説明

防犯監視装置

【課題】 簡単に設置でき、外観上認識しにくく、自動販売機への破壊行為を撮影できる監視装置を提供する。
【解決手段】 監視装置1は、設置対象機器の振動を検知する振動センサ2と、設置対象機器の前方所定角度範囲の影像を録画する録画ユニット4とを具備する。振動センサ2は、設置対象機器の前扉に固定し、前扉への破壊行為の振動を検知して検知信号を出力する。録画ユニット4は、前扉の錠装置本体の内部スペースに固定するカメラ6と、カメラ6から撮影画像を記録する本体7とを具備する。カメラ6は錠装置の外部に開いた開口を通して、設置対象機器の前方を撮影する。本体7は、カメラ6の撮影影像を記録媒体8に記録し、古いデータから新しいデータに順次更新処理し、設置対象機器への破壊行為があると、振動センサ2からの検知信号を受け、所定時間後に記録動作を停止する。記録媒体8には事前の映像を含む破壊行為の動画像データが記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機、精算機や車両の貨物室等の設置対象機器を破壊して商品や金銭を窃取する行為を監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動販売機の盗難監視装置として、自動販売機の振動を検知する振動センサと、自動販売機の商品見本設置部内に配置され、自動販売機の前方を動画あるいは静止画として撮影するカメラと、カメラの撮影画像を記録する画像記録装置とを備えたものがある(特許文献1参照)。この監視装置は、振動センサが、自動販売機に所定以上の振動が加えられたことを検知すると、カメラが起動して撮影を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−065427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の監視装置においては、カメラを自動販売機の商品見本設置部に設置するので、自動販売機の当該部分に加工を施す必要があり、商品の変更に伴う当該部分のデザイン変更の都度同じ加工を施す必要があり、設置が比較的大がかりになり易い。また、振動センサが振動を検知してから撮影が開始されるので、事前の映像が残らず、人物やその行為の特定に十分ではない。さらに、カメラによる撮影の停止処理が考慮されておらず、撮影が長時間にわたると、データ量が大きくなって、その後の影像確認の作業に手間がかかる。
そこで、本発明は、簡易な構成で、錠装置の本体内部に組み込まれることで簡単に設置でき、外観上装置の存在を認識しにくく、自動販売機等の設置対象機器の破壊行為を、その前後にわたって、明確に撮影でき、影像確認の容易な監視装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明に係る監視装置は、自動販売機31等の設置対象機器に対する破壊行為による振動を検知する振動センサ2と、設置対象機器の前方所定角度範囲を撮影するカメラ6と、振動センサ2からの検知信号を受けて、検知時点前後の所定時間におけるカメラ6の撮影画像のデータを記録する記録装置とを備える。カメラ6は、設置対象機器31の前扉32に取り付けられる錠装置33の本体内部に設ける。記録装置は、設置対象機器内の、錠装置33から離れた位置に設ける。
【発明の効果】
【0006】
本発明においては、カメラを扉の錠装置内に組み入れるので、錠装置ごと既存のものと交換でき、設置が容易であるし、自動販売機のような設置対象機器に対する複雑な加工を必要としない。設置対象機器の振動前後の所定時間の撮影画像を記録するので、設置対象機器に対する一連の破壊行為及び加害者の容貌等を特定できるように確実に記録できる。振動検知時点の前後の所定時間のみの影像が記録されるので、事後の不必要な影像記録が継続することがなく、影像データの確認が容易になるし、小さい記録容量の記録装置を適用できる。記録装置は、設置対象機器内の、錠装置から離れた位置に設けられるので、カメラを破壊されても画像データは安全に保存できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る監視装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。
図1において、監視装置1は、自動販売機等の設置対象機器の振動を検知する振動センサ2と、振動センサ2の感度調整アンプ3と、自動販売機の前方を影像、録画する録画ユニット4とを具備する。
【0009】
設置対象機器が自動販売機である場合、振動センサ2は、前扉内側に貼着される。例えば、金銭窃取のために前扉への破壊行為が行われると、振動センサ2が振動を検知して、電気的に検出信号を出力する。この検出信号は、感度調整アンプ3を介して増幅・フィルタリング処理され、所定の振幅以上のもののみ出力される。
【0010】
