防振支持装置
【課題】 簡便な構成により、支持対象物の動揺を効果的に抑制しつつ、省スペース化に寄与することのできる防振支持装置を提供する。
【解決手段】 振動体に設けられ、支持対象物2を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、前記支持対象物2の側面202Sにおける第1の所定位置P1を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部101と、前記支持対象物2の側面202Sにおける前記第1の所定位置P1と近接する第2の所定位置P2に該支持対象物2と一体的に設けられた突出部201と、前記第1の支持部101と一体的に構成され、前記突出部201を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部102とを備えてなる。
【解決手段】 振動体に設けられ、支持対象物2を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、前記支持対象物2の側面202Sにおける第1の所定位置P1を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部101と、前記支持対象物2の側面202Sにおける前記第1の所定位置P1と近接する第2の所定位置P2に該支持対象物2と一体的に設けられた突出部201と、前記第1の支持部101と一体的に構成され、前記突出部201を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部102とを備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体から支持対象物に伝達される振動を減衰させつつ、該支持対象物を振動体にて支持させる防振支持装置に関し、特にその支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線機等の振動の悪影響を受け易い支持対象物を振動体にて支持させる場合、該支持対象物に該振動体の振動を極力伝達させないようにするため、弾性体を介して支持する防振支持装置が使用されている。
【0003】
図8〜図10は従来の防振支持装置を示す図である。図8は従来の防振支持装置を図9におけるV方向からみた図であり、図9は従来の防振支持装置を図8におけるW方向からみた図であり、図10は従来の防振支持装置を図8におけるF方向からみた図である。
【0004】
図8に示すように、従来の防振支持装置は、支持対象物Qの側面Qsをバネ901sを介して支持する支持部8と、支持対象物Qの底面Qbをバネ902bを介して支持する支持部7とを備えてなる構成となっている。支持部8および支持部7は、振動体に設置されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の防振支持装置における支持構造では、支持対象物Qの上下方向および横方向における動揺を抑制するため、支持対象物Qの側面および底面を弾性的に支持する必要があった。このような支持構造は、その配置のためにスペースを広く確保しなければならず、装置全体としての省スペース化の妨げとなっていた。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡便な構成により、支持対象物の動揺を効果的に抑制しつつ、省スペース化に寄与することのできる防振支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明に係る防振支持装置は、振動体に設けられ、支持対象物を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、前記支持対象物の側面における第1の所定位置を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部と、前記支持対象物の側面における前記第1の所定位置と近接する第2の所定位置に該支持対象物と一体的に設けられた突出部と、前記第1の支持部と一体的に構成され、前記突出部を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部とを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上に詳述したように本発明によれば、簡便な構成により、支持対象物の動揺を効果的に抑制しつつ、省スペース化に寄与することのできる防振支持装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
本実施の形態による防振支持装置は、例えば車両、船舶および航空機等の振動を伴う振動体に設けられ、無線機等の支持対象物を該振動体にて支持させる役割を有している。
【0011】
図1および図2は、本実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図であり、図3は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図4におけるV方向からみた図であり、図4は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるW方向からみた図であり、図5は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるF方向からみた図である。
【0012】
具体的に、本実施の形態による防振支持装置は、第1の支持部および第2の支持部と、突出部とを備えてなる構成となっている。
【0013】
第1の支持部は、支持部材1における支持部101および弾性体301sから構成され、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1を略水平方向において弾性的に支持する役割を有している。
【0014】
突出部201は、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1と近接する第2の所定位置P2に支持対象物2と一体的に設けられている。
