説明

防波堤の補強方法及び補強防波堤

【課題】
既存の防波堤に対しても効率よく施工でき、且つ波浪に対して高い転倒耐力及び滑動抵抗力が得られる防波堤の補強法及び補強防波堤の提供。
【解決手段】
捨石基礎2は、堤構造体3下に各石材5,5間の隙間に固化材7を注入・固化させることにより形成された補強基礎部6を有し、堤構造体3及び補強基礎部6に亘って貫通した貫通孔11を備え、貫通孔11に連結部材12を挿通させるとともに貫通孔11と連結部材12との間にグラウト13を充填させ、堤構造体3と捨石基礎2とを一体化させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の防波堤の転倒耐力及び滑動抵抗力の強化を図るための防波堤の補強方法及び補強された補強防波堤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防波堤の一例として、水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎の上にケーソン等からなる堤構造体を載置した構造のものが知られている。
【0003】
近年では、異常気象等の影響により、施工当初の予想を上回るエネルギーを有する波浪が押し寄せ、このような波浪により従来の防波堤では、捨石基礎上の堤構造体が捨石基礎に対して滑動してしまい防波堤機能が損なわれる虞があった。
【0004】
そこで、このような堤構造体の滑動を防止するために、ケーソン等からなる堤構造体に増設用のケーソン等を連結させて構造物全体の重量を増加させ捨石基礎に対する滑動抵抗力を増大させる方法(例えば、特許文献1)や堤構造体と捨石基礎との間に摩擦マットを介材させ、両者間の摩擦を増大させるようにした方法(例えば特許文献2)が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−190254号公報
【特許文献2】特開平9−221761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述の如き従来の堤体構造体の重量を増加させる方法では、既存の堤構造体に別個のケーソン等増設し、それらを一体化させるので、増設ケーソンの構築費用や水中での一体化作業に費用が嵩むという問題があった。
【0007】
また、従来の摩擦マットを使用する方法では、摩擦マットを既存の防波堤に設置することは困難であり、また、この様なマットを敷設しても大幅な摩擦係数の増加は望めず、費用対効果が低いという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、既存の防波堤に対しても効率よく施工でき、且つ波浪に対して高い転倒耐力及び滑動抵抗力が得られる防波堤の補強法及び補強防波堤の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎の上に堤構造体を載置してなる防波堤の補強方法おいて、前記捨石基礎を構成する石材間に固化材を注入し、該固化材を固化させることにより前記堤構造体下に補強基礎部を形成することにある。
【0010】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、下端部に削孔用ビットを着脱可能に備えるケーシング部材を使用し、該ケーシング部材を回転させながら前記堤体構造体上面部より下降させ、前記堤構造体から前記捨石基礎に亘って貫通した貫通孔を形成するとともに該貫通孔の内側面を前記ケーシング部材で被覆し、しかる後、前記ケーシング部材を引き抜きながら、該ケーシング部材の先端より前記固化材を吐出させることにより前記石材間に前記固化材を注入することにある。
【0011】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れかの構成に加え、前記堤構造体及び前記捨石基礎を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成した後、該貫通孔を通して前記水底地盤内に攪拌ロッドを挿入し、該攪拌ロッドの先端部より周囲に固化材を噴射するとともに攪拌して前記ロッド周辺の前記水底地盤を改良することにある。
【0012】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1、2又は3の何れかの構成に加え、前記補強基礎部を形成した後、前記堤構造体及び前記補強基礎部を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成し、該貫通孔に鋼棒等からなる連結部材を挿通させた後、前記貫通孔内面と前記連結部材との間にグラウトを充填し、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させることにある。
【0013】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項4の構成に加え、前記連結部材の上端部を堤構造体に定着させることにある。
【0014】
請求項6に記載の発明の特徴は、水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎と、該捨石基礎上に載置された堤構造体とを備えてなる補強防波堤において、前記捨石基礎は、前記堤構造体下に各石材間の隙間に固化材を注入・固化させることにより形成された補強基礎部を有することにある。
【0015】