録画ユニット4は、機器の前方所定角度範囲を動画として撮影、録画するもので、カメラ6と、アンプ3に電気的に接続される本体7とを具備する。カメラ6は、小型のCCDカメラを用いる。
【0011】
図2には、自動販売機の前扉に装着されるポップアウト形のロックハンドル装置11にカメラ6を組み込んだ実施形態を示す。図2において、錠装置としてのロックハンドル装置11は、扉Dに固着される本体12と、ハンドル13とを具備する。
【0012】
ハンドル13は、図に示す施錠状態において、本体12へ押し込まれ、前面が本体12の前面と連続した平面となっているが、錠前14をキーで解錠することにより、ばね力で本体12から突出し、回転操作が可能となる。ハンドル13の回転操作により扉Dの止め金を外し、これを開閉する。
【0013】
本体12は、箱状で、前方が前面板15で閉じ、後方に開放する。本体12は、上部にハンドル13の軸部を受ける前後方向の軸受け筒部16を有し、その下部には空間17を具備する。空間17は、開口18を有する前面板15を隔てて錠止状態のハンドル13の下部に対面する。ハンドル13の下部には、開口18と対向する位置に開口19が形成される。
【0014】
カメラ6は、本体12の空間17内において、開口18に嵌合し、視野を開口19に向けるように固定される。したがって、カメラ6は、ハンドル13の開口19を通して、自動販売機の前方所定角度の範囲を撮影可能である。
【0015】
図1に示すように、カメラ6は、常時影像を本体7に出力する。本体7は、自動販売機内の、ロックハンドル装置11から離れた部位に取り付けられる。本体7は、制御部7aとドライブ7bとを備えている。制御部7aは、カメラ6からの動画像を所定の時間間隔ごとに分割して逐次取り込み、所定数に達したら、古いデータから新しいデータに順次更新処理する一方、振動センサ2からの振動検出信号を受けたら、所定時間後に記録動作を停止処理する。ドライブ7bは、カメラ6の影像を静止画像のデータとしてSDカードなどの市販の記録媒体8に記録する記録装置である。
【0016】
図3には、車両の貨物室やコンテナの観音開き式扉において扉開閉用ハンドルを扉閉鎖位置に拘束するのに使用される掛金装置21にカメラ6を組み込んだ実施形態を示す。
【0017】
図3において、錠装置としての掛金装置21は、扉Dに固着される本体22と、フックレバー23とを具備する。フックレバー23は、図に示す施錠状態において、扉Dと平行に起立しており、扉開閉用ハンドルDHを本体22との間で保持しており、扉Dを開閉操作することができない。権限者がキーで錠前24を解錠することにより、フックレバー23が転倒してハンドルDHが解放される。本体22は、鎖錠機構部26の下方に、外殻25で閉じた空間27を具備する。外殻25は、前方に開く開口28を有する。
【0018】
カメラ6は、本体22の空間27内において、視野を開口28に向けて固定され、開口28を通して、貨物室の前方所定角度の範囲を撮影可能である。
【0019】
この監視装置1においては、カメラ6が常時設置対象機器の前方を撮影し、この影像を所定時間間隔の動画の画像データとしてドライブ7bで記録媒体8に逐次記録していく。金銭や物品窃取のために設置対象機器の扉への破壊行為が行われると、この振動を振動センサ2が検知し、検知信号をアンプ3を介して録画ユニット4に送る。録画ユニット4の制御部7aは、検知信号を受けたら所定時間後に記録動作を停止する。記録媒体8には事前の映像を含む破壊行為の動画像データが記録されているので、一連の行為及び加害者を特定できる。
【符号の説明】
【0020】
1 監視装置
2 振動センサ
4 録画ユニット
6 カメラ
7 本体
7a 制御部
7b ドライブ
8 記録媒体
11 ロックハンドル装置
21 掛金装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機等の設置対象機器に対する所定の振動を検知する振動センサと、
設置対象機器の前方所定角度範囲を撮影して画像データを出力するカメラと、
前記振動センサからの検知信号を受けて、検知時点前後の所定時間の前記カメラからの画像データを記録する記録装置とを備え、
設置対象機器に対する加振前後の撮影画像を記録する防犯監視装置において、
前記カメラが設置対象機器の前扉に取り付けられる錠装置の本体内部に設けられ、前記記録装置が設置対象機器内の、錠装置から離れた位置に設けられることを特徴とする防犯監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−221624(P2011−221624A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87492(P2010−87492)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)
【Fターム(参考)】