【0015】
第2の支持部は、第1の支持部と一体的に構成されており、支持部材1における支持部102、支持部103、弾性体302aおよび弾性体303bから構成され、突出部201を(ひいては支持対象物2を)略垂直方向において弾性的に支持する役割を有している。
【0016】
なお、本実施の形態における弾性体301s、302aおよび303bは、例えば金属製のバネから構成されている。支持部材1は支持対象物を支持させようとする振動体に対して溶接、締結、嵌め込み等の手段により設置され、振動体とほぼ一体的に振動する。
【0017】
具体的に、第1の支持部は、支持部材1の支持部101における支持面101sによって支持された弾性体301sによって、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1を略水平方向(x軸方向)に支持している。これにより、主に支持対象物2の横方向における動揺を抑制する。
【0018】
突出部201は、支持対象物2の側面202sから略水平方向(x−y平面方向)に延びるように突出しており、その上面側と下面側が弾性体により支持可能となっている。
【0019】
第2の支持部は、支持部材1の支持部102における支持面102aによって支持された弾性体302aにより突出部201の上面201aを略垂直方向において支持するとともに、支持部材1の支持部103における支持面103bによって支持された弾性体303bにより突出部201の下面201bを略垂直方向において支持している。これにより、主に支持対象物2の上下方向における動揺を抑制する。
【0020】
また本実施の形態では、第1の支持部によって支持する第1の所定位置P1と突出部201を設ける第2の所定位置P2との側面202s上における距離Lが近接するように設定されており、これによって支持部材1全体としてのサイズを小さくすることができ、省スペース化に寄与することができる。
【0021】
また、本実施の形態において振動体からの振動を減衰させる弾性体は、その脱落を防止するため、その端部を該端部が接している支持対象物2の側面202s、支持面101s、支持面102a、支持面103b、突出部201の上面201aおよび下面201bに対して連結されている。弾性体端部の連結方法としては、例えば締結、嵌め込み、接着などが挙げられる。
【0022】
このように、本実施の形態による防振支持装置によれば、支持対象物の側面付近に防振支持装置の支持構造を集中的に配置することができ、省スペース化に寄与することができるとともに、支持対象物の動揺を効果的に抑制することができる。
【0023】
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0024】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例であり、支持部材における第1の支持部の構成が第1の実施の形態とは異なる。以下、第1の実施の形態においてすでに述べた部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0025】
図6は、本実施の形態による防振支持装置における支持部材1'の構成を示す外観斜視図である。
【0026】
同図に示すように、本実施の形態における支持部101'は、支持部102の上方ではなく、支持部103の下方に設けられている。このような構成とすることにより、支持対象物の側面付近における上側位置にスペース的な余裕がないような場合でも、第1の実施の形態と同様に省スペース化を実現しつつ十分な減衰性能を発揮することができる。
【0027】
(第3の実施の形態)
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0028】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例であり、支持部材における第1の支持部の構成が第1の実施の形態とは異なる。以下、第1の実施の形態においてすでに述べた部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0029】
図7は、本実施の形態による防振支持装置における支持部材1"の構成を示す外観斜視図である。
【0030】
同図に示すように、本実施の形態では、支持部102の上方に設けられた支持部101に加え、支持部103の下方に設けられた支持部101'を有している。
【0031】
このような構成とすることにより、支持対象物の側面を支持する弾性体の設置数を大幅に増加させることができ、上下方向においては第1の実施の形態と同様の減衰性能を実現しつつ、該防振支持装置が設置される振動体の横方向における振動が特に激しいような場合でも支持対象物に伝達される振動を十分に減衰させることができる。
【0032】
なお、上述の各実施の形態において、支持対象物(例えば無線機)2のサイズは、例えば奥行き500mm、幅500mm、高さ250mmであり、その質量は30kgとなっている。また、弾性体として用いているバネは、直径40mm、長さ120mmであり、その質量は0.1kgとなっている。弾性体として用いるバネとして小型のものを使用することにより、弾性体の配置に必要なスペース(特に、高さ)を減らすことができ、かつ支持対象物の動揺範囲を減らすことができる。
【0033】
また、上述の各実施の形態では、支持対象物2に伝わる振動を減衰させるための弾性体としてバネを用いている例を挙げたが、これに限られるものではなく、例えばワイヤーロープやゴムを振動の減衰に用いる構成としてもよいことは言うまでもない。また、上述の各実施の形態では、突出部201の上下を支持している弾性体は同じ特性のものを使用しているが、必要に応じて突出部の上側を支持する弾性体と突出部の下側を支持する弾性体の弾性特性を異ならせるようにしてもよい。
【0034】
