説明

防滑性カーペット及びその製造方法

【課題】運行のための揺動の激しい航空旅客機や一部の鉄道車両の床材において、快適な歩行性を有し、ワゴン車や車椅子等のキャスター類の走行性にも優れ、いかなるカーペット原反にも防滑性を付与できる、汎用性にも優れた防滑性カーペットを提供する。
【解決手段】カーペットの表面に粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物4を防滑材として点在突設したことにより、運行のための揺動の激しい航空旅客機や一部の鉄道車両の床材において、優れた防滑機能を有し、快適な歩行性やワゴン車や車椅子等のキャスター類の走行性に優れた防滑性カーペット1となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防滑性カーペットに係り、さらに詳しくはカーペットのパイル部に、多孔状構造物を点在突設させることにより、カーペット表面に優れた防滑機能を有することができる防滑性カーペットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空旅客機や一部の鉄道車両の床には、家庭やオフィスと同様に、快適な居住性や歩行性のためにカーペットが設置されている。しかし固定された家庭やオフィスの床とは違い、航空旅客機や一部の鉄道車両のカーペットを設置した床は運行のための揺動により、滑りやすく、歩行し難い状態となっている。特に老人、身体的弱者にとっては転倒の危険性すらある。また、重量物を載せたワゴン車や車椅子等のキャスター類の走行性が鈍るなどの弊害がある。
【0003】
一方、家庭用のカーペットにおいても、意匠性や触感の向上のために、カットパイル糸に光沢やソフト感を出して外観を良好にするために加熱ローラで処理するポリッシャ加工を行っている。しかしながら、ポリッシャ加工を行うと、パイル糸が加熱されてクリンプが伸びるので前述のように光沢やソフト感が良くなる反面、パイルの表面の滑性が良くなって床に敷設した時に滑ることがあり、特に老人や幼児等足元が不安定な人は転倒することがあって非常に危険であった。
【0004】
これを防ぐために特開平7−18558号公報(特許文献1)に開示されているように熱に対する延伸度が異なる繊維原料によってクリンプが伸ばされるパイル糸と、クリンプが伸びないパイル糸とを配合させ、滑りの生じない部分を有するカーペットを提案している。しかしこの方法では、防滑性に関して不十分であり、2種類のパイル糸を用意する等の必要があり、製造工程が煩雑であった。
【特許文献1】特開平7−18558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題を解決し、運行のための揺動の激しい航空旅客機や一部の鉄道車両の床材において、快適な歩行性を有し、ワゴン車や車椅子等のキャスター類の走行性にも優れ、いかなるカーペット原反にも防滑性を付与できる、汎用性にも優れた防滑性カーペットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0007】
[1]パイル部を有するカーペットにおいて、前記パイル部に粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物が防滑材として点在突設されていることを特徴とする防滑性カーペット。
【0008】
[2]前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物の点在突設量が、固形分0.5〜2.0g/mであることを特徴とする請求項1に記載の防滑性カーペット。
【0009】
[3]前記粒状無機化合物がシリカ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前項1または2に記載の防滑性カーペット。
【0010】
[4]前前記非イオン活性剤が高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前項1乃至3に記載の防滑性カーペット。
【0011】
[5]前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物をパイル部に含浸、コーティング又は噴霧し、後に加熱し、乾燥させることにより形成された前記多孔状構造物を防滑材として、パイル部に点在突設させたことを特徴とする前項1乃至4に記載の防滑性カーペット。
【発明の効果】
【0012】
[1]の発明によれば、パイル部表面に粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物を防滑材として点在突設したことにより、運行のための揺動の激しい航空旅客機や一部の鉄道車両において、滑り過ぎる事の無い床となるために、歩行が快適となり、ワゴン車や車椅子等のキャスター類は横ぶれや過進行性が無くなり、優れた表面防滑機能を有する防滑性カーペットとなる。
【0013】
[2]の発明によれば、前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物の点在突設量が、固形分0.5〜2.0g/mであることにより、優れた防滑機能が得られ、安定した製造方法により得られる防滑性カーペットとなる。
【0014】
[3]の発明によれば、前記粒状無機化合物がシリカ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることにより、無機化合物は組成物中に分散し易く、加熱凝固する際に核となり易く、もしくは組成物中で水を引きつけることによりイオン架橋を起こし易く、多孔状になりやすい効果がある。
