上する。特に、被梱包品が破損しやすい場合に、突当体が所定時間先行して梱包箱に進入するので、この意味で、突当体は、保護プレートと表現することができる。なお、所定時間とは、挿入作業完了までの時間としても良いし、挿入中途までの時間としても良い。
【0032】
請求項4に記載の間欠型箱詰装置は、請求項1または2に記載の間欠型箱詰装置において、添付書供給機が、短冊の長辺を鉛直方向として添付書を供給し、突当体は、梱包箱の上面から所定間隙をあけて水平方向に往復することを特徴とする。
【0033】
すなわち、請求項4にかかる発明は、一枚の板体で被梱包品の破損防止性と添付書の挿入確実性を確保できるので装置構成をより簡素化することが可能となる。すなわち、添付書の上部は板体で、添付書の下部は被梱包品で、U字の曲げを得ることが可能となる。
【0034】
請求項5に記載の間欠型箱詰装置は、請求項2、3または4に記載の間欠型箱詰装置において、添付書供給機により供給される添付書をはさんで突当体の待機位置に対向する側であって、突当体の往復軌跡近傍に配置し、短冊の短手方向に延伸し添付書の曲げを補助する補助体を設けたことを特徴とする。
【0035】
すなわち、請求項5にかかる発明は、梱包箱の破損を防止できる。すなわち、添付書がU字を形成する前に梱包箱に当たって開口部を破損してしまうことを防止できる。これにより、梱包箱の強度が比較的小さい場合であっても、挿入信頼性を向上できる。
【0036】
補助体の例としては、添付書短辺程度の長さを有するローラや丸棒体を挙げることができる。なお、添付書が鉛直に供給される場合には梱包箱移送コンベア上空水平に一本、添付書が水平に供給される場合には鉛直に二本設ける態様を挙げることができる。
【0037】
請求項6に記載の間欠型箱詰装置は、請求項2〜5のいずれか一つに記載の間欠型箱詰装置において、制御部が、プッシャによる被梱包品の挿入完了前に突当体を梱包箱から引き抜く制御をおこなうことを特徴とする。
【0038】
すなわち、請求項6にかかる発明は、突当体による被梱包品や添付書の連れ戻しを回避する。
【0039】
請求項7に記載の間欠型箱詰装置の配置構造は、短冊状の添付書をU字状にして被梱包品を包み、添付書と被梱包品とをともに梱包箱に箱詰めする間欠型箱詰装置であって、開口した梱包箱を、被梱包品の挿入方向に配向して載置しつつ挿入方向に垂直な方向に間欠的に順次移送する梱包箱移送コンベアと、梱包箱移送コンベアに併設し、被梱包品の挿入方向の延伸線上に梱包箱が位置するように被梱包品を間欠的に順次移送するとともに、被梱包品の挿入姿勢ずれを規制する規制体を有する被梱包品移送コンベアと、被梱包品移送コンベアをはさんで梱包箱移送コンベアに対向する位置に固定され、被梱包品の挿入方向後端から被梱包品を梱包箱に押し込んで挿入するプッシャと、添付書に突き当てて曲げグセを付けそのまま添付書を梱包箱に押し込み、プッシャと協働して被梱包品および/または添付書の連れ戻しが生じないように待機位置に戻る往復運動をおこなう板体と、を設け、プッシャ、被梱包品移送コンベア、板体、添付書、梱包箱移送コンベアをこの順に配置し、板体をプッシャと分離して板体の単純往復動作を可能としたことを特徴とする。
【0040】
すなわち、請求項7にかかる発明は、添付書に厚みがあっても被梱包品の添付書への突き当て衝撃を緩和して被梱包品の破損を防止するとともに、被梱包品に応じた高速稼働が可能であって装置の小型化が可能なレイアウトを提供できる。
【0041】
なお、プッシャと協働して被梱包品および/または添付書の連れ戻しが生じないように待機位置に戻る、とは、一般的な被梱包品の場合には、プッシャによる挿入完了前に待機位置に戻ることを意味するが、被梱包品の特段に柔らかいまたは軽い場合には、プッシャによる被梱包品の挿入完了をまって板体をまず梱包箱外に引き戻し、その後プッシャを引き戻す、という動作も含まれるものとする。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、被梱包品と添付書との梱包箱への挿入信頼性を向上し、単位時間当たりの挿入数を向上可能な間欠型箱詰装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の間欠型箱詰装置をライン上空からみた構成概念平面図である。