なお、上述の各実施の形態においては、突出部201が支持対象物2の側面から突出するように支持対象物2の側面と一体的に形成されている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば突出部201が支持対象物2の側面202sに対して溶接により固定されている構成、ボルト等により締結されている構成および支持対象物2の側面202sに設けた溝に挿嵌することにより固定されている構成であってもよい。
【0035】
また、上述の各実施の形態では、弾性体と支持部とが別部材となっている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば樹脂等により弾性体と支持部とを一体成型する構成としても同様の効果を奏することができる。
【0036】
また、上述の各実施の形態では、支持部材が支持対象物の両側面に配置されている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば支持対象物の側面が4面ある場合における3側面および4側面に対して支持部材を配置する構成としてもよい。
【0037】
また、上述の各実施の形態における防振支持装置によれば、例えば支持対象物の底面を弾性的に支持することが困難な場合でも、支持対象物の側面付近さえ支持スペースを確保できれば、十分な減衰性能を得ることができる。
【0038】
また、支持対象物側面から突出させた突出部の上下を弾性体によって支持する構成とすることにより、弾性体の配置個数を大幅に増加させることができ、必要とする減衰性能を実現しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図である。
【図2】本実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図である。
【図3】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図4におけるV方向からみた図である。
【図4】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるW方向からみた図である。
【図5】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるF方向からみた図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による防振支持装置における支持部材1'の構成を示す外観斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による防振支持装置における支持部材1"の構成を示す外観斜視図である。
【図8】従来の防振支持装置を図9におけるV方向からみた図である。
【図9】従来の防振支持装置を図8におけるW方向からみた図である。
【図10】従来の防振支持装置を図8におけるF方向からみた図である。
【符号の説明】
【0040】
1 支持部材、101,102,103 支持部、2 支持対象物、201 突出部、301s,302a,303b 弾性体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体から支持対象物に伝達される振動を減衰させつつ、該支持対象物を振動体にて支持させる防振支持装置に関し、特にその支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線機等の振動の悪影響を受け易い支持対象物を振動体にて支持させる場合、該支持対象物に該振動体の振動を極力伝達させないようにするため、弾性体を介して支持する防振支持装置が使用されている。
【0003】
図8〜図10は従来の防振支持装置を示す図である。図8は従来の防振支持装置を図9におけるV方向からみた図であり、図9は従来の防振支持装置を図8におけるW方向からみた図であり、図10は従来の防振支持装置を図8におけるF方向からみた図である。
【0004】
図8に示すように、従来の防振支持装置は、支持対象物Qの側面Qsをバネ901sを介して支持する支持部8と、支持対象物Qの底面Qbをバネ902bを介して支持する支持部7とを備えてなる構成となっている。支持部8および支持部7は、振動体に設置されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の防振支持装置における支持構造では、支持対象物Qの上下方向および横方向における動揺を抑制するため、支持対象物Qの側面および底面を弾性的に支持する必要があった。このような支持構造は、その配置のためにスペースを広く確保しなければならず、装置全体としての省スペース化の妨げとなっていた。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡便な構成により、支持対象物の動揺を効果的に抑制しつつ、省スペース化に寄与することのできる防振支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明に係る防振支持装置は、振動体に設けられ、支持対象物を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、前記支持対象物の側面における第1の所定位置を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部と、前記支持対象物の側面における前記第1の所定位置と近接する第2の所定位置に該支持対象物と一体的に設けられた突出部と、前記第1の支持部と一体的に構成され、前記突出部を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部とを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上に詳述したように本発明によれば、簡便な構成により、支持対象物の動揺を効果的に抑制しつつ、省スペース化に寄与することのできる防振支持装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