【0015】
[4]の発明によれば、前記非イオン活性剤が高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることにより、多孔状構造物を形成するためのゲル化促進の効果が大きく、多孔状構造物の形成時に孔の絶対量が多くなり、効果的に多孔にすることができ、防滑の効果を大きくすることができる。
【0016】
[5]の発明によれば、前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物をパイル部に含浸、コーティング又は噴霧し、乾熱、乾燥させ多孔状構造物からなる防滑材を形成することにより、特殊なパイル糸の使用や、パイル糸段階での特殊な加工は必要とせず、あらゆるパイル部を有するカーペットに防滑性を付与することのできる、汎用性にも優れたに防滑性カーペットの加工方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下この発明に係わる防滑性カーペットの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態の防滑性カーペットは、多孔状構造物がカーペット表面に点在突設していることを特徴とする防滑性カーペットである。図1は、本実施形態の防滑性カーペットの一部を拡大して示す概略断面図である。
【0018】
本発明の防滑性カーペット(1)は、パイル(2)と、基布(3)と、パイル部に点在突設している多孔状構造物(4)と、裏打ち層(5)で構成されている。
【0019】
本発明における防滑性カーペット(1)の基材となるパイル部を有するカーペットは、例えば基布(3)にパイル(2)がタフティングされてなるタフテッドパイル原反を用いることができる。
【0020】
前記タフテッドパイル原反を構成するパイル素材としては、一般的にカーペット素材として使用しているものを用いればよく、ウール、麻、コットン等の天然繊維やポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成樹脂繊維等が挙げられる。さらにパイルの形態は特に限定されず、例えばループパイルであっても良いし、カットパイルであっても良い。
【0021】
パイルが植設される基布(3)としては、特に限定されず、例えばポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維の他、綿、羊毛、麻等の天然繊維からなる織布や不織布を用いることができる。パイルが植設される基布(3)として要求される耐熱性を有し、連続生産での安定品質と経済的に量産し得る点で特にポリエステル、ポリプロピレンが好適に採用される。また、その形態や組織は制限されることはなく、例えば、織布の場合は、平織り、綾織り、絡み織り等、編布の場合は、ラッセル編、トリコット編、不織布の場合は、湿式あるいは乾式法を問わずスパンボンド不織布、メルトブロー不織布等、またこれらを組み合わせて補強した積層物等が挙げられる。
【0022】
本発明における多孔状構造物(4)は、シリカ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等からなる群より選ばれる少なくとも一種である粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物等からなる群より選ばれる少なくとも一種である非イオン活性剤をからなる混合液を前記タフテッドパイル原反に付与し、後に加熱、乾燥させることにより得られる。即ち前記粒状無機化合物がゲル核となり、前記非イオン活性剤が揮発することにより、前記カーペット基材表面に多孔状構造物(4)が構成されることを特徴とするものである。
【0023】
本発明で用いられる無機化合物は組成物中に分散し、加熱凝固する際に核となり易いもの、もしくは組成物中で水を引きつけることにより樹脂自体を多孔体の構造にし易くするもの、イオン架橋を起こし易いものであれば特に制限はない。例えば、シリカ、コロイダルシリカ、ゼオライトなどの非金属の酸化物、塩化アルミニウムなどの金属の塩化物、硫酸ナトリウムなどの金属の硫酸化物、炭酸カルシウムなどの金属の炭酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属の水酸化物などが挙げられる。そしてその形態としては粉体、これらの分散体、ゾル、ゲルなどが挙げられる。特に好ましいものとしては、分散性があり、加熱凝固する際に核となり易いシリカ、コロイダルシリカである。
【0024】
本発明において使用する活性剤は、水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、使いやすい性質をもっている非イオン活性剤を用いる。この非イオン活性剤は粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物の感熱ゲル化温度を低下させるものであり、水の沸点以下で樹脂液が流動性を失ってゲル化するものであれば特に制限はない。例えば、高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオ
キシド付加物などが挙げられる。
【0025】