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記堤構造体及び前記補強基礎部に亘って貫通した貫通孔を備え、該貫通孔に連結部材を挿通させるとともに前記貫通孔と前記連結部材との間にグラウトを充填させ、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させたことにある。
【0016】
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項7の構成に加え、前記貫通孔は、前記補強基礎部下の水底地盤まで到達され、前記連結部材の下端を前記水底地盤内に埋設させたことにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る防波堤の補強方法は、上述したように、水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎の上に堤構造体を載置してなる防波堤の補強方法おいて、前記捨石基礎を構成する石材間に固化材を注入し、該固化材を固化させることにより前記堤構造体下に補強基礎部を形成することにより、捨石基礎の強度が増し、捨石基礎上に堤構造体を安定した状態で載置することができる。また、固化材を注入したことにより防波堤構造物全体の自重が増すことで、水底地盤から受ける鉛直方向反力が増大し、それに伴い水底地盤に対する滑動抵抗力が増大する。
【0018】
また、本発明において、下端部に削孔用ビットを着脱可能に備えるケーシング部材を使用し、該ケーシング部材を回転させながら前記堤体構造体上面部より下降させ、前記堤構造体から前記捨石基礎に亘って貫通した貫通孔を形成するとともに該貫通孔の内側面を前記ケーシング部材で被覆し、しかる後、前記ケーシング部材を引き抜きながら、該ケーシング部材の先端より前記固化材を吐出させることにより前記石材間に前記固化材を注入することにより、好適に捨石基礎を構成する石材間の隙間に固化材を注入することができる。
【0019】
更に本発明において、前記堤構造体及び前記捨石基礎を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成した後、該貫通孔を通して前記水底地盤内に攪拌ロッドを挿入し、該攪拌ロッドの先端部より周囲に固化材を噴射するとともに攪拌して前記ロッド周辺の前記水底地盤を改良することにより、防波堤構造物全体の重量増加による地盤沈下を防止し、効率よく地盤反力を作用させることができる。
【0020】
更にまた本発明において、前記補強基礎部を形成した後、前記堤構造体及び前記補強基礎部を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成し、該貫通孔に鋼棒等からなる連結部材を挿通させた後、前記貫通孔内面と前記連結部材との間にグラウトを充填し、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させることにより、堤構造体の捨石基礎より受ける鉛直方向反力が増大し、それに伴い堤構造体と捨石基礎との間の滑動抵抗力も増大する。また、堤構造体と捨石基礎とを一体化させたことにより、堤構造体の転倒に対する耐力も増大する。
【0021】
また、本発明において、前記連結部材の上端部を堤構造体に定着させることにより、堤構造体に好適に連結部材を定着させることができる。
【0022】
本発明に係る補強防波堤は、上述したように、水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎と、該捨石基礎上に載置された堤構造体とを備えてなる補強防波堤において、前記捨石基礎は、前記堤構造体下に各石材間の隙間に固化材を注入・固化させることにより形成された補強基礎部を有することにより、捨石基礎の強度が増し、捨石基礎上に堤構造体を安定した状態で載置することができる。また、固化材を注入したことにより防波堤構造物全体の自重が増し、水底地盤から受ける鉛直方向反力が増大し、それに伴い水底地盤に対する滑動抵抗力が増大する。
【0023】
また、本発明において、前記堤構造体及び前記補強基礎部に亘って貫通した貫通孔を備え、該貫通孔に連結部材を挿通させるとともに前記貫通孔と前記連結部材との間にグラウトを充填させ、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させたことにより、堤構造体の捨石基礎より受ける鉛直方向反力が大きく、それに伴い堤構造体と捨石基礎との間の滑動抵抗力も大きい。また、堤構造体と捨石基礎とを一体化させたことにより、堤構造体の転倒に対する高い耐力が得られる。
【0024】
さらにまた、本発明において、前記貫通孔は、前記補強基礎部下の水底地盤まで到達され、前記連結部材の下端を前記水底地盤内に埋設させたことにより、捨石基礎と水底地盤との間に高い滑動抵抗力が得られ、且つ、防波堤全体の転倒に対する高い耐力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る補強防波堤の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る防波堤の補強方法による補強を施す前の防波堤の状態を示す縦断面図である。
【図3】同上の固化材注入用貫通孔削孔工程の概略を示す縦断面図である。
【図4】同上の補強基礎部造成工程の概略を示す縦断面図である。
【図5】同上の貫通孔削孔工程の概略を示す縦断面図である。
【図6】同上の地盤改良工程の概略を示す拡大縦断面図である。