【図2】本発明の間欠型箱詰装置をライン横からみた構成概念側面図である。
【図3】挿入制御例を示した概念図である。
【図4】添付書が水平に供給される間欠型箱詰装置をライン上空からみた構成概念平面図である。
【図5】保護プレートと一体化したプッシャ構造を有する従来の間欠型箱詰装置をライン横からみた構成概念側面図である。
【図6】保護プレートとプッシャとが分離した構造を有する従来の間欠型箱詰装置をライン横からみた構成概念側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、まず、添付書が鉛直に供給される場合の間欠型箱詰装置について説明する。
【0045】
図1は、本発明の間欠型箱詰装置をライン上空からみた構成概念平面図である。図2は、本発明の間欠型箱詰装置をライン横からみた構成概念側面図である。
【0046】
間欠型箱詰装置100は、プッシャ101と、被梱包品移送コンベア102と、添付書挿入板103と、添付書供給機104により供給される添付書Sと、梱包箱移送コンベア105と、がこの順に並んで配置された構成を有する。また、間欠型箱詰装置100は、プッシャ101と添付書挿入板103との駆動制御をおこなう制御部(図示せず)を有する。
【0047】
プッシャ101は、被梱包品Gを挿入方向後端から押して梱包箱Cへ押し込み、挿入完了後引き戻る往復運動をおこなう。プッシャ101の被梱包品Gへの当接面は平板であるが、接触時の衝撃を緩和するため、適宜フェルト等の柔軟素材を貼着していても良い。プッシャ101の初期位置(待機位置)は、被梱包品移送コンベア102の外側にあるが、プッシャ101は単純往復運動をおこなうだけであるため、簡便な構成であり、また、被梱包品移送コンベア102の無端ベルト121等の駆動部は、各種調整ないしメンテナンスの観点から従来の装置と同様にライン外側にも凸出しているので、プッシャ101およびその駆動機構により装置全体の増大化を招来することはない。
【0048】
被梱包品移送コンベア102は、整列して載置された被梱包品Gを間欠的すなわち移送と停止とを繰り返して無端ベルト121の進行方向へ移送する。プッシャ101の待機位置に移送された被梱包品Gは、停止時に移送方向に垂直な方向(挿入方向)に押し出される。被梱包品移送コンベア102には、無端ベルト121上の挿入方向の左右に仕切板122が立設されており、これにより、被梱包品Gの挿入時の姿勢が保持される。
【0049】
なお、図示しないが、被梱包品移送コンベア102の上流には、被梱包品供給機があり、被梱包品Gが順次仕切板122の間へ一個ずつ投入される。被梱包品Gは、必ずしも直方形でないが、梱包箱C開口向きにあわせて、一般的には、図示したように長辺が挿入方向に配向するように載置される。
【0050】
添付書挿入板103は、添付書供給機104により供給される添付書Sと被梱包品移送コンベア102との間に待機し、被梱包品移送コンベア102および梱包箱移送コンベア105の移送面(無端ベルトの上面)に対して平行であって、挿入方向に往復する板体である。その設置高さは、被梱包品Gの高さより上で梱包箱Cの上面Cuより下とし、被梱包品G、添付書S、および、梱包箱Cに過度の負荷ないし摩擦力がかからないように適宜設定する。
【0051】
添付書挿入板103の動作については後述するが、添付書Sに突き当てることにより添付書Sに曲げグセを付けて、被梱包品Gの添付書Sへの衝突衝撃を生じさせない、または、緩衝するようにする。なお、添付書Sが挿入中に滑らないように、添付書挿入板103の片面の摩擦係数の高くしても良い。例えば、ゴムシートを貼着するようにしても良い。
【0052】
添付書供給機104は、添付書挿入板103の待機位置と梱包箱移送コンベア105との間に添付書Sを鉛直方向に供給する。添付書Sは、短辺が梱包箱Cの開口口の幅Wより短く蛇腹状に折りたたまれた短冊状である。添付書供給機104は、添付書Sの中央付近が被梱包品Gの挿入進路を遮蔽するように順次供給する。