これらの内好ましいものとしては、多孔状構造物を形成するためのゲル化促進の効果の大きい5重量%水溶液の曇点が50℃以上である高級アルコールのアルキレンオキシド付加物である。曇点が50℃以下(5重量%水溶液)の場合には、ゲル化促進の効果が少なく、多孔形成時に孔の絶対量が少なくなり、多孔にする効果が落ちる傾向がある。
【0026】
本発明に係る多孔性構造体の製造方法は、前記説明した特定の成分を含む組成物を、前記タフテッドパイル原反に噴霧等し、乾熱加熱処理して多孔体を形成させ、その後乾燥させることを特徴とする。該タフテッドパイル原反に前記混合物を付与する方法は、前記説明した組成物が流失してしまい、本発明に係る多孔性構造体が形成できなくなる方法以外であれば特に制限はない。例えば、含浸、コーティング、噴霧などの通常公知の方法が好ましく採用され、均等な分散で付与できることから噴霧が好ましい。
【0027】
前記混合物の付与量は、優れた防滑機能を得るためには、固形分0.5〜2.0g/mが好ましく、より好ましくは固形分0.7〜1.7g/mである。固形分0.5g/m未満では優れた防滑機能を得ることが出来ず、2.0g/mを超えると歩行の摩擦により、多孔性構造体の脱落が生じる可能性がある。
【0028】
このように処理されたタフテッドパイル原反を加熱することにより、シリカ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等からなる群より選ばれる少なくとも一種である粒状無機化合物が多孔体を形成することを特徴とする。加熱方法については特に制限はないが、生産性の面から乾熱加熱が好ましい。さらに必要ならば高周波加熱を併用することも可能である。
【0029】
乾熱加熱の条件としては、含浸、コーティング、噴霧等の方法にて付与した組成物の組成、付着量によって適宜選択することができ、含浸、コーティング、噴霧等の方法で付与した組成物中の粒状無機化合物からなる樹脂成分がゲル化凝固する温度以上とすることが必要である。この組成物中の粒状無機化合物からなる樹脂成分が溶融する場合には樹脂を骨格とした多孔性構造体を形成することが困難となるため、温度は通常50〜150℃の範囲であり、好ましくは70〜120℃、特に好ましいのは90〜110℃の範囲である。温度が50℃未満では混合液中の粒状無機化合物からなる樹脂成分のゲル化凝固が不十分となったり、150℃を超えると混合液中の粒状無機化合物からなる樹脂成分が溶融したり、ゲル化凝固した粒状無機化合物からなる樹脂成分が再付着を起こすなどの問題がある。
【0030】
乾熱加熱の時間については、組成物中の樹脂成分が十分に多孔性構造となるのに要する時間保持する必要があり、通常10秒〜100分であり、好ましくは30秒〜10分であるが、実際の現場での作業性を考慮すると特に好ましいのは、1〜7分である。
【0031】
本発明においてはさらに加熱処理したタフテッドパイル原反を乾燥することが特徴である。乾燥により形成された構造体を多孔性を維持したまま固化できる。熱風乾燥機等により直接乾燥するか、若しくは温水又は冷水による洗浄工程を経た後に乾燥をすることも可能である。さらに、増粘剤、柔軟剤等の他薬剤を適宜配合して処理することも可能である。
【0032】
また、本発明における防滑性カーペット(1)の裏側には、通常、裏打ち層(5)が設けられるが、この裏打ち層(5)としては、特に限定されず、例えば樹脂組成物、ゴム組成物、ジュート、ポリプロピレン織布、ニードルパンチ基布などが積層されるが、通常は樹脂組成物やゴム組成物が使用される。この樹脂組成物の樹脂成分としては、アクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂を挙げることができる。また、ゴム組成物のゴム成分としては、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、あるいは天然ゴム等が挙げられる。
【0033】
なお、この発明の防滑性カーペット(1)の使用形態は特に限定されるものではなく、例えば、航空旅客機や一部の鉄道車両用のカーペットの他、家庭用カーペット、マットあるいはタイルカーペット等として構成することができる。
【0034】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
<実施例1>目付190g/mのポリエチレンテレフタレート(PET)織布からなる基布に、ウール紡績糸からなるパイル糸を、1/10ゲージ(緯密度)、ステッチ48/cm(縦密度)、パイル長5mm/3mmのハイ&ローのループカーペット表皮からなるタフテッドパイル原反を作成した。
【0036】
そして、シリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤を配合し、均一に混合、分散させた混合液を前記前記タフテッドパイル原反に噴霧により固形分1.5g/m付与し、後に100℃、5分の条件で加熱、乾燥させ、前記シリカからなる粒状無機化合物がゲル核となり、前記高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤が揮発することにより、多孔状構造物を前記タフテッドパイル原反のパイル部表面に点在突設させ、さらに裏側に、裏打ち層としてSBR(スチレン−ブタジエンゴム)をDRY365g/m塗布し防滑性カーペットを得た。
【0037】
<実施例2>シリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液の噴霧による付与量を、固形分0.7g/mにしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0038】