本実施の形態による防振支持装置は、例えば車両、船舶および航空機等の振動を伴う振動体に設けられ、無線機等の支持対象物を該振動体にて支持させる役割を有している。
【0011】
図1および図2は、本実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図であり、図3は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図4におけるV方向からみた図であり、図4は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるW方向からみた図であり、図5は本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるF方向からみた図である。
【0012】
具体的に、本実施の形態による防振支持装置は、第1の支持部および第2の支持部と、突出部とを備えてなる構成となっている。
【0013】
第1の支持部は、支持部材1における支持部101および弾性体301sから構成され、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1を略水平方向において弾性的に支持する役割を有している。
【0014】
突出部201は、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1と近接する第2の所定位置P2に支持対象物2と一体的に設けられている。
【0015】
第2の支持部は、第1の支持部と一体的に構成されており、支持部材1における支持部102、支持部103、弾性体302aおよび弾性体303bから構成され、突出部201を(ひいては支持対象物2を)略垂直方向において弾性的に支持する役割を有している。
【0016】
なお、本実施の形態における弾性体301s、302aおよび303bは、例えば金属製のバネから構成されている。支持部材1は支持対象物を支持させようとする振動体に対して溶接、締結、嵌め込み等の手段により設置され、振動体とほぼ一体的に振動する。
【0017】
具体的に、第1の支持部は、支持部材1の支持部101における支持面101sによって支持された弾性体301sによって、支持対象物2の側面202sにおける第1の所定位置P1を略水平方向(x軸方向)に支持している。これにより、主に支持対象物2の横方向における動揺を抑制する。
【0018】
突出部201は、支持対象物2の側面202sから略水平方向(x−y平面方向)に延びるように突出しており、その上面側と下面側が弾性体により支持可能となっている。
【0019】
第2の支持部は、支持部材1の支持部102における支持面102aによって支持された弾性体302aにより突出部201の上面201aを略垂直方向において支持するとともに、支持部材1の支持部103における支持面103bによって支持された弾性体303bにより突出部201の下面201bを略垂直方向において支持している。これにより、主に支持対象物2の上下方向における動揺を抑制する。
【0020】
また本実施の形態では、第1の支持部によって支持する第1の所定位置P1と突出部201を設ける第2の所定位置P2との側面202s上における距離Lが近接するように設定されており、これによって支持部材1全体としてのサイズを小さくすることができ、省スペース化に寄与することができる。
【0021】
また、本実施の形態において振動体からの振動を減衰させる弾性体は、その脱落を防止するため、その端部を該端部が接している支持対象物2の側面202s、支持面101s、支持面102a、支持面103b、突出部201の上面201aおよび下面201bに対して連結されている。弾性体端部の連結方法としては、例えば締結、嵌め込み、接着などが挙げられる。
【0022】
このように、本実施の形態による防振支持装置によれば、支持対象物の側面付近に防振支持装置の支持構造を集中的に配置することができ、省スペース化に寄与することができるとともに、支持対象物の動揺を効果的に抑制することができる。
【0023】
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0024】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例であり、支持部材における第1の支持部の構成が第1の実施の形態とは異なる。以下、第1の実施の形態においてすでに述べた部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0025】
図6は、本実施の形態による防振支持装置における支持部材1'の構成を示す外観斜視図である。
【0026】
同図に示すように、本実施の形態における支持部101'は、支持部102の上方ではなく、支持部103の下方に設けられている。このような構成とすることにより、支持対象物の側面付近における上側位置にスペース的な余裕がないような場合でも、第1の実施の形態と同様に省スペース化を実現しつつ十分な減衰性能を発揮することができる。
【0027】
(第3の実施の形態)
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0028】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例であり、支持部材における第1の支持部の構成が第1の実施の形態とは異なる。以下、第1の実施の形態においてすでに述べた部分と同一の部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
【0029】
図7は、本実施の形態による防振支持装置における支持部材1"の構成を示す外観斜視図である。
【0030】
同図に示すように、本実施の形態では、支持部102の上方に設けられた支持部101に加え、支持部103の下方に設けられた支持部101'を有している。
【0031】
このような構成とすることにより、支持対象物の側面を支持する弾性体の設置数を大幅に増加させることができ、上下方向においては第1の実施の形態と同様の減衰性能を実現しつつ、該防振支持装置が設置される振動体の横方向における振動が特に激しいような場合でも支持対象物に伝達される振動を十分に減衰させることができる。