【0053】
梱包箱移送コンベア105は、被梱包品移送コンベア102に併設し、これと間欠駆動を同期させて、梱包箱Cを順次移送させる。梱包箱Cは、被梱包品Gの挿入を受け入れるべくフラップCfを折り込まず、また、反対側のフラップについてはのり付けして閉じた半製函の状態にして図示しない上流の梱包箱供給機から順次供給される。
【0054】
なお、梱包箱Cは、一般的に、6面のうち、最も面積の小さな面を形成する位置にフラップが設けられる。よって、梱包箱Cは、被梱包品Gと同様に、長辺を挿入方向に配向して載置される。また、被梱包品Gと梱包箱Cとは、常に一直線上にあるように組となって同期して移動される。挿入の際は、両コンベアは一旦停止するが、このとき、プッシャ101の往復軌跡と被梱包品Gと添付書挿入板103と梱包箱Cが一直線に並んだ位置関係となるようにする。これにより、被梱包品Gがプッシャ101で押されると、添付書SをU字状に巻き込んで梱包箱Cにともに挿入されることとなる。
【0055】
なお、図示は省略するが、梱包箱移送コンベア105には適宜制止板を設け、梱包箱Cの挿入方向への逃げを防止するようにしても良い。のり付けして閉じられたフラップ面を予め制止板に当接させておいても良い。
【0056】
制御部は、添付書挿入板103が添付書に曲げグセを付けた後そのまま梱包箱Cへ進入させ、添付書挿入板103の先端が被梱包品Gの先端より所定時間先んずるように添付書挿入板103とプッシャ101とを駆動制御する。図3に挿入制御の例を示した(説明の便宜上、フラップCfおよび仕切板122は省略し、添付書は簡略化している)。なお、プッシャ101は、被梱包品移送コンベア102が、被梱包品Gを移送して停止した瞬間に駆動を開始するように制御されるが、添付書挿入板103は、移送をまっている間に曲げグセを付けはじめるようにしても良い。
【0057】
なお、使用の態様により、挿入完了まで常に添付書挿入板103の先端が被梱包品Gの先端より所定長さ先んじるように駆動制御してもよい。特に、被梱包品Gが脆い場合などに好適である。
【0058】
被梱包品Gと添付書Sの強度関係に依存するが、被梱包品Gがある程度強度を有する場合には、制御部は、プッシャ101を制御して被梱包品Gの挿入方向先端と添付書挿入板103の挿入方向先端をほぼ揃えた状態として添付書Sに当接させ、そのまま添付書と被梱包品とを梱包箱に挿入するようにしても良い。このとき、添付書挿入板103とプッシャ101とを所定時間同速として被梱包品と添付書とを挿入する制御をおこなうようにしてもよい。先端が揃っているので、添付書SがU字状ないしコ字状に速やかに形成され添付書Sの滑りが発生しにくくなる。
【0059】
また、制御部は、プッシャ101による被梱包品Gの挿入完了前に添付書挿入板103を梱包箱Cから引き抜くように制御すれば、ストローク長をより短くできるので一層の高速稼働が実現できる。なお、プッシャ101は、被梱包品移送コンベア102の外まで引き戻るが、挿入後は障害物がなく連れ戻しも発生しないので、高速な原点回帰をさせることができる。すなわち、律速となるのは添付書挿入板103の駆動であって、ここのストローク長の短縮化および高速化が実現できるので、本発明では単位時間当たりの箱詰数を向上させることが可能となる。
【0060】
なお、被梱包品Gが、例えばスポンジや綿のように柔らかくまた梱包箱Cに内圧をかけるようなものである場合には、プッシャ101による挿入完了後に、まず、添付書挿入板103を引き抜き、その後、プッシャ101を引き戻すように制御しても良い。この場合であっても、律速は添付書挿入板103の駆動であるため、ストローク長の短い本発明では、単位時間当たりの箱詰数を向上させることが可能となる。
【0061】
間欠型箱詰装置100は、フラップCf直近に二つのローラ107を設け、添付書挿入板103による添付書Sの挿入を補助する。添付書Sが厚い場合には、添付書Sが梱包箱Cに押し込まれる際、直接開口口に当たるとここを破損させてしまう可能性があり、ローラ107を設けることにより、円滑な添付書SのU字形成をおこなわせ、梱包箱Cも保護する。