【図7】同上の一体化工程の概略を示す縦断面図である。
【図8】補強基礎部造成工程の他の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明に係る補強防波堤の実施の態様を、図1に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号Aは水底地盤である。
【0027】
この補強防波堤1は、水底地盤A上に構築された捨石基礎2と、捨石基礎2上に載置された堤構造体3とを備えた混成堤であって、内海と外海とを隔てるように設置されている。尚、図中防波堤1を介して左側を内海、右側を外海として説明する。
【0028】
また、この補強防波堤1は、捨石基礎2下に形成された改良地盤層4に下面が支持されており、安定した状態で設置されている。
【0029】
捨石基礎2は、多数の石材5,5...を水底地盤A上に積み上げて構築され、それぞれ外海側及び内海側に向けて傾斜した傾斜部2a,2aが形成されている。尚、この捨石基礎2を構成する石材5,5...は、大きさや形状等がそれぞれ異なり、これらを組み合わせて積み上げることにより各石材5,5間には隙間が形成されている。
【0030】
また、この捨石基礎2には、堤構造体3下に補強基礎部6が形成されている。この補強基礎部6は、石材5,5...間の隙間に水中不分離コンクリートやセメント混合物(セメントミルク、モルタル)等からなる固化材7を注入・固化させることにより形成され、構造的に強度を増すとともに全体重量が増加して水底地盤Aに対する滑動抵抗も増すようになっている。
【0031】
尚、補強基礎部6は、堤構造体3の内外向き方向幅に対しその幅より広く形成されている。
【0032】
堤構造体3は、コンクリート製のケーソン8と、ケーソン8の上面部を閉鎖するコンクリート製の上部コンクリート9とをもって構成されている。
【0033】
ケーソン8は、矩形の底版8aと、底版8aの周縁より立ち上げた形状の周壁8bとを備えた上面部が開口した函状に形成され、その函状内部が隔壁8c,8cにより複数の内室部に分けられている。この各内室部内には、砂や石材等からなる中詰材10が充填されている。
【0034】
また、この補強防波堤1には、堤構造体3及び補強基礎部6を貫通した貫通孔11が形成されており、この貫通孔11には、鋼棒等からなる連結部材12が堤構造体3及び補強基礎部6を貫通して挿通されるとともに、連結部材12と貫通孔11内周面との間にセメント、モルタル、合成樹脂材等からなるグラウト13が充填されている。
【0035】
このグラウト13は、貫通孔11内に高圧で注入され、連結部材12を堤構造体3及び捨石基礎2に強固に固定するようになっている。
【0036】
また、連結部材12は、その上端部が上部コンクリート9の上面部にナット等の定着具14により定着されている。
【0037】
このように構成された補強防波堤1は、強度の高い補強基礎部6上に堤構造体3が載置され、且つ連結部材12を介して堤構造体3と補強基礎部6(捨石基礎2)とを連結させたことにより転倒に対して高い耐力が得られる。
【0038】
また、捨石基礎2と堤構造体3とを一体化させたことにより、堤構造体3が捨石基礎2より受ける鉛直上向きの反力が増大し、堤構造体3の捨石基礎2に対する滑動抵抗力が一体化していない場合に比べて増大している。
【0039】
一方、連結部材12は、捨石基礎2下の水底地盤Aにまで到達しているので、堤防全体の水底地盤Aに対する滑動も防止される。
【0040】
また、石材5,5間に固化材7が注入された補強基礎部6を有することにより、補強基礎部6を有しない場合に比べて、防波堤1全体の重量が増加し、それに伴い水底地盤Aから受ける反力が大きくなるので、防波堤全体の水底地盤Aに対する滑動抵抗も大きくなる。
【0041】
尚、補強基礎部6下の水底地盤Aを地盤改良しておくことにより、地盤沈下を防止することができ、地盤より受ける反力をロスなく防波堤1に作用させることができる。
【0042】
次に、本発明にかかる防波堤の補強方法について図2〜図7について説明する。尚、上述の実施例と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図2に示す防波堤は、既存の防波堤であって、捨石基礎2上に堤構造体3を載置することにより構成されている。
【0044】
まず、図3に示すように、下端に削孔用ビット20を取り付けたケーシング部材21を図示しない掘削装置により回転させながら上部コンクリート9の上面より下降させ、堤構造体3から捨石基礎2に亘って貫通した固化材注入用貫通孔22を形成する。
【0045】
この削孔作業は、順次ケーシング部材21を継ぎ足しながら捨石基礎2の底部に達するまで行い、固化材注入用貫通孔22内側面をケーシング部材21により覆い、後述する固化材7が漏れ出ないようにする。尚、削孔作業においては、高圧噴射ジェットを併用して作業効率を高めるようにしてもよい。
【0046】
次に、捨石基礎2の傾斜部2a表面を図示しないシート又は板材により被覆するとともに固化材注入用貫通孔22内を通して削孔用ビット20を引き抜き、その状態で固化材注入用貫通孔22を通して固化材7を注入する。
【0047】
この固化材注入作業は、図4に示すように、ケーシング部材21を引き抜きながら、ケーシング部材21の下端から固化材7を吐出させることにより行い、それにより固化材7が固化材注入用貫通孔22の内周面より周囲の石材5,5...間の隙間に流入する。尚、注入する固化材7の量は、捨石基礎2内の空隙率、注入範囲等の条件に基づき決定される