【0032】
なお、上述の各実施の形態において、支持対象物(例えば無線機)2のサイズは、例えば奥行き500mm、幅500mm、高さ250mmであり、その質量は30kgとなっている。また、弾性体として用いているバネは、直径40mm、長さ120mmであり、その質量は0.1kgとなっている。弾性体として用いるバネとして小型のものを使用することにより、弾性体の配置に必要なスペース(特に、高さ)を減らすことができ、かつ支持対象物の動揺範囲を減らすことができる。
【0033】
また、上述の各実施の形態では、支持対象物2に伝わる振動を減衰させるための弾性体としてバネを用いている例を挙げたが、これに限られるものではなく、例えばワイヤーロープやゴムを振動の減衰に用いる構成としてもよいことは言うまでもない。また、上述の各実施の形態では、突出部201の上下を支持している弾性体は同じ特性のものを使用しているが、必要に応じて突出部の上側を支持する弾性体と突出部の下側を支持する弾性体の弾性特性を異ならせるようにしてもよい。
【0034】
なお、上述の各実施の形態においては、突出部201が支持対象物2の側面から突出するように支持対象物2の側面と一体的に形成されている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば突出部201が支持対象物2の側面202sに対して溶接により固定されている構成、ボルト等により締結されている構成および支持対象物2の側面202sに設けた溝に挿嵌することにより固定されている構成であってもよい。
【0035】
また、上述の各実施の形態では、弾性体と支持部とが別部材となっている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば樹脂等により弾性体と支持部とを一体成型する構成としても同様の効果を奏することができる。
【0036】
また、上述の各実施の形態では、支持部材が支持対象物の両側面に配置されている例を示したが、これに限られるものではなく、例えば支持対象物の側面が4面ある場合における3側面および4側面に対して支持部材を配置する構成としてもよい。
【0037】
また、上述の各実施の形態における防振支持装置によれば、例えば支持対象物の底面を弾性的に支持することが困難な場合でも、支持対象物の側面付近さえ支持スペースを確保できれば、十分な減衰性能を得ることができる。
【0038】
また、支持対象物側面から突出させた突出部の上下を弾性体によって支持する構成とすることにより、弾性体の配置個数を大幅に増加させることができ、必要とする減衰性能を実現しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図である。
【図2】本実施の形態による防振支持装置の構成について説明するための斜視図である。
【図3】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図4におけるV方向からみた図である。
【図4】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるW方向からみた図である。
【図5】本実施の形態による防振支持装置によって支持対象物を支持している状態を図3におけるF方向からみた図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による防振支持装置における支持部材1'の構成を示す外観斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による防振支持装置における支持部材1"の構成を示す外観斜視図である。
【図8】従来の防振支持装置を図9におけるV方向からみた図である。
【図9】従来の防振支持装置を図8におけるW方向からみた図である。
【図10】従来の防振支持装置を図8におけるF方向からみた図である。
【符号の説明】
【0040】
1 支持部材、101,102,103 支持部、2 支持対象物、201 突出部、301s,302a,303b 弾性体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動体に設けられ、支持対象物を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、
前記支持対象物の側面における第1の所定位置を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部と、
前記支持対象物の側面における前記第1の所定位置と近接する第2の所定位置に該支持対象物と一体的に設けられた突出部と、
前記第1の支持部と一体的に構成され、前記突出部を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部と
を備えてなることを特徴とする防振支持装置。
【請求項1】
振動体に設けられ、支持対象物を該振動体にて支持させる防振支持装置であって、
前記支持対象物の側面における第1の所定位置を略水平方向において弾性的に支持する第1の支持部と、
前記支持対象物の側面における前記第1の所定位置と近接する第2の所定位置に該支持対象物と一体的に設けられた突出部と、
前記第1の支持部と一体的に構成され、前記突出部を略垂直方向において弾性的に支持する第2の支持部と
を備えてなることを特徴とする防振支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−100887(P2007−100887A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293318(P2005−293318)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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