【0062】
間欠型箱詰装置100は、以上の構成であり、従来の間欠型箱詰装置においても添付書Sが被梱包品移送コンベアと梱包箱移送コンベアとの間に供給され、また、添付書供給機もあって、両コンベアが所定の間隔をあけて併設されていることに着目し、この間に添付書挿入板103を待機させるので、従来装置の添付書挿入板よりストローク長を短くすることができる。これのレイアウトを採用することにより、高速稼働、すなわち、単位時間当たりの被梱包品の挿入数量を向上させることが可能となる。
【0063】
また、添付書挿入板103は、単純往復運動が採用されるので、従来の添付書類挿入板の仕切板との緩衝回避動作も不要となり、この点でも高速稼働が可能となる。
【0064】
加えて、従来の添付書挿入板は、待機位置(初期位置)を少なくとも板長さ分は被梱包品移送コンベアからはみ出させる必要があり、また、プッシャよりも引き戻し量が大きなため、装置幅を大きくとらざるを得ないところ、本発明の間欠型箱詰装置100ではこれが不要となり、装置幅の増大を招来しない。
【0065】
また、添付書挿入板103は、単純往復運動をさせればよいため、駆動機構を簡素化でき、この点からも、例えば、従来の緩衝回避動作機構を設けた箱詰装置に比して、装置構成を簡素化・コンパクト化することができる。
【0066】
間欠型箱詰装置100の各部の大きさの一例を挙げると、被梱包品移送コンベア102および梱包箱移送コンベア105のベルト幅:各180mm、両コンベア間の間隙:200mm、梱包箱Cの長辺の長さ(フラップ含まず)150mm、添付書挿入板103の板長さ200mm、プッシャ101の厚み10mm、プッシャ101と被梱包品移送コンベア102間の間隙:10mmとすることができる。なお、図1では、コンベア間が広く見えるものの、従来装置でも、コンベアの駆動機構、添付書供給機104、被梱包品供給機、梱包箱供給機、床面設置脚等により、同様なコンベア間となっている。仮に従来装置よりコンベア間を広くせざる得ない場合でも、律速である添付書挿入板103のストローク長を本発明のように短くした方が、単位時間当たりの被梱包品の挿入数量の向上が実現される。
【0067】
なお、使用の態様によっては、添付書挿入板103は、梱包箱C内へ進入せず、添付書Sの中央付近を突いて、曲げグセを付けるだけでも、被梱包品Gの衝突衝撃を緩和できる。添付書Sがまっすぐに伸びた状態では、いずれの長辺にも折れ曲がりの開始点が存在せず、最も剛性が高い状態である。よって、添付書挿入板103で突いてやり、この開始点を設けるだけで、衝突衝撃を減少させることができる。この場合、添付書挿入板103は必ずしも板体である必要はない。
【0068】
以上の例では、添付書Sが鉛直に供給される態様について説明したが、図4に示したように水平に供給される態様としても良い。この場合は、図示したように添付書挿入板103を、挿入方向左右に二枚設けるようにすれば、添付書SのU字形成および挿入確実性が一層向上する。
【産業上の利用可能性】
【0069】
間欠型箱詰装置は、医薬品の箱詰めの他、例えば、説明書をともなうおもちゃやパソコン部品の箱詰めなどに用いることもできる。
【符号の説明】
【0070】
100 間欠型箱詰装置
101 プッシャ
102 被梱包品移送コンベア
103 添付書挿入板
104 添付書供給機
105 梱包箱移送コンベア
107 ローラ
121 無端ベルト
122 仕切板
C 梱包箱
Cf フラップ
Cu 梱包箱上面
G 被梱包品
S 添付書



【特許請求の範囲】
【請求項1】
短冊状の添付書をU字状にして被梱包品を包み、添付書と被梱包品とをともに梱包箱に箱詰めする間欠型箱詰装置であって、
開口した梱包箱を、被梱包品の挿入方向に配向して載置しつつ挿入方向に垂直な方向に間欠的に順次移送する梱包箱移送コンベアと、
梱包箱移送コンベアに併設し、被梱包品の挿入方向の延伸線上に梱包箱が位置するように被梱包品を間欠的に順次移送するとともに、被梱包品の挿入姿勢ずれを規制する規制体を有する被梱包品移送コンベアと、