【0048】
この作業を捨石基礎2の上端部に至るまで行い、固化材7を養生固化させることにより堤構造体3下に補強基礎部6が形成される。
【0049】
次に、図5に示すように、下端に削孔用ビット20が備えられたケーシング部材21を再び回転させながら下降させ、堤構造体3及び補強基礎部6を貫通し、補強基礎部6下の水底地盤Aの所定の深さに至るまで削孔して貫通孔11を形成する。
【0050】
貫通孔11が形成された後、削孔用ビット20及びケーシング部材21を引き抜き、図6に示すように、貫通孔11を通して攪拌ロッド23を水底地盤A内に挿入する。
【0051】
そして、攪拌ロッド23を回転させながら先端部より周囲の土砂に向けて固化材24を噴射させることにより、攪拌ロッド23周辺の土砂が攪拌されて土砂と固化材24が混合される。この作業を攪拌ロッド23を引き上げながら行い、補強基礎部6の下に改良地盤層4が形成される。
【0052】
次に、図7に示すように、鋼棒等からなる連結部材12を貫通孔11内に通し、堤構造体3、補強基礎部6を貫通させる。また、連結部材12の下端部が改良地盤層4中に挿入されて埋設される。
【0053】
そして、貫通孔11内の連結部材12周辺にグラウト13を高圧で注入した後、このグラウト13を養生し固化させる。
【0054】
このグラウト13が硬化することにより、グラウト13を介して連結部材12が堤構造体3及び補強基礎部6(捨石基礎2)に強固に固定され、それにより連結部材12を介して堤構造体3と補強基礎部6とが連結され、一体化がなされる。
【0055】
最後に、連結部材12の上端部をナット等の定着具14により堤構造体3の上面部、即ち上部コンクリート9の上面部に定着させて作業が完了する。
【0056】
尚、上述の実施例では、補強基礎部6下の水底地盤Aの地盤改良を行った例について説明したが、水底地盤Aが強固で改良の必要が無い場合には、上述の地盤改良工程を省いてもよい。
【0057】
また、石材5,5...間への固化材7の注入は、図8に示すように、作業台船30より注入管31を斜め下向きに捨石基礎2内に挿入し、注入管31より固化材7を注入するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
A 水底地盤
1 補強防波堤
2 捨石基礎
3 堤構造体
4 改良地盤層
5 石材
6 補強基礎部
7 固化材
8 ケーソン
9 上部コンクリート
10 中詰材
11 貫通孔
12 連結部材
13 グラウト
14 定着具
20 削孔用ビット
21 ケーシング部材
22 固化材注入用貫通孔
23 攪拌ロッド
24 固化材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎の上に堤構造体を載置してなる防波堤の補強方法おいて、
前記捨石基礎を構成する石材間に固化材を注入し、該固化材を固化させることにより前記堤構造体下に補強基礎部を形成することを特徴としてなる防波堤の補強方法。
【請求項2】
下端部に削孔用ビットを着脱可能に備えるケーシング部材を使用し、該ケーシング部材を回転させながら前記堤体構造体上面部より下降させ、前記堤構造体から前記捨石基礎に亘って貫通した貫通孔を形成するとともに該貫通孔の内側面を前記ケーシング部材で被覆し、しかる後、前記ケーシング部材を引き抜きながら、該ケーシング部材の先端より前記固化材を吐出させることにより前記石材間に前記固化材を注入する請求項1に記載の防波堤の補強方法。
【請求項3】
前記堤構造体及び前記捨石基礎を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成した後、該貫通孔を通して前記水底地盤内に攪拌ロッドを挿入し、該攪拌ロッドの先端部より周囲に固化材を噴射するとともに攪拌して前記ロッド周辺の前記水底地盤を改良する請求項1、2又は3に記載の防波堤の補強方法。
【請求項4】
前記補強基礎部を形成した後、前記堤構造体及び前記補強基礎部を貫通し、且つ水底地盤まで達する貫通孔を形成し、該貫通孔に鋼棒等からなる連結部材を挿通させた後、前記貫通孔内面と前記連結部材との間にグラウトを充填し、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させる請求項1、2又は3に記載の防波堤の補強方法。
【請求項5】
前記連結部材の上端部を堤構造体に定着させる請求項4に記載の防波堤の補強方法。
【請求項6】
水底に石材を積み上げて構築された捨石基礎と、該捨石基礎上に載置された堤構造体とを備えてなる補強防波堤において、
前記捨石基礎は、前記堤構造体下に各石材間の隙間に固化材を注入・固化させることにより形成された補強基礎部を有することを特徴としてなる補強防波堤。
【請求項7】
前記堤構造体及び前記補強基礎部に亘って貫通した貫通孔を備え、該貫通孔に連結部材を挿通させるとともに前記貫通孔と前記連結部材との間にグラウトを充填させ、前記堤構造体と前記捨石基礎とを一体化させた請求項6に記載の補強防波堤。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記補強基礎部下の水底地盤まで到達され、前記連結部材の下端を前記水底地盤内に埋設させた請求項7に記載の補強防波堤。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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