<実施例3>シリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液の噴霧による付与量を、固形分1.8g/mにしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0039】
<実施例4>コロイダルシリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液にしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0040】
<実施例5>シリカからなる粒状無機化合物とアルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液にしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0041】
<比較例1>防滑材となる多孔状構造物を付与せずにカーペットを作成したこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0042】
<比較例2>シリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液の噴霧による付与量を、固形分0.3g/mにしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0043】
<比較例3>シリカからなる粒状無機化合物と高級アルコールのアルキレンオキシド付加物からなる非イオン活性剤の混合液の噴霧による付与量を、固形分2.2g/mにしたこと以外実施例1と全く同様にして、防滑性カーペットを得た。
【0044】
上記のようにして得られた各防滑性カーペットに対して下記評価法に基づいて摩擦係数、防滑材脱落性能を調べた。その結果を表1に示す。
【0045】
(摩擦係数)各防滑性カーペットの表面に、荷重9kgの接触子を、乾燥した状態と濡れた状態で、試験速度500mm/分、移動距離180mmの条件において、移動させたときの摩擦抵抗を測定し、摩擦抵抗0.70以上を合格とした。
【0046】
(防滑材脱落性能)前記摩擦係数試験と同様、各防滑性カーペットの表面に、荷重9kgの接触子を、乾燥した状態で、試験速度500mm/分、移動距離180mmの条件において、移動させたときの粉(防滑材)が噴出する状態を目視で確認した。粉が舞う事が確認できた場合を不合格とした。
【0047】
【表1】

【0048】
表1から明らかなように、実施例1〜5の防滑性カーペットは、乾燥状態と濡れた状態でも、いずれも優れた防滑性を示し、防滑材が脱落することの無い防滑性カーペットを得た。
【0049】
これに対し、比較例1、2の防滑性カーペットは防滑性が劣り、比較例3に関しては防滑材が脱落する結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係わる本発明防滑性カーペットの断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1………防滑性カーペット2………パイル部3………基布4………多孔状構造物5………裏打ち層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル部を有するカーペットにおいて、前記パイル部に粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物が防滑材として点在突設されていることを特徴とする防滑性カーペット。
【請求項2】
前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物から形成された多孔状構造物の点在突設量が、固形分0.5〜2.0g/mであることを特徴とする請求項1に記載の防滑性カーペット。
【請求項3】
前記粒状無機化合物がシリカ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ゼオライト等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とす請求項1または2に記載の防滑性カーペット。
【請求項4】
前記非イオン活性剤が高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アルキレンオキシド付加物等からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の防滑性カーペット。
【請求項5】
前記粒状無機化合物と非イオン活性剤を含有する組成物をパイル部に含浸、コーティング又は噴霧し、後に加熱し、乾燥させることにより形成された前記多孔状構造物を防滑材として、パイル部に点在突設させたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の防滑性カーペット。

【図1】
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【公開番号】特開2009−165779(P2009−165779A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10477(P2008−10477)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】