被梱包品移送コンベアをはさんで梱包箱移送コンベアに対向する位置に固定され、被梱包品の挿入方向後端から被梱包品を梱包箱に押し込んで挿入するプッシャと、
梱包箱移送コンベアと被梱包品移送コンベアとの間の、被梱包品の挿入を遮蔽する位置であって短冊の長辺が梱包箱開口口の縦辺または横辺と平行となるように添付書を順次供給する添付書供給機と、
添付書供給機により供給される添付書と被梱包品移送コンベアとの間に位置し、突き当てることにより添付書に曲げグセを付ける突当体と、
突当体により添付書に曲げグセが付いた後、プッシャを制御して被梱包品の挿入方向先端を添付書に当接させ、そのまま添付書と被梱包品とを梱包箱に挿入する制御部と、
を設けたことを特徴とする間欠型箱詰装置。
【請求項2】
突当体を、梱包箱に挿入可能であって挿入方向に面が広がる板体とし、
制御部は、被梱包品が添付書に当接した後、突当体とプッシャとを所定時間同速として被梱包品と添付書とを挿入する制御をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の間欠型箱詰装置。
【請求項3】
突当体を、梱包箱に挿入可能であって挿入方向に面が広がる板体とし、
制御部は、プッシャを制御して被梱包品の挿入方向先端を添付書に当接させることに替え、突当体により添付書に曲げグセが付いた後、突当体の挿入方向先端が被梱包品の進行方向先端より所定時間先んずるようにプッシャと突当体とを制御して、被梱包品と添付書とを挿入する制御をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の間欠型箱詰装置。
【請求項4】
添付書供給機は、短冊の長辺を鉛直方向として添付書を供給し、
突当体は、梱包箱の上面から所定間隙をあけて水平方向に往復することを特徴とする請求項2または3に記載の間欠型箱詰装置。
【請求項5】
添付書供給機により供給される添付書をはさんで突当体の待機位置に対向する側であって、突当体の往復軌跡近傍に配置し、短冊の短手方向に延伸し添付書の曲げを補助する補助体を設けたことを特徴とする請求項2、3または4に記載の間欠型箱詰装置。
【請求項6】
制御部は、プッシャによる被梱包品の挿入完了前に、突当体を梱包箱から引き抜く制御をおこなうことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の間欠型箱詰装置。
【請求項7】
短冊状の添付書をU字状にして被梱包品を包み、添付書と被梱包品とをともに梱包箱に箱詰めする間欠型箱詰装置であって、
開口した梱包箱を、被梱包品の挿入方向に配向して載置しつつ挿入方向に垂直な方向に間欠的に順次移送する梱包箱移送コンベアと、
梱包箱移送コンベアに併設し、被梱包品の挿入方向の延伸線上に梱包箱が位置するように被梱包品を間欠的に順次移送するとともに、被梱包品の挿入姿勢ずれを規制する規制体を有する被梱包品移送コンベアと、
被梱包品移送コンベアをはさんで梱包箱移送コンベアに対向する位置に固定され、被梱包品の挿入方向後端から被梱包品を梱包箱に押し込んで挿入するプッシャと、
添付書を順次供給する添付書供給機と、
添付書に突き当てて曲げグセを付けそのまま添付書を梱包箱に押し込み、プッシャと協働して被梱包品および/または添付書の連れ戻しが生じないように待機位置に戻る往復運動をおこなう板体と、
を設け、
プッシャ、被梱包品移送コンベア、板体、添付書、梱包箱移送コンベアをこの順に配置し、板体をプッシャと分離して板体の単純往復動作を可能としたことを特徴とする間欠型箱詰装置の配置構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−10520(P2013−10520A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142924(P2011−142924)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(391029819)株式会社オーエム製作所 (34)
【Fターム(参考)】